JPH0655349A - 浸漬式ワイヤ放電加工機 - Google Patents

浸漬式ワイヤ放電加工機

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JPH0655349A
JPH0655349A JP4216094A JP21609492A JPH0655349A JP H0655349 A JPH0655349 A JP H0655349A JP 4216094 A JP4216094 A JP 4216094A JP 21609492 A JP21609492 A JP 21609492A JP H0655349 A JPH0655349 A JP H0655349A
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pantograph
machining
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    • B23MACHINE TOOLS; METAL-WORKING NOT OTHERWISE PROVIDED FOR
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    • B23H11/00Auxiliary apparatus or details, not otherwise provided for
    • BPERFORMING OPERATIONS; TRANSPORTING
    • B23MACHINE TOOLS; METAL-WORKING NOT OTHERWISE PROVIDED FOR
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 加工タンクの側壁の大部分を昇降する入子式
の側壁として開放できるようにすると共に、可動式であ
っても液封が確実にでき、被加工物のセッティッングや
電極の垂直出し作業の障害となることがない浸漬式ワイ
ヤ放電加工機を提供する。 【構成】 側壁の一部を被加工物を固定するワークスタ
ンド上面より低い位置まで開放すると共に、側壁の他の
一部に液密状態を維持しながら相対移動可能に下アーム
15を貫通させるベース容器部材12と、上下にスライ
ドしてベース容器部材12の側壁の開放部分を封止する
少なくとも一つの可動容器部材13,14とによって加
工タンク6を構成し、加工タンク6の近傍に協働して可
動容器部材13,14を上下に摺動させる昇降装置31
を設けた。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は放電加工液を貯溜する加
工タンクを有し、この加工タンクの放電加工液中に被加
工物を固定し、この被加工物の上方にワイヤ電極を案内
する上ワイヤガイドと、加工タンクの側壁を貫通して被
加工物の下方に突き出た端部で下ワイヤガイドを保持す
る下アームとを有し、上下ワイヤガイド間にワイヤ電極
を張設し、ワイヤ電極と被加工物の間で放電させて加工
を行なう浸漬式ワイヤカット放電加工機に関する。
【0002】
【従来の技術】一般に加工タンクの内部に被加工物を固
定し、この加工タンクの内部に放電加工液を注入して被
加工物を浸漬し、加工タンク上方から3次元形状の電極
を挿入してZ軸方向に加工を行い、放電加工液中で被加
工物を所定の形状に放電加工するいわゆる浸漬式形彫放
電加工機が知られている。
【0003】一方、内部に被加工物を固定した水平面内
で移動制御可能な加工タンクと、この加工タンクの側壁
を貫通して被加工物の下方に突き出した下アームと、下
アームの上方に位置する上アームとを有し、加工タンク
の内部に放電加工液を注入して被加工物を浸漬し、上ア
ームと下アームのそれぞれの端部に設けられた上ワイヤ
ガイドと下ワイヤガイドの間にワイヤ電極を保持し、放
電加工液中で被加工物とワイヤ電極との間で放電させな
がら加工テーブルをX,Y軸方向に移動制御し、被加工
物を加工するいわゆる浸漬式ワイヤカット放電加工機が
知られている。
【0004】上記浸漬式放電加工機では被加工物を加工
テーブル上に取り付ける際の被加工物の平行出し作業、
電極の垂直出し作業の際など加工タンクの側壁が水平方
向に開放する構造のためタンク壁が作業の障害となり作
業性を著しく悪くしている。また最近では、被加工物を
自動交換し連続運転を行うため被加工物の自動交換装置
(パレットチェンジャ)を設置し数日間の無人運転を行
うことが多く、このような際被加工物の交換時加工タン
ク壁が障害になり易くまたタンク開閉のスペースも広く
なる。ワイヤカット放電加工機では上記に加え長時間の
加工を行う場合は加工液に水加工液を使用しているため
錆などの発生が心配されるので特に浸漬式加工が好まれ
ている。このために上記いわゆる浸漬式形彫放電加工機
では、加工タンクの上部4つの側壁の4つの面が可動容
器部材によって構成され加工タンク上部の側壁が全体と
して入子状に昇降する形彫放電加工機が本出願人によっ
て提案されている(特開平2−48113号公報参
照)。
【0005】また、加工タンクの背面側壁を固定構造と
し残りの3側壁をコの字形状の一体構造の加工タンク壁
とした昇降可能な浸漬式形彫放電加工機(特開昭61−
136729号公報および特開昭61−270023号
公報参照)が提案されている。
【0006】一方、昇降式タンク構造のワイヤカット放
電加工機に対しては、加工タンクの側壁の3つの面が蛇
腹構造を有しこの蛇腹構造の側壁を伸縮させて加工タン
クの側壁部分を昇降させる構成のワイヤカット放電加工
機(特開平2−298435号公報)が提案されてい
る。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上記特
開平2−48113号公報に開示されている加工タンク
の上部の側壁の4つの面を全体として昇降させる浸漬式
形彫放電加工機では、側壁の一つが下アームによって貫
通されている浸漬式ワイヤカット放電加工機に適用する
ことができない。加工タンクの上部側壁を構成する可動
容器部材を下降させた時に下アームと干渉するからであ
る。
【0008】また、加工タンクの3つの側壁を蛇腹構造
にした上記特開平2−298435号公報に開示された
放電加工機では、本来加工タンクが浸漬式ではないの
で、もし加工液を加工タンク内に充満しようした場合、
加工タンクの側壁が膨出し、構造上不安定であり、信頼
性に欠ける問題があった。
【0009】また、上記特開昭61−136729号公
報および特開昭61−270023号公報に開示された
放電加工機では、加工タンクの側壁の3つの面が一体に
下方に下降するので、この下降した側壁を収納する大き
な空間を必要とする問題があった。さらにこの加工タン
クでは、固定式のテーブルでなければ採用できないもの
であり、通常一般的に採用されているクロステーブル上
に簡単な変更のみで載置することは到底できないもので
ある。
【0010】上記のように昇降式タンク構造を有する浸
漬式ワイヤカット放電加工機に従来の技術を応用しても
様々な問題点があり、さらに下アームが加工タンク壁を
貫通しアームと加工タンクが相対的に水密な状態で移動
可能な構造をもつワイヤカット放電加工機の構造には様
々な制約があった。
【0011】そこで本発明の目的は、上記従来技術の問
題点を解決し、下アームが加工タンク内に貫通しかつ加
工タンクと水密な状態で相対移動が可能であるとともに
加工タンクを昇降でき被加工物の交換や電極の垂直出し
作業の際加工タンクが障害とならない昇降式タンク構造
を有する浸漬式ワイヤカット放電加工機を提供し、従来
の放電加工機に大幅な改造を行うことなく適用可能な昇
降式加工タンクを提供することにある。
【0012】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
に本発明による浸漬式ワイヤ放電加工機は、放電加工液
を貯溜する加工タンクと、加工タンクの外側で一端が固
定され、加工タンクの側壁を貫通し、加工タンクの内側
の端部にワイヤ電極を案内する下ワイヤガイドを有する
下アームと、下ワイヤガイドの上方に上ワイヤガイドを
保持する上アームとを有し、加工タンクの放電加工液中
に被加工物を固定し、前記上・下ワイヤガイドの間に電
極ワイヤを張設して、前記ワイヤ電極と被加工物との間
で放電させながら前記上・下アームと加工タンクとを相
対的に移動させて被加工物を放電加工する浸漬式ワイヤ
放電加工機において、前記加工タンクは、側壁の一部が
被加工物を固定するワークスタンド上面より低い位置ま
で開放されていると共に、側壁の他の一部に液密状態を
維持しながら相対移動可能に前記下アームを貫通させる
アーム貫通部を有しているベース容器部材と、上下にス
ライドするとともに前記ベース容器部材の側壁の開放部
分を封止する少なくとも一つの可動容器部材とからな
り、この加工タンクの近傍には協働して前記可動容器部
材を上下に摺動させる昇降装置が配設されていることを
特徴とするものである。
【0013】上記昇降装置は、前記ベース容器部材と可
動容器部材の側壁に取り付けられたピンガイドとスライ
ドピンを介して前記可動容器部材を上下に昇降させるパ
ンタグラフと、連結ピンを介して前記パンタグラフを鉛
直方向に伸縮させるパンタグラフ駆動手段と、前記パン
タグラフ駆動手段を作動させる駆動装置とからなり、前
記パンタグラフ駆動手段はフレームと、このフレームに
回転自在に支持されると共に前記駆動装置によって回転
駆動されるねじと、前記ねじと螺合すると共に前記連結
ピンと係合し、ねじの回転によって上下動するハウジン
グ部材とからなり、前記ハウジング部材は前記パンタグ
ラフにかかる偏荷重に抗してパンタグラフをほぼ鉛直に
維持するように、複数のローラを介して前記フレームに
よって案内されていることを特徴とするものである。
【0014】
【作用】本発明による放電加工機の加工タンクは、側壁
の一部が被加工物を固定するワークスタンドの上面より
低い位置まで開放され、側壁の他の一部に液密状態を保
ちながら相対移動可能に下アームを貫通させるアーム貫
通部を有しているベース容器部材と、上下にスライドし
てベース容器部材の側壁の開放部を封止する少なくとも
一つの可動容器部材によって構成され、かつ、可動容器
部材を上下に摺動させる昇降装置を備えているので、加
工を完了し加工タンクを初期位置に戻して被加工物の搬
出・搬入に都合が良い状態で加工タンク内の放電加工液
を排出すると共に、可動容器部材のみを下降させること
ができる。可動容器部材がベース容器部材に沿って下降
することによってベース容器部材の開放部が現れ、この
ベース容器部材の開放部を通して被加工物を容易に交換
することができ、また、電極の垂直出し作業も容易に行
うことができる。また、被加工物交換後は可動容器部材
を上昇させると共に放電加工液を注入し、再び加工を開
始することができる。
【0015】また、可動容器部材はベース容器部材の外
面に沿って下降し、ベース容器部材の開放部下方の側壁
と重なった状態で収納されるので、小さな外形寸法を有
し、効率的な空間配置構造の放電加工機を得ることがで
きる。また、上記構造により、本発明の加工タンクは、
放電加工機のベッドに側壁を収納する空間を用意する必
要がなくワイヤカット放電加工機の加工テーブルと上ア
ームの間の空間に設置することができるので、大幅な改
造や設計変更を要するなく従来の浸漬式でないワイヤカ
ット放電加工機の加工タンク部に適用あるいは置き換え
ることができる。
【0016】さらに、本発明による昇降装置はパンタグ
ラフがパンタグラフ駆動手段のハウジング部材と係合し
ており、前記ハウジング部材はローラによってパンタグ
ラフ駆動手段のフレームによって案内されているので、
パンタグラフはハウジング部材とローラとを介してフレ
ームによって支持され、加工タンク内の水圧に抗して鉛
直に維持される。これにより、加工タンクのシール状態
が良好に保たれ、昇降装置そのものの倒れが防止され
る。
【0017】
【実施例】以下本発明の一実施例について、添付の図面
を参照して説明する。本願発明の要部は加工タンクの昇
降構造にあるが、理解容易のために加工タンクの説明に
先だって本願発明の放電加工機の全体について説明す
る。図2は本発明の放電加工機の全体を示している。放
電加工機1は本機2と加工液供給装置3と電源5とから
なり、本機2は前方に突き出したベッド4とコラム4a
とを有し、ベッド4の上には図示しないクロステーブル
が備えられ、このクロステーブル上に加工タンク6が水
平面内で移動可能に載置されている。コラム4aの上方
にはワイヤ電極送給装置7が取り付けられ、このワイヤ
電極送給装置7はコラム4aの上部に突設されている。
ワイヤ電極送給装置7近傍の電源5の頂部から操作パネ
ル8が回動可能な吊下アーム9によって吊り下げられて
いる。ベッド4の上面には直交するX軸方向とY軸方向
の水平面において移動可能なクロステーブル(図示せ
ず)が載置され、加工タンク6はクロステーブルによっ
て水平面内で移動する。加工タンク6の内部には複数の
ワークスタンド10が立設され、このワークスタンド1
0の上面には被加工物11が固定される。加工タンク6
は、側壁の3つの面がワークスタンド10の上面より低
い位置まで開放されているベース容器部材12と、この
ベース容器部材12の開放部を摺動可能に封止する第1
可動容器部材13と第2可動容器部材14とによって構
成されている。ベース容器部材12の背面は高い側壁を
有し、この背面側壁を下アーム15が貫通している。下
アーム15の加工タンク6の外側の端部はコラム4aに
固定され、下アーム15の加工タンク6内部の端部には
ワイヤ電極16を案内する下ワイヤガイド17が取り付
けられている。一方、ワイヤ電極送給装置7の下方に
は、ワイヤ電極16を案内する上ワイヤガイド18が上
アームを介して取り付けられている。
【0018】加工に際しては、加工タンク6内部に被加
工物11を固定し、可動容器部材13,14を上昇させ
てベース容器部材12の開放部を封止し、加工タンク6
内に放電加工液を注入して被加工物11を液中に浸漬
し、被加工物11に予め穿設された孔を通して上・下の
ワイヤガイド17,18の間にワイヤ電極16を張設す
る。次に、ワイヤ電極送給装置7からワイヤ電極16を
送給しながら放電加工液中でワイヤ電極16と被加工物
11との間で放電させる。被加工物11はワイヤ電極1
6の放電によって放電加工されるので、クロステーブル
を加工経路に沿ってX軸または/およびY軸の方向に移
動させることによって、被加工物11は所望の形状に放
電加工される。加工液供給装置3は加工により生じたチ
ップの除去、加工液の比抵抗制御等の機能をもつ加工液
貯蔵タンクである。
【0019】次に加工タンク6の構造および可動容器部
材13,14を昇降させる昇降装置について説明する。
図1(a),(b)は加工タンク6と昇降装置の一部を
分解して示している。図1(b)は図1(a)のガイド
レール部分の拡大図である。ベース容器部材12は背面
側壁R1 が高く、前面側壁F1 および両側面側壁S1
大部分がワークスタンド10の上面より低くなるように
開放されている。前面側壁F1 および両側面側壁S1
外側にはU字溝状の排水とい19を形成する隔壁D1
設けられている。さらに、隔壁D1 の両側面の外側には
カバーK1 が離間して設けられている。
【0020】第1可動容器部材13はベース容器部材1
2の側壁が低くなった開放部を覆うコの字形状に形成さ
れている。この第1可動容器部材13は前面側壁F2
側面側壁S2 と係止用折り曲げ部H2 とからなる内壁
と、この内壁の外側を離間して取り囲む隔壁D2 と隔壁
の外側を取り囲むカバーK2 とによって構成されてい
る。図4のように、上記内壁F2 ,S2 と隔壁D2 は幅
の狭いU字状の溝を形成するように底辺が所々で接続さ
れている。この内壁と隔壁D2 で構成されたU字状の溝
は、ベース容器部材12の内壁F1 ,S1 と隔壁D1
間に入子状に入り込んで排水とい19の一部を形成して
いる。また、カバーK2 はベース容器部材12のカバー
1 の外側に被さるように形成されている。
【0021】第2可動容器部材14は、上記第1可動容
器部材13とほぼ同様の構造を有しており、全体してベ
ース容器部材12の側壁が低くなった開放部を覆うコの
字形状に形成されている。第2可動容器部材14の内壁
は前面側壁F3 と側面側壁S3 と係止用折曲げ部H3
からなり、側面側壁S3 の片側の外側には隔壁D3が設
けられている。隔壁D3 とその内側の側面側壁S3 は底
辺が接続され、上記第1可動容器部材13の側面側壁S
2 と隔壁D2 の間に入子状に入り込んで排水とい19の
さらに上部部分を形成している。第2可動容器部材14
の外側にはカバーK3 が設けられ、このカバーK3 は第
1可動容器部材13のカバーK2 の上方および外側に被
さり、カバー全体が下降した際には第1可動容器部材1
3およびベース容器部材12のカバーを全体として内部
に収容可能に形成されている。
【0022】ベース容器部材12と第1可動容器部材1
3と第2可動容器部材14は、可動容器部材13,14
を上方に摺動させることによって4方が高い側壁に囲わ
れた加工タンク6を形成する。可動容器部材13,14
を下方に摺動させることにより、ベース容器部材12と
第1可動容器部材13と第2可動容器部材14が互いに
入子状に重なってベース容器部材12の開放部のタンク
側壁が下降し、3方の側壁が低い加工タンク6となるよ
うに構成されている。
【0023】ベース容器部材12の内壁S1 ,F1 の外
側と、第1可動容器部材13の内壁S2 ,F2 の外側に
はそれぞれシール部材A1 ,A2 が取り付けられてお
り、可動容器部材13,14の上下の摺動に際して加工
タンク6内の放電加工液が漏れないように構成されてい
る。また、排水とい19の両端から内壁F1 に沿って鉛
直に横断面ほぼコの字状のガイドレールGRが設けら
れ、可動容器部材13,14の側面側壁S2 , S3
端部をガイドするとともにシール部材A1 ,A2 のシー
ル性を維持している。さらに、放電加工液の液圧によっ
て可動容器部材13,14が前面側壁方向に移動して、
前面側壁の間隙が開くのを防ぐため、各内壁S2 ,S3
の端部に係止用折曲げ部材H2 ,H3 を設けると共に、
前記ガイドレールGRにも前記係止用折曲げ部材H2
3 を上下に移動可能なように案内する案内溝を備えて
いる。また、万一加工液が漏れたとしても、とい19に
たまった加工液はとい19の一部に設けた排水口(図示
せず)から排水される。
【0024】ベース容器部材12と第1可動容器部材1
3と第2可動容器部材14の隔壁D1 ,D2 ,D3 の外
側にはそれぞれピンガイドG1 ,G2 ,G3 が取り付け
られている。これらピンガイドG1 ,G2 ,G3 には、
パンタグラフ20に取り付けられたスライドピンP1
2 ,P3 がそれぞれ遊嵌している。言葉を変えれば、
パンタグラフ20はこれらスライドピンP1 ,P2 ,P
3 を介して加工タンク6の側面に取り付けられているの
である。
【0025】パンタグラフ20の外側にはパンタグラフ
駆動手段21が配設されている。パンタグラフ駆動手段
21は、ベッド4上面に立設されたフレーム22と、ベ
アリング23,24を介してフレーム22によって回転
自在に支持されたボールねじ25と、ボールねじ25に
螺合するハウジング部材26とによって構成されてい
る。ハウジング部材26は連結ピン27によってパンタ
グラフ20の関節部に連結されている。ハウジング部材
26はボールねじ25の回転によって上下動するように
ボールねじナットを収容して構成されている。
【0026】本実施例では、ボールねじ25を回転駆動
するために、ボールねじ25の下部にウォームホイール
28を嵌着させると共に、フレーム22の近傍に駆動シ
ャフト30を配設し、この駆動シャフト30にウォーム
ホイール28と噛合するウォーム29を固定している。
このことにより、駆動シャフト30を回転させることに
より、ボールねじ25はウォームホイール28とウォー
ム29とを介して回転駆動される。
【0027】図3は加工タンク6の水平方向の断面と、
パンタグラフ駆動手段21を駆動する動力の伝達機構を
示している。図に示すように、加工タンク6の両側にパ
ンタグラフ駆動手段21が設けられている。また、可動
容器部材13,14の昇降装置31の駆動源として駆動
モータ32が加工タンク6の近傍のベッド4上に固定さ
れている。さらに加工タンク6の側面と背面を取り囲む
ように複数の駆動シャフト30がユニバーサルジョイン
ト33とベベルギヤ34とを介して駆動モータ32と動
力伝達可能に連結されている。このことにより、駆動モ
ータ32が回転することにより、両パンタグラフ駆動手
段21のボールねじ25は、駆動シャフト30とウォー
ム29とウォームホイール28とを介して回転駆動され
る。
【0028】また、図3に加工タンク6の背面側壁R1
を貫通する下アーム15のアーム貫通部35の構造が明
らかに示されている。ベース容器部材12の背面側壁R
1 には水平方向に長い開口部36が設けられており、こ
の開口部36の外側には加工タンク6に対してX−X方
向に摺動可能なスライディングプレート37が開口部3
6を覆うように取り付けられている。スライディングプ
レート37の中心部には下アーム15を貫通させる貫通
孔38が設けられている。背面側壁R1 の開口部36と
スライディングプレート37と下アーム15の摺接部に
はそれぞれシール部材39が設けられている。この構造
により、加工タンク6と下アーム15は液密の状態を保
ちながら、相対的にいずれの方向X軸,Y軸に沿って移
動することができる。なお、図3中の符号41は放電加
工液を排出するためのドレン溝を示している。
【0029】図4は放電加工機1の正面から見た加工タ
ンク6の断面を示している。図4に示すように、ベース
容器部材12と第1可動容器部材13と第2可動容器部
材14は入子状に重なるように形成されており、U字状
溝に形成された側壁S1 ,S2 ,S3 と隔壁D1
2 ,D3 はタンクの周りに排水とい19を形成し、所
定の液面高さを超えた放電加工液は矢印fに示すように
集合されて外部に排出されるように構成されている。パ
ンタグラフ20とパンタグラフ駆動手段21は外部から
直接見えないようにカーバーK1 ,K2 ,K3 の内部に
収容されている。隔壁D1 ,D2 ,D3 の外側に設けら
れたピンガイドG1 ,G2 ,G3 は図に示すようにパン
タグラフ20の関節部に取り付けられたスライドピンP
1 ,P2,P3 を移動可能に係合している。一方、パン
タグラフ20はスライドピンP1 ,P2 ,P3 の反対側
の面において連結ピン27を介してパンタグラフ駆動手
段21のハウジング部材26と連結している。
【0030】図5は加工タンク6の一部断面を含む側面
図を示している。図5に示すようにピンガイドG1 ,G
2 ,G3 はそれぞれベース容器部材12と第1可動容器
部材13と第2可動容器部材14の前方部分と後方部分
にそれぞれ取り付けられ、これに対してスライドピンP
1 ,P2 ,P3 はパンタグラフ20の端部あるいは端部
の関節部に取り付けられ、各ピンガイドG1 ,G2 ,G
3 の内部で図5の矢印mに示すように移動することがで
きる。連結ピン27はハウジング部材26に対して転動
可能に取り付けられ、パンタグラフ20の中央部の関節
部と係合している。ボールねじ25の回転によってハウ
ジング部材26が上下動することによって、パンタグラ
フ20は鉛直方向に伸縮し、これに伴って、可動容器部
材13,14はピンガイドG1 ,G2 ,G3 とスライド
ピンP1 ,P2 ,P3 の作用によって水平に支持された
状態で上下に摺動することができる。なお、図5に明ら
かに示すように、アーム貫通部35のスライディングプ
レート37は上下辺がスライディングプレート押え42
によってガイドされ、その外側にワイパー43とワイパ
ー押え44を備えている。アーム貫通部35はシール部
材39によって液密状態が維持されると共に、ワイパー
43とワイパー押え44によって外部からの異物の進入
が防止される。
【0031】次にパンタグラフ駆動手段21の構造につ
いて図6および図7を用いてさらに詳しく説明する。パ
ンタグラフ駆動手段21はベッド4に固定されたフレー
ム22を有し、このフレーム22によってボールねじ2
5がベアリング23,24を介して鉛直かつ回転可能に
支持されている。ボールねじ25の下部にはウォームホ
イール28が固定され、ウォームホイール28の上部に
はハウジング部材26がボールねじナットを内蔵して螺
合されている。ハウジング部材26は可動容器部材1
3,14がコの字形であるための自重による偏荷重に抗
してパンタグラフ20を鉛直に維持するY方向ガイドロ
ーラー45とX方向ガイドローラー46とを有してい
る。Y方向ガイドローラー45はフレーム22の内周面
に転がり接合する一対のローラーからなり、パンタグラ
フ20のY方向の倒れに抗してパンタグラフ20を鉛直
に維持することができるようにローラ45と連結ピン2
7が同一水平面上に配設されている。一方、X方向ガイ
ドローラー46はフレーム22の両面に転がり接合する
二対のローラーによって構成され、これら2対のローラ
ーは上下位置がずらされ、ピンガイドG2 ,G3 部に負
荷されるタンク荷重が連結ピン27を介してハウジング
部材26の中心、すなわちボールねじ中心より内側にず
れて負荷されるためのモーメントに抗するように配置さ
れているので、パンタグラフ20のX方向の倒れに抗し
てパンタグラフ20を垂直に維持することができる。そ
して、これらのローラによってハウジング部材26がフ
レーム22にガイドされているので、ボールねじとボー
ルねじナットとの間に過大なラジアル荷重がかからない
ようにしている。
【0032】以上の構造に基づいて本実施例の放電加工
機1の作用について以下に説明する。上述したように加
工タンク6のベース容器部材12は、前面側壁F1 と側
面側壁S1 の大部分が被加工物11を固定するワークス
タンド10の上面より低い位置まで開放され、背面側壁
1 が高い位置まで一体に形成され、下アーム15がこ
の背面側壁R1 を相対移動可能に貫通している。これに
対して、第1可動容器部材13と第2可動容器部材14
は全体としてコの字形に形成され、上方に摺動してベー
ス容器部材12の開放部を封止すると共に、下方に摺動
してベース容器部材12の低い側壁部分と入子状に重な
るように構成されている。すなわち、第1可動容器部材
13および第2可動容器部材14は下降時に下アーム1
5と干渉することがないので、放電加工を完了した状
態、或いは加工後にワイヤ電極16を初期位置に戻した
状態のどの位置であっても加工タンク6内の放電加工液
を排出すると同時に、可動容器部材13,14を下降さ
せることができる。可動容器部材13,14を下降させ
ることにより、加工タンク6の前面および側面の側壁部
分が被加工物11の下方にまで低められる。この低めら
れた側壁部分を通して被加工物を容易に交換でき、被加
工物11を交換した後は可動容器部材13,14を上昇
させると共に放電加工液を注入し、直ちに再加工を開始
することができる。このことにより、加工の能率向上お
よび加工精度向上を図ることができる。また本実施例か
ら明らかなように、複数組みのパンタグラフ20とパン
タグラフ駆動手段21が配設され、これらパンタグラフ
20とパンタグラフ駆動手段21の組は単一の駆動モー
タ32によって同期され、複数の支点で複数の可動容器
部材13,14を同時に支持でき、各可動容器部材は水
平に支持された状態でスムーズに上下動することができ
る。さらに、本実施例のパンタグラフ駆動手段21のハ
ウジング部材26はY方向ガイドローラー45とX方向
ガイドローラー46を介してフレーム22によってガイ
ドされているので、可動容器部材13,14がコの字形
の形状であるための自重によってパンタグラフ20を転
倒させる偏荷重に対してパンタグラフ20を垂直に維持
することができる。さらに係止折曲げ部H2 ,H3 とガ
イドレールGRの案内溝とによって、可動容器部材1
3,14が前方へ移動しないようにしている。このこと
により、可動容器部材の傾斜による液漏れを防止するこ
とができる。
【0033】なお、上記実施例では被加工物11の交換
を手動で交換する場合について説明したが、本発明はこ
れに限られることなく、公知の制御装置を利用すること
によって自動的あるいは半自動的に被加工物を交換する
ことができることは明らかである。すなわち、NC制御
装置と放電加工液給排装置と昇降装置とを連動させ、放
電加工終了後に自動的に可動容器部材を下降させると同
時に放電加工液の排水を行い、被加工物交換終了をセン
サーによって検知し、あるいは手動による信号によって
可動容器部材を自動的に上昇させると同時に放電加工液
を注入し、準備が完了した状態をセンサ等によって検知
して放電加工を再開することができる。あるいは自動化
工場において、他の被加工物交換用のロボットやシステ
ムと組み合わせて上記被加工物の交換作業を完全に自動
化することも本発明の技術的範囲に含まれるものであ
る。
【0034】また、上記本発明の加工タンクは、タンク
側壁が昇降する構造ながら小さな外形寸法を有して全体
として上アームと加工テーブルの間の空間に納まり、こ
の加工タンクを設ける放電加工機自体に下降するタンク
側壁等を収納する空間や機構を設ける必要がない。した
がって、従来の一体構造のタンクを有する放電加工機
や、加工タンクを有しない放電加工機を大幅に改造する
ことなく、容易に本発明の加工タンク部を適用すること
ができる。
【0035】なお、上記ベース容器部材の係止ガイド部
と可動容器部材の折曲げ部は、上記図1に示されたもの
に限られず、係止でき、かつ、摺動を許す当業者に明ら
かな任意の構造をとることができる。たとえば、図8に
示すようにベース容器部材12の側壁S1 に先端に折曲
げ部を有する係止部材61を固定し、この係止部材61
の内側に、案内溝62,63を有する案内用部材64を
設け、案内溝62,63と係合するように可動容器部材
13,14の側壁S2 ,S3 を配設する。第2可動容器
部材14の側壁S3 の外側には被係止部材64が係止部
材61の先端折曲げ部と係合するように固着されてい
る。側壁S1 ,S2 ,S3 の間にはシール部材A1 ,A
2 が配設されている。上記構造の係止ガイド部によれ
ば、加工タンク内の水圧による可動容器部材13,14
の前方への移動は係止部材61の先端折曲げ部と被係止
部材64との係合によって防止される。
【0036】
【発明の効果】上記の説明から明らかなように、本発明
の放電加工機はベース容器部材と少なくとも一つの可動
容器部材からなる加工タンクを有し、ベース容器部材は
側壁の一部がワークスタンドの上面より低い位置まで開
放されていると共に、開放部以外の側壁の一部は下アー
ムによって相対移動可能に貫通され、可動容器部材は下
アームと干渉することなく上下にスライドしてベース容
器部材の開放部を封止するように構成されているので、
放電加工を完了した状態のワイヤ電極のいずれの位置で
もワイヤ電極や加工タンクを移動する事なく、加工タン
クの側壁の一部を低めて被加工物を容易に交換でき、電
極の垂直出し作業を行うことができる。このことによ
り、加工効率が高い放電加工機を得ることができる。
【0037】また、可動容器部材はベース容器部材と入
子状に重なった状態で収納されるので、加工タンクの下
方の基台に側壁を収納する空間を用意する必要がなく、
かつ、任意の位置で可動容器部材を下降させることがで
きる効率的な空間配置を有する放電加工機を得ることが
できるとともに、わずかな設計変更によって従来の放電
加工機の加工タンク部に適用可能な昇降式加工タンクを
得ることができる。
【0038】さらには、本発明のパンタグラフ駆動手段
のハウジング部材はY方向ガイドローラーとX方向ガイ
ドローラーを介してフレームによってガイドされている
ので、可動容器部材がコの字形の形状であるための自重
によってパンタグラフを転倒させる偏荷重に対してパン
タグラフを垂直に維持することができる。また、係止折
曲げ部とガイドレールの案内溝とによって、可動容器部
材の前方への移動を防止している。このことにより、可
動容器部材の傾斜による液漏れを防止することができ
る。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の加工タンクと昇降装置の一部を分解し
て示した斜視図。
【図2】本発明による放電加工機の全体を示した斜視
図。
【図3】本発明の放電加工機の加工タンクの水平方向の
断面図。
【図4】本発明の放電加工機の加工タンクの一部を断面
で示す側面図。
【図5】本発明の放電加工機の加工タンクの垂直方向の
断面図。
【図6】本発明のパンタグラフ駆動手段を拡大して示し
た一部断面図。
【図7】本発明のパンタグラフ駆動手段を拡大して示し
た側面図。
【図8】本発明の係止ガイド部の他の実施態様を拡大し
て示した断面図。
【符号の説明】
1 放電加工機 4a コラム 6 加工タンク 7 ワイヤ電極送給装置 10 ワークスタンド 12 ベース容器部材 13 第1可動容器部材 14 第2可動容器部材 15 下アーム 16 ワイヤ電極 17 下ワイヤガイド 18 上ワイヤガイド 20 パンタグラフ 21 パンタグラフ駆動手段 22 フレーム 25 ボールねじ 26 ハウジング部材 27 連結ピン 28 ウォームホイール 29 ウォーム 30 駆動シャフト 31 昇降装置 32 駆動モータ 35 アーム貫通部 45 Y方向ガイドローラー 46 X方向ガイドローラー G ピンガイド P スライドピン GR ガイドレール H 係止折曲げ部

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】放電加工液を貯溜する加工タンクと、前記
    加工タンクの外側で一端が固定され、前記加工タンクの
    側壁を貫通し、加工タンクの内側の端部にワイヤ電極を
    案内する下ワイヤガイドを有する下アームと、前記下ワ
    イヤガイドの上方に上ワイヤガイドを保持する上アーム
    とを有し、加工タンクの放電加工液中に被加工物を固定
    し、前記上・下ワイヤガイドの間に電極ワイヤを張設し
    て、前記ワイヤ電極と被加工物との間で放電させながら
    前記上・下アームと加工タンクとを相対的に移動させて
    被加工物を放電加工する浸漬式ワイヤ放電加工機におい
    て、 前記加工タンクは、側壁の一部が被加工物を固定するワ
    ークスタンド上面より低い位置まで開放されていると共
    に、側壁の他の一部に液密状態を維持しながら相対移動
    可能に前記下アームを貫通させるアーム貫通部を有して
    いるベース容器部材と、上下にスライドするとともに前
    記ベース容器部材の側壁の開放部分を封止する少なくと
    も一つの可動容器部材とからなり、この加工タンクの近
    傍には協働して前記可動容器部材を上下に摺動させる昇
    降装置が配設されていることを特徴とする浸漬式ワイヤ
    放電加工機。
  2. 【請求項2】前記昇降装置は、前記ベース容器部材と可
    動容器部材の側壁に取り付けられたピンガイドとスライ
    ドピンを介して前記可動容器部材を上下に昇降させるパ
    ンタグラフと、連結ピンを介して前記パンタグラフを鉛
    直方向に伸縮させるパンタグラフ駆動手段と、前記パン
    タグラフ駆動手段を作動させる駆動装置とからなり、前
    記パンタグラフ駆動手段はフレームと、このフレームに
    回転自在に支持されると共に前記駆動装置によって回転
    駆動されるねじと、前記ねじと螺合すると共に前記連結
    ピンと係合し、ねじの回転によって上下動するハウジン
    グ部材とからなり、前記ハウジング部材は前記パンタグ
    ラフにかかる偏荷重に抗してパンタグラフをほぼ鉛直に
    維持するように、複数のローラを介して前記フレームに
    よって案内されていることを特徴とする請求項1記載の
    浸漬式ワイヤ放電加工機。
  3. 【請求項3】前記ベース容器部材は前記可動容器部材を
    ガイドすると共に加工タンク内の水圧に抗して前記可動
    容器部材を係止する係止ガイド部を有し、前記可動容器
    部材の少なくとも一つは前記係止ガイド部によって係止
    される被係止部あるいは被係止部材を備えていることを
    特徴とする特許請求の範囲第1項に記載の浸漬式ワイヤ
    放電加工機。
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