JPH0645128U - 油圧式動力伝達継手 - Google Patents

油圧式動力伝達継手

Info

Publication number
JPH0645128U
JPH0645128U JP8248992U JP8248992U JPH0645128U JP H0645128 U JPH0645128 U JP H0645128U JP 8248992 U JP8248992 U JP 8248992U JP 8248992 U JP8248992 U JP 8248992U JP H0645128 U JPH0645128 U JP H0645128U
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
housing
rotor
input shaft
rotary valve
shaft
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP8248992U
Other languages
English (en)
Inventor
雅彦 福田
Original Assignee
ビスコドライブジャパン株式会社
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by ビスコドライブジャパン株式会社 filed Critical ビスコドライブジャパン株式会社
Priority to JP8248992U priority Critical patent/JPH0645128U/ja
Publication of JPH0645128U publication Critical patent/JPH0645128U/ja
Pending legal-status Critical Current

Links

Landscapes

  • Arrangement And Driving Of Transmission Devices (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【目的】 簡単な構造により正逆回転方向によって異な
るトルク伝達特性を得ることができる油圧式動力伝達継
手を提供する。 【構成】 ハウジング6に相対回転可能な入力軸12に
連結されると共に前記ハウジング6内に回転自在に収納
され、複数のプランジャー室16を軸方向に形成したロ
ータ37が、前記ハウジング6と前記入力軸12の相対
回転方向に応じて軸線方向に移動すべく、入力軸12の
雄ネジ33に螺合する雌ネジ35を形成された滑りネジ
を介して前記入力軸12上に連結される。該ロータ37
は、前記滑りネジによって、前記ハウジング6と前記入
力軸12の相対回転方向が正転の際にはロータリーバル
ブ24と摺接する軸線方向側に移動し、前記相対回転方
向が逆転の際には前記ロータリーバルブ24と離間する
軸線方向側に移動する。

Description

【考案の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】
本考案は、駆動軸と従動軸との間で回転差が生じたときにもプランジャーポン プの作用により動力を伝達することができる油圧式動力伝達継手に関する。
【0002】
【従来の技術】
油圧式動力伝達継手として、プランジャーポンプの作用で圧力を発生させ、そ の圧力を伝達トルクに変換して動力を伝達する方式のアキシャル・プランジャー ポンプ・カップリングが知られている。該アキシャル・プランジャーポンプ・カ ップリングの特性は、相対回転速度に対してトルクが二次曲線的に増加し、低差 回転時には伝達トルクがほとんどなく、高差回転時には高トルクを伝達するもの である。この継手を四輪駆動車の前輪と後輪との間の動力伝達軸に設けて駆動力 を前後輪に分配可能にすると、前輪又は後輪のいずれかの駆動輪がスリップして 空転しても、他方の車輪に高トルクを伝えて他方の車輪を駆動することができる 。
【0003】 図6は従来の油圧式動力伝達継手の縦断面図であり、例えば特開平4−734 30号公報等にその具体的構成が開示されている。 ハウジング6に対して相対回転自在に配置された入力軸12には、複数のプラ ンジャー室16と、該プランジャー室16内に圧縮ばね20の押圧を受けて往復 移動自在に収納されたプランジャー18とを有するロータ14が固定されており 、ハウジング6には、プランジャー18の先端が接する山型カム面4を有し、出 力軸8に連結されるカム2が固定されている。ハウジング6内には油が充填され ており、入力軸12とハウジング6との間で差動回転が生じ、山型カム面4によ ってプランジャー18が駆動されると、油は吐出過程のプランジャー室16内か らロータ14の吸入吐出孔22、吐出ポート30、オリフィス34を経て吐出路 36に流れ、更に吸入路29、吸入ポート28、吸入吐出孔22を経て他の吸入 過程のプランジャー室16内に流れるようになっており、所謂プランジャーポン プを構成している。そして、オリフィス34を通るときの油の流動抵抗により、 吐出過程にあるプランジャー室16内で高圧を生じ、その結果、プランジャー1 8が山型カム面4に押し付けられることにより高摩擦力を発生し、入力軸12と ハウジング6との間で動力を伝達することができる。
【0004】 プランジャー室16が形成されているロータ14は、スプライン15により入 力軸12に固定されており、周方向に回転しないのはもちろんであるが、ストッ プリング11により一端を係止され、カムに向かう軸方向(図中右方)に移動し ないようになっている。ロータリーバルブ24は所定のプランジャー室16の吸 入吐出孔22の開閉タイミングを調整するためのものであり、入力軸12と相対 回転可能で、しかもハウジング6に対しても所定角度回動できるようになってい る。これは、入力軸12の回転方向が変わった場合にも、吸入吐出孔22が所定 のプランジャー室16と適正に連通して同じように油を案内し、正逆回転時のト ルク伝達を同様に行うためである。
【0005】 ロータ14が入力軸12と一体に回転し、ロータリーバルブ24が入力軸12 と相対回転可能であるので、ロータリーバルブ24と入力軸12とが相対回転し た際には、ロータ14とロータリーバルブ24とは摺接する。ロータリーバルブ 24は、ハウジング6に固定されて軸方向には移動しないスラストブロック40 に、ニードルベアリング38を介して支持されているので、やはりカム2から離 れる軸方向(図中左方)には移動しないようになっている。
【0006】 また、ロータ14が固定されている入力軸12は、カム2の中央部に形成され た凹部3とスラストブロック40の中央開口部に配設した軸受9とベアリング4 2によりハウジング6に対して回転可能に支持されており、入力軸12の一端は カム2の凹部3に収まっている。 アキュームレータ44はハウジング6に対して摺動可能に、かつシール部材4 5により液密に設けられ、入力軸12との間もシール部材46により液密に保た れている。そして、カム2とアキュームレータ44との間のハウジング内に油が 充填され、油が高温により膨張したときにはアキュームレータ44がカム2から 離れる軸方向(図中左方)に移動し、油の熱膨張を許容している。
【0007】 なお、図6において、中心線より上は油の吸入過程を示し、中心線より下は油 の吐出過程を示している。
【0008】
【考案が解決しようとする課題】
ところで、上記アキシャル・プランジャーポンプ・カップリングは、ロータリ ーバルブ24がハウジング6に対して所定角度回動できるようになっており、正 転時又は逆転時にも所定のタイミングで吸入吐出孔22を開閉し、正逆回転時の トルク伝達を同様に行うように構成することによって、車両後退時にも駆動力の 前後配分を可能として車両の脱出性能を確保している。このため、制動時におけ る前後輪間に制動力の干渉が生じ、例えば前輪がロックして後輪が前輪よりも高 速で回転する方向に回転数差が生じた際には、トルク伝達が後輪側から前輪側に 行われて前輪ロックが後輪ロックを誘発する。また、このような前後輪間の制動 力の干渉はアンチスキッドブレーキシステム(ABS)の正常な機能を阻害する 恐れがある。勿論、ロータリーバルブ24をハウジング6に対して回動不能に取 り付ければ、制動時の安定性向上やABSには都合が良いが、車両後退時には四 輪駆動状態にならず車両の脱出性能が低下してしまう。又、ワンウェイクラッチ 等を同軸上に配して逆回転時のトルク伝達を遮断しようとすると、構造が複雑と なって装置が大型化してしまう。
【0009】 従って、本考案の目的は上記課題を解消することにあり、簡単な構造により正 逆回転方向によって異なるトルク伝達特性を得ることができる油圧式動力伝達継 手を提供することにある。
【0010】
【課題を解決するための手段】
本考案に係る上記目的は、内側面にカム面を形成したハウジングと、該ハウジ ングに相対回転可能な軸に連結されると共に前記ハウジング内に回転自在に収納 され、複数のプランジャー室を軸方向に形成したロータと、前記複数のプランジ ャー室のそれぞれに往復移動自在に収納されると共に前記ハウジングと前記軸の 相対回転時に前記カム面によって駆動される複数のプランジャーと、前記ロータ に形成され、前記プランジャー室と通じる吸入吐出孔と、前記ロータの端面に回 転自在に摺接すると共に前記ハウジングとの間で所定の関係に位置決めされ、前 記吸入吐出孔との位置関係によって吸入弁及び吐出弁の作用をする複数の吸入ポ ート及び吐出ポートを表面に形成したロータリーバルブと、前記プランジャーの 駆動による吐出油の流動により流動抵抗を発生する手段とを備え、前記ハウジン グと前記軸の回転速度差に応じたトルクを伝達する油圧式動力伝達継手において 、前記ロータは、前記ハウジングと前記軸の相対回転方向に応じて軸線方向に移 動すべく回転−直線変換機構を介して前記軸上に連結されており、前記ハウジン グと前記軸の相対回転方向が正転の際には前記ロータリーバルブと摺接する軸線 方向側に移動し、前記相対回転方向が逆転の際には前記ロータリーバルブと離間 する軸線方向側に移動するように構成されていることを特徴とする油圧式動力伝 達継手により達成される。
【0011】 尚、上記回転−直線変換機構としては、滑りネジ、ボールネジ及びカム等の機 構を用いることができる。
【0012】
【作用】
上記の如き構成によれば、ハウジングと軸の相対回転方向が正転の際には、プ ランジャーの駆動による吐出油の流動により流動抵抗を発生する手段が機能して 必要トルクを伝達することが可能であるが、前記相対回転方向が逆転の際には、 前記吐出油が離間したロータとロータリーバルブの摺接面の隙間から漏れ、前記 流動抵抗を発生する手段が正常に機能せず、伝達トルクが減少する。そこで、ハ ウジングと軸の相対回転方向によって伝達トルクを変えることができる。
【0013】
【実施態様】
以下、本考案の一実施態様を詳細に説明する。 図1及び図2は本考案の一実施態様である油圧式動力伝達継手の部分断面斜視 図及び断面図である。図1は入力軸12とハウジング6の相対回転方向が正転の 場合を示し、図2は前記相対回転方向が逆転の場合を示している。又、図2にお いて、中心線より上は油の吸入過程を示し、中心線より下は油の吐出過程を示し ている。
【0014】 この動力伝達継手は、ビスカスカップリングと同様に例えばパートタイム四輪 駆動車の前後輪を連結するドライブシャフト上に組み込まれて用いられる。 カム2は内側に複数の山型カム面4が形成されており、このカム2はハウジン グ6及び出力軸8に固定され、両者と共に回転するようになっている。また、カ ム2の中央部に形成された凹部3には入力軸12の一端を保持する軸受9が配設 され、スラストブロック40の中央開口部に配設したベアリング42と共に入力 軸12をハウジング6に対して回転可能に支持している。
【0015】 ロータ37は、周方向に等間隔に配設された複数のプランジャー室16と、該 プランジャー室16内に往復移動自在に収納され、先端が前記山型カム面4に接 するプランジャー18とを有する。該プランジャー18の内部には、圧縮ばね2 0が装填されており、該圧縮ばね20によりプランジャー18は常にカム2と当 接するように付勢されている。また、プランジャー室16には内部に充填される 油の吸入吐出孔22が形成されている。
【0016】 前記ロータ37は、前記ハウジング6と前記入力軸12の相対回転方向に応じ て軸線方向に移動可能とすべく、回転−直線変換機構である滑りネジを介して前 記入力軸12上に連結されており、その内周面には入力軸12の外周面に形成さ れた雄ネジ33に螺合する雌ネジ35が形成されている。該雄ネジ33のカム2 側の端部にはストップリング11が装着されており、該ストップリング11はロ ータ37のカム2に向かう軸線方向の移動量を規制している。
【0017】 入力軸12にはロータ37に隣接してロータリーバルブ24が回転自在に嵌ま っている。ロータリーバルブ24は入力軸12に対しては回転自在であり、ハウ ジング6に対しては所定角度だけ回動するようになっており、所定角度回動した 後はハウジング6と共に回転するようになっている。ロータリーバルブ24は、 図3に示すように係合突起24aがハウジング6に形成された係止突起26に係 止されて切欠27内での位置を固定される。
【0018】 ロータリーバルブ24には、ロータ37のプランジャー室16の吸入吐出孔2 2と連通可能な吸入ポート28及び吐出ポート30が形成されている。そして、 前記入力軸12が矢印X1 方向に回転し、前記ハウジング6に対する相対回転方 向が正転(矢印X1 方向)の場合には、圧縮ばね20の付勢力及びハウジング内 の油の予圧により生ずるプランジャー18の山型カム面4に対する摩擦力と慣性 力によって、ロータ37が入力軸12に対して矢印X1 方向と反対方向に相対回 転するので、該ロータ37が滑りネジによってロータリーバルブ24側に移動し て互いの摺接面が当接し、ロータリーバルブ24がハウジング6に対して回転し て位置が固定される。この時に、ロータリーバルブ24の吸入ポート28と吐出 ポート30とが所定のプランジャー室16の吸入吐出孔22と連通する位置関係 になっており、吐出過程のプランジャー室16から他の吸入過程のプランジャー 室16に油が流動することができる。
【0019】 ロータリーバルブ24の吸入ポート28と吐出ポート30を形成しない裏面に 形成された連通溝32は、各吐出ポート30と連通している。吐出ポート30に は、プランジャー18の駆動による吐出油の流動抵抗を発生する手段であるオリ フィス34が形成されており、オリフィス34は吐出路36と連通し、該吐出路 36はロータリーバルブ24の周囲に開口している。即ち、吐出過程にあるプラ ンジャー室16の吸入吐出孔22から吐出された油は、吐出ポート30からオリ フィス34を通ってロータ37の外方に供給され、ロータリーバルブ24の吸入 路29、吸入ポート28、吸入吐出孔22を経て他の吸入過程のプランジャー室 16内に流れる。
【0020】 ロータ37及びロータリーバルブ24は、ニードルベアリング38を介してス ラストブロック40に支持されて軸方向の移動を規制され、ロータ37はニード ルベアリング38のベアリングレースにより連通溝32を封止されている。スラ ストブロック40は、ハウジング6に固定されてハウジング6と一体に回転し、 入力軸12との間にはベアリング42が装着されているので入力軸12と相対回 転できるようになっている。また、スラストブロック40はストップリング31 により、ハウジング6に対して軸方向のカム2から離れる方向(図中左方)への 移動を阻止されている。
【0021】 スラストブロック40に接してアキュームレータ44がシール部材46と共に 設けられている。アキュームレータ44はリテーナ48に装着された圧縮ばね5 0に支持され、高圧油の膨張を許容している。 そこで、カム2とロータ37とが相対回転してプランジャー18がカム面4に より往復駆動されると、プランジャー18はポンプ作用(吸入/吐出)を行うが 、このときにオリフィス34で流動抵抗が生じ吐出過程にあるプランジャー室1 6内は高圧となるので、吐出過程にあるプランジャー18はカム2の山で圧縮行 程となり、油を吐出しつつその圧力でカム山を同回転方向に回転させる力(伝達 トルク)を発生する。
【0022】 また、前記入力軸12の前記ハウジング6に対する相対回転方向が逆転(矢印 X1 方向と反対方向)した場合には、プランジャー18の吐出行程と吸入行程が 逆となり、これによりロータリーバルブ24のポートも吐出と吸入が逆となる。 しかしながら、ロータ37の逆転に同期してロータリーバルブ24の係合突起2 4aがハウジング6の切欠27内を移動するので、吸入ポート28及び吐出ポー ト30に連通する吸入吐出孔22も逆となって油の流路は常に一定方向に流れる 。
【0023】 そこで、前記入力軸12が前記ハウジング6に対して逆転の相対回転方向に回 転した際にも、回転速度差が大きくなると、プランジャー18が山型カム面4に 押し付けられることにより発生する摩擦力が大きくなるので、伝達トルクが上昇 しようとする。しかしながら、所定以上に伝達トルクが上昇すると、ロータ37 と入力軸12の間に作用するねじりトルクも上昇するので、図2に示すように滑 りネジにより連結されたロータ37は入力軸12に対して矢印X1 方向に相対回 転し、プランジャー室16内の圧力によるロータリーバルブ24側への付勢力に 抗してカム2側に移動し、ロータリーバルブ24との摺接面が離間する。
【0024】 ロータ37とロータリーバルブ24との摺接面が摺接している際には、図4の 破線で示すように、吐出過程にあるプランジャー室16の吸入吐出孔22から吐 出された油が、吐出ポート30からオリフィス34を通ってロータ37の外方に 供給されるが、ロータ37とロータリーバルブ24との摺接面が離間した際には 、同図の実線で示すように、吐出過程にあるプランジャー室16の吸入吐出孔2 2から吐出された油の大部分は、ロータ37とロータリーバルブ24の隙間を通 り、オリフィス34を通ることなくロータ37の外方に供給される。そこで、オ リフィス34による流動抵抗が減少し、それ以上はプランジャー18がカム山を 同回転方向に回転させる力を発生することができなくなるので、回転速度差が大 きくなっても実質的に入力軸12とハウジング6とはそれ以上トルク伝達を行わ ない。
【0025】 従って、上記構成の動力伝達継手は、前記入力軸12の前記ハウジング6に対 する相対回転方向が逆転(矢印X1 方向と反対方向)した場合、伝達トルクを小 さく自動的に調節できる。尚、前記ロータ37と前記ロータリーバルブ24の隙 間の間隔は、前記ストップリング11の配設位置によって任意に調節することが でき、該隙間からの油の漏れ量を調節することにより、逆転時のトルク伝達特性 を適宜設定することができる。
【0026】 次に、上記動力伝達継手の機能を四輪駆動車の前輪と後輪との間の動力伝達軸 に設けて駆動力を前後輪に分配可能とした際の車両の動力性能に即して説明する 。 良路走行中のように前後輪間の回転差が小さく、入力軸12の回転とハウジン グ6の回転との間の回転数差が小さい状態では、上記動力伝達継手の低回転数差 領域におけるトルク伝達特性により従動輪側へはほとんど駆動力が伝達されない 。従って、車両は前輪又は後輪の駆動輪のみが駆動される2WD状態となってお り、車庫入れやUターン等のような低速急旋回に際してもタイトコーナーブレー キング現象が発生することはない。
【0027】 そして、悪路などで駆動輪が空転し前後輪間に回転差が生じ、入力軸12の回 転とハウジング6の回転との間の回転数差が大きい状態では、上記動力伝達継手 の高回転数差領域におけるトルク伝達特性により、駆動力は従動輪に分割出力さ れ、車両は4WD状態になるので、高い走破性が得られる。 また、走行時に車両が制動され、例えば前輪がロックして後輪が前輪よりも高 速で回転する方向に回転数差が生じた際には、前記入力軸12の前記ハウジング 6に対する相対回転方向が逆転(矢印X1 方向と反対方向)し、伝達トルクが小 さくなるので、後輪がロックして車両の安定性を著しく損なうことがなく、制動 時における前後輪間の制動力の干渉が防止され、アンチスキッドブレーキシステ ム(ABS)の正常な機能が保護される。
【0028】 更に、前記動力伝達継手は、前記入力軸12の前記ハウジング6に対する相対 回転方向が逆転した際に生じる前記ロータ37と前記ロータリーバルブ24の隙 間からの油の漏れ量を適宜調節することにより、逆転時の高回転数差領域におけ る伝達トルクを維持することができ、制動力の干渉を防ぎながら車両後退時の4 WD状態をも可能として走破性の低下を防ぐことができる。
【0029】 尚、上記実施態様においては、前記入力軸12と前記ハウジング6の相対回転 方向に応じて軸線方向に移動すべく入力軸12上に連結される前記ロータ37の 回転−直線変換機構として滑りネジが用いられているが、本考案はこれに限定さ れるものではなく、ボールネジ及びカム等の他の回転−直線変換機構を用いるこ とができる。
【0030】 図5は、本考案の他の実施態様に基づく油圧式動力伝達継手の部分断面斜視図 であり、ロータ39は、ハウジング6と入力軸12の相対回転方向に応じて軸線 方向に移動可能とすべく、回転−直線変換機構であるカム機構を介して前記入力 軸12上に連結されており、その内周面には入力軸12の外周面に形成されたカ ム溝41に係合する係合突起43が突設されている。前記カム溝41は、ロータ 39を貫通する軸部のカム2側の端部からロータリーバルブ24側へ向かって螺 旋状に延びた同一幅を有する細い溝であり、該カム溝41に沿って前記ロータ3 9の係合突起43は従動する。従って、ロータ39が入力軸12に対して矢印X 1 方向と反対方向に相対回転すると、該ロータ39はカム機構によってロータリ ーバルブ24側に入力軸12上を移動し、入力軸12に対して矢印X1 方向に相 対回転すると、該ロータ39はカム機構によってカム2側に入力軸12上を移動 する。
【0031】 そこで、前記ロータ39は、上記実施例のロータ37と同様に、前記入力軸1 2と前記ハウジング6の相対回転方向に応じて入力軸12上を軸線方向に移動し てロータリーバルブ24の摺接面との間隔を可変とすることにより、油の流動抵 抗を前記入力軸12と前記ハウジング6の相対回転方向に応じて切換え可能とし 、相対回転方向によってトルク伝達特性を変えることができる。
【0032】 更に、上記実施態様におけるハウジング、ロータ、プランジャー、ロータリー バルブ及びオリフィス等の構成はこれに限定されるものではなく、種々の形態を 採りうることは勿論である。
【0033】
【考案の効果】
本考案の油圧式動力伝達継手は、ハウジングに相対回転可能な軸に連結される と共に前記ハウジング内に回転自在に収納され、複数のプランジャー室を軸方向 に形成したロータが、前記ハウジングと前記軸の相対回転方向に応じて軸線方向 に移動すべく回転−直線変換機構を介して前記軸上に連結されており、前記ハウ ジングと前記軸の相対回転方向が正転の際には前記ロータリーバルブと摺接する 軸線方向側に移動し、前記相対回転方向が逆転の際には前記ロータリーバルブと 離間する軸線方向側に移動するように構成されている。
【0034】 そこで、ハウジングと軸の相対回転方向が正転の際には、プランジャーの駆動 による吐出油の流動により流動抵抗を発生する手段が機能して必要トルクを伝達 することが可能であるが、前記相対回転方向が逆転の際には、前記吐出油が離間 したロータとロータリーバルブの摺接面の隙間から漏れ、前記流動抵抗を発生す る手段が正常に機能せず、伝達トルクが減少する。
【0035】 従って、簡単な構造により正逆回転方向によって異なるトルク伝達特性を得る ことができる油圧式動力伝達継手を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本考案の一実施態様に基づく油圧式動力伝達継
手の部分断面斜視図である。
【図2】図1に示した油圧式動力伝達継手の縦断面図で
ある。
【図3】図2におけるA−A断面矢視図である。
【図4】油の流れを示す説明図である。
【図5】本考案の他の実施態様に基づく油圧式動力伝達
継手の部分断面斜視図である。
【図6】従来の油圧式動力伝達継手の縦断面図である。
【符号の説明】
2 カム 3 凹部 4 カム面 6 ハウジング 12 入力軸 16 プランジャー室 18 プランジャー 20 圧縮ばね 22 吸入吐出孔 24 ロータリーバルブ 28 吸入ポート 29 吸入路 30 吐出ポート 31 ストップリング 32 連通溝 33 雄ネジ 35 雌ネジ 37 ロータ 40 スラストブロック 44 アキュームレータ 45 シール部材 48 リテーナ 50 圧縮ばね

Claims (1)

    【実用新案登録請求の範囲】
  1. 【請求項1】 内側面にカム面を形成したハウジング
    と、該ハウジングに相対回転可能な軸に連結されると共
    に前記ハウジング内に回転自在に収納され、複数のプラ
    ンジャー室を軸方向に形成したロータと、前記複数のプ
    ランジャー室のそれぞれに往復移動自在に収納されると
    共に前記ハウジングと前記軸の相対回転時に前記カム面
    によって駆動される複数のプランジャーと、前記ロータ
    に形成され、前記プランジャー室と通じる吸入吐出孔
    と、前記ロータの端面に回転自在に摺接すると共に前記
    ハウジングとの間で所定の関係に位置決めされ、前記吸
    入吐出孔との位置関係によって吸入弁及び吐出弁の作用
    をする複数の吸入ポート及び吐出ポートを表面に形成し
    たロータリーバルブと、前記プランジャーの駆動による
    吐出油の流動により流動抵抗を発生する手段とを備え、
    前記ハウジングと前記軸の回転速度差に応じたトルクを
    伝達する油圧式動力伝達継手において、前記ロータは、
    前記ハウジングと前記軸の相対回転方向に応じて軸線方
    向に移動すべく回転−直線変換機構を介して前記軸上に
    連結されており、前記ハウジングと前記軸の相対回転方
    向が正転の際には前記ロータリーバルブと摺接する軸線
    方向側に移動し、前記相対回転方向が逆転の際には前記
    ロータリーバルブと離間する軸線方向側に移動するよう
    に構成されていることを特徴とする油圧式動力伝達継
    手。
JP8248992U 1992-11-30 1992-11-30 油圧式動力伝達継手 Pending JPH0645128U (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP8248992U JPH0645128U (ja) 1992-11-30 1992-11-30 油圧式動力伝達継手

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP8248992U JPH0645128U (ja) 1992-11-30 1992-11-30 油圧式動力伝達継手

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JPH0645128U true JPH0645128U (ja) 1994-06-14

Family

ID=13775919

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP8248992U Pending JPH0645128U (ja) 1992-11-30 1992-11-30 油圧式動力伝達継手

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JPH0645128U (ja)

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JPH0645128U (ja) 油圧式動力伝達継手
JPH0654928U (ja) 油圧式動力伝達継手
US4881626A (en) Power transmission apparatus for vehicle of four-wheel drive type
JP3029710B2 (ja) 油圧式動力伝達装置
JP2564892Y2 (ja) 油圧式動力伝達継手
JP2815731B2 (ja) 油圧式動力伝達継手
JP2564878Y2 (ja) 油圧式動力伝達継手
JP2989437B2 (ja) 油圧式動力伝達継手
JP3007451B2 (ja) 油圧式動力伝達装置
JP3029709B2 (ja) 油圧式動力伝達装置
JPH068827U (ja) 油圧式動力伝達継手
JP2584286Y2 (ja) 油圧式動力伝達継手
JP2989467B2 (ja) 油圧式動力伝達継手
JPH0672630B2 (ja) 油圧式動力伝達継手
JP2731465B2 (ja) 油圧式動力伝達継手
JP2579034Y2 (ja) 油圧式動力伝達継手
JP2572876B2 (ja) 油圧式動力伝達継手
JPH0637633U (ja) 油圧式動力伝達継手
JP2931705B2 (ja) 油圧式動力伝達継手
JP2731467B2 (ja) 油圧式動力伝達継手
JP2731469B2 (ja) 油圧式動力伝達継手
JP2508123B2 (ja) 四輪駆動用駆動連結装置
JPH0483920A (ja) 油圧式動力伝達継手
JP2695559B2 (ja) 油圧式動力伝達継手
JP2731470B2 (ja) 油圧式動力伝達継手