JPH0617925Y2 - 外装材の取付構造 - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 ［技術分野］ 本考案は壁体に外装材を取付ける場合の取付構造に関す
るものである。

［背景技術］ 従来の外装材の壁体への取付構造としては外装材の表面
から壁体に向けて固着具を打ち込み、外装材を壁体に取
付けるというものであった。しかし上述のような従来例
にあっては外装材が金属製である場合には固着具を打ち
込んだ場合に外装材の表面が窪んだり、塗料がはがれた
りすることがあり、また窯業系の外装材の場合には固着
具の打ち込み位置にひび割れを起こしたりすることがあ
った。

［考案の目的］ 本考案は叙述の点に鑑みてなされたものであって、本考
案の目的とするところは外装材を壁体に対して損傷させ
ることなく取付けることができ、且つ容易に施工するこ
とができる外装材の取付構造を提供するにある。

［考案の開示］ 本考案外装材の取付構造は基板２ｂの両端より基板２ｂ
と略直交する方向に向けて突出片２ａを突設して断面略
コ字状の取付基板２を形成し、壁体１の外面に沿って配
設された取付基板２の突出片２ａを壁体１の外面の上下
方向に沿って当接し、固着具３により取付基板２を壁体
１に固着し、両端の突出片２ａ、２ａ間の基板２ｂに上
下方向に等間隔に開口部４を設け、上部に上方向に突出
した係合片５ａを有し、下部に前方向に突出した凸型嵌
合部５ｂを有する取付具５の後背部の取付片５ｃを上記
開口部４に挿入し、取付具５の取付片５ｃを開口部４に
係止し、上下に隣合う外装材６、６の上に位置する外装
材６の下端を取付具５の係合片５ａに係合し、下に位置
する外装材６の上端を取付具５の凸型嵌合部５ｂに嵌合
したものであって、上述のように構成することにより従
来例の欠点を解決したものである。

つまり上記のように構成したことにより壁体１への外装
材６の固定を釘等の固着具を使用することなく取付具５
を介して取付けることができ、外装材６への固着具の打
ち込み等により外装材６が損傷するということがない。
更に外装材６や取付具５の取付けは各部材の係合及び嵌
合で行うため取付部には若干の余裕があり、このため外
装材６や取付具５には高い精度が要求されることがな
く、廉価に外装材６と取付金具５とを製造することがで
きる。また壁体１と外装材６との間の取付基板２によっ
て、壁体１と外装材６との間に空気層が形成され、壁体
１と外装材６との間の通気を行うこともできる。

以下本考案を実施例により詳述する。

第１図に示すように相互に平行となるように並設した間
柱１ａと間柱１ａとの間にグラスウールのような断熱材
を介在させて壁体１を構成してある。壁体１の間柱１ａ
には取付基板２を釘等の固定具３により取付けてある。
この取付基板２は帯板状の基板２ｂの両端縁より基板２
ｂと略直交する方向に向けて突出片２ａ，２ａを突設し
て断面略コ字状に形成してあり、両突出片２ａ，２ａを
壁体１の外面に沿って当接し、両端の突出片２ａ、２ａ
間の基板２ｂに設けた固着具挿入孔７から釘等の固着具
３を打ち込んで取付基板２を間柱１ａに取付けてある。
上記基板２ｂには上下方向に等間隔に矩形状の複数個の
開口部４を設けてあり、この開口部４には取付具５を係
止してある。取付具５は第３図に示すように上部に上方
向に突出した係合片５ａを突設してあり、係合片５ａか
らは下方向に向かって延出片５ｄを延出してある。延出
片５ｄの下部には前方に向かって突出した凸型嵌合部５
ｂを突設してあり、延出片５ｄの下端には前倒れ防止片
５ｅを設けてある。上部の係合片５ａの裏面側には上記
基板２ｂに設けた開口部４と対応するように矩形状の取
付片５ｃを設けてあり、この取付片５ｃと延出片５ｄと
の間に間隙を設けて溝部８を形成してある。この取付具
５を第１図に示すように横向きにして取付片５ｃを開口
部４に嵌合させて挿入し、その後に取付具５の係合片５
ａが上を向くように取付具５を略９０°回転させると共
に取付具５の溝部８を開口部４の下辺９に嵌合し、前倒
れ防止片５ｅを取付基板２の開口部４の下部表面に当接
させて取付具５を開口部４に取付ける。このとき取付具
５は取付基板２の上下方向に等間隔に設けられた複数個
の開口部４…に取付けてある。

窯業系または金属製の外装材６は第２図に示すように下
部に外装材６の裏面側に向かって突出した係止片６ａを
設けてあり、この係止片６ａは取付具５の係合片５ａと
係合自在としてある。外装材６の上部には外装材６の裏
面側に開口した凹型嵌合部６ｂを設けてあり、この凹型
嵌合部６ｂは取付具５の凸型嵌合部５ｂと嵌合自在とし
てある。第４図に示すように上記取付基板２に取付けた
取付具５の凸型嵌合部５ｂに上下方向で隣合う外装材
６、６の下に位置する外装材６の凹型嵌合部６ｂを嵌合
させ、上に位置する外装材６の係止片６ａを取付具５の
係合片５ａに係合して取付具５に外装材６を取付ける。
これを順次繰り返して下方より上方へ外装材６を取付け
る。上述のように構成することにより取付具５は横向き
になるまで回転させないかぎり不用意に取付基板２より
外れることがなく、簡単に取付基板２より外れることが
ない。更に外装材６は取付具５に引っ掛けるだけでな
く、凸型嵌合部５ｂに嵌合させるので、取付け強度が高
く、風や振動に対して強い。

［考案の効果］ 本考案は叙述のように基板の両端より基板と略直交する
方向に向けて突出片を突設して断面略コ字状の取付基板
を形成し、壁体の外面に沿って配設された取付基板の突
出片を壁体の外面の上下方向に沿って当接し、固着具に
より取付基板を壁体に固着し、両端の突出片間の基板に
上下方向に等間隔に開口部を設け、上部に上方向に突出
した係合片を有し、下部に前方向に突出した凸型嵌合部
を有する取付具の後背部の取付片を上記開口部に挿入
し、取付具の取付具片を開口部に係止し、上下に隣合う
外装材の上に位置する外装材の下端を取付金具の係合片
に係合し、下に位置する外装材の上端を取付具の凸型嵌
合部に嵌合したので、壁体への外装材の取付けは取付具
を介して行うことができ、外装材に釘等の固着具を打ち
込む必要がなく、固着具により外装材を損傷するという
ことがない。更に外装材や取付具の取付けは各部材の係
合及び嵌合で行うために取付部には若干の余裕があり、
このため外装材や取付金具には高い精度が要求されるこ
とがなく、廉価に外装材と取付金具とを製造することが
できる。また壁体と外装材との間の取付基板によって、
壁体と外装材との間に空気層が形成され、壁体と外装材
との間の通気を行うこともできる。

【図面の簡単な説明】

第１図は本考案の一実施例の組み立て状態を示す斜視
図、第２図は同上の外装材の一部切欠した斜視図、第３
図は同上の取付具の斜視図、第４図は同上の要部の側面
図であって、１は壁体、２は取付基板、２ａは突出片、
２ｂは基板、３は固着具、４は開口部、５は取付具、５
ａは係合片、５ｂは凸型嵌合部、６は外装材である。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】基板の両端より基板と略直交する方向に向
   けて突出片を突設して断面略コ字状の取付基板を形成
   し、壁体の外面に沿って配設された取付基板の突出片を
   壁体の外面の上下方向に沿って当接し、固着具により取
   付基板を壁体に固着し、両端の突出片間の基板に上下方
   向に等間隔に開口部を設け、上部に上方向に突出した係
   合片を有し、下部に前方向に突出した凸型嵌合部を有す
   る取付具の後背部の取付片を上記開口部に挿入し、取付
   具の取付片を開口部に係止し、上下に隣合う外装材の上
   に位置する外装材の下端を取付具の係合片に係合し、下
   に位置する外装材の上端を取付具の凸型嵌合部に嵌合し
   て成る外装材の取付構造。