JPH06507442A - リンゴワックスの製造方法 - Google Patents

リンゴワックスの製造方法

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Abstract

(57)【要約】本公報は電子出願前の出願データであるため要約のデータは記録されません。

Description

【発明の詳細な説明】 リンゴワックスの製造方法、この方法によって得られるリンゴワックス、並びに リンゴワックス含有化粧品 本発明は、リンゴワックスの製造方法、この方法によって得られるリンゴワック ス、並びにリンゴワックスを含有する化粧品を対象とする。
化粧品においてワックスはいろんな役割を担っている。たとえば単独で皮膚保護 剤として使用されたり、あるいは化粧品の安定性や粘性を保つ目的でエマルジョ ン中の脂肪成分として使用されている。皮膚用化粧品においてワックスは皮膚に 対して油脂補給の役割や疎水性の働きを成している。また毛髪用化粧品において は毛髪の養護剤ないしはコンディショニング剤として使用されている。
ところでワックスは、その製造方法に基づいて、天然ワックス、化学変性天然ワ ックスおよび合成ワックスに分類される。化粧品において重要なワックスは鉱物 ワックスおよび動物あるいは植物に由来する特定の天然ワックスである。
天然および化学変性天然鉱物ワックスは、再生不可能な資源をもとにしているか 、あるいはこのような資源から得られる粗製物を原料として製造される。また合 成鉱物ワックスは合成に伴って汚染を招くことが多い。
動物あるいは植物に由来する天然あるいは化学変性天然ワックスを使用すれば、 上述のような、鉱物ワックスに伴う欠点を回避することができ、さらに生態系に 対して危険のない、すなわち再生可能な天然素材を使用することによって、リサ イクル利用することも可能である。
最も一般に知られている動物性ワックスは蜜蝋である。これは蜂の分泌物である が、入手できる量が限られている。さらに蜜蝋はエステル含有量が高く、このた めに蜜蝋を含有する化粧品は安定性が劣る欠点がある。
目下のところ化粧品に一般的に使用されている、商業的に入手可能な植物性ワッ クスは、カンデリラワックスおよびカルナウバワックスである。しかしこれらの ワックスは硬く、脆弱で、融点が高く、一般的な化粧品中においては非常に乳化 しにくい状態である。 カンデリラワックスおよびカルナウバワックスは熱帯椰 子の葉の表面から採取される。熱帯気候において生育する植物は、温帯気候にお ける植物に比べて、水の損失を強固に防がなければならないので、ワックス層が 非常に厚い。温帯気候において生育する植物の表面ワックスの量は、それに比べ て相当に少ないために、植物そのものは多量に手に入れることができるとしても 、国内産の植物の表面ワックスを分離することは不経済であると思われる。
そのために従来から温帯気候域に生育する植物の表面ワックスを経済的に製造す る方法を提供すること、それによって従来化粧品において一般に使用されていた ワックスにおける前述のような欠点を持たない表面ワックスを提供すること、そ してこのような表面ワックスを含有する化粧品を提供することが、課題となって いた。
そしてここに、本発明によるリンゴワックス製造方法、この製造方法によって得 られるリンゴワックス、並びにこれによって得られるリンゴワックスを含有する 化粧品によって、前述の課題が良好に解決され得ることが見い出された。
すなわち本発明は次のようなリンゴワックスの製造方法を対象とする。即ち、a )リンゴの脱ペクチン処理後の残り糟(entpekLinisierten  Apfeltrester)をt−ブチルメチルエーテルと濃酢酸の混合物を用 いて抽出処理し、b)抽出液を漂白土(フラー土又は吸着上)及び水と一緒に沸 点加熱処理し、t−ブチルメチルエーテルを留去し、残留物を水層から濾別して 、乾燥させ、C)乾燥残留物をt−ブチルメチルエーテルで抽出処理し、抽出液 を濃縮して、乾燥させ、 d)得られるリンゴワックス粗製物を続いてt−ブチルメチルエーテルおよび漂 白土と共に加熱し、漂白土を濾別し、濾液を濃縮して、乾燥させる。
上記の本発明による方法において、a)の処理段階において使用される混合物中 のt−ブチルメチルエーテルと1酢酸の重量割合は、lO:1ないし100:1 が望ましく、特に望ましい重量割合は1ollないし30:1である。
本発明はさらに次のようなリンゴワックスの製造方法も対象とする。即ち、a) リンゴの脱ペクチン処理後の残り糟を酢酸エチルエステルあるいはアセトンのい ずれかから選ばれる極性溶媒を用いて抽出処理し、b)次いで、この抽出液を濃 縮して、乾燥させ、これによって得られるリンゴワックス粗製物をt−ブチルメ チルエーテル、水および漂白土と共に沸点加熱処理し、仁−ブチルメチルエーテ ルを留去し、残留物を水層がら濾別して、乾燥させ、 C)乾燥残留物をt−ブチルメチルエーテルで抽出処理腰抽出液を濃縮して、乾 燥させる。
前述の課題はさらに別のリンゴワックス製造方法によっても解決することができ る。即ち、この場合は、 a)リンゴの脱ペクチン処理後の残り糟をエタノールで抽出処理し、b)ついで 抽出液を濃縮して、乾燥させ、得られる残留物を酢酸エチルエステルあるいはア セトンのいずれかから選ばれる有機溶媒と水の同割合の混合物を用いて8以上の pH値において抽出処理し、C)続いて有機溶媒層を濃縮し、これによって得ら れるリンゴワックス粗製物をt−ブチルメチルエーテル、水および漂白土と一緒 に沸点加熱処理し、t−ブチルメチルエーテルを留去し、残留物を水層がら濾別 して、乾燥させ、d)乾燥残留物をt−ブチルメチルエーテルで抽出処理し、抽 出液を濃縮して、乾燥させる。
上記のリンゴワックス製造方法において、b)の処理段階において抽出に使用さ れる混合物の8以上のpH値への調整は、アルカリ、たとえば苛性ソーダ溶液、 水酸化カルシウム、炭酸ナトリウムあるいは炭酸カリウムを用いて行なわれる上 記の本発明による製造方法において得られるリンゴワックス粗製物の精製は、t −ブチルメチルエーテル、水および漂白土を用いる代わりに、得られるリンゴワ ックス粗製物をt−ブチルメチルエーテルと濃酢酸の混合物を用いて抽出処理す ることによっても行うことができる。この場合混合物中のt−ブチルメチルエー テルと濃酢酸の混合割合は、望ましくは1ollないし100:1、特に望まし くはlO:1ないし30:lである。続いて得られる抽出液を漂白土および水と 一緒に沸点加熱処理し、ついでt−ブチルメチルエーテルを除去し、残った抽出 液を熱い状態のまま濾過する。最後に濾過によって得られるリンゴワックスを乾 燥させる。
前述のいずれかの方法によって得られるリンゴワックスは、下記の方法によって 精製することができる。すなわち、 a)前述の、本発明による、いずれかの方法に従って得られるリンゴワックスを 沸騰石油エーテルに吸収させ、この溶液を熱い状態のまま濾過し、b)ついで濾 液を室温において漂白土で処理し、漂白土を濾別し、濾液を濃縮して、乾燥させ る。
この方法によって滴点が54.8°Cの、無臭の、黄色味を帯びたリンゴワック スが得られる。
本発明はさらに次のようなリンゴワックス製造方法も対象とする。すなわち、a )リンゴの脱ペクチン処理後の残り糟を、温度32ないし80℃、圧力100な いし400バールにおいて、超臨界二酸化炭素を用いて抽出処理し、b)得られ る抽出生成物を乾燥させ、t−ブチルメチルエーテルに溶解し、漂白土および水 で処理し、t−ブチルメチルエーテルを留去した後、残留物を水層から濾別して 、乾燥させ、 C)続いて乾燥残留物を、前述と同様に、沸騰石油エーテルを用いて精製する。
上記のリンゴワックス製造方法において、特殊な実施形態として、b)の処理段 階における抽出媒体に酢酸を添加することができる。
上記の本発明による方法において、a)の処理段階における抽出処理は超臨界二 酸化炭素20Kg/時のガス通過速度で行うことが望ましい。
上記の本発明の方法によって得られるリンゴワックスは、滴点が55℃の、無臭 の、黄色味を帯びたワックスである。
前述の課題はさらに次のようなリンゴワックス製造方法によっても解決すること ができる。すなわち、 a)リンゴの脱ペクチン処理後の残り糟をエタノールを用いて抽出処理し、b) 抽出液をJI41して、乾燥させ、得られる残留物を酢酸エチルエステルあるい はアセトンのいずれかから選ばれる有機溶媒と水の同割合の混合物を用いてpH 値8以上において抽出処理し、 C)続いて有機溶媒層を濃縮することによって得られるリンゴワックス粗製物を 超臨界二酸化炭素を用いて抽出処理し、d)得られる抽出生成物を乾燥させる。
上記の本発明の方法によって、54.5℃の滴点を有する、無臭の、薄黄色のリ ンゴワックスが得られる。
本発明の方法においては、漂白土の代わりにセルロース粉末、たとえばJ、 R ettenmaier & 5oehne Ga+bh & Co、 (ドイツ ン社製のArbocelを使用することもできる。
本発明による方法において、特殊な実施形態として、リンゴの脱ペクチン処理後 の残り糟は粉砕した後、抽出処理に供することができる。
少量のリンゴの脱ペクチン処理糟を粉砕するに当たっては、例えば、Janke  &Kunkel Ika Werk社製(ドイツ)のイカ万能粉砕機M20を 使用することができる。均一な粒子を得るために、粉砕後必要に応じて、リンゴ の悦ペクチン処理糟の粉砕物を、一般に市販させている家庭用ふるいを用いてふ るい分けることもできる。
本発明によるリンゴワックス製造方法を採用することによって、リンゴの表面ワ ックスを経済的に製造することができる。
出発物質であるリンゴの脱ペクチン処理糟はペクチン製造工場における廃棄物で あり、安い値段で手に入れることができる。リンゴの脱ペクチン処理糟から得ら れるリンゴワックスの収量は、ペクチン含有リンゴを使用するリンゴワックス製 造方法の場合に比べて、注目に値するほど高いものである。例えば、Ullma anの化学技術辞典、19巻、1980.239−240ページに記載されてい るような、リンゴ糟からペクチンを製造する一般的な方法においては、使用され る酸性化水はリンゴワックスの融点以上に加熱されるので、この収量の高さは予 想外である。
抽出溶媒のアセトン、酢酸エチル、および特にエタノールは毒物学上問題がない ので、リンゴワックス製造後の残り糟は、たとえば家畜飼料として、再利用する ことができる。
本発明の方法において使用される有機溶媒のアセトン、酢酸エチルあるいはエタ ノールは、50重量パーセントまで水を含有していても差し支えなく、これによ ってリンゴワックスの収量が減損することはない。従って、リンゴの完全絞り糟 からペクチンを水性溶媒によって抽出した後に残る脱ペクチン処理糟は従来は一 般に乾燥されていたが、本発明によるリンゴワックス製造方法において、このよ うな水性溶媒抽出後に残る脱ペクチン処理糟を再利用する場合は、上記の乾燥を 省略することができる。乾燥工程を省略することによって熱量を節減することが できると同時に、乾燥されていない脱ペクチン処理糟を原料として使用すること によって、これから得られるリンゴワックスは、乾燥工程で生じる恐れのあるカ ラメル化生成物によって汚染されることがないという利点を有する。
本発明は、本発明の方法によって得られるリンゴワックスも対象とする。
本発明による方法によって製造されるリンゴワックスは皮膚保護作用を有するう えに、化粧品に多用されているワセリンに比べて、閉塞性が小さい。従ってリン ゴワックスは皮膚保護化粧品および皮膚養護化粧品の成分として非常に適してい る。
リンゴワックスはそのまま皮膚に塗布して皮膚保護剤として使用することができ る。またリンゴワックスは毛髪養護剤あるいは毛髪洗浄剤として使用することが でき、毛髪の乾爆時および湿潤時のとかしやすさ並びに扱いやすさを改善するこ とができる。
従ってリンゴワックス、特に本発明による前述の方法によって得られるリンゴワ ックスを用いることによって、リンゴワックスを含有することを特徴とする、非 常に優れた特性を有する皮膚ないしは毛髪処理用化粧品を提供することができる 。従って本出願はリンゴワックスを含有する皮膚ないしは毛髪処理剤も対象とす る。
本発明による処理剤は、たとえばディクリーム、ナイトクリーム、ハンドクリー ム、日焼は止めクリーム、リップクリームなどの皮膚養護剤ないしは皮膚保護剤 として、ファンデーションや頬紅などのターキャップ用品として、ジャンプ、入 浴剤、洗浄液などの毛髪あるいは身体清浄剤として、ヘヤオイル、光沢剤、ヘヤ ワックスなどの毛髪処理剤として、さらにはヘヤコンデショナー、ヘヤリンスな どの毛髪養護剤として提供することができる。
本発明による処理剤がエマルジョン形態の皮膚保護剤ないしは皮膚養護剤である 場合は、処理剤はリンゴワックスを0.05ないし50重量パーセント含有する ことが特に望ましい。
水中油型のエマルシヨンの形態で提供される、本発明の皮膚保護剤ないしは皮膚 養護剤は、リンゴワックスを0.05ないし20重量パーセント含有することが 特に望ましい。
油中水型のエマルシヨンの形態で提供される、皮膚保護剤ないしは皮膚養護剤は 、リンゴワックスを1ないし50重量パーセント含有することが特に望ましい本 発明による処理剤が毛髪清浄剤および/あるいは身体清浄剤あるいは毛髪養護剤 である場合は、処理剤のリンゴワックス含有量は0. 5ないし2重量パーセン トであることが望ましい。
本発明によるサンオイルはリンゴワックスをO,lないし80重量パーセント含 有することが望ましい。本発明によるヘヤオイル、光沢剤、およびヘヤワックス はリンゴワックスを1ないし99.8重量パーセント含有することが望ましい本 発明による処理剤はリンゴワックスの他に、このような調合物に対して一般に用 いられる、生理学上問題のない媒体や添加物などを構成成分として含有し得る。
本発明による処理剤は、特殊な実施形態として、リンゴワックスのみで構成する ことができる。これはへヤワックスに、あるいは皮膚被覆剤あるいは皮膚保護剤 に適用することができる。
本発明による処理剤は皮膚処理剤および毛髪処理剤として適当な、任意の調合形 態を採ることができる。たとえば本発明による処理剤は水−アルコール溶液、ア ルコール溶液、エマルジョン、クリーム、あるいはゲルの形態で提供することが できる。さらに本発明による処理剤は噴射用ガスと混合して、あるいはポンプを 用いて噴射するという形態で提供することもできる。
溶液、クリーム、エマルジョンあるいはゲルに対する一般的な添加剤として、水 、たとえばエタノール、プロパツールおよびイソプロパツールのような低級脂肪 族アルコール、あるいはグリセリンおよび1.2−プロピレングリコールのよう なグリコールなどの溶媒の他に;脂肪族アルコール硫酸エステル類、アルキルベ ンゼンスルホネート類、アルキルトリメチルアンモニウム塩、アルキルベタイン 、オキシエチル化脂肪族アルコール、オキシエチル化ノニルフェノール、脂肪酸 アルカノールアミド、オキシエチル化脂肪酸エステルなどの、アニオン性、カチ オン性、両性あるいは非イオン性界面活性剤から成る11潤剤ないしは乳化剤を 0、 1ないし30重量パーセント量:香油を05ないし5. 0重量パーセン ト量;たとえばエチレングリコールジステアレートのような乳白剤を約0. 5 ないし5.0重量パーセント量;たとえば脂肪酸モノアルキロールアミドとエチ レングリコールジステアレートの混合物のような真珠光沢剤を約1. 0ないし 10゜0重量パーセント量;たとえば2.4,4−)リクロルー2−ヒドロキシ ージフェニルエーテルあるいはメチルクロルイソチアゾリノンのような殺菌剤な いしは防かび剤を0.01ないし1.0重量パーセント量;たとえば椰子脂肪酸 ジェタノールアミドのような増粘剤を約0. 5ないし3. 0重量パーセント 量:たとえばクエン酸ナトリウムあるいは燐酸ナトリウムのような緩衝剤を0.  1ないし1、O重量パーセント量:たとえばエトキシル化ヒマシ油のような溶 液媒介物を約0、 1ないし1.0重量パーセント量;たとえばフルオレスセイ ンーナトリウム塩のような着色剤を約0. 1ないし1.0重量パーセント量; たとえばカチオン性樹脂、ラノリン誘導体、あるいはアーモンドオイル、ジ3ジ ョバ油、蜜蝋および鯨ワックスなどの天然、化学変性天然あるいは合成ワックス あるいはオイルを0、 1ないし5重量パーセント量;さらに日焼は防止剤、保 湿剤、酸化防止剤、錯塩形成剤および鱗片剥離防止剤を約0.01ないし0.8 重量パーセント量使用することができる。
次に実施例によって本発明の対象をさらに詳しく説明する。
製造実施例 実施例1:リンゴワックスの製造 リンゴの脱ペクチン処理糟の粉砕物7.2Kgを、t−ブチルメチルエーテル2 1.6リツトルと濃酢酸1.44リツトルの混合物を用いて2時間抽出処理する 。溶解しないリンゴ糟残留物を濾別した後、得られる濾液を漂白土2.16Kg および水lOリットルと混合し、還流しながら30分間加熱する。ついで1−ブ チルメチルエーテルを留去し、リンゴワックスを吸着した漂白土沈澱物を、それ を含む水層から濾別し、40℃において真空乾燥させる。この乾燥沈澱物をt− ブチルメチルエーテル5リツトル中において還流しながら1時間加熱する。つい で濾過し、濾液を濃縮して、乾燥させる。これによってリンゴワックス粗製物が 350g得られる。このリンゴワックス粗製物をt−ブチルメチルエーテル11 リツトル中において漂白土1750gと一緒に還流しながら1時間加熱し、続い て熱い状態のまま濾過する。濾液を濃縮して、乾燥させることによって、リンゴ ワックスが340g得られる。
実施例2:リンゴワックスの製造 リンゴの脱ペクチン処理糟の粉砕物100gを酢酸エチルエステル400m1中 において1時間抽出処理する。溶解しないリンゴ糟残留物を濾別した後、得られ る濾液を濃縮して、乾燥させる。これによってリンゴワックス粗製物が5.2g 得られる。このリンゴワックス粗製物をt−ブチルメチルエーテル0.3リツト ル、水0.14リットルおよび漂白土30gと一緒に還流しながら1時間加熱す る。ついでt−ブチルメチルエーテルを留去し、残った水層から沈澱物を濾別し 、40℃において真空乾燥させる。この乾燥沈澱物をt−ブチルメチルエーテル 300m1中において還流しながら1時間加熱する。ついで濾過し、濾液を濃縮 して、乾燥させることによってリンゴワックスが4.8g得られる。
実施例3:リンゴワックスの製造 リンゴの脱ペクチン処理糟の粉砕物100gをアセトン400m1中において還 流しながら1時間加熱する。溶解しないリンゴ糟残留物を濾別した後、得られる 濾液を濃縮して、乾燥させる。これによってリンゴワックス粗製物が5.6g得 られる。このリンゴワックス粗製物を、実施例2と同様に、t−ブチルメチルエ ーテル、水および漂白土を用いて精製する。これによってリンゴワックスが5. 17g得られる。
実施例4:リンゴワックスの製造 リンゴの脱ペクチン処理糟100gを無水エタノール400m1中において還流 しながら1時間加熱し、熱い状態のまま濾過する。抽出液を濃縮して、乾燥させ る。これによってリンゴワックス粗製物が13.8g得られる。この粗製物を酢 酸エチルエステル276m1および水276m1中に吸収させる。この溶液を炭 酸ナトリウムでpH=10に調整し、還流しながら10分間加熱し、その後室温 に冷却する。ついで酢酸エチルエステル層を分離し、濃縮して、乾燥させる。
酢酸エチルエステル層の残留物として得られるリンゴワックス粗製物をt−ブチ ルメチルエーテル0.3リツトル、水0.14リットルおよび漂白土30gと一 緒に還流しながら1時間加熱する。ついでt−ブチルメチルエーテルを留去し、 残った水層から沈澱物を濾別し、40℃において真空乾燥させる。この乾燥沈澱 物をt−ブチルメチルエーテル300m1中において還流しながら1時間加熱す る。その後濾過し、濾液を濃縮して、乾燥させることによって、リンゴワックス が4,2g得られる。
実施例5・リンゴワックスの精製 実施例1によって得られるリンゴワックス600gを石油エーテル18リツトル 中において沸点加熱し、熱い状態のまま濾過する。濾液を室温まで冷却し、漂白 土1100gと混合し、1時間撹拌する。その後漂白土を濾別し、濾液をall して、乾燥させる。これによって適意が54.8℃で、無臭の、薄黄色のリンゴ ワックスが 230g得られる。
実施例6;リンゴワックスの製造 リンゴの脱ペクチン処理した後の残り糟粉砕物IKgを、第一高圧容器中におい て、温度40℃、圧力150バール、通過速度20Kg/時において超臨界二酸 化炭素を用いて1ないし2時間抽出処理する。その後抽出物を含んだ超臨界二酸 化炭素を第二高圧容器に移し、室温まで冷却し、大気圧まで減圧する。ついで固 形沈澱物を分離し、40℃において真空乾燥させる。
ついで上記の乾燥沈澱物100gをt−ブチルメチルエーテル1リツトルに溶解 する。この溶液を濾過した後、漂白土150gおよび水300m1を添加し、還 流しながら15分間加熱する。ついでt−ブチルメチルエーテルを留去し、ワッ クスを吸着した漂白土残留物を、それを含む水層から濾別し、40℃において真 空乾燥させる。この乾燥残留物をそれぞれ沸騰石油エーテル035リツトルを用 いて5回洗浄する。石油エーテルを一緒にし、濃縮して、乾燥させる。これによ って滴点が55℃で、無臭の、薄黄色のリンゴワックスが38g得られる。
実施例7:リンゴワックスの製造 リンゴの脱ペクチン処理した後の残り糟1000gを無水エタノール4リツトル 中において還流しながら1時間加熱し、熱い状態のまま濾過する。抽出液を濃縮 して、乾燥させる。これによってリンゴワックス粗製物が138g得られる。
この粗製物を酢酸エチルエステル2.76リツトルと水2.76リツトルの混合 物中に吸収させる。溶液を、炭酸ナトリウムを用いてpH−10に調整し、還流 しながら10分間加熱し、その後室温まで冷却する。ついで酢酸エチル層を分離 し、濃縮して、乾燥させる。
上記によって得られる残留物を、第一高圧容器中において、温度40℃、圧力1 50バール、通過速度20kg/時において超臨界二酸化炭素を用いて1.5時 間抽出処理する。抽出物を含む二酸化炭素を第二高圧容器に移し、室温まで冷し 、大気圧まで減圧する。
固形沈澱残留物を分離し、40℃において真空乾燥させる。これによって滴点が 54.5℃で、無臭の、黄色のリンゴワックスが 380g得られる。
化粧品実施例 実施例I:保護作用を有するスキンクリームリンゴワックス 2.00g 自己乳化グリセリンステアレート 8.00gグリセリルヒドロキシステアレー トとパルミチン酸 2.00gセチルと微結晶性ワックスとトリヒドロキシステ アリンの混合物 ステアリン 1.00g 完全液状パラフィン 8.OOg p−ヒドロキシ安息香酸プロピルエステル 0.lOgp−ヒドロキシ安息香酸 メチルエステル 0. 20g実施例■1:保護作用を有するスキンクリームリ ンゴワックス 4.00g 自己乳化グリセリンステアレート 8.OOgp−ヒドロキシ安息香酸プロピル エステル O,lOgp−ヒドロキシ安息香酸メチルエステル 0.20g実施 例III:皮膚保護作用に対する比較実験10人の被験者の右前腕内側の、大き さ2 cm”の皮膚表面にそれぞれ実施例■に記載のスキンクリームを塗布し、 同じ被験者の同じ前腕内側の別の箇所の、大きさ2 cry”の皮膚表面にそれ ぞれ実施例I+に記載のスキンクリームを塗布し、1分間軽く擦り込む。その後 セルロース物質で軽く拭くことによって余分なスキンクリームを除去する。左前 腕は未処理のままとする。
Heimann Ga+bH(ドイツ)製の赤外線温度計KT15、オブジェク トLを用いて、皮膚表面に対するオブジェクト距離を同じとし、周囲の温度を一 定に保持して、実施例1およびI+に記載のスキンクリームで処理した右前腕の 2箇所の皮膚表面の皮膚温度および未処理の左前腕皮膚表面の皮膚温度を測定す る。
ついで実施例rおよび目に記載のスキンクリームで処理した右前腕の、大きさ2  cts”の皮膚表面、および未処理の左前腕の同じ大きさの皮膚表面に、4% のアンモニヤ水溶液を塗布する。10分後前述と同じ方法で皮膚温度を測定する 。10人の被験者に対して測定した、アンモニヤ水溶液処理前および処理後の右 前腕および左前腕の皮膚温度から、上昇温度の平均値を計算した。その結果は下 記表の通りである。
比較実験から、あらかじめ実施例■および11に記載のスキンクリ−ムによって 前処理することによって、アンモニヤによる皮膚の温度上昇を軽減すること力( できること、すなわち実施例■およびI+に記載のスキンクリ−ム1こζよ皮膚 保護作用があることが、認められる。
実施例Iv:シャンプー ラウリルエーテル硫酸ナトリウムとサリチル酸 11.20gの混合物 トリグリコールジスレアレート 1.50g実施例4によって製造されるリンゴ ワックス 0.50g塩化ナトリウム 4. 20g 100、OOg 上記のシャンプーは絹のような泡を形成し、これによって洗浄することによって 毛髪はとかしやすいように、また扱いやすいように改善される。
実施例V:毛髪治療剤 セチルステアリルアルコール 3.500g実施例5によって製造されるリンゴ ワックス o、500gセチルトリメチルアンモニウムクロライド o、550 g着色剤 0.004g 植物抽出物(エキストラポン 5 スペシャル) 0.200gクエン酸 o、 500g 香油 0.900g 水 93. 846g 100.000g 上記の毛髪治療剤は使用後問題なく毛髪から洗い流すことができる。そしてこれ で処理することによって毛髪は湿潤時および乾燥時共にとかしやすくなり、手触 りおよび外観が良好に改善される。
実施例vに毛髪治療剤 セチルステアリルアルコール 2.360gラウリルアルコールジグリコールエ ーテル 0.900gワセリン 1.240g リンゴワックス 1.OOOg −水酸化ベタイン 10.000g セチルステアリル硫酸ナトリウム塩 0.378gDSL−マンデル酸 0.1 50g サルチル酸 0.150g クエン酸 2.000g 香料 0.300g 水 81. 522g too、000g 上記の毛髪治療剤は使用後問題なく洗い流すことかできる。そしてこれによって 毛髪は湿潤時および乾熾時共にとかしやすくなり、手触りおよび外観が良好に改 善される。
実施例Vll:リップクリーム ヒマシ油 25.OOg ジシジョバ油 5.00g 石油 20.0Og 微結晶性ワックス 25.00g オレイン酸デシル 15.00g リンゴワックス 8. 00g フェニルトリメチコン 1. 70g 香料 0.30g 100、OOg 実施例VIII+日焼は防止クリーム(水中油エマルジョン)グリセリルステア レート 8.0Og セチルーステアリルアルコール 2.OOgエチレンオキサイド20モルでオキ シエチル化した 1. 50gセチル−ステアリルアルコール エチレンオキサイド12モルでオキシエチル化した 1. 50gセチル−ステ アリルアルコール リンゴワックス 3.0Og カプリン酸およびカプリル酸とグリセリンのトリ二 6.OOgステル混合物 ココ椰子アルコールとカプリン酸およびカプリル酸 8. OOgのエステル混 合物 アジピン酸ジブチル 6.00g オクチルドデカノール 4. 00g ジメチルポリシロキサン 3.00g 遮光フィルター 4.00g グリセリン 2.58g 本出願において挙げられているパーセント数は、すべて重量パーセント数である 。
フロントページの続き (51) Int、 C1,5識別記号 庁内整理番号A 61 K 7106  8615−4C7/48 9051−4C 71509283−4C CO7C69/26 9279−4H (72)発明者 コンラッド、オイゲンドイツ連邦共和国、6100 ダルムシ ュタット、メクレン ブルガー シュトラーセ(72)発明者 ガイベル、ヴオ ルフラムドイツ連邦共和国、6418 ヒュンヘルト、シラーシュトラーセ 2 3 I (72)発明者 ヴエンデル、ハラルトドイツ連邦共和国、6105 オーベル ーラムシュタット、グラベーンガッセ 3 (72)発明者 クリップ、トーマス ドイツ連邦共和国、6101 フレンキシュークルムバッハ、シェフェルシュト ラーセ

Claims (13)

    【特許請求の範囲】
  1. 1.a)リンゴの脱ペクチン処理後の残り糟を、t−ブチルメチルエーテルと濃 酢酸の混合物を用いて、抽出処理し、 b)抽出液を漂白土および水と一緒に沸点加熱処理し、t−ブチルメチルエーテ ルを留去し、残留物を水層から濾別して、乾燥させ、c)この残留物をt−ブチ ルメチルエーテルを用いて抽出処理し、抽出液を濃縮して、乾燥させ、 d)続いて、このようにして得たリンゴワックス粗製物をt−ブチルメチルエー テルおよび漂白土と一緒に加熱し、漂白土を濾別し、濾液を濃縮して、乾燥させ る、 ことを特徴とするリンゴワックスの製造方法。
  2. 2.a)リンゴの脱ペクチン処理した後の残り糟を、酢酸エチルエステルあるい はアセトンのいずれかから選ばれる極性溶媒を用いて、抽出処理し、b)次いで 、このようにして得た抽出液を濃縮し、乾燥させ、得られるリンゴワックス粗製 物をt−ブチルメチルエーテル、水および漂白土と一緒に沸点加熱処理し、t− ブチルメチルエーテルを留去し、残留物を水層から濾別して、乾燥させ、 c)乾燥残留物をt−ブチルメチルエーテルを用いて抽出処理し、抽出液を濃縮 して、乾燥させる、 ことを特徴とするリンゴワックス製造方法。
  3. 3.a)リンゴの脱ペクチン処理後の残り糟をエタノールで抽出処理し、b)次 いで、この抽出液を濃縮して、乾燥させ、得られる残留物を酢酸エチルエステル あるいはアセトンのいずれかから選ばれる有機溶媒と水の同割合の混合物を用い て8以上のpH値において抽出処理し、c)続いて有機溶媒層を濃縮し、これに よって得られるリンゴワックス粗製物をt−ブチルメチルエーテル、水および漂 白土と一緒に沸点加熱処理し、t−ブチルメチルエーテルを留表し、残留物を水 層から濾別して、乾燥させ、d)乾燥残留物をt−ブチルメチルエーテルを用い て抽出処理し、抽出物を濃縮して、乾燥させる、 ことを特徴とするリンゴワックス製造方法。
  4. 4.a)請求項1ないし3の1項に記載の方法に従って得られるリンゴワックス を沸騰石油エーテルに吸収させ、この溶液を熱い状態のまま濾過し、b)ついで 濾液を室温において漂白土を用いて処理し、漂白土を濾別し、濾液を濃縮して、 乾燥させる、 ことを特徴とするリンゴワックスの製造方法。
  5. 5.a)リンゴの脱ペクチン処理後の残り糟を、温度32ないし80℃、圧力1 00ないし400バールにおいて、超臨界二酸化炭素を用いて抽出処理し、b) 得られる抽出生成物を乾燥し、ついで乾燥抽出物をt−ブチルメチルエーテルに 溶解し、漂白土および水で処理し、t−ブチルメチルエーテルを留去し、残留物 を水層から濾別して、乾燥させ、c)乾燥残留物を沸騰石油エーテルを用いて精 製する、ことを特徴とするリンゴワックスの製造方法。
  6. 6.a)リンゴの脱ペクチン処理後の残り糟をエタノールで抽出処理し、b)抽 出液を濃縮して、乾燥させ、これによって得られる残留物を、酢酸エチルエステ ルあるいはアセトンのいずれかから選ばれる有機溶媒と水の同割合の混合物を用 いて8以上のpH値において抽出処理し、c)ついで有機溶剤層を濃縮すること によって得られるリンゴワックス粗製物を超臨界二酸化炭素を用いて抽出処理し 、d)得られる抽出生成物を乾燥させる、ことを特徴とするリンゴワックスの製 造方法。
  7. 7.リンゴの脱ペクチン処理後の残り糟を抽出処理前に粉砕することを特徴とす る、請求項1ないし6のいずれか1項に記載の方法。
  8. 8.請求項1ないし7のいずれか1項に記載の方法に従って得られることを特徴 とするリンゴワックス。
  9. 9.リンゴワックスを含有することを特徴とする毛髪および皮膚処理剤。
  10. 10.請求項8によって得られるリンゴワックスを含有することを特徴とする毛 髪および皮膚処理剤。
  11. 11.溶液、エマルジョン、クリームあるいはゲルの形態で提供されることを特 徴とする、請求項9ないし10の1項に記載の処理剤。
  12. 12.リンゴワックスを0.05ないし50重量パーセント含有する、エマルジ ョン形態の皮膚保護剤ないしは皮膚治療剤であることを特徴とする、請求項11 に記載の処理剤。
  13. 13.リンゴワックスを0.5ないし2重量パーセント含有する毛髪および/あ るいは身体清浄剤あるいは毛髪養護剤であることを特徴とする、請求項11に記 載の処理剤。
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