JPH0662465B2 - フロラール水和物の精製方法 - Google Patents

フロラール水和物の精製方法

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JPH0662465B2
JPH0662465B2 JP31781589A JP31781589A JPH0662465B2 JP H0662465 B2 JPH0662465 B2 JP H0662465B2 JP 31781589 A JP31781589 A JP 31781589A JP 31781589 A JP31781589 A JP 31781589A JP H0662465 B2 JPH0662465 B2 JP H0662465B2
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Description

【発明の詳細な説明】 [産業上の利用分野] 本発明は、医薬、農薬等の中間原料等として有用なフロ
ラール水和物の製造方法、殊にその精製方法に関する。
[従来技術] フロラール水和物の製造方法としては類似の化合物であ
るヘキサフルオロアセトン水和物の製造法とともに多く
の方法が提案されている。
フロラールあるいはヘキサフルオロアセトンは例えばク
ロラールあるいはヘキサクロロアセトン等の塩素化物を
クロム系触媒の存在下にフッ化水素によりフッ素化する
ことにより得られているものであるが、この際、完全に
フッ素化されていない低次フッ素化物が0.1〜10%
程度含まれているものである。そのため、純粋なフロラ
ール水和物を得るためには過剰に用いられるフッ化水
素、反応により生成する塩化水素およびこの低次フッ素
化物を除去する必要がある。
低次フッ素化物の除去方法として、フロラール水和物お
よび低次フッ素化クロラール水和物の蒸留による精製は
困難であり、また、低次フッ素化クロラールのアルカリ
による化学分解操作により得られる液状混合物の塩析に
よる二層分離が類似のヘキサフルオロアセトンのように
はおきないためにこの方法はフロラールには適用できな
いとされていた。そのため、クロラールの触媒フッ素化
反応により得られる反応生成ガスから純粋なフロラール
水和物を得る方法としては特公昭63−19494号公
報によれば無水の条件下でまずフッ化水素を除去し、次
いで反応生成物ガスをメタノールに吸収させ、粗ヘミア
セタールとし、これを蒸留精製することにより塩化水素
および低次フッ素化クロラール等の副生物を除去し精製
ヘミアセタールとし、次いで蒸留塔中において水を接触
させ、塔頂からメタノール、缶底からフロラール水和物
を回収することにより純粋なフロラール水和物を得てい
る。
一方、無水の条件下にフッ化水素を除去する方法として
は、塩化カルシウムによりフッ化カルシウムとして固定
する方法、フッ化ナトリウムにより酸性フッ化ナトリウ
ムとして固定する方法、濃硫酸により吸収させる方法等
を挙げることができるが、塩化カルシウム、フッ化ナト
リウムによる方法は効率の面で問題があり、濃硫酸によ
る方法はフロラールがHFとともに濃硫酸中に一部溶解
する問題があり、いずれも満足できるものではない。
[問題点を解決するための具体的手段] 本発明者らはかかる従来技術の問題点に鑑み水溶液系で
の精製方法につき鋭意検討の結果、低次フッ素化クロラ
ールのアルカリによる化学分解操作により得られる液状
混合物からフロラールがエーテル系溶媒により効率よく
抽出されることを見出し本発明に到達した。
すなわち本発明はフロラール水溶液をエーテル系溶媒で
抽出し、分離した抽出液(エーテル系溶媒層)から蒸留
によりフロラール−水共沸組成物を回収することを特徴
とするフロラール水和物の精製方法である。
エーテル系溶媒としてはテトラヒドロフラン、1,4-ジオ
キサン等の環状エーテル、ジブチルエーテルモノグライ
ム、ジグライム等の鎖状エーテル、アニソール等の芳香
族エーテル等を例示することができる。
この際、塩化カルシウムを系内に適当量添加することに
より界面の分離を改善するとともに、エーテル溶媒中に
持込まれる水分量を調節することができる。
エーテル溶媒の使用量としては、水溶液中に存在するフ
ロラールの0.5モル倍以上であればよく、通常0.5〜5倍
モル量の範囲で選択される。
塩化カルシウムの添加量としては、系内に存在する全塩
化カルシウムに対する水の量が6〜40モル倍になる範囲
で使用され、好ましくはエーテル溶媒中における水/フ
ロラールのモル比が1.6〜3.0に調整させるように用いら
れる。
低次フッ素化クロラールをアルカリにより化学分解した
フロラールの液状混合物には分解により生じるトリフル
オロエタノール、トリフルオロ酢酸等を含み、これら化
学分解副生物もエーテル溶媒層に抽出されてくる。トリ
フルオロエタノールはフロラール−水共沸組成物の沸点
(106℃)より低いため低沸物カットにより容易に除去で
きるがトリフルオロ酢酸は水と共沸(沸点105.5℃)す
るため、そのままでは分離困難である。この際、アルカ
リ金属あるいはアルカリ土類金属の水酸化物、炭酸塩、
重炭酸塩を層分離後のエーテル溶媒層に添加し、液性を
pH0.5以上に調整して蒸留することによりその留出を
抑えることができる。
アルカリ化学分解後のフロラール液状混合物は当然のこ
とながら塩基性であり、このままでの抽出は酸性物質で
あるフロラール水和物の抽出効率が悪く、また液の二層
分離性に劣るためpH5以下に液性を調整することによ
り初めて界面の分離性が良好となり抽出効率も良好とな
る。
アルカリ分解に供するフロラール水溶液としては、フッ
化水素酸が共存しているとアルカリ分解時あるいは水分
調整時に使用するカルシウム塩と反応し、難溶性のフッ
化カルシウムを生成し、この多量の存在はスラリー化あ
るいはエーテル層の懸濁化を引き起こし二層分離の操作
上好ましくない。そのためクロラールの触媒フッ素化反
応により得られる反応生成ガスを水循環吸収塔へ導いて
水を吸収させてフッ酸をホウ酸によりホウフッ酸として
固定した後、減圧下にフラッシュ蒸留することにより粗
フロラール水和物を得、これをアルカリ分解に供するこ
とが好ましい。
フロラール反応生成ガスの水吸収により得られるフロラ
ール水溶液の組成としては、フロラール20〜30wt%、H
Cl10〜30wt%、HF15〜25wt%であって、HFを固定
するためのホウ酸の量としてはHFに対して0.25モル当
量から1モル当量の範囲であり0.3〜0.4モル当量用いれ
ばよい。
ホウ酸を予め吸収水中に懸濁させた状態で吸収と同時に
HFをホウフッ酸として固定することもできる。
このようにしてHFを固定したフロラール水溶液は減圧
下にフラッシュ蒸留することにより効率よくHFを除去
することが可能である。
以下、実施例により本発明を具体的に説明する。
実施例1 クロム系触媒充填気相反応管にクロラールおよびHFを
予熱器を介して送入し、クロラールをフッ素化して得ら
れる反応生成ガス[平均重量組成:有機物31,8%(フロ
ラール選択率99.7%)、HF28.8%、HCl39.4%]
を、水循環吸収塔へ導入し水10Kgに吸収させた。10時
間経過後のクロラール、HFの全供給量はそれぞれ6.94
Kg、6.59Kgであり、吸収液の重量増は13.06Kgで
そのときの重量組成はフロラール18.0%、HF16.3%、
HCl22.3%であった。これは供給量に対する理論回収
率としてフロラール90.0%、HF99.8%、HCl99.8%
である。これにさらに反応生成ガスを導入しつづけると
フロラールはほぼ完全に吸収されつづけるが、HF、H
Clの合計重量濃度は約38%と一定値を保ち、HFおよ
びHClはガスとして系外へ放出された。
このようにして得た吸収液4.17Kg(重量組成フロラー
ル25.1%、HF22.2%、HCl15.7%、H2O37.0%)
にH3BO41.05Kg(HF/H3BO=1/2.7)を冷却し
ながら徐々に添加したのち、フラッシュ蒸留(20〜25mm
Hg、50〜70℃)によりホウ酸、ヒドロキソフルオロホウ
酸、ホウフッ酸等を除去した。得られた留出液3.66Kg
の重量組成はフロラール28.6%、HCl15.6%でフロラ
ール回収率は100%であった。
このようにして得たフラッシュ液の500gを水酸化カル
シウム80g水酸化ナトリウム4gで中和し、2時間加熱
還流し、低次フッ素化クロラールを分解した。この反応
液に濃塩酸を加え、液性をpH3に調整し、テトラヒド
ロフラン90gを加えたのち塩化カルシウム60gを加えて
二層分離させた。この時、水層中にフロラールは検出さ
れず100%抽出されており、テトラヒドロフラン中の水
/フロラールのモル比は2.28であった。なお、pHを7
に調整して同様にテトラヒドロフランを加えたが、界面
は明瞭とはならなかった。水酸化カルシウムによりテト
ラヒドロフランの液性をpH計を用いてpH1に調整
し、精密蒸留した。沸点105.8〜106.2℃の留分146g
(フロラール74.3%、H2O25.7%)を得た。分解副生
物であるトリフルオロエタノールはテトラヒドロフラン
−水共沸初留中に含まれ、トリフルオロ酢酸は釜残中に
のみ検出された。なお、同様にpHを0.4に調整して精
密蒸留をおこなったところフロラール水和物留分中に0.
3%のトリフルオロ酢酸が検出された。
[発明の効果] 本発明によれば医薬、農薬等の中間体等として有用なフ
ロラール水和物を容易にかつ収率よく精製することがで
きるものである。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.5 識別記号 庁内整理番号 FI 技術表示箇所 // C07C 29/86 8930−4H

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】フロラール水溶液をエーテル系溶媒で抽出
    し、分離した抽出液から蒸留によりフロラール水和物を
    フロラール−水共沸組成物として回収することを特徴と
    するフロラール水和物の精製方法。
  2. 【請求項2】フロラール水溶液をエーテル系溶媒で抽出
    する際に、該抽出系に塩化カルシウムを共存させること
    を特徴とする請求項(1)記載のフロラール水和物の精製
    方法。
  3. 【請求項3】抽出液をpH0.5以上に調製して蒸留す
    ることを特徴とする請求項(1)〜(2)記載のフロラール水
    和物の精製方法。
  4. 【請求項4】抽出液において水/フロラールのモル比を
    1.6〜3として蒸留することを特徴とする請求項(1)
    〜(3)記載のフロラール水和物の精製方法。
  5. 【請求項5】フロラール水溶液が、クロラールの触媒フ
    ッ素化反応により得られた反応生成ガスからフッ化水素
    を除去し、該ガスを水に吸収させ、該水溶液を塩基性と
    することで低次フッ素化クロラールを化学分解させ、つ
    いで液性をpH5以下に調整したフロラール水溶液であ
    ることを特徴とする請求項(1)〜(4)記載のフロラール水
    和物の精製方法。
  6. 【請求項6】フロラール水溶液が、クロラールの触媒フ
    ッ素化反応により得られた反応生成ガスを水に吸収さ
    せ、該水溶液中のフッ化水素をホウ酸によりホウフッ酸
    として固定したのち蒸留により除去し、得られた水溶液
    を塩基性とすることで低次フッ素化クロラールを化学分
    解させ、ついで液性をpH5以下に調整したフロラール
    水溶液であることを特徴とする請求項(1)〜(4)記載のフ
    ロラール水和物の精製方法。
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