JPS6117150Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 この考案は断熱材用取付具に関し、簡単に断熱
施工が行え、しかも構造の簡単なものを提供しよ
うとしている。

従来より建築物において断熱材を取付けるに
は、例えば床下における場合、断熱ボードを根太
間に介在させ、根太又は大引に取付けた木製の受
け材にて断熱材が脱落しないよう支持する方法が
採用されている。しかしながらこの方法によると
受け材の加工や根太等への取付けが面倒であると
共に、受け材の材料費も高くつき、施工能率も悪
くその改良が望まれていた。さらに壁部において
も同様に断熱材の取付施工の簡略化が望まれてい
た。

そこでこの考案では上記要望に適応すべく断熱
材の取付けを至便にした取付具を提供しようとし
ているものであつて、その構成については、Ｌ状
片の垂直片上端には、Ｌ状片の水平片と平行且つ
反対方向に根太間の建築基材への係止片が延設さ
れ、また垂直片の途中には、水平片とは反対側に
板バネ状の突出片を形成し、さらに、垂直片の途
中には、水平片と平行且つ同一方向に断熱材への
刺し刃片が延設されてなることを特徴とするもの
である。

次いでこの考案の実施態様について図を参照し
ながら以下に例示する。

第１図の１は断熱材用取付具であり、図の場合
は、薄い金属板でもつて全体を折曲形成したもの
で、そのうち１０は垂直片１０ａを水平片１０ｂ
よりも幅広に形成したＬ字片であつて、該Ｌ字片
１０は、使用時には断熱材３０と当接して断熱材
３０を保持する部分となる。

１１は、Ｌ字片１０の垂直片１０ａの上端にお
いて水平片１０ｂと平行且つ反対方向に延設され
た係止片であつて、根太又は間柱等の建築基材２
０と当接する部分である。

１２は垂直片１０ａの途中に形成された板バネ
状の突出片であつて、垂直片１０ａの一部を水平
片１０ｂの反対側に、つまり係止片１１側に打ち
抜き折曲して形成されたもので、該突出片１２
は、図の場合弯曲片になつており、後述するごと
く、断熱材３０の装着の際の突出片１２の押圧時
にその先端１２が断熱材３０と当接してバネの反
発力がより強く作用するようになつている（特に
第２図参照）。

次に１３は垂直片１０ａの途中に形成された刺
し刃片であつて、該刺し刃片１３は垂直片１０ａ
の幅広部Ａをその途中から分岐し、水平片１０ｂ
と平行且つ同一方向に折曲して形成され、図の場
合略台形状をなすもので、断熱材３０への突き刺
し部となる。

そして上記のごとく構成された取付具１は、そ
の水平片１０ｂが断熱材３０の底面端部と当接す
るよう水平片１０ｂを基準として刺し刃片１３を
断熱材３０の側面に突き刺して、あらかじめ適宜
間隔毎に断熱材３０の両端部に取付けておき、次
いで断熱材３０を根太間の建築基材２０，２０間
に挿入してやれば、垂直片１０ａに形成した突出
片１２が押圧され、そのバネ圧により、断熱材３
０を建築基材２０，２０間に装着できることにな
り、床下における根太間や壁部における間柱間等
において、簡単且つ確実に断熱材３０の取付施工
ができることになる。４０は内装下地材を示す。

なお、刺し刃片１３としては前述したものに限
られず、垂直片１０ａの途中一部を略台形状に打
ち抜き折曲したものでもよく、また係止片１１に
ついては、釘打ち等できるよう予備孔１４を設け
ておいて、取付具１の固定がより強固になるよう
実施することもできる（第４図参照）。さらに、
突出片１３、刺し刃片１３のいずれについても溶
接等の手段にて付加される場合もあり、またその
形状についても種々実施可能である。

この考案は上記のごとく構成されており、Ｌ状
片１０の垂直片１０ａの途中に延設した刺し刃片
１３を、断熱材３０の底面が取付具１の水平片１
０ｂと当接するよう、断熱材３０の側面に突き刺
して、適宜間隔毎に断熱材３０の両端に取付け、
該取付具１が装備された断熱材３０を建築基材２
０，２０間に挿入し、取付具１の垂直片１０ａに
形成した板バネ状の突出片１２のバネ圧を利用し
て断熱材３０を固定するものゆえ、従来の断熱施
工において要していた断熱材を支持する為の受け
材の取付け等の手間が省略できるほか、同じく従
来の断熱施工で要していた断熱材３０のレベル出
しが、係止片１１により断熱材３０の挿入深さが
決められるので全く不要となり、加えて取付具１
を断熱材３０側に取付けて使用するので、取付具
を建築基材２０側へ取付けて使用する場合には必
要な、目地部と取付具取付位置の一致による断熱
材支持の不良を防ぐ為に行う建築基材２０への取
付具取位置のマーキングが不要であること、及び
釘等を用いずとも板バネ状の突出片１２により断
熱材３０を建築基材２０に固定できること等によ
り、能率的な断熱施工が果せることになる。

また、刺し刃片１３を断熱材３０の側面に突き
刺して使用することから、断熱材３０を建築基材
２０，２０間に挿入装着した場合の断熱材３０の
端部の保持が確実であり特に床下のごとく断熱材
３０を水平に取付ける場合での使用においては、
断熱材３０の自重によるたわみが阻止されること
になり、長期使用によつても内装下地材４０おの
接触面に〓間を生じたりせず、従つて密着性が良
好に維持され、結露の発生の心配のないより好適
な使用となる。さらに取付具１の使用によつて断
熱材３０と建築基材２０との密着不良を生じるこ
ともないので断熱材良好に維持できるものであ
る。

従つて構造簡素にて安価で、取付作業性や施工
性に優れ、しかも断熱材にも支障がない取付具で
あつて、断熱施工の工期短縮やコスト低減にも貢
献できる等、種々実用的効果の奏するものを提供
できることになる。

【図面の簡単な説明】

図はこの考案の実施態様を例示するもので、第
１図は斜視図、第２図は前図−線における拡
大断面図、第３図及び第４図は使用時を示す断面
図及び斜視図、第５図は変更例を示す斜視図であ
る。 １……取付具、１０……Ｌ状片、１０ａ……垂
直片、１０ｂ……水平片、１１……係止片、１２
……突出片、１３……刺し刃片、１４……予備
孔、２０……建築基材、３０……断熱材、４０…
…内装下地材、Ａ……幅広部。

Claims (1)

1. 【実用新案登録請求の範囲】 １ Ｌ状片の垂直片上端には、Ｌ字状の水平片と
   平行且つ反対方向に根太等の建築基材への係止
   片が延設され、また垂直片の途中には、水平片
   とは反対側に板バネ状の突出片を形成し、さら
   に、垂直片の途中には、水平片と平行且つ同一
   方向に断熱材への刺し刃片が延設されてなるこ
   とを特徴とする断熱材用取付具。 ２ 全体が薄い金属板にて形成されてなる上記実
   用新案登録請求の範囲第１項記載の断熱材用取
   付具。 ３ 刺し刃片が、水平片より幅広に形成された垂
   直片の幅広部を途中から分岐して折曲した略台
   形状の突片からなる上記実用新案登録請求の範
   囲第１項記載の断熱材用取付具。 ４ 刺し刃片が、垂直片の一部を打ち抜き折曲し
   た略台形状の突片からなる上記用新案登録請求
   の範囲第１項記載の断熱材用取付具。 ５ 板バネ状の突出片が垂直片の一部を打ち抜き
   折曲した弯曲片からなる上記実用新案登録請求
   の範囲第１項記載の断熱材用取付具。 ６ 係止片に予備孔が形成されてなる上記実用新
   案登録請求の範囲第１項記載の断熱材用取付
   具。