JPH0662910B2 - 塗料用樹脂組成物 - Google Patents

塗料用樹脂組成物

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JPH0662910B2
JPH0662910B2 JP61048241A JP4824186A JPH0662910B2 JP H0662910 B2 JPH0662910 B2 JP H0662910B2 JP 61048241 A JP61048241 A JP 61048241A JP 4824186 A JP4824186 A JP 4824186A JP H0662910 B2 JPH0662910 B2 JP H0662910B2
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vinyl ether
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一郎 御幡
正隆 大岡
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Dainippon Ink and Chemicals Co Ltd
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【発明の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 本発明は新規にして有用なる塗料用樹脂組成物に関す
る。さらに詳細には、ベースポリマーとして溶剤可溶型
の水酸基含有ふっ素樹脂を、他方、硬化剤として該水酸
基と反応性を有する化合物を、それぞれ必須の成分とし
て含んで成る組成物に関する。
〔従来の技術〕
ふっ素樹脂(フルオロオレフィン・ポリマー)は耐薬品
性をはじめとして耐熱性、耐摩耗性、非粘着性および耐
侯性が良好であるために広範に利用されているけれど
も、その反面で融点が高い処から、高温での溶融焼付け
を必要とするなどの不都合を有する。加えて、溶剤に不
溶性である処から、エマルジョンやディスパージョンの
形態でしか利用されていないというのが現状である。
したがって、塗料としての形態もまた制限されるため
に、あるいは硬化剤との相溶性が悪いためなどから、硬
化剤を用いての架橋塗膜を得ることは至極困難であっ
た。
〔発明が解決すべき問題点〕
こうした欠点ないしは欠陥を解除し、解決するために、
本発明者らは、先に特開昭59-102961号および102962号
公報に示されるような発明について特許出願を行なって
いるが、これらの発明は水酸基含有単量体を共単量体
(コモノマー)として共重合させて得られるフルオロオ
レフィン・ポリマーが硬化剤と反応して架橋塗膜を与え
るという点を見い出して為されたものであります。
しかしながら、上記の両発明に従って得られる塗料によ
るときは、硬化性も不十分であるし、耐溶剤性の良好な
る塗膜を得ることもできない、という欠陥のあることが
確認された。
〔問題点を解決するための手段〕
そこで、本発明者らは、上述した欠陥が水酸基含有単量
体とフルオロオレフィン単量体との低い共重合性に起因
しているとの認識に立って鋭意検討を重ねた結果、当該
フルオロオレフィン・ポリマーとして、フルオロオレフ
ィン、カルボン酸ビニルエステル、ヒドロキシアルキル
ビニルエーテルおよびアルキルビニルエーテルなる特定
の化合物を必須の単量体として用いて得られた共重合体
と硬化剤との組み合わせになる組成物が、硬化性、就
中、耐溶剤性にすぐれた硬化塗膜を与え、しかも得られ
た塗膜の耐侯性も極めて良好であることを見い出して、
本発明を完成させるに到った。
すなわち、本発明は必須の成分として、フルオロオレフ
ィン、カルボン酸ビニルエステル、ヒドロキシアルキル
ビニルエーテルおよびアルキルビニルエーテルを必須の
単量体として、必要により、これらの単量体と共重合可
能な他のビニル単量体をも共重合させて得られるビニル
系共重合体(A)と、水酸基と反応性を有する硬化剤
(B)とを含み、さらに必要に応じて、かかる(A)成
分と(B)成分との架橋反応を促進させるための硬化触
媒(C)をも含んで成る塗料用樹脂組成物を提供しよう
とするものである。
ここにおいて、まず、上記したフルオロオレフィンとし
て代表的なものには、ふっ化エチレン、ふっ化ビニリデ
ン、トリフルオロエチレン、テトラフルオロエチレン、
クロルトリフルオロエチレンもしくはヘキサフルオロプ
ロピレン、またはトリフルオロメチル・トリフルオロビ
ニルエーテルもしくはヘプタフルオロプロピル・トリフ
ルオロビニルエーテルの如きパーフルオロアルキル・パ
ーフルオロビニルエーテルなどがあり、就中、テトラフ
ルオロエチレン、ふっ化ビニリデン、クロロトリフルオ
ロエチレンまたはヘキサフルオロプロピレンの使用が望
ましい。これらのフルオロオレフィンは単独使用でも2
種以上の併用でもよいことは勿論である。
そして、かかるフルオロオレフィン成分の使用量として
は、全単量体成分中、10〜70モル%、好ましくは20〜60
モル%なる範囲内が適当である。
70モル%を超える場合には、硬化塗膜の光沢が低くなる
し、逆に10モル%未満の場合には、ふっ素樹脂が本来有
するすぐれた性能、すなわち耐薬品性および耐侯性など
の点で満足すべきものが得られなくなる。
次に、前記したカルボン酸ビニルエステルとして代表的
なものには、酢酸ビニル、プロピオン酸ビニル、酪酸ビ
ニル、イソ酪酸ビニル、ピバリン酸ビニル、カプロン酸
ビニル、カプリル酸ビニル、カプリン酸ビニル、バーサ
ティック酸ビニル、ラウリン酸ビニルまたはステアリン
酸ビニルの如き、直鎖状の、ないしは分岐状の脂肪族カ
ルボン酸のビニルエステルをはじめとして、シクロヘキ
サンカルボン酸ビニルエステルの如き脂環式カルボン酸
のビニルエステル、あるいは安息香酸ビニルエステルま
たはp-tert-ブチル安息香酸ビニルエステルまたはサリ
チル酸ビニルの如き芳香族カルボン酸のビニルエステル
などがあるが、これらのうち後掲する硬化剤(B)との
相溶性または硬化塗膜の硬度などの点からは、C〜C
なる直鎖状ないしは分岐状の脂肪族モノカルボン酸
のビニルエステル、シクロヘキサンカルボン酸ビニルエ
ステル、安息香酸ビニルエステルまたはp-tert-ブチル
安息香酸ビニルエステルの使用が望ましい。
脂肪族カルボン酸ビニルエステルのうちでは、第三級炭
素原子に結合したカルボキシル基を有する、C〜C
なるカルボン酸のビニルエステル、さらに好ましくは
なるカルボン酸のビニルエステルが、塗膜硬度の点
から、特に推奨される。
そして、かかるカルボン酸ビニルエステル成分の使用量
としては、全単量体成分中、5〜70モル%、好ましくは
10〜60モル%なる範囲内が適当であり、またかかるカル
ボン酸ビニルエステルは単独使用でも2種以上の併用で
もよいことは勿論である。
また、前記したヒドロキシアルキルビニルエーテルとし
て代表的なものには、ヒドロキシエチルビニルエーテ
ル、2-ヒドロキシプロピルビニルエーテル、3-ヒドロキ
シプロピルビニルエーテル、3-ヒドロキシブチルビニル
エーテル、4-ヒドロキシブチルビニルエーテル、2-ヒド
ロキシ‐2-メチルプロピルビニルエーテル、5-ヒドロキ
シペンチルビニルエーテルまたは6-ヒドロキシヘキシル
ビニルエーテルなどがあり、これらは単独使用でも2種
以上の併用でもよく、当該単量体成分の使用量として
は、全単量体成分中3.5〜30モル%、好ましくは5〜25
モル%なる範囲内が適当である。
3.5モル%未満では架橋硬化時間の増大、そして塗膜の
耐汚染性の低下につながるし、逆に30モル%を超える場
合には、硬化剤と混合した場合のゲル化時間の減少、そ
してそれに伴う塗料の施工性(塗布作業性)の低下が起
こるようになる。
さらに、前記したアルキルビニルエーテルとして代表的
なものには、メチルビニルエーテル、エチルビニルエー
テル、n-プロピルビニルエーテル、イソプロピルビニル
エーテル、n-ブチルビニルエーテル、イソブチルビニル
エーテル、tert-ブチルビニルエーテル、n-ペンチルビ
ニルエーテル、n-ヘキシルビニルエーテル、n-オクチル
ビニルエーテルまたは2-エチルヘキシルビニルエーテル
などがあり、これらは単独使用でも2種以上の併用でも
よいことは勿論である。
そして、かかるアルキルビニルエーテルの使用量として
は、全単量体成分中、5〜70モル%、好ましくは7〜60
モル%なる範囲内が適当である。
5モル%未満の場合には、ビニル系共重合体の調製時に
おけるフルオロオレフィンの転化率が低くなり易く、逆
に70モル%を超える場合には、ビニル系共重合体中のふ
っ素含有率(ふっ素分)が低くなる結果、性能が低下す
ることになるので好ましくない。
さらにまた、本発明の特徴を損わない範囲内で使用でき
る、以上に掲げられた如き各単量体成分と共重合性を有
する他のビニル単量体の代表的なものとしては、エチレ
ン、プロピレンもしくはブテン‐1の如きα‐オレフィ
ン類;塩化ビニルもしくは塩化ビニリデンの如き、フル
オロオレフィンを除く各種ハロゲン化オレフィン類;ス
チレン、α‐メチルスチレンもしくはビニルトルエンの
如き芳香族ビニル化合物;脂環式ないしは芳香族のビニ
ルエーテル類、アリルアルコールまたはアリルグリシジ
ルエーテルの如きアリル基含有化合物;フマル酸もしく
はマレイン酸の如き不飽和多塩基酸のジ‐ないしはモノ
エステル類;(無水)マレイン酸もしくは(無水)イタ
コン酸の如き不飽和多塩基酸またはそれらの無水物;あ
るいは(メタ)アクリロニトリル、(メタ)アクリルア
ミド、N-メチロール(メタ)アクリルアミド、N-ブトキ
シメチル(メタ)アクリルアミドまたは(メタ)アクリ
ル酸エステル類などが挙げられる。
以上に掲げられた各単量体成分を共重合せしめることに
より本発明におけるビニル系共重合体(A)が得られる
が、そのさい、仕込み組成範囲として次式を満足するよ
うな単量体混合物から得られる共重合体が特に望まし
い。
0.7(b+c)≦a+d<3.5(b+c) 〔I〕 〔但し、式中のaはフルオロオレフィルのモル%、bは
水酸基を含有しないビニルエーテルのモル%、cはヒド
ロキシアルキルビニルエーテルのモル%を、およびdは
カルボン酸ビニルエステルのモル%を表わすものとす
る。〕 すなわち、フルオロオレフィンのa(モル%)とカルボ
ン酸ビニルエステルのd(モル%)との和(a+d)
が、水酸基不含のビニルエーテルb(モル%)とヒドロ
キシアルキルビニルエーテルc(モル%)との和(b+
c)の0.7倍よりも小さければ、水酸基含有ビニルエー
テルのビニル系共重合体(A)中における含有率が低く
なって、本発明組成物の硬化性が低下したり、硬化塗膜
の耐溶剤性が低下したりし易くなるし、逆に3.5倍を越
える場合にはフルオロオレフィンの転化率が低くなっ
て、ふっ素樹脂本来のすぐれた特徴が損われるので、い
ずれも好ましくない。
以上に掲げられたような各単量体成分を用いてビニル系
共重合体(A)を調製するには、ラジカル重合開始剤の
存在下で、塊状重合、溶液(加圧)重合、懸濁重合また
は乳化重合などの公知の方法により、回分式、半連続式
または連続式のいずれかの操作で重合を行なえばよい。
このさい、上記したラジカル重合開始剤としてはアセチ
ルパーオキサイド、ベンゾイルパーオキサイドの如きジ
アシルパーオキサイド類;メチルエチルケトンパーオキ
サイド、シクロヘキサノンパーオキサイドの如きケトン
系パーオキサイド類;過酸化水素、tert-ブチルハイド
ロパーオキサイドの如きハイドロパーオキサイド類;ジ
‐tert-ブチルパーオキサイド、ジクミルパーオキサイ
ドの如きジアルキルパーオキサイド類;tert-ブチルパー
オキシアセテート、tert-ブチルパーオキシピバレート
の如きアルキルパーオキシエステル類;またはアゾビス
イソブチロニトリル、アゾビスイソバレロニトリルの如
きアゾ系化合物;あるいは過硫酸アンモニウム、過硫酸
カリウムの如き過硫酸塩などが代表的なものとして挙げ
られるが、これらは必要に応じて、亜硫酸水素ナトリウ
ム、ピロ亜硫酸ナトリウムの如き無機の還元剤、または
ナフテン酸コバルト、ジメチルアニリンの如き有機の還
元剤と組み合せた形で用いてもよい。
共重合反応方法としては、前掲した如き各種の方法のう
ち、溶液重合法が最も簡便である。そのさいに用いられ
る溶剤として代表的なものにはトルエン、キシレン、シ
クロヘキサン、n-ヘキサン、オクタンの如き炭化水素
系;酢酸メチル、酢酸エチル、酢酸ブチルの如きエステ
ル系;アセトン、メチルエチルケトン、メチルイソブチ
ルケトン、シクロヘキサノンの如きケトン系;ジメチル
ホルムアミド、ジメチルアセトアミドの如きアミド系;
またはメタノール、エタノール、イソプロパノール、n
−ブタノール、イソブタノール、sec-ブタノール、エチ
レングリコールモノアルキルエーテルの如きアルコール
系溶剤、あるいはこれらの混合物などがある。
しかしながら、硬化剤(B)として後掲する如き(ブロ
ック)ポリイソシアネート化合物を用いる場合にあって
は、上掲した如きアルコール系溶剤の使用は避けるべき
である。
また、この重合にさいしては、分子量調節剤としてラウ
リルメルカプタン、オクチルメルカプタン、2-メルカプ
トエタノールまたはα‐メチルスチレン・ダイマーの如
き各種の連鎖移動剤をも使用することができる。
共重合反応にさいして、その反応温度としては−20〜13
0℃なる範囲内が適当であるし、また反応圧力としては
1〜100kg/cm、好ましくは5〜60kg/cmなる範囲
内が適当である。
このようにして得られるビニル系共重合体(A)の数平
均分子量としては1,000〜100,000なる範囲内が、また水
酸基価としては17〜200なる範囲内が、それぞれ好まし
い。
次に、前記した硬化剤(B)、つまりビニル系共重合体
(A)中の水酸基と反応性を有する硬化剤として代表例
を挙げれば、アミノプラスト、(ブロック)ポリイソシ
アネート化合物または多塩基酸(無水物)などである。
そのうち、まずアミノプラストの代表的なものとしては
メラミン、尿素、アセトグアナミン、ベンゾグアナミ
ン、ステログアナミンまたはスピログアナミンの如きア
ミノ基含有化合物成分と、ホルムアルデヒド、パラホル
ムアルデヒド、アセトアルデヒドまたはグリオキザール
の如きアルデヒド系化合物成分とを、公知慣用の方法に
より反応させて得られる縮合物あるいはこれらの各縮合
物をアルコール類でエーテル化せしめて得られるものな
どが挙げられるが、通常、塗料用として使用されている
ものであれば、いずれも使用できることは勿論である。
そのうちでも、C〜Cなるアルコール類で部分的
に、あるいは完全にエーテル化せしめたものが好まし
く、かかるアミノプラストの具体例としては、ヘキサメ
チルエーテル化メチロールメラミン、ヘキサブチルエー
テル化メチロールメラミン、メチルブチル混合エーテル
化メチロールメラミン、メチルエーテル化メチロールメ
ラミン、ブチルエーテル化メチロールメラミンまたはイ
ソブチルエーテル化メチロールメラミン、あるいはそれ
らの縮合物などが挙げられる。
とくに、ビニル系共重合物(A)との相溶性の観点から
はメチルエーテル化メチロールメラミンの使用が望まし
い。
他方、ポリイソシアネート化合物の代表例としては、ヘ
キサメチレンジイソシアネート、トリメチルヘキサメチ
レンジイソシアネートの如き脂肪族ジイソシアネート
類;キシリレンジイソシアネート、イソホロンジイソシ
アネートの如き環状脂肪族ジイソシアネート類;または
トリレンジイソシアネート、4,4′‐ジフェニルメタン
ジイソシアネートの如き芳香族ジイソシアネート類など
の有機ジイソシアネート、あるいはこれら有機ジイソシ
アネートと、多価アルコール、低分子量ポリエステル樹
脂または水などとの付加物、さらには上掲した有機ジイ
ソシアネート同士の重合体やイソシアネート・ビウレッ
ト体などが挙げられるが、かかる各種のポリイソシアネ
ート化合物の代表的な市販品の例を挙げれば「バーノッ
クD-750、‐800、DN-950、‐970、‐980、‐981または1
5-455」〔大日本インキ化学工業(株)製品〕、「デス
モジュールL、N、HLまたはLL」(西ドイツ国バイエル
社製品)、「タケネートD-102、‐202、‐110Nまたは‐
123N」〔武田薬品工業(株)製品〕、「コロネートL、
HL、EHまたは203」〔日本ポリウレタン工業(株)製
品〕あるいは「デュラネート24A-90EX」〔旭化成工業
(株)製品〕などである。
また、ブロックポリイソシアネート化合物の代表例とし
ては、上掲した如き各種のポリイソシアネート化合物を
公知慣用のブロック化剤でブロック化せしめて得られる
ものを指称し、かかるブロックポリイソシアネート化合
物の代表的な市販品の例を挙げれば「バーノックD-55
0」〔大日本インキ化学工業(株)製品〕、「タケネー
トB-815-N」〔武田薬品工業(株)製品〕、「アディト
ール(ADDITOL)VXL-80」〔ヘキスト合成(株)製品〕
または「コロネート2507」〔日本ポリウレタン工業
(株)製品〕などである。
これらの(ブロック)ポリイソシアネート化合物のう
ち、前記ビニル系共重合体(A)との相溶性の点から
は、とくに「コロネート2507またはEH」あるいは「バー
ノックDN-980または‐981」の如き、分子中にイソシア
ヌレート環を有する化合物の使用が望ましい。
さらに、前記した多塩基酸硬化剤としては、一分子中に
2個以上のカルボキシル基を有するアクリル樹脂、もし
くは一分子中に2個以上のカルボキシル基を有するポリ
エステル樹脂、またはピロメリット酸などが代表的なも
のである。多塩基酸無水物硬化剤としては、一分子中に
2個以上の酸無水基を有するアクリル樹脂、無水トリメ
リット酸または無水ピロメリット酸などが代表的なもの
である。
そして、本発明組成物を構成する必須成分たる前掲した
それぞれビニル系共重合体(A)と硬化剤(B)との使
用比率としては、(A)成分の50〜99重量部に対して
(B)成分の50〜1重量部(いずれの成分も固形分を基
準として)なる範囲内が適当である。
次に、前記した硬化触媒(C)の代表的なものとして
は、硬化剤(B)成分として(ブロック)ポリイソシア
ネート化合物を用いる場合、ジブチル錫ジアセテート、
ジブチル錫ジオクテート、ジブチル錫ジラウレート、ト
リエチルアミンまたはジメチルアミノエタノールなどが
挙げられるし、また硬化剤(B)としてアミノプラスト
を用いる場合、パラトルエンスルホン酸、燐酸または燐
酸のアルキルエステル、あるいは「ベッカミンP-198」
〔大日本インキ化学工業(株)製品〕または「ネイキュ
ア155、2500X、X-49-110、5225もしくは3525」(アメリ
カ国キング社製品)などで代表されるジノニルナフタレ
ンジスルホン酸、ドデシルベンゼンスルホン酸またはそ
れらの有機アミンブロック化合物などが挙げられる。
そして、これらの硬化触媒(C)の添加量としては、前
掲の共重合体(A)成分と硬化剤(B)成分とのそれぞ
れ固形分総重量100部に対して0〜10重量部なる範囲内
が適当であり、かかる(C)成分の添加量は主として硬
化温度および硬化時間によって適宜決定される。
本発明にあっては、前記ビニル系共重合体(A)中の水
酸基に対して無水マレイン酸や無水イタコン酸などの酸
無水基含有化合物を付加結合させて該共重合体(A)に
酸基をペンダントせしめ、それにより前記硬化剤(B)
成分との硬化反応時における潜在触媒とすることもでき
る。
かくして得られる本発明組成物には、さらに必要に応じ
て、顔料、各種樹脂類、溶剤類をはじめ、流動調整剤、
色分れ防止剤、酸化防止剤、紫外線吸収剤またはシラン
カップリング剤などの如き、公知慣用の各種添加剤を加
えることができるのは無論である。
そのうち、顔料の具体例としては酸化チタン、カーボン
ブラックの如き無機系の顔料、キナクリドン系、アゾ系
の如き有機系の顔料、またはアルミ粉末、銅粉末もしく
は亜鉛粉末の如き金属粉末などが挙げられる。
また、各種樹脂類の代表的なものには、ニトロセルロー
ス、セルロースアセテートブチレートの如き繊維素系樹
脂、塩化ビニル‐酢酸ビニル共重合樹脂、ケトン樹脂、
石油樹脂、スチレンを含んでいてもよい(メタ)アクリ
ル樹脂、オイルフリーアルキド樹脂、アルキド樹脂また
はエポキシ樹脂などがある。
さらに、溶剤類としては前記ビニル系共重合体(A)を
調製するさいの溶剤として前掲されたようなもの、およ
びそれらの混合物が使用できるが、前記硬化剤(B)成
分として(ブロック)ポリイソシアネート化合物を用い
る場合には、かかる溶剤として、イソシアネート基と反
応するものの使用を避けねばならないことは言うまでも
ない。
而して、本発明組成物はスプレー塗装、刷毛塗り、ロー
ルコーターなどの如き公知慣用の方法により塗布され、
そして前記硬化剤(B)としてポリイソシアネート化合
物を用いる場合には、室温から120℃までの温度で焼付
けられ、それ以外の硬化剤を用いる場合には、60〜250
℃までの温度で、5秒間〜40分間焼付けられて硬化塗膜
を与える。
〔発明の用途〕
本発明の塗料用樹脂組成物は、家電用などの一般焼付
け、建築物、瓦またはPCMなどのコイルコーティングな
どの外装用用途、あるいは自動車用、さらに詳細には自
動車のエナメル塗料、メタリックベース塗料またはクリ
ヤー塗料として、さらにはガラス、セラミックス製品の
表面保護膜として適用することができるが、決して上掲
の適用範囲にのみ限定されるものではない。
〔実施例〕
次に、本発明を参考例、実施例および比較例により一層
具体的に説明するが、以下において部および%は特に断
りのない限り、すべて重量基準であるものとする。
参考例1〜9〔ビニル系共重合体(A)の調製例〕 内容積が1,000mlなるステンレス製の耐圧管に、メチル
イソブチルケトン(MIBK)の400gと、「パーブチルPV」
〔日本油脂(株)製のラジカル重合開始剤〕の5gと、第
1表に記載されている通りのエチルビニルエーテル(EV
E)、イソブチルビニルエーテル(IBVE)、4-ヒドロキ
シブチルビニルエーテル(HBVE)、6-ヒドロキシヘキシ
ルビニルエーテル(HHVE)、ピバリン酸ビニル(PI
V)、Cなるターシャリーカルボン酸のビニルエステ
ルとしての「ベオバー9」(オランダ国シエル社製品;
以下、VV−9と略記する。)、シクロヘキサンカルボン
酸ビニル(VCHC)、安息香酸ビニル(VBZ)またはp-ter
t-ブチル安息香酸ビニル(VPTBZ)を仕込み、ドライア
イス/メタノール浴で−70℃に冷却し、窒素ガスを吹き
込んで耐圧管内の空気を置換した。
次いで、液化採取したヘキサフルオロプロピレン(HF
P)またはクロルトリフルオロエチレン(CTFE)を同表
に記載されている通りの量で仕込んで封管した。他方、
テトラフルオロエチレン(TFE)を用いる場合には、バ
ルブ付きの耐圧管を使用して上記したと同様に各原料の
仕込みを行なったのち、TFEボンベから、このTFEを加圧
封入し、その後バルブを閉めてから秤量した。
しかるのち、これらの各耐圧管を60℃に加温された回転
式恒温水槽に入れて16時間反応を行なってから、内容物
を取り出して目的とするそれぞれの共重合体を得た。
次いで、各共重合体について各恒数値を測定した処、同
表に示されるような結果が得られた。参考例10〔比較対
照用のビニル系共重合体(A′)の調製例〕 ステンレス製のオートクレーブに、トルエンの500部お
よびMIBKの500部を仕込み、ドライアイス/メタノール
浴で−70℃に冷却し、窒素ガスを送入して系内を窒素置
換した。次いで、液化採取したCTFEの400部を仕込んで6
0℃に昇温し、しかるのちVV-9の400部、メチルメタクリ
レートの150部およびβ‐ヒドロキシエチルメタクリレ
ートの50部と、アゾビスイソバレロニトリルの20部とか
らなる混合物を4時間かけて滴下し、さらに滴下終了後
も同温度に15時間保持せしめて目的共重合体(A′)を
得た。この共重合体についての各恒数値を測定した処、
不揮発分が50%で、水酸基価が10.8で、かつガラス転移
温度が25℃であった。
実施例1〜14 参考例1〜9で得られた各共重合体(A-1)〜(A-9)
を、第2表に記載されている通りの配合割合で、硬化剤
およびシンナーと、さらに必要に応じて硬化触媒をも混
合して各別に塗料化せしめた。
次いで、石油ベンジンで脱脂処理を施した0.8mm厚のポ
ンデ#144処理鋼板に6ミルのアプリケーターで、乾燥
膜厚が35〜40μmになるように各別に塗布してセッティ
ング後、同表に記載されている通りの条件で焼付けを行
なってから室温に7日間放置して各硬化塗膜を得た。
しかるのち、それぞれの塗膜について同表欄外の註10に
記載されているような方法で耐溶剤性を評価した。それ
らの結果は同表にまとめて示す。
比較例1〜3 参考例10で得られた共重合体(A′)を用いるように変
更し、かつ第2表に記載されている通りの配合割合およ
び焼付条件に従うように変更した以外は、実施例1〜14
と同様にして塗料化し、造膜せしめて、これを対照用試
料とした。
引き続いて、この対照用塗膜についても実施例1〜14と
同様にして耐溶剤性の評価を行なった。それらの結果は
同表に示す通りである。
〔発明の効果〕 第2表の結果からも明らかなように、本発明の塗料用樹
脂組成物は相溶性にすぐれ、しかも耐溶剤性の良好なる
硬化塗膜を与えるものであることが知れる。

Claims (13)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】(A)フルオロオレフイン、カルボン酸ビ
    ニルエステル、ヒドロキシアルキルビニルエーテルおよ
    びアルキルビニルエーテルを必須の単量体として、必要
    により、これら上記の単量体と共重合可能な他のビニル
    単量体をも共重合させて得られるビニル系共重合体と、 (B)水酸基と反応性を有する硬化剤とを必須の成分と
    して、さらに必要に応じて、(C)上記したそれぞれ
    (A)成分と(B)成分との架橋反応を促進させるため
    の硬化触媒をも含んで成る、塗料用樹脂組成物。
  2. 【請求項2】前記したフルオロオレフインが、テトラフ
    ルオロエチレン、ふつ化ビニリデン、クロルトリフルオ
    ロエチレンおよびヘキサフルオロプロピレンよりなる群
    から選ばれる少なくとも1種の化合物であることを特徴
    とする、特許請求の範囲第1項に記載の組成物。
  3. 【請求項3】前記したカルボン酸ビニルエステルが、シ
    クロヘキサンカルボン酸ビニルエステル、安息香酸ビニ
    ルエステル、p−tert−ブチル安息香酸ビニルエステル
    およびC〜C なる脂肪族カルボン酸のビニルエス
    テルよりなる群から選ばれる少なくとも1種の化合物で
    あることを特徴とする、特許請求の範囲第1項に記載の
    組成物。
  4. 【請求項4】前記したカルボン酸ビニルエステルが、第
    三級炭素原子に結合したカルボキシル基を有する、前記
    〜C なる脂肪族カルボン酸のエステルであるこ
    とを特徴とする、特許請求の範囲第1項または第3項に
    記載の組成物。
  5. 【請求項5】前記したカルボン酸ビニルエステルが、第
    三級炭素原子に結合したカルボキシル基を有する、前記
    なる脂肪族カルボン酸のビニルエステルであること
    を特徴とする、特許請求の範囲第1項、第3項または第
    4項に記載の組成物。
  6. 【請求項6】前記したヒドロキシアルキルビニルエーテ
    ルが、C〜Cなるヒドロキシアルキル基を有する化
    合物であることを特徴とする、特許請求の範囲第1項に
    記載の組成物。
  7. 【請求項7】前記したアルキルビニルエーテルが、C
    〜Cなるアルキル基を有する化合物であることを特徴
    とする、特許請求の範囲第1項に記載の組成物。
  8. 【請求項8】前記した硬化剤(B)が、アミノプラスト
    であることを特徴とする、特許請求の範囲第1項に記載
    の組成物。
  9. 【請求項9】前記した硬化剤(B)が、メチルエーテル
    化メチロールメラミンであることを特徴とする、特許請
    求の範囲第1項または第8項に記載の組成物。
  10. 【請求項10】前記した硬化剤(B)が、ポリイソシア
    ネート化合物であることを特徴とする、特許請求の範囲
    第1項に記載の組成物。
  11. 【請求項11】前記した硬化剤(B)が、イソシアヌレ
    ート環を有するポリイソシアネート化合物であることを
    特徴とする、特許請求の範囲第1項または第10項に記載
    の組成物。
  12. 【請求項12】前記した硬化剤(B)が、ブロツクポリ
    イソシアネート化合物であることを特徴とする、特許請
    求の範囲第1項に記載の組成物。
  13. 【請求項13】前記した硬化剤(B)が、イソシアヌレ
    ート環を有するブロツクポリイソシアネート化合物であ
    ることを特徴とする、第1項または第12項に記載の組成
    物。
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