JPH0653660A - 配線層の平坦化方法 - Google Patents

配線層の平坦化方法

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JPH0653660A
JPH0653660A JP20243592A JP20243592A JPH0653660A JP H0653660 A JPH0653660 A JP H0653660A JP 20243592 A JP20243592 A JP 20243592A JP 20243592 A JP20243592 A JP 20243592A JP H0653660 A JPH0653660 A JP H0653660A
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 エッチ・バック法により配線導体層および絶
縁層の表面を均一な膜厚にし、絶縁層に表面キズのな
い、かつ、配線導体層の露出不良のない多層配線基板の
製造方法を提供する。 【構成】 下地基板上にめっき用下地導体12上にレジ
ストパタ−ン31a〜31dを形成する。レジストパタ
−ン外の開口部16a〜16cを埋め込んでレジストパ
タ−ン31a〜31dの膜厚よりも厚い配線用予備導体
層32a〜32cを形成し、開口部から突出した配線用
予備導体層をレジストパタ−ン面まで研磨して平坦な配
線用導体層35a〜35cを形成する。次に、配線用導
体層を絶縁層用予備膜で覆った後、平坦化犠牲膜を積層
してエッチバック法で絶縁層用予備膜をエッチバックし
て配線用導体層が露出するまで平坦化する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】この発明は、高速信号伝送用配線
層の平坦化方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】LSIの高集積化、大規模化に伴い配線
がチップにしめる面積が大きくなり配線の多層化、パタ
−ンの微細化がますます重要になってきた。配線や接続
孔等のパタ−ンの横方向寸法はスケ−リング則にしたが
って微細化するのに対し、配線や絶縁膜の厚さ等縦方向
寸法は、配線抵抗、浮遊容量、絶縁耐圧および耐マイグ
レ−ション性等の信頼性を維持する必要があり横方向な
みに微細化することが困難である。また、配線や接続孔
のパタ−ンは微細化のために異方性の強いエッチングに
よって形成されるためパタ−ンの端面形状が急峻とな
る。更に、配線が多層になるため、必然的に配線層表面
の凹凸が激しくなる。このような表面の凹凸は、パタ−
ンの加工精度の低下、配線の断線および信頼性の低下を
招く。更に、配線間をつなぐ接続孔のアスペクト比も増
大するので接続孔での断線や信頼性の低下を招く。この
ような問題を解決する手段として絶縁膜の平坦化および
配線の平坦化技術が次世代の薄膜多層基板開発には欠く
ことのできない必須技術となっている。
【0003】従来、配線層の平坦化技術として、以下に
説明する研磨による方法とドライエッチングによる方法
とがある。
【0004】図7および図8は、従来の研磨による配線
及び絶縁層の平坦化を説明するための製造工程図を示し
ている。基板10(例えばアルミナ、ポリイミドなど)
上の表面に予め粗面化などの表面処理を施しておく(図
7(A))。
【0005】次に、基板10上にカレント・フイルム1
2を真空蒸着法、または無電解めっき法などにより形成
する(図7の(B))。
【0006】カレント・フイルム12は、電解めっきで
形成する場合の電流供給用導体に使用されるもので、後
述する配線導体層に比べ薄い膜として形成する。
【0007】次に、配線導体層を所定の形状に形成する
ためめっき用マスクとしてレジストパタ−ン14(14
a〜14d)を形成する。このときレジストパタ−ン
を、感光性液状レジストのスピン・コ−テングによって
一旦、レジスト膜を形成した後、決められた露光および
現像を行なって配線導体層用パタ−ンに対応したレジス
ト開口部16a〜16cを形成する(図7の(C))。
尚、このめっき用マスク14は、感光性ドライ・フイル
ムのラミネ−ティングした後、エッチングして形成して
も良い。
【0008】ここで、めっき用マスク14a〜14c
は、使用する液状レジストの粘度やスピン・コ−ティン
グ時の回転数、或いは、ドライ・フイルムのフイルム膜
厚を変化させて配線導体層の形成の際電解めっきのバラ
ツキを吸収し、レジスト開口部16a〜16c内に析出
する配線導体層がレジスト膜厚を越えないように制御を
行なって、形成される。
【0009】次に、配線用導体膜18a〜18cを電解
めっきにより形成する。(図7の(D))。通常、めっ
きにより形成された配線用導体膜18a〜18cの膜厚
は基板内でバラツキがあり、更に基板の大きさや配線の
密度によっても変化する。従って、所要の配線導体を電
解めっきのみで形成すると、図7の(D)に示すよう
に、所望の配線導体層18a〜18cの膜厚にバラツキ
が生じ、かつ、導体膜の表面に凹凸が発生する。
【0010】このため、従来例では、後述する研磨工程
でこの導体層のバラツキと表面の凹凸を除去するため、
予め配線用導体層18a〜18cを研磨される分余裕を
もたせて、形成している(図7の(D))。
【0011】次に、めっき用マスク14a〜14dを除
去し、続いて、基板10上の開口部16a〜16cに露
出しているカレント・フイルム12の部分をエッチング
によって除去する。この場合、配線用導体層18a〜1
8cの下部に形成されたカレント・フイルム12a〜1
2cの部分はそのまま残る(図7の(E))。尚、カレ
ント・フイルムの材料には、例えばクロム(Cr)と銅
(Cu)の積層体が用いられ、配線用導体としては銅
(Cu)等が用いられる。
【0012】次に、基板上に形成した残存カレント・フ
ィルム12a〜12cと配線用導体膜18a〜18cと
を埋め込むように絶縁層用予備膜20を塗布する。この
ときバ−・コ−ティング法、印刷法、スピン・コ−ティ
ング法等のうち適当な方法が用いられる。
【0013】その後、好適な方法で塗布した材料を硬化
させて絶縁層用予備膜20を形成する。尚、絶縁層用予
備膜20は、下層の配線用導体膜18a〜18cの有無
によって凹凸が生じる(図8の(A))。
【0014】次に、配線用導体膜18a〜18cと絶縁
層用予備膜20とを平坦化するため絶縁層用予備膜20
を研磨して内部に埋め込まれた配線用導体膜の表面を露
出するまで平坦に削る。このとき研磨定盤を用いて、初
期に形成された導体層の凹凸部を除いて常に基板10と
同一寸法で絶縁層用予備膜の全面を切削する。このため
表面には、常に一定の摩擦力が働いている。このため研
磨後の膜厚制御をするには研磨中に目視で配線用導体層
の露出状態を確認する光学的手段により絶縁層の膜厚を
測定していた。更に、研磨定盤により研磨後の膜厚を制
御する。このとき研磨によって形成した絶縁層20a〜
20c上に研磨キズ22ができる。このような研磨キズ
22を有する表面上に更にカレント・フイルム12を形
成し上層導体層26を形成した場合、研磨キズ22の凹
凸がそのまま上層導体層26の表面に凹凸となって現れ
るという問題があった。更に、配線用導体層と絶縁層用
予備膜の極端な硬度の差により表面平坦化が困難であっ
た。
【0015】また、図9と図10は、従来のドライ・エ
ッチング法を用いて配線用導体層と絶縁層を平坦化する
製造工程の例を示している。
【0016】先ず、基板10を用意し(図9の
(A))、この基板10上にカレント・フイルム12を
真空蒸着法または無電解めっき法等を用いて形成する
(図9の(B))。
【0017】その後、レジスト材料を塗布した後、レジ
ストパタ−ン化を行って配線用導体層を形成するための
開口部16a〜16cおよびレジストパタ−ン14a〜
14dを形成する(図9の(C))。
【0018】次に、電解めっき等でレジストパタ−ンの
厚さと同程度の厚みになるようにめっきを析出させ配線
用導体層19a〜19cを形成する。
【0019】ここまでの製造工程は、上述した研磨によ
る方法と同様である。
【0020】次に、配線用導体層19a〜19c上に薄
膜金属層17a〜17cを形成する。この薄膜金属層1
7a〜17cは、後述する絶縁層用膜20との密着性の
確保および配線導体の表面酸化防止を目的として行われ
るものである。また、薄膜金属層17a〜17cは電解
めっき法またはリフト・オフ法等を用いて形成する(図
9の(D))。
【0021】次に、レジストパタ−ン14a〜14dを
エッチングして除去し、更に、基板上に形成されたカレ
ント・フイルム12のうちレジストパタ−ン14a〜1
4dの下側に位置した部分をエッチングによって除去す
る。このとき配線用導体膜19a〜19cの下部に形成
されたカレント・フイルム12a〜12cはそのまま残
る(図9の(E))。
【0022】次に、基板10に形成されたカレント・フ
ィルム12a〜12c、配線用導体膜19a〜19cお
よび薄膜金属層17a〜17cを埋め込むように絶縁層
用樹脂20aをバ−・コ−ティング法、印刷法およびス
ピン・コ−ティング法等のうちのいずれかの方法によっ
て基板上に塗布する。その後、所望の方法によって絶縁
層用樹脂20aを硬化させて絶縁用膜20を形成する
(図10の(A))。
【0023】次に、絶縁層用膜20上にエッチ・バック
用レジストを塗布した後、これを乾燥させて平坦化犠牲
膜21を形成する(図10の(B))。
【0024】その後、酸素プラズマによるドライ・エッ
チング法等によって表面から平坦化犠牲膜21および絶
縁層用膜20をエッチングする。このとき所望の絶縁層
膜厚hになるようにエッチング量を制御する。尚、平坦
化犠牲膜21と絶縁層用膜20のエッチング速度を等し
くすることによって表面平坦度をそのまま保持した状態
で絶縁層の表面を平坦化できる(図10の(C))。
【0025】このとき配線用導体層19a〜19cの膜
厚が不均一であると、上層導体層23を形成した場合、
図中に円で囲んで示すように接続不良箇所24を生じ
る。
【0026】
【発明が解決しようとする課題】上述した従来の研磨に
よって絶縁層を平坦化する方法では、絶縁層用膜の形成
後に研磨を行うため、配線用導体の表面が露出したとき
のエンド・ポイント(配線用導体層のなかで膜厚の最小
値の部分)が判別しにくい。また、めっきによる配線用
導体層の膜厚にバラツキがあるため、絶縁層の膜厚を一
定の値に制御することは、困難であるという問題があっ
た。また、研磨による絶縁層表面に研磨キズが発生し易
く、上層配線導体層を積層させて多層薄膜層を形成する
場合、研磨キズの凹凸が累積されてしまうという問題も
あった。更に、絶縁層用膜を形成した後に表面研磨する
ため密着性用被膜の薄膜金属が削り取られてしまう。そ
のため配線用導体膜上に薄膜金属層を再度形成する必要
が生じたとき、カレント・フイルムがないため薄膜金属
層が形成できないという問題点もあった。
【0027】次に、上述した従来のドライ・エッチング
によるエッチバック法では、パタ−ンめっきの際に生じ
る配線用導体層の膜厚のバラツキがあり、そのままの状
態で平坦化犠牲膜を形成し、エッチバックを行うと配線
用導体層が絶縁層から露出しない部分と過度に露出する
部分が発生するという問題があった。
【0028】従って、この発明は、上述した問題点に鑑
み行われたものであり、この発明の目的は、配線導体層
の膜厚を均一にし、絶縁層に生じる表面キズを除去し、
エッチ・バック法により配線導体層と絶縁層の表面を均
一に平坦化することにある。
【0029】
【課題を解決するための手段】この目的の達成を図るた
め、この発明によれば、(a)下地基板上にめっき用下
地導体を形成する工程と、(b)前記めっき用下地導体
上にレジストパタ−ンを形成する工程と、(c)前記レ
ジストパタ−ン以外の開口部を埋め込んで該レジストパ
タ−ンの膜厚よりも厚い配線用予備導体層を形成する工
程と、(d)前記レジストパタ−ンを実質的に残存させ
たまま前記レジストパタ−ンから突出している配線用予
備導体層の部分を研磨して頂部が平坦化された配線用導
体層を形成する工程と、(e)前記レジストパタ−ンと
前記めっき用下地導体の部分のうち該レジストパタ−ン
の下側部分とを除去して配線層を形成した後、この配線
層を覆う絶縁層用予備膜を前記下地基板上に設ける工程
と、(f)エッチバック法を用いて、前記絶縁層用予備
膜を前記配線層の頂部までエッチングして表面全体を平
坦化する工程とを含むことを特徴とする。
【0030】また、工程(d)には、好ましくは、前記
平坦化された配線用導体層の頂部に選択的に他の配線用
導体層を形成する工程を含ませるのが良い。
【0031】
【作用】上述したこの発明の多層配線基板の製造方法に
よれば、下地基板上にめっき用下地導体を形成してあ
る。このため、めっき法により形成した配線用導体層ま
たは他の配線用導体層(薄膜金属層とも称する。)を設
けることができる。また、めっき用下地導体上にレジス
トパタ−ンを形成してある。このときのレジストパタ−
ンの膜厚の高さを、予め、後工程で形成する配線用導体
層の膜厚に近い値に設定しておくことによって、配線用
導体層の膜厚が決めやすくなる。また、レジストパタ−
ン間の開口部を埋め込んで形成される配線用予備導体層
は、レジストパタ−ン膜厚より厚く形成されていれば良
く、このようにすることによりめっき制御がしやすくな
る。また、レジストパタ−ンを実質的に残存させたまま
レジストパタ−ンから突出している配線用予備導体層の
部分を研磨して頂部が平坦化された配線用導体層を形成
する。このため、研磨のとき発生する研磨キズが柔らか
い材質であるレジストパタ−ン表面にあっても、後工程
でレジストパタ−ンを除去してしまうため問題にはなら
ない。また、レジストパタ−ンを除去した後、形成され
るカレント・フイルムと配線用導体層のことを配線層と
呼ぶ。この配線層を覆う絶縁層用予備膜を設けている。
このとき凹凸をもった配線層上に絶縁層用予備膜を形成
するから下地の影響をうけて、絶縁層用予備膜の表面に
も凹凸ができる。これを平坦化するためにエッチバック
法を用いて絶縁層用予備膜から配線層を露出させること
ができる。このエッチバックで形成された絶縁層用予備
膜のことを絶縁層と呼ぶ。このとき配線層および絶縁層
ともに平坦な面が形成されることになる。
【0032】また、配線用導体層上に薄膜金属層を被覆
することにより配線用導体層の酸化防止をはかり、か
つ、絶縁層との密着性をはかることができる。このよう
にして形成した配線層及び絶縁層を下地として更に配線
層と絶縁層を積層させて形成される多層配線基板は従来
より一層の多層化を図ることができる。
【0033】
【実施例】以下、図面を参照して、この発明の実施例に
つき説明する。尚、各図は、これらの発明が理解できる
程度に、各構成成分の寸法、形状および配置関係を概略
的に示してあるにすぎない。また、以下の説明では、特
定の材料および条件をもちいて説明するがこれらの材料
および条件は、一つの好適例にすぎず、従って、この発
明では何らこれに限定されるものではない。
【0034】図1〜図4は、この発明の実施例における
製造工程図を示している。
【0035】次に、この実施例の製造工程の概要を図1
を用いて説明する。
【0036】先ず、この発明では、下地基板10上にめ
っき用下地導体12を形成する。この実施例では、下地
として基板10を用意する。そして、この基板10上に
めっき用下地(これをカレント・フイルムと呼ぶ。)1
2を形成する。このカレント・フイルム12上に、配線
用導体層の開口部を作るため、レジストパタ−ン31a
〜31dを形成する。このときレジストパタ−ンによっ
てレジスト開口部を予め形成しておく。
【0037】続いて、めっき法を用いてレジストパタ−
ン外の開口部を埋め込むようにレジストパタ−ン31a
〜31dの膜厚より厚いめっきを行って配線用予備導体
層32a〜32cを形成する(図1の(A))。
【0038】その後、レジストパタ−ン31a〜31d
を実質的に残存させたまま、その膜厚の高さにまで配線
用予備導体層32a〜32cの突出部分を研磨する。こ
れにより研磨後のレジストパタ−ン33a〜33d(研
磨後のレジストパタ−ンをめっき用マスク・レジストと
も呼ぶ。)および頂部が平坦化された配線用導体層35
a〜35cが形成される(図1の(B))。
【0039】続いて、この発明では、レジストパタ−ン
33a〜33dとめっき下地導体12の部分のうち下地
部分とを除去した後、配線用導体層35a〜35cを覆
う絶縁層用予備膜を下地の基板10上に設ける。そのた
め、この実施例では、先ず、配線用導体層35a〜35
c上にカレント・フイルムを用いて、他の配線用導体層
(これを薄膜金属層とも呼ぶ。)36a〜36cをそれ
ぞれ形成する。
【0040】その後、レジストパタ−ン33a〜33d
を除去し、更に、基板10上のカレント・フイルム12
は、任意好適なエッチングにより除去する。尚、このと
き基板10と配線用導体層35a〜35cの間に形成さ
れたカレント・フイルムの部分12a〜12cはそのま
ま残す。続いて、基板10上に形成されたカレント・フ
イルム12a〜12c、配線用導体層35a〜35cお
よび薄膜金属層36a〜36cを絶縁層用予備膜に埋め
込む。この予備膜を例えば、絶縁性樹脂とする。
【0041】続いて、この絶縁層用予備膜上に平坦化犠
牲膜を積層した後、エッチバック法により絶縁層用予備
膜を平坦化しつつ、絶縁層用予備膜から配線用導体層の
頂部、従って、この実施例の場合には薄膜金属層36a
〜36cまたは配線用導体層35a〜35cを露出させ
る(図1の(C))。このとき、残存している予備膜の
部分が絶縁層40a、40b、40c、40dとなる。
【0042】次に、図2〜図4を用いてこの発明の製造
工程を詳細に説明する。
【0043】基板10としては、例えばセラミック基板
等の上にポリイミド樹脂を塗布して形成したものを用
い、基板上にカレント・フイルム12を真空蒸着法また
は無電解めっき法等により形成する。このとき必要に応
じて基板10上に粗面化等の表面処理を施しておくのが
好適である(図2の(A))。カレント・フイルム12
は、配線用導体を電解めっきで形成するための電流供給
用導体(電極)となるもので配線用導体に比べ薄膜で形
成されている。尚、カレント・フイルム12の材料に
は、例えばクロム(Cr)と銅(Cu)の積層体または
銅(Cu)単体を用いる(図2の(B))。
【0044】次に、配線用導体層を所望の膜厚に形成す
るためのめっき用マスク・レジストを基板10の全面に
塗布する(図示せず)。このレジストの塗布は、好まし
くは、感光性レジストのスピン・コ−ティングによるの
が良い。レジストを塗布した後、それぞれ好適な条件で
露光および現像を行って配線パタ−ン用のレジストパタ
−ン31a〜31dを形成する。このときめっき下地を
露出させ配線用導体層を形成するためのレジスト開口部
16a〜16cを設ける(図2の(C))。なお、この
レジストパタ−ンの代わりに、感光性ドライ・フイルム
をラミネ−ティングして、これをパタ−ンニングして形
成したパタ−ンを得ても良い。
【0045】次に、全ての配線用導体がレジストパタ−
ン31a〜31dの膜厚の高さよりも厚い電解めっきを
行う。このとき、レジスト開口部16a〜16cの形状
が異なるのでめっきを行なう条件としては、一番析出の
遅い部分のめっき条件に合わせて設定をする必要があ
る。このようにして形成された配線用予備導体層の表面
は凹凸を有している(図2の(D))。尚、めっき金属
としては、例えば銅(Cu)を用いるのが好適である。
【0046】次に、配線用予備導体層の形成工程で電解
めっきで析出した配線用予備導体層はレジストパタ−ン
の表面より突出している。この突出部分を研磨定盤を用
いて切削する。このときレジストパタ−ン面に接触する
と急激に摩擦抵抗が増大するからレジストパタ−ン面で
研磨を終了させることが容易にできる。従って、研磨後
の配線用導体層35a〜35cの膜厚は、レジストパタ
−ン31a〜31cの膜厚h程度の厚さになる。また、
この研磨によって配線用導体層35a〜35cの膜厚の
バラツキを小さくできる。また、研磨後のレジストパタ
−ン33a〜33d上には研磨による研磨キズ34が発
生する(図2の(E))。しかし、この研磨キズ34
は、後工程でレジストパタ−ンが除去されるとき研磨キ
ズも同時に除去されるから問題はない(図3の(B)参
照)。
【0047】次に、他の配線用導体層36a〜36c
(これを薄膜金属膜と呼ぶ。)を配線用導体層35a〜
35c上に形成する(図3の(A))。この薄膜金属膜
36a〜36cの形成は、電解めっき法またはリフト・
オフ法を用いて行う。この薄膜金属膜36a〜36c
は、後工程で形成する絶縁層との密着性の確保および配
線用導体層35a〜35cの表面酸化防止のために行わ
れる。従って、絶縁層との密着性が良く、表面酸化を起
こさない配線用導体層を使用する場合は、この工程は削
除される(図5と図6参照)。
【0048】次に、レジストパタ−ン33a〜33dを
除去した後、更に、基板10上のカレント・フイルム1
2を任意好適なエッチングにより除去する。これによっ
て基板10上には、カレント・フイルム12a〜12
c、配線用導体層35a〜35cおよび薄膜金属膜36
a〜36dからなる配線層37a〜37cが形成される
(図3の(C))。
【0049】次に、基板10上に形成された配線導体層
37a〜37cを覆うようにしてワニス用樹脂、例え
ば、ポリイミド前駆体等を用いて塗布する。このときの
方法としてはバ−・コ−ティング法、印刷法およびスピ
ン・コ−ティング法等のうちいずれかの方法を用いる。
その後、任意好適な方法でワニス用樹脂を硬化させた
後、絶縁層用予備膜20を形成する(図3の(D))。
【0050】絶縁層用予備膜20は、下部にある配線導
体層37の有無によって表面に凹凸ができる。この表面
に形成された凹凸は、その後の上層配線層を形成するプ
ロセスにおいて配線導体層のバラツキの原因となる。従
って、この発明の実施例では、絶縁層用予備膜20の平
坦化の方法としてエッチバック法を用いるのが好適であ
る。
【0051】次に、エッチバック法による絶縁層用予備
膜20の平坦化について説明する。
【0052】表面に凹凸を有する絶縁層用予備膜20上
にエッチバック用レジスト膜38(これを平坦化犠牲膜
とも呼ぶ。)をスピン・コ−ティング法等を用いてコ−
ティングする。この平坦化犠牲膜38は、乾燥した際に
膜減りが少なく、塗布した後の乾燥によって表面平坦度
が下部の絶縁層用予備膜20に左右されないものを用い
ている。
【0053】この平坦化犠牲膜38を形成した後、酸素
プラズマによるドライ・エッチング法を用いて平坦化犠
牲膜38と絶縁層用予備膜20のエッチング速度を等し
くなるように調整してエッチングを行なって、絶縁層4
0a〜40cを形成する。
【0054】このとき配線導体層37a〜37cの頂部
が絶縁層用予備膜20の表面に露出するまでエッチング
する。エッチバックによって形成された絶縁層40a〜
40cの表面は、研磨で発生するような表面キズを生じ
ることはない。
【0055】多層配線を形成する場合は、上述の製造工
程を繰り返し行う。
【0056】上述した製造工程では、主に電解めっき法
を用いた配線導体層のパタ−ンめっきにつき説明したが
無電解めっき等を用いて配線導体層を形成しても良い。
無電解めっきの場合は、めっき用下地導体の代わりに金
属析出するための触媒核を基板に吸着させ、その他、任
意好適なめっき液に基板を浸漬させて所望のめっきを行
えば良い。
【0057】また、この実施例では、基板10の材料に
樹脂を用いたが無機物でも同様な効果が得られる。
【0058】〈 第1実施例の変形例 〉この変形例
は、第1実施例で他の配線用導体層36a〜36c(薄
膜金属層)を形成する必要の無い場合である。
【0059】図5と図6は、薄膜金属層36a〜36c
を用いない場合の製造工程を説明するための図である。
【0060】図5の(A)までの製造工程は、実施例1
の図2の(A)〜(D)までの工程と同一であるから省
略してある。
【0061】図5の(A)は、研磨によって形成された
基板10、カレント・フイルム12、レジストパタ−ン
33a〜33dおよび配線用導体層35a〜35cを示
している。次に、任意好適な方法を用いてレジストパタ
−ン33a〜33dを除去する。続いて、基板10上に
露出しているカレント・フイルム12を更にエッチング
して基板10上に残留カレント・フイルム12a〜12
c及び配線用導体層35a〜35cを形成する。この変
形例では、カレント・フイルム12a〜12cと配線用
導体層35a〜35cを合わせたものが配線導体層42
になる(図5の(C))。
【0062】次に、配線導体層42を覆うようにワニス
状絶縁体樹脂をコ−ティングした後乾燥し硬化させた
後、絶縁層用予備膜20を形成する(図5の(D))。
【0063】次に、絶縁層用予備膜20上に平坦化犠牲
膜38を塗布して酸素プラズマ等によるドライ・エッチ
ング法等を用いて絶縁層用予備膜20を平坦化して絶縁
層40a〜40dを形成する(図6の(A)と
(B))。
【0064】なお、図5の(A)〜(D)および図6の
(A)〜(B)の製造方法は、実施例1の方法と同様に
行えば良い。
【0065】
【発明の効果】上述した説明からも明らかなように、こ
の発明の多層配線基板の製造方法によれば、めっき用下
地導体を基板上に形成したのち、レジスト・パタ−ンを
形成している。このためレジスト開口部を埋め込んでレ
ジストパタ−ンの膜厚より厚い配線用予備導体層を形成
すれば良くめっきの膜厚の制御が容易になる。
【0066】また、研磨によって配線用導体層の膜厚高
さが均一になっているから、その後のエッチバック法の
製造工程で配線導体層間の接続不良がなくなる。
【0067】また、この発明では、配線用予備導体層を
レジストパタ−ン面まで研磨した際に発生する研磨キズ
は、レジストパタ−ンを除去してしまうため、研磨キズ
が絶縁層の表面に残ることは無い。
【0068】このため研磨キズも残らず、配線導体層の
膜厚も均一で、かつ、絶縁層の表面を平坦に形成でき
る。また、変形例でも示したように配線用導体層の材料
が絶縁層と密着性が良く、かつ、導体層材料が酸化に強
いものを用いた場合、薄膜金属層の工程を削除できる。
このため、作業性の向上にもつながる。
【図面の簡単な説明】
【図1】(A)〜(C)は、この発明の基本的な工程を
説明する工程図である。
【図2】(A)〜(E)は、この実施例の製造工程を説
明するための工程図である。
【図3】(A)〜(D)は、図2に続くこの実施例の製
造工程を説明するための工程図である。
【図4】(A)〜(B)は、図3に続くこの実施例の製
造工程を説明するための工程図である。
【図5】(A)〜(D)は、この実施例1の変形例を示
す製造工程図を説明するための工程図である。
【図6】(A)〜(B)は、図5の工程に続く工程図で
ある。
【図7】(A)〜(E)は、従来の研磨法による製造工
程を説明するための工程図である。
【図8】(A)〜(C)は、図7の工程に続く従来の研
磨法による製造工程図である。
【図9】(A)〜(E)は、従来のエッチバック法によ
る製造工程図である。
【図10】(A)〜(D)は、図9の工程に続く従来の
エッチバック法による製造工程図である。
【符号の説明】
10:基板 12、12a〜12c:カレント・フイルム 16a〜16c:レジスト開口部 20:絶縁層用予備膜 31a〜31d:レジストパタ−ン 32a〜32c:配線用予備導体層 33a〜33d:研磨後のレジストパタ−ン 34:研磨キズ 35a〜35c:配線用導体層 36a〜36c:薄膜金属層 37a〜37c:配線導体層 38:平坦化犠牲膜 40a〜40d:絶縁層

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 (a)下地基板上にめっき用下地導体を
    形成する工程と、 (b)前記めっき用下地導体上にレジストパタ−ンを形
    成する工程と、 (c)前記レジストパタ−ン以外の開口部を埋め込んで
    該レジストパタ−ンの膜厚よりも厚い配線用予備導体層
    を形成する工程と、 (d)前記レジストパタ−ンを実質的に残存させたまま
    前記レジストパタ−ンから突出している配線用予備導体
    層の部分を研磨して頂部が平坦化された配線用導体層を
    形成する工程と、 (e)前記レジストパタ−ンと前記めっき用下地導体の
    部分のうち該レジストパタ−ンの下側部分とを除去して
    配線層を形成した後、該配線層を覆う絶縁層用予備膜を
    前記下地基板上に設ける工程と、 (f)エッチバック法を用いて、前記絶縁層用予備膜を
    前記配線層の頂部までエッチングして表面全体を平坦化
    する工程とを含むことを特徴とする配線層の平坦化方
    法。
  2. 【請求項2】 請求項1に記載の多層配線基板の製造方
    法において、 工程(d)は、前記平坦化された配線用導体層の頂部に
    選択的に他の配線用導体層を形成する工程を含むことを
    特徴とする配線層の平坦化方法。
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