JPS5919077Y2 - セメント系壁板の取付け構造 - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 本考案は建築物の壁板の取付は構造に関し、殊に実継ぎ
セメント系型壁板の取付は構造に関するものである。

従来から建築物の壁材として実継ぎ型式のものが多用さ
れているが、その中でも中空押出し成型にかかるセメン
ト系（セメント、アスベスト、軽量骨材を混合）実継ぎ
型壁板は、セメント系の不燃性による防火性及び耐久性
、中空部の空気層による断熱性及び遮音性が高いばかり
でなく外観に重厚感がありさらに耐水性に富む等のすぐ
れた特徴があるので将来性のある建材として近時注目を
浴びるに至った。

尚、施工に当って建築物に対して長尺の壁板を鉛直方向
に取付ければたて張りとなり、水平方向にかつ壁板の両
側面を上下関係位置に取付ければよこ張りとなる。

このような壁板を例えばたて張り施工するには建築物の
柱の上面間に亙って数本の胴縁を水平に取付け、胴縁上
に第１の長尺実継ぎ型壁板を直角状に当てがい、壁板の
雌実部（壁板の長手方向側面に設けた細長いみぞ）をビ
ス又は釘を用いて胴縁に固着し、この雌実部に第２の壁
板の雄実部（壁板′の長手方向側面に設けた細長い突条
）を嵌入し、次いで第２の壁板の雌実部をビス又は釘を
用いて胴縁に固着し、以下順次壁板を並列固設する。

ところが雌実部の釘打ちすべき個所の肉厚は僅か数ｍｍ
に過ぎず又比較的もろいセメント系材質であるため、強
く打てば該個所が破損し手加減して打てば壁板と胴縁間
に隙間を生ずる。

又両者間の固着性を良くするために斜め方向に釘打ちす
る必要があるので、施工に熟練を要し工期が長くなる等
の欠点があった。

本考案は上記の欠点を考慮してなされたもので、躯体側
構築部材より弾撥性掛止め部分を屈曲せしめ、かつ夫々
の掛止め部分を相互にほぼ壁板の幅に等しい間隔をあけ
て上記構築部材上に配設し、相隣接する壁板の雌雄実部
間における雄実部又は雌実部に上記掛止め部分を弾撥的
に掛止めて壁板を構築部材上に固設するようにした新規
の壁板取付は構造を提供するものである。

以下、図面を参照した実施例について本考案を詳細に説
明する。

第１図において、１及び２は夫々建築物の躯体を構成す
る木柱及び間柱で通常各社間の中心距離を４５Ｑ ｍｍ
にとる。

３は上記各柱１，２上に適宜間隔をあけてビス又は釘等
により柱に直角に固着した躯体側構築部材（胴縁）であ
る。

本実施例の場合Ｃ形チャンネル断面の型鋼で断面開口側
を躯体側に向けて固着されている。

第２図に示すような長手方向両側面に雄実部５と雌実部
６を有する壁板４を上記の構築部材３，３に対し直角に
当てかう。

壁板４を構築部材３上に掛止める掛止め部材を第３図に
示す。

この実施例では弾撥性の鋼等の材料からなる構築部材３
の外面の一部を切開いて外方に屈曲延出した掛止め部分
７を形成する。

尚各掛止め部分７は壁板４の取付は幅Ｗ（第２図）に等
しい間隔をあけて構築部材３の長手方向に沿って形成さ
れている。

施工に当って、第１の壁板（図示せず）の雄実部を図示
せぬ金具等を用いて構築部材３上に固定し、次に第２の
壁板４を構築部材３上に当てがいながらその雌実部６が
掛止め部７の内側凹所に深く収まるように第３図の右方
向に摺動させ、その後毛２の壁板４を左方向に摺動させ
て第１の壁板の雌実部と第２の壁板の雄実部を接合する
。

以下、同様にして第２の壁板に第３の壁板を接合する。

これにより各壁板が構築部材上に並列固設される。

ところが上述したように壁板を掛止め部の内側凹所内で
摺動して固設するので、固設状態において掛止め部分７
のＣ部に間隙ができ壁板の位置決めにやや欠ける憾みが
ある。

第４図及び第５図は上記の欠点を解消した実施例で、構
築部材３ａの一部を切開して屈曲延出させた掛止め部分
７ａの一部を更に切開して屈曲延出した位置決め部分８
を形成したものである。

施工に当って最初第２の壁板４を第４図の右方向に摺動
させると、雌実部６は位置決め部分８上に乗り上って移
動し、左方向に摺動して第■の壁板の雌実部と第２の壁
板の雄実部を接合する時は位置決め部分８が反撥して第
２の壁板４の雌実部６の外端９に係止して壁板４を位置
決めする（第５図）。

上記の実施例では掛止め部分７及び７ａを夫々構築部材
３及び３ａと一体的に形成したが、掛止め部分を溶接、
鋲接等で個着してもよい。

本考案は上記のように構成したので、セメント系壁板の
取付けにビス又は釘等を使用せずに施工でき、又掛止め
部が構築部材にあらかじめ形成されているので現場で特
殊な工法を必要とせず、施工が極めて容易で工期が短い
等多くの利点を有する。

【図面の簡単な説明】

第１図は躯体の基礎構造を示す斜視図、第２図は本考案
に使用する壁板の一例を示す横断面図、第３図は本考案
の壁板取付は構造の実施例を示す斜視図、第４図は本考
案の壁板取付は構造の別の実施例を示す斜視図、第５図
は第４図の実施例に基いて壁板を接合して取付けた状態
を示す横断面図で゛ある。 ３．３ａ・・・・・・構築部材、４・・・・・・壁板、
６・・・・・・壁板の雌実部、７，７ａ・・・・・・掛
止め部分、８・・・・・・位置決め部分。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. １．長手方向の両側面に沿って夫々雄実部と雌実部を備
   えた平板状の長尺壁板を躯体側の構築部材上に該壁板の
   幅に等しい間隔をあけて屈曲延出した掛止め部材を介し
   て上記構築部材に対して直角方向にかつ両側面を上下方
   向関係位置に保って並列固設するようにした壁板の取付
   は構造において、上記掛止め部材を弾撥性に形威し、上
   記壁板４をセメント系壁板とし、相隣接する該壁板の雌
   雄実部間における雌実部６に上記掛止め部材を弾撥的に
   掛止めてセメント系壁板を構築部材上に固設したことを
   特徴とするセメント系壁板の取付は構造。 ２、上記掛止め部材を上記構築部材３，３ａと一体的に
   形成した実用新案登録請求の範囲第１項記載の壁板の取
   付は構造。 ３、上記掛止め部材上に上記壁板４の幅方向位置を規制
   する弾撥性位置決め部分８を設けた実用新案登録請求の
   範囲第１項及び第２項いずれか記載の壁板の取付は構造
   。