JPH0657932A

JPH0657932A - 床断熱構造、その施工方法及びそれに用いる受け具

Info

Publication number: JPH0657932A
Application number: JP22655092A
Authority: JP
Inventors: Daisaku Nishimoto; 大策西本
Original assignee: Dow Kakoh KK
Current assignee: Dow Kakoh KK
Priority date: 1992-08-04
Filing date: 1992-08-04
Publication date: 1994-03-01

Abstract

(57)【要約】【目的】根太３間に断熱板４を嵌め込んだ床断熱構造
において、断熱板４の厚さに拘らず１種類の受け具２で
の施工を可能にし、しかも断熱板４と床材５の間に隙間
が生じるのを防止する。【構成】弾性的に下方に屈曲可能な支持片１を有する
受け具２を根太３に取り付けて、この支持片１を下方に
屈曲させながら根太３間に断熱板４を嵌め込んで、その
上に床材５を施工する。【効果】支持片１の屈曲量の大小によって異なる断熱
板４の厚さに対応できるので、１種類の受け具２を種々
の厚さの断熱板４に適用でき、しかも支持片１の反発力
によって断熱板４が床材５に押し付けられるので、断熱
板４と床材５間に隙間を生じない。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】本発明は、建物の床下に断熱板を
取り付けて断熱性を持たせた床断熱構造、その施工方法
及びそれに用いる受け具に関する。

【０００２】

【従来の技術】従来、床断熱構造としては、上辺端に設
けられた下向きの食い込み爪と、下辺端に設けられた上
向きの食い込み爪とを有する略Ｚ型の受け具を、上辺端
の食い込み爪を根太の上面に打ち込んで取り付け、根太
間に断熱板を嵌め込んで、断熱板の下面に下辺端の食い
込み爪を突き刺して取り付けたものが知られている（特
公昭５６−１９４２４号公報）。

【０００３】

【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上記従
来の技術では、受け具の上下片間の長さを、使用する断
熱板の厚さに合わせておかなければならず、断熱板の厚
さ毎の種類が必要となる。

【０００４】即ち、受け具の上下片間の長さが断熱板の
厚さより長いと、根太上に取り付けられる床材下面と、
受け具に取り付けられる断熱板上面との間に隙間を生じ
てしまい、この隙間に外気が流入することで、断熱効果
が低下してしまうことになる。逆に、受け具の上下片間
の長さが断熱板の厚さより短いと、断熱板の上面が根太
の上面より上方に突出してしまい、根太上に床材を取り
付ける妨げとなる。

【０００５】従って、従来、断熱板の厚さ毎に長さの異
なる受け具を用意しているが、受け具の種類が多くなっ
て、その製造管理がしにくいと共に、施工準備にも手間
がかかる問題がある。また、受け具の上下片間の長さを
断熱板の厚さに合わせるといっても、厳密な寸法合わせ
は望めないので、ともすると床材と断熱板の間に隙間を
生じやすく、断熱効果の低下をきたしやすい問題もあ
る。

【０００６】本発明は、このような従来の問題点に鑑み
てなされたもので、断熱材の厚さに拘らず１種類の受け
具で施工でき、しかも断熱板と床材の間に隙間が残らな
いようにすることを目的とする。

【０００７】

【課題を解決するための手段】このために請求項１の発
明では、図１に示されるように、弾性的に下方に屈曲可
能な支持片１を有する受け具２が、支持片１を根太３間
に突出させて根太３に取り付けられている一方、根太３
間に嵌め込まれた断熱板４が、床材５と支持片１との間
に挟持されている床断熱構造としているものである。

【０００８】また、請求項２の発明では、やはり図１に
示されるように、弾性的に下方に屈曲可能な支持片１を
有する受け具２を、支持片１を根太３間に突出させて根
太３に取り付け、支持片１の上方から根太３間に断熱板
４を嵌め込み、断熱板４を根太３間に押し込んで支持片
１を下方に弾性的に屈曲させた状態で、根太３上に床材
５を取り付ける床断熱構造の施工方法としているもので
ある。更に請求項３〜６は、上記請求項１及び請求項２
の発明に用いるに適した、図２及び図４〜図６に示され
るような受け具２を提供するものである。

【０００９】

【実施例及び作用】図１（ｂ）に示されるように、本床
断熱構造は、大引き６上に取り付けられた根太３間に断
熱板４が嵌め込まれ、その上面を覆って床材５が根太３
に取り付けられた構造をなすものである。

【００１０】根太３間に嵌め込まれた断熱板４は、受け
具２によって支持されているものである。

【００１１】中間部の根太３に取り付けられている受け
具２は、図２に明示されているように、側面下向きコ字
形をなしていて、根太３上に跨がり被せられる根太取付
部７と、根太取付部７の両脚部下端から斜め上方に突き
出した支持片１とから構成されている。また、特に支持
片１は弾性的に下方に屈曲可能な板バネ状に構成されて
いる。この受け具２は、必要な強度及び支持片１の下方
への弾性的屈曲性を得るために、例えば鉄、ステンレス
スチール、銅等の金属や、合成樹脂製とすることが好ま
しい。

【００１２】施工に際して上記受け具２は、根太３上に
根太取付部７を被せ、支持片１を根太３間に突出させた
状態で、根太取付部７の上片上から根太３に釘打ちする
こと等で取り付けられるものである。

【００１３】上記のようにして受け具２を根太３上に取
り付けた後、図１（ａ）に示されるように根太３間に断
熱板４を嵌め込む。

【００１４】断熱板４は、従来から根太３間に嵌め込ん
で用いているものと同様のもので、一般的には合成樹脂
発泡板が使用される。合成樹脂発泡板としては、例えば
ポリスチレン、ポリウレタン、ポリエチレン、ポリ塩化
ビニル、フェノール樹脂等の発泡体板が使用でき、好ま
しくはポリスチレンの発泡板である。

【００１５】断熱板４を上方から根太３間に嵌め込む
と、下方に受け具２の支持片１が突出しているため、断
熱板４の下面はこの支持片１に当接する。更に断熱板４
を下方に押し込むと、支持片１は弾性的に下方に屈曲
し、断熱板４はその上面が根太３の上面と一致する位置
まで押し込まれる。

【００１６】ところで、断熱板４を下方に押し込む時
に、特に受け具２の支持片１の先端部と断熱板４の下面
が摺れることから、支持片１の先端部が断熱板４の下面
に引っ掛からないよう、支持部１の先端部は図２に示さ
れるように湾曲させておくことが好ましい。

【００１７】断熱材４は、地域環境等によって厚みが異
なるものが使用されるが、図３（ａ）に示されるよう
に、厚みの大きい断熱板４は深く押し込み、同（ｂ）に
示されるように、厚みの小さな断熱板４は浅く押し込む
ことで、１種類の受け具２でいずれの厚みの断熱板４に
も対応することができる。

【００１８】上記のように断熱板４を根太３間に嵌め込
み押し込んだ状態で、断熱板４上から床材５を根太３に
取り付けると、特に図１（ｂ）に示されるように、下方
に弾性的に屈曲された支持片１の反発力によって、支持
片１と床材５の間に挟持されて取り付けられることにな
る。

【００１９】尚、床材５とは、その上面がそのまま床面
を構成する材料及び上面が床面を構成する材料の下地材
の両者を意味する。

【００２０】図４は本受け具２の他の実施例を示すもの
で、図２に示されるものとほぼ同様であるが、根太取付
部７の上辺のほぼ中央部に、下向きの食い込み爪８が設
けられたものとなっている。

【００２１】この図４の受け具２の場合、受け具２を根
太３（図１参照）に取り付ける時に、釘を用意すること
なく、食い込み爪８を根太３に打ち込むことで取り付け
ることができる。

【００２２】図５も本受け具２の他の実施例を示すもの
で、逆Ｌ字形をなす根太取付部７と、根太取付部７の脚
部下端から斜め上方に突き出した支持片１とから構成さ
れており、いわば図２の受け具２を１／２にしたものと
なっている。また、支持片１は、図２に示されるものと
同様に、下方に弾性的に屈曲可能な板バネ状のものとな
っている。

【００２３】この図５の受け具２は、図１におけるきわ
根太（図１の右端の根太３）に取り付けられているもの
である。即ち、きわ根太については、その室内側にのみ
断熱板４（図１参照）が位置することになり、中間部の
根太３のようにその両側に断熱板４が位置するものでは
ない。従って、きわ根太については、片側にのみ支持片
１が突出した本受け具２を、その支持片１を室内側に突
出させて取り付けることで、その後の断熱板４の取り付
けを行うことができる。

【００２４】尚、図５に示される受け具２を、中間部の
根太３の両側に取り付けて施工することも可能である。
また、本受け具２の取り付けは、その根太取付部７の上
片を根太３に対して釘打ちすることで行うことができ
る。

【００２５】図６に示される受け具２は、根太取付部７
の上片中央部に、これを１／２に割れるよう、溝９が形
成されている。また、この溝９を境に上片の左右には、
夫々下向きの食い込み爪８が形成されている。

【００２６】この図６の受け具２は、図２や図４の受け
具２と同様に、そのまま中間部の根太３（図１参照）に
取り付けたり、現場でこの受け具２を１／２に割って、
図５や後述する図７の受け具２と同様にきわ根太（図１
の右端の根太３）に取り付けることもできる。

【００２７】図７に示される受け具２は、図５の受け具
２の根太取付部７の上片端に、下向きの食い込み爪８を
設け、釘を用意することなく本受け具２の取り付けがで
きるようにしたものである。

【００２８】

【発明の効果】本発明は、以上説明した通りのものであ
り、次の効果を奏するものである。

【００２９】（１）厚さの異なる断熱板４に対しても１
種類の受け具２によって対応することができるので、使
用する断熱板４の厚さ毎に異なる種類の受け具２を用意
する必要がなく、受け具２の製造管理がしやすくなると
共に、施工準備の手間を軽減できる。

【００３０】（２）断熱板４が支持部１の反発力によっ
て床材５へ押し付けられて取り付けられるので、断熱板
４と床材５が圧接され、両者間に大きな隙間が生じない
ので、この隙間に外気が流入することによる断熱効果の
低下を防止できる。

【図面の簡単な説明】

【図１】本発明に係る床断熱構造及びその施工方法の説
明図である。

【図２】本受け具の一実施例を示す斜視図である。

【図３】本受け具の作用の説明図である。

【図４】本受け具の他の実施例を示す斜視図である。

【図５】本受け具の他の実施例を示す斜視図である。

【図６】本受け具の他の実施例を示す斜視図である。

【図７】本受け具の他の実施例を示す斜視図である。

【符号の説明】

１支持片２受け具３根太４断熱板５床材６大引き７根太取付部８食い込み爪９溝

Claims

【特許請求の範囲】

【請求項１】弾性的に下方に屈曲可能な支持片を有す
る受け具が、支持片を根太間に突出させて根太に取り付
けられている一方、根太間に嵌め込まれた断熱板が、床
材と支持片との間に挟持されていることを特徴とする床
断熱構造。
【請求項２】弾性的に下方に屈曲可能な支持片を有す
る受け具を、支持片を根太間に突出させて根太に取り付
け、支持片の上方から根太間に断熱板を嵌め込み、断熱
板を根太間に押し込んで支持片を下方に弾性的に屈曲さ
せた状態で、根太上に床材を取り付けることを特徴とす
る床断熱構造の施工方法。
【請求項３】側面下向きコ字形をなし、根太上に跨が
り被せられる根太取付部と、根太取付部の両脚部下端か
ら斜め上方に突き出した支持片とからなり、支持片は弾
性的に下方に屈曲可能であることを特徴とする受け具。
【請求項４】根太取付部の上片に、下向きの食い込み
爪が設けられていることを特徴とする請求項３の受け
具。
【請求項５】逆Ｌ字形をなす根太取付部と、根太取付
部の脚部下端から斜め上方に突き出した支持片とからな
り、支持片は弾性的に下方に屈曲可能であることを特徴
とする受け具。
【請求項６】根太取付部の上片端に、下向きの食い込
み爪が設けられていることを特徴とする請求項５の受け
具。