JPH0657051A - 熱可塑性樹脂組成物 - Google Patents

熱可塑性樹脂組成物

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JPH0657051A
JPH0657051A JP21014292A JP21014292A JPH0657051A JP H0657051 A JPH0657051 A JP H0657051A JP 21014292 A JP21014292 A JP 21014292A JP 21014292 A JP21014292 A JP 21014292A JP H0657051 A JPH0657051 A JP H0657051A
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JP
Japan
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modified
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thermoplastic resin
resin
functional group
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Application number
JP21014292A
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English (en)
Inventor
Kazuhito Wada
一仁 和田
Yasuhiro Mishima
育宏 三島
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Kanegafuchi Chemical Industry Co Ltd
Original Assignee
Kanegafuchi Chemical Industry Co Ltd
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【構成】 変性塩化ビニル系樹脂および変性スチレン系
樹脂1〜99重量部とオレフィン系樹脂99〜1重量部とか
らなる合計100 重量部に対し、少なくとも1種のエチレ
ン−プロピレン−ジエンゴム25〜70重量%、少なくとも
1種のエチレン−ビニルアセテートコポリマー25〜70重
量%、少なくとも1種のゴム状重合体および(または)
オレフィン系重合体0〜25重量%、少なくとも1種の、
官能基含有ゴム状重合体および(または)オレフィン系
重合体1〜50重量%からなる変性剤組成物0.1 〜50重量
部を配合してなる熱可塑性樹脂組成物。 【効果】 前記熱可塑性樹脂組成物は衝撃強度、流動
性、耐表層剥離性がバランスよくすぐれている。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は熱可塑性樹脂組成物に関
する。さらに詳しくは、耐衝撃性、耐表層剥離性、流動
性にすぐれた熱可塑性樹脂組成物に関する。
【0002】
【従来の技術】最近、異種の特性をもつポリマー同士を
アロイ化して樹脂を改質することが盛んに検討されてい
る。たとえば、オレフィン系樹脂とスチレン系樹脂ある
いは塩化ビニル系樹脂とのアロイ化については、エチレ
ン−酢酸ビニル共重合体によりアロイ化する方法(特公
昭60−36178号公報)、ポリエチレン−EPDM
変性物によりアロイ化する方法(特開昭63−3040
39号公報、特開平1−165640号公報)、ポリプ
ロピレンとスチレン系樹脂のブロック体によりアロイ化
する方法(特開平2−199127号公報、特開平2−
199128号公報、特開平2−199129号公報)
などについて報告されている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】前記従来の方法でアロ
イ化したばあい、えられる樹脂組成物からの成形品の耐
衝撃性が低下したり、成形時の流動性がわるくなったり
するほか、射出成形などの高剪断下での成形後に、成形
品の表層が成形品と僅かな力で分離する表層剥離現象が
起こり実用に適さないなどの問題がある。
【0004】本発明は前記問題を解決し、耐衝撃性、耐
表層剥離性、流動性にすぐれた熱可塑性樹脂組成物を提
供することを目的とする。
【0005】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、前記の課
題を解決するため鋭意検討した結果、変性した塩化ビニ
ル系樹脂および(または)変性したスチレン系樹脂とオ
レフィン系樹脂に対し、少なくとも1種のエチレン−プ
ロピレン−ジエンゴム、少なくとも1種のエチレン−ビ
ニルアセテートコポリマー、少なくとも1種の官能基含
有ゴム状重合体および(または)オレフィン系重合体、
さらに要すれば少なくとも1種のゴム状重合体および
(または)オレフィン系重合体とからなり、少なくとも
部分的に相互作用をさせた組成物を使用すると、興味深
いことに、耐衝撃性が実質的に低下せず、かつ、高剪断
下での表層剥離が起こりにくくなることを見出した。
【0006】すなわち、本発明は、変性塩化ビニル系樹
脂(A)および変性スチレン系樹脂(B)1〜99重量部
とオレフィン系樹脂(C)99〜1重量部とからなる合計
100重量部に対し、(d1)少なくとも1種のエチレン
−プロピレン−ジエンゴム25〜70重量%、(d2)少な
くとも1種のエチレン−ビニルアセテートコポリマー25
〜70重量%、(d3)少なくとも1種のゴム状重合体お
よび(または)オレフィン系重合体0〜25重量%、(d
4)少なくとも1種の官能基含有ゴム状重合体および
(または)オレフィン系重合体1〜50重量%からなる変
性剤組成物(D)0.1 〜50重量部を配合してなる熱可塑
性樹脂組成物に関する。
【0007】
【作用および実施例】本発明の熱可塑性樹脂組成物は、
塩化ビニル系樹脂、スチレン系樹脂とオレフィン系樹脂
とのように、本来は相溶性をもたないか、あるいは相溶
性に乏しい樹脂同士の相溶性を、変性剤組成物を用いて
向上させ、その結果すぐれた耐衝撃性、耐表層剥離性、
流動性を示すに至ったものである。
【0008】本発明の熱可塑性樹脂組成物に用いられる
変性塩化ビニル系樹脂(A)は、80%(重量%、以下同
様)以上が変性塩化ビニルである共重合体、80%以上が
変性塩化ビニルであるグラフト共重合体、後塩素化ポリ
塩化ビニルが含まれ、これらの単独または2種以上の組
合せで用いられる。共重合体には、20%未満のエチレ
ン、酢酸ビニル、メチルメタクリレート、ブチルアクリ
レートなどのモノビニリデン化合物が含まれていてもよ
い。
【0009】前記変性塩化ビニル系樹脂(A)に導入さ
れる官能基としては、エポキシ基、1、2または3級ア
ミノ基、ジメチルアミノ基、アミド基、カルボキシル
基、酸無水物、ヒドロキシル基などがあげられ、これら
の単独でも、2種以上の組合せで用いてもかまわない。
本発明の熱可塑性樹脂組成物の樹脂間の相溶性をより向
上させるためには、エポキシ基がとくに好ましい。
【0010】より好ましいのは、後記変性剤組成物
(D)の(d4)に導入した官能基と反応性のある官能
基であって、たとえば変性剤組成物(D)の(d4)に
導入した官能基がエポキシ基のばあいにはエポキシ基と
反応性のある官能基、たとえば、1、2、3級アミノ
基、ジメチルアミノ基、カルボキシル基、ヒドロキシル
基など、また(d4)に導入した官能基がアミノ基、カ
ルボキシル基、ヒドロキシル基などのばあいにはエポキ
シ基が好ましい組合せとしてあげられる。
【0011】官能基の導入量は、官能基をもった単量体
を0.01〜10%使用する程度が好ましく、0.1 〜5%がよ
り好ましい。
【0012】官能基の導入は共重合でもグラフト共重合
でもよく、特別の制限はない。たとえば、官能基含有単
量体と塩化ビニル単量体との共重合、ポリ塩化ビニルへ
の官能基含有単量体の含浸重合、溶媒混練によるグラフ
ト共重合などがあげられる。
【0013】前記変性塩化ビニル系樹脂(A)は、平均
重合度が400 〜1500のものが好ましく、さらに450 〜10
00のものがより好ましい。平均重合度が400 未満になる
と耐衝撃性が低下し、1500を超えると流動性が著しく低
下する傾向がある。
【0014】官能基を導入するに用いられる単量体とし
ては、たとえばグリシジルアクリレート、グリシジルメ
タクリレート、アリルグリシジルエーテル、ジメチルア
ミノエチルメタクリレート、ビニルピリジン、t−ブチ
ルアミノエチルメタクリレート、アクリルアミド、メタ
クリルアミド、マレイミド、アクリル酸、メタクリル
酸、マレイン酸、無水マレイン酸、アリルアルコール、
2−ヒドロキシエチルメタクリレート、2−ヒドロキシ
エチルアクリレート、2−ヒドロキシプロピルメタクリ
レート、2−ヒドロキシプロピルアクリレートなどがあ
げられる。
【0015】本発明の熱可塑性樹脂組成物に用いられる
変性スチレン系樹脂(B)は、ポリスチレン、アクリロ
ニトリル−スチレン共重合体、アクリロニトリル−スチ
レン−α−メチルスチレン共重合体、アクリロニトリル
−メチルメタクリレート−スチレン−α−メチルスチレ
ン共重合体、ABS樹脂、AS樹脂、MABS(メチル
メタクリレート−アクリロニトリル−ブタジエン−スチ
レン)樹脂、MBS樹脂、AAS(アクリロニトリル−
アクリル酸エステル−スチレン)樹脂、AES(アクリ
ロニトリル−EPDM−スチレン)樹脂、アクリロニト
リル−ブタジエン−スチレン−α−メチルスチレン共重
合体、アクリロニトリル−メチルメタクリレート−ブタ
ジエン−スチレン−α−メチルスチレン共重合体、スチ
レン−無水マレイン酸共重合体、スチレン−マレイミド
共重合体、スチレン−N−置換マレイミド共重合体、ア
クリロニトリル−スチレン−N−置換マレイミド共重合
体、アクリロニトリル−ブタジエン−スチレン−β−イ
ソプロペニルナフタレン共重合体、アクリロニトリル−
メチルメタクリレート−ブタジエン−スチレン−α−メ
チルスチレン−マレイミド共重合体などを変性したもの
があげられ、これらの単独または2種以上の組合せで用
いられる。
【0016】前記変性スチレン系樹脂(B)に導入され
る官能基としてはたとえばエポキシ基、1、2、3級ア
ミノ基、ジメチルアミノ基、アミド基、カルボキシル
基、酸無水物、ヒドロキシル基などをあげることができ
る。
【0017】より好ましいのは、変性剤組成物(D)の
(d4)に導入した官能基と反応性のある官能基であっ
て、たとえば変性剤組成物(D)の(d4)に導入した
官能基がエポキシ基のばあいにはエポキシ基反応性のあ
る官能基、たとえば、アミノ基、カルボキシル基、ヒド
ロキシル基など、(d4)に導入した官能基がアミノ
基、カルボキシル基、ヒドロキシル基などのばあいには
エポキシ基が最も好ましい組合せとしてあげられる。
【0018】変性スチレン系樹脂中の官能基の量は、官
能基をもった単量体を0.01〜10%使用する程度が好まし
く、0.1 〜5%がより好ましい。
【0019】前記変性スチレン系樹脂(B)をえるには
ゴム状重合体、シアン化ビニル化合物、芳香族ビニル化
合物、アルキルメタクリレート化合物から選ばれる1種
以上およびそれらと共重合可能な単量体と前記官能基を
有する単量体、たとえばグリシジルアクリレート、グリ
シジルメタクリレート、アリルグリシジルエーテル、ジ
メチルアミノエチルメタクリレート、ビニルピリジン、
t−ブチルアミノエチルメタクリレート、アクリルアミ
ド、メタクリルアミド、マレイミド、アクリル酸、メタ
クリル酸、マレイン酸、無水マレイン酸、アリルアルコ
ール、2−ヒドロキシエチルメタクリレート、2−ヒド
ロキシエチルアクリレート、2−ヒドロキシプロピルメ
タクリレート、2−ヒドロキシプロピルアクリレートな
どとを共重合するか、またはグラフト共重合、凝似グラ
フト共重合などによることができる。官能基は1種類で
も2種以上含まれていてもかまわない。本発明の熱可塑
性樹脂組成物の樹脂間の相溶性をより向上させるために
は、エポキシ基が好ましい。
【0020】本発明の熱可塑性樹脂組成物の耐衝撃性を
向上させるには、変性スチレン系樹脂(B)として、ゴ
ム状重合体40〜90%にシアン化ビニル化合物、芳香族ビ
ニル化合物、アルキルメタクリレート化合物の1種以上
およびこれらと共重合可能な単量体の混合物60〜10%を
重合してなるグラフト共重合体を70%以下、なかんづく
5〜50%含有する変性スチレン系樹脂を用いることが好
ましい。
【0021】前記ゴム状重合体としては、たとえばポリ
ブタジエンゴム、スチレン−ブタジエンゴム(SB
R)、アクリロニトリル−ブタジエンゴム(NBR)、
ブチルアクリレートゴムなどがあげられる。シアン化ビ
ニル化合物としては、たとえばアクリロニトリル、メタ
クリロニトリルなどがあげられ、芳香族ビニル化合物と
しては、たとえばスチレン、メチルスチレン、クロロス
チレン、α−メチルスチレンなどがあげられ、また、ア
ルキルメタクリレート化合物としては、メチルメタクリ
レート、エチルメタクリレートなどがあげられる。前記
重合体および化合物は、いずれも単独でも2種以上の組
合せで用いてもよい。
【0022】また、変性スチレン系樹脂(B)として
は、つぎの組成のものが本発明の熱可塑性樹脂組成物の
耐表層剥離性、流動性さらには耐熱性を満足できるので
とくに好ましい。すなわち、メチルエチルケトン可溶分
が樹脂の30〜100 %であり、該可溶分のメチルエチルケ
トン抽出物が、シアン化ビニル化合物および(または)
アルキルメタクリレート化合物を共重合成分として10〜
60%、好ましくは15%以上含有し、還元粘度が0.2 〜0.
9 dl/g(ジメチルホルムアミド溶液、30℃、濃度0.3
g/dl)、より好ましくは0.25〜0.8 dl/gのものであ
る。シアン化ビニル化合物および(または)アルキルメ
タクリレート化合物が共重合成分として10%未満では耐
表層剥離性が低下し、60%を超えると流動性が低下する
傾向にある。また、還元粘度が0.2 dl/g未満では耐衝
撃性が低下し、0.9 dl/gを超えると流動性が低下し、
成形時の熱安定性が悪くなる傾向にある。
【0023】また、耐熱性を必要とするばあいは、メチ
ルエチルケトン可溶分の組成が、α−メチルスチレン含
量30%以上である変性スチレン系樹脂であることが好ま
しい。
【0024】本発明の熱可塑性樹脂組成物に用いられる
オレフィン系樹脂(C)は、たとえば高密度ポリエチレ
ン、中密度ポリエチレン、低密度ポリエチレン、エチレ
ンとその他のα−オレフィンとの共重合体、ポリプロピ
レン、プロピレンとその他のα−オレフィンとの共重合
体、ポリブテン、ポリ−4−メチルペンテン−1などの
ポリオレフィン類またはオリゴマー類、エチレン−プロ
ピレンゴム、エチレン−プロピレン−ジエンゴム、エチ
レン−酢酸ビニル共重合体、ブチルゴム、ブタジエンゴ
ム、プロピレン−ブテン共重合体、エチレン−アクリル
酸エステル共重合体などのポリオレフィン系エラストマ
ー類または前記ポリオレフィン類およびオリゴマー類や
ポリオレフィン系エラストマーに官能基を導入した変性
オレフィン系樹脂であってこれらの単独または2種以上
の組み合わせで用いられる。これらの中で、耐衝撃性、
耐熱性の点から、低密度ポリエチレン、ポリプロピレ
ン、プロピレン系共重合体が好ましく、そのなかでもポ
リプロピレン、プロピレンとその他のα−オレフィンと
の共重合体がとくに好ましい。
【0025】官能基を導入すると、該官能基が(A)、
(B)および(または)(D)の官能基との相互作用の
結果、相溶性が向上する。したがって本発明の熱可塑性
樹脂組成物の耐表層剥離性が向上する。
【0026】前記オレフィン系樹脂(C)の立体構造に
はとくに制限はないが、耐熱性の点からアイソタクチッ
ク含量が60%以上のものが好ましく、70%以上のものは
より好ましい。また、オレフィン系樹脂(C)の分子量
は、耐衝撃性、流動性の点から重量平均で5千〜100 万
程度が好ましく、1万〜70万がより好ましい。
【0027】オレフィン系樹脂に導入される官能基とし
ては、エポキシ基、アミノ基、アミド基、カルボキシル
基、酸無水物、ヒドロキシル基などがあげられ、これら
の単独でも、2種以上を用いてもかまわない。本発明の
熱可塑性樹脂組成物の樹脂間の相溶性をより向上させる
ために好ましいのは、変性剤組成物(D)の(d4)に
導入した官能基と反応性のある官能基であって、たとえ
ば変性剤組成物(D)の(d4)に導入した官能基がエ
ポキシ基のばあいにはエポキシ基と反応性のある官能
基、たとえば、アミノ基、カルボキシル基、ヒドロキシ
ル基などが最も好ましい組合せとしてあげられる。
【0028】官能基を導入するに用いられる単量体とし
ては、たとえばグリシジルアクリレート、グリシジルメ
タクリレート、アリルグリシジルエーテル、ジメチルア
ミノエチルメタクリレート、ビニルピリジン、t−ブチ
ルアミノエチルメタクリレート、アクリルアミド、メタ
クリルアミド、マレイミド、アクリル酸、メタクリル
酸、マレイン酸、無水マレイン酸、アリルアルコール、
2−ヒドロキシエチルメタクリレート、2−ヒドロキシ
エチルアクリレート、2−ヒドロキシプロピルメタクリ
レート、2−ヒドロキシプロピルアクリレートなどがあ
げられる。
【0029】官能基を導入する方法は共重合でもグラフ
ト共重合でもよく、特別の制限はない。たとえばオレフ
ィン単量体と官能基含有単量体との共重合、ポリオレフ
ィンへの官能基含有単量体の含浸重合、溶融混練による
グラフト共重合などがあげられる。
【0030】官能基の導入量は、官能基をもった単量体
を0.01〜10%使用する程度が好ましく、0.1 〜5%がよ
り好ましい。
【0031】本発明の熱可塑性樹脂組成物に用いられる
前記変性剤組成物(D)は、エチレン−プロピレン−ジ
エンゴム、エチレン−ビニルアセテートコポリマーと、
官能基を含有するゴム状重合体および(または)オレフ
ィン系重合体、要すれば使用されるゴム状重合体および
(または)オレフィン系重合体とからなる組成物であ
り、本発明の熱可塑性樹脂組成物が耐衝撃性、耐表層剥
離性を発揮するために用いられる組成物である。
【0032】本発明に用いられる変性剤組成物(D)の
(d1)は前記(D)の中でオレフィン系樹脂(C)の
相溶性を改良する。また本発明の熱可塑性樹脂組成物の
耐衝撃性を向上させる作用をするものである。その成分
としては、エチレン含有量、ジエン含有量、ジエンの種
類、ゴムのMooney粘度、ゴム中のモノマー分布状態など
をとくに限定するものではないが、最終の熱可塑性樹脂
組成物の耐衝撃性を向上させるためには、相異なるエチ
レン−プロピレン−ジエンゴムを2種類使用し、少なく
とも1方のゴムが妥当な強度(エチレン含有量が60%以
上で、ガラス転位温度が−55℃以下、Mooney粘度ML
1+4 (100 ℃)75以上)をもっているようにすることが
好ましい。
【0033】前記ゴムの製法は既知であり、バナジウム
型触媒を用い、ジエン含有量を加減することにより不飽
和度を加減することができる。標準値は1000個の炭素原
子当り3〜20の二重結合を有することが好ましい。Moon
ey粘度(ML1+4 (100 ℃))は一般的に30〜125 、エ
チレン含有量は45〜80%が好ましく、なかでも60〜80%
がとくに好ましい。
【0034】前記のようなエチレン−プロピレン−ジエ
ンゴムの具体例としてはたとえばエチレン70%−プロピ
レン25%−ジシクロペンタジエン5%のゴム、エチレン
60%−プロピレン30%−エチリデンノルボルネン10%の
ゴム、エチレン65%−プロピレン25%−1,4−ヘキサ
ジエン10%のゴムなどがあげられる。
【0035】(d2)成分は前記変性剤組成物(D)の
中で(d1)(d3)(d4)の混和をよくし、(A)
および(または)(B)との相溶性を促進する作用を有
するものであって、ビニルアセテート含有量が25〜35
%、とりわけビニルアセテート含有量が28〜32%のエチ
レン−ビニルアセテートコポリマーが好ましい。ビニル
アセテート含有量が前記範囲外では、耐衝撃性、耐表層
剥離性が低下する傾向がある。
【0036】前記エチレン−ビニルアセテートコポリマ
ーは、メルトフローインデックスが0.5 〜25dg/min
(230 ℃、2.16kg/cm2 )の範囲のものが本発明の熱可
塑性樹脂組成物の耐衝撃性、流動性のバランスがよくな
るので好ましく、1〜20dg/min のものが、より好まし
い。
【0037】(d3)成分は(D)の構成には必須では
ないが、使用することによって本発明の熱可塑性樹脂組
成物の耐衝撃性や流動性を調整することができる。
【0038】前記(d3)で表わされる成分は粒子径が
0.3 〜30μm程度のスチレン−ブタジエンゴム、スチレ
ン−ブタジエンブロックコポリマー、アクリロニトリル
−ブタジエンゴム、ブタジエンゴム、イソブチレンゴ
ム、ブチルゴムなど、数平均分子量が500 〜60000 程度
のポリオレフィンたとえば低密度ポリエチレン、中密度
ポリエチレン、ポリプロピレン、エチレンプロピレン共
重合体など、またはこれらの2種以上の混合物であるこ
とが好ましく、本発明の熱可塑性樹脂組成物に対して
は、耐衝撃性の点からスチレン−ブタジエンゴム、スチ
レン−ブタジエンブロックコポリマー、ブタジエンゴム
がより好ましい。
【0039】また、本発明の熱可塑性樹脂組成物を構成
する各樹脂間の相溶性を向上させるためには(d3)成
分が、メチルメタクリル酸エステル、スチレン−アクリ
ロニトリル、スチレン−メチルメタクリル酸エステルな
どをグラフトさせた塩化ビニル系樹脂および(または)
スチレン系樹脂と親和性のあるスチレン−ブタジエンゴ
ム、スチレン−ブタジエンブロックコポリマー、アクリ
ロニトリル−ブタジエンゴム、ブタジエンゴム、イソブ
チレンゴム、ブチルゴム、ポリオレフィンまたは前記グ
ラフト重合体の2種以上の混合物であることが好まし
い。
【0040】さらに、耐衝撃性の点からは、メチルメタ
クリレート、スチレン−アクリロニトリル、スチレン−
メチルメタクリレートなどをグラフトさせた塩化ビニル
系樹脂および(または)スチレン系樹脂と親和性のある
スチレン−ブタジエンゴム、スチレン−ブタジエンブロ
ックコポリマー、ブタジエンゴムがより好ましい。
【0041】(d4)成分は前記変性剤組成物(D)の
なかで(A)成分、(B)成分または(C)成分との相
溶性を支配する最も重要な成分で、(d4)成分中の官
能基が(A)、(B)または(C)と反応または相互作
用をする結果、これらとの相溶性を向上させる作用をも
つもので、官能基を含有した変性スチレン−ブタジエン
ゴム、変性スチレン−ブタジエンブロックコポリマー、
変性アクリロニトリル−ブタジエンゴム、変性ブタジエ
ンゴム、変性イソブチレンゴム、変性ブチルゴム、変性
ポリオレフィンのうちの少なくとも1種からなるもので
あることが好ましい。
【0042】官能基としては、たとえばエポキシ基、
1、2および3級のアミノ基、ジメチルアミノ基、アミ
ド基、カルボキシル基、酸無水物、ヒドロキシル基など
があげられる。これらの官能基は単独で含まれていても
よく、また2種以上含まれていてもよい。そのなかでも
本発明の熱可塑性樹脂組成物を構成する樹脂間の相溶性
をより向上させるためには、エポキシ基が好ましい。
【0043】(d4)成分としてはエポキシ基を含有す
るおよび(または)エポキシ基含有化合物をグラフトさ
せた変性スチレン−ブタジエンゴム、変性スチレン−ブ
タジエンブロックコポリマー、変性アクリロニトリル−
ブタジエンゴム、変性ブタジエンゴム、変性イソブチレ
ンゴム、変性ブチルゴム、変性ポリオレフィンのうちの
1種または2種以上がとくに好ましい。
【0044】官能基を導入するには、前記ゴムやポリオ
レフィンの原料と官能基含有化合物とを共重合させても
よいし、官能基を含有する化合物を前記ゴムやポリオレ
フィン類にグラフトしてもよい。
【0045】前記(d4)成分の官能基の量としては、
官能基を有する単量体として、0.01〜50%含まれている
ものが好ましく、0.1 〜10%のものがより好ましい。
【0046】官能基の量が少なすぎるときは(A)およ
び(または)(B)と(C)との相溶性が不充分であ
り、多すぎると(A)および(または)(B)と(C)
との反応が過剰となって流動性が低下する傾向がある。
【0047】官能基を導入するのに用いる単量体として
は、たとえばグリシジルアクリレート、グリシジルメタ
クリレート、アリルグリシジルエーテル、ジメチルアミ
ノエチルメタクリレート、ビニルピリジン、t−ブチル
アミノエチルメタクリレート、アクリルアミド、メタク
リルアミド、マレイミド、アクリル酸、メタクリル酸、
マレイン酸、無水マレイン酸、アリルアルコール、2−
ヒドロキシエチルメタクリレート、2−ヒドロキシエチ
ルアクリレート、2−ヒドロキシプロピルメタクリレー
ト、2−ヒドロキシプロピルアクリレートなどがあげら
れる。
【0048】変性剤組成物(D)は、1種以上の前記エ
チレン−プロピレン−ジエンゴム(d1)成分25〜70
%、1種以上の前記エチレン−ビニルアセテートコポリ
マー(d2)成分25〜70%、1種以上の前記ゴム状重合
体および(または)オレフィン系重合体(d3)成分0
〜25%、1種以上の、前記官能基含有ゴム状重合体およ
び(または)オケフィン系重合体(d4)成分1〜50%
からなるものが好ましく、とりわけ(d1)成分35〜65
%、(d2)成分35〜65%、(d3)成分1〜20%、
(d4)成分1〜30%からなるものが好ましい。さらに
より好ましいのは(d1)成分35〜65%、(d2)成分
35〜65%部、(d4)成分1〜30%からなるものであ
る。
【0049】(d1)成分と(d2)成分との比は、で
きるだけ1に近くすることが、塩化ビニル系樹脂および
(または)スチレン系樹脂とオレフィン系樹脂との相溶
性を向上する点からより好ましい。
【0050】前記組成物(D)中の(d1)成分が25%
未満では耐衝撃性が低下し、70%を超えると耐表層剥離
性が悪くなり、(d2)成分が25%未満では耐表層剥離
性が悪化し、70%を超えると耐衝撃性が低下する。(d
3)成分が25%を超えるか、(d4)成分が1〜50%の
範囲外となると耐表層剥離性が悪化する傾向がある。
【0051】(d3)成分は必ずしも含まれている必要
はなく、(d4)成分の少なくとも1種が含まれていれ
ば、耐表層剥離性は改善される。
【0052】変性剤組成物(D)は、(d1)、(d
2)、(d3)、(d4)の各成分の混合物を押出機で
溶融混練したものが好ましく、その手段、操作に格別の
制限はないが、300 ℃以下の温度で溶融混練して一部相
互作用をさせたものであることが好ましい。融解温度の
下限は、融点が最も高い成分の融解範囲によって決定さ
れる。変性剤組成物(D)の融解範囲は、40〜150 ℃、
とくに50〜100 ℃の範囲が好ましい。変性剤組成物
(D)を製造する際に重要なことは、成分を少なくとも
部分的に相互作用、すなわち反応、イオン結合、分子間
引力による結合、凝似グラフト構造、相互侵入網目構造
などをさせることである。相互作用によって(d1)、
(d2)、(d3)、(d4)の各成分は均一に混合し
相溶している状態になる。
【0053】前記溶融混練に際して各成分間に相互作用
が起こることはメルトフローインデックスの変化によっ
て知ることができる。すなわちこのメルトフローインデ
ックスは成分間の反応によって左右され、相互作用によ
り分子量が大きくなるか架橋が生じるとメルトフローイ
ンデックスが低下し、反応が進みすぎると分解が生じて
メルトフローインデックスが高くなる。
【0054】本発明に用いられる変性剤組成物(D)に
あってはメルトフローインデックスは、0.25〜1.5 dg/
min (230 ℃、2.16kg/cm2 )の間にすることが好まし
い。
【0055】さらに、流動性、離型性などを向上させる
ために、1種以上のワックスを変性剤組成物(D)に0.
01〜10%の範囲で加えることができる。ワックスとして
は、ポリオレフィンワックス、とくに、ポリプロピレン
ワックスが好ましい。
【0056】変性剤組成物(D)は前記(d1)〜(d
4)成分を混合することによってえられる。該混合は溶
融混練が好ましく、その手段、操作についてはとくに制
限はない。
【0057】本発明の熱可塑性樹脂組成物は、変性塩化
ビニル系樹脂(A)および変性スチレン系樹脂(B)1
〜99部(重量部、以下同様)とオレフィン系樹脂(C)
99〜1部とからなる(A)、(B)、(C)の合計100
部に対し、変性剤組成物(D)0.1 〜50部を配合するこ
とによってえられる。(A)および(B)の合計と
(C)との重量比は、10/90〜99/1が好ましく、10/
90〜70/30がより好ましい。(A)、(B)の比率は、
(A)1〜99%、(B)99〜1%に亘り適用可能であ
る。なお、変性塩化ビニル系樹脂(A)または変性スチ
レン系樹脂(B)のすくなくとも一方が使用されていれ
ば、他方は変性されていない塩化ビニル系樹脂またはス
チレン系樹脂であっても耐表層剥離性を向上させること
ができる。
【0058】変性剤組成物(D)は、前記(A)、
(B)、(C)の合計100 部に対し、0.1 〜50部の範囲
が好ましく1〜25部がとくに好ましい。0.1 部未満では
表層剥離性の改良効果が発揮されず、50部をこえると耐
衝撃性が悪くなり、流動性が低くなって成形加工性が損
なわれる。
【0059】変性塩化ビニル系樹脂(A)、変性スチレ
ン系樹脂(B)、オレフィン系樹脂(C)、変性剤組成
物(D)の成分(d1)エチレン−プロピレン−ジエン
ゴム、(d2)エチレン−ビニルアセテートコポリマ
ー、(d3)ゴム状重合体および(または)オレフィン
系重合体(d4)官能基含有ゴム状重合体および(また
は)オレフィン系重合体の重合については、それぞれ公
知の重合方法を使用することができ、その種類、操作に
ついてはとくに制限はない。重合終了後は、既知の方法
により目的のパウダーまたはペレットをうる。
【0060】さらに、本発明の熱可塑性樹脂組成物は、
それぞれの方法でえられた各パウダーまたはペレットを
既知の方法によりブレンド、混練し、成形物とすること
ができる。
【0061】本発明の熱可塑性樹脂組成物は、通常よく
知られている酸化防止剤、熱安定剤、滑剤はもとより、
必要に応じて、UV吸収剤、顔料、帯電防止剤、難燃剤
および難燃助剤などを合わせて使用することができる。
とくに、スチレン系樹脂、オレフィン系樹脂にも用いら
れるフェノール系抗酸化剤、ホスファイト系安定剤、塩
化ビニル系樹脂に配合されるスズ系安定剤および各種脂
肪酸エステル、金属石鹸、ワックス類などの内外滑剤な
どは本発明の熱可塑性樹脂組成物を射出成形用樹脂とし
て、より高性能なものとするために用いることができ
る。
【0062】本発明の熱可塑性樹脂は、すぐれた耐衝撃
性、流動性、耐表層剥離性をバランスよく有するので家
電製品の部品、OA機器の部品、自動車の内外装の部品
などに好ましく用いられる。
【0063】以下、本発明を具体的な実施例によりさら
に詳細に説明するが、これら実施例は本発明を限定する
ものではない。
【0064】参考例1 ブタジエンゴム60%に、メチルメタクリレート29%、グ
リシジルメタクリレート1%、スチレン10%をグラフト
重合したエポキシ基変性ブタジエンゴム(d4)10部、
エチレン含有量70%、ジシクロペンタジエンをジエン成
分とするEPDM(d1)45部、ビニルアセテート含有
量30%、メルトフローインデックスが10dg/minであるE
VA(d2)45部をヘンシェルミキサーでブレンドし、
2軸押出機にて、これらの成分を100 〜150 ℃で溶融混
練し反応させ、ペレット化して変性剤組成物(D−1)
のペレットをえた。
【0065】参考例2 エチレン含有量10%のエチレン−プロピレンコポリマー
60%に、メチルメタクリレート29%、グリシジルメタク
リレート1%、スチレン10%をグラフトしたエポキシ基
変性エチレン−プロピレンコポリマー(d4)5部、エ
チレン含有量70%、ジシクロペンタジエンをジエン成分
とするEPDM(d1)45部、ビニルアセテート含有量
30%、メルトフローインデックスが10dg/minであるEV
A(d2)45部、低密度ポリエチレン(LDPE)(d
3)5部をヘンシェルミキサーでブレンドし、2軸押出
機にて、これらの成分を100 〜150 ℃で溶融混練し反応
させ、ペレット化して変性剤組成物(D−2)のペレッ
トをえた。
【0066】比較参考例1 エチレン含有量70%、ジシクロペンタジエンをジエン成
分とするEPDM(d1)50部、ビニルアセテート含有
量30%、メルトフローインデックスが10dg/min である
EVA(d2)50部をヘンシェルミキサーでブレンド
し、2軸押出機にて、これらの成分を100 〜150 ℃で溶
融混練し反応させ、ペレット化して組成物(D−3)の
ペレットをえた。
【0067】比較参考例2 エチレン含有量70%、ジシクロペンタジエンをジエン成
分とするEPDM(d1)80部、低密度ポリエチレン
(LDPE)(d3)20部をヘンシェルミキサーでブレ
ンドし、2軸押出機にて、これらの成分を100 〜150 ℃
で溶融混練し反応させ、ペレット化して組成物(D−
4)のペレットをえた。
【0068】実施例1〜7、比較例1〜9 公知の懸濁重合法で重合した表1に示した変性塩化ビニ
ル系樹脂(A−1〜A−3)、公知の乳化重合法で重合
した表2に示した組成の変性スチレン系樹脂(B−1〜
B−3)、下記に示すオレフィン系樹脂(C−1、C−
2)、参考例で製造した変性剤組成物(D−1〜D−
4)および安定剤(ジブチルスズマレート)2部を表3
に示す組成比でヘンシェルミキサーを用いてブレンド
し、2軸押出機で、これらの成分を170 〜220 ℃で溶融
混練し、ペレット化して熱可塑性樹脂組成物のペレット
をえた。
【0069】オレフィン系樹脂 (C−1):ポリプロピレン 三井石油化学工業(株)製、商品名ポリプロハイポール
J−600 (重量平均分子量30万、メルトフローインデックス7.0
g/min 、衝撃強度3.0kg ・cm/cm) (C−2):無水マレイン酸変性ポリプロピレン (C−1)のポリプロピレン(三井石油化学工業(株)
製、商品名ポリプロハイポールJ−600 )100 部と無水
マレイン酸1部とを押出機で190 ℃で混練して合成した
もの なお、還元粘度は、以下の方法によって測定した。
【0070】(還元粘度)スチレン系樹脂をN,N−ジ
メチルホルムアミドに濃度が0.3 g/dlとなるように溶
解して高分子溶液とし、JIS−K6721に従って、30℃
でウベローデ型粘度系(柴山化学機器製作所(株)製の
毛細管粘度自動計測装置)を用い、通過時間(t)を測
定する。一方、溶媒のN,N−ジメチルホルムアミドに
ついて同装置を用い、30℃での通過時間( t0 )を測定
し、次式により、還元粘度(ηred)を算出した。
【0071】ηred =(t/t0 −1)/C ただし、式中、Cは樹脂溶液の濃度(g/dl)を意味す
る。
【0072】なお表1〜2中の略号はつぎのものを表わ
す。
【0073】GMA:グリシジルメタクリレート DMAEMA:ジメチルアミノエチルメタクリレート MEK:メチルエチルケトン AN:アクリロニトリル MMA:メチルメタクリレート αS:α−メチルスチレン GMA:グリシジルメタクリレート
【0074】
【表1】
【0075】
【表2】
【0076】
【表3】
【0077】つぎに、前記の方法でそれぞれ作成したペ
レットを用いて、5オンス射出成形機により、ノズル温
度を180 ℃に設定し、下記の試験に必要な試験片を成形
した。
【0078】各試験片から各種物性を以下に示す方法に
従って測定した。その結果を表4に示す。
【0079】成形品の表層剥離性は、厚さ0.2mm の平板
成形品のゲート部からの剥離性を評価した。評価は目視
による5点法とし、最高を5点、最低を1点とした。す
なわち、評価は数字が大きいほど耐表層剥離性に優れて
いることを示す。
【0080】衝撃強度は、ASTM D−256 規格に基
づきアイゾット衝撃試験で評価した(23℃、単位kg・cm
/cm2 )。
【0081】流動性は、上述の成形機を使用し、厚さ3
mm×幅10mmの蚊取線香状の金型における流動距離で評価
した(単位、mm)。
【0082】
【表4】
【0083】表4に示した結果から、本発明の熱可塑性
樹脂組成物は、耐衝撃性、耐表層剥離性、流動性がバラ
ンスよくすぐれていることがわかる。
【0084】
【発明の効果】本発明の熱可塑性樹脂組成物は、耐衝撃
性、耐表層剥離性、流動性がバランスよくすぐれてお
り、射出成形、フィルム成形、シート成形などの加工方
法で、家電製品やOA機器の部品、自動車内外装の部品
などに使用できる。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.5 識別記号 庁内整理番号 FI 技術表示箇所 C08L 23/08 LDJ 7107−4J 23/16 LCY 7107−4J 31/04 LDH 6904−4J 53/02 LLY 7142−4J

Claims (25)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 変性塩化ビニル系樹脂(A)および変性
    スチレン系樹脂(B)1〜99重量部とオレフィン系樹脂
    (C)99〜1重量部とからなる合計100 重量部に対し、
    (d1)少なくとも1種のエチレン−プロピレン−ジエ
    ンゴム25〜70重量%、(d2)少なくとも1種のエチレ
    ン−ビニルアセテートコポリマー25〜70重量%、(d
    3)少なくとも1種のゴム状重合体および(または)オ
    レフィン系重合体0〜25重量%、(d4)少なくとも1
    種の、官能基含有ゴム状重合体および(または)オレフ
    ィン系重合体1〜50重量%からなる変性剤組成物(D)
    0.1 〜50重量部を配合してなる熱可塑性樹脂組成物。
  2. 【請求項2】 (d3)成分が、スチレン−ブタジエン
    ゴム、スチレン−ブタジエンブロックコポリマー、アク
    リロニトリル−ブタジエンゴム、ブタジエンゴム、イソ
    ブチレンゴム、ブチルゴム、ポリオレフィンのうちの少
    なくとも1種からなる請求項1項記載の熱可塑性樹脂組
    成物。
  3. 【請求項3】 (d3)成分が、メチルメタクリレー
    ト、スチレン−アクリロニトリル、スチレン−メチルメ
    タクリレートをグラフトした塩化ビニル系樹脂および
    (または)スチレン系樹脂と親和性のあるスチレン−ブ
    タジエンゴム、スチレン−ブタジエンブロックコポリマ
    ー、アクリロニトリル−ブタジエンゴム、ブタジエンゴ
    ム、イソブチレンゴム、ブチルゴム、ポリオレフィン、
    または前記グラフト重合体の2種以上の混合物である請
    求項1記載の熱可塑性樹脂組成物。
  4. 【請求項4】 (d4)成分が、官能基を含有した変性
    スチレン−ブタジエンゴム、変性スチレン−ブタジエン
    ブロックコポリマー、変性アクリロニトリル−ブタジエ
    ンゴム、変性ブタジエンゴム、変性イソブチレンゴム、
    変性ブチルゴム、少なくとも1種の官能基を含有した変
    性ポリオレフィンのうちの少なくとも1種からなる請求
    項1記載の熱可塑性樹脂組成物。
  5. 【請求項5】 (d4)成分が、官能基を有するおよび
    (または)官能基を含有した重合体がグラフトした変性
    スチレン−ブタジエンゴム、変性スチレン−ブタジエン
    −ブロックコポリマー、変性アクリロニトリル−ブタジ
    エンゴム、変性ブタジエンゴム、変性イソブチレンゴ
    ム、変性ブチルゴム、変性ポリオレフィンのうちの少な
    くとも1種からなる請求項1記載の熱可塑性樹脂組成
    物。
  6. 【請求項6】 (d4)成分における官能基が、エポキ
    シ基である請求項1、4または5記載の熱可塑性樹脂組
    成物。
  7. 【請求項7】 変性剤組成物(D)が、各成分(d
    1)、(d2)、(d3)、(d4)の混合物を押出機
    にて、溶融混練したものである請求項1記載の熱可塑性
    樹脂組成物。
  8. 【請求項8】 変性塩化ビニル系樹脂(A)の平均重合
    度が、400 〜1500である請求項1記載の熱可塑性樹脂組
    成物。
  9. 【請求項9】 変性塩化ビニル系樹脂(A)が、変性剤
    組成物(D)の(d4)の官能基と反応性のある官能基
    含有塩化ビニル系樹脂である請求項1記載の熱可塑性樹
    脂組成物。
  10. 【請求項10】 変性塩化ビニル系樹脂(A)が、エポ
    キシ基と反応性のある官能基含有塩化ビニル系樹脂であ
    る請求項1記載の熱可塑性樹脂組成物。
  11. 【請求項11】 変性塩化ビニル系樹脂(A)が、エポ
    キシ基含有塩化ビニル系樹脂である請求項1記載の熱可
    塑性樹脂組成物。
  12. 【請求項12】 変性塩化ビニル系樹脂(A)が、カル
    ボキシル基、アミノ基またはジメチルアミノ基含有塩化
    ビニル系樹脂である請求項1記載の熱可塑性樹脂組成
    物。
  13. 【請求項13】 変性スチレン系樹脂(B)が、ゴム状
    重合体40〜90重量%にシアン化ビニル化合物、芳香族ビ
    ニル化合物、アルキルメタクリレート化合物の1種以上
    と前記化合物と共重合可能な単量体との混合物60〜10重
    量%を重合してなるグラフト共重合体を70重量%以下含
    有する請求項1記載の熱可塑性樹脂組成物。
  14. 【請求項14】 変性スチレン系樹脂(B)がメチルエ
    チルケトン可溶分を含み、抽出された該メチルエチルケ
    トン可溶分のメチルエチルケトン抽出物がシアン化ビニ
    ル化合物および(または)アルキルメタクリレート化合
    物を10〜60重量%含有し、該抽出物の、ジメチルホルム
    アミド溶液の30℃、濃度0.3 g/dlにおける還元粘度が
    0.2 〜0.9 dl/gである請求項1記載の熱可塑性樹脂組
    成物。
  15. 【請求項15】 変性スチレン系樹脂(B)がメチルエ
    チルケトン可溶分を含み、該メチルエチルケトン可溶分
    のメチルエチルケトン抽出物が、α−メチルスチレンを
    30重量%以上含有する請求項1記載の熱可塑性樹脂組成
    物。
  16. 【請求項16】 変性スチレン系樹脂(B)が、組成物
    (D)の(d4)の官能基と反応性のある官能基含有ス
    チレン系樹脂である請求項1記載の熱可塑性樹脂組成
    物。
  17. 【請求項17】 変性スチレン系樹脂(B)が、エポキ
    シ基と反応性のある官能基含有スチレン系樹脂である請
    求項1記載の熱可塑性樹脂組成物。
  18. 【請求項18】 変性スチレン系樹脂(B)が、エポキ
    シ基含有スチレン系樹脂である請求項1記載の熱可塑性
    樹脂組成物。
  19. 【請求項19】 変性スチレン系樹脂(B)が、カルボ
    キシル基、アミノ基またはジメチルアミノ基含有スチレ
    ン系樹脂である請求項1記載の熱可塑性樹脂組成物。
  20. 【請求項20】 オレフィン系樹脂(C)が重量平均分
    子量5000〜1000000である請求項1記載の熱可塑性樹脂
    組成物。
  21. 【請求項21】 オレフィン系樹脂(C)が、プロピレ
    ン系重合体である請求項1または20記載の熱可塑性樹
    脂組成物。
  22. 【請求項22】 オレフィン系樹脂(C)が、変性剤組
    成物(D)の(d4)の官能基と反応性のある官能基含
    有オレフィン系樹脂である請求項1、20または21記
    載の熱可塑性樹脂組成物。
  23. 【請求項23】 オレフィン系樹脂(C)が、エポキシ
    基と反応性のある官能基含有オレフィン系樹脂である請
    求項1、20、21または22記載の熱可塑性樹脂組成
    物。
  24. 【請求項24】 オレフィン系樹脂(C)が、カルボキ
    シル基含有オレフィン系樹脂である請求項1、20、2
    1または23記載の熱可塑性樹脂組成物。
  25. 【請求項25】 熱可塑性樹脂組成物が射出成形用樹脂
    組成物である請求項1、2、3、4、5、6、7、8、
    9、10、11、12、13、14、15、16、1
    7、18、19、20、21、22、23または24記
    載の熱可塑性樹脂組成物。
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Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
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US6706815B2 (en) 2001-09-06 2004-03-16 Dupont Dow Elastomers L.L.C. Impact resistant rigid PVC compositions using hydrocarbon rubbers and chlorinated polyethylene as impact modifiers
US6849694B2 (en) 2002-01-17 2005-02-01 Dupont Dow Elastomers, Llc Impact modifier compositions for rigid PVC compositions of hydrocarbon rubbers and chlorinated polyethylene

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