JP4044988B2 - 化粧料 - Google Patents
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Description
【産業上の利用分野】
本発明は、防腐剤およびこの防腐剤を配合してなる化粧料に関するものである。本発明における防腐剤とは、微生物の育成を抑制し、殺菌、抗菌または静菌作用を有する物質で、防腐の目的で使用するものである。
【0002】
【従来の技術】
地衣類を、水または極性有機溶媒、非極性有機溶媒によって抽出される抽出成分は、グラム陽性菌に対しては効果的な抗菌効果があることが知られている。(特開平5−24687)
【0003】
また、地衣類を、水または極性有機溶媒、非極性有機溶媒によって抽出される抽出成分を保湿成分や美白成分と併用することによって、相乗的に保湿効果や美白効果が増強されることも知られている。(特開平3−200707、特開平5−200708)
【0004】
しかしながら、地衣類抽出物は、ほとんどの溶媒に対する溶解度が極めて低く、安定に配合することが、極めて困難であった。また、環境問題などへの関心の高まりに伴い、自然派指向、天然指向の傾向が強くなってきている現在、天然物、特に、植物起源の原料の使用が一般に強く望まれている。防腐剤についても同様に、このような特に植物起源の防腐剤の登場は強く望まれている。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
このような実情に鑑み、本発明者らは、地衣類抽出物に関して、その溶解性を向上させるために鋭意研究を重ねた結果、地衣類抽出物を多価アルコールに溶解させたものをアミン処理したものが、極めて安全性、安定性に優れ、水などの親水性の溶媒に対する溶解度が非常に高くなることを見出した。(さらに、この地衣類抽出物を配合した化粧料はグラム陽性菌に対してだけでなくグラム陰性菌に対しても強い防腐効果を有することを認めた。)本発明者らは、上記の知見に基づいて、本発明を完成するに至った。
【0006】
【課題を解決するための手段】
すなわち、本発明は、地衣類抽出物からなる防腐剤およびこの防腐剤を配合してなることを特徴とする化粧料を提供するものである。
【0007】
本発明で用いる地衣類抽出物とは、高山の地衣類であるUsnea barbataの植物体の一部または全部から抽出して得られるものである。抽出を行うUsnea barbataは、天然のものでも人工、すなわち、組織培養により得られたものでもよい。また、そのままで使用しても、あらかじめ乾燥させたものを使用してもよい。その調製方法は特に限定されず、例えば、加熱抽出したものであっても良いし、常温抽出したものであっても良いが、低温抽出したものが望ましい。
【0008】
また、抽出する溶媒としては、半極性溶媒、例えば、エタノール、メチルエチルケトンなどが適している。これらの溶媒は、単独で用いても2種以上を混合して用いても良い。また、地衣類の抽出物は、抽出された溶液のまま用いてもよく、必要に応じて、濃縮、精製、希釈、濾過などの処理をして用いても良い。
【0009】
また、地衣類からの抽出物を溶解する溶媒としては、液状多価アルコール、例えば、1,3−ブチレングリコール、プロピレングリコール、ジグリセリン、グリセリン、ジプロピレングリコールなどが適している。好ましくは、1,3−ブチレングリコール、プロピレングリコール、ジグリセリンがよく、より好ましくは、1,3−ブチレングリコールがよい。これらの溶媒は、単独で用いても2種以上を混合して用いても良い。
【0010】
この地衣類抽出物の多価アルコール溶液をアミン処理した溶液(以下、地衣類抽出液とする。)における地衣類抽出物の濃度は、1〜20重量%(以下、単に%とする。)であればよく、好ましくは、5〜10%である。
【0011】
アミン処理とは、水などの親水性の溶媒に対する溶解度を高め、安定化させるために行う。用いるアミン類は、2−アミノ−2−ヒドロキシルメチル−1,3−プロパンジオールである。
【0012】
地衣類抽出液中における、これらのアミン類の濃度は、0.1〜10%であればよく、好ましくは、1〜5%である。0.1%未満では、地衣抽出物の安定化が十分ではなく、一方、10%以上では、結晶の析出などの問題が生じてくる。
【0013】
また、本発明において、地衣類抽出物の多価アルコール溶液の、化粧料中における配合量は、特に限定されないが、0.001〜10重量%(以下単に%で示す。)であればよく、より好ましくは、0.01〜5%である。0.001%未満では、本発明の目的とする効果が十分ではなく、一方、上限を超えても、その増加分に見合った効果の向上は望めないものである。
【0014】
また、本発明の防腐剤を配合した化粧料には、必要に応じて添加剤として慣用されている他の薬剤を本発明の効果を損なわない範囲で適宜配合することができる。添加剤としては、例えば、メントールなどの清涼剤、高級脂肪酸、高級アルコール類、界面活性剤、香料、酸化防止剤、キレート剤、増粘剤、紫外線吸収剤、色素、紫外線散乱剤、保湿剤、顔料、精製水、エタノールなどがあげられる。
【0015】
本発明の防腐剤およびそれを配合した化粧料は、化粧料として用いられるものであれば剤型については制限されるものではない。例えば、基礎化粧品(化粧水、クリーム、乳液など)、頭髪化粧品(シャンプー、リンスなど)、メイクアップ化粧品(ファンデーション・口紅など)、入浴化粧品(入浴剤など)などがあげられる。
【0016】
【実施例】
次に本発明を詳細に説明するため実施例を挙げるが、本発明はこれに限定されるものではない。なお、部は重量を表わす。
【0017】
製造例−1
地衣類Usnea barbataの組織培養物30gに、メチルエチルケトン300mlを加え、70°で3時間抽出した。その後、ろ過を行い、低温にてメチルエチルケトンを減圧留去する。乾燥後、数回の再結晶によって精製を行い地衣類抽出物を得た。この抽出物10gをプロピレングリコール60gに溶解後、2−アミノ−2−ヒドロキシルメチル−1,3−プロパンジオール3gを加え、地衣類抽出物のプロピレングリコール溶液を得た。
【0020】
実施例−1:化粧水
処方 配合量
1.地衣類プロピレングリコール溶液(製造例−1) 1.0部
2.1,3−ブチレングリコール 8.0
3.グリセリン 2.0
4.キサンタンガム 0.02
5.クエン酸 0.01
6.クエン酸ナトリウム 0.1
7.エタノール 5.0
8.ポリオキシエチレン硬化ヒマシ油(40E.O) 0.1
9.香料 適量
10.精製水にて全量を100とする。
【0021】
製造方法:成分1〜6,10と成分7〜9をそれぞれ均一に溶解し、両者を混合し、ろ過して製品とする。
【0030】
実施例−6:パック
処方 配合量
1.地衣類プロピレングリコール溶液(製造例−1) 3.0部
2.ポリビニルアルコール 12.0
3.エタノール 5.0
4.1,3−ブチレングリコール 8.0
5.ポリオキシエチレン硬化ヒマシ油(20E.O) 0.5
6.クエン酸 0.1
7.クエン酸ナトリウム 0.3
8.香料 適量
9.精製水にて全量を100とする。
【0031】
製造方法:成分1〜9を均一に溶解し、ろ過して製品とする。
【0038】
以上、実施例−1および実施例−6では、グラム陽性菌・グラム陰性菌ともに良好な防腐効果が得られた。
【0039】
地衣類抽出物の多価アルコール溶液をアミン処理を行ったものと、行わなかったものと比較したところ、アミン処理を行ったものでは経時的に沈殿を生じなかったのに対し、アミン処理を行わなかったものでは経時的に沈殿が生じた。この沈殿を分取し、FT−IR(フーリエ変換赤外吸収)スペクトルにより分析した結果、地衣類抽出物と同定できた。この結果により、アミン処理することによって、地衣類抽出物の多価アルコールへの溶解度が向上し、安定化したことがわかる。
【0040】
次に、本発明の防腐剤の防腐効果がいかに優れているか、本発明の防腐剤である地衣類抽出物溶液と、従来の防腐剤の中で代表的なパラオキシ安息香酸メチルとを比較試験を行った。試験方法について実験例1に、また、結果を表1に示す。
【0041】
実験例−1
寒天平板希釈法(Chemotherapy,29,76〜79、1981)に基づき、下記の試験菌に対する最少発育阻止濃度(MIC)を下記の培養条件で測定した。試料はジメチルスルホキシドに溶解させた後、所定の濃度になるよう培地に添加した。
【0042】
【試験菌】
1.エスシェリッシア・コリ(Escherichia coli K12)
2.スタフィロコッカス・アウレウス(Staphylococcus aureus FDA209P)
3.シュウドモナス イルギノーサ(Pseudomonas aeruginosa ATCC9027)
4.アスペルギルス・ニガー(Aspergillus niger)
5.カンジダ・アルビカンス(Candida albicans ATCC10231)
6.ストレプトコッカス(Streptococcus)
【0043】
【表1】
培養条件
【0044】
【表2】
MIC測定結果
【0045】
上記の表2から明らかなように、本発明の地衣類抽出物溶液は、グラム陽性菌に対してだけでなく、グラム陰性菌に対しても、パラオキシ安息香酸メチルより優れた防腐効果を示した。
Claims (2)
- 地衣類のエタノールまたはメチルエチルケトン抽出物を多価アルコールに溶解し、2−アミノ−2−ヒドロキシルメチル−1,3−プロパンジオールにて処理を行った防腐剤を配合することを特徴とする化粧料
- 上記防腐剤の配合量が、0.01重量%〜5重量%であることを特徴とする請求項1に記載の化粧料。
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JP24932297A JP4044988B2 (ja) | 1997-08-30 | 1997-08-30 | 化粧料 |
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1997
- 1997-08-30 JP JP24932297A patent/JP4044988B2/ja not_active Expired - Fee Related
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