JPH0354263Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 産業上の利用分野 この考案は、建物の屋根破風板、鼻隠し等の外
壁部を構成する建築意匠板の取付金具に関するも
のである。

従来の技術 従来建物の外壁、屋根破風板、鼻隠し等に取り
付けられる建築意匠板には、木板、あるいはセメ
ントや、けい酸カルシウム等を主原料とする無機
質系の外壁意匠板等が使用されている。

これらの建築意匠板の取付方法として、木板に
あつては、釘止め方式を、無機質系の建築意匠板
の場合は、穴あけの上、ビスまたは専用釘を用い
た釘止め方式によつて取付られている。

考案が解決しようとする問題点 上記の木板または無機系の外壁意匠板を取り付
けるための釘止め方式は、ビス或は釘の頭部が壁
面の外部に露出するために美観上問題がありまた
風雨、地震等により釘又はビスがゆるみ、穴部か
らの漏水や、ビス又は釘の腐食によつて脱落する
虞れがある。

問題点を解決するための手段 この考案は、上述の問題点を解決するために裏
面に掛合部（凹溝）を有する建築意匠板を建築構
造体に取り付けるための金具を提供するものであ
る。即ち、ほぼ板状をなす支承基板の一端部を曲
げ形成して建築意匠板の第一掛合部と掛合する押
え片を形成すると共に、同じく他端部を曲げ形成
して、前記建築意匠板の第二掛合部に当接する支
承片を形成し、前記支承基板の両端部を同じ方向
に曲げ形成して第一立ち上がり部と第二立ち上が
り部とを形成し、両立ち上がり部に対して板状の
差し込み板を案内して係止させることによつて、
該差し込み板先端部の一面側と前記押え片との間
で前記第一掛合部を挟持可能にすると共に、前記
差し込み板基端部の他面側と前記支承片との間で
前記第二掛合部を挟持可能にした建築意匠板の取
付金具を提供するものである。

作用 支承基板をその押え片が上方になるように建築
の構造体に固定して、該押え片に建築意匠板の第
一掛合部を掛合させると支承片が前記建築意匠板
の第二掛合部に当接する。

次に差しこみ板を前記支承基板と平行になるよ
うに上方から前記支承基板の第一、第二立ち上が
り部に差し込んで支承基板に係止させると該差し
込み板先端部の一面側と押え片との間に前記第一
掛合部が挟持されると共に、前記差し込み板基端
部の他面側と支承片との間に前記第二掛合部が挟
持され、その結果この考案の取付金具を介して建
築意匠板が建物の構造体に確実に固定されること
になる。

実施例 この考案の実施例を図面に基づいて説明すると
板状の支承基板は、第１図に示すように長手方向
の両端部を折り曲げて第一立ち上がり部２ａと第
二立ち上がり部２に形成する。この第一立ち上が
り部２ａの縁部をさらに水平かつ外方向に折り曲
げて、第４〜６図に示すように建築意匠板２０の
第一掛合部２２の内側面２２ａに掛合する押え片
４を形成する。第二立ち上がり部２は、その端縁
をΖ字状に折り曲げて建築意匠板２０の第二掛合
部２１の外側面２１ｂに当接する支承片５を形成
する。支承基板１の基板１ａにはボルト取り付け
孔６および釘打ち込み用孔７を設ける。また前記
第一、第二の両立ち上がり部２ａ，２の夫々に下
記に説明する差し込み板１０を案内係止するため
の細長孔３ａ，３を設ける。

支承基板１の両立ち上がり部２ａ，２に対して
案内係止される差し込み板１０においてその一端
部１１は、第２図に示すようにΖ状に折り曲げら
れて前記第二掛合部２１の内面２１ａに当接可能
な形状に形成され、前記支承片５と共働して前記
第二掛合部２１を挟持できるようになつている。
同じく先端部１４はΖ状に折り曲げられて前記第
一掛合部２０の外面２２ｂに当接可能な形状に形
成され、前記押え片と共働して前記第一掛合部２
０を挟持できるようになつている。

なお、前記先端部１４の中央部にコ字形の切り
込み１２を入れて舌状部が形成され、その舌状部
の先端をひき起こすことによつてストツパ１３が
形成されている。

この建築意匠板の取り付け金具の使用方法を、外
壁意匠板を例に説明すると、支承基板１を建物構
造体にボルト２３によつて固定し、これに差し込
み板１０を支承基板１の細長孔３，３ａに挿入
し、差し込み板１０の先端部１４及びストツパ１
３を支承基板１の第一立ち上がり部２ａより外部
に引き上げた状態で、建築意匠板２０をセツト
し、次に第６図に示すごとく差し込み板１０の先
端部１４をハンマー等（図示せず）で押し下げる
と差し込み板１０の他端の基端部１１は、建築意
匠板２０の裏面に形成されている第二掛合部２１
の内側面２１ａに接触し、予め建築意匠板２０の
第二掛合部２１の外側面２１ｂを支承している支
承基板１の支承片５と相まつて、該第二掛合部２
１を挟持することになり、一方差し込み板１の先
端部１４は、支承基板１の押え片４と共働して建
築意匠板２０の第一掛合部２２を挟持し、建築意
匠板を確実に前記建物構造体に取り付けることが
できる。

また差し込み板１０ストツパ１３の先端は、支承
基板１の第一立ち上がり部２ａの細長孔３ａを通
過したら第一立ち上がり部２ａの内側に跳ねて前
記差し込み板１０は抜け止めされる。

この考案は、上述の如く建物構造体に取り付け
る建築意匠板の取り付け位置に応じた箇所にボル
ト等によつて取付金具を固定し、建築意匠板をセ
ツト後に取付金具の差し込み板の板ばね状ストツ
パ側の一端をハンマー等でたたいて板ばね状スト
ツパを支承基板の第一立ち上がり部の内側に位置
せるだけで建築意匠板を保持でき、また差し込み
板の板ばね状ストツパが支承基板の立ち上がり部
に突き当たり戻らないで、建築意匠板が取り付け
金具から外れることがない。

考案の効果 以上詳述したように本考案は従来の釘止め方式
等と異なつて取り付けが建築意匠板の裏面側で行
なうことになるので、雨水等による金物の発錆に
よる劣化防止ができ耐久性が向上する。

さらにビス、釘等のような外部に露出する部分
がないので建築意匠板の美観を損なわない。また
建築意匠板の掛合部を支承基板と差し込み板の端
縁で摺動自在に掛合しているので、地震等による
建物の変形に対して追従することができ従来のビ
ス、釘止めの様な局部集中荷重をうけることがな
く安全取付ができる。

なおこの考案の建築意匠板の取付金具は、裏面
に掛合部２１，２２を有している建築意匠板であ
れば、笠木、鼻隠し、破風板、垂れ壁見切り板、
建物隅部のカバープレート、さらには室内におけ
る幅木、なげし、その他の化粧ボード等に使用す
ることは可能で、また建築意匠板を垂直状態ある
いは水平状態に取付可能である。

【図面の簡単な説明】

図は、この考案の一実施例をしめすものにし
て、第１図は支承基板の斜視図、第２図は差し込
み板の斜視図、第３図は組み立て状態図、第４図
は建築意匠板の斜視図、第５図及び第６は施工状
態を示す図である。 １……支承基板、２……第二立ち上がり部、２
ａ……第一立ち上がり部、４……押え片、５……
支承片、１０……差し込み板、１１基端部、１３
……ストツパ、１４……先端部、２０……建築意
匠板、２１……第二掛合部、２２……第一掛合
部。

Claims (1)

1. 【実用新案登録請求の範囲】 １ ほぼ板状をなす支承基板１の一端部を曲げ形
   成して、建築意匠板２０の第一掛合部２２と掛
   合する押え片４を形成すると共に同じく他端部
   を曲げ形成して、前記建築意匠板２０の第二掛
   合部２１に当接する支承片５を形成し、前記支
   承基板１の両端部を同じ方向に曲げ形成して、
   第一立ち上がり部２ａと第二立ち上がり部２と
   を形成し、両立ち上がり部２ａ，２に対して板
   状の差し込み板１０を案内して係止させること
   によつて、該差し込み板１０先端部１４の一面
   側と前記押え片４との間で前記第一掛合部２２
   を挟持可能にすると共に、前記差し込み板１０
   基端部１１の他面側と前記支承片５との間で、
   前記第二掛合部２１を挟持可能にしたことを特
   徴とする建築意匠板の取付金具。 ２ 前記押え片４と第一立ち上がり部２ａとが一
   体的に形成されていると共に、前記支承片５と
   第二立ち上がり部２とが一体的に形成されてい
   る実用新案登録請求の範囲第１項記載の建築意
   匠板の取付金具。