JPH0653672B2 - 乾癬に対する治療用組成物 - Google Patents

乾癬に対する治療用組成物

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JPH0653672B2 JP63500599A JP50059988A JPH0653672B2 JP H0653672 B2 JPH0653672 B2 JP H0653672B2 JP 63500599 A JP63500599 A JP 63500599A JP 50059988 A JP50059988 A JP 50059988A JP H0653672 B2 JPH0653672 B2 JP H0653672B2
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Description

【発明の詳細な説明】 技術分野 本発明は、乾癬治療用の薬草を主成分とする医薬組成物
に関する。本発明の他の対象は該組成物の製造法であ
る。本発明のさらに別の対象は、乾癬、リウマチおよび
喘息性呼吸困難の治療において後記に挙げる薬草を使用
することである。
従来の技術 乾癬は最もありふれた慢性皮膚病の１つである。今日で
もその原因は明らかにされていないが、おそらくはヒト
組織内の種々因子の複雑な作用に基づいているのであろ
う。病理学な見地から言うと、これは慢性的な皮膚炎で
あり、表面での異常に高い上皮細胞増殖、および真皮側
での充血と極度のリンパ球浸潤を伴っている。本来、こ
の病気は一生のうちのあらゆる時期に始まり、周期的な
出現を伴って、および／または永久的な中心を伴って数
１０年間存在する。乾癬は、四肢の伸長表面、頭皮毛髪
部および外傷皮膚部のそれぞれに発生することが最も多
い。
乾癬の治療用には既に多数の方法が用いられている。イ
セクーツおよびイセクーツ［B.lssekutz and L.lssekut
z,Gygyszerrendels,Medicina,Budapeat,1979］は、
乾癬の治療に用いられる方法および原料について広範囲
にわたる概説を与えている。しかし、これらの治療法は
ほとんど対症性のものに限られており、完全な治療効果
または少なくとも長期間（即ち、数年間）のこの疾病の
抑制が得られる乾癬用の組成物は提供されていなかっ
た。この文献には乾癬の治療用に、例えばビタミンＢ12
またはＡ、ヒ酸またはヒ酸塩を含有する各種クリーム
類、酢酸アルミニウムを含有する冷却軟膏類、活性成分
としてレゾルシンを含む剥離剤類、酢酸タリウムを含有
するローション類、並びにサリチル酸またはその誘導体
を含有するその他の組成物が示されている。軟膏ソライ
アシン(Psoriasin)は2,2′−ジクロロジエチルスルフィ
ド／マスタードガス／を含有しているが、この軟膏は薄
い塗抹として１日１回のみ使用することができるにすぎ
ない。このタール状軟膏は、皮膚領域の一部だけが短い
接触期間のその間に治療されうるにすぎないという不都
合を有している。サリチル酸組成物は皮膚表面の剥離剤
として利用できるが、この疾病を終わらせられないので
対症的な効果しか有していない。
民間療法においては、皮膚疾病に対して広範囲な薬草が
用いられている。しかし、乾癬の効果的な治療用に知ら
れている薬草は存在しない。
即ち、本発明は、乾癬の対症治療に使用されるだけでな
く、これを最終的に、または少なくとも長期間にわたっ
て抑制する組成物を提供するものである。
本発明は、ある組合せの薬草類を皮膚に外用したとき
に、上記の要求を満たす治療法および治療用組成物がそ
れぞれ得られるという認識に基づいている。
発明の開示 本発明は、種々の薬草の組合せ物からなる乾癬用の治療
組成物を提供するものである。本発明の別の目的は、こ
の治療組成物の製造法である。本発明のさらに別の目的
は、乾癬、リウマチ症状および喘息性呼吸困難の治療に
おいて、ある種の薬草の組合せを使用することである。
本発明によれば、治療組成物は以下の薬草の抽出物を含
有している： アリウム・サチバム ／ ニンニク ／ 、 (Allium sativum) (garlic) ウルチカ・ジオイカ ／ イラクサ ／ 、 (Urtica dioica) (common nettle) ケリドニウム・マジュス ／ トウワタ ／ 、 (Chelidnium majus) (milkweed) ベロニカ・オフィシナリス ／ ベロニカ ／
、 (Veronica officinalis) (veronica) カレンデュラ・オフィシナリス／カレンデュラまたはマ
ンジュギク／、 (Calendula officinalis) (calendula or marigold) アキレア・ヘルバ／ミレフォリウム／／ノコギリソウ
／、 (Achillea herba) (millefolium) (yarrow) フマリア・オフィシナリス／カラクサケマン、アースガ
ル／。
(Fumaria officinalis) (fumitory,earth-gall) 本発明の治療組成物は、上記薬草のうちの少なくとも３
種の抽出物を含有しているのが適切である。
自然療法においては、老化症状、動脈硬化症、緊張亢
進、下痢、回虫などに対してニンニクが特に用いられ
る。ニンニク汁はイボに対しても有効であると言われて
いる。この植物は、薬理学的活性成分としてニンニク
油、アリインおよびアリシンを含有している。この後者
は抗生物質とみなされることもあるが、殺虫作用をも有
している。
イラクサ(common nettle)薬物の大部分はクロロフィル
の調製において用いられる。その煎じ液はリウマチ、痛
風、糖尿病、水腫、じんま疹、カタル性膀胱炎、緊張亢
進、胃腸炎、発疹、腎性尿砂などに対して用いられる。
外用としては、座浴剤として痔に、ローションとして発
疹に、毛髪洗剤として脱毛、脂漏および脂毛髪に対して
その用途を有している。
トウワタ(milkweed)はケシ科に属する。その薬物は、工
業スケールで胆汁および肝臓障害、並びに胃腸炎に対す
る医薬を製造する際に用いられる。この植物の新鮮な煎
じ液は、イボおよびウオノメの治療に有用である。
ベロニカ(veronica；クワガタソウ属の草本）の煎じ液
は、喘息および心臓性喘息に対する鎮咳薬として知られ
ている。
カレンデュラ(calendula；キンセンカ属の草本）の煎じ
液は、内用として胃および腸の潰瘍に対して、外用とし
てゆるやかに治癒しつつある創傷および潰瘍のパック用
に用いることができる。また、食品、医薬および飲料の
着色剤としても知られている。
ノコギリソウ(yarrow)の薬物は食欲増進薬および消化薬
である。これを、尿管および呼吸障害の治療において胆
汁および肝臓機能を増進するめの抗痙攣薬として、およ
び血圧降下薬としてそれぞれ用いることができる。外用
には、その調合薬が歯肉、眼および全般的な炎症に対す
る洗液およびローションとして有用である。
カラクサケマン(fumitory)の煎じ液は、食欲増進作用、
消化作用、下剤作用および胆汁分泌促進作用を有してい
る。また、黄疸に対しても同様に用いられる。
本発明者の実験中に、上記の薬物を独立して用いたとき
には、乾癬に対して十分な治療効果が得られないことが
わかった。驚くべきことに、好ましくは上記薬草の少な
くとも２種またはそれ以上からなる薬物のある種の組合
せによって高い治療効果が得られることを見い出した。
従って、本発明の組成物は、少なくとも３種の上記薬草
の抽出物を含んでいるのが適切である。勿論、この治療
組成物は３種以上の活性成分、例えば７種全部を含んで
いてもよい。
本発明の組成物において、上記薬草の抽出物は油を用い
て調製されたものであるのが好ましい。油として、植物
油、動物油および鉱油を用いることができる。抽出にお
いてパラフィン油またはヒマワリ油を用いるのが好まし
い。本発明の組成物は、皮膚の治療に適した形態で調製
するのが好ましい。この目的のために、薬草の油抽出物
それ自体、または外用局所組成物の製造において通常用
いられる少なくとも１種の添加物との混合物を用いるこ
とができる。特に好ましい添加物はパラフィン油であ
り、これは医薬用グレード／ＰＨ．ＨＧ．ＶII／または
化粧用グレードのものであってもよい。また、本発明の
組成物は、自体既知の添加物、例えば着色剤、香味料な
どをさらに含んでいてもよい。香味料および着色剤とし
ては、医薬工業において通常用いられる添加物だけでな
く、追加の薬草抽出物も用いることができる。このよう
な薬草は、例えば以下のようなものである： カラミ・リゾマ ／ ショウブ ／ 、 (Calami rhizoma) (sweet-sedge) クエルカス・コルテックス ／ オーク樹皮 ／
、 (Quercus cortex) (osk-bark) サリックス・アルバ ／ 皮質 ／ ／ ヤナギ
皮質 ／ 、 (Salix alba) (cortex) (willow cortex) タラキシ・ラジクス ／ ダウデリオン ／ ／
皮質 ／ 、 (Taraxi radix) (daudelion) (cortex) アルカネ・ラジクス ／ アルカンナ ／ 。
(Alcanae radix) (alkanna) 治療組成物の製造は、適当に砕いた、好ましくは粉砕し
た乾燥薬草に適切な抽出油を注ぎ、この混合物を比較的
長い時間、高温に保つことによって行うのが好ましい。
その後、上清を固体の植物残渣から分離し、この上清を
そのまま治療用に用いるか、または追加の添加物との混
合用に用いて治療組成物を製造する。活性成分に加えて
薬草をも添加物として用いるときには、後者を抽出工程
で導入するのが好ましい。
抽出工程の時間および温度は限定されるものではなく、
薬物中の活性物質の熱分解につながることのないあらゆ
る温度を用いてよく、一方、抽出時間は使用温度で相応
の抽出級が得られるに十分長いものであるべきである。
好ましくは、抽出は４０〜７０℃の温度で１２〜４８時
間行われる。
本方法の好ましい態様によれば、抽出は６０℃で２４時
間行われる。本発明の最も好ましい態様によれば、油を
用いて行われる抽出においては、全ニンニクではなくア
ルコールで前もって抽出しておいた固体の原料を用い
る。この先行の抽出によって、組成物の外観を実質的に
改善することができる。このニンニクのアルコール抽出
は、あらゆる液体アルコール、好ましくはメタノールお
よびエタノールを用いて行うことができる。９６％エタ
ノールを用いるのが最も好ましい。このアルコール抽出
の温度および時間は限定されないが、抽出に使用するア
ルコールの沸点またはそれ以下で好ましく行うことがで
きる。持続攪拌下、６０℃で２４時間抽出を行うのが好
ましい。
抽出の後、アルコールを固体原料から除き（好ましくは
濾過によって）、この固体を乾燥させ（好ましくは真空
中、５０〜６０℃で）、次いで油抽出の乾燥原料に加え
る。
本発明者等の実験において、多数の患者を本発明の組成
物で治療し、数週間の使用の後、治療の９０％において
乾癬症状が完全に消失し、再び現れなかった。勿論、治
療期間は、患者の年齢および身体状態および疾病の段階
に強く依存する。
また、驚くべきことに、本発明者等の実験において、上
記組成物において用いられる薬草および／または組成物
それ自体が、乾癬に対して活性であるだけでなくリウマ
チおよび喘息性呼吸困難に対しても活性であることがわ
かった。従って、本発明の別の目的は、リウマチおよび
喘息性呼吸困難の治療において、上記の薬草、それらの
混合物、およびそれらを含有する組成物を用いることで
ある。
発明実施の最良の態様 以下に実施例を挙げて本発明をさらに詳しく説明する
が、本発明の保護範囲は本実施例において説明する態様
に限定されるものではない。
実施例 ニンニク１０kgを小さく砕き、粉砕し、適当な容器に入
れた。９６％エタノール7.5を注ぎ入れ、持続攪拌し
ながらこの混合物を２４時間、６０℃に保った。この上
清を分離し、残渣を、アルコール臭が消失するまで真空
下、５０〜６０℃で乾燥した。このように前処理した乾
燥ニンニク原料を、以下に挙げる小さく砕いて粉砕した
薬草乾燥原料に加えた： ウルチカ・ジオイカ／イラクサ／ ３
００ｇ、 ケリドニウム・マジュス／トウワタ／ ３
００ｇ、 ベロニカ・オフィシナリス／ベロニカ／ ３
００ｇ、 カレンデュラ・オフィシナリス／カレンデュラ／ ３
００ｇ、 アキレア・ヘルバ／ノコギリソウ／ ２
００ｇ、 フマリア・オフィシナリス／カラクサケマン／ ２
００ｇ、 カラミ・リゾマ／ショウブ／ ２
００ｇ、 クエルカス・コルテックス／オーク樹皮／ １
００ｇ、 サリックス・アルバ／皮質／／ヤナギ皮質／ ３
００ｇ、 タラキシ・ラジクス／ダウデリオン／／皮質／ ３
００ｇ、 アルカネ・ラジクス／アルカンナ／
５ｇ。
砕いた乾燥原料を混合し、これにパラフィン油９０を
注ぎ入れ、このようにして得た混合物を６０℃で２４時
間攪拌した。この乾燥原料を遠心して分離し、抽出液が
濁っているときには濾過した。こうして得た透明な油組
成物に、ヒマワリ油１０を加え、適当なビンまたはそ
の他の容器に入れた。このようにして、そのまま使用で
きる乾癬用の組成物が得られた。
本発明の組成物においては、７種の主成分のどれもが活
性成分の全乾燥重量の０〜６０％で存在していてよい。
ニンニクはもっと高い濃度、即ち９０％まで存在してい
てもよい。

Claims (8)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項１】アリウム・サチバム（ニンニク）１０kgに
    対して、 乾燥ウルチカ・ジオイカ（イラクサ）
    ３００±３０ｇ、 乾燥ケリドニウム・マジュス（トウワタ）
    ３００±３０ｇ、 乾燥ベロニカ・オフィシナリス（ベロニカ）
    ３００±３０ｇ、 乾燥カレンデュラ・オフィシナリス（カレンデュラ）
    ３００±３０ｇ、 乾燥アキレア・ヘルバ（ノコギリソウ）
    ２００±２０ｇ、 乾燥フマリア・オフィシナリス（カラクサケマン）
    ２００±２０ｇ、 乾燥カラミ・リゾマ（ショウブ）
    ２００±２０ｇ、 乾燥クエルカス・コルテックス（オーク樹皮）
    １００±１０ｇ、 乾燥サリックス・アルバ（ヤナギ皮質）
    ３００±３０ｇ、 乾燥タラキシ・ラジクス（ダウデリオン皮質）
    ３００±３０ｇ、 乾燥アルカネ・ラジクス（アルカンナ）
    ５±0.5ｇ、 の割合で用いることを特徴とし、これら原料の油抽出物
    を含有することを特徴とする乾癬用の治療組成物。
  2. 【請求項２】外用の治療目的に有用な少なくとも１種の
    担体および／または添加物をさらに含有している請求項
    １記載の組成物。
  3. 【請求項３】油がパラフィン油である請求項１または２
    に記載の組成物。
  4. 【請求項４】ヒマワリ油を含有している請求項１〜３の
    いずれかに記載の組成物。
  5. 【請求項５】アリウム・サチバム（ニンニク）１０kgに
    対して、 乾燥ウルチカ・ジオイカ（イラクサ）
    ３００±３０ｇ、 乾燥ケリドニウム・マジュス（トウワタ）
    ３００±３０ｇ、 乾燥ベロニカ・オフィシナリス（ベロニカ）
    ３００±３０ｇ、 乾燥カレンデュラ・オフィシナリス（カレンデュラ）
    ３００±３０ｇ、 乾燥アキレア・ヘルバ（ノコギリソウ）
    ２００±２０ｇ、 乾燥フマリア・オフィシナリス（カラクサケマン）
    ２００±２０ｇ、 乾燥カラミ・リゾマ（ショウブ）
    ２００±２０ｇ、 乾燥クエルカス・コルテックス（オーク樹皮）
    １００±１０ｇ、 乾燥サリックス・アルバ（ヤナギ皮質）
    ３００±３０ｇ、 乾燥タラキシ・ラジクス（ダウデリオン皮質）
    ３００±３０ｇ、 乾燥アルカネ・ラジクス（アルカンナ）
    ５±0.5ｇ、 の割合を有する原料を、植物油、動物油または鉱油で抽
    出し、その上清を固体原料から分離することを特徴とす
    る乾癬用治療組成物の製造法。
  6. 【請求項６】パラフィン油で抽出を行う請求項５記載の
    製造法。
  7. 【請求項７】前もってアルコールで抽出して得た乾燥原
    料としてニンニクを抽出に用いる請求項５または６に記
    載の製造法。
  8. 【請求項８】ニンニクを９６％エタノールを用いて高温
    で抽出し、上清を分離し、乾燥固体残留物をその他の粉
    砕薬草乾燥原料と混合し、この混合物を油で抽出し、そ
    の上清を遠心によって固体原料から分離する請求項５〜
    ７のいずれかに記載の製造法。
JP63500599A 1987-12-23 1987-12-23 乾癬に対する治療用組成物 Expired - Lifetime JPH0653672B2 (ja)

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JPH02502631A JPH02502631A (ja) 1990-08-23
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EP (1) EP0364442B1 (ja)
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KR (1) KR900700117A (ja)
CN (1) CN1025002C (ja)
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BG (1) BG50491A3 (ja)
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DD (1) DD277210A5 (ja)
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