JPH0664039A - 2軸延伸フィルムの製造方法及び製造装置、並びにシュリンクフィルム - Google Patents

2軸延伸フィルムの製造方法及び製造装置、並びにシュリンクフィルム

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JPH0664039A
JPH0664039A JP4221766A JP22176692A JPH0664039A JP H0664039 A JPH0664039 A JP H0664039A JP 4221766 A JP4221766 A JP 4221766A JP 22176692 A JP22176692 A JP 22176692A JP H0664039 A JPH0664039 A JP H0664039A
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JP
Japan
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film
tubular film
gas
cooling
tubular
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Application number
JP4221766A
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English (en)
Inventor
Kazuo Abe
一雄 安倍
Koji Matsunaga
孝治 松永
Nobuyuki Yamazoe
修志 山添
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Mitsui Petrochemical Industries Ltd
Original Assignee
Mitsui Petrochemical Industries Ltd
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Publication date
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  • Extrusion Moulding Of Plastics Or The Like (AREA)
  • Shaping By String And By Release Of Stress In Plastics And The Like (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【目的】 省エネルギー、設備費低減、作業の容易化、
設計変更の容易化、工業的に同時に2軸延伸が可能な樹
脂の適用範囲の拡大等を実現すると共に、製造コストの
低減化を計った2軸延伸フィルムの製造方法及び製造装
置、並びに延伸むらのないポリオレフィン系シュリンク
フィルムを提供する。 【構成】 押出機1からサーキュラダイ2を経て押し出
された溶融状態の筒状樹脂フィルム11を前記ダイの押
出側と接する冷却室5内で、筒状フィルムの内部及び外
周部をそれぞれ同気圧として筒状フィルムを冷却ガスに
より、例えば常温の加圧エアを送って、フィルムの配向
可能温度範囲まで冷却し、このフィルムの張力を張力制
御ロール6で制御しながら、筒状フィルム11を一定の
送り速度で加熱器7に送出し、ここで加熱してフィルム
を膨張させながら、高速の引き取りロール10で延伸
し、2軸延伸フィルム12を得る。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は熱可塑性樹脂、特にポリ
オレフィン系樹脂からなる2軸延伸フィルムの製造方法
及び製造装置、並びに前記方法又は装置で得られ、収縮
包装材料として好適なポリオレフィン系シュリンクフィ
ルムに関する。
【0002】
【従来の技術】ポリオレフィン系樹脂のような熱可塑性
樹脂を用いて筒状フィルム方式(インフレーションフィ
ルム方式)で2軸延伸フィルムを製造する方法として
は、従来より図4に示すような方法がとられている。す
なわち、熱可塑性樹脂を押出機1により混練・溶融し、
この溶融樹脂を、押出機の先端に設けたサーキュラダイ
2の押出口から筒状フィルム状に押し出す。そして、初
期設定として、押し出された筒状フィルムを図4の各ロ
ール23、27、28に掛け渡しておき、予め筒状フィ
ルム内部にフィルムの膨張用として必要な空気Aを導入
しておく。この初期設定後の連続生産においては、サー
キュラーダイ2の押出口から押し出された筒状フィルム
について直ちに樹脂が結晶化するのを抑制するため、溶
融状態の筒状フィルムを冷水器21中に導入して急冷す
る。こうして得られた常温の未膨張・未延伸筒状フィル
ム22を同時2軸延伸装置の一対の低速ロール23と一
対の高速ロール28間で挟持しながら、予熱器24によ
りフィルムの配向が可能な膨張・延伸開始温度まで再加
熱(予熱)される。そして、筒状フィルムを膨張・延伸
部(図4の25〜27の間)に導き、ここで加熱器25
で加熱してフィルム26の空気圧により膨張させると共
に冷却エアリング8で冷却しながら、高速ロール27で
引き取り・延伸する。これは同時2軸延伸方式、いわゆ
るダブルバブル方式といわれる。なお9はガイド板ロー
ル群、28はアニールロールである。
【0003】このダブルバブル方式では押出機1で加熱
・溶融されてサーキュラダイ2から押し出された高温の
筒状フィルムを一旦急冷・固化し、このフィルムを膨張
・延伸直前に膨張・延伸に好適な温度まで再加熱するた
め、フィルム温度の経時的特性としては図2のようにな
り、エネルギー消費が多くなる上、フィルム急冷時にか
なり多量の冷水を必要とする。このため、コストアップ
になる欠点がある。
【0004】またこの方式は製造設備面で比較的複雑な
急冷装置や再加熱装置を必要とするばかりでなく、急冷
した筒状フィルムには特有の内部構造が形成されるた
め、膨張・延伸時の2軸延伸の均一性が阻害され、得ら
れた製品フィルムの厚さが不均一となり易く、この改善
のために再加熱装置及び膨張・延伸装置は複雑化すると
同時にかなりの精度が要求され、その結果、設備費がか
なり高くなるという欠点も有している。このため製造コ
ストの上昇も無視できない。
【0005】前述のように急冷したフィルムには特有の
内部構造が形成され、このために同系の樹脂であっても
主原料の密度や重合度及びその分布等が異なると、事実
上、工業的な2軸延伸が不可能となることも度々起こ
る。
【0006】またこのダブルバブル方式では低速及び高
速の各一対のロール23,28間の筒状フィルム27の
中に予め内封されている空気の圧力によって膨張・延伸
がなされ、運転中に空気の量や圧力をコントロールでき
ない。そして、この内封空気圧は、通常のインフレーシ
ョンフィルム(無延伸)の場合の内封空気圧である約1
0mm水柱に比べ著しく高く、通常50〜500mm水柱に
も達する。このため、前記各一対のロール23,28の
各々のロールから内封空気が常に少量ずつ漏洩し、この
ため延伸バブル(2軸延伸フィルム)の直径、ひいては
製品フィルムの巾が時間の経過とともに小さくなり、一
定時間毎に製造を中断して空気を再封入し、運転を再ス
タートしなければならないという欠点も有している。
【0007】更にこの方式では運転中に空気の量や圧力
をコントロールできないため、延伸倍率、フィルム巾等
の設計変更は運転中に行うことは不可能であり、一旦運
転を停止して封入空気量を変更し再スタートする必要が
ある。
【0008】一方、従来のポリエチレン系シュリンクフ
ィルムは高圧法低密度ポリエチレン(HPLDPE)か
らなるものが主である。これはHPLDPEは通常のイ
ンフレーションフィルム成形機により高い膨張比でフィ
ルム成形することにより比較的容易に得ることができる
からである。
【0009】これに対し線状低密度ポリエチレン(LL
DPE)は上記成形方法ではシュリンクフィルムに必要
な分子配向が得られず、一旦筒状フィルムに成形後、再
加熱し、次いで延伸処理を行なう必要があるが、ポリエ
チレンの後延伸性はポリプロピレンに比べて悪く、延伸
が困難であるか、或は延伸されたとしても延伸むらの大
きなフィルムしか得られなかった。
【0010】
【発明が解決しようとする課題】本発明は上記事情に鑑
みなされたもので、その目的は従来のダブルバブル方式
に対してシングルバブル方式と言える方式によって省エ
ネルギー、設備費低減、作業の容易化、設計変更の容易
化、工業的に同時2軸延伸が可能な樹脂の適用範囲の拡
大等を実現すると共に、製造コストの低減化を計った2
軸延伸フィルムの製造方法及び製造装置、並びにポリエ
チレン系シュリンクフィルムを提供することである。ま
た本発明の目的は延伸むらが少なく、透明性及び光沢も
優れた高品質のポリエチレン系シュリンクフィルムを提
供することである。
【0011】
【課題を解決するための手段】本発明は上記目的を達成
するため以下のような構成とした。即ち、本発明の2軸
延伸フィルムの製造方法は以下の工程を備える。 (1)熱可塑性樹脂を押出機で混練・溶融し、この溶融
樹脂を、押出機の先端に取り付けられ、円形の押出口を
有するサーキュラダイの押出口から、連続した筒状フィ
ルム状に押し出す工程、(2)押し出された筒状フィル
ムを前記サーキュラダイの押出口に接して設けられた冷
却室内で、筒状フィルムの内部をガスにより周方向延伸
時の気圧に維持しながら、筒状フィルムの外周部をこの
内部気圧と同気圧の冷却ガスによりフィルムの配向可能
温度まで冷却する工程、(3)冷却された筒状フィルム
の両側に一対の張力制御ロールを、筒状フィルム内のガ
スが流通可能な状態で当接してフィルムの張力を制御し
ながら、筒状フィルムを、一定の速度で送出する工程、
(4)送出された筒状フィルムを加熱・軟化させて筒状
フィルム内のガス圧により筒状フィルムを膨張させて周
方向に延伸すると共に、前記張力制御ロールの送出速度
よりも高速の一対の引き取りロールで引き取り長さ方向
に延伸する工程。
【0012】本発明の2軸延伸フィルムの製造装置は、
上記方法を実施するもので、以下の構成を備える。 (1)熱可塑性樹脂を溶融・混練する押出機。 (2)この押出機の先端に取り付けられ、円形状の押出
口を有し、この円形状押出口から溶融樹脂を押し出して
連続した筒状フィルムを押出・成形すると共に、筒状フ
ィルム内に加圧ガスを供給するガス供給口を有するサー
キュラダイ。 (3)前記サーキュラダイの押出口側に接して設けら
れ、押し出された筒状フィルムの周囲を囲むと共に、筒
状フィルムの内部と同圧の冷却ガスを収容して筒状フィ
ルムを外周から冷却する冷却室。 (4)冷却室を通過した筒状フィルムの両側に配置さ
れ、筒状フィルム内をガスが流通可能な状態で筒状フィ
ルムの両側に当接し、フィルムの張力を制御しながら筒
状フィルムを一定の送り速度で送出する一対の張力制御
ロール。 (5)一対の張力制御ロールから送出された筒状フィル
ムを加熱・軟化させてフィルムの内圧によりフィルムを
膨張させて周方向に延伸する加熱装置。 (6)膨張した筒状フィルムを前記張力制御ロールより
も高速で引き取り長さ方向に延伸する一対の引き取りロ
ール。
【0013】また本発明の製造装置によって製造された
シュリンクフィルムは、MFR190℃=0.1〜5.
0g/10分、密度=0.88〜0.940g/c
3、 線状低密度ポリエチレン系フィルムであり、延伸
倍率が縦2倍以上、横2倍以上とし、厚さ8〜80μm
のヘイズ値(厚さ15μm)が1〜3%、90℃での収
縮率が縦14〜30%、横18〜35%のものである。
【0014】本発明のシングルバブル方式が従来のダブ
ルバブル方式と異なる点は、第一にサーキュラダイから
押し出された溶融状態の筒状フィルムを、冷水で常温ま
で急冷せずに、しかも内部圧により膨張させることな
く、冷却ガスによりフィルムの配向可能温度域、好まし
くは膨張・延伸開始に好適な温度範囲まで徐冷処理する
ことである。従って本発明でのフィルムの温度特性は図
2の破線で示した状態となり、エネルギーロスが少な
い。
【0015】第二にこうして所定温度まで冷却した筒状
フィルムを張力制御した後、膨張・延伸処理することで
ある。この処理は通常数秒以内に完了する。以下に本発
明方法を図1の本発明装置及びシュリンクフィルムと共
に詳細に説明する。
【0016】<押出工程>本発明方法においては、まず
押出機1により原料樹脂を混練・溶融し、この溶融樹脂
を押出機1の先端に取り付けたサーキュラダイ2の円形
押出口から溶融状態の筒状フィルム11状に押し出す。
この時の混練・溶融・押し出しの条件は、従来のダブル
バブル方式と同様でよい。
【0017】原料樹脂としては、低密度ポリエチレン、
高密度ポリエチレン、ポリプロピレン、塩化ビニル樹脂
等の熱可塑性樹脂、好ましくはポリオレフィン系樹脂、
それらのブレンド、及びこれらの樹脂又はブレンドに可
塑剤、防曇剤、帯電防止剤、滑剤、アンチブロッキング
剤等の通常の添加物を添加した組成物が使用できる。
【0018】<冷却工程>次に押し出された溶融状態の
筒状フィルム11を前記サーキュラダイ2の押出口に接
して設けられた冷却室5に送入・収容して冷却(徐冷)
を行う。冷却室5内には、サーキュラダイ2側から冷却
ガス4aが送入され、筒状フィルム11をその外周から
冷却する。同時に筒状フィルム11の内部には、周方向
延伸時の気圧と同気圧のガス3aを送入する。この場
合、筒状フィルム11の外周部に送入される冷却ガスの
圧力は、内部に送入されるガスと同気圧である。即ち、
冷却室5内では筒状フィルム11の外側と内側とをそれ
ぞれのガスにより同気圧にする。なお、外周部用の冷却
ガス4aはサキュラダイ2側に設けた外部用ガス管4か
ら供給され、また内部用のガス3aはサーキュラーダイ
2の押出口内側に貫通して設けたガス管3のガス供給口
3bから供給される。
【0019】以上の冷却工程により、筒状フィルムはフ
ィルムの配向可能温度、好ましくは膨張・延伸開始に好
適な温度まで冷却される。 冷却工程で冷却室内或は筒
状フィルム内に送入されるガスは、空気がコスト的に最
も有利であるが、窒素ガス、アルゴンガス、炭酸ガス等
の他の不活性ガスも使用できる。筒状フィルム内に送入
されるガスは、後述するように筒状フィルムの膨張、即
ち周方向への延伸にも使用されるので、その圧力は、筒
状フィルムの膨張に必要な圧力(通常、水柱圧で約50
〜500mm)に相当する。このように、筒状フィルム
内のガス圧は、通常のインフレーション製膜時の約10
mm水柱に比べ、通常50〜500mm水柱と極めて高
いため、このままでは膨張・延伸工程の前の冷却工程で
溶融状態の筒状フィルムが膨張してしまう。従って、冷
却室内に供給する冷却ガスの圧力も筒状フィルム内のガ
ス圧と同一にする。このため、冷却工程中、筒状フィル
ムの膨張はもちろん変形や収縮も起こらない。
【0020】前記外周部用冷却ガスの温度及び内部用ガ
スの温度は通常、室温程度でよいが、外周部用冷却ガス
の場合は20℃程度まで冷却したガスでもよいし、また
内部用ガスの場合は50℃程度まで加熱したガスも使用
できる。
【0021】冷却の終点温度は、フィルムの配向可能温
度範囲、好ましくは前記配向温度域での膨張・延伸開始
に好適な温度範囲に調整されるが、この終点温度が、配
向可能温度範囲の下限未満では膨張・延伸開始までの間
にある程度結晶化が進行し、この結晶化は比較的サイズ
の大きい球晶の成長を伴うため、次に配向可能温度範囲
まで昇温して膨張・延伸を行ったとしてもこの結晶は消
失しないので、製品フィルムの透明性や、光沢、ひいて
は商品価値を低下させる。
【0022】一方、冷却の終点温度が配向可能温度範囲
の上限を越える場合は、膨張・延伸時のフィルム温度が
高すぎるため、製品フィルムの配向度が低下し、強度、
弾性率等の力学特性が低く商品価値も低いものになる。
【0023】冷却工程で冷却の終点温度となるフィルム
の配向可能温度範囲及び前記好適温度範囲は、樹脂のビ
カット軟化点及び結晶化速度t/2との関係で表すこと
ができる。
【0024】即ち前述のような樹脂からなるフィルムの
配向可能温度域及び膨張・延伸開始の好適な温度範囲
は、モノマーの種類、コモノマーの種類及びその共重合
率、ポリマー分子の形態(直線性、分子間架橋、立体規
則性等)、密度、重合度及びその分布等によってかなり
広い範囲に亘って異なるが、工業的生産の立場から近似
的に見れば、樹脂のビカット軟化点で表すことができ
る。
【0025】この場合フィルムの配向可能温度範囲は、
ビカット軟化点を中心として上限が+10℃、下限が−
25℃程度であり、また膨張・延伸開始の好適な温度範
囲は、同様にビカット軟化点を中心として上限が+5
℃、下限が−0℃程度である。
【0026】またフィルムの配向可能温度範囲及び膨張
・延伸開始の好適な温度範囲は樹脂の結晶化速度によっ
ても表すことができる。この結晶化速度t/2も、ポリ
マー分子の直線性、立体規則性、コモノマーの種類及び
その共重合率、共重合のランダム性、重合度及びその分
布等によってかなりの相違があり、また可塑剤の添加や
ポリエチレンとポリプロピレンとの組合せのような異種
樹脂のブレンド等によっても相違があるが、配向可能温
度範囲は一般的にはビカット軟化点−25℃〜+10℃
の範囲での結晶化速度t/2が10〜100秒、好まし
くは10〜50秒、更に好ましくは15〜30秒となる
ような範囲である。
【0027】なお結晶化速度t/2の測定法は次の通り
である。 結晶化速度t/2の測定方法:0.2mm程度の薄い試
験片をカバーガラスで挟んでホルダーに固定し、これを
一度空気中で溶融後、規定温度の油槽内に落す。この
時、試験片が結晶化する経過を光量で検知し、最大結晶
化度の1/2の結晶化度に到達する時間を測定する。
【0028】例えば線状ポリエチレン系樹脂ではホモポ
リマーの密度との比較において密度ρが低い樹脂ほど結
晶化速度t/2が一般的に長く(図3参照)、配向可能
温度範囲(近似的にビカット軟化点+10℃、−25
℃)、特に膨張・延伸開始の好適な温度範囲(近似的に
ビカット軟化点+5℃、−0℃)での結晶化速度t/2
が10秒以上である場合が多い。
【0029】非晶質に近いポレフィン系樹脂のブレンド
や低分子量又は高分子量の可塑剤の添加によっても配向
可能温度範囲、特に膨張・延伸開始の好適な温度範囲
は、高温側にシフトする効果も加わって結晶化速度t/
2が10秒以上であるような温度になり易い。
【0030】また実際に、例えばMFR190℃=2g
/10分、密度=0.915g/cm3 の線状低密度ポ
リエチレンでは、配向可能温度範囲は約70℃〜105
℃であるが、この温度域内での膨張・延伸開始の好適な
温度範囲、即ち好ましい冷却の終点温度範囲は経験的に
約95〜100℃である。この下限温度95℃及び上限
温度100℃での結晶化速度t/2は、それぞれ25
秒、30秒であるから、これらの結晶化速度範囲は、好
ましい冷却の終点温度範囲を満足する。
【0031】ここで密度の異なる各種線状低密度ポリエ
チレンの例で、結晶化速度t/2と結晶化温度との関係
を図3に、またフィルムの配向可能温度範囲、ビカット
軟化点及び結晶化速度の相互関係を表1に示す。なお表
1の場合、配向可能温度範囲及び膨張延伸に好適な温度
範囲とビカット軟化点との関係は前述した通り(それぞ
れ+10℃〜−25℃、+5℃〜−0℃)である。
【0032】
【表1】
【0033】冷却工程で使用される冷却室5は、筒状フ
ィルム11の外周を囲むような形状(例えば筒状)及び
大きさを有するものであればよいが、この形状、大きさ
は溶融状態の筒状フィルムの冷却の初期温度や終点温度
等によって種々変化し得る。
【0034】<張力制御・送出工程>次に、こうして所
定温度まで冷却された筒状フィルム11の両側に一対の
張力制御ロール6を当接してフィルムの張力を制御(カ
ット)しながら、筒状フィルム11を一定の速度で送出
する。張力制御ロール6を用いる理由は次の通りであ
る。
【0035】冷却工程では筒状フィルム11の内圧によ
る膨張に対する抑制の必要がある他に、延伸工程での筒
状フィルムの長さ方向への伸張による影響を抑制する必
要がある。膨張に対しては内圧と外圧とをバランスさせ
ることにより抑制できるが、過剰伸張に対しては冷却初
期では溶融状態のフィルムに適用するため、抑制できな
い。
【0036】この抑制手段として本発明では一対の張力
制御ロール6が用いられる。この張力制御ロールは通
常、冷却室5の後(冷却室5と、サーキュラダイ2とは
反対側にある膨張・延伸部(図2の7〜10の間)との
間)に筒状フィルム11内のガスが流通可能な状態でフ
ィルムの両側に当接して設けられる。
【0037】張力制御ロール6の長さ及び直径は、筒状
フィルム11の膨張・延伸の程度に応じて種々変化で
き、長さは筒状フィルム11の折径(折った時のフィル
ム幅)より短くても、長くても或は同じであってもよ
く、また直径も特に制限はない。
【0038】例えば長さが筒状フィルム11の折径より
短かく、且つ直径が小さい張力制御ロールでは、筒状フ
ィルム11の両側を軽く当接・挟持するだけで筒状フィ
ルム11の外周面とロール6の外周面との接触摩擦抵抗
によって張力制御が可能である。この場合、もちろん筒
状フィルム11の内部にはロール6で挟まれていないフ
ィルムの内部間隙を通して膨張用の加圧ガスの導入又は
補充が可能である。
【0039】また長さが筒状フィルム11の折径より長
く、且つ直径が大きい張力制御ロール6では、筒状フィ
ルム11の両側内面が互いに接触する直前まで当接する
ことにより、同様に筒状フィルム11外周面とロール6
の外周面との接触摩擦抵抗によって張力を制御すること
が可能である。
【0040】この他にロール6表面に多数の吸引用微細
孔を設けて減圧吸引可能な張力制御ロールとし、このロ
ールの外周面に筒状フィルムの外周面を接触させると同
時に減圧吸引することによって張力制御することも可能
である。
【0041】このように通常手段によって冷却後の筒状
フィルム11を張力制御することが可能であるが、張力
制御位置の筒状フィルム11はなお軟化状態にあり、こ
のため樹脂の種類によって程度は異なるものの粘着性を
有しているので、筒状フィルム11の内部表面及び外周
部表面の粘着性の程度に応じた長さ、直径等を有する張
力制御ロールを適宜選択する。
【0042】なお図1の装置のように、押出機本体1を
除く装置全体を、最下端がサーキュラダイ2で最上端が
引き取りロール10であるような立型にすると共に、筒
状フィルム11の内部ガスの圧力を例えば50mm水柱
叉はそれ以下と低くした場合には、上向きの張力もかな
り小さくなるので、サーキュラダイ2の押出部から膨張
・延伸開始点までの間の筒状フィルム11の長さを適当
に長くとれば、このフィルム11の自重によって上向き
の張力とバランスさせることも可能である。
【0043】張力制御ロール6は通常冷却室5の後側
(サーキュラダイ2とは反対側)に近接して設置される
が、冷却室の前記後側の内部に設けてもよい。
【0044】<膨張・延伸工程>次にこうして張力制御
ロール6により送出された筒状フィルム11は、冷却室
内における周囲からのガス圧から開放されるので、この
フィルムの温度が配向温度範囲、特に膨張・延伸開始の
好適温度範囲であれば、そのままでもフィルムの内圧に
より膨張可能である。しかし、通常は加熱器7で加熱・
軟化させてフィルムの内圧により膨張させる。これによ
り周方向(横方向)の延伸がなされる。同時に、前記張
力制御ロール6の送出速度よりも高速の一対の引き取り
ロール10で引き取ることで、長さ方向(縦方向)に筒
状フィルムを延伸する。
【0045】即ちこの膨張・延伸工程では、筒状フィル
ム11の膨張・延伸開始が冷却室5から出た直後や張力
制御ロール6の直前で起こらないように、冷却後の筒状
フィルム11は膨張・延伸部に入った直後に僅かだけ、
通常3〜5℃だけ一旦加熱・昇温させて膨張させ、必要
あれば、更に冷却エアリング8等の冷却ガスで冷却しな
がら、引き取りロール10により所望の延伸倍率に応じ
た速度で延伸する。
【0046】この工程での加熱手段7としては、公知の
方法でよく、例えば熱風方式、赤外線加熱方式のいずれ
の方式も採用できる。いずれにしても冷却後の筒状フィ
ルム11においては、膨張・延伸部に導入した直後の僅
かな昇温を含めて前記好適な温度範囲内に維持する必要
があることは言うまでもない。
【0047】張力制御ロール6を冷却室5の後部(サー
キュラダイ2とは反対側の端部)に内蔵させた場合には
上記の僅かな昇温は必ずしも必要ではなく、この場合、
冷却後の筒状フィルム11は、冷却室5を出た直後に膨
張・延伸が開始される。
【0048】膨張・延伸終了後、得られた2軸延伸フィ
ルム12は、冷却エアリング8のような冷却手段により
自然対流冷却叉は強制冷却され、引き取りロール10と
兼用する折り畳みロールで折り畳まれと共に引き取ら
れ、更に巻取機により巻取られる。
【0049】本発明では、引き取りロール10と巻取機
間に適当な熱固定装置を設けて熱固定してから巻取って
もよく、原料樹脂の種類や製品フィルムの用途に応じて
熱固定の有無や熱固定の程度を決定して実施することが
望ましい。
【0050】以上のような本発明方法及び装置で例えば
MFR190℃=0.1〜5.0g/10分(好ましく
は0.3〜3.0g/10分)、密度0.880〜0.
940g/cm3(好ましくは0.88〜0.930g
/cm3)、炭素数4以上のα−オレフィン、例えばブ
テン−1、ペンテン−1、ヘキセン−1、4−メチルペ
ンテン−1、ヘプテン−1、オクテン−1、デセン−1
等を0.5〜3.0モル%含有する線状低密度ポリエチ
レン(A)からなる筒状フィルムを、内部空気圧:50
〜500mm水柱下に延伸倍率:縦2倍以上、横2倍以
上で、且つ15μm厚でのヘイズ値が3%以下となるよ
うに膨張・延伸すると、90℃の時の収縮率が縦14〜
30%、横18〜35%で延伸むらの少ないシュリンク
フィルムが得られる。
【0051】この場合、線状低密度ポリエチレン(A)
としては、特開昭60−88016号に記載される製造
方法により得られるものが好ましく、更にMFR190
℃=0.1〜1.0g/10分、Mw/Mn=5〜20
の線状低密度ポリエチレン(B)を、MFR(A)>M
FR(B)、Mw/Mn(A)<Mw/Mn(B)とな
るように選定された線状低密度ポリエチレン(A)に5
〜30重量%ブレンドすると、更に延伸性が向上し、延
伸むらがいっそう少なくなる。
【0052】線状低密度ポリエチレン(B)は2段重
合、即ち低分子量成分と高分子量成分とをそれぞれ別々
に製造した後、両成分を混合する重合法により得られ
る。更にこれらの樹脂に通常使用される防曇剤、帯電防
止剤、滑剤、アンチブロッキング剤等を添加してもよ
い。
【0053】
【作用】本発明の冷却工程では冷却の終点温度がフィル
ムの配向可能温度域、特に膨張・延伸開始に好適な温度
範囲内にあるように調整され、またその後の膨張・延伸
工程は通常数秒以内に完了するため、延伸むらがなく、
しかも透明性や光沢も優れた高品質の2軸配向フィルム
が得られる。
【0054】これは膨張・延伸過程での結晶化の進行が
いわゆる配向結晶化(分子が配向することにより起こる
結晶化)の分を除き著しく抑制されるからである。たと
え膨張・延伸過程で僅かな結晶化上昇があっても配向可
能温度域での延伸では延伸応力が大きいために球晶状の
結晶化とはならず、従って球晶による乱反射のために起
こる製品フィルムの透明性や光沢の低下は起こらない。
【0055】即ち、例えば配向可能温度範囲の上限温度
で膨張・延伸を開始し、前記温度範囲の下限温度で膨張
・延伸を終了するように、フィルム温度の下降下に膨張
・延伸を行う場合、前述のように冷却の終点から膨張・
延伸の終了まで数秒しかかからず、且つ筒状フィルムの
結晶化速度t/2が上記の数秒に比べて充分長いため、
膨張・延伸過程では配向結晶化は起こるものの、延伸方
向への配向は伴わなず、従って球晶の発生や成長は殆ど
起こらない。
【0056】この場合、配向結晶化による微結晶のサイ
ズは数百オングストローム以下であって光の波長より著
しく小さいため、光を乱反射して製品フィルムの透明性
や光沢を低下させることなく、また結晶サイズが更に大
きく成長して光の乱反射を起こし易い球晶の成長も殆ど
起こらないため、透明性も光沢も優れた製品フィルムが
得られる。
【0057】しかも冷却の終点温度の調整は、前述のよ
うな冷却方法によって容易に行うことができる。また冷
却工程での筒状フィルムの内部圧と外部圧間の気圧調整
(同気圧にすること)は次のように自動的に行われる。
【0058】即ち、筒状フィルム内の内部ガスの量はサ
ーキュラダイの押出部から装置端部の引き取りロールま
での間、常に一定であるから、外部ガス圧を上げても内
部ガス圧は外部ガス圧に押されて自動的にバランスする
(即ち等しくなる)ように上がるので、特別の気圧調整
操作は必要ない。
【0059】また本発明方法及び装置によれば、サーキ
ュラダイの押出口から冷却室、張力制御ロール、加熱装
置、引き取りロールに至る間の筒状フィルムの内封ガス
は通常連通状態にあり、膨張・延伸開始時の加圧ガスの
導入や引き取りロールから漏洩する内部ガスの補充は、
冷却室のサーキュラダイ側、例えばサーキュラダイの押
出部の中央を貫通して設けたガス供給口から加圧ガスを
導入することにより、操業を止めることなく容易に行な
うことができる。
【0060】本発明方法に適用される配向可能温度範囲
(又は冷却の終点温度)、特に膨張・延伸開始の好適な
温度範囲及び結晶化速度と得られる製品フィルムの性能
との間には次のような関係があることが確認された。
【0061】例えば前述したMFR190℃=2g/1
0分、密度=0.915g/cm3の線状低密度ポリエ
チレンの場合、膨張・延伸開始の好適な温度範囲は約9
5〜100℃であり、またこの下限温度95℃及び上限
温度100℃での結晶化速度t/2は、それぞれ25
秒、30秒である。本発明方法に従って前記好適温度9
5℃で延伸して得られた延伸フィルムのヘイズ値は2.
0%であった。
【0062】これに対し前記好適温度範囲の下限未満で
ある60℃では、結晶化速度t/2は6.5秒、得られ
た延伸フィルムのヘイズ値は9.8%であった。一方、
前記好適温度範囲の上限を越える105℃では、結晶化
速度t/2は37秒、得られた延伸フィルムのヘイズ値
は1.9%であった。またこの場合、延伸フィルムの引
張強度及びヤング率を比較したところ、前記好適範囲9
5℃で得られたフィルム製品では、引張強度(Kg/c
2 )MD/TDが850/740、ヤング率(Kg/
cm2) が5300/3100であったのに対し、前記
好適温度範囲外の105℃で得られたフィルム製品の場
合は引張強度(Kg/cm 2 )MD/TDが700/6
40、ヤング率(Kg/cm2 )が3300/2700
であった。
【0063】
【実施例】以下に本発明を実施例によって説明する。
【0064】
【実施例1】融点117℃、MFR190℃=1.2g
/10分、 密度0.915g/cm3 の線状低密度ポ
リエチレンを図1に示す製造装置のサーキュラダイ2付
き押出機1において160℃で溶融・混練し、前記温度
に保ったサーキュラダイ2の押出部(直径80mm、幅
1mmの筒状ギャップを有する)から上向きに押し出し
た。
【0065】次に押し出された筒状フィルム11を前記
サーキュラダイ2の押出部に接した冷却室5に導き、こ
こで筒状フィルム11の内部及び外周部に、それぞれサ
ーキュラダイ2側に設けられた内部用ガス供給口3b
(サーキュラダイ2の中心部のガス管3に接続してい
る)及び外周部用ガス管4から膨張・延伸時の筒状フィ
ルムの内圧と同圧(100mm水柱)の冷却空気(常
温)を送って95℃まで冷却し、直径64mm、厚さ1
76μmの筒状フィルムを得た。
【0066】次に冷却後の筒状フィルム11は、張力制
御ロール6に当接してフィルムの張力を制御すると共に
膨張を制御しながら加熱器7に送った。この加熱器は、
6本のリング状赤外線ヒーターを6区分してそれぞれ電
圧・電流を調整できるようにしたもので、筒状フィルム
11を加熱器7内に通し、引き取りロール10で張力制
御ロール6よりも3倍の高速度で引き取りながら100
℃に加熱し、引続き冷却エアリング8から冷却空気(常
温)を吹き付けてフィルムを冷却することにより膨張・
延伸処理を行った。
【0067】こうして延伸倍率:縦3.0倍、横3.9
倍で直径250mm、厚さ17.2μmの2軸延伸フィ
ルム12を得た。このフィルムは、ガイド板ロール群9
を経て折り畳んだ後、巻取機で巻き取った。このフィル
ムは前記厚さでのヘイズ値が2.0%、90℃の熱収縮
率は縦14.1%、横19.8%であった。
【0068】
【実施例2】融点106℃、MFR190℃=2.2g
/10分、 密度0.905g/cm3 の線状低密度ポ
リエチレンを実施例1と同じサーキュラダイ2付き押出
機1において150℃で溶融・混練し、前記温度に保っ
たサーキュラダイ2から上向きに押し出した。
【0069】次に押し出された筒状フィルム11を、冷
却室5中で、冷却空気の圧力を90mm水柱とし且つ冷
却終点温度を87℃とした他は実施例1と同じ冷却方法
で冷却し、直径64mm、厚さ196μmの筒状フィル
ムを得た。
【0070】引続き、冷却後の筒状フィルムの加熱温度
を91℃、内圧を90mm水柱とした他は実施例1と同
じ方法で筒状フィルムを膨張・延伸処理し、延伸倍率:
縦3.4倍、横3.8倍で直径246mm、厚さ15.
2μmの2軸延伸フィルム12を得た。このフィルム
は、折り畳んだ後に巻取機で巻き取った。このフィルム
は前記厚さでのヘイズ値が1.8%、90℃の熱収縮率
は縦22.0%、横29.0%であった。
【0071】
【比較例1】樹脂として実施例1と同じ線状低密度ポリ
エチレンを用いて図4に示すようなダブルバブル方式の
2軸延伸フィルム製造装置を用い2軸延伸フィルムを次
のようにして製造した。まず樹脂を、端部に実施例1と
同じサークキュラダイ2を備えた押出機1において21
0℃で混練・溶融し、サーキュラダイ2から筒状に押し
出した後、冷水器21に通して常温まで冷却して直径6
4mm、厚さ282μmの筒状フィルム22を得た。な
お押し出し中の筒状フィルム内には水柱圧で100mm
の加圧空気を送入した。
【0072】この筒状フィルム22を一対の低速ロール
23で挟持しながら、予熱器24に送出した。次いでこ
のフィルムを高速ロール27で低速ロール23よりも4
倍の速度で引き取りながら、予熱器24で95℃に再加
熱後、加熱器25で100℃に加熱し、冷却エアリング
8で冷却することにより、膨張・延伸処理し、延伸倍
率:縦4.0倍、横4.1倍で、直径262mm、厚さ
17μmの2軸延伸フィルム26を得た。このフィルム
はガイド板ロール9及び50℃のアニールロール28を
経て折り畳んだ後、巻取機で巻き取った。
【0073】このフィルムは厚さ17μmでのヘイズ値
が1.5%、90℃の熱収縮率は縦17.8%、横2
3.2%であった。この比較例の方法では、本発明の方
法に比べて延伸バブル(2軸延伸フィルム)の揺動が大
きく、またフィルムの厚さむらも大きかった。
【0074】
【比較例2】樹脂として実施例2と同じ線状低密度ポリ
エチレンを用い、比較例1と同様にして直径64mm、
厚さ278μの未延伸筒状フィルムの膨張・延伸を試み
たが、延伸バブルが揺動して安定した延伸を得ることが
できなかった。
【0075】以上の結果を、使用樹脂の性状、膨張・延
伸前の筒状フィルムの大きさ、延伸条件等と共に表2に
示す。
【0076】
【表2】 表中、厚さむらは下記式で表される。
【0077】厚さむら=[(最大厚さ−最小厚さ)/
(平均厚さ)]×1/2×100 また○はバブルの揺れが全くない、△は同じく殆どな
い、×は同じく大きくて連続成形不能を表す。
【0078】
【発明の効果】本発明の方法及び装置によれば、省エネ
ルギー、設備費低減等による製造コストの低減;膨張・
延伸開始時の内部用加圧ガスの導入や連続操業時の漏洩
内封空気の補充等の作業の容易化;操業を維持したまま
での延伸倍率やフィルム巾の変更の容易化;未延伸筒状
フィルムの内部構造形成の抑制による工業的同時2軸延
伸可能な樹脂の範囲の拡大等達成される。また本発明の
方法及び装置により得られるフィルムは、延伸むらが少
なく、透明性及び光沢も優れ、シュリンクフィルム(ス
トレッチシュリンクフィルムを含む)としてはもちろ
ん、その他通常の用途に有用である。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の製造装置の一例の概略図である。
【図2】従来法及び本発明法によるフィルム温度の経時
的特性を示すグラフである。
【図3】本発明の樹脂として使用される各種線状低密度
ポリエチレンの結晶化速度t/2と結晶化温度との関係
を示すグラフである。
【図4】従来のダブルバブル方式の製造装置の概略図で
ある。
【符号の説明】
1………押出機 2………サーキュラダイ 3………内部用ガス 3a……内部用ガス管 3b……ガス供給口 4………外周部用冷却ガス 4a……外周部用冷却ガス管 5………冷却室 6………張力制御ロール 7………加熱器 8………冷却エアリング 10………引き取りロール 11………筒状フィルム 12………2軸延伸フィルム
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.5 識別記号 庁内整理番号 FI 技術表示箇所 B29L 7:00 4F

Claims (7)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 熱可塑性樹脂を押出機で混練・溶融し、
    この溶融樹脂を、押出機の先端に取り付けられ、円形の
    押出口を有するサーキュラダイの押出口から、連続した
    筒状フィルム状に押し出す工程、 押し出された筒状フィルムを前記サーキュラダイの押出
    口に接して設けられた冷却室内で、筒状フィルムの内部
    をガスにより周方向延伸時の気圧に維持しながら、筒状
    フィルムの外周部を内部気圧と同気圧の冷却ガスにより
    フィルムの配向可能温度まで冷却する工程、 冷却された筒状フィルムの両側に一対の張力制御ロール
    を、筒状フィルム内のガスが流通可能な状態で当接して
    フィルムの張力を制御しながら、筒状フィルムを、一定
    の速度で送出する工程、 送出された筒状フィルムを加熱・軟化させて筒状フィル
    ム内のガス圧により筒状フィルムを膨張させて周方向に
    延伸すると共に、前記張力制御ロールの送出速度よりも
    高速の一対の引き取りロールで引き取り長さ方向に延伸
    する工程、 を備えた2軸延伸フィルムの製造方法。
  2. 【請求項2】 前記冷却工程において筒状フィルムの内
    部及び外周部に送入されるガスが室温の空気であること
    を特徴とする請求項1記載の2軸延伸フィルムの製造方
    法。
  3. 【請求項3】 前記筒状フィルムの内部に送入されるガ
    ス量を調整することで筒状フィルムの周方向の延伸倍率
    を調整する工程を含むことを特徴とする請求項1記載の
    2軸延伸フィルムの製造方法。
  4. 【請求項4】 熱可塑性樹脂を溶融・混練する押出機
    と、 この押出機の先端に取り付けられ、円形状の押出口を有
    し、この円形状押出口から溶融樹脂を押し出して連続し
    た筒状フィルムを押出・成形するとともに、筒状フィル
    ム内部にガスを供給するガス供給口を有するサーキュラ
    ダイと、 前記サーキュラダイの押出口側に接して設けられ、押し
    出された筒状フィルムの周囲を囲むと共に筒状フィルム
    の内部と同気圧の冷却ガスを収容して筒状フィルムを外
    周から冷却する冷却室と、 冷却室を通過した筒状フィルムの両側に配置され、筒状
    フィルム内をガスが流通可能な状態で筒状フィルムの両
    側に当接し、フィルムの張力を制御しながら筒状フィル
    ムを一定の送り速度で送出する一対の張力制御ロール
    と、 一対の張力制御ロールから送出された筒状フィルムを加
    熱・軟化させてフィルムの内圧によりフィルムを膨張さ
    せて周方向に延伸する加熱装置と、 膨張した筒状フィルムを前記張力制御ロールよりも高速
    で引き取り、長さ方向に延伸する一対の引き取りロール
    とを備えた2軸延伸フィルムの製造装置。
  5. 【請求項5】 前記筒状フィルムの内部に送入されるガ
    スが常温のガスであることを特徴とする請求項5記載の
    2軸延伸フィルムの製造装置。
  6. 【請求項6】 更に前記筒状フィルムの内部に送入され
    るガス量を調整するガス量調節装置を備えたことを特徴
    とする請求項5記載の2軸延伸フィルムの製造装置。
  7. 【請求項7】MFR190℃=0.1〜5.0g/10
    分、密度=0.88〜0.940g/cm3の線状低密
    度ポリエチレン系フィルムであり、延伸倍率を縦2倍以
    上、横2倍以上とし、厚さ8〜80μmのヘイズ値(厚
    さ15μm)が1〜3%、90℃での収縮率が縦14〜
    30%、横18〜35%のシュリンクフィルム。
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