JPWO2002100956A1 - 熱硬化型粉体塗料組成物 - Google Patents
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Abstract
貯蔵安定性に優れ、しかも表面が平滑で耐衝撃性が向上した塗膜を与える熱硬化型粉体塗料組成物であって、(A1)フルオロオレフィン単位、アルケン単位およびシクロヘキシルビニルエーテル単位および/またはp−ターシャリブチル安息香酸ビニル単位を必須の構造単位とし、シクロヘキシルビニルエーテル単位とp−ターシャリブチル安息香酸ビニル単位の合計量が5〜45モル%を占め、熱転移温度が45〜120℃であり、かつ架橋性反応基を有する含フッ素共重合体、および(B)硬化剤とからなる熱硬化型粉体塗料組成物を提供する。
Description
技術分野
本発明は、新規な熱硬化型粉体塗料組成物に関する。特に、耐衝撃性が改善された硬化塗膜を与える熱硬化型粉体塗料組成物に関する。
背景技術
熱硬化型フッ素粉体塗料組成物としては、たとえば特公平6−104792号公報記載の組成物が知られている。また、テトラフルオロエチレン(TFE)/ヘキサフルオロプロピレン(HFP)/エチレン/ヒドロキシブチルビニルエーテル(HBVE)/p−ターシャリブチル安息香酸ビニル(tBVBz)からなる含フッ素共重合体を用いた。熱硬化型フッ素粉体塗料組成物については、本出願人が先に出願している(出願番号:PCT/JP00/08802。公開番号WO01/44390)。しかし、共重合体中のエチレン、tBVBzの組成割合、さらには得られた共重合体の熱転移温度や耐衝撃性などについては、何ら具体的な教示はない。
また、WO01/25346A1およびWO01/25354A1には、TFE/HFP/エチレン/HBVE共重合体を粉体塗料に使用することが記載されており、特開2000−26767公報にはTFE/HFP/エチレン/パーフルオロブテン酸(PFBA)共重合体を粉体塗料に使用することが記載されている。そしてこれらの文献に記載された塗膜は膜厚40μmにおいて耐衝撃性評価装置で測定した耐衝撃性が2.5Jであることも記載されている。
熱硬化型粉体塗料用重合体においては、加熱して重合体を溶融させることで塗膜を形成するという作用機構上、重合体の分子量を下げる、あるいは熱転移温度を下げることによって、重合体の溶融流動性を上げ、塗膜表面の平滑性を上げる必要がある。しかし、分子量を下げると、塗膜の実用上の必須の特性である耐衝撃性が低下するという問題がある。また、重合体の熱転移温度を下げると、得られた粉体塗料組成物の貯蔵安定性が低下する、あるいは塗装時の配管内で粉体が凝集してしまうことがあるという問題がある。
本発明者らが粉体塗料におけるこれらの問題点を検討した結果、塗膜の耐衝撃性と重合体の熱転移温度の間には緊密な相関関係があることが判明した。具体的には、重合体の熱転移温度を上げると塗膜の耐衝撃性が低下するという関係である。このように、実用上満足できる耐衝撃性(膜厚65μm評価)を有しつつ、充分に高い熱転移温度を有する樹脂は知られていない。
発明の開示
本発明は、(A1)フルオロオレフィン単位、アルケン(R)単位およびシクロヘキシルビニルエーテル(CHVE)単位および/またはp−ターシャリブチル安息香酸ビニル(tBVBz)単位を必須の構造単位とし、CHVE単位とtBVBz単位の合計量が5〜45モル%を占め、熱転移温度が45〜120℃であり、かつ架橋性反応基を有する含フッ素共重合体、および
(B)硬化剤
とからなる熱硬化型粉体塗料組成物に関する。
本発明において、「熱転移温度(thermal transition temperature)」とは、重合体が温度変化に対してその物性を変化させる変極点、たとえば結晶溶融温度(Tm)、ガラス転移温度(Tg)のうち、重合体が軟化をし始める点である。というのは、重合体によっては結晶溶融温度とガラス転移温度の両者を有するもの、複数のガラス転移温度を有するもの、結晶溶融温度をもたないものなどが存在するが、粉体塗料においては重合体が軟化する温度が塗料特性(貯蔵安定性、焼付け時の塗膜表面平滑性など)に対して重要であり、軟化が始まる点を知る必要があるからである。
熱転移温度は、ASTM D3418にしたがって測定した1回目昇温、1回目降温、2回目昇温のサイクルにおいて、2回目昇温(2nd run)で観測される吸熱のピーク温度(結晶融解温度、Tm)、または熱変極点の中点(ガラス転移温度、Tg)として定義される。
かかる熱硬化型粉体塗料組成物において、含フッ素共重合体(A1)が、CHVE単位および/またはtBVBz単位を5〜45モル%含有することが好ましく、また、アルケン(R)単位を1〜45モル%含有することが好ましい。
含フッ素共重合体(A1)中のフルオロオレフィン単位としては、テトラフルオロエチレン(TFE)、ヘキサフルオロプロピレン(HFP)および/またはクロロトリフルオロエチレン(CTFE)単位が好ましい。
本発明はまた、フルオロオレフィン単位10〜55モル%、アルケン(R)単位1〜45モル%、CHVE単位0〜45モル%、tBVBz単位0〜45モル%、架橋性反応基を有する構造単位1〜20モル%および前記以外の構造単位0〜30モル%からなり、CHVE単位およびtBVBz単位の合計量が5〜45モル%であり、熱転移温度が45〜120℃である含フッ素共重合体にも関する。
かかる含フッ素共重合体は、たとえばフルオロオレフィン、アルケン、CHVE、tBVBz、架橋性反応基を有する単量体、および任意成分として前記以外の単量体を共重合する際に、これらの単量体の少なくとも1種を連続的に供給しながら重合反応を進めることにより製造することができる。
アルケンとしては、エチレンが好ましい。
本発明はまた、(A2)フルオロオレフィン単位を含み、熱転移温度が45〜120℃であり、かつ架橋性官能基を有する含フッ素共重合体、および
(B)硬化剤
からなる熱硬化型粉体塗料組成物であり、該組成物を塗布し硬化して得られる65μmの膜厚の塗膜を耐衝撃性評価装置で測定したときの耐衝撃性が3J以上である塗膜を与える粉体塗料用組成物にも関する。
含フッ素共重合体(A2)がさらにアルケン(R)単位、特にエチレン(E)単位を含むことが好ましく、またさらにシクロヘキシルビニルエーテル単位および/またはp−t−ブチル安息香酸ビニル単位を含むことが熱転移温度を上げる点から好ましい。アルケン単位は1〜45モル%含まれることが望ましい。
発明を実施するための最良の形態
本発明の熱硬化型粉体塗料組成物は、高熱転移温度の特定の含フッ素共重合体(A1)と硬化剤(B)とからなる。
本発明の特徴である特定の含フッ素共重合体(A1)は、フルオロオレフィン単位、アルケン(R)単位およびCHVE単位および/またはtBVBz単位を必須の構造単位とし、CHVE単位とtBVBz単位の合計量が5〜45モル%を占める共重合体であって、45〜120℃という従来にない高熱転移温度を有している。
まず、かかる特定の含フッ素共重合体について説明する。
フルオロオレフィン単位を与えるフルオロオレフィンとしては、テトラフルオロエチレン(TFE)、クロロトリフルオロエチレン(CTFE)、トリフルオロエチレン(TrF)、フッ化ビニリデン(VdF)、ヘキサフルオロプロピレン(HFP)、ペンタフルオロプロピレンなどが例示され、塗膜に要求される性状、共重合体成分または硬化剤との組み合わせに応じて適宜選択することができる。また、これらフルオロオレフィンは1種または2種以上を使用することもできる。好ましいフルオロオレフィンとしては、TFE、CTFE、HFPである。
フルオロオレフィン単位の含有量は、10〜55モル%、好ましくは30〜50モル%である。フルオロオレフィン単位が少なくなるとフッ素樹脂の特徴である耐候性が得られず、多くなりすぎると硬化剤との相溶性が低下し、基材との密着もわるくなり、含フッ素系粉体塗料として不適切になる。
本発明における含フッ素共重合体では、アルケン単位とCHVE単位および/またはtBVBz単位が必須成分として含まれていること、さらに共重合体の熱転移温度が45〜120℃であることが重要である。
アルケンを構造単位として含まない場合にも、CHVEおよび/またはtBVBz単位を有することによって、共重合体の熱転移温度を上げることはできる。しかし、アルケンを含まない含フッ素共重合体では、たとえ熱転移温度が45℃以上のものであっても、極端に形成される塗膜の耐衝撃性が低下してしまう。
アルケンとしては、エチレン(E)、プロピレン(P)、n−ブテン、イソブテン(iB)、ペンテン、ヘキセンなどの炭素数6までの低分子量化合物が好ましく、なかでもエチレンが塗膜の硬度の点から好ましい。
また、含フッ素共重合体の熱転移温度の下限は45℃、好ましくは50℃であり、上限は120℃、好ましくは90℃である。熱転移温度が低くなると得られた塗料組成物を貯蔵するために低温貯蔵所などの特殊な設備が必要となる傾向にあり、特に45℃未満ではそれが顕著になる。一方、120℃を超えると、形成される塗膜の表面平滑性が損なわれる。
本発明において、CHVE単位は0〜45モル%、好ましくは5〜45モル%である。またtBVBz単位は0〜45モル%、好ましくは5〜45モル%である。ただし、CHVEとtBVBz単位の合計量は5〜45モル%である。CHVEとtBVBz単位の合計量が5モル%未満では、重合体の熱転移温度が実用上充分には高くならず、また合計量が45モル%を超えると、形成された塗膜の耐候性が低下するため好ましくない。
なお、tBVBz単位がない場合は、CHVE単位は20〜45モル%とすることが好ましい。
また、CHVE単位がない場合はtBVBz単位は5〜20モル%とすることが好ましい。
アルケン単位は、1〜45モル%であることが好ましい。アルケン単位が1モル%未満では、アルケンの共重合の効果である耐衝撃性の改良が見られず、一方45モル%を超えると、重合体の熱転移温度が120℃を超えて上昇してしまうため、塗料化時の加工性がわるくなったり、塗膜形成時に表面平滑性が損なわれることがある。より好ましいアルケン単位の割合は、30〜45モル%である。耐衝撃性の改良に関しては、アルケンの共重合の効果は、少量でもその効果は認められるが、特に30〜45モル%の範囲で耐衝撃性の改良効果が顕著に発揮できる。
本発明における含フッ素共重合体の構成単位の1つである架橋性反応基を有する構造単位としては、架橋性反応基として水酸基、カルボキシル基、アミド基、アミノ基、メルカプト基、グリシジル基、ニトリル基、イソシアネート基などを有する構造単位があげられる。かかる架橋性反応基を共重合体へ導入する方法としては、架橋性反応基を有する単量体を共重合する方法(共重合法)、共重合体中の官能基の一部を分解して反応性官能基に変換する方法(後変換法)、共重合体中の官能基と架橋性反応基を有する化合物を反応する方法(高分子反応法)などがあげられる。これらのうち必要な量の官能基をほぼ定量的に効率よく導入できるという点から共重合法が好ましい。
水酸基を有するかまたは水酸基に変換され得る基を有する単量体としては、フルオロオレフィンと共重合可能な二重結合を有する単量体を使用することができる。具体的には、たとえばヒドロキシエチルビニルエーテル、ヒドロキシプロピルビニルエーテル、ヒドロキシブチルビニルエーテル、ヒドロキシイソブチルビニルエーテル、ヒドロキシシクロヘキシルビニルエーテル等のヒドロキシアルキルビニルエーテル類;ヒドロキシ酢酸ビニル、ヒドロキシプロピオン酸ビニル、ヒドロキシ酪酸ビニル、ヒドロキシ吉草酸ビニル、ヒドロキシイソ酪酸ビニル、ヒドロキシシクロヘキサンカルボン酸ビニル等のヒドロキシアルキルカルボン酸のビニルエステル類;ヒドロキシエチルアリルエーテル、ヒドロキシプロピルアリルエーテル、ヒドロキシブチルアリルエーテル、ヒドロキシイソブチルアリルエーテル、ヒドロキシシクロヘキシルアリルエーテル等のヒドロキシアルキルアリルエーテル類;ヒドロキシエチルアリルエステル、ヒドロキシプロピルアリルエステル、ヒドロキシブチルアリルエステル、ヒドロキシイソブチルアリルエステル、ヒドロキシシクロヘキシルアリルエステル等のヒドロキシアリルエステル類やこれらの部分的にフッ素置換された化合物などがあげられ、これらのうちの1種または2種以上を併用してもよい。
またカルボキシル基を有する単量体としては、たとえばアクリル酸、メタクリル酸、イタコン酸、コハク酸、無水コハク酸、フマル酸、無水フマル酸、クロトン酸、マレイン酸、無水マレイン酸などのα,β−不飽和カルボン酸などのほかパーフルオロブテン酸などのフッ素置換α,β−不飽和カルボン酸があげられる。
また、グリシジル基を有する単量体としては、たとえばグリシジル(メタ)アクリレート、グリシジルビニルエーテル、グリシジルアリルエーテルなどがあげられる。
アミノ基を有する単量体としては、たとえばアミノアルキルビニルエーテル、アミノアルキルアリルエーテルなどがあげられる。アミド基を有する単量体としては、たとえば(メタ)アクリルアミド、メチロールアクリルアミドなどがあげられる。
ニトリル基を有する単量体としては、たとえば(メタ)アクリロニトリルなどがあげられる。イソシアネート基を有する単量体としては、たとえばビニルイソシアネート、イソシアネートエチルアクリレートなどがあげられる。
これらの架橋性反応部位を与える単量体は、フルオロオレフィンとの共重合性が良好である点から、特にビニル系あるいはアリル系の化合物が好ましい。なかでも、水酸基を有するビニル系またはアリル系単量体が塗料組成物の反応性が良好な点から好ましく、さらに共重合反応性が良好な点から水酸基含有のビニルエーテル類が特に好ましく使用できる。
そのほか、共重合体の一部を分解する後変換法としては、加水分解可能なエステル基を有する単量体を共重合せしめた後、共重合体を加水分解することにより、共重合体中にカルボキシル基を生成せしめる方法が例示できる。また、このようにエステル加水分解を行なわずに直接架橋反応をエステル交換反応で行い架橋結合を形成させることもできる。また、共重合体に架橋性反応基を与える化合物を反応する高分子反応法としては、前記の方法で製造した水酸基含有共重合体に無水コハク酸などの二価カルボン酸無水物を反応させることによりカルボキシル基を導入する方法などが好適に採用することができる。
この架橋性反応基を有する構造単位含有量は、1〜20モル%、好ましくは3〜15モル%である。多すぎると耐衝撃性が低下し、少なすぎると塗膜硬度が低下する。
また、本発明に用いる含フッ素共重合体に、本発明の目的を損なわない範囲で、上記必須単量体に加え、共重合可能な共単量体を共重合することができる。かかる共単量体としては、フルオロオレフィンと共重合可能な程度に活性な不飽和基を有し、塗膜の耐候性を著しく損わないものであればよく、たとえばエチレン性不飽和化合物が好ましい。具体例としては、たとえばエチルビニルエーテル、プロピルビニルエーテル、ブチルビニルエーテル、イソブチルビニルエーテル等のアルキルビニルエーテル類;酢酸ビニル、プロピオン酸ビニル、酪酸ビニル、イソ酪酸ビニル、吉草酸ビニル、シクロヘキサンカルボン酸ビニル等のアルキルカルボン酸のビニルエステル類;エチルアリルエーテル、プロピルアリルエーテル、ブチルアリルエーテル、イソブチルアリルエーテル、シクロヘキシルアリルエーテル等のアルキルアリルエーテル類;エチルアリルエステル、プロピルアリルエステル、ブチルアリルエステル、イソブチルアリルエステル、シクロヘキシルアリルエステル等のアルキルアリルエステル類;エチレン、プロピレン、ブチレン、イソブチレン等のアルケン類;エチルアクリレート、プロピルアクリレート、ブチルアクリレート、イソブチルアクリレート、2−エチルヘキシルアクリレート、エチルメタクリレート、プロピルメタクリレート、ブチルメタクリレート、イソブチルメタクリレート、2−エチルヘキシルメタクリレートなどのアクリレート類、メタクリレート類など、またこれらの部分的にフッ素置換された化合物などがあげられる。かかる共単量体は、1種または2種以上を選択して使用してもよい。これら共単量体としては、特にフルオロオレフィンとの共重合性の優れるビニル系、アリル系化合物またはアルケン類が好ましく採用される。また、ビニル系、アリル系のアルキルエステルあるいはアルキルエーテルを採用する場合、アルキル基は炭素数2〜10程度の直鎖状、分岐鎖状または脂環状のアルキル基であるのが好ましい。
これらの他の共単量体は、任意成分であり、共重合する目的に合わせて0〜30モル%、通常0〜10モル%含有させればよい。
本発明における特定の含フッ素共重合体の例としては、CTFE/E/CHVE/HBVE共重合体、TFE/E/CHVE/HBVE共重合体、TFE/HFP/E/CHVE/HBVE共重合体、CTFE/E/tBVBz/HBVE共重合体、TFE/E/tBVBz/HBVE共重合体、TFE/HFP/E/tBVBz/HBVE共重合体、TFE/HFP/P/tBVBz/HBVE共重合体、TFE/iB/HBVE共重合体、TFE/iB/tBVBz/HBVE共重合体などが例示されるがこれらのみに限定されるものではない。
本発明の熱硬化型粉体塗料組成物に用いられる特定の含フッ素共重合体は、そのフッ素含有量が10重量%以上であることが特に好ましい。含フッ素共重合体中のフッ素含有量が10重量%未満の場合には充分な耐候性を有する塗膜が得られなくなる場合がある。上限は60重量%程度である。
また、本発明に用いる特定の含フッ素共重合体は、ゲルパーミエーションクロマトグラフィ(GPC)にて測定したスチレン換算数平均分子量Mnが、10,000〜50,000の範囲にあることが特に好ましい。Mnが10,000以下であると、本発明の目的である耐衝撃性が損なわれ、またMnが50,000を超えると得られた塗膜の表面平滑性が損なわれる傾向にある。
本発明における特定の含フッ素共重合体を製造するには、通常の溶液重合法を採用すればよいが、高熱転移温度で高耐衝撃性の共重合体を得るには、前記の単量体の少なくとも1種を重合反応中に連続的に供給することが好ましい。特に、常態で液状であるCHVEおよび/またはtBVBz、さらに要すれば、官能基導入に用いられる単量体を、目的の組成に合わせて連続的に、たとえば液ポンプを使用して供給することが好ましい。なお、これらの単量体を一定時間毎に分割して添加することで、目標組成の共重合体を得ることは可能であるが、この分割的供給法で得られた共重合体から調製された粉体塗料の塗装塗膜は、単量体を連続的に供給して得られた共重合体から調製された粉体塗料の塗装塗膜に比べ、耐衝撃性が低下する傾向にある。
本発明の熱硬化型粉体塗料組成物は、硬化剤を含有する。
使用する硬化剤としては、ブロックイソシアネート化合物が一般的であり、たとえばイソホロンジイソシアネート、トリレンジイソシアネート、キシリレンジイソシアネート、4,4′−ジフェニルメタンジイソシアネート、ヘキサメチレンジイソシアネート等のポリイソシアネート化合物や、これらの二量体、三量体、さらにはトリメチロールプロパンなどの多価アルコールで変性した変性ポリイソシアネート化合物等のイソシアネート化合物のイソシアネート基を、ε−カプロラクタム、フェノール、ベンジルアルコール、メチルエチルケトキシム等のブロック化剤でブロックした化合物があげられる。かかるブロックイソシアネート化合物としては室温で固体である化合物を好適に使用することができる。
またその他の硬化剤として、フマル酸、コハク酸、アジピン酸、アゼライン酸、セバシン酸、ドデカン二酸等の脂肪族二塩基酸;無水フタル酸、無水トリメリット酸、無水ピロメリット酸等の酸無水物;ジシアンジアミドおよびジシアンジアミド誘導体;イミダゾールおよびイミダゾール誘導体;二塩基酸ジヒドラジド;ジアミノフェニルメタン、環状アミジン化合物等のアミン化合物;メラミン樹脂;テレフタル酸ジグリシジルエステル、パラオキシ安息香酸ジグリシジルエステル、トリグリシジルイソシアネート、スピログリコールジグリシジルエーテル、ヒダントイン化合物、脂環式エポキシ樹脂等のグリシジル化合物;そのほか1,4−ビス2′−ヒドロキシエトキシベンゼン、ビスヒドロキシエチルテレフタレート、スチレン・アリルアルコール共重合体、スピログリコール、トリス2−ヒドロキシエチルイソシアヌレート等があげられる。かかる他の硬化剤は室温で固体である化合物を好適に使用することができる。
本発明の熱硬化型粉体塗料組成物において、含フッ素共重合体(A1)と硬化剤(B)とは重量比率で40:60〜98:2、好ましくは50:50〜97:3の範囲で配合することができる。
本発明の熱硬化型粉体塗料組成物には、上記のほか、通常塗料組成物に使用される添加物を第三成分として配合することができる。すなわち、着色顔料(たとえば、二酸化チタン、ベンガラ、黄色酸化鉄、カーボンブラックなどの無機顔料やフタロシアニンブルー、フタロシアニングリーン、キナクリドン系赤色顔料、イソインドリノン系黄色顔料などの有機顔料);タルク、シリカ、炭酸カルシウム等の体質顔料;アルミ粉、ステンレス粉等の金属粉;その他、マイカ粉やレベリング剤、紫外線吸収剤、熱劣化防止剤、発泡防止剤等の添加剤を所望により1種または2種以上配合することができる。
本発明においては、所望により配合する上記第三成分を硬化型粉体塗料組成物の含フッ素共重合体成分(A1)または硬化剤成分(B)に前もって配合しておくこともできる。本発明の組成物の調合は公知の熱硬化型粉体塗料製造法と同様にして実施することができる。
以上のようにして製造された熱硬化型粉体塗料組成物は、400μm以下の粒径を有し、鉄、アルミ、銅、亜鉛あるいはこれらの合金類、たとえば不銹鋼、真ちゅうなどの金属に、たとえば市販の静電粉体塗装機,流動浸漬装置等を用いて均一に塗装されたのち、熱風炉、赤外炉、誘電加熱炉などで焼付けして良好な塗膜を形成することができる。
前記の特定の含フッ素共重合体(A1)のうち、フルオロオレフィン単位10〜55モル%、アルケン単位1〜45モル%、CHVE単位0〜45モル%、tBVBz単位0〜45モル%、架橋性反応基を有する構造単位1〜20モル%および前記以外の構造単位0〜30モル%からなり、CHVE単位およびtBVBz単位の合計量が5〜45モル%であり、かつ熱転移温度が45〜120℃である含フッ素共重合体は、新規な共重合体である。
つぎに本発明の特に耐衝撃性に優れた塗膜を与える粉体塗料組成物について説明する。
かかる粉体塗料組成物は、(A2)フルオロオレフィン単位を含み、熱転移温度が45〜120℃であり、かつ架橋性官能基を有する含フッ素共重合体、および
(B)硬化剤
からなる熱硬化型粉体塗料組成物であり、該組成物を塗布し硬化して得られる65μmの膜厚の塗膜を耐衝撃性評価装置で測定したときの耐衝撃性が3J以上である塗膜を与える粉体塗料用組成物である。
この粉体塗料組成物において、フルオロオレフィン単位、熱転移温度、架橋性官能基および硬化剤については、前述の説明がそのまま適用される。
含フッ素共重合体(A2)がさらにアルケン(R)単位、特にエチレン(E)単位を含むことが好ましく、またさらにCHVE単位および/またはtBVBz単位を含むことが熱転移温度を上げる点から好ましい。アルケン単位は1〜45モル%含まれることが望ましい。特に好ましい含フッ素共重合体(A2)としては、前述の含フッ素共重合体(A1)があげられる。
塗膜の耐衝撃性の観点からみると、前記WO公報を含め先行文献には膜厚40μmでの耐衝撃性が確保できているものまでしか存在せず、近年のより厳しい要求特性(膜厚65μm耐衝撃性)に照らすとまだまだ不充分である。耐衝撃性評価装置による耐衝撃性の評価は、同じ組成物を用いるときは塗膜の膜厚が厚くなるほど耐衝撃性(J)の値が低くなる。すなわち膜厚40μmで耐衝撃性が3.0Jの塗膜を与える組成物を用いて膜厚を65μmにして耐衝撃性を測定した場合3.0Jより低い値になる(なお、耐衝撃性評価装置による耐衝撃性は0.5J間隔で評価する)。
耐衝撃性(膜厚65μm)は3.0J以上、好ましくは4.0J以上である。上限は特になく高い方がよいのであるが、高すぎると塗膜の表面平滑性や硬度などの低下を考慮しなくてはならなくなることから、10.0J、さらには9.0Jである。
つぎに本発明を合成例および実験例をあげて説明するが、本発明はこれらのみに限定されるものではない。
合成例1
容量4000mlのステンレススチール製オートクレーブに、脱イオン水760g、炭酸カリウム7gを仕込んだ後、窒素加圧、脱気を3回繰り返し、溶存酸素を除いた。減圧下に、1,1,1−トリフルオロ−3,3−ジフルオロプロパン(HFC245fa)660g、HFP260g、HBVE3g、tBVBz4.5gを仕込み内温を35℃にした。さらにTFE/エチレンの82/18モル%比の混合単量体で0.9MPa(9kgf/cm2)Gまで圧力を調整し、ついでイソブチリルパーオキサイドの25重量%モノクロロペンタフルオロプロパン(HCFC225)溶液35gを仕込み反応を開始した。反応と共に圧力の低下が起こるので、槽内圧力を0.9MPa(9kgf/cm2)Gに保ちつつ、TFE/エチレン/HFPの45/39/16モル%比の混合単量体65g、およびHBVE15g、tBVBz30gを6時間かけて連続供給した。6時間後に槽内を常温常圧に戻し、反応を終了とした。
得られた固形分を洗浄乾燥し、含フッ素共重合体の白色粉末110gを得た。
得られた含フッ素共重合体を19F−NMR、1H−NMRおよび元素分析法で分析したところ、TFE35モル%、エチレン36モル%、HFP12モル%、tBVBz10モル%、HBVE7モル%からなる共重合体であり、熱転移温度は53℃、GPCで測定したスチレン換算数平均分子量Mnは17000であった。
また得られた含フッ素共重合体の重合体物性(水酸基価、熱転移温度、数平均分子量Mn)を表1に示す。
合成例2〜7
TFE/エチレン/HFP(45/39/16モル%比)の混合単量体の連続供給量、およびHBVEの初期および連続供給量、tBVBzの初期および連続供給量、さらに重合反応時間を表1に示すとおりに変更した以外は、合成例1と同様にして、合成例2〜7の含フッ素共重合体を得た。得られた含フッ素共重合体の得量、共重合組成および重合体物性を表1に示す。
合成例8
内容積4000mlのステンレススチール製撹拌機付オートクレーブに、t−ブタノール1000g、CHVE208g、エチレン24g、HBVE50g、炭酸カリウム5gおよびアゾビスイソブチロニトリル(AIBN)0.5gを仕込み、液体窒素により固体脱気により溶存空気を除去した。ついでクロロトリフルオロエチレン(CTFE)330gを導入し徐々に昇温した。反応温度を65℃に維持しながら撹拌下で反応を続け、10時間後に反応器を水冷して反応を停止した。室温まで冷却した後、未反応モノマーを抜き出し、反応器を開放し含フッ素共重合体を取り出した。これを60℃に加熱し、1mmHgの減圧下で24時間かけて分散媒を除去した後、衝撃式ハンマーミルで粉砕し含フッ素共重合体を得た。
得られた含フッ素共重合体の得量、共重合組成および重合体物性を表1に示す。
合成例9
容量4000mlのステンレススチール製オートクレーブに、脱イオン水760g、炭酸カリウム7gを仕込んだ後、窒素加圧、脱気を3回繰り返し、溶存酸素を除いた。減圧下に、HFC245fa660g、HFP260g、HBVE3g、tBVBz4.5gを仕込み内温を35℃にした。さらにTFE/エチレンの82/18モル%比の混合単量体で0.9MPa(9kgf/cm2)Gまで圧力を調整し、ついでイソブチリルパーオキサイドの25重量%HCFC225溶液35gを仕込み反応を開始した。反応と共に圧力の低下が起こるので、槽内圧力を0.9MPa(9kgf/cm2)Gに保ちつつ、TFE/エチレン/HFPの45/39/16モル%比の混合単量体65gを6時間かけて連続供給した。また、反応開始1.5時間後、3時間後および4.5時間後にHBVE5gおよびtBVBz10gを分割して仕込んだ。6時間後に槽内を常温常圧に戻し、反応を終了とした。得られた固形分を洗浄乾燥し、含フッ素共重合体の白色粉末を得た。
得られた含フッ素共重合体の得量、共重合組成および重合体物性を表1に示す。
合成例10
容量4000mlのステンレススチール製オートクレーブに、脱イオン水760g、炭酸カリウム7gを仕込んだ後、窒素加圧、脱気を3回繰り返し、溶存酸素を除いた。減圧下に、HFC245fa660g、HFP260g、HBVE3g、CHVE12gを仕込み内温を35℃にした。さらにTFE/HFPの75/25モル%比の混合単量体で0.9MPa(9kgf/cm2)Gまで圧力を調整し、ついでイソブチリルパーオキサイドの25重量%HCFC225溶液35gを仕込み反応を開始した。反応と共に圧力の低下が起こるので、槽内圧力を0.9MPa(9kgf/cm2)Gに保ちつつ、TFE/HFPの75/25モル%比の混合単量体65g、HBVE18gおよびCHVE28gを6時間かけて連続供給した。6時間後に槽内を常温常圧に戻し、反応を終了とした。得られた固形分を洗浄乾燥し、含フッ素共重合体の白色粉末を得た。
得られた含フッ素共重合体の得量、共重合組成および重合体物性を表1に示す。
合成例11
容量4000mlのステンレススチール製オートクレーブに、脱イオン水760g、炭酸カリウム7gを仕込んだ後、窒素加圧、脱気を3回繰り返し、溶存酸素を除いた。減圧下に、HFC245fa660g、HFP260g、HBVE3g、CHVE12gを仕込み内温を35℃にした。さらにTFE/エチレン/HFPの45/39/16モル%比の混合単量体で0.9MPa(9kgf/cm2)Gまで圧力を調整し、ついでイソブチリルパーオキサイドの25重量%HCFC225溶液35gを仕込み反応を開始した。反応と共に圧力の低下が起こるので、槽内圧力を0.9MPa(9kgf/cm2)Gに保ちつつ、TFE/エチレン/HFPの45/39/16モル%比の混合単量体65g、およびHBVE18g、CHVE28gを6時間かけて連続供給した。6時間後に槽内を常温常圧に戻し、反応を終了とした。
得られた固形分を洗浄乾燥し、含フッ素共重合体の白色粉末を得た。
得られた含フッ素共重合体の得量、共重合組成および重合体物性を表1に示す。
合成例12
容量4000mlのステンレススチール製オートクレーブに、脱イオン水760g、炭酸カリウム7gを仕込んだ後、窒素加圧、脱気を3回繰り返し、溶存酸素を除いた。減圧下に、1,1,1−トリフルオロ−3,3−ジフルオロプロパン(HFC245fa)660g、HFP260g、HBVE3g、tBVBz4.5gを仕込み内温を35℃にした。さらにTFE/プロピレンの80/20モル%比の混合単量体で0.9MPa(9kgf/cm2)Gまで圧力を調整し、ついでイソブチリルパーオキサイドの25重量%モノクロロペンタフルオロプロパン(HCFC225)溶液35gを仕込み反応を開始した。反応と共に圧力の低下が起こるので、槽内圧力を0.9MPa(9kgf/cm2)Gに保ちつつ、TFE/プロピレン/HFPの45/39/16モル%比の混合単量体70g、およびHBVE15g、tBVBz30gを5時間かけて連続供給した。5時間後に槽内を常温常圧に戻し、反応を終了とした。
得られた固形分を洗浄乾燥し、含フッ素共重合体の白色粉末を得た。
得られた含フッ素共重合体の得量、共重合組成および重合体物性を表1に示す。
合成例13
容量4000mlのステンレススチール製オートクレーブに、脱イオン水760g、炭酸カリウム7gを仕込んだ後、窒素加圧、脱気を3回繰り返し、溶存酸素を除いた。減圧下に、クロロフルオロエタン(HCFC141b)572g、HFP340g、HBVE3gを仕込み内温を35℃にした。さらにTFE/エチレンの82/18モル%比の混合単量体で0.9MPa(9kgf/cm2)Gまで圧力を調整し、ついでシクロヘキサン4g、イソブチリルパーオキサイドの25重量%モノクロロペンタフルオロプロパン(HCFC225)溶液24gを仕込み反応を開始した。反応と共に圧力の低下が起こるので、槽内圧力を0.9MPa(9kgf/cm2)Gに保ちつつ、TFE/エチレン/HFPの45/39/16モル%比の混合単量体連続供給した。6時間ごとにHBVE1.5gおよびイソブチリルパーオキサイドの25重量%モノクロロペンタフルオロプロパン(HCFC225)溶液12gを追加しながら12時間反応を行なった後、槽内を常温常圧に戻し、反応を終了とした。
得られた固形分を洗浄乾燥し、含フッ素共重合体の白色粉末152gを得た。
得られた含フッ素共重合体の得量、共重合組成および重合体物性を表1に示す。
合成例14
容量4000mlのステンレススチール製オートクレーブに、脱イオン水1000gを仕込んだ後、窒素加圧、脱気を3回繰り返し、溶存酸素を除いた。減圧下に、クロロフルオロエタン(HCFC141b)407g、パーフルオロブテン酸(PFBA)15g、HFP794gを仕込み内温を35℃にした。さらにTFE/エチレンの82/18モル%比の混合単量体で1.2MPa(12kgf/cm2)Gまで圧力を調整し、ついでシクロヘキサン4g、イソブチリルパーオキサイドの25重量%モノクロロペンタフルオロプロパン(HCFC225)溶液48gを仕込み反応を開始した。反応と共に圧力の低下が起こるので、槽内圧力を1.2MPa(12kgf/cm2)Gに保ちつつ、TFE/エチレンの82/18モル%比の混合単量体連続供給した。3時間ごとにPFBA3gおよびイソブチリルパーオキサイドの25重量%モノクロロペンタフルオロプロパン(HCFC225)溶液8gを追加しながら12時間反応を行なった後、槽内を常温常圧に戻し、反応を終了とした。
得られた固形分を洗浄乾燥し、含フッ素共重合体の白色粉末133gを得た。
得られた含フッ素共重合体の得量、共重合組成および重合体物性を表1に示す。
合成例15
容量4000mlのステンレススチール製オートクレーブに、t−ブタノール1570g、CHVE160g、イソブチルビニルエーテル(isoBVE)90g、HBVE250g、炭酸カリウム10gおよびアゾビスイソブチロニトリル(AIBN)0.7gを仕込んだ後、液体窒素により固体脱気により溶存酸素を除いた。ついでクロロトリフルオロエチレン(CTFE)500gを導入し徐々に昇温した。反応温度を65℃に維持しながら攪拌下で反応を続け、10時間後に反応器を水冷して反応を停止した。室温まで冷却した後、未反応単量体を抜き出し、反応器を開放し含フッ素共重合体を取り出した。このものを60℃に加熱したのち1mmHgの減圧下で24時間かけて分散媒を除去し、ついで衝撃式ハンマーミルにより粉砕して粉末を得た。
得られた含フッ素共重合体の得量、共重合組成および重合体物性を表1に示す。
なお、合成例1、2、5、6、8、9、11および12が本発明において使用する特定の含フッ素共重合体(A1)に相当する。また、合成例3、4、7、10および13〜15は比較合成例であり、特に合成例13はWO01/25346パンフレットの合成例1(およびWO01/25354パンフレットの合成例2)記載の含フッ素共重合体に相当し、合成例14は特開2000−26767公報の実施例1記載の含フッ素共重合体に相当し、合成例15は特開平6−104792号公報の実施例1記載の含フッ素共重合体に相当する。
実験例1
合成例1で得られた含フッ素重合体50gおよび、硬化剤としてカプロラクタムブロックイソシアネート(ヒュルス社製のベスタゴンB−1530。商品名)10.7g、顔料として酸化チタン(デュポン社製のタイピュアR−960。商品名)26.0g、表面調整剤として低分子量アクリル共重合体(モンサント社製のモダフロー。商品名)1.2g、脱泡剤としてベンゾイン0.3gを、ヘンシェルミキサー((株)愛工舎製作所製)により、3分間均一に混合した。得られた混合物を120℃で二軸溶融混練機(プリズム社製の16mmツインエクストルーダー)を使用して溶融混練し、冷却後、万能粉砕機(IKA社製)で室温で3分間粉砕し、得られた粉体を140メッシュのスクリーンを通して分級し、熱硬化型粉体塗料組成物を得た。
この塗料組成物について、以下の塗料特性(貯蔵安定性試験)および塗膜特性(膜厚、表面平滑性、表面光沢、鉛筆硬度、耐衝撃性、耐候性)を調べた。結果を表2に示す。
(塗料特性)
貯蔵安定性試験:
粉体塗料組成物20gを、内容量50mlのガラス製サンプルビンに入れ、蓋をした後、40℃の恒温機中で1ヵ月保存する。室温に戻した後に粉体塗料組成物の状態を目視で観察し、つぎの分類で評価する。
A:凝集、恒温機壁面への付着なく、問題なく塗装できる。
B:振盪によって、再分散可能。恒温機壁面への付着なし。
C:振盪によって、再分散可能。恒温機壁面への付着が観察される。
D:再分散できない。
AおよびBランクの貯蔵安定性があれば、実用上使用できる範囲といえる。
(塗膜特性)
供試塗板の作製:
粉体塗料組成物をリン酸処理アルミニウム基材(厚さ1mm)上にコロナ式粉体塗装ガン(小野田セメント製のGX3300。商品名)を用い、印加電圧40kVで塗装し、直後に200℃で15分間焼き付けを行ない、供試用塗板(塗膜の厚さ:65μm)を得た。この塗板に対して以下の試験を行なった。結果を表2に示す。特に記載のない場合、供試用塗板は、塗装後、25℃にて24時間以上静置した後、25℃で試験を行なった。
膜厚:
渦電流式膜厚計EL10D((株)サンコウ電子研究所製)を用いて測定する。
表面平滑性:
蛍光灯を塗膜に写して見たとき、塗膜表面に映る蛍光灯の形(ゆがみ)を目視で評価する。
A:ゆがみがない。
B:若干ゆがみがある。
C:ゆがみがある。
D:大きくゆがんでいる。
光沢:
JIS K5400に従い、60度の鏡面反射角を測定する。
鉛筆硬度:
JIS K5400に従い、鉛筆硬度を測定する。
耐衝撃性(膜厚65μm):
ガードナー社製の耐衝撃性評価装置(Gardner Impact Tester)を使用する。16mm径の球状のヘッドを塗装面にセットし、1kgの荷重をもつシリンダーを所定の高さから落とす。この高さより、試験体に与えられたエネルギーを規定し、表2中には、塗膜にクラックの発生しなかった最大のエネルギー(J)を示す。実用上は、2.5Jの耐衝撃性(膜厚65μm)以上の耐衝撃性が要求されるが、さらに厳しい要求に応えるためには3.0J以上、さらには4.0J以上の耐衝撃性が必要である。
たとえば、AAMA(American Architectural Manufacturers Association)の自主規格であるAAMA2605によれば、基材に3mm深さの変形を与えた場合にクラックが生じないことという記載がある。本実験で使用した1mm厚のアルミニウム板の場合には、2.5Jのエネルギーによって、AAMA2605に規定する変形を基材に与えることができる。
耐候性:
JIS K5400 9.8.1に従い、岩崎電気(株)製アイスーパーUVテスターW−13型(商品名)(Light/Dew/Rest=11/11/1HRを1サイクルとする)にて促進耐候性試験を1000時間行なったのち、光沢保持率(初期光沢に対する試験後の光沢の割合)を測定する。
実験例2〜13
合成例2〜13でそれぞれ得られた含フッ素共重合体を用い、他の成分の配合量を表2に示す量としたほかは実験例1と同様にして熱硬化型粉体塗料組成物を調製し、その塗料特性および塗膜特性を実験例1と同様にして調べた。結果を表2に示す。
実験例14
合成例14で得られた含フッ素共重合体100g、トリグリシジルイソシアヌレート(TGIC。ローム&ハース社製)4g、酸化チタン15g、流動性調整剤(モダフロー。モンサント社製)0.5gおよびベンゾイン0.5gをヘンシェルミキサーにより25℃にて15分間ドライブレンドし、均一な混合物を得た。この混合物をブスコニーダー(ブス社製)で100℃にて1分間溶融混練し、シート状に押し出した後ペレット化した。このペレット20gをマイクロハンマーミル(IKA社製)で約20℃にて5分間粉砕し、得られた粉末を200メッシュスクリーンを通して分級し、平均粒径50μmの粉体塗料組成物を得た。
この組成物について、塗料特性および塗膜特性を実験例1と同様にして調べた。結果を表2に示す。
実験例15および16
合成例15で得られた含フッ素共重合体を用い、他の成分の配合量を表2に示す量としたほかは実験例1と同様にして熱硬化型粉体塗料組成物を調製した。この粉体塗料組成物を用い、塗膜の膜厚を65μm(実験例15)および40μm(実験例16)としたほかは実験例1と同様にして、それらの塗料特性および塗膜特性を調べた。結果を表2に示す。
なお、表2において、本発明の実施例に相当する実験例は1、2、5、6、8、9、11および12である。
産業上の利用可能性
本発明によれば、貯蔵安定性に優れ、しかも表面が平滑で耐衝撃性が向上した塗膜を与える熱硬化型粉体塗料組成物を提供することができる。
本発明は、新規な熱硬化型粉体塗料組成物に関する。特に、耐衝撃性が改善された硬化塗膜を与える熱硬化型粉体塗料組成物に関する。
背景技術
熱硬化型フッ素粉体塗料組成物としては、たとえば特公平6−104792号公報記載の組成物が知られている。また、テトラフルオロエチレン(TFE)/ヘキサフルオロプロピレン(HFP)/エチレン/ヒドロキシブチルビニルエーテル(HBVE)/p−ターシャリブチル安息香酸ビニル(tBVBz)からなる含フッ素共重合体を用いた。熱硬化型フッ素粉体塗料組成物については、本出願人が先に出願している(出願番号:PCT/JP00/08802。公開番号WO01/44390)。しかし、共重合体中のエチレン、tBVBzの組成割合、さらには得られた共重合体の熱転移温度や耐衝撃性などについては、何ら具体的な教示はない。
また、WO01/25346A1およびWO01/25354A1には、TFE/HFP/エチレン/HBVE共重合体を粉体塗料に使用することが記載されており、特開2000−26767公報にはTFE/HFP/エチレン/パーフルオロブテン酸(PFBA)共重合体を粉体塗料に使用することが記載されている。そしてこれらの文献に記載された塗膜は膜厚40μmにおいて耐衝撃性評価装置で測定した耐衝撃性が2.5Jであることも記載されている。
熱硬化型粉体塗料用重合体においては、加熱して重合体を溶融させることで塗膜を形成するという作用機構上、重合体の分子量を下げる、あるいは熱転移温度を下げることによって、重合体の溶融流動性を上げ、塗膜表面の平滑性を上げる必要がある。しかし、分子量を下げると、塗膜の実用上の必須の特性である耐衝撃性が低下するという問題がある。また、重合体の熱転移温度を下げると、得られた粉体塗料組成物の貯蔵安定性が低下する、あるいは塗装時の配管内で粉体が凝集してしまうことがあるという問題がある。
本発明者らが粉体塗料におけるこれらの問題点を検討した結果、塗膜の耐衝撃性と重合体の熱転移温度の間には緊密な相関関係があることが判明した。具体的には、重合体の熱転移温度を上げると塗膜の耐衝撃性が低下するという関係である。このように、実用上満足できる耐衝撃性(膜厚65μm評価)を有しつつ、充分に高い熱転移温度を有する樹脂は知られていない。
発明の開示
本発明は、(A1)フルオロオレフィン単位、アルケン(R)単位およびシクロヘキシルビニルエーテル(CHVE)単位および/またはp−ターシャリブチル安息香酸ビニル(tBVBz)単位を必須の構造単位とし、CHVE単位とtBVBz単位の合計量が5〜45モル%を占め、熱転移温度が45〜120℃であり、かつ架橋性反応基を有する含フッ素共重合体、および
(B)硬化剤
とからなる熱硬化型粉体塗料組成物に関する。
本発明において、「熱転移温度(thermal transition temperature)」とは、重合体が温度変化に対してその物性を変化させる変極点、たとえば結晶溶融温度(Tm)、ガラス転移温度(Tg)のうち、重合体が軟化をし始める点である。というのは、重合体によっては結晶溶融温度とガラス転移温度の両者を有するもの、複数のガラス転移温度を有するもの、結晶溶融温度をもたないものなどが存在するが、粉体塗料においては重合体が軟化する温度が塗料特性(貯蔵安定性、焼付け時の塗膜表面平滑性など)に対して重要であり、軟化が始まる点を知る必要があるからである。
熱転移温度は、ASTM D3418にしたがって測定した1回目昇温、1回目降温、2回目昇温のサイクルにおいて、2回目昇温(2nd run)で観測される吸熱のピーク温度(結晶融解温度、Tm)、または熱変極点の中点(ガラス転移温度、Tg)として定義される。
かかる熱硬化型粉体塗料組成物において、含フッ素共重合体(A1)が、CHVE単位および/またはtBVBz単位を5〜45モル%含有することが好ましく、また、アルケン(R)単位を1〜45モル%含有することが好ましい。
含フッ素共重合体(A1)中のフルオロオレフィン単位としては、テトラフルオロエチレン(TFE)、ヘキサフルオロプロピレン(HFP)および/またはクロロトリフルオロエチレン(CTFE)単位が好ましい。
本発明はまた、フルオロオレフィン単位10〜55モル%、アルケン(R)単位1〜45モル%、CHVE単位0〜45モル%、tBVBz単位0〜45モル%、架橋性反応基を有する構造単位1〜20モル%および前記以外の構造単位0〜30モル%からなり、CHVE単位およびtBVBz単位の合計量が5〜45モル%であり、熱転移温度が45〜120℃である含フッ素共重合体にも関する。
かかる含フッ素共重合体は、たとえばフルオロオレフィン、アルケン、CHVE、tBVBz、架橋性反応基を有する単量体、および任意成分として前記以外の単量体を共重合する際に、これらの単量体の少なくとも1種を連続的に供給しながら重合反応を進めることにより製造することができる。
アルケンとしては、エチレンが好ましい。
本発明はまた、(A2)フルオロオレフィン単位を含み、熱転移温度が45〜120℃であり、かつ架橋性官能基を有する含フッ素共重合体、および
(B)硬化剤
からなる熱硬化型粉体塗料組成物であり、該組成物を塗布し硬化して得られる65μmの膜厚の塗膜を耐衝撃性評価装置で測定したときの耐衝撃性が3J以上である塗膜を与える粉体塗料用組成物にも関する。
含フッ素共重合体(A2)がさらにアルケン(R)単位、特にエチレン(E)単位を含むことが好ましく、またさらにシクロヘキシルビニルエーテル単位および/またはp−t−ブチル安息香酸ビニル単位を含むことが熱転移温度を上げる点から好ましい。アルケン単位は1〜45モル%含まれることが望ましい。
発明を実施するための最良の形態
本発明の熱硬化型粉体塗料組成物は、高熱転移温度の特定の含フッ素共重合体(A1)と硬化剤(B)とからなる。
本発明の特徴である特定の含フッ素共重合体(A1)は、フルオロオレフィン単位、アルケン(R)単位およびCHVE単位および/またはtBVBz単位を必須の構造単位とし、CHVE単位とtBVBz単位の合計量が5〜45モル%を占める共重合体であって、45〜120℃という従来にない高熱転移温度を有している。
まず、かかる特定の含フッ素共重合体について説明する。
フルオロオレフィン単位を与えるフルオロオレフィンとしては、テトラフルオロエチレン(TFE)、クロロトリフルオロエチレン(CTFE)、トリフルオロエチレン(TrF)、フッ化ビニリデン(VdF)、ヘキサフルオロプロピレン(HFP)、ペンタフルオロプロピレンなどが例示され、塗膜に要求される性状、共重合体成分または硬化剤との組み合わせに応じて適宜選択することができる。また、これらフルオロオレフィンは1種または2種以上を使用することもできる。好ましいフルオロオレフィンとしては、TFE、CTFE、HFPである。
フルオロオレフィン単位の含有量は、10〜55モル%、好ましくは30〜50モル%である。フルオロオレフィン単位が少なくなるとフッ素樹脂の特徴である耐候性が得られず、多くなりすぎると硬化剤との相溶性が低下し、基材との密着もわるくなり、含フッ素系粉体塗料として不適切になる。
本発明における含フッ素共重合体では、アルケン単位とCHVE単位および/またはtBVBz単位が必須成分として含まれていること、さらに共重合体の熱転移温度が45〜120℃であることが重要である。
アルケンを構造単位として含まない場合にも、CHVEおよび/またはtBVBz単位を有することによって、共重合体の熱転移温度を上げることはできる。しかし、アルケンを含まない含フッ素共重合体では、たとえ熱転移温度が45℃以上のものであっても、極端に形成される塗膜の耐衝撃性が低下してしまう。
アルケンとしては、エチレン(E)、プロピレン(P)、n−ブテン、イソブテン(iB)、ペンテン、ヘキセンなどの炭素数6までの低分子量化合物が好ましく、なかでもエチレンが塗膜の硬度の点から好ましい。
また、含フッ素共重合体の熱転移温度の下限は45℃、好ましくは50℃であり、上限は120℃、好ましくは90℃である。熱転移温度が低くなると得られた塗料組成物を貯蔵するために低温貯蔵所などの特殊な設備が必要となる傾向にあり、特に45℃未満ではそれが顕著になる。一方、120℃を超えると、形成される塗膜の表面平滑性が損なわれる。
本発明において、CHVE単位は0〜45モル%、好ましくは5〜45モル%である。またtBVBz単位は0〜45モル%、好ましくは5〜45モル%である。ただし、CHVEとtBVBz単位の合計量は5〜45モル%である。CHVEとtBVBz単位の合計量が5モル%未満では、重合体の熱転移温度が実用上充分には高くならず、また合計量が45モル%を超えると、形成された塗膜の耐候性が低下するため好ましくない。
なお、tBVBz単位がない場合は、CHVE単位は20〜45モル%とすることが好ましい。
また、CHVE単位がない場合はtBVBz単位は5〜20モル%とすることが好ましい。
アルケン単位は、1〜45モル%であることが好ましい。アルケン単位が1モル%未満では、アルケンの共重合の効果である耐衝撃性の改良が見られず、一方45モル%を超えると、重合体の熱転移温度が120℃を超えて上昇してしまうため、塗料化時の加工性がわるくなったり、塗膜形成時に表面平滑性が損なわれることがある。より好ましいアルケン単位の割合は、30〜45モル%である。耐衝撃性の改良に関しては、アルケンの共重合の効果は、少量でもその効果は認められるが、特に30〜45モル%の範囲で耐衝撃性の改良効果が顕著に発揮できる。
本発明における含フッ素共重合体の構成単位の1つである架橋性反応基を有する構造単位としては、架橋性反応基として水酸基、カルボキシル基、アミド基、アミノ基、メルカプト基、グリシジル基、ニトリル基、イソシアネート基などを有する構造単位があげられる。かかる架橋性反応基を共重合体へ導入する方法としては、架橋性反応基を有する単量体を共重合する方法(共重合法)、共重合体中の官能基の一部を分解して反応性官能基に変換する方法(後変換法)、共重合体中の官能基と架橋性反応基を有する化合物を反応する方法(高分子反応法)などがあげられる。これらのうち必要な量の官能基をほぼ定量的に効率よく導入できるという点から共重合法が好ましい。
水酸基を有するかまたは水酸基に変換され得る基を有する単量体としては、フルオロオレフィンと共重合可能な二重結合を有する単量体を使用することができる。具体的には、たとえばヒドロキシエチルビニルエーテル、ヒドロキシプロピルビニルエーテル、ヒドロキシブチルビニルエーテル、ヒドロキシイソブチルビニルエーテル、ヒドロキシシクロヘキシルビニルエーテル等のヒドロキシアルキルビニルエーテル類;ヒドロキシ酢酸ビニル、ヒドロキシプロピオン酸ビニル、ヒドロキシ酪酸ビニル、ヒドロキシ吉草酸ビニル、ヒドロキシイソ酪酸ビニル、ヒドロキシシクロヘキサンカルボン酸ビニル等のヒドロキシアルキルカルボン酸のビニルエステル類;ヒドロキシエチルアリルエーテル、ヒドロキシプロピルアリルエーテル、ヒドロキシブチルアリルエーテル、ヒドロキシイソブチルアリルエーテル、ヒドロキシシクロヘキシルアリルエーテル等のヒドロキシアルキルアリルエーテル類;ヒドロキシエチルアリルエステル、ヒドロキシプロピルアリルエステル、ヒドロキシブチルアリルエステル、ヒドロキシイソブチルアリルエステル、ヒドロキシシクロヘキシルアリルエステル等のヒドロキシアリルエステル類やこれらの部分的にフッ素置換された化合物などがあげられ、これらのうちの1種または2種以上を併用してもよい。
またカルボキシル基を有する単量体としては、たとえばアクリル酸、メタクリル酸、イタコン酸、コハク酸、無水コハク酸、フマル酸、無水フマル酸、クロトン酸、マレイン酸、無水マレイン酸などのα,β−不飽和カルボン酸などのほかパーフルオロブテン酸などのフッ素置換α,β−不飽和カルボン酸があげられる。
また、グリシジル基を有する単量体としては、たとえばグリシジル(メタ)アクリレート、グリシジルビニルエーテル、グリシジルアリルエーテルなどがあげられる。
アミノ基を有する単量体としては、たとえばアミノアルキルビニルエーテル、アミノアルキルアリルエーテルなどがあげられる。アミド基を有する単量体としては、たとえば(メタ)アクリルアミド、メチロールアクリルアミドなどがあげられる。
ニトリル基を有する単量体としては、たとえば(メタ)アクリロニトリルなどがあげられる。イソシアネート基を有する単量体としては、たとえばビニルイソシアネート、イソシアネートエチルアクリレートなどがあげられる。
これらの架橋性反応部位を与える単量体は、フルオロオレフィンとの共重合性が良好である点から、特にビニル系あるいはアリル系の化合物が好ましい。なかでも、水酸基を有するビニル系またはアリル系単量体が塗料組成物の反応性が良好な点から好ましく、さらに共重合反応性が良好な点から水酸基含有のビニルエーテル類が特に好ましく使用できる。
そのほか、共重合体の一部を分解する後変換法としては、加水分解可能なエステル基を有する単量体を共重合せしめた後、共重合体を加水分解することにより、共重合体中にカルボキシル基を生成せしめる方法が例示できる。また、このようにエステル加水分解を行なわずに直接架橋反応をエステル交換反応で行い架橋結合を形成させることもできる。また、共重合体に架橋性反応基を与える化合物を反応する高分子反応法としては、前記の方法で製造した水酸基含有共重合体に無水コハク酸などの二価カルボン酸無水物を反応させることによりカルボキシル基を導入する方法などが好適に採用することができる。
この架橋性反応基を有する構造単位含有量は、1〜20モル%、好ましくは3〜15モル%である。多すぎると耐衝撃性が低下し、少なすぎると塗膜硬度が低下する。
また、本発明に用いる含フッ素共重合体に、本発明の目的を損なわない範囲で、上記必須単量体に加え、共重合可能な共単量体を共重合することができる。かかる共単量体としては、フルオロオレフィンと共重合可能な程度に活性な不飽和基を有し、塗膜の耐候性を著しく損わないものであればよく、たとえばエチレン性不飽和化合物が好ましい。具体例としては、たとえばエチルビニルエーテル、プロピルビニルエーテル、ブチルビニルエーテル、イソブチルビニルエーテル等のアルキルビニルエーテル類;酢酸ビニル、プロピオン酸ビニル、酪酸ビニル、イソ酪酸ビニル、吉草酸ビニル、シクロヘキサンカルボン酸ビニル等のアルキルカルボン酸のビニルエステル類;エチルアリルエーテル、プロピルアリルエーテル、ブチルアリルエーテル、イソブチルアリルエーテル、シクロヘキシルアリルエーテル等のアルキルアリルエーテル類;エチルアリルエステル、プロピルアリルエステル、ブチルアリルエステル、イソブチルアリルエステル、シクロヘキシルアリルエステル等のアルキルアリルエステル類;エチレン、プロピレン、ブチレン、イソブチレン等のアルケン類;エチルアクリレート、プロピルアクリレート、ブチルアクリレート、イソブチルアクリレート、2−エチルヘキシルアクリレート、エチルメタクリレート、プロピルメタクリレート、ブチルメタクリレート、イソブチルメタクリレート、2−エチルヘキシルメタクリレートなどのアクリレート類、メタクリレート類など、またこれらの部分的にフッ素置換された化合物などがあげられる。かかる共単量体は、1種または2種以上を選択して使用してもよい。これら共単量体としては、特にフルオロオレフィンとの共重合性の優れるビニル系、アリル系化合物またはアルケン類が好ましく採用される。また、ビニル系、アリル系のアルキルエステルあるいはアルキルエーテルを採用する場合、アルキル基は炭素数2〜10程度の直鎖状、分岐鎖状または脂環状のアルキル基であるのが好ましい。
これらの他の共単量体は、任意成分であり、共重合する目的に合わせて0〜30モル%、通常0〜10モル%含有させればよい。
本発明における特定の含フッ素共重合体の例としては、CTFE/E/CHVE/HBVE共重合体、TFE/E/CHVE/HBVE共重合体、TFE/HFP/E/CHVE/HBVE共重合体、CTFE/E/tBVBz/HBVE共重合体、TFE/E/tBVBz/HBVE共重合体、TFE/HFP/E/tBVBz/HBVE共重合体、TFE/HFP/P/tBVBz/HBVE共重合体、TFE/iB/HBVE共重合体、TFE/iB/tBVBz/HBVE共重合体などが例示されるがこれらのみに限定されるものではない。
本発明の熱硬化型粉体塗料組成物に用いられる特定の含フッ素共重合体は、そのフッ素含有量が10重量%以上であることが特に好ましい。含フッ素共重合体中のフッ素含有量が10重量%未満の場合には充分な耐候性を有する塗膜が得られなくなる場合がある。上限は60重量%程度である。
また、本発明に用いる特定の含フッ素共重合体は、ゲルパーミエーションクロマトグラフィ(GPC)にて測定したスチレン換算数平均分子量Mnが、10,000〜50,000の範囲にあることが特に好ましい。Mnが10,000以下であると、本発明の目的である耐衝撃性が損なわれ、またMnが50,000を超えると得られた塗膜の表面平滑性が損なわれる傾向にある。
本発明における特定の含フッ素共重合体を製造するには、通常の溶液重合法を採用すればよいが、高熱転移温度で高耐衝撃性の共重合体を得るには、前記の単量体の少なくとも1種を重合反応中に連続的に供給することが好ましい。特に、常態で液状であるCHVEおよび/またはtBVBz、さらに要すれば、官能基導入に用いられる単量体を、目的の組成に合わせて連続的に、たとえば液ポンプを使用して供給することが好ましい。なお、これらの単量体を一定時間毎に分割して添加することで、目標組成の共重合体を得ることは可能であるが、この分割的供給法で得られた共重合体から調製された粉体塗料の塗装塗膜は、単量体を連続的に供給して得られた共重合体から調製された粉体塗料の塗装塗膜に比べ、耐衝撃性が低下する傾向にある。
本発明の熱硬化型粉体塗料組成物は、硬化剤を含有する。
使用する硬化剤としては、ブロックイソシアネート化合物が一般的であり、たとえばイソホロンジイソシアネート、トリレンジイソシアネート、キシリレンジイソシアネート、4,4′−ジフェニルメタンジイソシアネート、ヘキサメチレンジイソシアネート等のポリイソシアネート化合物や、これらの二量体、三量体、さらにはトリメチロールプロパンなどの多価アルコールで変性した変性ポリイソシアネート化合物等のイソシアネート化合物のイソシアネート基を、ε−カプロラクタム、フェノール、ベンジルアルコール、メチルエチルケトキシム等のブロック化剤でブロックした化合物があげられる。かかるブロックイソシアネート化合物としては室温で固体である化合物を好適に使用することができる。
またその他の硬化剤として、フマル酸、コハク酸、アジピン酸、アゼライン酸、セバシン酸、ドデカン二酸等の脂肪族二塩基酸;無水フタル酸、無水トリメリット酸、無水ピロメリット酸等の酸無水物;ジシアンジアミドおよびジシアンジアミド誘導体;イミダゾールおよびイミダゾール誘導体;二塩基酸ジヒドラジド;ジアミノフェニルメタン、環状アミジン化合物等のアミン化合物;メラミン樹脂;テレフタル酸ジグリシジルエステル、パラオキシ安息香酸ジグリシジルエステル、トリグリシジルイソシアネート、スピログリコールジグリシジルエーテル、ヒダントイン化合物、脂環式エポキシ樹脂等のグリシジル化合物;そのほか1,4−ビス2′−ヒドロキシエトキシベンゼン、ビスヒドロキシエチルテレフタレート、スチレン・アリルアルコール共重合体、スピログリコール、トリス2−ヒドロキシエチルイソシアヌレート等があげられる。かかる他の硬化剤は室温で固体である化合物を好適に使用することができる。
本発明の熱硬化型粉体塗料組成物において、含フッ素共重合体(A1)と硬化剤(B)とは重量比率で40:60〜98:2、好ましくは50:50〜97:3の範囲で配合することができる。
本発明の熱硬化型粉体塗料組成物には、上記のほか、通常塗料組成物に使用される添加物を第三成分として配合することができる。すなわち、着色顔料(たとえば、二酸化チタン、ベンガラ、黄色酸化鉄、カーボンブラックなどの無機顔料やフタロシアニンブルー、フタロシアニングリーン、キナクリドン系赤色顔料、イソインドリノン系黄色顔料などの有機顔料);タルク、シリカ、炭酸カルシウム等の体質顔料;アルミ粉、ステンレス粉等の金属粉;その他、マイカ粉やレベリング剤、紫外線吸収剤、熱劣化防止剤、発泡防止剤等の添加剤を所望により1種または2種以上配合することができる。
本発明においては、所望により配合する上記第三成分を硬化型粉体塗料組成物の含フッ素共重合体成分(A1)または硬化剤成分(B)に前もって配合しておくこともできる。本発明の組成物の調合は公知の熱硬化型粉体塗料製造法と同様にして実施することができる。
以上のようにして製造された熱硬化型粉体塗料組成物は、400μm以下の粒径を有し、鉄、アルミ、銅、亜鉛あるいはこれらの合金類、たとえば不銹鋼、真ちゅうなどの金属に、たとえば市販の静電粉体塗装機,流動浸漬装置等を用いて均一に塗装されたのち、熱風炉、赤外炉、誘電加熱炉などで焼付けして良好な塗膜を形成することができる。
前記の特定の含フッ素共重合体(A1)のうち、フルオロオレフィン単位10〜55モル%、アルケン単位1〜45モル%、CHVE単位0〜45モル%、tBVBz単位0〜45モル%、架橋性反応基を有する構造単位1〜20モル%および前記以外の構造単位0〜30モル%からなり、CHVE単位およびtBVBz単位の合計量が5〜45モル%であり、かつ熱転移温度が45〜120℃である含フッ素共重合体は、新規な共重合体である。
つぎに本発明の特に耐衝撃性に優れた塗膜を与える粉体塗料組成物について説明する。
かかる粉体塗料組成物は、(A2)フルオロオレフィン単位を含み、熱転移温度が45〜120℃であり、かつ架橋性官能基を有する含フッ素共重合体、および
(B)硬化剤
からなる熱硬化型粉体塗料組成物であり、該組成物を塗布し硬化して得られる65μmの膜厚の塗膜を耐衝撃性評価装置で測定したときの耐衝撃性が3J以上である塗膜を与える粉体塗料用組成物である。
この粉体塗料組成物において、フルオロオレフィン単位、熱転移温度、架橋性官能基および硬化剤については、前述の説明がそのまま適用される。
含フッ素共重合体(A2)がさらにアルケン(R)単位、特にエチレン(E)単位を含むことが好ましく、またさらにCHVE単位および/またはtBVBz単位を含むことが熱転移温度を上げる点から好ましい。アルケン単位は1〜45モル%含まれることが望ましい。特に好ましい含フッ素共重合体(A2)としては、前述の含フッ素共重合体(A1)があげられる。
塗膜の耐衝撃性の観点からみると、前記WO公報を含め先行文献には膜厚40μmでの耐衝撃性が確保できているものまでしか存在せず、近年のより厳しい要求特性(膜厚65μm耐衝撃性)に照らすとまだまだ不充分である。耐衝撃性評価装置による耐衝撃性の評価は、同じ組成物を用いるときは塗膜の膜厚が厚くなるほど耐衝撃性(J)の値が低くなる。すなわち膜厚40μmで耐衝撃性が3.0Jの塗膜を与える組成物を用いて膜厚を65μmにして耐衝撃性を測定した場合3.0Jより低い値になる(なお、耐衝撃性評価装置による耐衝撃性は0.5J間隔で評価する)。
耐衝撃性(膜厚65μm)は3.0J以上、好ましくは4.0J以上である。上限は特になく高い方がよいのであるが、高すぎると塗膜の表面平滑性や硬度などの低下を考慮しなくてはならなくなることから、10.0J、さらには9.0Jである。
つぎに本発明を合成例および実験例をあげて説明するが、本発明はこれらのみに限定されるものではない。
合成例1
容量4000mlのステンレススチール製オートクレーブに、脱イオン水760g、炭酸カリウム7gを仕込んだ後、窒素加圧、脱気を3回繰り返し、溶存酸素を除いた。減圧下に、1,1,1−トリフルオロ−3,3−ジフルオロプロパン(HFC245fa)660g、HFP260g、HBVE3g、tBVBz4.5gを仕込み内温を35℃にした。さらにTFE/エチレンの82/18モル%比の混合単量体で0.9MPa(9kgf/cm2)Gまで圧力を調整し、ついでイソブチリルパーオキサイドの25重量%モノクロロペンタフルオロプロパン(HCFC225)溶液35gを仕込み反応を開始した。反応と共に圧力の低下が起こるので、槽内圧力を0.9MPa(9kgf/cm2)Gに保ちつつ、TFE/エチレン/HFPの45/39/16モル%比の混合単量体65g、およびHBVE15g、tBVBz30gを6時間かけて連続供給した。6時間後に槽内を常温常圧に戻し、反応を終了とした。
得られた固形分を洗浄乾燥し、含フッ素共重合体の白色粉末110gを得た。
得られた含フッ素共重合体を19F−NMR、1H−NMRおよび元素分析法で分析したところ、TFE35モル%、エチレン36モル%、HFP12モル%、tBVBz10モル%、HBVE7モル%からなる共重合体であり、熱転移温度は53℃、GPCで測定したスチレン換算数平均分子量Mnは17000であった。
また得られた含フッ素共重合体の重合体物性(水酸基価、熱転移温度、数平均分子量Mn)を表1に示す。
合成例2〜7
TFE/エチレン/HFP(45/39/16モル%比)の混合単量体の連続供給量、およびHBVEの初期および連続供給量、tBVBzの初期および連続供給量、さらに重合反応時間を表1に示すとおりに変更した以外は、合成例1と同様にして、合成例2〜7の含フッ素共重合体を得た。得られた含フッ素共重合体の得量、共重合組成および重合体物性を表1に示す。
合成例8
内容積4000mlのステンレススチール製撹拌機付オートクレーブに、t−ブタノール1000g、CHVE208g、エチレン24g、HBVE50g、炭酸カリウム5gおよびアゾビスイソブチロニトリル(AIBN)0.5gを仕込み、液体窒素により固体脱気により溶存空気を除去した。ついでクロロトリフルオロエチレン(CTFE)330gを導入し徐々に昇温した。反応温度を65℃に維持しながら撹拌下で反応を続け、10時間後に反応器を水冷して反応を停止した。室温まで冷却した後、未反応モノマーを抜き出し、反応器を開放し含フッ素共重合体を取り出した。これを60℃に加熱し、1mmHgの減圧下で24時間かけて分散媒を除去した後、衝撃式ハンマーミルで粉砕し含フッ素共重合体を得た。
得られた含フッ素共重合体の得量、共重合組成および重合体物性を表1に示す。
合成例9
容量4000mlのステンレススチール製オートクレーブに、脱イオン水760g、炭酸カリウム7gを仕込んだ後、窒素加圧、脱気を3回繰り返し、溶存酸素を除いた。減圧下に、HFC245fa660g、HFP260g、HBVE3g、tBVBz4.5gを仕込み内温を35℃にした。さらにTFE/エチレンの82/18モル%比の混合単量体で0.9MPa(9kgf/cm2)Gまで圧力を調整し、ついでイソブチリルパーオキサイドの25重量%HCFC225溶液35gを仕込み反応を開始した。反応と共に圧力の低下が起こるので、槽内圧力を0.9MPa(9kgf/cm2)Gに保ちつつ、TFE/エチレン/HFPの45/39/16モル%比の混合単量体65gを6時間かけて連続供給した。また、反応開始1.5時間後、3時間後および4.5時間後にHBVE5gおよびtBVBz10gを分割して仕込んだ。6時間後に槽内を常温常圧に戻し、反応を終了とした。得られた固形分を洗浄乾燥し、含フッ素共重合体の白色粉末を得た。
得られた含フッ素共重合体の得量、共重合組成および重合体物性を表1に示す。
合成例10
容量4000mlのステンレススチール製オートクレーブに、脱イオン水760g、炭酸カリウム7gを仕込んだ後、窒素加圧、脱気を3回繰り返し、溶存酸素を除いた。減圧下に、HFC245fa660g、HFP260g、HBVE3g、CHVE12gを仕込み内温を35℃にした。さらにTFE/HFPの75/25モル%比の混合単量体で0.9MPa(9kgf/cm2)Gまで圧力を調整し、ついでイソブチリルパーオキサイドの25重量%HCFC225溶液35gを仕込み反応を開始した。反応と共に圧力の低下が起こるので、槽内圧力を0.9MPa(9kgf/cm2)Gに保ちつつ、TFE/HFPの75/25モル%比の混合単量体65g、HBVE18gおよびCHVE28gを6時間かけて連続供給した。6時間後に槽内を常温常圧に戻し、反応を終了とした。得られた固形分を洗浄乾燥し、含フッ素共重合体の白色粉末を得た。
得られた含フッ素共重合体の得量、共重合組成および重合体物性を表1に示す。
合成例11
容量4000mlのステンレススチール製オートクレーブに、脱イオン水760g、炭酸カリウム7gを仕込んだ後、窒素加圧、脱気を3回繰り返し、溶存酸素を除いた。減圧下に、HFC245fa660g、HFP260g、HBVE3g、CHVE12gを仕込み内温を35℃にした。さらにTFE/エチレン/HFPの45/39/16モル%比の混合単量体で0.9MPa(9kgf/cm2)Gまで圧力を調整し、ついでイソブチリルパーオキサイドの25重量%HCFC225溶液35gを仕込み反応を開始した。反応と共に圧力の低下が起こるので、槽内圧力を0.9MPa(9kgf/cm2)Gに保ちつつ、TFE/エチレン/HFPの45/39/16モル%比の混合単量体65g、およびHBVE18g、CHVE28gを6時間かけて連続供給した。6時間後に槽内を常温常圧に戻し、反応を終了とした。
得られた固形分を洗浄乾燥し、含フッ素共重合体の白色粉末を得た。
得られた含フッ素共重合体の得量、共重合組成および重合体物性を表1に示す。
合成例12
容量4000mlのステンレススチール製オートクレーブに、脱イオン水760g、炭酸カリウム7gを仕込んだ後、窒素加圧、脱気を3回繰り返し、溶存酸素を除いた。減圧下に、1,1,1−トリフルオロ−3,3−ジフルオロプロパン(HFC245fa)660g、HFP260g、HBVE3g、tBVBz4.5gを仕込み内温を35℃にした。さらにTFE/プロピレンの80/20モル%比の混合単量体で0.9MPa(9kgf/cm2)Gまで圧力を調整し、ついでイソブチリルパーオキサイドの25重量%モノクロロペンタフルオロプロパン(HCFC225)溶液35gを仕込み反応を開始した。反応と共に圧力の低下が起こるので、槽内圧力を0.9MPa(9kgf/cm2)Gに保ちつつ、TFE/プロピレン/HFPの45/39/16モル%比の混合単量体70g、およびHBVE15g、tBVBz30gを5時間かけて連続供給した。5時間後に槽内を常温常圧に戻し、反応を終了とした。
得られた固形分を洗浄乾燥し、含フッ素共重合体の白色粉末を得た。
得られた含フッ素共重合体の得量、共重合組成および重合体物性を表1に示す。
合成例13
容量4000mlのステンレススチール製オートクレーブに、脱イオン水760g、炭酸カリウム7gを仕込んだ後、窒素加圧、脱気を3回繰り返し、溶存酸素を除いた。減圧下に、クロロフルオロエタン(HCFC141b)572g、HFP340g、HBVE3gを仕込み内温を35℃にした。さらにTFE/エチレンの82/18モル%比の混合単量体で0.9MPa(9kgf/cm2)Gまで圧力を調整し、ついでシクロヘキサン4g、イソブチリルパーオキサイドの25重量%モノクロロペンタフルオロプロパン(HCFC225)溶液24gを仕込み反応を開始した。反応と共に圧力の低下が起こるので、槽内圧力を0.9MPa(9kgf/cm2)Gに保ちつつ、TFE/エチレン/HFPの45/39/16モル%比の混合単量体連続供給した。6時間ごとにHBVE1.5gおよびイソブチリルパーオキサイドの25重量%モノクロロペンタフルオロプロパン(HCFC225)溶液12gを追加しながら12時間反応を行なった後、槽内を常温常圧に戻し、反応を終了とした。
得られた固形分を洗浄乾燥し、含フッ素共重合体の白色粉末152gを得た。
得られた含フッ素共重合体の得量、共重合組成および重合体物性を表1に示す。
合成例14
容量4000mlのステンレススチール製オートクレーブに、脱イオン水1000gを仕込んだ後、窒素加圧、脱気を3回繰り返し、溶存酸素を除いた。減圧下に、クロロフルオロエタン(HCFC141b)407g、パーフルオロブテン酸(PFBA)15g、HFP794gを仕込み内温を35℃にした。さらにTFE/エチレンの82/18モル%比の混合単量体で1.2MPa(12kgf/cm2)Gまで圧力を調整し、ついでシクロヘキサン4g、イソブチリルパーオキサイドの25重量%モノクロロペンタフルオロプロパン(HCFC225)溶液48gを仕込み反応を開始した。反応と共に圧力の低下が起こるので、槽内圧力を1.2MPa(12kgf/cm2)Gに保ちつつ、TFE/エチレンの82/18モル%比の混合単量体連続供給した。3時間ごとにPFBA3gおよびイソブチリルパーオキサイドの25重量%モノクロロペンタフルオロプロパン(HCFC225)溶液8gを追加しながら12時間反応を行なった後、槽内を常温常圧に戻し、反応を終了とした。
得られた固形分を洗浄乾燥し、含フッ素共重合体の白色粉末133gを得た。
得られた含フッ素共重合体の得量、共重合組成および重合体物性を表1に示す。
合成例15
容量4000mlのステンレススチール製オートクレーブに、t−ブタノール1570g、CHVE160g、イソブチルビニルエーテル(isoBVE)90g、HBVE250g、炭酸カリウム10gおよびアゾビスイソブチロニトリル(AIBN)0.7gを仕込んだ後、液体窒素により固体脱気により溶存酸素を除いた。ついでクロロトリフルオロエチレン(CTFE)500gを導入し徐々に昇温した。反応温度を65℃に維持しながら攪拌下で反応を続け、10時間後に反応器を水冷して反応を停止した。室温まで冷却した後、未反応単量体を抜き出し、反応器を開放し含フッ素共重合体を取り出した。このものを60℃に加熱したのち1mmHgの減圧下で24時間かけて分散媒を除去し、ついで衝撃式ハンマーミルにより粉砕して粉末を得た。
得られた含フッ素共重合体の得量、共重合組成および重合体物性を表1に示す。
なお、合成例1、2、5、6、8、9、11および12が本発明において使用する特定の含フッ素共重合体(A1)に相当する。また、合成例3、4、7、10および13〜15は比較合成例であり、特に合成例13はWO01/25346パンフレットの合成例1(およびWO01/25354パンフレットの合成例2)記載の含フッ素共重合体に相当し、合成例14は特開2000−26767公報の実施例1記載の含フッ素共重合体に相当し、合成例15は特開平6−104792号公報の実施例1記載の含フッ素共重合体に相当する。
実験例1
合成例1で得られた含フッ素重合体50gおよび、硬化剤としてカプロラクタムブロックイソシアネート(ヒュルス社製のベスタゴンB−1530。商品名)10.7g、顔料として酸化チタン(デュポン社製のタイピュアR−960。商品名)26.0g、表面調整剤として低分子量アクリル共重合体(モンサント社製のモダフロー。商品名)1.2g、脱泡剤としてベンゾイン0.3gを、ヘンシェルミキサー((株)愛工舎製作所製)により、3分間均一に混合した。得られた混合物を120℃で二軸溶融混練機(プリズム社製の16mmツインエクストルーダー)を使用して溶融混練し、冷却後、万能粉砕機(IKA社製)で室温で3分間粉砕し、得られた粉体を140メッシュのスクリーンを通して分級し、熱硬化型粉体塗料組成物を得た。
この塗料組成物について、以下の塗料特性(貯蔵安定性試験)および塗膜特性(膜厚、表面平滑性、表面光沢、鉛筆硬度、耐衝撃性、耐候性)を調べた。結果を表2に示す。
(塗料特性)
貯蔵安定性試験:
粉体塗料組成物20gを、内容量50mlのガラス製サンプルビンに入れ、蓋をした後、40℃の恒温機中で1ヵ月保存する。室温に戻した後に粉体塗料組成物の状態を目視で観察し、つぎの分類で評価する。
A:凝集、恒温機壁面への付着なく、問題なく塗装できる。
B:振盪によって、再分散可能。恒温機壁面への付着なし。
C:振盪によって、再分散可能。恒温機壁面への付着が観察される。
D:再分散できない。
AおよびBランクの貯蔵安定性があれば、実用上使用できる範囲といえる。
(塗膜特性)
供試塗板の作製:
粉体塗料組成物をリン酸処理アルミニウム基材(厚さ1mm)上にコロナ式粉体塗装ガン(小野田セメント製のGX3300。商品名)を用い、印加電圧40kVで塗装し、直後に200℃で15分間焼き付けを行ない、供試用塗板(塗膜の厚さ:65μm)を得た。この塗板に対して以下の試験を行なった。結果を表2に示す。特に記載のない場合、供試用塗板は、塗装後、25℃にて24時間以上静置した後、25℃で試験を行なった。
膜厚:
渦電流式膜厚計EL10D((株)サンコウ電子研究所製)を用いて測定する。
表面平滑性:
蛍光灯を塗膜に写して見たとき、塗膜表面に映る蛍光灯の形(ゆがみ)を目視で評価する。
A:ゆがみがない。
B:若干ゆがみがある。
C:ゆがみがある。
D:大きくゆがんでいる。
光沢:
JIS K5400に従い、60度の鏡面反射角を測定する。
鉛筆硬度:
JIS K5400に従い、鉛筆硬度を測定する。
耐衝撃性(膜厚65μm):
ガードナー社製の耐衝撃性評価装置(Gardner Impact Tester)を使用する。16mm径の球状のヘッドを塗装面にセットし、1kgの荷重をもつシリンダーを所定の高さから落とす。この高さより、試験体に与えられたエネルギーを規定し、表2中には、塗膜にクラックの発生しなかった最大のエネルギー(J)を示す。実用上は、2.5Jの耐衝撃性(膜厚65μm)以上の耐衝撃性が要求されるが、さらに厳しい要求に応えるためには3.0J以上、さらには4.0J以上の耐衝撃性が必要である。
たとえば、AAMA(American Architectural Manufacturers Association)の自主規格であるAAMA2605によれば、基材に3mm深さの変形を与えた場合にクラックが生じないことという記載がある。本実験で使用した1mm厚のアルミニウム板の場合には、2.5Jのエネルギーによって、AAMA2605に規定する変形を基材に与えることができる。
耐候性:
JIS K5400 9.8.1に従い、岩崎電気(株)製アイスーパーUVテスターW−13型(商品名)(Light/Dew/Rest=11/11/1HRを1サイクルとする)にて促進耐候性試験を1000時間行なったのち、光沢保持率(初期光沢に対する試験後の光沢の割合)を測定する。
実験例2〜13
合成例2〜13でそれぞれ得られた含フッ素共重合体を用い、他の成分の配合量を表2に示す量としたほかは実験例1と同様にして熱硬化型粉体塗料組成物を調製し、その塗料特性および塗膜特性を実験例1と同様にして調べた。結果を表2に示す。
実験例14
合成例14で得られた含フッ素共重合体100g、トリグリシジルイソシアヌレート(TGIC。ローム&ハース社製)4g、酸化チタン15g、流動性調整剤(モダフロー。モンサント社製)0.5gおよびベンゾイン0.5gをヘンシェルミキサーにより25℃にて15分間ドライブレンドし、均一な混合物を得た。この混合物をブスコニーダー(ブス社製)で100℃にて1分間溶融混練し、シート状に押し出した後ペレット化した。このペレット20gをマイクロハンマーミル(IKA社製)で約20℃にて5分間粉砕し、得られた粉末を200メッシュスクリーンを通して分級し、平均粒径50μmの粉体塗料組成物を得た。
この組成物について、塗料特性および塗膜特性を実験例1と同様にして調べた。結果を表2に示す。
実験例15および16
合成例15で得られた含フッ素共重合体を用い、他の成分の配合量を表2に示す量としたほかは実験例1と同様にして熱硬化型粉体塗料組成物を調製した。この粉体塗料組成物を用い、塗膜の膜厚を65μm(実験例15)および40μm(実験例16)としたほかは実験例1と同様にして、それらの塗料特性および塗膜特性を調べた。結果を表2に示す。
なお、表2において、本発明の実施例に相当する実験例は1、2、5、6、8、9、11および12である。
産業上の利用可能性
本発明によれば、貯蔵安定性に優れ、しかも表面が平滑で耐衝撃性が向上した塗膜を与える熱硬化型粉体塗料組成物を提供することができる。
Claims (13)
- (A1)フルオロオレフィン単位、アルケン単位およびシクロヘキシルビニルエーテル単位および/またはp−ターシャリブチル安息香酸ビニル単位を必須の構造単位とし、シクロヘキシルビニルエーテル単位とp−ターシャリブチル安息香酸ビニル単位の合計量が5〜45モル%を占め、熱転移温度が45〜120℃であり、かつ架橋性反応基を有する含フッ素共重合体、および
(B)硬化剤
とからなる熱硬化型粉体塗料組成物。 - 含フッ素共重合体(A1)が、シクロヘキシルビニルエーテル単位および/またはp−ターシャリブチル安息香酸ビニル単位を5〜45モル%含有する請求の範囲第1項記載の組成物。
- 含フッ素共重合体(A1)が、アルケン単位を1〜45モル%含有する請求の範囲第1項または第2項記載の組成物。
- 含フッ素共重合体(A1)が、テトラフルオロエチレン、ヘキサフルオロプロピレンおよび/またはクロロトリフルオロエチレン単位を含む請求の範囲第1項〜第3項のいずれかに記載の組成物。
- アルケン単位がエチレン単位である請求の範囲第1項〜第4項のいずれかに記載の組成物。
- フルオロオレフィン単位10〜55モル%、アルケン単位1〜45モル%、シクロヘキシルビニルエーテル単位0〜45モル%、p−ターシャリブチル安息香酸ビニル単位0〜45モル%、架橋性反応基を有する構造単位1〜20モル%および前記以外の構造単位0〜30モル%からなり、シクロヘキシルビニルエーテル単位およびp−ターシャリブチル安息香酸ビニル単位の合計量が5〜45モル%であり、熱転移温度が45〜120℃である含フッ素共重合体。
- アルケン単位がエチレン単位である請求の範囲第6項記載の含フッ素共重合体。
- フルオロオレフィン、アルケン、シクロヘキシルビニルエーテル、p−ターシャリブチル安息香酸ビニル、架橋性反応基を有する単量体、および任意成分として前記以外の単量体を共重合する際に、これらの単量体の少なくとも1種を連続的に供給しながら重合反応を進める請求の範囲第6項または第7項記載の含フッ素共重合体の製造方法。
- (A2)フルオロオレフィン単位を含み、熱転移温度が45〜120℃であり、かつ架橋性官能基を有する含フッ素共重合体、および
(B)硬化剤
からなる熱硬化型粉体塗料組成物であり、該組成物を塗布し硬化して得られる65μmの膜厚の塗膜を耐衝撃性評価装置で測定したときの耐衝撃性が3J以上である塗膜を与える粉体塗料用組成物。 - 含フッ素共重合体(A2)がさらにアルケン単位を含む請求の範囲第9項記載の組成物。
- 含フッ素共重合体(A2)がさらにシクロヘキシルビニルエーテル単位および/またはp−t−ブチル安息香酸ビニル単位を含む請求の範囲第10項記載の組成物。
- アルケン単位を1〜45モル%含む請求の範囲第10項または第11項記載の組成物。
- アルケン単位がエチレン単位である請求の範囲第10項〜第12項のいずれかに記載の組成物。
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