JPS6347248Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 この考案は主として梁、壁用のコンクリート型
枠板に、給排水、給湯、冷暖房などの各種配管の
ための紙スリーブを固定する紙スリーブ用止め金
具に関するものである。

従来、コンクリート型枠工におけるスラブ、梁
及び壁用などの各型枠に、上記配管用紙スリーブ
を固定する場合には、かなり長大な複数本の釘を
使用して紙スリーブの外面から斜めに型枠板に打
付けて固定していたものであるが、このような従
来の釘打付けによる固定の場合には、紙スリーブ
を所望の定位置に取付けることがむつかしく、か
つ紙スリーブが変形、歪みや欠損を生じたり、ま
た型枠板の破損、損傷を余儀なくされるものであ
つた。そしてとりわけ、梁及び壁用型枠の場合に
は、所定間隔の両側型枠板の間に紙スリーブを挿
入して水平状に取付け固定しなくてはならないだ
けに狭隘な両側型枠板間での釘打ちなどによる紙
スリーブの取付け固定がきわめて至難で、厄介な
手間、労力と技術を要し、取付けに相当な時間を
費消することは避けられないと共に紙スリーブが
傾斜したり、変形したりして所定位置に手際よく
水平状に適正取付固定することがたいへんむつか
しかつた。

この考案は上記に鑑み、狭隘な両側梁、壁用コ
ンクリート型枠板間に紙スリーブを、適正な水平
状態で所定位置に簡単容易に、かつ安定的に取付
け固定できる、以下説明するような紙スリーブ用
止め金具を提供して従来の諸欠点を解消する目的
に出たものである。

この考案の紙スリーブ用止め金具を図面実施例
について詳しく説明すると、１は、三角窓２を明
けて下方に切起した突舌片３を垂設すると共に上
記三角窓２近傍に予備釘孔７を穿設した基板部
で、該基板部１の前端縁から垂直に折曲げて起立
させた起立板部４が一体構成となつている。そし
て上記起立板部４に、長孔５を明けてその上端部
で折曲げられて前方の斜め下方に突出するように
した長突舌片６を設けてなるものである。

なお上記構成のこの考案の止め金具は、適宜の
厚みの鉄板など金属板のプレス打抜き加工などに
よつて構成されるものであり、前記の突舌片３及
び長突舌片６は夫々図面第１図のように中心峰線
３ａ，６ａを形成して断面形状山形に圧成され強
度を持たせてある。また図中６ｂは長突舌片６の
先尖部である。

次にこの考案止め金具の使用状態を図面第２図
について説明すると、先ず、梁または壁用の両側
型枠板８，８間に挿入して水平状に取付け固定す
る紙スリーブ９の両側に、夫々適宜間隔を置いて
数個ずつ上記の止め金具を、夫々その長突舌片６
を外面から傾斜状に一部突刺して第２図のイのよ
うに予め仮止めして置く、なおこの場合、紙スリ
ーブ９の両側に夫々予め第２図イのように仮止め
した各止め金具は、夫々その突舌片３先端が紙ス
リーブ９両端面より夫々外側方に突出しない状態
として上記の紙スリーブ９を左右両側の型枠板
８，８間に水平状に挿入する際の障害とならない
ようにして置くものである。そして両側に夫々数
個ずつの各止め金具を上記イのように夫々仮止め
した上記紙スリーブ９を両側型枠板８，８間に上
方から水平状に挿入（なおこの場合紙スリーブ９
は、その両端面と両型枠板８，８との間に夫々数
mmの間隙ができるよう両側型枠板８，８間の間隔
よりも僅か短かく構成されているものである。）
して所定位置において手で水平状に保持する。そ
して上記紙スリーブ９の両側に夫々イのように仮
止めされている各止め金具を、夫々その長突舌片
６が紙スリーブ９を斜めに貫通して完全に刺し込
まれて起立板部４が紙スリーブ９外面に密着する
と同時に突舌片３が型枠板８に完全に突刺されて
基板部１が型枠板８内面に圧着した第２図ロの状
態に夫々なるようにして紙スリーブ９を所定位置
において各止め金具によつて水平状に取付け固定
するものである。なお上記において各止め金具の
長突舌片６を夫々突刺すための孔を紙スリーブ９
の両端部適宜の位置に夫々ドライバーの先端など
によつて予め少しあけておけば、各止め金具の長
突舌片６の紙スリーブ９への刺し込みは夫々容易
に行えるものであり、慣れて熟達した作業者であ
れば、各止め金具を紙スリーブ９に前記イのよう
に予め仮止めして置くことなく、紙スリーブ９だ
けを型枠板８，８間の所定位置に挿入し水平保持
して置いてから、各止め金具を、夫々その長突舌
片６を紙スリーブ９に、また突舌片３を型枠板８
に夫々突刺し取付けて紙スリーブ９を取付け固定
できるものである。

この考案の止め金具は叙上の構成であるから、
梁または壁用型枠のように、両側型枠板８，８間
の狭隘な場所においても、何等の支障なく紙スリ
ーブ９を所定位置に確実、容易に、かつ作業性良
く、迅速能率的に取付け固定できる卓抜した効果
がある。そして特にこの考案の止め金具は、その
長突舌片６を予め紙スリーブ９に完全に突刺し固
定して置いてから基板部１を、その突舌片３を突
刺して型枠板８に固着するものでなく、長突舌片
６の紙スリーブ９への完全突刺しと並行して突舌
片３の型枠板８への完全突刺しを行うものである
から、紙スリーブ９の取付け位置出し調整、水平
度調整などが正確、容易に行える優れた効果があ
る。またこの止め金具によつて紙スリーブ９を両
側型枠板８，８に取付け固定した場合、長突舌片
６の紙スリーブ９への、また突舌片３の型枠板８
への夫々完全突刺し固定によつて紙スリーブ９が
長突舌片６と起立板部４とで挟着固定されるもの
で、きわめて安定した強固な取付けが保証される
効果がある。それに釘打付け固定の場合と違つて
紙スリーブ９の変形、欠損を生じたり、大切な型
枠板８を破損、損傷変形させたりすることがない
などの利点がある。

【図面の簡単な説明】

図面はこの考案止め金具の実施例を示すもの
で、第１図は斜視図、第２図は使用状態を示した
縦断面図である。 １……基板部、２……三角窓、３……突舌片、
３ａ……中心峰線、４……起立板部、５……長
窓、６……長突舌片、６ａ……中心峰線、７……
予備釘孔、８……型枠板、９……紙スリーブ。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 下方に切起した突舌片３を有する基板部１の前
   端縁から垂直状に折曲げ起立させた起立板部４
   に、長窓５を明けてその上端部で折曲げられて前
   方の斜め下方へ突出するようにした長突舌片６を
   設けてなる紙スリーブ用止め金具。