JPH0652029B2 - 連窓サッシ - Google Patents

連窓サッシ

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JPH0652029B2
JPH0652029B2 JP62122265A JP12226587A JPH0652029B2 JP H0652029 B2 JPH0652029 B2 JP H0652029B2 JP 62122265 A JP62122265 A JP 62122265A JP 12226587 A JP12226587 A JP 12226587A JP H0652029 B2 JPH0652029 B2 JP H0652029B2
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俊男 袋
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立山アルミニウム工業株式会社
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【発明の詳細な説明】 (産業上の利用分野) 本発明は、上下枠及び左右縦枠で形成した引違い窓、は
め殺し窓、回転窓など各種の窓サッシを半外付けサッシ
で構成するとともに、それら半外付け窓サッシの中から
二組以上の窓サッシを選択して、各窓サッシを方立材で
連結してなる、それ自体が一個独立に組立てられた連窓
サッシに関する。
(従来の技術) 近年、住居空間の拡大化要請に伴い、サッシ枠の需要も
内付けサッシから外付け式へと移行しつつある。特に半
外付けサッシは、各種の窓、例えば引違い窓、はめ殺し
窓、回転窓、辷り出し窓、上げ下げ窓、内倒し窓など多
種のものに用いられている。
この半外付けサッシは、第7図及び第8図に示すよう
に、各種の窓によって必然的に異なる各個のサッシ主体
部分8を除いては、各サッシに共通に、サッシ主体部分
の背面側において、見込み幅の略中央の箇所に建物躯体
取付け用の鉛直取付片81を有し、そして屋外側が窓開
口部から突出する関係上、サッシ主体部分の室内側端部
を建物躯体取付片82となして固着の確実化を図り、ま
た、サッシ主体部分の背面側には、建物躯体ないし補助
部材に当接する係止片83と当接片84を備えてサッシ
枠固着の安定化を図っている。
このような半外付けサッシを主流とする近時のサッシ窓
において、窓を横に連接した連窓が多用されて始めてい
る。ところがこの場合、左右の窓は、一方が回転窓で他
方が引違い窓、一方が内倒し窓で他方がはめ殺し窓、と
いう具合に各種の窓の組合せが採られるので、それぞれ
各種のパターンに対応させるべく特定構造の窓サッシを
多数用意しなければならない。
とりわけ、従来の連窓サッシは一般に、建物躯体の開口
部に、連窓サッシを形成する各構成サッシ枠と方立材と
を現場で組込みながら逐次サッシ窓を構成していくもの
であるため、次のような不具合を有していた。すなわ
ち、 :各構成サッシ枠を順番に建物躯体に取付けるので、
一のサッシ枠の取付け位置のズレは、他のサッシ枠を組
込んだ最後の時点において、枠組みにくるいを生じたり
することにより判明する。したがって、組込みをやり直
すことになる。また、各サッシ枠の取付けのくるいは、
組込みの最後において累積的に生じる。連窓は、通常の
窓サッシを連結して大型化するものであるため、この累
積誤差は顕著に表われる。
:従来の連窓サッシは、方立材と縦枠との連結におい
て、両者を固定するための結合部材を別途に用いてい
る。したがって、必然的に部分点数が多くなって、組立
作業が多くなるとともにコスト高となり、また、前述の
ように、組込みズレを生じて組直す場合は、部品点数が
多いだけに工数も多く、作業が煩雑となっていた。
:各構成サッシ枠を建物開口部に一度に取付けること
ができないため、必然的に現場での工期が長期化するも
のであった。
ところで最近、日鉄サッシ販売株式会社殿の昭和59年
(1984年)12月20日発行に係る「′85住宅総
合カタログ」に、ファンシーウインドーと銘打って掲載
された、極めて完成度の高い連窓サッシが提案されてい
る。この改良された連窓サッシによれば、上述した一般
的な連窓サッシの有している前記欠点はほぼ解消せられ
ることとなる。すなわち、この連窓は第9図ないし第1
1図に示すように、上下枠(図示を省略)及び左右縦枠
50,50′で形成した各窓サッシを、方立材311で
連結して、それ自体が独立に組立てられた、所謂ユニッ
トサッシと称される半外付けサッシの連窓サッシであっ
て、 窓サッシの中、建物躯体に取付けられる縦枠50は、 建物開口部内周面にタッピンネジ止めされる室内側鉛直
取付片51と、 前記室内側鉛直取付片に対し直角の位相をなして建物躯
体に止着される室外側鉛直取付片52と、 前記室外側鉛直取付片52の適位箇所より室内方向へ突
出し建物躯体に当接する係止片53aと、 前記室内側鉛直取付片51より建物開口部内周面方向へ
直角に突出しその先端部が前記係止片53aの延長線上
に位置する建物躯体当接片54と、 室外側において先端に室内側向き折曲片55aを形成し
た水切り55と、 さらに、前記係止片53aの基部53と前記当接片54
の間に設けられたタッピンネジ止め用の厚肉取付部56
と、をそれぞれ長手方向に備えて構成され、 前記方立材311で連結される側の縦枠50′は、前記
縦枠50と同形状のものにおいて室外側鉛直取付片52
を前記係止片53aに揃えて剥取り形成して構成され、 前記方立材311は、室内面板30と室外面板34及
び、これらを連結する連結板31と、 前記室外面板34に備えられ、前記縦枠50′の折曲片
55aと係合する室外側向き開口の係合溝33と、 前記室内面板30に形成され、前記縦枠50′の室内側
鉛直取付片51と重合する位置関係を備えたねじ受け部
32と、 連結板31に設けられ、前記前記縦枠50′の前記係止
片53aと係合する室外側向き開口の係合溝35と、 同様に連結板31に設けられ、その先端にねじ受け部3
6を形成した一対の突出片37と、をそれぞれ長手方向
に有し、 さらに、前記縦枠50′の前記係止片53aと当接片5
4を方立材311の連結板41に当接させるとともに、
縦枠50′の前記折曲片55aと前記係止片53aを方
立材311の前記係合溝33,35に係合させ、縦枠5
0′の前記室内側鉛直取付片51を方立材311の前記
ねじ受け部32にタッピンねじ止めするとともに、縦枠
50′の前記厚肉取付部56からタッピンネジを挿通し
前記ねじ受け部36にねじ止めして、前記一組の縦枠5
0′,50′と方立材311とを取付けて連窓サッシを
構築している。
(発明が解決しようとする課題) このような従来の連窓の半外付けサッシにおいては、上
記カタログに詳細に記載されているように、縦枠50を
建物躯体にねじ止めする場合、建物躯体に室外側鉛直取
付片52を止着し、室内側鉛直取付片51をタッピンネ
ジ止めするのみでは取付け強度に不安があるので、前記
のように、厚肉取付部56を縦枠50に設け、この厚肉
取付部56よりタッピンネジを挿通して、半外付けサッ
シの取付けを十全なものとしている。
こうした建物躯体への取付け構造は、方立材を利用して
サッシ窓を連窓する場合にも援用されている。すなわ
ち、縦枠50′の前記室内側鉛直取付片51を、方立材
311の前記ねじ受け部32にねじ止めする(タッピン
ネジ4φ×10mm)とともに、縦枠50′の前記厚肉取
付部56からタッピンネジ(4φ×15mm)を挿通し前
記ねじ受け部36にねじ止めしている。この場合、縦枠
50′の前記室内側鉛直取付片51と、方立材311の
前記ねじ受け部32とねじ止めのみならず、前記厚肉取
付部56とねじ受け部36とのねじ止めを行っているの
は、取付け強度を向上させる目的のほかに、次の理由が
存している。
つまり、サッシ枠材のように押出形成される長尺物には
必然的にねじれ変形を生じるので、この変形を、サッシ
枠材同士を連結する場合に矯正してあげる必要がある。
とりわけ前記改良された連窓サッシの場合は、室外側の
連結がねじによるものでなく、単なる係合によるもので
あるため、その係合位置合わせを行うのが以外と困難と
なる(なお、ねじ止めであれば、一応仮り止めしておい
て、爾後、ねじ締結による変形の矯正が容易となる場合
もある)。そのため、この連窓サッシでは、縦枠と方立
材との連結において室外側に一部係合困難な箇所が存す
るとき、両者のなじみを良好にするべく、前記厚肉取付
部56とねじ受け部36とのねじ進退による矯正を行う
ものである。そのため、前記室内側鉛直取付片51に対
し、ねじ止め部56を若干内側に位置せしめて(短く設
けて)、厚肉取付部56とねじ受け部36との間隔を狭
くすることにより、両者間の位置調整とねじれ矯正を図
っている。
しかしながら、このような取付け構造は、両側にはそれ
ぞれ上下左右枠で枠組みされた重量あるサッシ窓が配置
され、その間に長手状の方立材が位置しているため、室
内側のねじ止めのほかに、中間部に別途ねじ止め部位を
設けることは、そのねじ止め位置合わせが、重量物を微
妙に動かして行われることの故に、組み立て作業上の大
きな障碍となるものである。したがって、当該中間部の
ねじ止め部位を省略しても、前記室外側の係合が容易に
行われるような構造であることが望まれる。
さらに、前記従来の連窓の半外付けサッシは、建物躯体
に沿う連窓形態のものであるため、ねじ止め部位が室内
外二箇所であっても何とか位置合わせを行うことが可能
であるが、これを建物躯体から突出するような連窓形態
に適用する場合は、中間部のねじ止め部位におけるねじ
止め方向が、室内側のねじ止め部位のねじ止め方向に対
し必然的に角度を持つこととなるので、ねじ止め部位が
室内外二箇所というにはしたがって、上述したねじ止め
位置合わせがより一層困難となる不都合がある。
すなわち、前記従来の連窓の半外付けサッシにおいて
は、縦枠と方立材の各々はその室内外二箇所にそれぞれ
ねじ止め部位を備えており、そして縦枠と方立材各々の
ねじ止め方向は設計上同一方向であるが、実際上は、部
材の押出し成型により生じるねじれ変形のため、組立時
における縦枠と方立材のねじ止め方向は異なっているの
が常である。したがって、単にビスを挿通しても位置合
わせを行うことができず、その結果、上述のように左右
の重量あるサッシ窓を動かしながら位置合わせを行う場
合、組立て作業はこれ以上進まずそこで停止してしまう
ことになる。
(課題を解決するための手段) 本発明は、上記事情に鑑みてなされたもので、前記改良
された連窓サッシをさらに改良して、前記欠点を除去し
た連窓サッシを提供することを目的とする。
すなわち、本発明は、上下枠及び左右縦枠で形成した半
外付けサッシからなる引違い窓、はめ殺し窓、回転窓な
ど、通常は単体窓として建物開口部に取付けられ得る各
種個々の窓サッシをそのまま用いるものであって、それ
ら半外付け窓サッシの中から二組以上の窓サッシを選択
して、各窓サッシを方立材で連結してなる連窓サッシを
提供せんとするものである。
これを、実施例で用いた符号を付して記すと、本発明
は、上下枠3,4及び左右縦枠2,2′2′,2′で形
成した引違い窓、はめ殺し窓、回転窓など各種の窓サッ
シの中から二組以上の窓サッシを選択して、各窓サッシ
を方立材1で連結してなる、それ自体が単一かつ独立に
組立てられた半外付けサッシの連窓サッシであって、 窓サッシの中、建物躯体に取付けられる縦枠2は、建物
開口部内周面に釘着される室内側鉛直取付片21と、該
室内側鉛直取付片に対し直角の位相をなして建物躯体に
釘着される室外側鉛直取付片22と、この室外側鉛直取
付片22の適位箇所より室内方向へ突出し建物躯体に当
接する係止片23aと、室外側において先端に室内側向
き折曲片25aを形成した水切り25とを備えて構成さ
れ、 前記方立材1で連結される側の縦枠2′は、前記縦枠2
と同形状のものにおいて室外側鉛直取付片22を前記係
止片23aに揃えて剥取り又は折曲げ形成して構成さ
れ、 前記方立材1は、主体部分11を、その室内側において
非平行一対の当接壁11a,11aを備えた中空部11
cと、その室外側の延出片11bとで構成し、前記当接
壁11a,11aはその連結部が前記取付片22よりも
室外側に位置し、前記延出片11bは弯曲部11dを備
え、かつ、前記主体部分11の室外側に、前記縦枠2′
の室内側向き折曲片25aと係合する室外側向き開口の
溝部13を備えるとともに、前記主体部分11の室内側
に、前記縦枠2′の室内側鉛直取付片21と重合する位
置関係を備えたねじ受け部12を形成し、 さらに、前記縦枠2′の前記係止片23aを方立材1の
当接壁11a,11aに当接させるとともに、縦枠2′
の前記室内側向き折曲片25aを方立材1の前記溝部1
3に係合させ、縦枠2′の前記室内側鉛直取付片21を
方立材1の前記ねじ受け部12にねじ止めして、前記一
組の縦枠2′,2′と方立材1とを取付けた構成の連窓
サッシである。
ここで「単一」とは、一体的に組み合わされてユニット
化あるいはセット化されることをいい、「独立」とは、
その組立てにおいて、建物躯体を用いることなくサッシ
が形成されることを意味している。
(作用) 建物躯体開口部に出窓を施工するにあたり、予め、上下
枠及び左右縦枠で形成した半外付けサッシからなる引違
い窓、はめ殺し窓、回転窓など各種単体の窓サッシを組
立てておき、それら半外付け窓サッシの中から二組以上
の窓サッシを選択する。そして、開口部の左右幅に対
し、窓サッシを方立材で連結したときの左右間隔が一致
せらるべく、当該方立材の当接壁角度を選択し、前記縦
枠の前記係止片を方立材の前記当接壁に当接させ、両者
を室外側で係合するとともに、室内側でねじ止めして、
前記一組の縦枠と方立材とを取付ける。この場合、前記
一対の当接壁はその連結部が前記室外側鉛直取付片より
も室外側に位置しているので、すなわち前記係止片より
も室外側で連結するものであるから、前述した前記係止
片と当接壁との当接部位よりも室外側に中空部の一部が
存することとなり、したがって、当該中空部は外気と連
通可能となって、例えば中空部内の結露水を室外へ排出
可能となる。また、中空部が外気と連通可能となれば、
結露も生じにくくなる。
左右の窓サッシの縦枠と、方立材との連結において、方
立材にねじれが生じていて(縦枠のねじれは窓サッシを
組み立てた際一般に矯正されている)室外側に一部係合
困難な箇所が存するときは、方立材の延出片に弯曲部が
形成してあるので、この部位の伸縮作用により変形可能
となり、この弯曲部11dが無い場合にその矯正が極め
て困難であった従来のものと異なり、両者のなじみを良
好にすることが可能となる。
このようにして連結された窓サッシにおいて、左右両端
部の縦枠は、建物躯体に止着される。
(実施例) 以下に本発明を図示の実施例に基づいて説明する。
第1図及び第2図は本発明の実施例図で、同図は第3図
に示す連窓サッシの横断面図に該当する。
この連窓サッシは、上下枠3,4及び左右縦枠2,
2′,2′,2′とで形成した引違い窓、はめ殺し窓、
回転窓など各種個々の窓サッシを半外付けサッシで構成
するとともに、それら半外付け窓サッシの中から二組以
上の窓サッシを選択して、各窓サッシを方立材1で連結
してなる連窓サッシである。なお同図において、連窓サ
ッシは中央部分が三角状に突出するもので、その中、建
物壁面と平行な窓サッシW1,W1は嵌め殺し、中央の
窓サッシW2,W2は竪軸回転窓であり、窓サッシW
1,W2のなす角は135°、また窓サッシW1,W2は9
0°となっている。
縦枠2は、第4図に示すように、主体部分20と、該主
体部分20から室内側へ突出し、その端縁に建物開口部
内周面方向へ突出する突条21aを形成した、建物躯体
に止着される室内側鉛直取付片21と、該室内側鉛直取
付片に対し直角の位相をなして建物躯体に止着される室
外側鉛直取付片22と、この室外側鉛直取付片22の適
位箇所より室内方向へ突出し建物躯体に当接する係止片
23aと、前記室内側鉛直取付片21より建物開口部内
周面方向へ直角に突出しその先端部が前記係止片23a
の延長線上に位置する建物躯体当接片24とを備え、室
外側には、先端に室内側向き折曲片25aを形成した水
切り25を備えている。23は取付片基部である。な
お、縦枠2′は、基本的には縦枠2と同形状のものであ
って、後述するように室外側鉛直取付片22を前記係止
片23aに揃えて剥取り又は折曲げ形成して構成される
ので、楔状の小切欠溝を係止片23aに沿って形成して
おくのが好ましい。
方立材1は、第5図に示すように、主体部分11に、各
方立材によってそのなす角が適宜異なる非平行一対の当
接壁11a,11aを備えており、該主体部分11の室
内側端部に一対のねじ受け部12,12を設け、該主体
部分11の室外側と前記当接壁11a,11aには各一
対の室外側向き開口の溝部13,13を形成してなるも
ので、前記一対のねじ受け部12,12は、縦枠の前記
それぞれの室内側鉛直取付片21,21と重合する位置
関係を有し、また、前記各一対の溝部13,13は、縦
枠2′,2′における前記室内側向き折曲片25a,及
び前記係止片23aにそれぞれ対応する位置関係を有し
ている。なお、実施例では、当接壁を備えた主体部分1
1がY字形を呈し、その非平行一対の当接壁11a,1
1aのなす角が45°及び90°である方立材1を示してい
る。また、当接壁11a,11aは、必要により主体部
分11の室内側及び室外側に適宜設ける。さらに、第1
図の右側の方立材1のように、主体部分11の室外側端
部に延出片14を設けて、該延出片14に室外側向き開
口の溝部13を形成してもよい。さらに、前記ねじ受け
部12,12は、その端縁に前記室内側鉛直取付片21
方向へ突出する突条12aを形成している。
このような方立材1のうち、本発明の場合、方立材1
は、主体部分11を、その室内側において非平行一対の
当接壁11a,11aを備えた中空部11cと、その室
外側において弯曲部11dを備えた延出片11bとで構
成したものとしている(第1図に示す方立材のうち、左
側のものである)。この弯曲部11dは、実施例の場
合、ビスホールを兼ねている。また、第1図から明らか
なように、前記一対の当接壁11a,11aはその連結
部が前記室外側鉛直取付片22つまりは係止片23aの
基部23よりも室外側に位置しているので、すなわち前
記係止片23aよりも室外側で連結するものであるか
ら、後述する前記係止片23aと当接壁11a,11a
との当接における当接部位よりも室外側に中空部11c
の一部が存在することとなり、したがって、当該中空部
11cは外気と連通可能となって、例えば中空部内の結
露水を室外へ排出可能となる。また、中空部が外気と連
通可能となれば、結露も生じにくくなる利点がある。
上述のように、方立材1の延出片11bに弯曲部11d
を形成した場合は、左右の窓サッシの縦枠と方立材との
連結において、方立材にねじれが生じていて、室外側に
一部係合困難な箇所が存するときは、この部位の伸縮作
用により変形可能となり、この弯曲部11dが無い場合
にその矯正が極めて困難であった従来のものと異なり、
両者のなじみを良好にすることが可能となる。
ところで、前記改良された連窓サッシ(前掲第9図〜第
11図)は、既述のように上下に長い部材を、3ないし
4箇所でねじ止めすると、室内側の螺着部位が所謂面接
触であるため、面と面の間に隙間があく不都合を生じ
る。基本的にねじれ変形しやすいサッシ枠は、かような
隙間が生じやすいものである。
この点、縦枠2′の前記室内側鉛直取付片21と、方立
材1の前記ねじ受け部12とのねじ止めにおいて、前記
室内側鉛直取付片21と前記ねじ受け部12とにはそれ
ぞれの突条21a,21aが当接する(両者は線接触と
なる)ので、両者の間には空間部212が形成されるこ
ととなる。そして、前記改良されたサッシのように、両
者をねじ止めして、両者間にねじれによる隙間を生じる
ような場合には、前記室内側鉛直取付片21と前記ねじ
受け部12とをさらに締め付けることにより、すなわち
両者間の空間部212を少なくする方向に締め付け調整
しうるので、当該隙間を除去することが可能となる。
次に、左右の窓サッシを方立材1により連結する点につ
いて説明すると、前記一組の縦枠2′,2′と、方立材
1とを結合するにあたり、縦枠の室外側鉛直取付片22
を前記係止片23aに揃えて剥取り又は折曲げ、そし
て、前記係止片23aと前記当接片24を方立材1の当
接壁11a,11aに当接させるとともに、縦枠2′の
前記室内側向き折曲片25aを方立材1の室外側の溝部
13に係合させ、縦枠2′の前記室内側鉛直取付片21
よりビスを挿入して前記ねじ受け部12と螺着する。実
施例の場合、当接壁11a,11aの溝部13にも前記
係止片23aを係合させている。なお、室外側鉛直取付
片22を係止片23aに揃えて剥取るときは第4図の破
線の箇所にてなされ、また、折曲げる場合は二点鎖線で
示すようになされる。この実施例では、各縦枠は同一の
見込み幅を有し、また、室内側鉛直取付片21,21、
室外側鉛直取付片22,22、及び係止片23a,23
aのそれぞれ相互の位置関係を同一としている。
なお、本発明の連窓サッシは、以上の形態の外、それぞ
れの半外付け窓サッシを各種の方立材にて連結すること
により、第6図に示すような任意所望の連窓サッシを得
ることができるものである。
(発明の効果) 本発明は、以上説明したように構成されるので、下記の
効果を奏する。
A:上下枠及び左右縦枠で形成した半外付けサッシから
なる引違い窓、はめ殺し窓、回転窓など、通常は単体窓
として建物開口部に取付けられ得る各種の窓サッシをそ
のまま用い、それら半外付け窓サッシの中から二組以上
の窓サッシを選択して、各窓サッシを方立材で連結して
なる連窓サッシであるので、この種連窓サッシを形成す
るにあたり、需要者の要望に応じてそれぞれ各種のパタ
ーンに対応させるべく、特定構造の窓サッシ及び方立を
多数用意することなく、各種窓サッシと所定構造の方立
材を用意するだけで、種々のパターンに適用可能な連窓
サッシを得ることができる。
B:さらに、前記方立材は、その主体部分の少なくとも
一部に、非平行一対の当接壁を備えたので、窓サッシを
連窓する場合に、当該連窓サッシ間に角度をもたせるこ
とができ、しかも、これに用いる方立材を選択すれば、
隣接する窓サッシ間に、例えば90°135°225°などのよ
うに、180°連接以外の任意な角度をもたせることがで
きる。したがって、例えば建物躯体に沿って配置される
窓サッシ(甲)に、隣接する窓サッシ(乙)を室外側へ
張り出すように設けることができ、また逆に、隣接する
窓サッシ(乙)を、窓サッシ(甲)に対し室内側へ角度
を持たせて設けることも可能となる。
C:とりわけ本発明は、従来の連窓が建物躯体を連窓サ
ッシ形成の構成要素としていたのに対し、連窓サッシ自
体が一個独立の構築物をなしているので、現場で建物開
口部に逐次組込みながら窓サッシを構築することなく、
建物開口部に取付ける前に予め組立てておくことができ
ることとなり、その結果、 :現場での組込みズレや組直しといった事態を生じな
いことは勿論、 :現場での作業時間及び工数をすこぶる多く削減する
ことができ、これにより現場における作業の省力化が図
られて、工期の短縮化を行うことが可能となる。
D:本発明は、各窓サッシを方立材で連結するにあた
り、窓サッシの縦枠と方立材は、相互に室外側で係合が
なされるとともに、中間部分で当接し、室内側で螺着さ
れて両者の結合が行なわれる。したがって、 :窓サッシの縦枠と方立材とを固定する場合、他の結
合部材を不要とするので、部品点数を少なくでき、これ
により、従来に比べ工数の省力化とコストの低廉化を図
ることができる。
:縦枠2′と方立材1との結合において、室内側向き
の折曲片25aが係合する方立材1の溝部13は室外側
向きの開口を有するところ、この係合以外は、係止片2
3aと当接壁11aとの当接、及び、縦枠2′の室内側
鉛直取付片21と方立材1のねじ受け部12との螺着に
よるものであるから、窓サッシと方立材の結合は、方立
材を上下方向にスライドさせる等困難な係合方法によら
ず、両者を室内外方向において簡単に組み合わせること
ができる。
:上記螺着は室内側のみでよく、しかも左右の窓サッ
シに対する螺着が近接した位置においてなされることも
相俟て、手間もかからず簡単に両部材の結合が行われ
る。
:さらに、上記結合は、(a)上記折曲片25aと上
記溝部13との係合による位置決め、(b)係止片23
aと当接壁11aとの当接による安定した当接形態、を
得手、基本的には両者の係合及びその位置決めがなさ
れ、さらに、(c)縦枠2′の室内側鉛直取付片21と
方立材1のねじ受け部12との螺着は両者の係合解除を
阻止する役割を担えばよく、したがって、両者の結合
は、室内側の螺着箇所以外の螺着を不要とし、さらに複
数の係合箇所を不要とし、(a)係合、(b)当接、
(c)螺着の各要素を備えることにより、すなわち必要
最小限度の構成を備えて、極めて合理的な結合構造をも
たらし得るものとなる。この点は、方立材に連結する左
右縦枠が、実際上は予め窓サッシとして組立てられた重
量物であることを考えると、実際上の連結作業にもたら
される効果は極めて大きいものである。
:このような方立材と左右の窓サッシとの結合におい
て、上記(a)係合、(b)当接、(c)螺着のそれぞ
れが、左右対称形となってバランス良く配されるので、
単一かつ独立に組立てられる本発明の連窓サッシの結合
状態を良好に保つことができる。
:加えて、方立材と左右の窓サッシとの結合におい
て、一方の窓サッシと他方の窓サッシを方立材で連結す
る作業は、それぞれ独立になされるので、一方は他方に
影響を与えることがない。換言すると、方立材と左右の
窓サッシはこれを同時に連結する必要がないので、結合
作業に段取りの任意性をもたらすことができる。
E:さらに、本発明は、前述の改良された従来の連窓サ
ッシに対しても、次の利点を有している。すなわち、サ
ッシ枠材のように押出形成される長尺物には必然的にね
じれ変形を生じるので、この変形を、サッシ枠材同士を
連結する場合に矯正してあげる必要があるところ、前記
改良された従来の連窓サッシの場合は、室外側の連結が
ねじによるものでなく、単なる係合によるものであるた
め、その係合位置合わせを行うのが以外と困難となる。
そのため、この従来の連窓サッシでは、縦枠と方立材と
の連結において室外側に一部係合困難な箇所が存すると
き、両者のなじみを良好にするべく、前記厚肉取付部と
ねじ受け部とのねじ進退による矯正を行うものである。
このような取付け構造は、両側がそれぞれ上下左右枠で
枠組みされた重量あるサッシ窓であり、その間に長手状
の方立材が位置しているため、室内側のねじ止めのほか
に、中間部に別途ねじ止め部位を設けることは、そのね
じ止め位置合わせが困難となり、組み立て作業上の大き
な障碍となるものである。
これに対し、本発明の連窓サッシは、左右の窓サッシの
縦枠と、方立材との連結において、方立材にねじれが生
じていて室外側に一部係合困難な箇所が存するときは、
方立材の連結板に弯曲部が形成してあるので、この部位
の伸縮作用により変形可能となり、この弯曲部が無い場
合にその矯正が極めて困難であった従来のものと異な
り、両者のなじみを良好にすることが可能となる。つま
り従来のように別途ねじ締め構造を設けてねじ調整をす
るような手段を用いなくても、両者のなじみを良好にす
ることが可能となり、したがって、両部材の位置合わせ
及び係合を容易に行うことができる。
F:また、前記一対の当接壁はその連結部が前記室外側
鉛直取付片よりも室外側に位置しているので、すなわち
前記係止片よりも室外側で連結するものであるから、前
記係止片と当接壁との当接部位よりも室外側に中空部の
一部が存することとなり、したがって、当該中空部は外
気と連通可能となって、例えば中空部内の結露水を室外
へ排出可能となり、そして、中空部が外気と連通可能と
なれば、結露も生じにくくなる利点がある。
G:さらにまた、特定構造のサッシ枠を得るには、周知
のように別途に高価な押出金型を製作しなければならな
いが、各種窓サッシと所定構造の方立材を用意するだけ
で種々のパターンに適用可能な連窓サッシを得ることが
できる本発明は、現実の問題として、製造コストの低廉
化に多大なる利益をもたらすものである。
【図面の簡単な説明】
第1図は本発明の第一の実施例図であって、連窓サッシ
の横断面図、第2図は第1図の全体横断面図、第3図は
本発明を実施した連窓サッシの斜視図、第4図は半外付
けサッシ縦枠を示す斜視図、第5図は方立材の側面図、
第6図は本発明の第二の実施例図であって、連窓出窓サ
ッシの横断面図、第7図は半外付けサッシ枠を用いた窓
サッシの縦断面図、第8図は同上の横断面図、第9図な
いし第11図は改良された従来の連窓サッシを示し、第
9図はその縦枠と建物躯体との取付け状態を示す横断面
図、第10図は左右の縦枠と方立材との分解状態の横断
面図、第11図は同上の組み合わせ状態を示す横断面図
である。 1……方立材、2,2′……縦枠 11……主体部分、11a……当接壁 11b……延出片、11c……中空部 11d……弯曲部、21……突片 13……溝部、21……室内側鉛直取付片 22……室外側鉛直取付片 23a……係止片、24……当接片

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】上下枠3,4及び左右縦枠2,2′2′,
    2′で形成した引違い窓、はめ殺し窓、回転窓など各種
    の窓サッシの中から二組以上の窓サッシを選択して、各
    窓サッシを方立材1で連結してなる、それ自体が単一か
    つ独立に組立てられた半外付けサッシの連窓サッシであ
    って、 窓サッシの中、建物躯体に取付けられる縦枠2は、建物
    開口部内周面に釘着される室内側鉛直取付片21と、該
    室内側鉛直取付片に対し直角の位相をなして建物躯体に
    釘着される室外側鉛直取付片22と、この室外側鉛直取
    付片22の適位箇所より室内方向へ突出し建物躯体に当
    接する係止片23aと、室外側において先端に室内側向
    き折曲片25aを形成した水切り25とを備えて構成さ
    れ、 前記方立材1で連結される側の縦枠2′は、前記縦枠2
    と同形状のものにおいて室外側鉛直取付片22を前記係
    止片23aに揃えて剥取り又は折曲げ形成して構成さ
    れ、 前記方立材1は、主体部分11を、その室内側において
    非平行一対の当接壁11a,11aを備えた中空部11
    cと、その室外側の延出片11bとで構成し、前記当接
    壁11a,11aはその連結部が前記取付片22よりも
    室外側に位置し、前記延出片11bは弯曲部11dを備
    え、かつ、前記主体部分11の室外側に、前記縦枠2′
    の室内側向き折曲片25aと係合する室外側向き開口の
    溝部13を備えるとともに、前記主体部分11の室内側
    に、前記縦枠2′の室内側鉛直取付片21と重合する位
    置関係を備えたねじ受け部12を形成し、 さらに、前記縦枠2′の前記係止片23aを方立材1の
    当接壁11a,11aに当接させるとともに、縦枠2′
    の前記室内側向き折曲片25aを方立材1の前記溝部1
    3に係合させ、縦枠2′の前記室内側鉛直取付片21を
    方立材1の前記ねじ受け部12にねじ止めして、前記一
    組の縦枠2′,2′と方立材1とを取付けたことを特徴
    とする連窓サッシ。
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「’85住宅総合カタログ」日鐵サッシ販売(株)P.539

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