JP2019026628A - フルオロアセトアルデヒド類の保存方法 - Google Patents
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Abstract
【課題】フルオラール等のトリフルオロアセトアルデヒド類と無水フッ化水素を混合させることによる長期の保存方法を提供する。【解決手段】式:[式中、R1とR2はそれぞれ独立に水素原子、フッ素原子を表す。]で表されるトリフルオロアセトアルデヒド類と無水フッ化水素を混合させることにより、該アルデヒド類を長期に保存することができる。また、保存後のフルオロアルデヒド類と無水フッ化水素からなる付加体は、フルオロアルデヒド類を出発原料とした種々の有機反応に利用できる。【選択図】なし
Description
本発明は、フルオロアセトアルデヒド類の保存方法に関する。
本発明の対象とするフルオロアセトアルデヒド類は医農薬中間体や高機能性材料として有用な化合物である。例えば、該アルデヒド類のうち、2,2,2‐トリフルオロアセトアルデヒド(以下、本明細書でフルオラールと言うことがある)はトリフルオロメチル基を有する炭素数2のシントンとして、これら対象化合物の合成に関し、利用価値の高い化合物である(非特許文献1)。
トリフルオロメチル基は、それ自身特異的な性質を持ち、それが各種材料の撥水性、透明性、低誘電性、特異な生理活性、ミミック効果などの発現に深く関係すると考えられている。
ところで、アルデヒド部位を持つ化合物は一般的に不安定であり、アルデヒド化合物同士が重合し、アルデヒドとしての活性が失われることが知られている(非特許文献2)。フルオラールはその強い電子求引性の性質を持つ為、反応性の高いアルデヒドとして知られており、単体としての取り扱いが困難な化合物である。そのため、通常はフルオラールの等価体であるヘミアセタールや水和物を用いてフルオラールを発生させ、その都度、種々の有機反応へ用いるのが一般的である。実際、フルオラールの発生法として、フルオラール等価体である1‐エトキシ‐2,2,2−トリフルオロエタノールを濃硫酸により酸分解する方法(非特許文献3)、もう1つのフルオラール等価体である2,2,2−トリフルオロ‐1,1‐エタンジオールを塩化カルシウムにより脱水する方法(特許文献1)が知られている。
Chem.Rev.2004年,104巻,1号、1−16頁
有機合成化学、1961年、19巻、第3号、254−260頁
Tetrahedron Letter、2007年、48巻、6372−6376頁
フルオラールを発生する方法に関して、これまで知られている方法は、小規模で行うには有利であるが、低沸点(−18℃)であり、かつ重合性の性質を持つ為、取り扱いに負荷がかかっていた。実際、本発明者らがフルオラールの保存について検討を行ったところ、非特許文献2に記載の方法を用いて発生させた該フルオラールを、ステンレス鋼シリンダーへ捕集し、冷凍保管(−18℃)した場合であっても重合が進行しているのを確認していた(後述の比較例1参照)。従って、使用毎にフルオラールの調製が必要となり、フルオラール自体の長期保存は非常に困難であった。
以上のことから、本発明は、種々の有機反応において、使用毎の調製が不要となる条件、すなわち、フルオロアセトアルデヒド類の長期保存を可能にする条件を見出すことを課題とする。
上記の問題点を鑑み、本発明者らが鋭意検討を行った結果、フルオロアセトアルデヒド類と無水フッ化水素を混合させることにより、重合の進行を劇的に抑制することを見出し、更に、この無水フッ化水素の混合により、フルオロアセトアルデヒド類の長期保存が可能であることを見出した。
フルオロアセトアルデヒド類と無水フッ化水素を混合させることで、「フルオロアセトアルデヒド類と無水フッ化水素からなる付加体」を得るが、該組成物は、フッ化水素が常に存在している条件下に置くことで、長期の保存が可能となる知見を得た。このことは、フルオロアセトアルデヒド類と無水フッ化水素からなる付加体が、フルオロアルコール(例えば、フルオラールの場合は1,2,2,2−テトラフルオロエタノール)としても存在し、該付加体と該アルコールとの間で平衡状態が形成され、更に無水フッ化水素が系内に存在することで平衡状態が長期間保たれ、その結果、分解反応が生じにくくなったものと推測される。
また、保存後のフルオロアルデヒド類と無水フッ化水素からなる付加体は、フルオロアルデヒド類を出発原料とした種々の有機反応に十分利用できると言う、大変有用な知見も得た(後述の参考例参照)。本発明は、フルオロアセトアルデヒド類を効率よく流通させることのできる、極めて優れた方法である。
すなわち、本発明は、以下の[発明1]〜[発明8]に記載する、フルオロアセトアルデヒド類の保存方法を提供する。
[発明1]
式[1]:
[発明1]
式[1]:
[式中、R1とR2はそれぞれ独立に水素原子、フッ素原子を表す。]
で表されるフルオロアセトアルデヒド類と無水フッ化水素を混合させることを特徴とする、フルオロアルデヒド類の保存方法。
[発明2]
無水フッ化水素の添加量がフルオロアセトアルデヒド類100質量部に対して2質量部〜2000質量部である、発明1に記載の保存方法。
[発明3]
無水フッ化水素を添加する際の温度を−40℃〜40℃とする、発明1または発明2に記載の保存方法。
[発明4]
フルオロアセトアルデヒド類と無水フッ化水素を混合させることにより、フルオロアセトアルデヒド類と無水フッ化水素からなる付加体を形成する工程を更に含む、発明1乃至3の何れかに記載の保存方法。
[発明5]
フルオロアセトアルデヒド類と無水フッ化水素からなる付加体が、式[2]:
で表されるフルオロアセトアルデヒド類と無水フッ化水素を混合させることを特徴とする、フルオロアルデヒド類の保存方法。
[発明2]
無水フッ化水素の添加量がフルオロアセトアルデヒド類100質量部に対して2質量部〜2000質量部である、発明1に記載の保存方法。
[発明3]
無水フッ化水素を添加する際の温度を−40℃〜40℃とする、発明1または発明2に記載の保存方法。
[発明4]
フルオロアセトアルデヒド類と無水フッ化水素を混合させることにより、フルオロアセトアルデヒド類と無水フッ化水素からなる付加体を形成する工程を更に含む、発明1乃至3の何れかに記載の保存方法。
[発明5]
フルオロアセトアルデヒド類と無水フッ化水素からなる付加体が、式[2]:
[式中、R1とR2はそれぞれ独立に水素原子、フッ素原子を表す。]
で表されるフルオロアルコールとの平衡状態として存在する、発明4に記載の保存方法。
[発明6]
フルオロアセトアルデヒド類が、2,2,2−トリフルオロアセトアルデヒド(フルオラール)である、発明1乃至5の何れかに記載の保存方法。
[発明7]
フルオロアセトアルデヒド類と無水フッ化水素からなる付加体を反応容器に導入した後、空気もしくは窒素雰囲気下にて保存する工程を更に含む、発明1乃至6の何れかに記載の保存方法。
[発明8]
保存する際の温度を−40℃〜40℃とする、発明7に記載の保存方法。
で表されるフルオロアルコールとの平衡状態として存在する、発明4に記載の保存方法。
[発明6]
フルオロアセトアルデヒド類が、2,2,2−トリフルオロアセトアルデヒド(フルオラール)である、発明1乃至5の何れかに記載の保存方法。
[発明7]
フルオロアセトアルデヒド類と無水フッ化水素からなる付加体を反応容器に導入した後、空気もしくは窒素雰囲気下にて保存する工程を更に含む、発明1乃至6の何れかに記載の保存方法。
[発明8]
保存する際の温度を−40℃〜40℃とする、発明7に記載の保存方法。
本発明におけるフルオロアセトアルデヒド類に対する無水フッ化水素の混合により、長期保存が可能となり、それにより、種々の有機反応を行うにあたり、反応前の使用毎のフルオロアセトアルデヒド類の調製が不要となるという効果を奏する。
以下、本発明を詳細に説明する。本発明は以下の実施態様に限定されるものではなく、本発明の趣旨を損なわない範囲で、当業者の通常の知識に基づいて、適宜実施することができる。
式[1]で表されるフルオロアセトアルデヒド類におけるR1とR2はそれぞれ独立に水素原子、フッ素原子を表し、具体的な化合物についてはフルオロアセトアルデヒド、ジフルオロアセトアルデヒド、トリフルオロアセトアルデヒドが挙げられる。これらのうち、例えば、トリフルオロアセトアルデヒドは、前述の非特許文献や特許文献に記載の公知の方法で調製することができる。
本発明で用いる無水フッ化水素の添加量は、フルオロアセトアルデヒド類100質量部に対し、通常2質量部〜2000質量部であり、好ましくは10質量部〜1000質量部、更に好ましくは20質量部〜500質量部である。2質量部より無水フッ化水素の添加量が少ない場合には、十分な安定化効果が得られない場合がある。また、2000質量部以上の無水フッ化水素を添加しても同様の安定効果は期待できるが、生産性や経済性の面から好ましくない。
無水フッ化水素を添加する際の温度は通常、−40℃〜40℃であるが、好ましくは−20℃〜20℃の範囲である。添加する無水フッ化水素の沸点は19.5℃と低いため、操作性を考えた場合、20℃以下の低温で取り扱った方が好ましい。フルオロアセトアルデヒド類と無水フッ化水素を一度に混合することもできるが、フルオロアセトアルデヒド類または無水フッ化水素のどちらか一方を予め容器に計り取った後、もう一方を逐次的または連続的に導入すると、反応温度の上昇を抑えることが可能であり、好ましい。
本発明では、フルオロアセトアルデヒド類と無水フッ化水素からなる付加体が、式[2]で表されるフルオロアルコールとして存在し(例えば、フルオラールの場合は1,2,2,2−テトラフルオロエタノールとして存在)、長期の保存が可能となる。
本発明ではフルオロアセトアルデヒド類および無水フッ化水素の適切な量を計量し、容器内にて混合後、空気もしくは窒素等の不活性ガスの雰囲気下にて保存する。保存する際に用いる容器は、低沸点な酸性物質が安全に取り扱うことができるステンレス鋼、ハステロイTM、白金、炭素、フッ素樹脂またはこれらをライニングした耐圧反応容器が好ましい。また、保存する際の圧力については特に制限はないが、空気もしくは窒素等の不活性ガスを導入して常圧下で保存を行うか、あるいは加圧条件下にて保存を行うこともできる。
フルオロアセトアルデヒド類と無水フッ化水素を混合した後の保存温度は通常、−40℃〜40℃であるが、好ましくは−20℃〜20℃の範囲である。無水フッ化水素の沸点は19.5℃であることより、操作性を考慮した場合、それ以上の高温で保存するメリットは少ない。40℃を超える温度で保存を行った場合、フルオロアセトアルデヒドが気化することがある。この場合は前記耐圧反応容器を用いて、容器内を不活性ガス雰囲気にした後、密閉して加圧条件で反応を行うのが好ましい。但し、40℃を超える温度で保存を行うメリットは少ない。
なお、本発明は上記保存後の該組成物を、蒸留することにより、高純度のフルオロアセトアルデヒド類を回収することができる。例えば、常圧下、フルオロアセトアルデヒド類と無水フッ化水素からなる付加体の調製で用いた過剰量の無水フッ化水素を、蒸留で取り除いた後、残った無水フッ化水素を公知の方法を参考に、フッ化ナトリウム等の金属フッ化物等で取り除くことで、フリー(遊離)のフルオロアセトアルデヒド類が生成する。それをドライアイス等で冷却した捕集器で回収することで、高純度のフルオロアセトアルデヒド類を単離することができる(例えば、英国特許第1036870号明細書を参照)。蒸留装置、蒸留操作、蒸留温度及び蒸留時の圧力に関しては特に制限はなく、当業者が適宜調整できる。
なお、前述した方法で調製したフルオロアセトアルデヒド類と無水フッ化水素からなる付加体は、前述したように、フルオロアルコールとの間で平衡状態が形成されているが、フルオラールを出発原料とした各種有機反応に、当該組成物を利用することが可能である。例えば、後述の参考例1に示すように、オルトギ酸トリメチルとの反応に、該組成物をフルオラールとして取り扱うことが可能であり、反応は良好に進行する(収率84%)。このことは、無水フッ化水素の存在下、フルオロアセトアルデヒド類とフルオロアルコールとの間で平衡状態が保たれている一方、オルトギ酸トリメチルとの反応の際、平衡状態がフルオロアセトアルデヒド類側に傾き、その結果、フルオロアセトアルデヒド類とオルトギ酸トリメチルとの反応が進行しやすくなったものと推測される。この結果は、使用する度にフリーのフルオロアセトアルデヒド類を調製する必要がなく、工業的に生産する上で極めて効率的と言える。
[実施例]
以下、実施例により本発明を詳細に説明するが、これらの実施態様に限られない。
[実施例]
以下、実施例により本発明を詳細に説明するが、これらの実施態様に限られない。
温度計を備えた250mlのテトラフルオロエチレン・パーフルオロアルキルビニルエーテル共重合体(PFA)反応器にポリテトラフルオロエチレン製の攪拌子を入れ、無水フッ化水素44.4g(2.22mol、81質量部)を量り取り、氷冷した。また別途、公知の方法(有機合成化学協会誌(日本)、1999年、57巻、10号、102−103ページ)で調製したフルオラール54.5g(555mmol、100質量部)を先の無水フッ化水素へ内温1.1℃から21.0℃にて連続的に吸収させた。その後、得られたフルオラールと無水フッ化水素からなる付加体を100mlのステンレス鋼シリンダー容器に移液し、20℃付近にて密閉保存した。保存開始直後、3日後、1週間後、2週間後、そして1ヵ月後と19F−NMRにて組成物の保存安定性を確認したが、全く重合の進行は認められなかった。また、19F−NMRの積分比より、フルオラールと無水フッ化水素からなる付加体は、ほぼ定量的にアルコール体である1,2,2,2−テトラフルオロエタノールへ変換していることが確認された。
[物性データ]
1,2,2,2−テトラフルオロエタノール:
19F−NMR(400MHz,CFCl3)δ(ppm):−85.82(3F,s),−137.95(1F,d,J=54.9Hz)
無水フッ化水素:
19F−NMR(400MHz,CFCl3)δ(ppm):−193.37(1F,s)
[物性データ]
1,2,2,2−テトラフルオロエタノール:
19F−NMR(400MHz,CFCl3)δ(ppm):−85.82(3F,s),−137.95(1F,d,J=54.9Hz)
無水フッ化水素:
19F−NMR(400MHz,CFCl3)δ(ppm):−193.37(1F,s)
実施例1とは異なる公知の方法(特開昭60−185741号公報)にて調製したフルオラール81.9kg(836mol、100質量部)、無水フッ化水素58.3kg(2.9kmol、71質量部)、そして塩化水素2.1kg(58.5mol、2.6質量部)を含む反応粗体を200Lステンレス鋼容器内、−10℃付近にて密閉保管した。1週間の保存期間内にて目立った重合の進行は認められなかった。
[比較例1]
公知の方法(有機合成化学協会誌(日本)、1999年、57巻、10号、102−103ページ)で調製したフルオラール9.8g(100mmol)を100mlのステンレス鋼シリンダー容器を用いて無溶媒条件下、冷凍保管(−18℃)したところ、1日経過後には白色のフルオラール重合物へ変換していた。生成したポリマーは、一般的な有機溶媒(テトラヒドロフランやアセトン)に不溶な超高分子量体であった。
公知の方法(有機合成化学協会誌(日本)、1999年、57巻、10号、102−103ページ)で調製したフルオラール9.8g(100mmol)を100mlのステンレス鋼シリンダー容器を用いて無溶媒条件下、冷凍保管(−18℃)したところ、1日経過後には白色のフルオラール重合物へ変換していた。生成したポリマーは、一般的な有機溶媒(テトラヒドロフランやアセトン)に不溶な超高分子量体であった。
[比較例2]
公知の方法(有機合成化学協会誌(日本)、1999年、57巻、10号、102−103ページ)で調製したフルオラール9.8g(100mmol、100質量部)に10.0g(139mmol、102質量部)のテトラヒドロフランを添加して100mlのステンレス鋼シリンダー容器を用いて冷蔵保管(5℃)したところ、1日経過後には粘性の高いフルオラール重合物へ変換していた。生成した重合物の一部をゲル浸透クロマトグラフィー(以下、GPCと記す)にて分子量測定してみたところ、平均分子量32万のポリマーであることを確認した。
公知の方法(有機合成化学協会誌(日本)、1999年、57巻、10号、102−103ページ)で調製したフルオラール9.8g(100mmol、100質量部)に10.0g(139mmol、102質量部)のテトラヒドロフランを添加して100mlのステンレス鋼シリンダー容器を用いて冷蔵保管(5℃)したところ、1日経過後には粘性の高いフルオラール重合物へ変換していた。生成した重合物の一部をゲル浸透クロマトグラフィー(以下、GPCと記す)にて分子量測定してみたところ、平均分子量32万のポリマーであることを確認した。
[比較例3]
公知の方法(有機合成化学協会誌(日本)、1999年、57巻、10号、102−103ページ)で調製したフルオラール9.8g(100mmol、100質量部)に10.0g(139mmol、102質量部)のテトラヒドロフランを添加して100mlのステンレス鋼シリンダー容器を用いて20℃付近で保存したところ、1日経過後には粘性の高いフルオラール重合物へ変換していた。生成した重合物の一部をGPCにて分子量測定してみたところ、平均分子量21万のポリマーであることを確認した。
公知の方法(有機合成化学協会誌(日本)、1999年、57巻、10号、102−103ページ)で調製したフルオラール9.8g(100mmol、100質量部)に10.0g(139mmol、102質量部)のテトラヒドロフランを添加して100mlのステンレス鋼シリンダー容器を用いて20℃付近で保存したところ、1日経過後には粘性の高いフルオラール重合物へ変換していた。生成した重合物の一部をGPCにて分子量測定してみたところ、平均分子量21万のポリマーであることを確認した。
以下、実施例と比較例を表1にまとめる。
[参考例1]
実施例2にて1週間の保存期間を経た、フルオラール81.9kg(836mol、1.00当量)を含有する無水フッ化水素溶液142.3kgを用いて、オルト蟻酸トリメチル88.0kg(831mol、0.99当量)を用いるα−フルオロエーテル化反応を200Lステンレス鋼容器内にて実施したところ、反応後の19F−NMRの定量収率は84%であり、全く保存期間を有していないフルオラールを用いた場合と同等の定量収率にて反応を行うことが可能であった。
実施例2にて1週間の保存期間を経た、フルオラール81.9kg(836mol、1.00当量)を含有する無水フッ化水素溶液142.3kgを用いて、オルト蟻酸トリメチル88.0kg(831mol、0.99当量)を用いるα−フルオロエーテル化反応を200Lステンレス鋼容器内にて実施したところ、反応後の19F−NMRの定量収率は84%であり、全く保存期間を有していないフルオラールを用いた場合と同等の定量収率にて反応を行うことが可能であった。
本発明で対象とするフルオロアセトアルデヒド類、特にトリフルオロアセトアルデヒドは医農薬中間体および高機能性材料として利用できる。
Claims (8)
- 無水フッ化水素の添加量がフルオロアセトアルデヒド類100質量部に対して2質量部〜2000質量部である、請求項1に記載の保存方法。
- 無水フッ化水素を添加する際の温度を−40℃〜40℃とする、請求項1または請求項2に記載の保存方法。
- フルオロアセトアルデヒド類と無水フッ化水素を混合させることにより、フルオロアセトアルデヒド類と無水フッ化水素からなる付加体を形成する工程を更に含む、請求項1乃至3の何れかに記載の保存方法。
- フルオロアセトアルデヒド類が、2,2,2−トリフルオロアセトアルデヒド(フルオラール)である、請求項1乃至5の何れかに記載の保存方法。
- フルオロアセトアルデヒド類と無水フッ化水素からなる付加体を反応容器に導入した後、空気もしくは窒素雰囲気下にて保存する工程を更に含む、請求項1乃至6の何れかに記載の保存方法。
- 保存する際の温度を−40℃〜40℃とする、請求項7に記載の保存方法。
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