JPH0665321A - 耐熱性向上剤および熱可塑性樹脂組成物 - Google Patents

耐熱性向上剤および熱可塑性樹脂組成物

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JPH0665321A
JPH0665321A JP22045892A JP22045892A JPH0665321A JP H0665321 A JPH0665321 A JP H0665321A JP 22045892 A JP22045892 A JP 22045892A JP 22045892 A JP22045892 A JP 22045892A JP H0665321 A JPH0665321 A JP H0665321A
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compound
weight
heat resistance
vinyl compound
resistance improver
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Application number
JP22045892A
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English (en)
Inventor
Kazuhito Wada
一仁 和田
Yasuhiro Mishima
育宏 三島
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Kanegafuchi Chemical Industry Co Ltd
Original Assignee
Kanegafuchi Chemical Industry Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【構成】 エポキシ基を有するビニル化合物0.01〜50重
量%、および他の共重合可能なビニル化合物50〜99.99
重量%の共重合体からなる耐熱性向上剤(X)、および
該耐熱向上剤(X)1〜200 重量部を、オレフィン系樹
脂(Y) 100重量部に配合してなる熱可塑性樹脂組成
物。 【効果】 耐熱性、耐表層剥離性にすぐれている。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、耐熱性向上剤およびそ
れを用いた耐熱性、耐表層剥離性、流動性にすぐれた熱
可塑性樹脂組成物に関する。
【0002】
【従来の技術】オレフィン系樹脂は、すぐれた成形加工
性、コストパホーマンスを有するため、一般的な種々の
用途に用いられている汎用プラスチックである。しかし
ながら、近年、耐熱性を有する用途での需要が高まりつ
つあり、耐熱性の不足が問題となっている。
【0003】耐熱性を増加させる手段として、耐熱性を
向上させることのできる化合物の共重合による方法、オ
レフィン系樹脂にタルクのような無機物、ガラス繊維の
ような無機フィラーを添加する方法、オレフィン系樹脂
に耐熱性ポリマーをブレンドする方法などが一般的に実
施されている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】前記従来の方法では、
耐熱性の改良が不充分であったり、射出成形などの高剪
断下での成形後に、成形品の表層が成形品と僅かな力で
分離する表層剥離現象が起こったり、充填剤の添加によ
り流動性が低下したり、相溶化剤の使用によりコストア
ップになるなどの実用に適さない問題がある。
【0005】本発明は前記問題を解決し、耐熱性改良剤
およびそれを用いた耐熱性、耐表層剥離性にすぐれた熱
可塑性樹脂組成物を提供すること目的とする。
【0006】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、前記の課
題を解決するため鋭意検討した結果、オレフィン系樹脂
に対し、ある種の官能基を有する共重合体を使用する
と、興味深いことに、耐熱性が向上し、かつ、高剪断下
での表層剥離が起こりにくくなることを見いだした。
【0007】すなわち本発明はエポキシ基を有するビニ
ル化合物(a−1)0.01〜50重量%、および他の共重合
可能なビニル化合物(a−2)50〜 99.99重量%の共重
合体からなる耐熱性向上剤(X)に関する。
【0008】本発明はまたオレフィン系樹脂(Y) 100
重量部に対し、エポキシ基を有するビニル化合物(a−
1)0.01〜50重量%、および他の共重合可能なビニル化
合物(a−2)50〜 99.99重量%の共重合体からなる前
記耐熱性向上剤(X)を1〜200 重量部配合してなる熱
可塑性樹脂組成物に関する。
【0009】
【作用および実施例】本発明の耐熱性向上剤(X)は、
特定の官能基を有する共重合体であり、本発明の熱可塑
性樹脂組成物が耐熱性、耐表層剥離性を発揮するために
必須の成分である。つまり、本発明に用いられる耐熱性
向上剤は、オレフィン系樹脂と相溶性をもたない、ある
いは相溶性に乏しい共重合体に特定の官能基を導入する
ことにより、相溶性を向上させ、本来の効果である耐熱
性を向上させたものである。
【0010】本発明に用いられる耐熱性向上剤(X)
は、エポキシ基を有するビニル化合物(a−1)、およ
び他の共重合可能なビニル化合物(a−2)からなる共
重合体である。
【0011】エポキシ基を有するビニル化合物(a−
1)としては、α,β−不飽和酸のグリシジルエステル
化合物または、少なくとも1個のアミド基とグリシジル
オキシ基およびグリシジル基のうちの少なくとも1個と
を有する化合物が好ましい。これらの官能基はオレフィ
ン系樹脂と相互作用、たとえば共有結合、イオン結合、
水素結合、分子間引力、さらには相互侵入高分子網目
(INP)構造の補助などの結果相溶性を向上させ、表
層剥離性を抑制する。
【0012】前記α,β−不飽和酸のグリシジルエステ
ル化合物としては、たとえばグリシジルアクリレート、
グリシジルメタクリレートなどがあげられる。
【0013】前記少なくとも1個のアミド基とグリシジ
ルオキシ基およびグリシジル基のうちの少なくとも1個
とを有する化合物としては、たとえば一般式(I):
【0014】
【化2】
【0015】(式中、Arはグリシジルオキシ基および
(または)グリシジル基をすくなくとも1個有する炭素
数9〜23の芳香族炭化水素基、Rは水素原子またはメチ
ル基を表わす)で表わされる化合物があげられる。
【0016】前記一般式(I)で表わされる化合物は特
開昭60−130580号公報に記載されたような方法
で製造することができる。
【0017】すなわち、下記一般式(II):
【0018】
【化3】
【0019】(式中、Ar´は水酸基を少なくとも1個
有する炭素数9〜23の芳香族炭化水素基、Rは水素原子
またはメチル基を表わす)で表わされる化合物にエピハ
ロヒドリンを付加させたのち、アルカリで脱ハロゲン化
水素反応を行うことにより製造できる。
【0020】具体的には、出発物質として、2,6−キ
シレノールとN−メチロールアクリルアミドを用いたば
あいには、下記構造式(III):
【0021】
【化4】
【0022】で表わされる化合物をえることができる。
【0023】前記エポキシ基を有するビニル化合物(a
−1)は1種類だけ使用してもよいし2種以上を使用し
てもよい。
【0024】前記他の共重合可能なビニル化合物(a−
2)は、芳香族ビニル化合物、シアン化ビニル化合物、
アルキル(メタ)アクリレートまたはマレイミド化合物
から選ばれたものであるのが相溶性(耐表層剥離性)、
耐熱性を低下させない点で好ましい。さらに、好ましい
のは、ビニル化合物(a−2)中のシアン化ビニル化合
物および(または)マレイミド化合物の合計が10%(重
量%、以下同様)以下のものである。シアン化ビニル化
合物および(または)マレイミド化合物の量が10%を超
えるとオレフィン系樹脂との相溶性が悪化し、表層剥離
が生じやすくなる。
【0025】前記芳香族ビニル化合物としては、たとえ
ばスチレン、メチルスチレン、クロロスチレン、α−メ
チルスチレン、β−イソプロピルナフタレンなどがあげ
られる。
【0026】前記シアン化ビニル化合物としては、たと
えばアクリロニトリル、メタクリロニトリルなどがあげ
られる。
【0027】また、アルキル(メタ)アクリレート化合
物としては、たとえばメチルメタクリレート、エチルメ
タクリレート、ブチルアクリレートなどがあげられる。
【0028】マレイミド化合物としては、たとえばマレ
イミド、フェニルマレイミドなどがあげられる。
【0029】前記化合物は単独で使用しても、2種以上
を使用してもよい。
【0030】本発明の熱可塑性樹脂の耐熱性の点から
は、前記芳香族ビニル化合物がα−メチルスチレン、β
−イソプロペニルナフタレンのうちの1種以上を20%以
上含むものが、より好ましい。
【0031】さらに、前記他の共重合可能なビニル化合
物(a−2)は、アクリルアミド、メタクリルアミド、
アクリル酸、メタクリル酸、マレイン酸、無水マレイン
酸などを20%未満含んでいてもかまわない。
【0032】本発明に用いられる前記耐熱性向上剤
(X)は、エポキシ基を有するビニル化合物(a−1)
0.01〜50%、および他の共重合可能なビニル化合物(a
−2)50〜 99.99%からなり、好ましくは、(a−1)
0.01〜30%、(a−2)70〜 99.99%、さらに好ましい
のは、エポキシ基を有するビニル化合物(a−1)0.01
〜30%ならびに(a−2)成分として芳香族ビニル化合
物70〜 99.99%、シアン化ビニル化合物および(また
は)マレイミド化合物0〜10%、アルキル(メタ)アク
リレート0〜 29.99%および共重合可能な他のビニル化
合物0〜20%からなるものである。そのなかでもとくに
好ましいのは、エポキシ基を有するビニル化合物(a−
1)0.01〜10%、(a−2)成分として芳香族ビニル化
合物90〜 99.99%、シアン化ビニル化合物および(また
は)マレイミド化合物0〜9.99%、アルキル(メタ)ア
クリレート0〜9.99%および共重合可能な他のビニル化
合物0〜9.99%のものである。
【0033】エポキシ基を有するビニル化合物(a−
1)が0.01%未満では、オレフィン系樹脂との相溶性が
低下し表層剥離が生じやすくなり、50%を超えると成形
加工性などが低下する。
【0034】前記耐熱性向上剤(X)重合形態にはとく
に制限はなく、ランダム共重合、ブロック共重合、グラ
フト共重合などいずれでもよい。またその共重合方法に
もとくに制限はなく、一般的な塊状重合、懸濁重合、溶
液重合、および塊状−懸濁重合などの従来公知の種々の
重合法により製造することができるが、乳化重合法が好
適である。
【0035】たとえば水、乳化剤、触媒の乳化液を40〜
80℃に加熱攪拌し、ビニル化合物と重合開始剤、重合度
調節剤の混合物を3〜10時間で滴下追加して、重合さ
せ、目的物ラテックスをえる。
【0036】また、ビニル化合物の仕込方法についても
とくに制限はなく、初期一括仕込、分割仕込、または連
続仕込のいずれを採用してもよい。分割または連続仕込
のばあいには、重合途中で組成を変化させてもよい。
【0037】重合終了後は、既知の方法により目的のパ
ウダーをえる。
【0038】本発明の熱可塑性樹脂組成物は、オレフィ
ン系樹脂に特定の反応性基を有する共重合体を配合する
ことによってすぐれた耐熱性、耐表層剥離性、流動性を
示すに至ったものである。
【0039】本発明の熱可塑性樹脂組成物に用いられる
前記オレフィン系樹脂(Y)としては、たとえば高密度
ポリエチレン、中密度ポリエチレン、低密度ポリエチレ
ン、エチレンとその他のα−オレフィンとの共重合体、
ポリプロピレン、プロピレンとその他のα−オレフィン
との共重合体、ポリブテン、ポリ−4−メチルペンテン
−1などのポリオレフィン類またはオリゴマー類や、エ
チレン−プロピレンゴム、エチレン−プロピレン−ジエ
ンゴム、エチレン−酢酸ビニル共重合体、ブチルゴム、
ブタジエンゴム、プロピレン−ブテン共重合体、エチレ
ン−アクリル酸エステル共重合体などのポリオレフィン
系エラストマー類などがあげられる。これらは単独でも
2種以上組み合わせて用いてもよい。これらの中で、耐
衝撃性、耐熱性の点から、低密度ポリエチレン、ポリプ
ロピレン、プロピレンとその他のα−オレフィンとの共
重合体などが好ましく、そのなかでもポリプロピレン、
プロピレンとその他のα−オレフィンとの共重合体がと
くに好ましい。
【0040】前記オレフィン系樹脂(Y)の重合方法に
はとくに制限はなく、公知の方法を用いることができ
る。
【0041】前記オレフィン系樹脂(Y)の立体構造に
はとくに制限はないが、耐熱性の点からアイソタクチッ
ク含量が60%以上のものが好ましく、70%以上のものは
より好ましい。また、オレフィン系樹脂(Y)の分子量
は、耐衝撃性、流動性の点から重量平均で5千〜100 万
程度が好ましく、1万〜70万がより好ましい。
【0042】前記オレフィン系樹脂としては変性オレフ
ィン系樹脂を用いてもよい。変性オレフィン系樹脂を用
いると耐熱性向上剤(X)に導入した官能基との相互作
用、とくに反応、共有は結合がいちじるしく進行し、相
溶性が大きく改善され、耐表層剥離性が向上する点で好
ましい。
【0043】前記オレフィン系樹脂(Y)の変性のため
に導入される官能基としては、エポキシ基、1、2、3
級アミノ基、アミド基、カルボキシル基、酸無水物、ヒ
ドロキシル基などがあげられ、これらは単独でも、2種
以上組合せて用いてもかまわない。本発明の耐熱性向上
剤(X)との相溶性をより向上させるためには、エポキ
シ基と反応性のあるアミノ基、カルボキシル基、ヒドロ
キシル基などが好ましく、カルボキシル基がより好まし
い。
【0044】官能基を導入するに用いられる単量体とし
ては、たとえばグリシジルアクリレート、グリシジルメ
タクリレート、アリルグリシジルエーテル、ジメチルア
ミノエチルメタクリレート、ビニルピリジン、t−ブチ
ルアミノエチルメタクリレート、アクリルアミド、メタ
クリルアミド、マレイミド、アクリル酸、メタクリル
酸、マレイン酸、無水マレイン酸、アリルアルコール、
2−ヒドロキシエチルメタクリレート、2−ヒドロキシ
エチルアクリレート、2−ヒドロキシプロピルメタクリ
レート、2−ヒドロキシプロピルアクリレートなどがあ
げられる。
【0045】官能基の導入は共重合でもグラフト共重合
でもよく、特別の制限はない。官能基の導入量は、官能
基をもった単量体として0.01〜10%程度であるのが好ま
しく、0.1 〜5%がより好ましい。
【0046】前記オレフィン系樹脂、変性オレフィン系
樹脂は重合後既知の方法によって目的とするパウダーま
たはペレットとすることができる。
【0047】本発明の熱可塑性樹脂組成物は、オレフィ
ン系樹脂(Y)100 部(重量部、以下同様)に対し耐熱
性向上剤(X)1〜200 部、好ましくは5〜150 部をブ
レンドすることによってえられる。1部未満では耐熱性
が改善されず、200 部を超えると成形加工性が損なわれ
る。
【0048】グラフト共重合体組成物(X)だけではオ
レフィン系樹脂(Y)との相溶性が不足するばあいに
は、通常用いられている相溶化剤、たとえばポリオレフ
ィンとポリメチルメタクリレート、アクリロニトリル−
スチレン共重合体、ポリ塩化ビニルとのブロックまたは
グラフト共重合体などをオレフィン系樹脂(Y)100 部
に対して10部以下併用することができる。
【0049】本発明の熱可塑性樹脂組成物は、それぞれ
の方法でえられた各パウダーまたはペレットを既知の方
法によりブレンド、混練し、成形物とすることができ
る。
【0050】本発明の熱可塑性樹脂組成物は、通常よく
知られている耐衝撃性向上剤、加工性改良剤、酸化防止
剤、熱安定剤、滑剤はもとより、必要に応じて、紫外線
吸収剤、顔料、帯電防止剤、難燃剤および難燃助剤など
を併せて使用することができる。とくにオレフィン系樹
脂に用いられるフェノール系抗酸化剤、ホスファイト系
安定剤、スズ系安定剤および各種脂肪酸エステル、金属
石鹸、ワックス類などの内外滑剤などは本発明の熱可塑
性樹脂組成物を射出成形用樹脂として、より高性能なも
のとするために用いることができる。
【0051】本発明の熱可塑性樹脂組成物は射出成形用
樹脂として有用であり、すぐれた耐熱性、耐表層剥離性
をバランスよく有するので家電製品や家庭用品(雑
貨)、自動車の内外装部品などに好ましく用いられる。
【0052】以下、本発明を具体的な実施例によりさら
に詳細に説明するが、これら実施例は本発明を限定する
ものではない。
【0053】実施例1(耐熱性向上剤(X)の製造) 撹拌機および冷却器つきの反応容器に、チッ素気流中
で、水 250部、ラウリン酸ナトリウム3部、エチレンジ
アミン4酢酸2ナトリウム0.01部、硫酸第1鉄0.0025部
を仕込み、60℃に加熱撹拌後、表1に示す所定量のビニ
ル化合物を重合開始剤のクメンハイドロパーオキサイ
ド、重合度調節剤のt−ドデシルメルカプタンと共に、
5時間かけて連続的に滴下添加し、滴下終了後さらに60
℃で1時間撹拌を続け重合を終了させた。えられたラテ
ックスを塩析凝固し、水洗、脱水、乾燥して、耐熱性向
上剤(X−1〜X−7)をえた。
【0054】えられた耐熱性向上剤について、下記の方
法で還元粘度を測定した。測定結果を表1に示す。
【0055】(還元粘度)えられた耐熱性向上剤(X)
をN,N−ジメチルホルムアミドに濃度が0.3 g/dl
となるように溶解して高分子溶液とし、JIS−K6721
に従って、30℃でウベローデ型粘度計(柴山化学機器製
作所(株)製の毛細管粘度自動計測装置)を用い、通過
時間(t)を測定する。一方、溶媒のN,N−ジメチル
ホルムアミドについて同装置を用い、30℃での通過時間
(tO )を測定し、次式により、還元粘度(ηred )を
算出した。
【0056】ηred =(t/t0 −1)/C ただし、式中、Cは高分子溶液の濃度(g/dl)を意
味する。
【0057】なお表1に使用した略号は下記の物質を示
す。
【0058】GMA :グリシジルメタクリレート AXE :
【0059】
【化5】
【0060】St :スチレン αS :α−メチルスチレン PMI:フェニルマレイミド AN :アクリロニトリル MMA:メチルメタクリレート
【0061】
【表1】
【0062】実施例2〜7、比較例1〜5 下記のオレフィン系樹脂(Y)、表1に示す実施例1で
えられた本発明の耐熱性向上剤(X)を表2に示す組成
比でヘンシェルミキサーを用いてブレンドし、2軸押出
機にて、これらの成分を 160〜 210℃で溶融混練し、ペ
レット化して熱可塑性樹脂組成物のペレットをえた。
【0063】オレフィン系樹脂: (Y−1) ポリプロピレン:メルトフローインデック
ス 7.0g/10min、衝撃強度 3.0kg・cm/cm、
三井石油化学工業(株)製、商品名ポリプロハイポール
J−600。
【0064】(Y−2) 無水マレイン酸変性ポリプロ
ピレン:(Y−1)で用いたポリプロピレン(ポリプロ
ハイポールJ−600 )100 部と無水マレイン酸1部とを
押出機で190 ℃で混練してえた無水マレイン酸変性ポリ
プロピレン。
【0065】
【表2】
【0066】つぎに、前記の方法でそれぞれ作成したペ
レットを用いて、5オンス射出成形機により、ノズル温
度を180 ℃に設定し、下記の試験に必要な試験片を成形
した。
【0067】各試験片から各種物性値を以下に示す方法
に従って測定した。その結果を表3に示す。
【0068】成形品の表層剥離性は、厚さ 2.5mmの平
板成形品のゲート部からの剥離性を評価した。評価は目
視による5点法とし、最高を5点、最低を1点とした。
すなわち、評価は数字が大きいほど耐表層剥離性にすぐ
れていることを示す。
【0069】熱変形温度はASTM D−648 規格にも
とづき、荷重18.6kg/cm2 でのHDT試験で評価し
た(単位℃)。
【0070】流動性は、前記の成形機を使用し、厚さ3
mm×幅10mmの蚊取線香状の金型における流動距離で
評価した(単位mm)。
【0071】
【表3】
【0072】表3に示した結果から、本発明の熱可塑性
樹脂組成物は、耐熱性、耐表層剥離性、流動性のいずれ
の点においてもすぐれていることがわかる。
【0073】
【発明の効果】本発明の熱可塑性樹脂組成物は、耐熱
性、耐表層剥離性がバランスよくすぐれており、家電製
品、家庭用品(雑貨)、自動車の内外装部品などに使用
できる。

Claims (16)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 エポキシ基を有するビニル化合物(a−
    1)0.01〜50重量%、および他の共重合可能なビニル化
    合物(a−2)50〜 99.99重量%の共重合体からなる耐
    熱性向上剤(X)。
  2. 【請求項2】 耐熱性向上剤(X)が、エポキシ基を有
    するビニル化合物(a−1)0.01〜30重量%、芳香族ビ
    ニル化合物70〜 99.99重量%、シアン化ビニル化合物お
    よび(または)マレイミド化合物0〜10重量%、アルキ
    ル(メタ)アクリレート0〜29.99 重量%および共重合
    可能な他のビニル化合物0〜20重量%からなるものであ
    る請求項1記載の耐熱性向上剤。
  3. 【請求項3】 耐熱性向上剤(X)が、エポキシ基を有
    するビニル化合物(a−1)0.01〜10重量%、芳香族ビ
    ニル化合物90〜 99.99重量%、シアン化ビニル化合物お
    よび(または)マレイミド化合物0〜9.99重量%、アル
    キル(メタ)アクリレート0〜9.99重量%および共重合
    可能な他のビニル化合物0〜9.99重量%からなるもので
    ある請求項1または2記載の耐熱性向上剤。
  4. 【請求項4】 エポキシ基を有するビニル化合物(a−
    1)が、α,β−不飽和酸のグリシジルエステル化合物
    である請求項1、2または3記載の耐熱性向上剤。
  5. 【請求項5】 エポキシ基を有するビニル化合物(a−
    1)が、少なくとも1個のアミド基とグリシジルオキシ
    基、グリシジル基のうちの少なくとも1個とを有する化
    合物である請求項1、2または3記載の耐熱性向上剤。
  6. 【請求項6】 エポキシ基を有するビニル化合物(a−
    1)が一般式(I): 【化1】 (式中、Arはグリシジルオキシ基、グリシジル基のう
    ちのすくなくとも1個を有する炭素数9〜23の芳香族炭
    化水素基、Rは水素原子またはメチル基を表わす)で表
    わされる化合物である請求項1、2、3または5記載の
    耐熱性向上剤。
  7. 【請求項7】 他の共重合可能なビニル化合物(a−
    2)が、芳香族ビニル化合物、シアン化ビニル化合物、
    アルキル(メタ)アクリレートおよびマレイミド化合物
    から選ばれる化合物からなるものである請求項1記載の
    耐熱性向上剤。
  8. 【請求項8】 他の共重合可能なビニル化合物(a−
    2)がシアン化ビニル化合物および(または)マレイミ
    ド化合物を10重量%以下含むものである請求項1または
    7記載の耐熱性向上剤。
  9. 【請求項9】 芳香族ビニル化合物が、α−メチルスチ
    レンおよび(または)β−イソプロピルナフタレンを含
    むものである請求項2、3または7記載の耐熱性向上
    剤。
  10. 【請求項10】 芳香族ビニル化合物が、α−メチルス
    チレンおよび(または)β−イソプロピルナフタレンを
    20%以上含むものである請求項2、3、7または9記載
    の耐熱性向上剤。
  11. 【請求項11】 オレフィン系樹脂(Y) 100重量部に
    対し、エポキシ基を有するビニル化合物(a−1)0.01
    〜50重量%、および他の共重合可能なビニル化合物(a
    −2)50〜 99.99重量%の共重合体からなる請求項1記
    載の耐熱性向上剤(X)を1〜200 重量部配合してなる
    熱可塑性樹脂組成物。
  12. 【請求項12】 オレフィン系樹脂(Y)の重量平均分
    子量が、5000〜 1000000である請求項11記載の熱可塑性
    樹脂組成物。
  13. 【請求項13】 オレフィン系樹脂(Y)が、プロピレ
    ン系重合体である請求項11または12記載の熱可塑性樹脂
    組成物。
  14. 【請求項14】 オレフィン系樹脂(Y)が、エポキシ
    基と反応性のある官能基含有オレフィン系樹脂である請
    求項11または12記載の熱可塑性樹脂組成物。
  15. 【請求項15】 オレフィン系樹脂(Y)が、カルボキ
    シル基含有オレフィン系樹脂である請求項11または12記
    載の熱可塑性樹脂組成物。
  16. 【請求項16】 射出成形用樹脂である請求項11、12、
    13、14または15記載の熱可塑性樹脂組成物。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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JP2011026522A (ja) * 2009-07-29 2011-02-10 Arakawa Chem Ind Co Ltd オフセット印刷インキ用樹脂およびオフセット印刷インキ
CN109096430A (zh) * 2018-07-25 2018-12-28 嘉兴华雯化工有限公司 一种新型的反应性四元共聚物及其制备方法

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