JPH0664384B2 - 画像濃度調整方法 - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】 （技術分野） 本発明は画像濃度調整方法に関し、より詳細には電子写
真装置に適用し得る画像濃度調整方法に関するものであ
る。

（従来技術） 従来、例えば次の画像形成装置が知られている。それ
は、所謂、電子写真方式と称されるもので、光導電性の
感光体を原稿からの光像で露光することにより静電潜像
を得、然る後、この静電潜像に静電現像方式によりトナ
ーを付着させてトナー像を得、このトナー像を記録紙上
に転写し、定着工程を経て複写画像を得るのである。

上記において、画像濃度調整に関するパラメータとし
て、例えば露光光量を変える方式や現像バイアス電位を
変える方式がある。

前者の、露光光量を変える方式では、原稿を照射する露
光ランプの光量を設定された可変幅の上下限の間で変え
ることにより、感光体上での静電潜像電位を変えて画像
濃度を調整するものである。この方式では画像品質の劣
化、例えばコントラストの変化が少ないという利点があ
るものの、光量を上げたときの消費電力量の増加や温度
上昇、ランプ寿命低下等から光量の可変幅を大きくとれ
ないという問題がある。これは特にランプ電圧を変える
との濃度調整手段を採用している場合において著しい。

又、後者の、現像バイアス電位を変えるとの濃度調整手
段を採用する場合では感光体と現像電極間に現像バイア
ス電位を与えてトナーに電気的な力を作用させ、静電潜
像に対するトナーの付着を制御するものである。この方
式では、構造が簡単である反面、べた画像部の濃度特に
コントラストの変化等、画像品質の劣化が大きいという
問題がある。特に、所謂地肌を抜く操作を行なった場合
に、べた画像部がかすれる等の副作用がある。

その他、感光体に対する帯電電位を変えて画像濃度を調
整するという方法もあるが、コントラストの変化が激し
く又、地肌を抜く効果も小さい。

第１図において、上方向にのびる縦軸はパラメータの一
つである露光ランプ電圧を示し、下方向にのびる縦軸は
パラメータの一つである現像バイアス電圧を示してい
る。又、横軸は操作盤に設けられた濃度調整手段として
のキーの操作に応じて移動するノッチ位置を示し、目盛
の数字が大きくなる、所謂ノッチを上げるにつれて画像
濃度がうすくなることを示す。

図において直線Ａ，Ａ′は各々従来の画像濃度調整方式
におけるノッチ位置に対応して設定される露光ランプ電
圧及び現像バイアス電圧を示す。

これら直線Ａ，Ａ′に従う画像濃度調整方式では、ノッ
チを上げる（操作キーを画像濃度をうすくする指示方向
へ移動する）ことで露光ランプ電圧を上げていき、以て
潜像電位レベルを下げて画像濃度をうすくして目的を達
する。又、画像濃度を上げるときには逆にノッチを下げ
る（操作キーを（画像濃度を濃くする指示方向へ移動す
る）ことで目的を達する。なお、これらの各々において
直線Ａ′で示す如く現像バイアス電圧は一定で変化しな
い。

しかし、ランプ電圧には上下限があり、高過ぎたり低過
ぎたりすると、特にハロゲンランプの場合は共に寿命が
低下すること等から振り幅に制限がある。特に経時によ
り光学系の汚れ、感光体感度の低下がある場合はマスタ
ーボリウムで光量の中心値を上げることが行なわれる
が、その時はやはり、ランプ電圧の上限側の余裕度が低
下する。けだし、光学系の汚れ等に対しては本来、その
原因系である汚れを除くのが適切であるが、煩雑なた
め、サービスの効率を上げるべくランプボリウムの調整
で行なわれることも多いからである。

（目的） 従って、この発明の目的は上記パラメータの一つに可変
幅の限界があるときに、他のパラメータの変化を併用し
て、常に好条件の下で画像濃度調整を可能にする画像濃
度調整方法を提供することにある。

（構成） 本発明は上記の目的を達成するために、感光体とこの感
光体の周囲に配設された入力画像を当該感光体上に形成
するための複数のプロセス手段と、 前記複数のプロセス手段のうちの第１のプロセス手段の
入力値を変位させることにより画像濃度を調整する濃度
調整手段と、前記第１のプロセス手段の中心入力値を変
位させる手段とを有する画像形成装置の画像濃度調整方
法において、前記第１のプロセス手段の入力値が当該第
１のプロセス手段固有の性能に応じて設定される可変幅
の上限値もしくは下限値に達したことを検知する限界検
出手段と、前記第１のプロセス手段と異なる第２のプロ
セス手段の入力値を変位させることにより画像濃度を調
整する第２の濃度調整手段を設け、前記限界検出手段に
より前記第１のプロセス手段の入力値可変幅の上限値も
しくは下限値が検出された後は、前記第２の濃度調整手
段により画像濃度を調整するように構成したことを特徴
とする。

以下、本発明の一実施例に基づいて具体的に説明する。

本発明では画像濃度調整に際し、第１図に示す如く、例
えばノッチの動きに対し、第１のプロセス手段の露光ラ
ンプ電圧は曲線Ｂに従わせ、第２のプロセス手段の入力
値たる現像バイアス電圧については曲線Ｂ′に従わせて
制御する。

すなわち露光ランプ電圧については、ランプ上限電圧
（例えば84V）に達するノッチ位置までは一定比率で露
光ランプ電圧が上昇し、ランプ上限電圧に対応するノッ
チ位置「５」を越えた場合にはノッチ位置を上げても露
光ランプ電圧は上昇しないように設定されている。

又、現像バイアス電圧については、上記ノッチ位置
「１」から「５」までは一定の電圧であり、ノッチ位置
「５」を越えた場合には一定比率で上昇するように設定
されている。

このとき１ノッチ位置あたりの現像バイアス電圧の変化
ステップは例えば60V毎となっており露光ランプ電圧の
変化ステップである例えば3Vとほぼ同等の画像濃度、特
に地肌を抜く効果が得られるようにしてある。

上例で曲線Ｂに従えば、ノッチ位置「５」，「６」，
「７」では露光ランプによる光量はランプ上限電圧であ
る、例えば84Vより変化せず、現像バイアス電圧はノッ
チ位置「５」に対してノッチ位置「６」では電位差で60
V、同じくノッチ位置「５」に対してノッチ位置「７」
では電位差で120V上昇して露光電圧が上昇しない分だけ
現像バイアス電圧を高めて以て、画像濃度をうすくする
機能を補償している。従って、所定のランプ上限電圧の
下で画像濃度調整が可能である。

このようにして形成した画像は若干、コントラストは低
下するものの地肌を抜くという効果については十分であ
った。

本発明の他の実施例として、第１図において、ノッチの
動きに対し、第１のプロセス手段の入力値の一例たる露
光ランプ電圧は曲線Ｃに従わせ、第２のプロセス手段の
入力値の一例たる現像バイアス電圧については曲線Ｃ′
に従わせて制御する。

すなわち、露光ランプ電圧については、ノッチ位置が
「１」，「２」，「３」まではランプ下限電圧（例えば
60V）と一定であり、ノッチ位置「３」を越えるととも
に、一定比率で上昇するようにしてある。

又、現像バイアス電圧に関しては、ノッチ位置が
「３」，「２」，「１」と進むに従い、一定比率で低下
するようにしてあり、露光ランプ電圧が上記ランプ下限
電圧よりも下がらない分だけ現像バイアス電圧を低めて
画像濃度を濃くする機能を補償している。

上記曲線Ｂ，Ｂ′に従う制御を行なうための回路のブロ
ック図である第２図において、符号１は上記ノッチ位置
を変更するための濃度調整手段としてのボタンを示す。

このボタン１の操作に従うノッチ位置の変更に伴ない、
制御プロセス変更回路２では曲線Ｂ、及び曲線Ｂ′に従
う露光ランプ電圧、現像バイアス電圧を設定する。

例えば、第１のプロセス手段の入力値として露光ランプ
電圧を選択した場合、この露光ランプ電圧は上記制御プ
ロセス変更回路２からの出力に基き電圧制御回路３にて
設定され、その値が第１のプロセス手段の入力値が限界
に達したことを検出する限界検出手段としての上限電圧
検知回路４で検出され、予じめ設定されているランプ上
限電圧未満であればそのまま露光ランプ５に印加され、
ランプ上限電圧を越える値であれば上限電圧制御回路６
により所定の上限電圧に調整されてから露光ランプ５に
印加される。なお、電圧制御回路３へは露光ランプ電源
60より電圧レベルを調整するマスターボリウム７を介し
て電源が投入されるようになっている。

一方、前記第１のプロセス手段の入力値と異なる第２の
プロセス手段の入力値として現像バイアス電圧を選択し
た場合、この現像バイアス電圧に関しては、上限電圧検
知回路４の出力を入力した制御プロセス変更回路２から
の出力に基き、曲線Ｂ′に従う電圧が第２の濃度調整手
段としてのバイアス制御回路８で設定されて、現像バイ
アス電極９に印加される。なお、バイアス制御回路８へ
は現像バイアス電源１０からの電源が投入されるように
なっている。

上記第２図のブロック図ではランプ上限電圧を規制する
場合つまり、画像濃度をうすくする場合の実施例である
が、濃くする場合も上記例に準ずる。

例えば、上記例における上限電圧制御回路６が下限電圧
制御回路に、限界検出手段としての上限電圧検知回路４
が限界検出手段としての下限電圧検知回路にそれぞれお
きかえられ、制御プロセス変更回路２で取扱われる電圧
制御情報が上記曲線Ｃに従うように設定される。

さらに、前記例ではパラメータとして、露光光量と現像
バイアス電圧の組み合わせについて説明したがこれに限
らず、上記のいずれかと帯電電位の変化との組み合わせ
によることもできる。

その他、現像バイアスによる画像制御をメインにして不
足分を光量で補う方法もある。

この方法では、バイアスをメインに調整するため高バイ
アス時のキャリア付着、バイアスリーク，低バイアス時
のキャリア付着等を防ぐことができる。

このように、本例では画像品質の劣化の少ない例えば光
量調整方式における濃度調整可変幅の限界を、他の調整
方式例えば現像バイアス調整方式に係るパラメータを用
いて広げることができる。又、上記第２図の例におい
て、制御プロセス変更回路によるランプの上下限電圧の
設定があるのでサービスマンがユーザー対応として、所
定のパラメータの中心値を変化させる手段としてのマス
ターボリウムを調整するだけで容易に、電子写真装置を
適正な画像濃度を得る状態に調整できる他、同様の理由
により、製造段階でのばらつきを補正できる。

（効果） 本発明では、複数の作像プロセスのパラメータの一つに
可変幅の限界があるときに、他のパラメータの変化を併
用して画像濃度調整域を広げ、常に好条件の下で画像濃
度調整を可能にすることができる。

【図面の簡単な説明】

第１図は本発明の実施例を従来技術とともに説明した画
像濃度に係るパラメータの変化態様を説明したグラフ、
第２図は同上図における曲線Ｂ，Ｂ′に従う画像濃度調
整を実施するための電気回路の一例を説明したブロック
図である。 １…（濃度調整手段としての）ボタン、４…（限界検出
手段としての）上限電圧検知回路、８…（第２の濃度調
整手段としての）バイアス制御回路。

フロントページの続き (56)参考文献 特開 昭58−68766（ＪＰ，Ａ) 特開 昭54−97432（ＪＰ，Ａ) 特開 昭52−93340（ＪＰ，Ａ) 特開 昭58−14163（ＪＰ，Ａ) 実開 昭55−159344（ＪＰ，Ｕ) 特公 昭54−41502（ＪＰ，Ｂ２)

Claims (1)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】感光体と、 前記感光体の周囲に配設されていて、入力画像を当該感
   光体上に形成するための複数のプロセス手段と、 前記複数のプロセス手段のうちの第１のプロセス手段の
   入力値を変位させることにより画像濃度を調整する濃度
   調整手段と、 前記第１のプロセス手段の中心入力値を変位させる手段
   とを有する画像形成装置の画像濃度調整方法において、 前記第１のプロセス手段の入力値が当該プロセス手段固
   有の性能に応じて設定される可変幅の上限値もしくは下
   限値に達したことを検出する限界検出手段と、 前記第１のプロセス手段と異なる第２のプロセス手段の
   入力値を変位させることにより画像濃度を調整する第２
   の濃度調整手段を設け、 前記限界検出手段により前記第１のプロセス手段の入力
   値可変幅の上限値もしくは下限値が検出された後は、前
   記第１のプロセス手段の入力値を前記上限値若しくは前
   記下限値で一定とし、前記第２のプロセス手段の入力値
   を変位させて、前記第２の濃度調整手段により画像濃度
   を調整するように構成したことを特徴とする画像濃度調
   整方法。