JPH0713642U - ハンドル収納式ハンドカート - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【目的】ハンドカートを、平台車とハンドル付き台車と
を兼備することができるものとし、荷物の運搬と不使用
時の保管を効率的に行う。 【構成】台板２の下方に左右一対のガイドレール１，１
を台板２の押送方向に配置し、両ガイドレール１，１に
ガイド孔６，６を形成する。ハンドル３の左右両基部に
跨がってスライドロッド５を横架し、該スライドロッド
５を前記ガイド孔６，６に係合させる。ハンドル３の左
右両基部を差し込んでハンドル３を直立させるガイドス
タンド４，４を左右のガイドレール１，１に設ける。

Description

【考案の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】

本考案は、ハンドカート、詳しくは、ハンドルを台板の下方に収納し得るよう にしたハンドカートに関する。

【０００２】

【従来の技術】

従来、ハンドカートには、不使用時嵩張らないように、ハンドルを台板上に折 り畳むようにしたものがある。例えば、図６に示すように、逆Ｕ字状のハンドル Ａの直立状態における左右両側の下端と台板Ｂとの間に、所定の間隙が形成され るごとくハンドルＡを配置し、該ハンドルＡの左右両基部を台板Ｂ上の左右両側 にそれぞれ固定された２枚の支持板Ｃ，Ｃ間に位置させ、その下部を回動軸Ｆに より２枚の支持板Ｃ，Ｃにそれぞれ軸着している。

【０００３】 台板Ｂ上の左右両側にそれぞれ固定された支持板Ｃ，Ｃには、ハンドルＡの基 端直後（図６の左方）に相当する位置から下方に向う長孔Ｄ，Ｄをそれぞれ形成 し、両長孔Ｄ，Ｄに１本の支受ロッドＥを貫通させ、該支受ロッドＥの両端を長 孔Ｄの外方よりナット閉めし、１本の支受ロッドＥが長孔Ｄ，Ｄ内を移動できる ようにしている。

【０００４】 そして、ハンドルＡの左右両側の内側において、回動軸Ｆと支受ロッドＥとの 間にわたってコイルばねＧを装着し、支受ロッドＥを絶えず上方へ付勢するもの である。一方、ハンドルＡの左右両端直前（図６の右方）には、ストッパーＨが 配置されている。

【０００５】 ハンドルＡの左右両側の基端後部（図６の左方）に位置する１本の支受ロッド Ｅは、通常、コイルばねＧの引張力により図６の実線で示すように、台板Ｂ上の 左右両側にそれぞれ固定された２枚の支持板Ｃ，Ｃの長孔Ｄ，Ｄ内の上端内に位 置していて、この支受ロッドＥが回動軸Ｆを中心とするハンドルＡの時計方向（ 図６）の回動を阻止する。

【０００６】 一方、ハンドルＡの左右両側の基端前部（図６の右方）はストッパーＨに当接 していてこのストッパーＨが回動軸Ｆを中心とするハンドルＡの反時計方向（図 ６）の回動を阻止する。従って、ハンドルＡは直立状態に保たれ、ハンドルＡを 握ってハンドカートを移動させることができる。

【０００７】 ハンドルＡを台板Ｂ上に折り畳むに当たっては、支受ロッドＥを足で下方に踏 み付ける。すると、図６の矢視で示すように、コイルばねＧの引張力に逆らって 支受ロッドＥが長孔Ｄ，Ｄ内を下方に移動し、回動軸Ｆを中心とするハンドルＡ の時計方向（図６）の回動が阻害されなくなる。従って、ハンドルＡを前方（図 ６の右方）に押すとハンドルＡは、図６の鎖線で示すように、回動軸Ｆを中心と して回動し、ハンドルＡを台板Ｂ上に折り畳むことができる。

【０００８】 折り畳んだハンドルＡを直立させる場合は、支受ロッドＥを足で踏み付けなが ら前記とは反対にハンドルＡを起し、ハンドルＡの左右両側の基端前部（図６の 右方）をストッパーＨに当接させる。そして、支受ロッドＥを押え付けていた足 を離すと、支受ロッドＥはコイルばねＧの引張力により長孔Ｄ，Ｄ内を上方に移 動し、その上端内に位置することになる。すると、支受ロッドＥは、ハンドルＡ の左右両側の基端後部（図６の左方）に当接し、ハンドルＡは直立状態に保たれ る。

【０００９】

【考案が解決しようとする課題】

この種のハンドカートにあっては、ハンドルＡを折り畳んだとき、ハンドルＡ は台板Ｂ上にくるから、これが邪魔になって台板Ｂ上に荷物を安定した状態に積 むことができない。また、台板Ｂから大きく食み出るような荷物をハンドルＡを 直立させた状態で運ぶ場合、台板Ｂの四方のうちハンドルＡ側には荷物を食み出 させることができないから、バランスがとり難いという欠点がある。

【００１０】 本考案は、上記欠点を解消するために案出したもので、ハンドル付き台車とし て用いることができる外、ハンドルを台板の下方に収納した場合においては、い わゆる平台車となり、大きな荷物でもバランスよく積むことができるとともに、 不使用時には極めて省スペースで保管することができるハンドカートを提供する ことを目的とする。

【００１１】

【課題を解決するための手段】

本ハンドカートは、台板の下方に少なくとも２本のガイドレールを台板の押送 方向に配置し、ハンドルを台板に対してスライドさせ得るごとく前記ガイドレー ルにハンドルの基部を係合し、前記ガイドレールの後部に相当する位置にハンド ルを直立させるガイドスタンドを設ける。

【００１２】

【作用】

図１の実線で示すように、ハンドル３の基端部をガイドスタンド４に係合させ ると、ハンドル３は直立状態に保たれ、ハンドル３を握ってハンドカートを移動 させることができる。なお、この時、少なくとも２本のガイドレール１，１の後 端付近にハンドル３の基部が位置している。

【００１３】 ハンドル３を上方に引上げて少なくとも２本のガイドレール１，１の後部に相 当する位置に設けたガイドスタンド４，４から外しハンドル３を後方に倒してか ら前方へ押していくと、ハンドル３の基部と前記ガイドレール１，１とが係合し ているため、ハンドル３はガイドレール１，１に沿って前方（図１の右側）に移 動して、図１の鎖線で示すように、ハンドル３を台板２の下方に収納することが できる。

【００１４】 前記とは反対に、ハンドル３を少なくとも２本のガイドレール１，１に沿って 引き出した後上方へ起こし、ハンドル３の基部をガイドスタンド４に差し込むと 、ハンドル３を台板２に対して直立させることができる。

【００１５】 本考案においては、ハンドル３を台板２の下方に収納することができるから、 ハンドルが邪魔にならず、大きな荷物でもバランスよく運搬することができると ともに、不使用時には省スペースで保管することができる。このように、本ハン ドカートは、平台車とハンドル付き台車とを兼備できるので、荷物の運搬、ある いは不使用時の保管などを極めて効率的に行うことができる。

【００１６】

【実施例】

本校案ハンドル収納式ハンドカートを、添付図面の図１〜図５に基づいて説明 する。図１〜図４には、車輪付き台板２の下方に左右一対のガイドレール１，１ を台板２の押送方向に配置し、両ガイドレール１，１の後部側に、逆Ｕ字状のハ ンドル３を直立状態に保持するガイドスタンド４，４をそれぞれ設けるとともに 、逆Ｕ字状のハンドル３の両基部に横架した１本のスライドロッド５を両ガイド レール１，１の長手方向に形成したガイド孔６，６にそれぞれ係合させ、この係 合によりハンドル３を両ガイドレール１，１に沿ってスライド可能ならしめて台 板２の下方に収納することができるようにした実施例を示す。また、図５には、 別の実施例を示す。

【００１７】 本考案における台板、ガイドレール、およびハンドルは、硬質の合成樹脂材、 鉄鋼およびアルミニウム合金などの金属、あるいは木材など種々の材質とするこ とができる。

【００１８】 以下、図１〜図４に示すハンドカートについて詳細に説明する。 台板２の下面には、図４に示すよな左右一対のガイドレール１，１を、台板２ の押送方向（図１の左右方向）であって、図２のように両車輪の内側に配置し、 両ガイドレール１，１を台板２にネジ９止めして固定する。

【００１９】 逆Ｕ字状としたハンドル３には、図１，図２のように、左右両基部直前（図１ の右側）にスライドロッド５を横架する。そして、このスライドロッド５の両端 を前記ガイドレール１，１に形成した横Ｌ字状のガイド孔６，６にそれぞれ係合 させる。

【００２０】 左右一対のガイドレール１，１の後部に相当する位置には、図１〜図４にお いて４で示すガイドスタンドを設ける。このガイドスタンド４は、ハンドル３を 台板２に対して直立させるために、ハンドル３の左右両端部を差し込むためのも ので、その横断面形状は、ハンドル３のそれに合致させる。ガイドスタンド４は 、底のないものしても有底としてもよい。

【００２１】 左右一対のガイドレール１，１の後端部（図１の左方）には、両ガイドレール １，１間の中央位置に台板２の下方に収納したハンドル３がスライドして出て来 ないように横Ｌ字状の制止部７を設ける。図示例では、左右一対のガイドレール １，１の後端部間に跨がるごとく支持部材を配置し、この支持部材に横Ｌ字状の 制止部７を取り付けてある。

【００２２】 なお、台板２を、図３において１０で示すように、ガイドスタンド４の真上位 置において、後端（図１の左端）から内方に向けて切欠部を形成し、台板２の下 方からのハンドル３の出し入れをし易くするとともに、ハンドル３を直立させて 荷物を運搬する場合におけるハンドル３の支持部とするとよい。

【００２３】 図１の実線で示すように、逆Ｕ字状のハンドル３の両基端部を左右一対のガイ ドレール１，１の後部に設けたガイドスタンド４，４にそれぞれ係合させると、 ハンドル３は逆Ｕ字状の直立状態に保たれ、ハンドル３を握ってハンドカートを 移動させることができる。なお、この時、逆Ｕ字状のハンドル３の両基部に横架 した１本のスライドロッド５は、左右一対のガイドレール１，１の横Ｌ字状の一 連のガイド孔６，６のうち直角になっている部分に位置している。

【００２４】 本考案品を平台車として使用する場合および不使用時に保管する場合には、ハ ンドル３を図１の実線の状態から上方に引き上げて左右一対のガイドレール１， １に設けたガイドスタンド４，４から外す。そして、ハンドル３を後方へ倒して から前方へ押して行くと、逆Ｕ字状のハンドル３の両基部に横架した１本のスラ イドロッド５の両端部と左右一対のガイドレール１，１に形成したガイド孔６， ６とが係合しているため、ハンドル３は両ガイドレール１，１に沿って前方（図 １の右方）に移動し、図１の鎖線で示すように、ハンドル３を台板の下方に収納 することができる。

【００２５】 ハンドル３を台板２に対し直立させるには、前記とは反対に、ハンドル３を左 右一対のガイドレール１，１に沿って引き出した後上方へ起こし、ハンドル３の 左右両側基部をガイドレール１，１に設けたガイドスタンド４，４に差し込む。 すると、ハンドル３を台板２に対して直立させることができる。なお、このとき 、ガイドレール１に形成した横Ｌ字状の一連のガイド孔６の直角部分の外縁に、 図４において８で示すように、半円状に切欠した掛止部をそれぞれ形成しておく と、ハンドル３を直立させた場合において、１本のスライドロッド５の両端部が 両掛止部８，８内に嵌合するから、ハンドル３はより安定して直立することにな る。また、ガイドレール１の横Ｌ字状のガイド孔６の直角部分の内縁を円弧状に しておくと、台板２の下方からのハンドル３の出し入れがし易くなる。

【００２６】 図１〜図４に示す実施例においては、スライドロッド５がハンドル３の左右両 基部にわたって横架され、このスライドロッド５がガイドレール１，１に形成し た横Ｌ字状のガイド孔６，６に係合していて、ハンドル３の左右両基部は左右一 対のガイドレール１，１の外方に位置しているが、スライドロッド５をハンドル ３の両基部に跨がらせる必要はなく、少なくともハンドル３の両基部にスライド ロッド５が形成されていて、これが左右一対のガイドレール１，１のガイド孔６ ，６に係合しておればよく、また、ハンドル３の左右両基部を左右一対のガイド レール１，１の内方に位置させるようにしてもよい。ハンドル３の左右両基部を 左右一対のガイドレール１，１の内方に位置させた場合、それに応じてガイドス タンドの位置も変更する必要があることは勿論である。

【００２７】 図５は、ハンドル3aをＴ字状とし、その基部が図１〜図４における逆Ｕ字状の ハンドル３の場合の２本に対して１本となる場合の実施例を示す。この場合には 、ガイドスタンド4aを左右一対のガイドレール1a，1aの後端部（図５の紙面に対 して手前）に位置させ、しかも、車輪付き台板2aの下方へ収納するときのハンド ル3aが左右一対のガイドレール1a，1aの内側を移動し得るようにする。このよう に、図５に示す実施例の場合には、ハンドル3aの基部が１本であって、それに応 じてこの基部を差し込むためのガイドスタンド4aも１つしか存在しない点で、図 １〜図４に示す実施例の場合と異なる。

【００２８】 上記両実施例においては、ガイドレール１もしくは1aに横Ｌ字状のガイド孔６ を形成し、ハンドル３もしくは3aに設けたスライドロッド５もしくは5aを該ガイ ド孔６に係合させているが、ハンドル３もしくは3aにスライドロッド５もしくは 5aを設けないで、例えば、ガイドレール１もしくは1aを断面略Ｕ字状とし、この 溝の中にハンドル３もしくは3aの基部を嵌め込んでハンドル３もしくは3aの基部 がこの溝の中をスライドするようにしてもよい。この場合、ガイドスタンド４も しくは4aは、断面略Ｕ字状のガイドレール１もしくは1aの後部に相当する位置に 取り付け、ハンドル３もしくは3aの基部がガイドスタンド４もしくは4aに差し込 み易いようにするのがよい。なお、このときには、ガイドスタンド４もしくは4a に底体を形成しておいて、これに差し込まれたハンドル３もしくは3aが抜け落ち ないようにしておく必要があろう。

【００２９】 本考案品は、ハンドルを直立させて従来のハンドカートと同じように用いるこ とができるのみならず、ハンドルを台板の下方に収納して平台車として使用する と、大きな荷物でもバランスよく積んで運搬することができるとともに、不使用 時には嵩張らず省スペースで保管することができる。また、台板に垂直方向に長 い軸部を有するキャスターを取り付けると、台板と接地面との間が大きくなり、 そこにフォークリフトのフォークを差し込むことができるようになるので、パレ ット代りにも用いることができる。

【００３０】

【考案の効果】 本考案によると、ガイドレールの後部に相当する位置に設けたガイドスタンド によりハンドルを直立させて従来のハンドカートと同じように用いることができ るのみならず、ガイドレールに沿ってハンドルの基部をスライドさせることによ りハンドルを台板の下方に収納することができるので、ハンドル付き台車と平台 車とを兼備し荷物の大きさなどにより効率的な運用ができる。また、不使用の際 は、平台車として保管スペースを節約することができる。

【００３１】 また、垂直方向に長い軸部を有するキャスターを台板に取り付けると、台板と 接地面との間にフォークリフトのフォークを差し込むことができるので、使用に 際しては、大きな荷物や重量物を運搬することができるとともに、不使用時には 段積みして狭い場所でも保管スペースを最大限に有効に利用することができる。

【図面の簡単な説明】

【図１】本考案ハンドル収納式ハンドカートの一実施例
を示し、ハンドルをガイドスタンドにより直立させた状
態を実線で、ハンドルに設けたスライドロッドをガイド
孔内でスライドさせてハンドルを台板の下方に収納した
状態を鎖線で示す側面図、

【図２】図１の正面図、

【図３】図１の斜視図、

【図４】図１に示す実施例におけるガイドレールのみを
示す斜視図、

【図５】本考案の別の実施例を示す正面図、

【図６】従来のハンドカートの一例を示すものであって
その一部を切欠して示す縦断面図である。

【符号の説明】

１，1a…ガイドレール、 ２，2a…台板、 ３，3a…ハ
ンドル、 ４，4a…ガイドスタンド、 ５，5a…スライ
ドロッド。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】台板下方に少なくとも２本のガイドレール
   を台板の押送方向に配置し、ハンドルを台板に対してス
   ライドさせ得るごとく前記ガイドレールにハンドルの基
   部を係合し、前記ガイドレールの後部に相当する位置
   に、ハンドルを直立させるガイドスタンドを設けたこと
   を特徴とするハンドル収納式ハンドカート。