JPH0661919B2 - 磁気記録媒体用ポリエステルフィルム - Google Patents

磁気記録媒体用ポリエステルフィルム

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JPH0661919B2
JPH0661919B2 JP2043704A JP4370490A JPH0661919B2 JP H0661919 B2 JPH0661919 B2 JP H0661919B2 JP 2043704 A JP2043704 A JP 2043704A JP 4370490 A JP4370490 A JP 4370490A JP H0661919 B2 JPH0661919 B2 JP H0661919B2
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Description

【発明の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 本発明は、磁気記録媒体用ポリエステルフィルムに関す
る。詳しくは、本発明は高密度磁気記録媒体用ベースフ
ィルムに好適な、耐摩耗性、平坦性および易滑性の優れ
た磁気記録媒体用ポリエステルフィルムに関する。
〔従来の技術および発明が解決しようとする課題〕
従来ポリエステルフィルムは、機械的特性、耐薬品性、
耐熱性、耐候性等が優れるため、各種産業において広く
利用されている。就中、二軸延伸ポリエチレンテレフタ
レートフィルムは他のフィルムに比べ、特に平面性、機
械的強度及び寸法安定性等に優れるので磁気記録媒体の
基材として今や不可欠なものとなっている。
一方、近年、磁気記録媒体の改良が急速な勢いで行なわ
れており、これに伴いベースフィルムに対する要求も一
段と厳しいものとなってきている。例えばビデオテープ
のような高密度の記録を要するものでは、磁性層表面が
極力平坦で記録再生用ヘッドとの間のスペーシングロス
を少なくすることが必要である。
一般に表面平滑性の良好な、表面粗度の小さいベースを
用いるならば、良好な電磁変換特性が得られるが、走行
性において種々の問題点が発生することとなる。すなわ
ち、フィルム表面が平坦になると、フィルムと接触する
部分との間で摩擦、摩耗が増大し、フィルムの傷付きや
摩耗粉等、種々の弊害を引き起こすことになる。フィル
ム製造工程を含む磁性層塗布工程以前の段階で摩耗粉が
発生すると、磁性層の塗布ヌケや磁性層表面への摩耗粉
転着によりドロップアウト増加の原因となるし、また、
磁性層表面を平坦化するために施されるカレンダー処理
工程で生ずる摩耗粉は、磁性層表面を粗らし電特低下の
原因となる。
ビデオテープにおいてはかかる問題を解消するため、磁
性層と反対面に易滑性付与を目的としたバックコート層
を設けることにより特性の改良がなされたきたが、バッ
クコート層を設けなくとも平坦易滑性を有するフィルム
が望まれていた。
バックコード層を設けなくとも平坦易滑性を有するフィ
ルムとして高級脂肪酸を添加したフィルムが知られてい
るが、磁性層を塗布した後では走行性が悪化してしま
い、実用化に至っていない。
また、磁性層側の表面を平坦にし、反対側の表面を粗面
化した表裏の面粗さの異なるベースフィルムとすること
により、高密度用フィルムを製造することが提案されて
いるが、かかるフィルムを用いた場合、テープ製造に際
し磁性層塗布後の巻き取り工程において、磁性層を設け
ない側のベース面形状が磁性層表面に形状転写する、い
わゆる裏移り現象を起こすため、ビデオテープレコーダ
ーでの記録再生用ヘッドのヘッドギャップ0.1μmのオ
ーダーと比べて、著しく粗れた磁性層面形状となり、目
的とする高い電磁変換特性が得られていないのが現状で
ある。
〔課題を解決するための手段〕
本発明者らは、優れた電磁変換特性および滑り性を有す
る磁気記録媒体用ポリエステルフィルムを提供すべく、
鋭意検討を重ねた結果、ある特定の構成を有するフィル
ムが磁気記録媒体用として極めて有用であることを見出
し、本発明を完成するに至った。
すなわち本発明の要旨は、表面粗さ(Ra)が0.010μ
m以下であるポリエステル層(A層)と、平均粒径0.05
〜3μm、粒径比1.2〜5.0の架橋高分子粒子を0.01〜4
重量%含有するポリエステル層(B層)とを積層してな
る磁気記録媒体用ポリエステルフィルムに存する。
以下、本発明を更に詳細に説明する。
本発明のフィルムを構成するポリエステルA層およびB
層におけるポリエステルとは、テレフタル酸、2,6−
ナフタレンジカルボン酸のような芳香族ジカルボン酸ま
たはそのエステルと、エチレングリコールとを主たる出
発原料として得られるポリエステルを指すが、他の第三
成分を含有していてもかまわない。この場合、ジカルボ
ン酸成分として、例えばイソフタル酸、フタル酸、2,
6−ナフタレンジカルボン酸、テレフタル酸、アジピン
酸、セバシン酸及びオキシカルボン酸成分、例えばP−
オキシエトキシ安息香酸等の一種又は二種以上を用いる
ことが可能である。グリコール成分としては、エチレン
グリコール、プロピレングリコール、ブタンジオール、
1,4−シクロヘキサンジメタノール、ネオペンチルグ
リコール等の一種又は二種以上を用いることができる。
いずれにしても本発明のポリエステルは繰り返し構造単
位の80%以上がエチレンテレフタレート単位を有する
ポリエステルであることが好ましい。
また、ポリエステルに任意の添加剤、例えば、熱安定
剤、ブロッキング防止剤、酸化防止剤、着色剤、耐電防
止剤、紫外線吸収剤などを含有させてもよい。
本発明のフィルムを構成するポリエステルA層は磁性層
と接する層であり、その表面の中心線平均粗さ(Ra)
は0.010μm以下であり、好ましくは0.007μm以下、更
に好ましくは0.005μm以下である。A層表面の中心線
平均粗さ(Ra)が0.010μmを越えるフィルムでは、
磁性層面形状が粗れたものとなり、記録再生用ヘッドと
の間のスペーシングロスが大きくなり、高い電磁変換特
性が得られなくなるため好ましくない。
本発明のフィルムを構成するポリエステルA層は、比較
的小粒径の不活性粒子を適量含有させることや、ポリエ
ステル層表面にコーティングを施すことにより、フィル
ム表面の中心線平均粗さ(Ra)を0.010μm以下にす
ることができる。
次に本発明のフィルムの最大の特徴であるポリエステル
B層の構成について説明する。ポリエステルの添加剤と
して常用されている無機粒子は、延伸時強い応力がかか
ってもそれ自身変形することなく、粒子周辺に空隙を生
じてしまう。空隙が生じるとフィルム表面が摩耗された
とき、そこを開始点として粒子がフィルムから容易に剥
離してしまう。この現象は、比較的にポリエステルとの
親和性の優れる有機粒子の中でも耐熱性を優先させた高
架橋度の粒子の場合には、同じように生ずる。フィルム
製造工程を含む磁性層塗布工程以前の段階で上記現象が
発生すると磁性層塗布ヌケや磁性層表面への摩耗粉転着
によりドロップアウト増加の原因となるし、また、テー
プ製造に際し磁性層塗布後の巻き取り工程において、磁
性層を設けない側のベース面形状が磁性層表面に形状転
写する、いわゆる裏移り現象を起こすため、磁性層表面
を粗らし高い電磁変換特性が得られなくなる。
しかしながら、本発明者が知見したところによれば、ポ
リエステルと比較的なじみが良く、しかも延伸追随性が
あり、フィルム中である特定の変形度を有する架橋高分
子粒子の場合には、粒子周辺の空隙の発生が少なくなる
ため耐摩耗性に極めて優れ、更に裏移り現象による影響
は極めて軽微であることが明らかとなった。なお、粒子
の変形度とは、フィルム中に存在する粒子の最大径と最
小径との粒径比を指す(詳細な定義は後述)。
延伸前、例えば、球形であった粒子からフィルム中でか
かる変形度を有する粒子を得るためには、架橋高分子粒
子自身の変形のしやすさと、延伸条件との適度な組み合
わせを必要とする。
すなわち、比較的変形が容易な架橋高分子粒子の場合
は、穏やかな延伸条件、例えば、比較的高温で低倍率で
延伸したとしても変形度は大きくなる。逆に比較的変形
し難い架橋高分子粒子の場合には、本発明の変形度を得
るには強い延伸応力を与える必要がある。
いずれにしても本発明においては、延伸前粒径比が通常
1.0〜1.1である架橋高分子粒子に延伸応力を作用させる
ことにより、変形度(すなわちフィルム中の粒子の粒径
比)1.2〜5.0、好ましくは1.3〜4.0、更に好ましくは1.
3〜3.0の粒子とする。
本発明で用いることのできる架橋高分子粒子の典型的な
例としては、適度な架橋構造を有する高分子微粉体を挙
げることができ、分子中に唯一個の脂肪族の不飽和結合
を有するモノビニル化合物(I)と、架橋剤として分子
中に2個以上の脂肪族の不飽和結合を有する化合物(I
I)との共重合体を例示することができる。この場合か
かる共重合体はポリエステルと反応し得る基を持ってい
てもよい。
共重合体の一成分である化合物(I)としては、アクリ
ル酸、メタクリル酸、及びこれらのアルキルまたはグリ
シジルエステル、無水マレイン酸及びそのアルキル誘導
体、ビニルグリシジルエーテル、酢酸ビニル、スチレ
ン、アルキル置換、スチレン等を挙げることができる。
また、化合物(II)としてはジビニルベンゼン、ジビニ
ルスルホン、エチレングリコールジメタクリレート等を
挙げることができる。化合物(I)及び(II)は各一種
以上用いるが、エチレンや窒素原子を有する化合物を共
重合させてもよい。
本発明ではこれらの中から、易変形性が得られるよう特
にその組成を選定することが好ましく、そのためには、
架橋高分子のガラス転移温度が低くなるよう、具体的に
は、95℃以下、好ましくは85℃以下、更に好ましく
は75℃以下となるよう共重合成分、特に、化合物
(I)を選定する。
かかる条件を満足するものとして、単一共重合成分のみ
でポリマーを得たとき、そのガラス転移温度が0℃以下
であるような化合物を導入することが好ましい。かかる
化合物の具体的な例としては、アクリル酸の炭素数6〜
12アルキルエステル、P位に炭素数6〜12のアルキ
ル置換基を有するスチレン誘導体を挙げることができる
が、これらに限定されるものではない。
また、架橋度も易変形性に大きな影響を与えるが、本発
明においては、耐熱性が許容される範囲で比較的架橋度
を低くしたものが好ましい。具体的には、共重合成分
(II)の重量比が0.5〜20%、好ましくは0.7〜15
%、更に好ましくは1〜15%の範囲とするのがよい。
なお、本発明においては、これら架橋高分子粒子の平均
粒径は、0.05〜3μm、好ましくは0.1〜1.5μmの範囲
である。
平均粒径が0.05μm未満では、フィルムの滑り性や耐摩
耗性の向上効果が不充分であるし、また、3μmを越え
るとフィルム表面粗度が大きくなり過ぎて、ベース面形
状が磁性層表面に形状転写する裏移り現象を起こし、著
しく粗れた磁性層形状となり、高い電磁変換特性が得ら
れないので好ましくない。
なお、本発明で用いる架橋高分子粒子は、その粒径分布
がシャープであることが好ましく、そのシャープさr
(定義は後述)は通常1.5以下、好ましくは1.4以下、更
に好ましくは1.3以下である。
また、かかる粒子のポリエステルに対する配合量は0.01
〜4重量%、好ましくは0.02〜0.5重量%の範囲であ
る。この配合量が0.01重量%未満では、滑り性や耐摩耗
性が充分に発揮されないし、一方、4重量%を越えると
フィルム表面粗度が大きくなり過ぎて、ベース面形状が
磁性層表面に形状転写する裏移り現象を起こすため好ま
しくない。
本発明のフィルムのポリエステルB層に架橋高分子粒子
を配合する方法は、特に限定されるものではなく、公知
の方法を採用し得る。例えば、ポリエステル製造工程の
いずれかの段階、好ましくはエステル化、エステル交換
反応終了後重縮合反応開始前の段階でエチレングリコー
ルスラリーとして添加し重縮合反応を進めてもよいし、
また粒子とポリエステルチップとを直接ブレンドしても
よい。また、必要に応じ本発明の趣旨を損なわない範囲
で他の粒子、例えば、カオリン、タルク、二酸化ケイ
素、炭酸カルシウム、二酸化チタン、ゼオライト、酸化
アルミニウム等を配合してもよい。
なお、ポリエステルA層に、ポリエステルB層を積層す
る方法としては、ポリエステルAとBを公知の溶融積層
用押出機に供給しフィードブロックタイプの共押出装置
により、口金前で複合化した後、同一口金内で2層にす
る方法、あるいは、マルチマニホールドタイプの共押出
装置により、口金内で2層積層するなどして一体複合化
する方法が採用される。得られた積層シートはキャステ
ィングドラム上に冷却固化させて、2層からなる未延伸
ポリエステルシートを製造する。この際、静電気密着法
等の公知のキャスティング方法を採用するのが好まし
い。
このようにして得たシートは、80〜130℃で縦、横
方向に面積倍率で4〜20倍となるよう逐次二軸延伸あ
るいは同時に延伸し、二軸延伸フィルムを得る。この
際、フィルムと磁性層との接着性を向上させるため、横
延伸前に水溶性樹脂又はエマルジョンをポリエステルA
層表面に塗布した後、延伸に供することは、極めて好ま
しい方法である。
横延伸により得られた二軸延伸フィルムは、必要に応じ
て縦及び/又は横に再延伸した後、熱固定する。熱固定
に際しては、必要とする特性に応じて、幅出し、幅方向
弛緩等の処理を行なってもよい。また、昇温、冷却を繰
返して2段以上の熱固定を行なってもよい。
なお、ポリエステルA層とB層との厚み比は特に限定さ
れないが、通常、全層に対するポリエステルB層の割合
は5〜80%、好ましくは20〜50%の範囲から選ば
れる。
また、本発明の要旨を越えない限り、ポリエステルA層
とB層とを中間層を介して積層してもよい。
以上述べたように、本発明のフィルムはこれまでにない
独特の技術的思想に基き、磁性層表面が極力平坦で、磁
性層を設けない側のベース面形状が磁性層表面に形状転
写する、いわゆる裏移り現象による電磁変換特性低下の
極めて少ない高密度磁気記録媒体用ベースフィルムであ
る。
〔実施例〕
以下、本発明を実施例により更に詳細に説明するが、本
発明はその要旨を越えない限り、以下の実施例に限定さ
れるものではない。なお、実施例及び比較例中「部」と
あるは「重量部」を示す。
また、本発明で用いた測定法を以下に示す。
(1)平均粒径 走査型電子顕微鏡にて粒子を観察し、粒子ごとに最大径
と最小径を求め、その相加平均を粒子一個の粒径(直
径)とした。粒子群の平均粒径はかかる粒径の等価球換
算値の体積分率50%の点の粒径(直径)を指す。
(2)粒度分布のシャープさr 平均粒径の測定と同様にして粒度分布を求めた。等価球
分布における大粒子側から積算を行ない、下記式から、
粒度分布のシャープさrを算出した。
なお、rの値は、1.0に近いほどシャープである。
(3)粒径比(粒子変形度) フィルム小片をエポキシ樹脂にて固定成形した後、ミク
ロトームで切断し、フィルムの長手方向の断面を観察し
た。フィルム表面から5μm以内に存在する粒子につ
き、粒子ごとに最大径と最小径を求めその比を算出し
た。少なくとも100個の粒子についてこの値を求めそ
の相加平均を粒径比(粒子変形度)とした。
(4)ポリエステルに添加する粒子の粒径比 走査型電子顕微鏡にてポリエステルに配合する粒子を観
察し、粒子ごとに最大径と最小径を求めその比を算出し
た。少なくとも100個の粒子についてこの値を求めそ
の相加平均を粒径比とした。
(5)表面粗さ(Ra) 中心線平均粗さRa(μm)をもって表面粗さとした。
(株)小坂研究所社製表面粗さ測定機(SE−3F)を
用いて次のようにして求めた。すなわち、フィルム断面
曲線からその中心線の方向に基準長さL(2.5mm)の部分
を抜き取り、この抜き取り部分の中心線をx軸、縦倍率
の方向をy軸として粗さ曲線y=f(x)で表わしたと
き、次の式で与えられた値を〔μm〕で表わし、中心線
平均粗さは、試料フィルム表面から10本の断面曲線を
求め、これらの断面曲線から求めた抜き取り部分の中心
線平均粗さの平均値で表わした。なお、触針の先端半径
は2μm、荷重は30mgとし、カットオフ値は0.08mmと
した。
(6)滑り性 ASTM D1894−63の方法に準じて摩擦係数を
測定し、滑り性の尺度とした。
(7)耐摩耗性 1/2インチにスリットしたフィルムを巻き付け角135
°で6mmφの硬質クロム製固定ピンに接触させ200m
走行させ、固定ピンに付着した摩耗白粉量を目視で評価
し次の4ランクに分けた。
ランクA:全く白粉がない ランクB:微量付着あり ランクC:少量付着あり(ランクBとDの中間) ランクD:多量の付着あり なお、フィルムの走行速度は10m/分とし、張力は2
00gとした。
(8)磁気テープ特性 まず、次に示す磁性塗料をポリエステルフィルムに塗布
し、乾燥後の膜厚が2μmとなるように磁性層を形成し
た。すなわち、磁性微粉末200部、ポリウレタン樹脂
30部、ニトロセルロース10部、塩酢ビ共重合体10
部、レシチン5部、シクロヘキサノン100部、メチル
イソブチルケトン100部、及びメチルエチルケトン3
00部をボールミルにて48時間混合分散後ポリイソシ
アネート化合物5部を加えて磁性塗料とし、これをポリ
エステルフィルムに塗布した後、塗料が充分乾燥固化す
る前に磁気配向させ、その後乾燥キュアリングした。更
に、塗布フィルムをスーパーカレンダーにて表面処理
し、1/2インチ幅にスリットしてビデオテープとした。
このビデオテープを松下電器(株)製NV−3700型
ビデオデッキにより、常速にて下記の磁気テープ特性を
評価した。
(i)電磁変換特性(VTRヘッド出力) シンクロスコープにより測定周波数4メガヘルツに於け
るVTRヘッド出力を測定し、4段階評価した。
(ii)ドロップアウト 4.4メガヘルツの信号を記録したビデオテープを再生
し、大倉インダストリー(株)製ドロップアウトカウン
ターにて15μsec−20dBにおけるドロップアウト数
を約20分間測定し、良好なものは○、不良のものを×
とした。
実施例−1 (架橋高分子粒子の製造) 脱塩水120部に、過硫酸カリウム0.3部及び分散剤を
加えた後、エチレングリコールモノメタクリレート7
部、n−ブチルアクリレート3部、ジビニルベンゼン1
部を加え70℃で重合を行ない、7時間後、平均粒径0.
40μmの架橋高分子粒子()を得た。得られた粒子の
粒径比は1.04、rは1.2、ガラス転移温度は63℃であ
った。対で得られた架橋高分子粒子の水スラリーをスプ
レードライヤーを用いて乾燥し、含水率0.1%の粒子を
得た。
(ポリエステルフィルムの製造) 実質的に粒子を含まないポリエチレンテレフタレートの
ペレット100部に対し、先に得た架橋高分子粒子0.5
部を添加し、二軸混練機で充分に混練しマスターペレッ
トを得た。次いで、該マスターバッチ1部に対して実質
的に粒子を含まないポリエチレンテレフタレート4部を
混合し(ポリエステルB)、乾燥させた。次に、常法に
よって、表−1に示す粒子を含有するポリエチレンテレ
フタレートのペレットを製造し(ポリエステルA)乾燥
させた。ポリエステルAを押出機1に供給し、さらに、
ポリエステルBを押出機2に供給し、280℃で溶融し
マニホールド内で合流積層し、冷却ロールで急冷固化さ
せて厚さ200μmの二層構造の無定形フィルムを得
た。
次いで、得られた無定形フィルムを縦方向に85℃で3.
2倍、次いで、115℃で横方向に3.2倍延伸し、220
℃で熱固定して厚み20μの二軸配向ポリエステルフィ
ルムを得た。
得られたフィルム中の架橋高分子粒子は充分な程度分散
していた。このフィルムの特性、磁気テープ特性を他の
実施例及び比較例のそれと共にまとめて表−2に示す。
実施例−2 実施例−1の架橋高分子粒子の製造において、n−ブチ
ルアクリレートの代わりに、プロピルアクリレートを用
いて重合を行なう他は、実施例−1と同様にして架橋高
分子粒子()を得た。
得られた粒子は、平均粒径0.36μm、粒径比1.02、rは
1.2、ガラス転移温度は70℃であった。
次に、該粒子を用いて、ポリエステルに対する配合量を
0.20重量%とする他は、実施例−1と同様にして厚み2
0μの二軸配向ポリエステルフィルムを得た。
比較例−1 実施例−1の架橋高分子粒子の製造において、n−ブチ
ルアクリレート3部の代わりに、メチルメタクリレート
2部を、ジビニルベンゼン0.4部を4部にする他は、同
様にして架橋高分子粒子()を得た。
得られた粒子の平均粒径は0.27μm、粒径比は1.03、r
は1.1、ガラス転移温度は97℃であった。
次に、該粒子を用いて実施例−1と同様にして厚み20
μの二軸配向ポリエステルフィルムを得た。
比較例−2及び3 実施例−1において、架橋高分子粒子の代わりに表−1
に示す粒子及び配合量とする他は、実施例−1と同様に
して厚み20μの二軸配向ポリエステルフィルムを得
た。
以上得られた結果をまとめて下記表−2に示す。
本発明の要件を満たす実施例−1及び2のフィルムは、
いずれも滑り性、耐摩耗性に優れ、また特に形状転写す
る、いわゆる裏移り現象により発生する磁性層表面上に
粗面化が極めて軽微となり、磁気テープ特性において高
度に満足するレベルである。
これに対し比較例−1〜3のフィルムは、本発明の要件
を満たさない粒子を配合して成るフィルムの例である
が、耐摩耗性、磁気テープ特性に劣る。
〔発明の効果〕
以上、詳述したように、本発明のフィルムは滑り性、耐
摩耗性に優れ、また特に形状転写する、いわゆる裏移り
現象が極めて軽微となり、高密度磁気記録媒体用のベー
スフィルムとして有用であり、その工業的価値は高い。

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】表面粗さ(Ra)が0.010μm以下である
    ポリエステル層(A層)と、平均粒径0.05〜3μm、粒
    径比1.2〜5.0の架橋高分子粒子を0.01〜4重量%含有す
    るポリエステル層(B層)とを積層してなる磁気記録媒
    体用ポリエステルフィルム。
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