JPH0651565A - 静電像現像用キャリアおよびその製造方法 - Google Patents

静電像現像用キャリアおよびその製造方法

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JPH0651565A
JPH0651565A JP4218751A JP21875192A JPH0651565A JP H0651565 A JPH0651565 A JP H0651565A JP 4218751 A JP4218751 A JP 4218751A JP 21875192 A JP21875192 A JP 21875192A JP H0651565 A JPH0651565 A JP H0651565A
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carrier
resin
coating layer
particles
fine particles
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JP4218751A
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Inventor
Takeshi Omura
大村  健
Masanori Kouno
誠式 河野
Tomoyasu Umeno
智靖 梅野
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Original Assignee
Konica Minolta Inc
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 芯材粒子表面と樹脂被覆層との密着性、成膜
性に優れ、好適な範囲の抵抗率を安定的に有する静電像
現像用キャリアおよびその製造方法の提供。 【構成】 本発明のキャリアは、樹脂微粒子を用いた乾
式法により、芯材粒子の表面に樹脂被覆層が形成された
樹脂被覆キャリアであって、樹脂微粒子は、「CF
3 (CF2 n COOM」(Mは金属を表し、nは4〜
20である)で示される界面活性剤の存在下に乳化重合
して得られるフッ素化アクリレート系重合体よりなり、
樹脂微粒子中における界面活性剤の残留量が60〜10
000ppmの範囲にあることを特徴とする。本発明の
キャリアの製造方法は、芯材粒子と樹脂微粒子とを回転
翼型混合機に投入し、当該回転翼型混合機における攪拌
翼の周速が4〜12m/秒となる強度で混合攪拌して樹
脂被覆層を形成することを特徴とする。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、芯材粒子の表面に樹脂
被覆層が形成されてなる静電像現像用キャリアに関す
る。
【0002】
【従来の技術】電子写真法等に用いられる二成分現像剤
は、トナーと、キャリアとにより構成され、キャリアは
トナーに適正な極性でかつ適正な量の摩擦帯電電荷を付
与する目的で使用されるものである。斯かるキャリアと
しては、摩擦帯電付与性の向上等種々の目的から、芯材
粒子の表面に樹脂被覆層を設けてなる樹脂被覆キャリア
が用いられている。
【0003】この樹脂被覆キャリアに関し、樹脂被覆層
を構成する好ましい樹脂としてフッ素含有樹脂が知られ
ており、これらフッ素含有樹脂のうち、フッ素化アクリ
レート系の重合体は、他の種類のフッ素含有樹脂に比
較してガラス転移点が高く、トナーがキャリア表面に融
着しにくい、側鎖のフッ素原子数によって帯電のコン
トロールが容易であるという点で特に好適なものであ
る。
【0004】一方、前記フッ素化アクリレート系の重合
体による樹脂被覆キャリアとして、芯材粒子の表面に、
フッ素化アクリレート系の重合体よりなる樹脂微粒子
を、乾式法により被着させてなる静電像現像用キャリア
が紹介されている(特開昭63−235964号公報参
照)。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上記の
静電像現像用キャリアについては、以下の問題がある。 (1)フッ素化アクリレート系の重合体よりなる樹脂
は、芯材粒子に対する密着力が概して小さく、また成膜
性に劣る傾向がある。従って、乾式法によって樹脂被覆
層を形成する場合において、芯材粒子の表面へ樹脂微粒
子が十分に付着・展延されず、得られるキャリアは耐久
性に劣るものとなりやすい。 (2)樹脂被覆層を形成するために用いる樹脂微粒子
は、例えば乳化重合により作製することができる。然る
に、本発明者らが検討したところによれば、通常の乳化
重合によって得られる樹脂微粒子は、必ずしも好適な樹
脂被覆層を形成しうるものではなく、このような樹脂微
粒子を用いて製造されたキャリアについては、その抵抗
率を安定的に制御することが困難である。ここに、キャ
リアの抵抗率が過大である場合にはベタ画像濃度を十分
に高くすることができず、また、キャリアの抵抗率が過
小である場合には、感光体へのキャリア付着などの問題
を招きやすい。
【0006】本発明は以上のような事情に基いてなされ
たものであって、本発明の第1の目的は、芯材粒子表面
と樹脂被覆層との密着性、成膜性(微粒子の展延性)に
優れた静電像現像用キャリアを提供することにある。本
発明の第2の目的は、好適な範囲の抵抗率を安定的に有
し、ベタ画像濃度を十分に高くすることができ、キャリ
ア付着などを発生させない静電像現像用キャリアを提供
することにある。本発明の第3の目的は、上記のような
優れた特性のキャリアを、簡単な手段で確実に製造する
ことができる静電像現像用キャリアの製造方法を提供す
ることにある。
【0007】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、上記の目
的を達成すべく鋭意検討を重ねた結果、フッ素化アルキ
ルアクリレート系の重合体よりなる樹脂微粒子を作製す
る際において、特定の界面活性剤の存在下で乳化重合を
行い、かつ、得られた樹脂微粒子中に残留する界面活性
剤の量を一定の範囲に規定することにより、芯材粒子表
面と樹脂被覆層との密着性および成膜性に優れ、好適な
範囲の抵抗率を安定的に有するキャリアが得られること
を見出し、斯かる知見に基いて本発明を完成した。
【0008】すなわち、本発明の静電像現像用キャリア
は、磁性体粒子よりなる芯材粒子の表面に樹脂被覆層が
形成されてなる樹脂被覆キャリアであって、前記樹脂被
覆層が樹脂微粒子を用いた乾式法により形成され、当該
樹脂微粒子は、下記構造式(I)で示される化合物を含
む界面活性剤の存在下に乳化重合して得られる、フッ素
化アクリレート系の単独重合体もしくは共重合体(以下
「フッ素化アクリレート系(共)重合体」ともいう)よ
りなり、前記樹脂微粒子中における前記界面活性剤の残
留量が60〜10000ppmの範囲にあることを特徴
とする。 構造式(I):CF3 (CF2 n COOM 〔この構造式(I)において、Mは金属を表し、nは4
〜20である。〕
【0009】また、50〜500nmの一次粒径を有
し、かつ、BET比表面積が10〜120m2 /gであ
る樹脂微粒子を用いた乾式法により、樹脂被覆層が形成
されていることが好ましい。
【0010】本発明の静電像現像用キャリアの製造方法
は、上記のキャリアの製造方法において、芯材粒子と樹
脂微粒子とを回転翼型混合機に投入し、当該回転翼型混
合機における攪拌翼の周速が4〜12m/秒となる強度
で混合攪拌して樹脂被覆層を形成することを特徴とす
る。
【0011】
【作用】
(1)樹脂被覆層の形成に用いる樹脂微粒子が、特定の
界面活性剤の存在下に乳化重合して得られるフッ素化ア
クリレート系(共)重合体よりなり、かつ、当該樹脂微
粒子中に残留する界面活性剤の量が一定の範囲に規定さ
れていることにより、後述する実施例の結果からも明ら
かなように、樹脂微粒子の一次粒径およびBET比表面
積が、樹脂被覆層の形成に好適な範囲に制御され、芯材
粒子表面と樹脂被覆層との密着性および成膜性が格段に
向上し、さらに、キャリアの抵抗率が好適な範囲に安定
的に制御される結果、ベタ画像濃度を十分に高くするこ
とができ、キャリア付着などを発生させない。 (2)回転翼型混合機における攪拌翼の周速(攪拌強
度)を一定の範囲に規定することにより、芯材粒子と樹
脂被覆層との密着性が向上し、上記のキャリアを好適に
製造することができる。
【0012】以下本発明について詳細に説明する。 <キャリアの構成>本発明のキャリアは、芯材粒子の表
面に樹脂被覆層が形成されてなる樹脂被覆キャリアであ
る。キャリアの芯材粒子としては磁性体粒子が用いられ
る。磁性体粒子の材料としては、例えば鉄、フェライ
ト、マグネタイト等のように磁場によってその方向に強
く磁化する物質を用いることができる。ここで、フェラ
イトとは、鉄を含有する磁性酸化物の総称であり、MO
・Fe2 3 の化学式で示されるスピネル型フェライト
に限定されない。なお、上記化学式において、Mは2価
の金属を表し、具体的には、ニッケル、銅、亜鉛、マン
ガン、マグネシウム、リチウム等を表す。また、芯材粒
子の大きさは、トナーへの摩擦帯電付与性、感光体への
キャリア付着等を考慮すると、重量平均粒径が20〜2
00μm、特に30〜120μmの範囲が好ましい。キ
ャリアの重量平均粒径は、リード・アンド・ノースラッ
プ(LEEDS&NORTHRUP)社製の「マイクロ
トラック(TYPE 7981−OX)」を用いて乾式
で測定された値である。一方、樹脂被覆層は、樹脂微粒
子を用いた乾式法により芯材粒子の表面に形成される。
【0013】<樹脂微粒子の材料>本発明に用いられる
樹脂微粒子は、フッ素化アクリレート系の単独重合体も
しくは共重合体よりなるものである。
【0014】ここで、フッ素化アクリレート系の単独重
合体とは、フッ素化アクリレート繰り返し単位(以下
「F−Ac繰り返し単位」ともいう)のみにより構成さ
れた重合体をいい、フッ素化アクリレート系の共重合体
とは、前記F−Ac繰り返し単位と、他の繰り返し単位
とにより構成された共重合体をいう。
【0015】フッ素化アクリレート系の単独重合体およ
び共重合体を構成するF−Ac繰り返し単位としては、
下記化1で示される単位を挙げることができる。
【0016】
【化1】 (化1中、R1 は水素原子またはメチル基を表わし、R
2 は、少なくとも一の水素原子がフッ素原子で置換され
たアルキル基を含むアルコール化合物の水酸基の水素が
離脱した残基である。)
【0017】上記化1において、R2 で表される残基を
形成し得るアルコール化合物の具体例としては、炭素数
1〜18パーフルオロアルコール、「CF2 X(C
2 n CH2 OH」(但し、nは0もしくは1〜16
の整数であり、Xは水素原子もしくはフッ素原子を表
す。)で示される1,1−ジヒドロパーフルオロアルコ
ールもしくはトリヒドロパーフルオロアルコール、「C
3 (CF2 n (CH2 CH2 )(CF2 m OH」
(但し、nは0もしくは1〜15の整数であり、mは0
もしくは1である。)で示されるテトラヒドロパーフル
オロアルコール、その他のフルオロアルコール、フルオ
ロアセチルアルコール、N−フルオロアルキルスルホニ
ル−N−アルキルアミノアルコールなどを挙げることが
でき、これらの各アルコールの具体例としては、例え
ば、特開昭64−33562号公報に例示されているも
のを挙げることができる。
【0018】上記化1で示されるF−Ac繰り返し単位
において、R2 で表される残基のうち好ましいものとし
ては、 「−O(CH2 n m 2m+1」(n:1〜8の整数,
m:1〜19の整数) 「−O(CH2 p (CF2 q H」(p:1〜8の整
数,q:1〜19の整数) を挙げることができ、特に好ましいものとして、『−O
CH2 CF3 』、『−OCH2 (CF2 2 H』および
『−OCH2 CF2 CF3 』を挙げることができる。
【0019】フッ素化アクリレート系の共重合体は、前
記F−Ac繰り返し単位と、他の繰り返し単位とにより
構成される。当該他の繰り返し単位としては、脂肪族オ
レフィン、ハロゲン化脂肪族オレフィン、芳香族ビニル
系化合物、含窒素ビニル系化合物、(メタ)アクリル酸
アルキルエステル等のモノマーから誘導される繰り返し
単位を挙げることができ、これらは、二種以上を組み合
わせてフッ素化アクリレート系の共重合体を構成してい
てもよい。他の繰り返し単位を導入するために用いられ
る上記モノマーの具体例としては、例えば特開昭64−
33562号公報に例示されているモノマーを挙げるこ
とができ、これらのモノマーのうち、帯電量の制御およ
び成膜性の観点から、スチレン、メチルスチレン、(メ
タ)アクリル酸アルキルエステルが特に好ましい。
【0020】なお、フッ素化アクリレート系の共重合体
において、F−Ac繰り返し単位の含有率は50重量%
以上であることが必要であり、更に好ましくは55重量
%以上である。F−Ac繰り返し単位の含有率が50重
量%以上であれば、トナーの初期帯電量を通常10〜4
0μC/gの範囲内にすることができ、また、繰り返し
使用によってもこの帯電量が低下することが少なくな
り、鮮明な顕像を当初から継続して形成することがで
き、現像剤としての耐久性の向上を図ることができる。
この含有率が50重量%未満であると、得られるキャリ
アの帯電付与性が変動し、トナー粒子を好適に帯電させ
ることができず、トナー飛散、カブリ等を増大させるお
それがある。
【0021】<樹脂微粒子の作製>本発明のキャリアの
第1の特徴点は、樹脂微粒子が、上記構造式(I)で示
される化合物を含む界面活性剤の存在下に乳化重合して
作製されることにある。このような特定の化合物を界面
活性剤として用いることにより、作製される樹脂微粒子
において、その一次粒径およびBET比表面積が、樹脂
被覆層の形成に好適な範囲に制御される。本発明に用い
る界面活性剤を示す上記構造式(I)において、Mはナ
トリウム、カリウム、カルシウム、マグネシウム等の1
価または2価の金属を表し、また、nは、通常4〜2
0、好ましくは5〜17である。好ましい化合物の具体
例としては、「CF3 (CF2 6 COONa」、「C
3 (CF2 8 COONa」などを挙げることができ
る。なお、本発明においては、上記構造式(I)で示さ
れる化合物を必須の界面活性剤として用いるが、これら
特定の化合物とともに、他の種類の界面活性剤を用いる
ことができる。併用される界面活性剤としては、特に限
定されず、従来公知のものを挙げることができる。
【0022】<樹脂微粒子の粒径>樹脂微粒子の一次粒
径は50〜500nmであることが好ましい。一次粒径
が小さければ成膜性は向上するが、残留する界面活性剤
を好適な範囲まで除去することができないため、芯材粒
子表面に対する密着性が減少して樹脂被覆層の膜剥がれ
が生じる。一次粒径が過大であると成膜性に劣るものと
なる。ここで、「一次粒径」とは、乳化重合後における
ミセル中に存在する微粒子の粒径をいう。
【0023】また、樹脂微粒子のBET比表面積は10
〜120m2 /gであることが好ましい。この範囲内で
あれば、芯材粒子との混合時において、樹脂微粒子が一
次粒子まで容易に解砕されて成膜性が向上し、均一な樹
脂被覆層を形成することができる。BET比表面積が過
小であると、芯材粒子との混合性が低下し、均一な樹脂
被覆層を形成することができない。一方、BET比表面
積が過大であると、当該樹脂微粒子の表面に吸着された
水分により、得られるキャリアの帯電付与性が低下する
傾向がある。
【0024】乳化重合により得られた樹脂微粒子は、乾
燥後において凝集体を形成する。斯かる凝集体の粒径と
しては、芯材粒子との混合性および成膜性等の観点から
1〜50μmであることが好ましい。
【0025】<界面活性剤の残留量>本発明のキャリア
の第2の特徴点は、樹脂微粒子中における前記界面活性
剤の残留量が60〜10000ppmの範囲に規定され
ていることにある。本発明者らが検討したところ、上記
構造式(I)で示される化合物を含む界面活性剤を用い
ることのみでは、本発明の目的を十分に達成することが
できないことが確認された。すなわち、樹脂微粒子中に
おける界面活性剤の残留量の範囲を規定することによっ
て、芯材粒子表面と樹脂被覆層との密着性の向上効果、
成膜性の向上効果が発現され、好適な範囲の抵抗率を安
定的に有する静電像現像用キャリアを得ることができ
る。上記構造式(I)で示される化合物を用いて乳化重
合を行っても、樹脂微粒子中における界面活性剤の残留
量が上記の範囲から外れる場合には、芯材粒子表面と樹
脂被覆層との密着性を向上させることができない。更
に、当該残留量が60ppm未満である場合には、キャ
リアの抵抗率が過大となってベタ画像の画像濃度が低下
し、一方、当該残留量が10000ppmを超える場合
には、キャリアの抵抗率が過小となって、感光体へのキ
ャリア付着などを招きやすい。ここに、キャリアの抵抗
率としては、108 〜1014Ω・cmであることが好ま
しく、特に109 〜1012Ω・cmであることが好まし
い。
【0026】ここに、界面活性剤の残留量の調整は、例
えば、乳化重合時における界面活性剤の使用量および樹
脂微粒子の洗浄の条件を考慮することにより行うことが
できる。
【0027】<樹脂被覆層の形成>本発明のキャリアを
構成する樹脂被覆層は、上記の樹脂微粒子を用いた乾式
法により形成される。ここで、「乾式法」とは、被覆液
を使用せずに、樹脂微粒子と芯材粒子とを混合撹拌して
これに機械的衝撃力を繰り返して付与することにより芯
材粒子の表面に樹脂被覆層を形成していく方法である。
好ましい乾式法の一例を示せば、芯材粒子と、樹脂微粒
子とを、例えば通常の混合撹拌装置等により混合撹拌し
て均一に混合し、得られた混合物を例えば通常の回転翼
型混合攪拌装置に入れて、この混合物に例えば5〜40
分間にわたり機械的衝撃力を繰り返して付与することに
より、芯材粒子の表面に樹脂被覆層を形成する。さらに
好ましくは、常温で5〜15分間混合攪拌したのち、混
合物の温度が樹脂微粒子のガラス転移点Tgに対し(T
g−15)℃〜(Tg+15)の範囲で攪拌し樹脂被覆
層を形成する。ここで、樹脂微粒子の配合量は、キャリ
アの抵抗率を調整する観点から芯材粒子に対して0.3
〜10重量%の範囲であることが好ましく、さらに好ま
しくは0.5〜5重量%の範囲である。
【0028】図1は本発明のキャリアの製造に使用する
ことができる水平回転翼型混合機の一例を示し、混合撹
拌槽10の上蓋11には、投入弁13が設置された原料
投入口12と、フィルター14と、点検口15が設けら
れている。投入弁13を経て原料投入口12から投入さ
れたキャリア原料は、モーター22により駆動される水
平方向回転体18の回転翼18a,18b,18cによ
り撹拌され、これにより機械的衝撃力が付与される。こ
の水平方向回転体18は、図2に示すように、矢印方向
に回転される中心部18dと、この中心部18dに関し
て対象的な位置に設けられた3つの回転翼18a,18
b,18cとを備えてなり、これらの回転翼は、図3お
よび図4にも示すように、混合撹拌槽10の底部10a
から斜め上方に角度θで立ち上がる斜面を有している。
従って、投入されたキャリア原料はこれらの回転翼によ
り上方へかき上げられる。かき上げられたキャリア原料
は、混合撹拌槽10の傾斜した上部内壁または下部内壁
に衝突し、水平方向回転体18の回転翼18a,18
b,18cの回転範囲に落下する。一方、水平方向回転
体18の上部には垂直方向回転体19が設けられてい
て、この垂直方向回転体19は2枚の回転翼よりなり、
上下方向に回転して混合撹拌槽10の内壁にはねかえさ
れたキャリア原料と衝突する。この垂直方向回転体19
は、キャリア原料の撹拌を促進し、その凝集を防止する
役割を果たす。このようにしてキャリア原料は、水平方
向回転体18、垂直方向回転体19、混合撹拌槽10の
内壁との衝突、あるいはキャリア原料同士の衝突を繰り
返し、これにより機械的衝撃力が付与されて、樹脂微粒
子が、芯材粒子の表面上に展延されて固着され、これら
により樹脂被覆層が形成される。このようにして得られ
た樹脂被覆キャリアは、排出弁21を開き、製品排出口
20より取り出される。ジャケット17は、例えばキャ
リア原料の撹拌時には加熱手段として機能し、キャリア
原料の撹拌終了後には冷却手段として機能するものであ
り、このジャケット17により混合撹拌槽10の外壁が
ほぼ3/4の高さすなわち垂直方向回転体19が取り付
けられている高さまで覆われている。品温は、品温計1
6によって測定される。なお、垂直方向回転体19は必
要に応じて設けられるものであり、水平方向回転体18
のみを設けるようにしてもよい。
【0029】<攪拌翼の周速>本発明のキャリアの製造
方法の特徴とするところは、芯材粒子と樹脂微粒子と
を、上記のような回転翼型混合機に投入し、当該回転翼
型混合機における攪拌翼の周速が4〜12m/秒となる
強度、好ましくは6〜10m/秒となる強度で混合攪拌
して樹脂被覆層を形成する点にある。回転翼型混合機に
おける攪拌翼の周速(攪拌強度)を一定の範囲に規定す
ることにより、芯材粒子と樹脂被覆層との密着性が向上
し、本発明のキャリアを好適に製造することができる。
攪拌翼の周速が4m/秒未満では、芯材粒子と樹脂被覆
層との密着性を向上させることが困難であり、一方、1
2m/秒を超えると、芯材粒子の破壊を招きやすく、破
壊された芯材粒子の破片が樹脂被覆層の表面に付着し
て、得られるキャリアの帯電付与性を阻害するおそれが
ある。
【0030】本発明のキャリアは、トナーと混合されて
二成分現像剤が構成されるが、その混合割合としてはト
ナー濃度が1〜10重量%となる範囲が好ましい。ま
た、トナーとしては特に限定されず、従来公知のトナー
を用いることができる。
【0031】
【実施例】以下、本発明の実施例を比較例と共に説明す
るが、本発明はこれらの態様に限定されるものではな
い。なお、以下において「部」は「重量部」を表す。
【0032】<樹脂微粒子の作製例> 樹脂微粒子A 下記化2で示される化合物よりなる界面活性剤の存在
下で、1,1,1−トリフルオロエチルメタクリレート
とメチルメタクリレートとの乳化重合〔共重合比=6
0:40(重量)〕を行った。得られたフッ素化メタア
クリレート系の共重合体の乳化液から、限外濾過装置に
よって当該共重合体を洗浄し、次いで、スプレードライ
ヤーで乾燥して樹脂微粒子Aを得た。
【0033】得られた樹脂微粒子Aについて、一次粒
径、BET比表面積および界面活性剤の残留量の測定を
行った。これらの測定方法を以下に示す。
【0034】〔一次粒径〕乳化重合完了時の乳化液を、
粒度分布測定装置「LPA−3000」(大塚電子社
製)で測定した。
【0035】〔BET比表面積〕BET比表面積測定装
置「FlowSorb II 2300」(島津製作所社
製)を用いて測定した。
【0036】〔界面活性剤の残留量〕樹脂微粒子Aを正
確に秤量し、この樹脂微粒子Aをメチルエチルケトンに
溶解し、この溶液にメタノールを加えて樹脂分を沈殿さ
せ、上澄み液を採り濃縮して試験液とした。この試験液
を以下の条件で高速液体クロマトグラフィーで定量し
た。 カラム:TSK−GEL LS−410 ODS 5μ
m 検出器:示差屈折計 溶離液:アセトニトリル−0.05モル/l NaCl
溶液(50/50) 流速:1.5ml/分 以上の結果を表1に示す。
【0037】樹脂微粒子B〜Dおよび樹脂微粒子e〜j 下記表1に示す界面活性剤を用いて、樹脂微粒子Aの作
製例と同様にして、樹脂微粒子B〜D(本発明用)およ
び樹脂微粒子e〜j(比較用)を作製し、得られた樹脂
微粒子の各々について、一次粒径、BET比表面積およ
び界面活性剤の残留量の測定を行った。結果を表1に示
す。なお、樹脂微粒子eおよび樹脂微粒子fについて
は、乳化重合時の界面活性剤の使用量および洗浄の回数
を変えることにより、樹脂微粒子中における界面活性剤
の残留量を調整した。また、樹脂微粒子g〜jについて
は、高速液体クロマトグラフィーの充填剤、検出方法、
溶離液をそれぞれ選択して界面活性剤の残留量を測定し
た。
【0038】
【表1】
【0039】
【化2】
【0040】<実施例1> 芯材粒子 …100部 (平均粒径80μmのフェライ
ト粒子) 樹脂微粒子A… 2部 以上のキャリア原料を、水平回転翼型混合機に投入し、
水平回転翼の周速が8m/秒となる条件で、22℃で1
0分間混合撹拌した後、90℃に加熱し40分間撹拌し
て本発明のキャリアを製造した。
【0041】<実施例2〜4>樹脂微粒子Aに代えて、
樹脂微粒子B〜Dをそれぞれ用いたこと以外は実施例1
と同様にして本発明のキャリアを製造した。
【0042】<比較例1>樹脂微粒子Aに代えて樹脂微
粒子eを用いたこと以外は実施例1と同様にして比較キ
ャリアを製造した。
【0043】<比較例2〜6>樹脂微粒子Aに代えて、
樹脂微粒子f〜jをそれぞれ用いたこと以外は実施例1
と同様にして比較キャリアを製造した。なお、これらの
比較キャリアは、芯材粒子表面への樹脂微粒子の付着・
展延が不十分であり、遊離した樹脂微粒子が多く認めら
れた。
【0044】<評価>以上のようにして得られた本発明
のキャリアおよび比較キャリアにおいて、下記の項目に
ついて評価した。
【0045】(1)キャリアの抵抗率 電極面積1cm2 、荷重1kgの条件でキャリア層0.
5cmにて500Vを印加し、印加開始から30秒後の
電流値より換算した。
【0046】(2)密着性試験(芯材粒子と樹脂被覆層
との密着性) キャリア4gと、界面活性剤と、分散媒である水とを5
0ccのビーカーに入れ、出力150Wの超音波ホモジ
ナイザーに30秒間かけた後、走査型電子顕微鏡でキャ
リアを観察し、芯材粒子と樹脂被覆層の剥離が認められ
るものを「×」、剥離が認められないものを「○」とし
た。
【0047】(3)画像濃度 上記実施例および比較例で製造された各キャリアと、電
子写真複写機「U−bix4045」用トナーとを、ト
ナー濃度が5重量%となる割合で混合して二成分系現像
剤を調製した。以上の二成分系現像剤をそれぞれ用い
て、電子写真複写機「U−bix4045」(コニカ
(株)製)により、原稿濃度1.3の複写画像を形成
し、「サクラデンシトメーター」 (コニカ社製) を用い
て複写画像の画像濃度を測定した。
【0048】(4)感光体へのキャリア付着 上記実施例および比較例で製造された各キャリアと、電
子写真複写機「U−bix1017」用トナーとを、ト
ナー濃度が5重量%となる割合で混合して二成分系現像
剤を調製した。以上の二成分系現像剤をそれぞれ用い
て、電子写真複写機「U−bix4045」(コニカ
(株)製)により複写画像を形成する実写テストを行っ
た後、感光体の表面を目視により観察し、当該感光体へ
のキャリア付着物の有無により判定した。評価は、キャ
リア付着物がほとんど認められず良好である場合を
「○」、キャリア付着物が認められ実用的には問題のあ
る場合を「×」とした。以上の評価結果を表2に示す。
【0049】
【表2】
【0050】以上の結果から理解されるように、本発明
のキャリアは、芯材粒子と樹脂被覆層との密着性に優
れ、好適な範囲の抵抗率を有している。そして、本発明
のキャリアを用いた二成分現像剤によれば、ベタ画像濃
度を十分に高くすることができ、キャリア付着などを発
生させない。従って、本発明のキャリアは、比較例のキ
ャリアよりも格段に優れていることが明らかである。
【0051】
【発明の効果】本発明のキャリアは、芯材粒子表面と樹
脂被覆層との密着性、成膜性に優れ、好適な範囲の抵抗
率を安定的に有している。従って、本発明のキャリアを
用いた二成分現像剤によれば、ベタ画像濃度を十分に高
くすることができ、キャリア付着などを発生させない。
【0052】本発明のキャリアの製造方法によれば、芯
材粒子表面と樹脂被覆層との密着性に優れたキャリア
を、簡単な手段で確実に製造することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明のキャリアの製造に使用することができ
る水平回転翼型混合機の概略図である。
【図2】水平方向回転体の平面図である。
【図3】水平方向回転体の正面図である。
【図4】水平方向回転体の拡大正面図である。
【符号の説明】
10 混合撹拌層 10a 底部 11 上蓋 12 原料投入口 13 投入弁 14 フィルター 15 点検口 16 品温計 17 ジャケット 18 水平方向回
転体 18a, 18b, 18c 回転翼 18d 中心部 19 垂直方向回
転体 20 製品排出口 21 排出弁 22 モーター

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 磁性体粒子よりなる芯材粒子の表面に樹
    脂被覆層が形成されてなる樹脂被覆キャリアであって、 前記樹脂被覆層が樹脂微粒子を用いた乾式法により形成
    され、 当該樹脂微粒子は、下記構造式(I)で示される化合物
    を含む界面活性剤の存在下に乳化重合して得られる、フ
    ッ素化アクリレート系の単独重合体もしくは共重合体よ
    りなり、 前記樹脂微粒子中における前記界面活性剤の残留量が6
    0〜10000ppmの範囲にあることを特徴とする静
    電像現像用キャリア。 構造式(I):CF3 (CF2 n COOM 〔この構造式(I)において、Mは金属を表し、nは4
    〜20である。〕
  2. 【請求項2】 50〜500nmの一次粒径を有し、か
    つ、BET比表面積が10〜120m2 /gである樹脂
    微粒子を用いた乾式法により、樹脂被覆層が形成されて
    いることを特徴とする請求項1に記載の静電像現像用キ
    ャリア。
  3. 【請求項3】 請求項1または請求項2に記載の静電像
    現像用キャリアの製造方法において、 芯材粒子と樹脂微粒子とを回転翼型混合機に投入し、当
    該回転翼型混合機における攪拌翼の周速が4〜12m/
    秒となる強度で混合攪拌して樹脂被覆層を形成すること
    を特徴とする静電像現像用キャリアの製造方法。
JP4218751A 1992-07-27 1992-07-27 静電像現像用キャリアおよびその製造方法 Withdrawn JPH0651565A (ja)

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Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2009258700A (ja) * 2008-03-26 2009-11-05 Powdertech Co Ltd 電子写真現像剤用キャリア及び該キャリアを用いた電子写真現像剤
JP2014164128A (ja) * 2013-02-25 2014-09-08 Fuji Xerox Co Ltd 静電荷像現像剤、プロセスカートリッジ、及び画像形成装置

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