JPH0661647U - 台 車 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【目的】 階段での昇降に使用する滑り板の着脱が非常
に簡単であり、平地用と階段用の切り換え作業に係る時
間並びに労力を最小限に抑えることが出来る等、使い勝
手に優れ実用性に即した台車を提供する。 【構成】 各車輪の車輪軸を外方向に突設して各突出軸
を形成し、左右一対の滑り板の上面部に前後突出軸に係
合する横溝を各々刻設すると共に、突出軸に係合させた
状態で滑り板を係止固定する止め具を各々付設し、左右
の前後突出軸に対して各滑り板が着脱自在な如く形成し
たことを特徴とする。

Description

【考案の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】

本考案は、階段の昇降に極めて有効であり、把手パイプの折り畳みも簡単に行 える各種荷物の運搬に利用される中型の台車に関するものである。

【０００２】

【従来の技術】

従来より手押し車と呼ばれている中型の台車は、小回りが容易で適量の荷物を 載置出来るものであり、例えばトラックから店舗や倉庫までの運搬など、近距離 の簡易運搬具として各種方面で多用されており、各種荷物を運搬する業者にとっ ては当該荷物を効率良く運ぶために必要不可欠なものとなっている。

【０００３】

【考案が解決しようとする課題】

しかし、従来の台車では階段の昇降による運搬が極めて困難であり、例えば荷 物を地下街の店舗に運ぶ場合、階段の上で荷物を台車から一々降ろして、階段の 下で台車に再度積み込むといった面倒な作業を行わなければならず、実際に階段 を使って荷物を運搬する場合には余分な労力を要し、且つ運搬時間も長くなり作 業能率を低下させることになっていた。尚、階段以外のところでは通常の機能（ 小回り等）が働かなければならず、昇降用として補助具を装着する場合、実用性 の面から当該補助具の着脱が容易であって、平地用、階段用の切り換え作業が簡 単であるといった必要がある。又、従来より、把手パイプを荷台側へ倒して折り 畳んだ状態とし、荷物運搬の終了後において元の場所まで戻る時に手で携帯し易 くしたり、トラックの荷台等に収納し易くした折り畳み自在な台車は多数あるが 、当該台車の把手パイプの基部にはバネが介在されており、構造が複雑となった り且つ余分な部材が必要となったり、更にバネ弾性の低下によってスムーズに把 手パイプの折り畳み動作が行われなくなるといった不都合な面があった。

【０００４】 本考案は上記の点に鑑みなされたものであって、階段の昇降時に使用する滑り 板の着脱が非常に簡単であり、切り換え作業に係る時間並びに労力を最小限に抑 えることが出来る、一方、把手パイプの折り畳み（前倒し）に関しても簡単な構 造で効果的な折り畳み動作を行うことが出来る等、使い勝手に優れ実用性に即し た台車を提供することを目的とする。

【０００５】

【課題を解決するための手段】

上記目的を達成するための本考案の台車は、各車輪の車輪軸を外方向に突設し て各突出軸を形成し、左右一対の滑り板の上面部に前後突出軸に係合する横溝を 各々刻設すると共に、突出軸に係合させた状態で滑り板を係止固定する止め具を 各々付設し、左右の前後突出軸に対して各滑り板が着脱可能な如く形成したこと を特徴とし、又、把手パイプの立設状態を保持する保持片を有し、把手パイプの 下部位置に配した横架軸を挿通させるガイド孔を具備してなる保持部材を荷台の 左右位置に各々固設し、ガイド孔は横架軸の上下スライド移動が自在な縦孔と最 下部で横架軸を係止させる横孔から成り、横架軸がガイド孔上部へ移動した際に 把手パイプ下端部が前記保持片から離脱する如く該ガイド孔を略Ｌ字形状に穿設 したことを特徴とするものである。

【０００６】

【作用】

以上の如く本考案の台車であれば、荷物を積んだ状態で階段を昇降する際、滑 り板上面の横溝が車輪の突出軸に係合するように滑り板を所要位置に持っていき 、その状態を止め具によって係止固定させるだけで良く、左右一対の各滑り板を 左右の車輪位置に簡単に装着することが出来る。よって、このまま階段を昇降す れば、滑り板の底面が階段の各踏み板の先端部に当接するから、台車を滑らせな がら容易に移動させることが出来る。又、階段の昇降移動が終わった段階で、止 め具を外せば、各突出軸に係合している各横溝部分が離脱して各滑り板は下方へ 落下するから、簡単に各滑り板を取り外すことが出来るものであり、迅速に水平 面（若しくは傾斜面）の通路での運搬に切り換えることが出来る。よって、滑り 板の取り付け作業、取り外し作業は非常に楽であり、各作業に係る時間並びに労 力を最小限に抑えることが可能である。

【０００７】 又、運搬終了後に台車を持ち帰る際、左右の保持部材によって立設状態が保持 されている把手パイプ部分を前倒して折り畳んだ状態とするが、この場合、先ず 把手パイプをやや後方に引いてガイド孔の横孔部分に位置して係止状態にある横 架軸を縦孔部分まで移動させ、次に把手パイプを上方まで持ち上げれば（すなわ ち横架軸をガイド孔の上部までスライド移動させれば）、把手パイプ下端部が保 持部材の保持片から離脱することとなり、横架軸を中心にして前方へ把手パイプ を回転させて荷台位置まで前倒しすれば良い。尚、使用時に把手パイプを立設状 態にする場合は、逆の作業を行えば良く、把手パイプを横架軸を中心として垂直 位置まで回転させて起立させ、横架軸をガイド孔の縦孔部分の最下部まで移動さ せた後、把手パイプをやや前方に押して横架軸がガイド孔の横孔部分に移動する ようにすれば良い。よって、把手パイプの折り畳み手段に係る構造も非常に簡単 であり、バネ等の部材を使用せずに効果的な把手パイプの折り畳み並びに起立作 業を行うことが出来るものであり、運搬時だけでなく、運搬終了時の台車本体の 持ち運びや収納時等といった運搬作業に係る全般的な使用性を考慮した台車を供 することが出来る。

【０００８】

【実施例】

以下、本考案の実施例を図面に基づいて説明する。

【０００９】 図１は本考案の一実施例を示す斜視図、図２は滑り板を装着した状態を示す側 面図、図３は滑り板を離脱させた状態を示す側面図、図４は把手パイプの保持部 材を示す斜視図である。

【００１０】 図面において、１は滑り板で、台車Ａの荷台長さよりも多少長めの板材であり 、階段における台車Ａの昇降の際に、左右の車輪側部に装着して階段上を滑らせ るようにしたものである。各滑り板１の上面の前後２箇所には、車輪２の車輪軸 を外方向に突設してなる前後の突出軸３に係合する横溝１ａを各々刻設しており 、又、当該横溝１ａを各突出軸３に係合させた状態で滑り板１を係止固定する止 め具４を各々付設して、各滑り板１が左右の前後突出軸３に対して装着自在な如 く形成している。尚、横溝１ａの大きさについては特に限定するものではないが 、例えば、突出軸３に当接して適度な圧力で挟持することが可能な内径とするの が効果的である。又、滑り板１は装着時において各車輪２の下端部よりも上方に 滑り板１の下面が位置する如く滑り板１の厚みを形成しており、これによって、 滑り板１の取り外しの時に突出軸３からの横溝１ａの離脱が容易であり、且つ 階段の昇降終了間際の移動が各車輪２の転動によってスムーズに行える。

【００１０】 止め具４は基部を滑り板１の側面部に回動自在に軸着し、先端部に突出軸３に 係合する凹部４ａを形成したものであり、図２に示す如く、突出軸３に対して止 め具４の凹部４ａを係合させることで、止め具４を突出軸３に掛け止めるもので あって、滑り板１の落下を防止することが出来る。逆に階段昇降後、滑り板１を 取り外す時は、図３に示す如く、手で止め具４の凹部４ａを突出軸３から外せば 良く、後は滑り板を簡単に下方へ下げることが出来る。尚、本実施例では、止め 具４を滑り板１の側面部に設けて滑り板１のみで装着出来るようにしたが、無論 、台車Ａの荷台１０側に止め具を設けて滑り板１を係止固定させる手段を講じる ことも考えられる。

【００１１】 ５は把手パイプで、下方を開放するコの字状パイプの両下端部が保持部材７に よって保持されており、把手パイプ５の下部に保持部材７のガイド孔９に挿通す る横架軸６を設けたものである。保持部材７は、台車Ａの荷台１０の左右位置に 各々固設したものであり、把手パイプ５の立設状態を保持する保持片８ａを下部 の前後位置に形成すると共に、ガイド孔９を穿設してなる縦長の保持片８ｂを外 面側に形成したものである。

【００１２】 ガイド孔９は、横架軸６を上下移動させる縦孔と最下部で横架軸６を係止させ るべく前方向に延長した横孔とから成る略Ｌ字形状のガイド孔であり、横架軸６ はガイド孔９の範囲で移動でき、図５に示す如く、ガイド孔９の下部の横孔部分 に位置する時には、把手パイプ５の下端部が前後の保持片８ａによって保持され るから、把手パイプ５を立たせた状態に保持することが出来る。尚、この際、把 手パイプ５と前後保持片８ａとの隙間分だけは僅かに前後方向に傾けることが出 来る。従って、横架軸６をガイド孔９の縦孔の最下部に移動させるには、図６の 如く強制的に把手パイプ５を後方に傾けて横架軸６を移動させれば良く、逆に横 架軸６をガイド孔９の縦孔最下部から横孔部分に移動させるには強制的に把手パ イプ５を前方に傾ければ良い。又、図７の如く、横架軸６がガイド孔９の縦孔部 分の上部に位置する時には、把手パイプ５の下端部が前後保持片８ａから離脱す るものであり、この状態にすることによって、把手パイプ５が横架軸６を中心と して前後に回動自在となり、容易に荷台方向へ前倒して折り畳み状態とすること が出来るものである。

【００１３】

【考案の効果】

以上説明してきた如く本考案によれば、階段における昇降を非常に楽にするこ とが出来、而も昇降時に使用する滑り板の着脱作業が簡単に行えるため手軽に利 用することが出来るものであり、又、運搬後に台車を持ち運ぶ際には把手パイプ 部分を簡単に折り畳んでコンパクトにすることが出来、台車の持ち運びを容易な らしめると共に他の邪魔にもならない等、種々の点で実用面を考慮した台車であ ると言え、日常的に台車による運搬作業を行っている者にとっては多大な効果を 奏するものである。更に、本考案の台車は複雑な構造とせずに可能な範囲で構造 を単純化しているので、生産コストも低価で済み、大量生産にも適しており、需 要者に対して安価に提供することが出来、その商品的価値は極めて高いものであ る。

【図面の簡単な説明】

【図１】本考案の一実施例を示す斜視図。

【図２】滑り板を装着した状態を示す側面図。

【図３】滑り板を離脱させた状態を示す側面図。

【図４】把手パイプの保持部材を示す斜視図。

【図５】横架軸がガイド孔の横孔部分に位置した状態を
示す側面図。

【図６】横架軸がガイド孔の縦孔部分に移動した状態を
示す側面図。

【図７】横架軸がガイド孔の縦孔部分の上部に移動した
状態を示す側面図。

【符号の説明】

１ 滑り板 ３ 突出軸 ４ 止め具 ５ 把手パイプ ６ 横架軸 ７ 保持部材 ９ ガイド孔 Ａ 台車

Claims (3)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】各車輪の車輪軸を外方向に突設して各突出
   軸を形成し、左右一対の滑り板の上面部に前後突出軸に
   係合する横溝を各々刻設すると共に、突出軸に係合させ
   た状態で滑り板を係止固定する止め具を各々付設し、左
   右の前後突出軸に対して各滑り板が着脱可能な如く形成
   したことを特徴とする台車。
2. 【請求項２】把手パイプの立設状態を保持する保持片を
   有し、把手パイプの下部位置に配した横架軸を挿通させ
   るガイド孔を具備してなる保持部材を荷台の左右位置に
   各々固設し、ガイド孔は横架軸の上下スライド移動が自
   在な縦孔と最下部で横架軸を係止させる横孔から成り、
   横架軸がガイド孔上部へ移動した際に把手パイプ下端部
   が前記保持片から離脱する如く該ガイド孔を略Ｌ字形状
   に穿設したことを特徴とする台車。
3. 【請求項３】各車輪の車輪軸を外方向に突設して各突出
   軸を形成し、左右一対の滑り板の上面部に前後突出軸に
   係合する横溝を各々刻設すると共に、突出軸に係合させ
   た状態で滑り板を係止固定する止め具を各々付設し、左
   右の前後突出軸に対して各滑り板が着脱可能な如く形成
   し、把手パイプの立設状態を保持する保持片を有し把手
   パイプの下部位置に配した横架軸を挿通させるガイド孔
   を具備してなる保持部材を荷台の左右位置に各々固設
   し、ガイド孔は横架軸の上下スライド移動が自在な縦孔
   と最下部で横架軸を係止させる横孔から成り、横架軸が
   ガイド孔上部へ移動した際に把手パイプ下端部が前記保
   持片から離脱する如く該ガイド孔を略Ｌ字形状に穿設し
   たことを特徴とする台車。