JP3033151B2 - 熱硬化性樹脂組成物 - Google Patents

熱硬化性樹脂組成物

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JP3033151B2 JP2190511A JP19051190A JP3033151B2 JP 3033151 B2 JP3033151 B2 JP 3033151B2 JP 2190511 A JP2190511 A JP 2190511A JP 19051190 A JP19051190 A JP 19051190A JP 3033151 B2 JP3033151 B2 JP 3033151B2
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Description

【発明の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 本発明は新規にして有用なる熱硬化性樹脂組成物に関
する。
さらに詳細には、必須の皮膜形成性高分子結合剤とし
て、自己架橋性の官能基を有するフルオロオレフィン共
重合体を含んで成る、とりわけ、顔料分散性および塗装
作業性にすぐれ、かつ、表面光沢度、耐汚染性ならびに
耐衝撃性などにもすぐれることは勿論、耐候性および耐
ブロッキング性にも、ならびに再塗装性(リコート性)
および経時的耐汚染性などにもすぐれる、極めて有用な
る、ふっ素樹脂系の熱硬化性樹脂組成物に関する。
そして、本発明の熱硬化性樹脂組成物は、とりわけ、
塗料用として、最適には、粉体塗料用として利用するこ
とができるものである。
〔従来の技術〕
最近、粉体塗料は、無公害、省資源ならびに省力化と
いった面における長所から、金属塗装全般に、広く、使
用されており、とくに、耐候性の重要な橋梁、門扉、フ
ェンスまたは家屋用サイディング材の如き道路の建築資
材や、自動車の車体または部品、あるいは家電製品など
にも、広く、利用されている。
また、エチレン・テトラフルオロエチレン共重合体か
らなる熱可塑性ふっ素樹脂粉末コーティング法も知られ
ている。(特開昭61−181567、61−161571号および61−
161572号公報など。) ふっ素樹脂(フルオロオレフィン共重合体)は、耐薬
品性をはじめとして、耐熱性、耐摩耗性、非粘着性およ
び耐候性が良好であるために、広範に利用されてはいる
ものの、その反面で、融点が高い処から、粉砕に特殊な
装置が必要となるし、高温での溶融焼付けもまた必要で
あるなどの不都合があって、粉体塗料としての利用が殆
んど為されてはいない、というのが現状である。
一方、粉砕塗装に用いられる熱硬化性粉体塗料として
は、ブロックイソシアネート化合物やトリグリシジルイ
ソシアヌレートなどを硬化剤とするポリエステル樹脂系
粉体塗料と、二塩基酸とを硬化剤とするグリシジル基含
有アクリル樹脂系粉体塗料とがある。(「粉体と工
業」、1984年2月号、第33〜42頁。) さらには、熱硬化性ふっ素樹脂粉体塗料が、特開平1
−103670号公報に開示されてはいるけれども、硬化剤を
配合しなければならない処から、ふっ素樹脂本来の耐候
性が損われるという虞れがある。
〔発明が解決しようとする課題〕
このように、従来の技術に従う限りは、ふっ素樹脂そ
れ自体の耐候性をフルに活用しうるような熱硬化性樹脂
組成物は劣か、粉体塗料などの塗料用樹脂組成物を得る
ことは、極めて困難である。
そのために、本発明者らは、耐溶剤性、耐薬品性、耐
熱性、耐磨耗性、非粘着性ならびに耐候性などをフルに
活用しうるような、極めて有用なる、ふっ素樹脂系の熱
硬化性樹脂組成物を求めて、鋭意、研究に着手した。
したがって、本発明が解決しようとする課題は、一に
かかって、従来型の粉体塗料を遙かに凌駕する耐候性を
有し、しかも、前述したような種々の物性のバランスに
もすぐれる、極めて有用性の高い熱硬化性樹脂を提供す
ることである。
〔課題を解決するための手段〕
そこで、本発明者らは、前述した従来技術における種
々の欠点の存在に鑑み、併せて、上述した如き発明が解
決しようとする課題に照準を合わせて、常用されている
硬化条件で、つまり、汎用の粉体塗料におけると同様な
硬化条件で硬化可能な、ふっ素樹脂系熱硬化性樹脂組成
物を得ることを目的として、鋭意、検討を重ねた結果、
特定の分子量と軟化点を有し、しかも、反応性極性基
(官能基)を有する、いわゆる自己架橋性のフルオロオ
レフィン共重合体を粉体塗料として用いることにより、
硬化性にもすぐれるし、耐溶剤にもすぐれるし、極めて
耐候性にすぐれる粉体塗料を与えることを見い出して、
本発明を完成させるに到った。
すなわち、本発明は必須の皮膜形成性高分子結合剤と
して、水酸基、カルボキシル基、アミド結合、アミノ
基、ニトリル基、メルカプト基、活性ハロゲン原子もし
くは(ブロック)イソシアネート基と、これらの官能基
の少なくとも1種と架橋する官能基とを組み合わせて有
する自己架橋性のフルオロオレフィン共重合体、また
は、N−メチロールアクリルアミド結合を有する自己架
橋性のフルオロオレフィン共重合体(以下、これらの共
重合体をまとめて「自己架橋性の官能基を有するフルオ
ロオレフィン共重合体」と称する。)を含有することか
ら成る、熱硬化性樹脂組成物を提供しようとするもので
ある。
ここにおいて、本発明の熱硬化性樹脂組成物に用いら
れる当該フルオロオレフィン共重合体は、フルオロオレ
フィン単位と、架橋性反応基を有する単位とを必須成分
として含有するものである。
それらのうち、かかる上記のフルオロオレフィン単位
の原料としては、テトラフルオロオレフィン、クロロト
リフルオロエチレン、トリフルオロエチレン、ふっ化ビ
ニリデン、ヘキサフルオロプロピレンまたはペンタフル
オロプロピレンなどが特に代表的なものであり、これら
のフルオロオレフィンは、塗膜に要求される性状とか、
他の共重合成分または架橋性反応基含有単量体との組み
合わせに応じて、適宜、選択することができる。また、
これらのフルオロオレフィンは単独使用でも2種以上の
併用でもよい。
当該フルオロオレフィン共重合体が有する反応性反応
基としては、前記したように、水酸基、カルボキシル
基、アミド結合、アミノ基、ニトリル基、メルカプト
基、臭素もしくはヨウ素の如き活性ハロゲン原子、また
は(ブロック)イソシアネート基と、これらの官能基の
少なくとも1種と架橋する官能基との組み合わせ、およ
び、N−メチロールアクリルアミド結合が挙げられる
が、就中、ブロックイソシアネート基と水酸基との組み
合わせ、および、N−メチロールアクリルアミド結合が
好適である。
まず、架橋性反応基として水酸基を有する単量体とし
て特に代表的なもののみを例示するにとどめれば、ヒド
ロキシエチルビニルエーテル、ヒドロキシプロピルビニ
ルエーテル、ヒドロキシブチルビニルエーテル、ヒドロ
キシイソブチルビニルエーテル、ヒドロキシシクロヘキ
シルビニルエーテルの如きヒドロキシ(シクロ)アルキ
ルビニルエーテル類;ヒドロキシ酢酸ビニル、ヒドロキ
シプロピオン酸ビニル、ヒドロキシ酪酸ビニル、ヒドロ
キシ吉草酸ビニル、ヒドロキシイソ酪酸ビニル、ヒドロ
キシシクロヘキサンカルボン酸ビニルの如き、ヒドロキ
シ(シクロ)アルキルカルボン酸とビニルアルコールと
のエステル類;ヒドロキシエチルアリルエーテル、ヒド
ロキシプロピルアリルエーテル、ヒドロキシブチルアリ
ルエーテル、ヒドロキシイソブチルアリルエーテル、ヒ
ドロキシシクロヘキシルアリルエーテルの如きヒドロキ
シ(シクロ)アルキルアリルエーテル類;ヒドロキシエ
チルアリルエステル、ヒドロキシプロピルアリルエステ
ル、ヒドロキシブチルアリルエステル、ヒドロキシイソ
ブチルアリルエステル、ヒドロキシシクロヘキシルアリ
ルエステルの如きヒドロキシ(シクロ)アリキルアリル
エステル類;2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレー
ト、2−ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレートの如
き(メタ)アクリル酸のヒドロキシアルキルエステル類
などや、これらの化合物中の水素原子が部分的に、ふっ
素原子で置換されたものなどである。
就中、フルオロオレフィンとの共重合性から、ビニル
系またはアリル系の化合物の使用が望ましい。
次いで、架橋性反応基としてカルボキシル基を有する
単量体として特に代表的なもののみを例示するにとどめ
れば、(メタ)アクリル酸、クロトン酸またはカルボキ
シルアルキルアリルエーテルなどであるし、アミノ基を
有する単量体として特に代表的なもののみを例示するに
とどめれば、アミノアルキルビニルエーテルやアミノア
ルキルアリルエーテルなどであるし、アミド結合を有す
る単量体として特に代表的なもののみを例示するにとど
めれば、(メタ)アクリルアミドやN−メチロールアク
リルアミドなどであるし、ニトリル基を有する単量体と
して特に代表的なもののみを例示するにとどめれば、
(メタ)アクリロニトリルなどであるし、イソシアネー
ト基を有する単量体として特に代表的なもののみを例示
するにとどめれば、ビニルイソシアネートやイソシアネ
ートエチルアクリレートなどである。
また、ブロックイソシアネート基を有する単量体とし
て特に代表的なもののみを例示するにとどめれば、上掲
された如きイソシアネート基含有単量体のイソシアネー
ト基を、オキシム、ラクタムまたはフェノールなどの公
知慣用のブロック化剤でブロックしたものなどである。
さらに、活性ハロゲン原子を有する単量体として特に
代表的なものには、塩化ビニルや塩化ビニリデンなどが
ある。
さらにまた、共重合体の一部を分解せしめる方法とし
ては、重合後に加水分解可能なエステル基を有する単量
体を共重合せしめてから、共重合体を加水分解すること
により、共重合体中にカルボキシル基を生成せしめる方
法が例示される。
また、このようにエステルの加水分解を行わずに直
接、硬化反応において、エステル交換反応で架橋結合を
形成させることもできる。
共重合体に架橋性反応を与える化合物を反応せしめる
方法としては、水酸基含有共重合体に無水コハク酸など
の二価カルボン酸無水物を反応させることによりカルボ
キシル基を導入する方法などが、好適なものとして、採
用できる。
また、こうした架橋性反応部位を与える単量体として
は、フルオロオレフィンとの共重合性から、特に、ビニ
ル系ないしはアリル系の化合物を利用することが望まし
い。
さらに、本発明において用いられるフルオロオレフィ
ン共重合体は、前掲したフルオロオレフィン、および架
橋性反応基、とりわけ、自己架橋性官能基を有する単量
体という2種の単位のほかに、当該共重合体の融点また
はガラス転移点を下げ、塗装作業性を、一層、向上せし
めるという、あるいは、塗膜に適度の硬度、可撓性また
は光沢などの物性を付与せしめるという、そういった諸
々の目的に応じて、これらの2種の成分と共重合可能な
他の共単量体成分をも用いて、共重合反応を行なうこと
ができる。
かかる共単量体としては、フルオロオレフィンと共重
合可能な程度に活性な不飽和結合を有し、かつ、塗膜の
耐候性を著しく損わないようなものを用いるべきであ
り、特に代表的なもののみを例示するにとどめれば、メ
チルビニルエーテル、エチルビニルエーテル、n−プロ
ピルビニルエーテル、イソプロピルビニルエーテル、n
−ブチルビニルエーテル、イソブチルビニルエーテル、
tert−ブチルビニルエーテル、n−ペンチルビニル、n
−ヘキシルビニルエーテル、n−オクチルビニルエーテ
ルもしくは2−エチルヘキシルビニルエーテルの如きア
ルキルビニルエーテル類;シクロペンチルビニルエーテ
ル、シクロヘキシルビニルエーテルもしくはメチルシク
ロヘキシルビニルエーテルの如きシクロアルキルビニル
エーテル類;ベンジルビニルエーテルもしくはフェネチ
ルビニルエーテルの如きアラルキルビニルエーテル類;
2,2,3,3−テトラフルオロプロピルビニルエーテル、2,
2,3,3,4,4,5,5−オクタフルオロペンチルビニルエーテ
ル、2,2,3,3,4,4,5,5,6,6,7,7,8,8,9,9−ヘキサデカフ
ルオロノニルビニルエーテル、パーフルオロメチルビニ
ルエーテル、パーフルオロエチルビニルエーテル、パー
フルオロプロピルビニルエーテル、パーフルオロオクチ
ルビニルエーテルもしくはパーフルオロシクロヘキシル
ビニルエーテルの如き(パー)フルオロアルキルビニル
エーテル類;または酢酸ビニル、プロピオン酸ビニル、
n−酪酸ビニル、イソ酪酸ビニル、ピバリン酸ビニル、
カプロン酸ビニル、パーサティック酸ビニル、ラウリン
酸ビニル、ステアリン酸ビニル、安息香酸ビニル、p−
tert−ブチル安息香酸ビニル、サリチル酸ビニルもしく
はシクロヘキサンカルボン酸ビニルの如きカルボン酸ビ
ニルエステル類などが挙げられるし、さらには、エチレ
ン、プロピレン、または各種(メタ)アクリル酸エステ
ル類なども使用することができる。
これらの各種の共重合可能な他の単量体のうち、目的
共重合体の調製時における重合率の向上および塗膜の耐
候性の向上化などの面から、アルキルビニルエーテル
類;シクロアルキルビニルエーテル類およびカルボン酸
ビニルエステル類よりなる群から選ばれる少なくとも1
種を用いるのが望ましいし、就中、得られる塗料の貯蔵
安定性(耐ブロッキング性)や塗膜の硬度などの面か
ら、シクロアルキルビニルエーテル類あるいはシクロヘ
キサンカルボン酸ビニル、酢酸ビニル、安息香酸ビニル
もしくはp−tert−ブチル安息香酸ビニル、または第三
級炭素原子に結合したカルボキシル基を有するC5〜C18
なる脂肪族カルボン酸のビニルエステル類よりなる群か
ら選ばれる少なくとも1種を用いるのが望ましい。
以上に掲げられた各種の反応成分を用いて目的とする
当該フルオロオレフィン共重合体を得るには、フルオロ
オレフィンの15〜70重量%と、架橋性反応基含有単量体
(架橋性単量体)の1〜30重量%と、共重合可能な他の
単量体(共重合性単量体)の5〜84重量%とを、好まし
くは、フルオロオレフィンの20〜60重量%と、架橋性単
量体の2〜25重量%と、共重合性単量体の10〜77重量%
とを、これら全反応成分の合計量が100重量%となるよ
うに、共重合反応を行なえばよい。
フルオロオレフィンの使用量が15重量%未満の場合に
は、どうしても、耐候性が不十分となるし、一方、70重
量%を超える場合には、どうしても、塗膜の光沢が低く
なり易くなるので、いずれの場合も好ましくなく、ま
た、架橋性単量体の使用量が1重量%未満の場合には、
どうしても硬化性が低く、したがって、得られる塗膜の
耐溶剤性などが不十分となるし、一方、30重量%を超え
る場合には、どうしても、耐候性の低下を招くことにな
るので、いずれの場合も好ましくなく、さらに、共重合
性単量体の使用量が5重量%未満の場合には、どうして
も、塗膜の光沢が不十分となり易く、一方、84重量%を
超える場合には、フルオロオレフィンの使用量に影響
し、その結果、どうしても耐候性が低下するようになる
ので、いずれの場合も好ましくない。
そして、当該フルオロオレフィン共重合体を調製する
には、また、ラジカル重合開始剤の存在下で、塊状重
合、溶液(加圧)重合、懸濁重合または乳化重合などの
公知の方法により、回分式、半連続式または連続式のい
ずれかの操作で行なえばよい。
上記したラジカル重合開始剤としては、アセチルパー
オキサイドもしくはベンゾイルパーオキサイドムの如き
ジアシルパーオキサイド類;メチルエチルケトンパーオ
キサイドもしくはシクロヘキサノンパーオキサイドの如
きケトン系パーオキサイド類;過酸化水素もしくはtert
−ブチルハイドロパーオキサイドの如きハイドロパーオ
キサイド類;ジ−tert−ブチルパーオキサイドもしくは
ジクミルパーオキサイドの如きジアルキルパーオキサイ
ド類;tert−ブチルパーオキシアセテートもしくはtert
−ブチルパーオキシピバレートの如きアルキルパーオキ
シエステル類;または過硫酸カリウムもしくは過硫酸ア
ンモニウムの如き過硫酸塩;あるいはアゾビスイソブチ
ロニトリル、アゾビスイソバレロニトリルの如きアゾ系
化合物などが代表的なものであるが、これらは必要に応
じて、亜硫酸水素ナトリウムもしくはピロ亜硫酸ナトリ
ウムの如き無機系還元剤、またはナフテン酸コバルトも
しくはジメチルアニリンの如き有機系還元剤と組み合わ
せた形で用いてもよい。
また、かかるラジカル重合開始剤として、たとえば、
特開平1−245066号公報や特開平1−252611号公報など
に開示されている部類の、いわゆる高分子アゾ開始剤を
用いることができ、それによって、多機能性を発揮する
ことができるようになる。
共重合反応方法としては、前掲した如き各種の方法の
うち、溶液重合法が最も簡便である。そのさいに用いら
れる溶剤として代表的なものにはトルエン、キシレン、
シクロヘキサン、n−ヘキサンもしくはオクタンの如き
炭化水素系;酢酸メチル、酢酸エチルもしくは酢酸ブチ
ルの如きエステル系;アセトン、メチルエチルケトン、
メチルイソブチルケトンもしくはシクロヘキサノンの如
きケトン系;ジメチルホルムアミドもしくはジメチルア
セトアミドの如きアミド系;またはメタノール、エタノ
ール、イソプロパノール、n−ブタノール、イソブタノ
ール、sec−ブタノールもしくはエチレングリコールモ
ノアルキルエーテルの如きアルコール系溶剤、あるいは
これらの混合物などがある。
また、こうした共重合反応を行なうにさいしては、分
子量調節剤としてラウリルメルカプタン、オクチルメル
カプタン、2−メルカプトエタノールまたはα−メチル
スチレン・ダイマーの如き各種の連鎖移動剤をも使用す
ることができる。
共重合反応を行なうにさいしては、また、−20℃より
150℃なる範囲内の温度が適当であるし、概ね100kg/cm2
以下の反応圧力が適当である。
このようにして得られるフルオロオレフィン共重合体
の分散液または溶液から、媒質である水または溶剤を除
去する方法としては、公知の方法のいずれもが利用でき
るが、とりわけ、減圧下に加熱留出せしめるという方法
が推奨できる。
そして、得られる当該共重合体ωの数平均分子量とし
ては、通常、1,000〜100,000、好ましくは、3,000〜20,
000なる範囲内が適切である。
さらに、当該フルオロオレフィン共重合体の軟化点と
しては、通常、60〜150℃、好ましくは、80〜130℃なる
範囲内が適切である。
この軟化点が60℃未満である場合には、粉体塗料の耐
ブロッキング性に融点が現われ易くなるし、一方、150
℃を超えて余りに高くなると、どうしても、塗膜の平滑
性などが劣るようになるので、いずれも好ましくない。
かくして得られる本発明の熱硬化性樹脂組成物には、
さらに必要に応じて、顔料、各種樹脂類、流動調整剤、
酸化防止剤、紫外線吸収剤またはシランカップリング剤
などの、公知慣用の各種添加剤を加えることができるの
は勿論である。
そして、本発明の組成物は、前掲された如きそれぞれ
の成分を、熱ロールやコニーダーなどの混練機により、
80〜150℃程度の温度で溶融混練し、次いで粉砕するこ
とによって得られる。
本発明の熱硬化性樹脂組成物の調合は、公知の熱硬化
性粉体塗料の製造法と同様の方法で実施することができ
る。
以上にようにして調製された熱硬化性樹脂組成物は、
400μm以下の粒径を有し、鉄、アルミニウム、銅また
は亜鉛、あるいは不銹鋼または真ちゅうの如き合金類な
どの各種の金属に、たとえば、市販の静電粉体塗装機や
流動浸漬装置などによって均一に塗装されたのち、熱風
炉、赤外炉または誘電加熱炉などで焼付けることによっ
て、良好な塗膜を形成することができる。
〔実施例〕
次に、本発明を参考例、実施例および比較例により、
一層、具体的に説明するが、以下において、部および%
は特に断りのない限り、すべて重量基準であるものとす
る。
参考例1〜6〔フルオロオレフィン共重合体の調製例〕 内容積が1なるステンレス製の耐圧容器内に、メチ
ルイソブチルケトンの400gと、「パーブチルPV」〔日本
油脂(株)製の過酸化物系ラジカル重合開始剤〕の8g
と、ビス(1,2,2,6,6−ペンタメチル−4−ピペリジニ
ル)セパケートの5gと、第1表に示されている通りのエ
チルビニルエーテル(EVE)、シクロヘキシルビニルエ
ーテル(CHVE)、4−ヒドロキシブチルビニルエーテル
(HBVE)、ビニルイソシアネートのε−カプロラクタム
・ブロック(VIB)、N−メチロールアクリルアミド
(N−MAM)、ブチルエーテル化N−メチロールビニル
アミド(N−MAM−BE)、クロトン酸(CTA)、「ベオバ
9」(オランダ国シェル社製の、第三級炭素原子に結合
したカルボキシル基を有する、C9の脂肪族カルボン酸の
ビニルエステル;以下、VV−9と略記する。)またはp
−tert−ブチル安息香酸ビニル(VPTBZ)を仕込んで、
ドライアイス/メタノール浴で、−70℃に冷却し、窒素
ガスを吹き込んで、耐圧容器内の空気を置換した。
次いで、液化採取したクロルトリフルオロエチレン
(CTFE)または、ヘキサフルオロプロピレン(HFP)
を、同表に示される通りの重量比で仕込んで封管した
し、一方、テトラフルオロエチレン(TFE)を用いる場
合には、バルブ付きの耐圧容器を使用し、上述したと同
様に、各原料の仕込みを行なったのち、TFEボンベか
ら、このTFEを加圧封入してから、バルブを閉めた。
しかるのち、これらのそれぞれの耐圧容器を、60℃に
加温された回転式恒温水槽に入れて、16時間のあいだ反
応を行なってから、内容物を取り出し、さらに減圧、加
熱条件下に、溶剤および揮発分を留去して、各種の目的
共重合体を得た。
それぞれのフルオロオレフィン共重合体について、各
特性値を測定した処、同表に示されるような結果が得ら
れた。
実施例1〜7 各参考例で得られた、それぞれのフルオロオレフィン
共重合体を、第2表に示されている通りの重量比で、硬
化触媒および充填剤などを混合し、冷却し、粉砕してか
ら、150メッシュの金網にて分級して粉体塗料を得た。
次いで、それぞれの粉体塗料を0.8mm厚のボンデライ
ト処理鋼板に、焼付後の膜厚が60〜70ミクロンとなるよ
うに各別に静電塗装し、200℃で20分間焼付を行なっ
て、各種の硬化塗膜を得た。
それぞれの塗膜について諸物性の評価を行なった処、
同表に示されるような結果が得られた。
なお、各物性の評価の要領ならびに基準は、次に示す
通りである。
平 滑 性…目視により判定 光 沢…JIS K5400の6・7項に準拠 エリクセン…JIS Z−2247に準拠 このエリクセン値が大きいほど、可撓性にすぐれるこ
とを意味する。
耐候性…デュパネル光コントロール・ウェザオメータ
ーにかけて、3,000時間後における光沢の保持率(%)
を以て表示し、この数値が高いものほど、耐候性にすぐ
れていることを意味する。
比較例1および2 市販の硬化剤硬化型粉体塗料用ポリエステル樹脂:
「ファインディックA−223S」〔大日本インキ化学工業
(株)製のグリシジル基アクリル樹脂〕または「ファイ
ンディックM−8020」(同上社製の水酸基含有ポリエス
テル樹脂)と、硬化剤などとを、第2表に示されるよう
な割合で配合するように変更した以外は、実施例1〜6
と同様にして、対照用の熱硬化性樹脂組成物を得、次い
で、粉砕し分級して、対照用の粉体塗料を得た。
以後も、実施例1〜6と同様にして塗装し、焼付けを
行なって、対照用の硬化塗膜を得た。
それぞれの塗膜について、諸塗膜性能の評価を行なっ
た。それらの結果は、まとめて、同表に示す。
〔発明の効果〕 以上のように、本発明の熱硬化性樹脂組成物は、従来
型の樹脂組成物を遙かに凌駕する耐候性を有すると共
に、種々の物性のバランスにもすぐれるものであること
が知れる。
フロントページの続き (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) C08F 214/18 - 214/28 C09D 127/12 - 127/20 C08L 27/12 - 27/20

Claims (4)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】水酸基、カルボキシル基、アミド結合、ア
    ミノ基、ニトリル基、メルカプト基、活性ハロゲン原子
    もしくは(ブロック)イソシアネート基と、これらの官
    能基の少なくとも1種と架橋する官能基とを組み合わせ
    て有する自己架橋性のフルオロオレフィン共重合体、ま
    たは、N−メチロールアクリルアミド結合を有する自己
    架橋性のフルオロオレフィン共重合体(以下、これらの
    共重合体をまとめて「自己架橋性の官能基を有するフル
    オロオレフィン共重合体」と称する。)を、皮膜形成性
    高分子結合剤として含有することを特徴とする、熱硬化
    性樹脂組成物。
  2. 【請求項2】前記した自己架橋性の官能基を有するフル
    オロオレフィン共重合体が、1,000〜100,000なる数平均
    分子量を有し、かつ、60〜150℃なる、環球法による軟
    化点を有するものである、請求項1に記載の熱硬化性樹
    脂組成物。
  3. 【請求項3】前記した自己架橋性の官能基を有するフル
    オロオレフィン共重合体が、ブロックイソシアネート基
    と水酸基とを組み合わせて有するものである、請求項1
    または2に記載の熱硬化性樹脂組成物。
  4. 【請求項4】前記した自己架橋性の官能基を有するフル
    オロオレフィン共重合体が、N−メチロールアクリルア
    ミド結合を有するものである、請求項1または2に記載
    の熱硬化性樹脂組成物。
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