JPH1177435A - 放電加工装置 - Google Patents

放電加工装置

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JPH1177435A
JPH1177435A JP26103697A JP26103697A JPH1177435A JP H1177435 A JPH1177435 A JP H1177435A JP 26103697 A JP26103697 A JP 26103697A JP 26103697 A JP26103697 A JP 26103697A JP H1177435 A JPH1177435 A JP H1177435A
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JP
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tank
processing
machining
processing tank
liquid
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JP26103697A
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English (en)
Inventor
Motoyoshi Gaya
基嘉 峨家
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Sodick Co Ltd
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Sodick Co Ltd
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  • Electrical Discharge Machining, Electrochemical Machining, And Combined Machining (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】 加工槽に加工液を貯留して被加工物を浸漬し
て加工するときに、加工液の液面のレベルを加工ヘッド
に追従させるだけでなく、必要により所要のタイミング
で任意の位置に設定し、変更し、調整できるようにする
こと。 【解決手段】 加工槽1は、固定加工槽1Aと昇降加工
槽1Bを有する。液面調整装置は、3つの槽壁1Dが一
体的に組み立てられた昇降加工槽1Bにより構成され
る。駆動装置は、機体左右に設けられた昇降装置7、7
により構成され、昇降加工槽1Bを垂直方向に移動させ
る。制御装置100は、エンコーダ91等の位置検出装
置で検出される昇降加工槽1Bの現在位置を認識する。
制御装置100は、設定装置104で設定された任意の
高さに昇降加工槽1Bを位置させるべく、昇降装置7、
7を駆動制御する。液面検出装置107は、フロートス
イッチSENSの信号に応じて液面信号を出力する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、加工槽に放電加工
液を貯留して被加工物を浸漬できる放電加工装置に関
し、その加工液の液面のレベルを任意の高さに設定で
き、自動的に変更ないし調整することができる放電加工
装置に関する。
【0002】
【従来の技術】テーブル上に設置された定盤やワークス
タンドを介して取り付けられた被加工物を取り囲むよう
に設けられた槽壁と底面とで構成される加工槽に放電加
工液を貯留して放電加工を行なうようにした形態の放電
加工装置が知られている。この形態の放電加工装置の中
には、加工槽の槽壁が被加工物の取付け及び取外しに代
表される槽壁の周辺における作業の邪魔にならないよう
に、あるいはその以外の種々の利点のために、少なくと
も1つの槽壁を垂直方向に移動できるようにした放電加
工装置がある。
【0003】加工槽に放電加工液を貯留して放電加工を
行なう場合には、貯留した加工液の液面のレベルが所定
の位置に設定される必要がある。このことは、加工ヘッ
ドの周辺に設けられた本来加工液に浸漬されるべきでな
い部材の腐食や汚損を防止する上で、あるいは油系放電
加工液を使用した場合の火災発生を防止する上で重要で
ある。
【0004】貯留する加工液の液面の望ましいレベル
は、被加工物の板厚や加工ヘッド周辺の部材の取付状況
など、その時の加工の形態により異なるので、加工する
以前に所要のレベルに液面が位置するように加工液を供
給する必要がある。そのため、加工槽に供給される余分
な加工液が加工槽に設けられた堰板を越えてドレインに
溢出されるように構成し、その堰板の位置を所定の位置
に配置することにより液面のレベルを設定するようにし
ている。
【0005】加工が徐々に加工深さ方向に進行するよう
な加工では、基本的には液面のレベルも徐々に下げるよ
うに調整すればよい。例えば、加工ヘッドや堰板に設け
られたフロートスイッチなどの液面検出器の検出値に応
じて堰板や加工槽壁を連動させ昇降するように、もしく
はバルブやポンプを連動させ調節するように構成され
る。このような形態の装置は、特公昭61−53180
号公報、特開昭59−152027号公報、特開昭59
−192427号公報、特開昭59−205222号公
報、特開昭63−134126号公報等に開示されてい
る。
【0006】ところで、その加工の形態によっては、垂
直方向に移動する加工ヘッドの位置が上下に大きく変動
することがしばしば生じるので、加工中に加工の進行に
合わせて液面のレベルが上下に調整される必要がある。
そのためには、上述したような装置の例では十分ではな
く、加工ヘッドの位置に対して液面のレベルが追従され
なければならない。特開昭58−94935号公報、実
開昭4−50018号公報、特開昭61−274822
号公報、特開平4−300123号公報、特開平2−2
64218号公報、特開平9−174340号公報等
に、それを可能にする装置が開示されている。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】上述したような技術に
より、液面のレベルを加工ヘッドの位置に対応させて調
整することが可能になったが、未だいくつかの点で改良
が望まれている。特に、必要なタイミングで、液面のレ
ベルを任意の高さに設定でき、それを変更し、調整でき
れば、放電加工における作業時間が短縮され、その作業
性と作業能率が向上するであろう。例えば、ワイヤ電極
の自動結線を行なうときのように、加工を一時中断する
とともに加工液を排出して作業を行なわなければならな
い場合、自動的に任意の最適なレベルまで加工液を排出
できるとしたら、作業者の負担は軽減され、かつ作業時
間は短縮される。
【0008】本発明は、加工槽に貯留される加工液の液
面のレベルを加工ヘッドの位置に合わせて変位させるこ
とができる放電加工装置の改良を目的とする。具体的に
は、加工液の液面のレベルを所要の作業状態に応じて任
意に設定可能かつ自動的に変更ないし調整可能な放電加
工装置を提供することを目的とする。その他のいくつか
の本発明により得られる利点は、以下の説明に詳細に記
載される。
【0009】
【課題を解決するための手段】上述した点に鑑みて、本
発明は、加工液を貯留し被加工物(WP)が配置される
加工槽と、加工液の液面のレベルを調整する液面調整装
置と、その液面調整装置を駆動する駆動装置と、加工液
の液面を検出する少なくとも1つの検出器(SENS)
と、液面調整装置に対する所望の位置を設定する設定装
置(104)と、液面調整装置の現在位置を検出する位
置検出装置と、設定された所望の位置と検出される現在
位置とに基づいて液面調整装置が所望の位置に位置する
ように駆動装置を制御する制御装置(100)とを含ん
で成る放電加工装置を提供する。
【0010】好ましくは、垂直方向に移動することがで
きる加工槽(1)の槽壁(1D)と、槽壁(1D)を垂
直方向に移動させる昇降装置(7)と、槽壁(1D)に
対する所望の位置を設定する設定装置(104)と、槽
壁(1D)の現在位置を検出する位置検出装置と、槽壁
(1D)の現在位置を検出する位置検出装置と、設定さ
れた所望の位置と現在位置とに基づいて槽壁(1D)が
所望の位置に位置するように昇降装置(7)を制御する
制御装置(100)とを設ける。より好ましくは、加工
槽(1)から溢出される加工液を回収する補助槽(3)
と、その補助槽(3)と溢出される加工液を機外へ排出
する排液口(5)とを連通し垂直方向に伸縮自在な連通
部材(4)とを設ける。
【0011】
【作用】設定装置により堰板または加工槽の少なくとも
1枚の槽壁の位置とその位置に位置決めされるをタイミ
ングを任意に設定できる。加工槽内の加工液は、この槽
壁または堰板をオーバフローするので、加工液の液面の
レベルは、この槽壁または堰板を超えない。そして、こ
の堰板または槽壁は、位置検出装置により位置が検出さ
れ、制御装置により駆動制御される。したがって、加工
液の液面のレベルは、所望の高さに設定され、維持さ
れ、変更され、かつ調整される。
【0012】
【発明の実施の形態】本発明に係る一実施の形態の全体
の概略構成が図1、図2、及び図3に示されている。こ
れらの図に示される放電加工装置はワイヤカット放電加
工装置であって、水平方向にワイヤ電極と被加工物とを
相対移動させるXY軸移動装置、ワイヤ電極を傾斜させ
るためにUV軸方向にワイヤ電極と被加工物とを相対移
動させるテーパ加工装置、加工液を加工槽に供給する加
工液供給装置は図中において省略されている。
【0013】加工槽1は、ベッド2の前部上面に固定さ
れた固定加工槽1Aと、固定加工槽1Aの上側に垂直方
向に移動可能に設けられた昇降加工槽1Bと、固定加工
槽1Aに取り付けられ加工槽1の背面側に配置された背
面側槽壁1Cと、図示しない底板で成る。液面調整装置
は、その垂直方向の移動により実質的に加工液の液面の
レベルを所定の高さに調整して維持する昇降加工槽1B
により構成されている。この昇降加工槽1Bは3枚の板
状の槽壁1Dが一体的に組み立てられて構成され、その
少なくとも1つの槽壁に補助槽3が設けられている。そ
して、その槽壁板の補助槽3との間には切欠が設けら
れ、加工槽1の加工液は、この切欠から補助槽3に溢出
する。
【0014】補助槽3の底部には開口が設けられ、その
開口は伸縮自在な連通部材4の上面開口と連結されてい
て、加工槽1から溢出した加工液は、連通部材4から排
液口5へと導かれる。固定加工槽1Aと昇降加工槽1B
との間隙はシールされていて、加工槽1に貯留される加
工液が漏洩するのを防止している。それでも若干漏洩す
る加工液をワイヤカット放電加工機の機体が設置されて
いる床面へ流下させないために、受液槽6が固定加工槽
1Aをカバーするように設けられている。なお、受液槽
6の底板は固定加工槽1Aの底面を含んでいて、換言す
れば加工槽1の底板を兼用している。
【0015】昇降加工槽1Bは、加工槽1の左右側槽壁
面に各々設けられた2つの昇降装置7により所定のスト
ローク内を加工ヘッド8の移動軸(Z軸)と平行な軸線
(以下P軸と言う)に沿って垂直方向に移動することが
できる。したがって、この実施の形態では、液面調整装
置である昇降加工槽1Bを駆動する昇降装置7が液面調
整装置の駆動装置を構成している。
【0016】昇降装置7の駆動プーリ7Aを駆動するサ
ーボモータ9は、図1では便宜上機体の外側に描かれて
いるが、この実施の形態における実用上の設計では、図
3に示されるように、ベッド1の空間内に設置される。
このサーボモータ9は、同径のギヤまたはベルト車でシ
ャフト13Aに接続される。シャフト13Aは、間にユ
ニバーサルジョイント14挟んで同様のシャフト13B
と連結され、シャフト13Aとシャフト13Bのそれぞ
れの一端に2つの昇降装置7の各プーリ7Aが連結され
る。したがって、サーボモータ9の駆動により2つのプ
ーリ7Aが同時に回転する。
【0017】機体の上下方向に、ワイヤ電極WEを案内
する一対のワイヤガイドが設けられる。上側ワイヤガイ
ドは、上部アームを含む加工ヘッド8に設けられた上側
ガイド組体10内に収納されている。上側ガイド組体1
0には、ワイヤ電極WEに給電する図示しない通電体も
収納され、また、ワイヤ電極WEが張架された方向に同
軸に加工液噴流を噴射するノズルが設けられている。下
側ワイヤガイドは、下部アーム11の先端部に取り付け
られた下側ガイド組体12に収納されている。下側ガイ
ド組体12には、上側ガイド組体10と同様に、通電体
とノズルを含んでいる。
【0018】被加工物WPは、図3に示されるように、
ワークテーブル15に取り付けられた治具板16上に設
置される。なお、ワイヤ電極WEを被加工物WPに対し
て相対移動させる各軸の移動装置は、図1及び図2に描
写された破断されているベッド2の加工槽背面側に搭載
されている。これらの図示しない各軸(X、Y、Z、
U、V)の移動装置は、制御装置100により駆動制御
される。
【0019】制御装置100は、少なくとも、演算装置
101と、記憶装置102と、駆動パルス発生装置10
3を有する主制御部を具備している。設定装置104
は、放電加工装置を制御するのに必要なNCデータを含
む種々のデータを主制御部に与える装置である。この設
定装置104は、スイッチなどを操作することにより必
要なデータを入力できる装置と外部から必要なデータを
読み込んで入力できる装置とを含んでいる。演算装置1
01は、この設定装置104から得られるデータを一旦
記憶装置102に記憶させる。また、演算装置101
は、この記憶されたデータと予め既に設定されているい
くつかのデータを利用して所定の演算を行なって、放電
加工装置を制御するための指令信号を出力する。
【0020】演算装置101は、既に設定されているN
Cプログラムを解読する。そのNCプログラム中に含ま
れるワイヤ電極WEと被加工物WPとの相対移動と液面
制御装置である昇降加工槽1Bの移動に関係する命令
(コード)について言えば、演算装置101で演算され
た移動指令信号が駆動パルス発生装置103に出力さ
れ、ここでモータ制御パルスに変換されて、各軸(X、
Y、Z、U、V)のモータドライバ105群及びP軸の
モータドライバ106に分配出力される。
【0021】モータドライバ106は、駆動パルス発生
装置103から出力されるパルス信号に基づいて、昇降
装置7を駆動するサーボモータ9を回転させる所定の電
流をサーボモータ9に出力する。また、モータドライバ
106では、エンコーダ91からのフィードバック信号
が得られると回転速度や位置が補正される。
【0022】液面調整装置を任意の位置に移動制御する
ためには、制御装置100がP軸の現在位置を認識して
いなければならいので、位置検出装置を設けている。具
体的には、演算装置101が図示しないリミット検出器
で検出されるストロークリミットまで液面調整装置を移
動させて、そのとき記憶装置102の所定領域に設けら
れた位置の記憶をリセットして機械原点としてセットす
る。そして、この領域を利用して、演算装置101から
出力される移動指令信号を機械原点を基準にして加減算
することにより現在位置を記憶させ、常に現在位置を認
識できるように構成されている。機械原点を一度設定し
た後は、記憶が失われたり事故により位置関係が変動し
ない限り、再設定する必要がない。サーボモータに設け
られたエンコーダ91や図示しない移動装置のスライダ
に併設されたリニアスケールを位置検出装置とする場合
は、これらのフィードバック信号を直接入力する。
【0023】制御装置100には、加工槽1内の加工液
に浮上するフロートの移動により電気的にオンオフする
構成のフロートスイッチSENSのオン信号に基づいて
液面を検出する液面検出装置107と、図示しない加工
液供給装置のポンプや制御バルブに制御信号を出力する
加工液制御部108が収納されている。なお、制御装置
100には、放電加工用の電源回路装置や表示装置など
の必要な装置も含まれているが、ここではその詳細な説
明は省略されている。
【0024】図4には、加工槽1の固定加工槽1Aの拡
大された一部分とその周辺の部材の構成がより詳細に示
されている。なお、図4に示される固定加工槽1Aは、
その正面と左側面であり、その右側は切断して図示を省
略している。
【0025】固定加工槽1Aの外壁面には昇降加工槽1
Bとの間隙から加工液が漏洩することを防止するために
シール17がその長手方向に取り付けられている。同様
に、後部槽壁1Cが一体的に設けられた固定加工槽1A
の後部の外壁面には、垂直方向にシール18が設けれて
いる。そして、シール18よりもさらに機体の後部側の
外壁面には、台座19を介して昇降装置7のベース7B
が取り付けられている。また、それとほぼ対称に、図示
されていない右側面についてもシール17と昇降装置7
が設けられている。
【0026】固定加工槽1Aの下側に排液口5を備えた
受液槽6が取り付けられており、固定加工槽1Aと昇降
加工槽1Bとの間隙から漏洩したり事故により昇降加工
槽1Bから溢出したりする加工液を回収して、排液管2
0から排出する。受液槽6の左側面側部分には、上部が
開放された排液連絡部材21が受液槽6の壁面を貫通し
て排液口5に連通するように設置されている。また、固
定加工槽1Aに溜まった加工液は、図示しないドレイン
バルブを解放することにより、ドレインパイプ22を通
って排出できる。
【0027】排液連絡部材21の上部には連通部材4が
配置され、排液連絡部材21の開放口に連通部材4の接
合板4Aがボルトにより締付固定される。連通部材4の
本体4Bはベローズで構成され、昇降加工槽1Bの上下
の移動に対して伸縮するようになっている。この本体4
Bは、耐水布状材やゴム材のように柔軟性もしくは可撓
性を有する材質の部材であれば、形状として断面円形の
ホース状のような形状であってもよいが、可能な限り昇
降加工槽1Bの移動を妨げないように、また、加工槽1
全体あるいは昇降加工槽1B内に貯留された加工液を全
て排出するときでも、比較的短時間にかつスムーズに排
液が行われるように設計されるべきである。さらに、連
通部材4の本体4Bの上端部に接合板4Cが取り付けら
れて、この接合板4Cが補助槽3の底部の開口にボルト
により締付固定される。
【0028】図5には、加工槽1の昇降加工槽1Bの拡
大された一部分と昇降装置7、及びその周辺の部材の構
成がより詳細に示されている。なお、図5に示される昇
降加工槽1Bは、その正面と左側面であり、その右側は
切断されて省略されているとともに、図4に示された固
定加工槽1Aと対応するように描かれている。
【0029】昇降加工槽1Bの左側面に隣接して補助槽
3が設けられている。昇降加工槽1Bの補助槽3が設け
られた槽壁には、加工液がオーバフローする切欠とし
て、その槽壁を貫通する貫通孔3Aが穿設されている。
この貫通孔3Aの直下には、図示しないフロートスイッ
チが取り付けられている。また、開口3Bが設けられた
補助槽3の底部には、図4に示された連通部材4の接合
板4Cが締付固定され、その底部の開口3Bと連通部材
4の上部開口とが接続している。このとき、昇降加工槽
1Bの槽壁の内側は、シール17とシール18を挟んで
固定加工槽1Aと後部槽壁1Cとの外壁面に摺接してい
る。
【0030】昇降装置7は、具体的には、駆動プーリ7
Aと、ベース7Bと、従動プーリ7Cと、タイミングベ
ルト7Dと、ガイドレール7Eと、移動ガイド体7F
と、ベルトガイドブロック7Gと、ガイドブロック取付
体7Hとを含んで成る。
【0031】駆動プーリ7Aは、サーボモータ9により
回動し、直接的にはタイミングベルト7Dを駆動させ、
間接的にはそのタイミングベルト7Dを介して後述する
接合部材23で連結されている昇降加工槽1Bを駆動す
る。駆動プーリ7Aは、台座19を介して固定加工槽1
Aと後部槽壁1Cに堅牢に固定されたベース7Bの下端
側取付孔にその軸部を挿通して回転可能に取り付けられ
る。そして、回転軸が平行に設けられたサーボモータ9
にギアもしくはベルトを介して連結される。この実施の
形態では、図3に示されるように、サーボモータ9を駆
動プーリの回転軸に直結させず、駆動プーリ7Aと同軸
にシャフト13を取り付け、このシャフト13を介して
反対の側面に設けられた別の昇降装置7の駆動プーリ7
Aも同時に回転させる構成を採用している。このとき、
サーボモータ9は、固定加工槽1Aを搭載しているベッ
ド2の中空内部に固定されている。
【0032】従動プーリ7Cは、駆動プーリ7Aと垂直
方向にほぼ同一軸線上に位置するように、ベース7Bの
上端側に穿設された取付孔にその軸部を挿通して回転可
能に取り付けられる。そして、駆動プーリ7Aと従動プ
ーリ7C間に、ほぼ緊張するように無端のタイミングベ
ルト7Dが張架される。
【0033】図5の左円内には、タイミングベルト7D
の固定部分の部品の組立状態が示されている。タイミン
グベルト7Dの少なくとも内側は、駆動プーリ7Aと従
動プーリ7Cの歯とぴったり噛み合うように連続する歯
が形成されている。一方、ベルトガイドブロック7Gに
は、このタイミングベルト7Dの連続する歯に噛み合う
連続歯が形成されたベルト保持部材7GAが強固に固定
されている。そして、タイミングベルト7Dの連続する
歯とベルト保持部材7GAの連続歯とを噛み合わせた状
態で、ブロック取付体7Hとの間にタイミングベルト7
Dを挟み込んでブロック取付体7Hに押さえつけるよう
にしてブロック取付体7Hにベルトガイドブロック7G
が取り付けられる。このブロック取付体7Gは、昇降加
工槽1Bと昇降装置7とを連結する接合部材23に固定
される。
【0034】ガイドレール7Eは、ベース7Bの凹部に
垂直方向に敷設され、そのガイドレール7E上に摺動可
能に移動ガイド体7Fが設けられる。移動ガイド体7F
は、接合部材23に固定されているので、昇降加工槽1
Bと連結される。したがって、移動ガイド体7Fと接合
部材23とでスライダが構成され、移動ガイド体7Fが
ガイドレール7Eに沿って摺動すると、昇降加工槽1B
が上下に移動する。
【0035】図5の右上円内には、昇降装置7と昇降加
工槽1Bとを連結する接合部材23の組立状態が示され
ている。昇降加工槽1Bに強固に固定された第1ブラケ
ット23Aに嵌まるように、その取付孔とそれに合致す
る第2ブラケット23Bの取付孔にボルトを挿嵌して、
第2ブラケット23Bを締付固着する。第2ブラケット
23Bの別の取付孔は、移動ガイド体7Fの取付孔と一
致するように製作されており、これらの取付孔にもボル
トを挿嵌して、第2ブラケット23Bと移動ガイド体7
Fが締付固着される。さらに、第2ブラケット23Bの
外側面上にブロック取付体7Hを固定する枠材23Cが
取り付けられている。
【0036】以上に説明されたこの実施の形態の構成に
よれば、いくつかの利点が得られる。例えば、3つの槽
壁1Dが一体的に組み立てられた昇降加工槽1Bが昇降
することで加工槽の周辺における作業の作業性が向上し
ている。そして、昇降加工槽1Bが液面調整装置を構成
するので、別に加工液の液面のレベルを調整する装置が
不要である。加えて、連通部材4は、補助槽3の容量に
合わせて設けられ、昇降加工槽1Bの移動方向に伸縮自
在であるから、昇降加工槽1Bの移動が妨げられない。
【0037】また、サーボモータ9の回転による駆動力
は駆動プーリ7Aを介してタイミングベルト7Dにより
接合部材23に円滑かつ確実に伝達し、接合部材23を
強固に固定した昇降加工槽1Bが移動するようにされて
いる。そして、この接合部材23と連結される移動ガイ
ド体7Fがレールガイド7E上を摺動走行する構成であ
る。このため、昇降加工槽1Bの移動はスムーズで、そ
の位置決め精度もよい。さらに、昇降装置7が加工槽1
の左右両側面に対に設けられ、昇降加工槽1Bが移動す
る際に、昇降加工槽1Bが傾いて移動ガイド体7Fがガ
イドレール7Eを齧ったりすることがなく、昇降加工槽
1Bはよりスムーズに移動している。
【0038】図6には、液面検出器の周辺の具体的構成
が示されている。この実施の態様では、フロートスイッ
チSENSを加工槽1の外側に設けている。図6に点線
で示されるように、加工槽1の内側に液面検出器を設け
ることも可能であるが、フロートスイッチの場合は、液
面の波高の影響を受けやすいので、好ましくは外側に設
ける。
【0039】液面検出器は、ここでは、放電加工装置に
おいて最も一般的であるフロートスイッチを採用してい
るが、検出の精度を深く考慮して液面検出器を選択する
のには及ばない。もちろん、機械的な検出か光学的な検
出に関わりなく、精度のよい検出器が選択されるのはよ
いことではある。しかしながら、この種の検出器は、加
工屑などの不純物を含んでいる加工液に浸される可能性
が高いので、むしろ耐久性を基準にして検出器が選択さ
れる方が好ましい。
【0040】補助槽3の内部に、加工槽1からオーバフ
ローした加工液を一旦溜めてから補助槽3へ導入する液
溜3Cが設けられている。液溜3Cの大きさはオーバフ
ローした加工液が若干溜まる程度で、その取り付けられ
る位置は貫通孔3Aとほぼ同じ高さである。液溜3Cの
底部には小径の透孔3Dが適当数穿設され、そこから液
ための加工液WDを滴下させる(実際には水滴ではなく
水流である)。この透孔3Dの大きさと数は、単位時間
中に送液される加工液の量より流下する加工液WDの量
が少ないように設計される。このため、加工液の波高の
変動のような加工槽1に貯留された加工液の状態に関わ
りなく、液面のレベルLWを検知することができる。な
お、図6で明らかな通り、貫通孔3Aが固定加工槽1A
に設けられているシール18を超えるところまで昇降加
工槽1Bが下降することは許されない。
【0041】したがって、昇降加工槽1Bが下降する
と、貫通孔3Aから加工液がオーバフローし、このオー
バフローした加工液は、一旦液溜3Cに流入してから補
助槽3に流入するとともに、いくらかの加工液WDが透
孔3Dを通って補助槽3に流下する。そして、補助槽3
の加工液は、底部開口3Bから連通部材4を通って加工
槽1の外へ排出される。一方、昇降加工槽1Bが上昇す
ると、その上昇の速度に対して供給される加工液の送液
量が少ないと液溜3Cの加工液は透孔から抜けるので、
フロートスイッチSENSはオフする。加工液の送液量
が多いと、昇降加工槽1Bが下降しているときと同じよ
うに、貫通孔3Aから加工液がオーバフローするので、
フロートスイッチSENSはオンしている。
【0042】図7には、これまで説明した実施の形態の
装置における加工液の液面のレベルの設定、変更、及び
調整に関する制御装置の動作の一例が示されている。こ
れらの図に示された動作は、制御装置100が行なう多
数の動作の中から抽出されたものであって、ここに含ま
れない別の動作と同時にあるいは交互に、さらには組み
合わされて実行されることがある。また、これらの図に
適宜制御装置以外の装置の動作を含めて説明する。な
お、必要に応じて説明に用いられる装置や部材の符号
は、図1ないし図6における符号が参照される。
【0043】まず、被加工物WPを加工槽1のワークテ
ーブル15上に治具板16等により固定して設置する
(S1)。次に、Z軸とP軸の仮の原点の設定を行なう
(S2)。このとき、この例では、Z軸は上側ワイヤガ
イド位置を基準とし、P軸は昇降加工槽の貫通孔3Aの
オーバフロー位置を基準としている。仮の原点は、通常
機械原点でよい。
【0044】続いて、制御装置100を動作させる上で
必要なモードを設定する(S3)。これらの設定データ
は、設定装置104から作業者により入力される。作業
者に入力されなければ決定できないデータ以外で作業者
の入力がない場合は、初期条件として与えられている情
報が設定値とされる。これらの内容に関する詳細な説明
は省略するが、後述する説明で設定値が必要であるもの
についても、このとき設定される。例えば、ワイヤ電極
の断線後の自動結線と復帰などの一時停止の際の回避処
理モードの選択と数値などがある。
【0045】ワイヤ電極と被加工物との相対的な位置出
しと垂直出しが行われる。そして、各軸(X、Y、Z、
U、V、P)のNCプログラムの座標系と座標原点の設
定を行なう(これらのNCコードの説明は省略する)。
このとき、昇降加工槽は、被加工物に対して相対位置を
直接は検出できない(光学センサを設置していれば別で
ある)ので、Z軸との相対位置関係が予め設定されてい
て、Z軸の原点が設定されたときに自動的に設定される
(S4)。この相対位置関係は、上側ガイド組体10に
収納された通電体が加工液に浸される程度に加工液の液
面があることが好ましいとされ、これを初期設定値とす
る。P軸の座標原点が設定されたら、昇降加工槽を座標
原点に上昇させる。
【0046】これらの準備作業を終えたら、NCプログ
ラムによる運転を開始する(S5)。演算装置101
は、設定装置104で設定されて記憶装置103に記憶
されているNCプログラムを順次解読する。そして、演
算装置は、順次解読されたNCコードの指令に従って、
各種の制御装置へ指令信号を出力する。NCプログラム
の実行は、その解読と並行して行われていて、以下の工
程の実行中も、Nプログラムの解読は行われている。
【0047】放電加工の開始前にP軸の移動指令に関す
るNCコード「G00 P…」(位置決め)がプログラ
ムされていることがある(S6)。この場合は、その移
動指令に従ってサーボモータ9を駆動し、昇降加工槽1
Bを移動させる(S7)。放電加工の開始以前にP軸の
移動指令に関するNCコードがプログラムされている例
としては、上述した加工ヘッドに対する加工液の液面の
相対位置関係の初期設定を変更するケースがある。例え
ば、「G00 P10;」(アブソリュート、+を下方
向とする)とプログラムされていれば、Z軸を移動させ
ずにP軸だけを10mm下降させることで、加工ヘッド
に対する加工液の液面の位置を10mm下げることがで
きる。
【0048】次いで加工槽に加工液を供給する(S
8)。NCプログラムによる運転では、加工液を供給す
るNCコード「T84」(ポンプオン)に従って、加工
槽1に加工液を供給する。なお、加工液を供給するNC
コードがプログラムされていなくても、モードが設定さ
れていれば(被加工物を浸漬して加工するモード)、N
Cプログラムによる運転を開始したときに自動的に供給
される。このとき、加工液の供給をNCプログラムによ
らないときは、処理を一時停止させるNCコード「M0
0」をプログラムしておき、NCプログラムによる制御
を一時中断して加工液を供給する操作を行なう。加工液
の供給に際しては、図示しない加工液供給装置のポンプ
もしくは制御バルブを制御することにより、供給される
単位時間当たりの加工液の量が切換可能であったとする
ならば、作業時間の短縮のために、このときに供給され
る量は多く設定されるべきであり、ここではそれを「急
送」と呼ぶことにする。
【0049】フロートスイッチSENSが加工液により
オンして液面検出装置107から検出信号(以下、液面
信号と言う)が出力されると(S9)、加工液の急送を
停止する(S10)。液面検出器により加工液の送給を
自動的に停止させることは、この種の加工液の供給にお
いて考えられる無駄やP軸の設定ミスを含む不測の事故
に対して有益である。
【0050】ここで、「昇降加工槽の上昇」(S4)及
び「加工液の急送」(S10)の工程は、図7に示され
る順序通りである必要はない。つまり、これらの工程
は、同時に並行して行なえる。固定加工槽1Aと昇降加
工槽1Bを備えている構成の特徴として、固定加工槽に
加工液が供給されている間に昇降加工槽を上昇させるこ
とができるから、昇降加工槽を所定の原点まで上昇させ
ながら加工液を供給させることが可能である。もっと
も、供給され続けている加工液の液面の上昇の速度に対
する昇降加工槽の上昇の速度を速くするように設計さ
れ、かつ設定されていれば、加工液の液面が原点に到達
する前に、昇降加工槽は原点まで到達する。したがっ
て、加工液を加工槽に充填する作業の時間は相当短縮さ
れ、かつ安全である。ただし、この場合には、例えばP
軸の原点設定や位置決めを加工液の供給と同時に行なう
ようにNCプログラムを作成するか、あるいは設定装置
104の機能として予めこの種のモードを選択的に設定
できるようにしておく必要はある。
【0051】加工前の準備作業が完了すると、NCプロ
グラムの加工を指令するNCコード(例えば、「G0
1」)にしたがって放電加工が開始される(S11)。
その後は、NCプログラムにプログラムされた命令にし
たがって、ワイヤ電極と被加工物とを相対移動させなが
ら被加工物を所望の形状に放電加工する。このとき、N
Cコード「T87」(加工液噴流の供給)がプログラム
されていなくても、通常上側ガイド組体10と下側ガイ
ド組体12とからワイヤ電極の張架方向と同軸方向に加
工部に向けて加工液噴流を供給する。仮に放電加工自体
にとって加工液の噴流を供給する必要がない場合でも、
貯留された加工液は、蒸発や漏洩により徐々に減少する
ので、加工液が所定量供給され続けることが好ましい。
【0052】加工中は、順次NCプログラムを解読しな
がらNCコードの指令を実行しているが、この間、加工
液の液面が所要のレベルに維持されているかどうかを定
期的に監視している。この監視は、単位時間毎、例えば
10秒毎に液面検出装置107からの信号を得ることで
達成される。そして、もしもフロートスイッチがオンし
ていなかったときは、一旦加工を休止して警報とその対
処方法を表示する(S12)。この異常が機械や部品の
故障が原因でない場合は、加工液が供給されフロートス
イッチがオンの状態にされれば回復される。
【0053】放電加工中の予定されないときに放電加工
が中断されることがある(S13)。予定されない中断
としては、例えばワイヤ電極が断線するときがある。こ
のとき、ワイヤ電極の断線のようなしばしば生じるケー
スは、放電加工の中断の原因として全く予測できないも
のでないため、自動的に復帰できるように放電加工の中
断を回避する動作を設定しておくことができる。設定値
によるモードの選択でもサブプログラムを作成しても可
能である。ここでは、予めステップS3で放電加工の中
断を復旧する動作としていくつか予測されるものについ
て予め設定しておく。このように、「復旧モード」が設
定されている場合は、所定の復旧作業を実施する(S1
4)。復旧モードの代表的な一連の動作は、昇降加工槽
を一旦下降させて必要な復旧作業が行なえるようにし
(S15)、所定の復旧作業が終了後は(S16)、昇
降加工槽を元の位置に戻すことである(S17)。その
後は、自動的にNCプログラムによる運転が再開される
(S18)。
【0054】例えば、ワイヤ電極の断線のケースでは、
まず、被加工物の板厚などを考慮して設定装置104か
ら予め入力されている機械原点を基準にした任意の設定
位置まで、昇降加工槽を自動的に下降させるとともに加
工液を排出する(ワイヤ電極は、加工液により浸漬され
ている場合、スタート孔に挿通できないことがある)。
次いで、上下のワイヤガイドの相対位置がスタート孔に
移動されてワイヤ電極を自動的が結線された後、ワイヤ
電極を断線した位置まで復帰させる。そして、昇降加工
槽を元の位置まで上昇させるとともに加工液を急送し
て、ワイヤ電極が断線する以前の状態に戻す。このよう
になされるので、復旧する時間が短縮される。
【0055】放電加工中、予定されないときに放電加工
が中断されたときに、その原因が全く予測されないケー
スの場合は(S14)、作業者により復旧作業が操作さ
れなければならない(S19)。この原因が復旧操作に
より排除されれば、一時中断状態を解除して、放電加工
を再開する。
【0056】ところで、加工中、Z軸の相対移動指令の
NCコードがプログラムされていたときは(S20)、
プログラムされた順序に従い、そのNCコードの指令に
従って加工ヘッド、すなわち上側ガイド組体を移動させ
る。このケースは、例えば被加工物の板厚が加工の途中
で変わるような加工の形態で生じる。けだし、加工液噴
流ノズルを含む上側ガイド組体を被加工物の表面に密着
するようにして放電加工を行なう加工方法があるからで
ある。このような場合は、Z軸の相対移動指令のNCコ
ードに続いて、たとえP軸の相対移動を指令するNCコ
ードがプログラムされていなくても、昇降加工槽を上側
ワイヤガイドに追従させて同時に移動させる(S2
1)。ここでは、この工程の一連の動作を「追従制御」
と呼ぶことにする。
【0057】追従制御を行なう理由は、第一に、先に加
工ヘッドと昇降加工槽の好ましい相対位置関係を設定し
た後は、通常のワイヤカット放電加工において、途中で
この相対位置関係を解消しなければならない形態の加工
が殆どないからである。また、第二に、加工ヘッドが下
降する方向にZ軸を移動制御する場合には、加工ヘッド
が加工液中に没することを回避するために、必ず昇降加
工槽も下降させておかなければならないからである。そ
して、第三に、仮に昇降加工槽だけを下降するようにし
たいケースがあっても、このZ軸に対するNCコードの
次にP軸の移動に関するNCコードをプログラムしてお
けば、可能であるからである。
【0058】追従制御の工程の詳細な定義の説明は省略
するが、基本的には加工ヘッドの移動方向に関わらず、
適時液面検出装置の液面信号を検出しながら加工ヘッド
を移動させる。そして、液面が検出されて加工ヘッドが
加工液中に没しそうになったら、液面信号がオフするま
では、加工ヘッドと昇降加工槽の移動を停止させるよう
にする。なお、加工ヘッドを下降させる場合には、加工
液の供給は一時停止され、加工ヘッドを上昇させる場合
には、加工液の供給は急送に切り換えられて供給される
方が適切である。
【0059】放電加工が継続されていて(S13)、か
つZ軸の相対移動指令がない間に(S20)、P軸の相
対移動指令のNCコードがプログラムされていたときは
(S22)、放電加工を一時中断させてから昇降加工槽
を移動させる(S23)。ただし、昇降加工槽だけを上
昇させる場合は、加工ヘッドが加工液中に没して、特に
相対移動機構などが加工液に浸漬される恐れがある。し
たがって、加工ヘッドの移動を伴わない昇降加工槽の上
昇については、これを行なえないようにしておくか、予
め所定のリミットを設定しておいて、そのリミットを越
えない範囲でだけ移動できるようにしておくことが望ま
しい。一般には、図7に示すように、もっぱら、放電加
工中に昇降加工槽を下降させるときに、P軸の移動指令
のNCコードをプログラムしておくのが普通である。
【0060】昇降加工槽が移動されたら、予定していた
作業を行なう(S24)。例えば、繰り返しの放電加工
で、いつも同じような場所で望ましくない加工結果を得
ているとき、予め所定の加工位置で停止させて昇降加工
槽を任意の位置に下降させるようにしておけば、作業者
はその加工位置での加工の状況が確認できる。ここでの
動作は、言わば作業者の自由な思想に基づくものであ
る。しかしながら、放電加工の途中で昇降加工槽だけが
任意の位置に自動的に移動されれば、作業しやすくな
り、また不必要に加工液が排出されることがないので、
時間を含めて無駄が少ない。
【0061】作業を終えたら、昇降加工槽を元の位置に
復帰させて(S25)から、NCプログラムによる運転
を再スタートさせる(S26)。なお、昇降加工槽の下
降前と下降後の位置は記憶装置に必ず記憶されていて、
また位置検出装置により常時現在位置が検出されている
から、昇降加工槽の上昇をスタートさせさえすれば、作
業者が特に位置決め作業をする必要がない。
【0062】これら上述した各動作の一サイクルが実行
された後、放電加工が終了していない場合、または放電
加工が一時停止されていた場合は(S27)、放電加工
が継続され、もしくは放電加工が再開される(S2
8)。
【0063】放電加工が終了した後、NCプログラムに
よる運転を終了させる前に、昇降加工槽を開放する位置
に自動的に下降するようにすることができる(S2
9)。これは、ステップ3におけるモード設定の際に任
意の位置が入力されていても、P軸の移動指令のNCコ
ードにより任意の位置に移動するようにプログラムして
おいても、何れの場合であっても可能である。
【0064】図8には、別の実施の実施の形態の要部が
示されいる。概説すれば、この実施の形態は、加工液の
液面のレベルの設定と調整は、サーボモータを有し加工
ヘッドとは独立して駆動制御可能な堰板を具備したもの
であって、前面の加工槽壁が垂直方向に閉鎖ないし開放
し得る構成となっている。なお、同一もしくは作用的に
類似の部材については、できる限り同一の符号を付して
説明を省略してある。
【0065】加工槽1は、ベッド上に設置された固定加
工槽1Aと、前面の垂直方向に移動可能な前面槽壁1D
と、それ以外の槽壁を一体的に固定とした固定槽壁1E
で成る。固定加工槽1Aの前面外壁にはシール部材17
が設けられ、かつ前面槽壁1Dの両端に一致する箇所に
も垂直方向に図示しないシールが設けられていて、固定
加工槽1Aと前面槽壁1Dとの間から加工液が漏出する
のを防止する。このこのとき、補助槽3は移動しないの
で、補助槽3から排液口5へとオーバフローされた加工
液を導く連通部材41は、必ずしも伸縮するように形成
される必要はない。
【0066】前面槽壁1Dを移動させる昇降装置7は、
図5に示された装置とほぼ同じ構成であって、ベース7
Bに回転可能に取り付けられた駆動プーリ7Aと従動プ
ーリとの間にタイミングベルト7Dが張架されている。
前面槽壁1Eとタイミングベルト7Dは接合部材を含む
スライダ7Jで連結されていて、サーボモータ92の回
転により駆動プーリ7Aが駆動して、槽壁ガイド24に
沿って前面槽壁1Dを昇降させる。
【0067】液面検出装置は堰板25、ナット26、及
び堰板ガイド27とで構成されている。また、その液面
検出装置を移動させる駆動装置は、サーボモータ93と
ボールネジ28で構成されている。堰板25は、固定槽
壁1Eに形成された切欠部1EAを覆うように設けら
れ、取付板29に設置されたサーボモータ93により回
転するボールネジ28を受けて、堰板25に取り付けら
れ固定されているナット25の移動で堰板ガイド27に
沿って昇降する。堰板25の加工槽1側の面には、フロ
ートスイッチSENSが設けられていて、加工槽1に貯
留された加工液の液面が検出できる。
【0068】液面のレベルは、図示しない制御装置によ
り堰板2を移動することで任意の高さに調整できる。Z
軸の移動指令もしくはP軸の移動指令に従って、図示し
ない制御装置から出力される指令信号により、図示しな
いZ軸のサーボモータもしくはP軸のサーボモータ93
を駆動する。Z軸の移動指令により加工ヘッドを昇降さ
せるときは、P軸の移動指令がなくても堰板25を加工
ヘッドの移動に追従させて移動するなど、各軸の駆動制
御の方式は、基本的に図7と同様である。このとき、前
面槽壁1Dにもフロートスイッチを取付けるとともに、
前面槽壁1Eを例えば「P軸」としてNC制御を行なえ
るようにすることもできる。
【0069】本発明の実施の形態は、以上に説明した通
りであるが、この説明に使用されている装置や部材の名
称によりそれらの装置や部材が限定されるものではな
く、実質的に同じ作用を行なうものを含むことは言うま
でもない。また、上述した制御装置100とそれに伴う
装置の動作は、これに限らず、本質的に本発明の目的が
達成されればよい。
【0070】
【発明の効果】以上の通り、本発明によれば、加工液の
液面のレベルを正に必要に応じて任意の位置に設定し、
かつ自動的に調整ないしは変更し得るので、放電加工の
作業性がより向上するとともに、作業時間が短縮でき作
業能率が向上する顕著な効果を奏する。このとき、必要
なとき以外は、昇降加工槽を加工ヘッドと同時に移動す
ることができ、また定期的に液面を監視しているので、
加工ヘッドの加工液中に没することが回避されるべき周
辺装置が、加工液に浸ることが回避され得るので安全で
ある
【0071】加えて、好ましくは、液面検出装置を加工
槽の槽壁により構成し、加工槽の槽壁を必要に応じて任
意の位置に設定し、かつ自動的に調整ないしは変更でき
るようにした場合には、同時に自動的に槽壁を閉鎖ない
しは開放させることができるので、作業性が向上し、ま
た無駄を少なくすることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施の形態の全体構成の概容を示す斜
視図である。
【図2】本発明の実施の形態の加工槽を示す側面図であ
る。
【図3】本発明の実施の形態の加工槽を示す平面図であ
る。
【図4】本発明の実施の形態の固定加工槽の要部を示す
斜視図である。
【図5】本発明の実施の形態の昇降加工槽の要部を示す
斜視図である。
【図6】本発明の実施の形態の加工槽及び補助槽を示す
断面図である。
【図7】本発明の実施の形態の制御装置の動作を示すフ
ローチャートである。
【図8】本発明の別の実施の形態の要部を示す斜視図で
ある。
【符号の説明】
1、加工槽 1A、固定加工槽 1B、昇降加工槽 1D、槽壁 2、ベッド 3、補助槽 4、連通部材 5、排液口 6、受液槽 7、昇降装置 7A、駆動プーリ 7C、従動プーリ 7D、タイミングベルト 7E、ガイドレール 7F、移動ガイド体 8、加工ヘッド 9、92、93、サーボモータ 91、エンコーダ 10、上側ガイド組体 12、下側ガイド組体 21、排液連絡部材 22、接合部材 25、堰板 100、制御装置 107、液面検出装置 1

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 加工液を貯留し被加工物が配置される加
    工槽と、前記加工液の液面のレベルを調整する液面調整
    装置と、該液面調整装置を駆動する駆動装置と、前記加
    工液の液面を検出する少なくとも1つの検出器と、前記
    液面調整装置に対する所望の位置を設定する設定装置
    と、前記液面調整装置の現在位置を検出する位置検出装
    置と、前記設定された所望の位置と前記現在位置とに基
    づいて前記液面調整装置が前記所望の位置に位置するよ
    うに前記駆動装置を制御する制御装置とを含んで成る放
    電加工装置。
  2. 【請求項2】 垂直方向に移動することができる前記加
    工槽の槽壁と、該槽壁を垂直方向に移動させる昇降装置
    と、前記槽壁に対する所望の位置を設定する設定装置
    と、前記槽壁の現在位置を検出する位置検出装置と、前
    記槽壁の現在位置を検出する位置検出装置と、前記設定
    された所望の位置と前記現在位置とに基づいて前記槽壁
    が前記所望の位置に位置するように前記昇降装置を制御
    する制御装置とを含んで成る請求項1に記載の放電加工
    装置。
  3. 【請求項3】 前記加工槽から溢出される加工液を回収
    する補助槽と該補助槽と前記加工液を機外へ排出する排
    液口とを連通し垂直方向に伸縮自在な連通部材とを設け
    た請求項1に記載の放電加工装置。
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