JPH0654928U - 油圧式動力伝達継手 - Google Patents

油圧式動力伝達継手

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JPH0654928U
JPH0654928U JP43093U JP43093U JPH0654928U JP H0654928 U JPH0654928 U JP H0654928U JP 43093 U JP43093 U JP 43093U JP 43093 U JP43093 U JP 43093U JP H0654928 U JPH0654928 U JP H0654928U
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JP
Japan
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housing
discharge
suction
orifice
plunger
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JP43093U
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Inventor
雅彦 福田
Original Assignee
ビスコドライブジャパン株式会社
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 簡単な構造により正逆回転方向によって異な
るトルク伝達特性を得ることができる油圧式動力伝達継
手を提供する。 【構成】 吸入弁及び吐出弁の作用をする複数の吸入ポ
ート28及び吐出ポート30が表面に形成されたロータ
リーバルブ37をハウジング6に対して所定角度相対回
転可能に配設するための係合手段が、前記ハウジング内
壁に形成された係止突起26と該係止突起26に係合す
べく前記ロータリーバルブ37に形成された係合突起3
7aとからなる。ハウジング6と入力軸12の相対回転
方向が正転の際には、前記係止突起26の一部がオリフ
ィス34に連通する吐出路36の出口側開口に対向し、
吐出ポート30に作用する流動抵抗を増大させるように
構成する。

Description

【考案の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】
本考案は、駆動軸と従動軸との間で回転差が生じたときにもプランジャーポン プの作用により動力を伝達することができる油圧式動力伝達継手に関する。
【0002】
【従来の技術】
油圧式動力伝達継手として、プランジャーポンプの作用で圧力を発生させ、そ の圧力を伝達トルクに変換して動力を伝達する方式のアキシャル・プランジャー ポンプ・カップリングが知られている。該アキシャル・プランジャーポンプ・カ ップリングの特性は、相対回転速度に対してトルクが二次曲線的に増加し、低差 回転時には伝達トルクがほとんどなく、高差回転時には高トルクを伝達するもの である。この継手を四輪駆動車の前輪と後輪との間の動力伝達軸に設けて駆動力 を前後輪に分配可能にすると、前輪又は後輪のいずれかの駆動輪がスリップして 空転しても、他方の車輪に高トルクを伝えて他方の車輪を駆動することができる 。
【0003】 図6は従来の油圧式動力伝達継手の縦断面図であり、例えば特開平4−734 30号公報等にその具体的構成が開示されている。 ハウジング6に対して相対回転自在に配置された入力軸12には、複数のプラ ンジャー室16と、該プランジャー室16内に圧縮ばね20の押圧を受けて往復 移動自在に収納されたプランジャー18とを有するロータ14が固定されており 、ハウジング6には、プランジャー18の先端が接する山型カム面4を有し、出 力軸8に連結されるカム2が固定されている。ハウジング6内には油が充填され ており、入力軸12とハウジング6との間で差動回転が生じ、山型カム面4によ ってプランジャー18が駆動されると、油は吐出過程のプランジャー室16内か らロータ14の吸入吐出孔22、吐出ポート30、オリフィス34を経て吐出路 36に流れ、更に吸入路29、吸入ポート28、吸入吐出孔22を経て他の吸入 過程のプランジャー室16内に流れるようになっており、所謂プランジャーポン プを構成している。そして、オリフィス34を通るときの油の流動抵抗により、 吐出過程にあるプランジャー室16内で高圧を生じ、その結果、プランジャー1 8が山型カム面4に押し付けられることにより高摩擦力を発生し、入力軸12と ハウジング6との間で動力を伝達することができる。プランジャー室16が形成 されているロータ14は、スプライン15により入力軸12に固定されており、 周方向に回転しないのはもちろんであるが、ストップリング11により一端を係 止され、カムに向かう軸方向(図中右方)に移動しないようになっている。
【0004】 ロータリーバルブ24は、所定のプランジャー室16の吸入吐出孔22の開閉 タイミングを調整するためのものであり、入力軸12と相対回転可能で、しかも ハウジング6に対しても所定角度相対回転できるようになっている。そして、ハ ウジング6に対して所定角度回動した後はハウジング6と共に回転するようにな っている。即ち、図7に示すように係合突起24aがハウジング6に形成された 係止突起26に係止されて切欠27内での位置を固定される。これは、入力軸1 2の回転方向が変わった場合にも、吸入吐出孔22が所定のプランジャー室16 と適正に連通して同じように油を案内し、正逆回転時のトルク伝達を同様に行う ためである。
【0005】 前記ロータリーバルブ24には、ロータ14のプランジャー室16の吸入吐出 孔22と連通可能な吸入ポート28及び吐出ポート30が形成されており、前記 ハウジング6に対する相対回転方向が正転(矢印X1 方向)の場合には、吸入ポ ート28と吐出ポート30とが所定のプランジャー室16の吸入吐出孔22と連 通する位置関係になっているので、吐出過程のプランジャー室16から他の吸入 過程のプランジャー室16に油が流動することができる。
【0006】 更に、ロータリーバルブ24の吸入ポート28と吐出ポート30を形成しない 裏面に形成された連通溝32は、各吐出ポート30と連通している。吐出ポート 30には、プランジャー18の駆動による吐出油の流動抵抗を発生する手段であ るオリフィス34が形成されており、オリフィス34は吐出路36と連通し、該 吐出路36はロータリーバルブ24の周囲に開口している。即ち、吐出過程にあ るプランジャー室16の吸入吐出孔22から吐出された油は、吐出ポート30か らオリフィス34を通ってロータ14の外方に供給され、ロータリーバルブ24 の吸入路29、吸入ポート28、吸入吐出孔22を経て他の吸入過程のプランジ ャー室16内に流れる。
【0007】 ロータ14が入力軸12と一体に回転し、ロータリーバルブ24が入力軸12 と相対回転可能であるので、ロータリーバルブ24と入力軸12とが相対回転し た際には、ロータ14とロータリーバルブ24とは摺接する。ロータリーバルブ 24は、ハウジング6に固定されて軸方向には移動しないスラストブロック40 に、ニードルベアリング38を介して支持されているので、やはりカム2から離 れる軸方向(図中左方)には移動しないようになっている。
【0008】 また、ロータ14が固定されている入力軸12は、カム2の中央部に形成され た凹部3とスラストブロック40の中央開口部に配設した軸受9とベアリング4 2によりハウジング6に対して回転可能に支持されており、入力軸12の一端は カム2の凹部3に収まっている。 アキュームレータ44はハウジング6に対して摺動可能に、かつシール部材4 5により液密に設けられ、入力軸12との間もシール部材46により液密に保た れている。そして、カム2とアキュームレータ44との間のハウジング内に油が 充填され、油が高温により膨張したときにはアキュームレータ44がカム2から 離れる軸方向(図中左方)に移動し、油の熱膨張を許容している。
【0009】 なお、図6において、中心線より上は油の吸入過程を示し、中心線より下は油 の吐出過程を示している。
【0010】
【考案が解決しようとする課題】
ところで、上記アキシャル・プランジャーポンプ・カップリングは、ロータリ ーバルブ24がハウジング6に対して所定角度回動できるようになっており、正 転時又は逆転時にも所定のタイミングで吸入吐出孔22を開閉し、正逆回転時の トルク伝達を同様に行うように構成することによって、車両後退時にも駆動力の 前後配分を可能として車両の脱出性能を確保している。このため、制動時におけ る前後輪間に制動力の干渉が生じ、例えば前輪がロックして後輪が前輪よりも高 速で回転する方向に回転数差が生じた際には、トルク伝達が後輪側から前輪側に 行われて前輪ロックが後輪ロックを誘発する。また、このような前後輪間の制動 力の干渉はアンチスキッドブレーキシステム(ABS)の正常な機能を阻害する 恐れがある。勿論、ロータリーバルブ24をハウジング6に対して回動不能に取 り付ければ、制動時の安定性向上やABSには都合が良いが、車両後退時には四 輪駆動状態にならず車両の脱出性能が低下してしまう。又、ワンウェイクラッチ 等を同軸上に配して逆回転時のトルク伝達を遮断しようとすると、構造が複雑と なって装置が大型化してしまう。
【0011】 従って、本考案の目的は上記課題を解消することにあり、簡単な構造により正 逆回転方向によって異なるトルク伝達特性を得ることができる油圧式動力伝達継 手を提供することにある。
【0012】
【課題を解決するための手段】
本考案に係る上記目的は、内側面にカム面を形成したハウジングと、該ハウジ ングに相対回転可能な軸に連結されると共に前記ハウジング内に回転自在に収納 され、複数のプランジャー室を軸方向に形成したロータと、前記複数のプランジ ャー室のそれぞれに往復移動自在に収納されると共に前記ハウジングと前記軸の 相対回転時に前記カム面によって駆動される複数のプランジャーと、前記ロータ に形成され、前記プランジャー室と通じる吸入吐出孔と、前記ハウジングとの間 に設けられた係合手段によってハウジングに対して所定角度相対回転可能に配設 されると共に前記ロータの端面に回転自在に摺接し、前記吸入吐出孔との位置関 係によって吸入弁及び吐出弁の作用をする複数の吸入ポート及び吐出ポートを表 面に形成したロータリーバルブと、前記吐出ポートに連通して前記プランジャー の駆動による吐出油の流動により流動抵抗を発生するオリフィスとを備え、前記 ハウジングと前記軸の回転速度差に応じたトルクを伝達する油圧式動力伝達継手 において、前記係合手段が、前記ハウジング内壁に形成された係止突起と該係止 突起に係合すべく前記ロータリーバルブに形成された係合突起とからなり、前記 ハウジングと前記軸の相対回転方向が正転の際には前記係止突起の一部が前記オ リフィスの吐出側開口に対向して該オリフィスの流動抵抗を増大させるように構 成されていることを特徴とする油圧式動力伝達継手により達成される。
【0013】
【作用】
上記の如き構成によれば、ハウジングと軸の相対回転方向が正転の際には、オ リフィス自体の流動抵抗に、前記係止突起の一部に覆われたオリフィスの吐出側 開口における流動抵抗を加えた分の流動抵抗が吐出ポートに作用し、前記相対回 転方向が逆転の際には、前記係止突起の一部が前記オリフィスの吐出側開口に対 向せず、前記オリフィスの吐出側開口における流動抵抗は吐出ポートに作用しな い。
【0014】 そこで、ハウジングと軸の相対回転方向によって吐出ポートに作用する流動抵 抗が変わり、伝達トルクを変えることができる。
【0015】
【実施態様】
以下、本考案の一実施態様を詳細に説明する。 図1乃至図3は本考案の一実施態様である油圧式動力伝達継手の縦断面図及び 図1におけるA−A断面矢視図である。図1及び図2は入力軸12とハウジング 6の相対回転方向が正転の場合を示し、図3は前記相対回転方向が逆転の場合を 示している。又、図1において、回転中心軸より上側は油の吸入過程を示し、下 側は油の吐出過程を示している。
【0016】 この動力伝達継手は、ビスカスカップリングと同様に例えばパートタイム四輪 駆動車の前後輪を連結するドライブシャフト上に組み込まれて用いられる。 カム2は内側に複数の山型カム面4が形成されており、このカム2はハウジン グ6及び出力軸8に固定され、両者と共に回転するようになっている。また、カ ム2の中央部に形成された凹部3には入力軸12の一端を保持する軸受9が配設 され、スラストブロック40の中央開口部に配設したベアリング42と共に入力 軸12をハウジング6に対して回転可能に支持している。
【0017】 ロータ14は、周方向に等間隔に配設された複数のプランジャー室16と、該 プランジャー室16内に往復移動自在に収納され、先端が前記山型カム面4に接 するプランジャー18とを有する。該プランジャー18の内部には、圧縮ばね2 0が装填されており、該圧縮ばね20によりプランジャー18は常にカム2と当 接するように付勢されている。また、プランジャー室16には内部に充填される 油の吸入吐出孔22が形成されている。
【0018】 ロータ14は、スプライン15により入力軸12に固定されており、周方向に 回転しないのはもちろんであるが、ストップリング11により一端を係止され、 カムに向かう軸方向(図中右方)に移動しないようになっている。 入力軸12にはロータ14に隣接してロータリーバルブ37が回転自在に嵌ま っている。ロータリーバルブ37は入力軸12に対しては回転自在であり、ハウ ジング6に対しては所定角度だけ相対回転するようになっており、所定角度回動 した後はハウジング6と共に回転するようになっている。また、該ロータリーバ ルブ37には、ロータ14のプランジャー室16の吸入吐出孔22と連通可能な 吸入ポート28及び吐出ポート30が形成されている。
【0019】 そして、前記入力軸12がハウジング6に対して矢印X1 方向に相対回転した 際には、ロータリーバルブ37は、図2及び図4に示すように係合突起37aが ハウジング6に形成された係止突起26に係止されて切欠27内での位置を固定 され、該ロータリーバルブ37の吸入ポート28と吐出ポート30とが所定のプ ランジャー室16の吸入吐出孔22と連通する位置関係になっている。
【0020】 ロータリーバルブ37の吸入ポート28と吐出ポート30を形成しない裏面に 形成された連通溝32は、各吐出ポート30と連通している。吐出ポート30に は、プランジャー18の駆動による吐出油の流動抵抗を発生するオリフィス34 が形成されており、オリフィス34は吐出路36と連通し、該吐出路36はロー タリーバルブ37の周囲に開口している。即ち、吐出過程にあるプランジャー室 16の吸入吐出孔22から吐出された油は、吐出ポート30からオリフィス34 を通ってロータ14の外方に供給され、ロータリーバルブ37の吸入路29、吸 入ポート28、吸入吐出孔22を経て他の吸入過程のプランジャー室16内に流 れる。
【0021】 この際、前記オリフィス34の吐出側開口である吐出路36の出口側開口には 前記係止突起26が対向し、流動抵抗を生じるように構成されているので、前記 オリフィス34自体の流動抵抗に加えて該吐出路36の出口側開口における流動 抵抗も吐出ポート30に作用する。 ロータ14及びロータリーバルブ37は、ニードルベアリング38を介してス ラストブロック40に支持されて軸方向の移動を規制され、ロータ14はニード ルベアリング38のベアリングレースにより連通溝32を封止されている。スラ ストブロック40は、ハウジング6に固定されてハウジング6と一体に回転し、 入力軸12との間にはベアリング42が装着されているので入力軸12と相対回 転できるようになっている。また、スラストブロック40はストップリング31 により、ハウジング6に対して軸方向のカム2から離れる方向(図中左方)への 移動を阻止されている。
【0022】 スラストブロック40に接してアキュームレータ44がシール部材46と共に 設けられている。アキュームレータ44はリテーナ48に装着された圧縮ばね5 0に支持され、高圧油の膨張を許容している。 そこで、カム2とロータ14とが相対回転してプランジャー18がカム面4に より往復駆動されると、プランジャー18はポンプ作用(吸入/吐出)を行うが 、このときにオリフィス34及び吐出路36の出口側開口で流動抵抗が生じ、吐 出過程にあるプランジャー室16内は高圧となるので、吐出過程にあるプランジ ャー18はカム2の山で圧縮行程となり、油を吐出しつつその圧力でカム山を同 回転方向に回転させる力(伝達トルク)を発生する。
【0023】 また、前記入力軸12の前記ハウジング6に対する相対回転方向が逆転(矢印 X1 方向と反対方向)した場合には、プランジャー18の吐出行程と吸入行程が 逆となり、これによりロータリーバルブ37のポートも吐出と吸入が逆となる。 しかしながら、図3及び図5に示すようにロータ14の逆転に同期してロータリ ーバルブ37の係合突起37aがハウジング6の切欠27内を矢印X2 方向に移 動するので、吸入ポート28及び吐出ポート30に連通する吸入吐出孔22も逆 となって油の流路は常に一定方向に流れる。
【0024】 そして、カム2とロータ14とが相対回転してプランジャー18がカム面4に より往復駆動されると、プランジャー18はポンプ作用(吸入/吐出)を行う。 即ち、吐出過程にあるプランジャー室16の吸入吐出孔22から吐出された油は 、吐出ポート30からオリフィス34を通ってロータ14の外方に供給され、ロ ータリーバルブ37の吸入路29、吸入ポート28、吸入吐出孔22を経て他の 吸入過程のプランジャー室16内に流れる。
【0025】 この際、前記係止突起26は前記吐出路36の出口側開口に対向せず、流動抵 抗を生じない位置に位置しており、吐出ポート30に作用する流動抵抗はオリフ ィス34自体の流動抵抗のみとなる。 そこで、前記入力軸12が前記ハウジング6に対して逆転の相対回転方向(矢 印X2 方向)に回転した際には、正転時に比べて吐出ポート30に作用する流動 抵抗が減少し、プランジャー18がカム山を同回転方向に回転させる力も小さく なる。更に、上記実施態様においては、逆転時には前記吸入路29の入口側開口 に前記係止突起26が対向し、吸入ポート28に流入する油に流動抵抗が作用す るように構成されているので、正逆回転時の伝達トルクの差(伝達トルク比)が 大きくなる。勿論、逆転時にも前記係止突起26が、前記吸入路29の入口側開 口に対向しないように構成することもできる。
【0026】 従って、上記構成の動力伝達継手は、前記入力軸12の前記ハウジング6に対 する相対回転方向が逆転(矢印X2 方向)した場合、伝達トルクを小さく自動的 に調節できる。尚、前記オリフィス34の径に加えて、前記吐出路36の出口側 開口とこれに対向する前記係止突起26との隙間を適宜設定することにより、該 動力伝達継手の正逆転時のトルク伝達特性を任意に設定することができる。
【0027】 次に、上記動力伝達継手の機能を四輪駆動車の前輪と後輪との間の動力伝達軸 に設けて駆動力を前後輪に分配可能とした際の車両の動力性能に即して説明する 。 良路走行中のように前後輪間の回転差が小さく、入力軸12の回転とハウジン グ6の回転との間の回転数差が小さい状態では、上記動力伝達継手の低回転数差 領域におけるトルク伝達特性により従動輪側へはほとんど駆動力が伝達されない 。従って、車両は前輪又は後輪の駆動輪のみが駆動される2WD状態となってお り、車庫入れやUターン等のような低速急旋回に際してもタイトコーナーブレー キング現象が発生することはない。
【0028】 そして、悪路などで駆動輪が空転し前後輪間に回転差が生じ、入力軸12の回 転とハウジング6の回転との間の回転数差が大きい状態では、上記動力伝達継手 の高回転数差領域におけるトルク伝達特性により、駆動力は従動輪に分割出力さ れ、車両は4WD状態になるので、高い走破性が得られる。 また、走行時に車両が制動され、例えば前輪がロックして後輪が前輪よりも高 速で回転する方向に回転数差が生じた際には、前記入力軸12の前記ハウジング 6に対する相対回転方向が逆転(矢印X2 方向)し、伝達トルクが小さくなるの で、後輪がロックして車両の安定性を著しく損なうことがなく、制動時における 前後輪間の制動力の干渉が防止され、アンチスキッドブレーキシステム(ABS )の正常な機能が保護される。
【0029】 更に、前記動力伝達継手は、前記入力軸12の前記ハウジング6に対する相対 回転方向が逆転した際にも、吐出ポート30に対してはオリフィス34の流動抵 抗を作用させ、逆転時の高回転数差領域における伝達トルクを維持することがで きるので、制動力の干渉を防ぎながら車両後退時の4WD状態をも可能として走 破性の低下を防ぐことができる。
【0030】 尚、上記実施態様におけるハウジング、ロータ、プランジャー、ロータリーバ ルブ及びオリフィス等の構成はこれに限定されるものではなく、種々の形態を採 りうることは勿論である。
【0031】
【考案の効果】
本考案の油圧式動力伝達継手は、ロータリーバルブをハウジングに対して所定 角度相対回転可能に配設するための係合手段が、前記ハウジング内壁に形成され た係止突起と該係止突起に係合すべく前記ロータリーバルブに形成された係合突 起とからなり、ハウジングと軸の相対回転方向が正転の際には前記係止突起の一 部がオリフィスの吐出側開口に対向して該オリフィスの流動抵抗を増大させるよ うに構成されている。
【0032】 そこで、ハウジングと軸の相対回転方向が正転の際には、オリフィス自体の流 動抵抗に、前記係止突起の一部に覆われたオリフィスの吐出側開口における流動 抵抗を加えた分の流動抵抗が吐出ポートに作用し、前記相対回転方向が逆転の際 には、前記係止突起の一部が前記オリフィスの吐出側開口に対向せず、前記オリ フィスの吐出側開口における流動抵抗は吐出ポートに作用しないので、ハウジン グと軸の相対回転方向によって吐出ポートに作用する流動抵抗が変わり、伝達ト ルクを変えることができる。即ち、前記相対回転方向が逆転の際には、吐出ポー トに作用する流動抵抗が減少し、伝達トルクが減少する。
【0033】 従って、簡単な構造により正逆回転方向によって異なるトルク伝達特性を得る ことができる油圧式動力伝達継手を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本考案の一実施態様に基づく油圧式動力伝達継
手の縦断面図である。
【図2】図1に示した油圧式動力伝達継手の正転状態を
示すA−A断面矢視図である。
【図3】図1に示した油圧式動力伝達継手の逆転状態を
示すA−A断面矢視図である。
【図4】図1に示した油圧式動力伝達継手の正転状態に
おける油の流れを示す説明図である。
【図5】図1に示した油圧式動力伝達継手の逆転状態に
おける油の流れを示す説明図である。
【図6】従来の油圧式動力伝達継手の縦断面図である。
【図7】図6に示した油圧式動力伝達継手の正転状態を
示すB−B断面矢視図である。
【符号の説明】
2 カム 3 凹部 4 カム面 6 ハウジング 12 入力軸 14 ロータ 16 プランジャー室 18 プランジャー 20 圧縮ばね 22 吸入吐出孔 26 係止突起 28 吸入ポート 29 吸入路 30 吐出ポート 31 ストップリング 32 連通溝 37 ロータリーバルブ 37a 係合突起 40 スラストブロック 44 アキュームレータ 45 シール部材 48 リテーナ 50 圧縮ばね

Claims (1)

    【実用新案登録請求の範囲】
  1. 【請求項1】 内側面にカム面を形成したハウジング
    と、該ハウジングに相対回転可能な軸に連結されると共
    に前記ハウジング内に回転自在に収納され、複数のプラ
    ンジャー室を軸方向に形成したロータと、前記複数のプ
    ランジャー室のそれぞれに往復移動自在に収納されると
    共に前記ハウジングと前記軸の相対回転時に前記カム面
    によって駆動される複数のプランジャーと、前記ロータ
    に形成され、前記プランジャー室と通じる吸入吐出孔
    と、前記ハウジングとの間に設けられた係合手段によっ
    てハウジングに対して所定角度相対回転可能に配設され
    ると共に前記ロータの端面に回転自在に摺接し、前記吸
    入吐出孔との位置関係によって吸入弁及び吐出弁の作用
    をする複数の吸入ポート及び吐出ポートを表面に形成し
    たロータリーバルブと、前記吐出ポートに連通して前記
    プランジャーの駆動による吐出油の流動により流動抵抗
    を発生するオリフィスとを備え、前記ハウジングと前記
    軸の回転速度差に応じたトルクを伝達する油圧式動力伝
    達継手において、前記係合手段が、前記ハウジング内壁
    に形成された係止突起と該係止突起に係合すべく前記ロ
    ータリーバルブに形成された係合突起とからなり、前記
    ハウジングと前記軸の相対回転方向が正転の際には前記
    係止突起の一部が前記オリフィスの吐出側開口に対向し
    て該オリフィスの流動抵抗を増大させるように構成され
    ていることを特徴とする油圧式動力伝達継手。
JP43093U 1993-01-11 1993-01-11 油圧式動力伝達継手 Pending JPH0654928U (ja)

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