JPH06500474A - 形質転換された稲植物の製法 - Google Patents

形質転換された稲植物の製法

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Abstract

(57)【要約】本公報は電子出願前の出願データであるため要約のデータは記録されません。

Description

【発明の詳細な説明】 形質転換された稲植物の製法 発明の背景 本発明は植物分子生物学の分野に関する。特に、本発明は加速粒子による形質転 換された稲植物の製造に関する。
基準とした場合にあらゆる他の穀物よりも高いカロリーを与え、しかも世界中の 収穫面積においては小麦に次いで第三位にある。新規な稲の品種には多大な興味 がもたれているが、従来の植物の育種法には幾つかの固有の制限がある。自家受 粉の数世代が同型接合のために必要であり、従って新規な稲品種の育種プログラ ムには数年が必要とされる。野性の稲品種由来の遺伝的特徴は、恐らく有害生物 、病気および有害な環境に対する稲の耐性を改良する上で有用であるが、野性型 稲の変種は栽培種とは十分に交雑しない。
これら従来の植物育種の限界のために、稲は遺伝子操作にかけられている。ルD NAを最近受粉された稲の小花に移入する方法を報告し、彼等はこの方法を「花 粉管路(pollen tube pathway) J形質転換と呼んでいる 。この花粉管路法は稲小花の頂部を切り取って、柱頭を切り取る工程を含み、従 ってその花柱は切断された端部をもつことになる。DNA−含有溶液を該小花の 切断末端に滴下し、該花粉管を流下させる。最終的に種子を栽培し、発芽させる 。しかし、花粉管路法は他の研究者により追跡されておらず、再現性のあるもの とは考えられない。
稲の原形質体、即ち細胞壁から単離された稲植物細胞は遺伝子工学の一般的な標 的となっている。一般的な形質転換法の一つは、原形質体をDNAおよびポリエ チレングリコールと共にインキュベートし、後に該原形質体を選択剤の存在下で 培養して植物とすることである。例えば、ウチミャ(Uchimiya)等は、 Mo1. Gen。
Genet、、 1986. pp、 204−207において、形質転換され たカルス中で外来遺伝子を■現させるための、稲原形質体のPEG−媒介形質転 換を開示している。PEG−媒介原形質体形質転換の他の例はハヤシモト(Ha yashiIfloto)等、 Plant Physiol、、 1990゜ 93、 pp、 857−863およびペンダ(Peng)等、 Plant  Ce1l Reports、 1990.9.1ll)。
168−172に見出すことができる。
稲原形質体はエレクトロポレーションによっても形質転換されている。多くのエ レクトロポレーション法においては、稲の原形質体をDNA溶液と混合し、これ に電気パルスを印加する。PEG−媒介形質転換と同様に、該DNA分子が該細 胞膜を透過し、該細胞のゲノムに組み込まれる。最近、テラダおよびシマモト( Teradaand Shimamoto)は、Mo1. Gen、 Gene t、、 1990.2201. pp、 389−392において、エレクトロ ポレーションによって稲の原形質体を形質転換して、外来遺伝子を発現する成熟 稲植物を製造する方法を記載している。最近タダ(Tada)等、Theor、  Appl。
Genet、、 1990.80. pp、 475−480およびバットロー およびホール(Battraw andHall)も、エレクトロポレーション による稲の形質転換を報告している。シマモト(Shi匹1oto)等は、Na ture、 1989.338. I)I]、 274−276において、原形 質体中にハイグロマイシン耐性の遺伝子をエレクトロポレーションにより導入し 、後代の植物中の該外来遺伝子を検出したことを報告している。
稲はPEGとエレクトロポレーションとの組み合わせにより形質転換されている (ヤン(Yang)等、 Plant Ce1l Reports、 1988 .7. pp、 421−425)、形質転換は、無作為的に選択したカナマイ シン耐性クローンにおける酵素アッセイにより確認された。
形質転換された稲原形質体からの全形質転換稲植物の再生に依存しているという 理由から、PEGまたはエレクトロポレーションの何れかに基づく形質転換法も 制限される。多くの該原形質体培養物の再生に固有の問題および制限がある。一 般に利用されている原形質体再生法はツマクローナルバリエーション、白化およ び不稔性の高い頻度をもたらす。更に、かつ最も重要なことに、全ての稲品種が 原形質体から再生できる訳ではない。稲は2種の主な群、即ちジャポニカ(Ja ponica)およびインディカ(Indica)に分類される。ジャポニカお よびインディカ品種は、その地理的な分布並びに形態、および生理的な構成要素 において異なってい、る。ジャポニカおよびインディカ品種は、また組織培蓋の 容易性および再生法の点で異なっている。一般に、ジャポニカ品種は高いカルス 収率と高い再生能を有し、またインディカ種は極めて低いカルス成長および低い 再生能を有する。インディカ種は、一般に商業的には最も望ましい品種である。
上記の方法により製造される形質転換植物はジャポニカ種であった。ルオおよび ウールuo and Wu)の文献、Plant Mo1ec、 Biol、、  1989. 7 (1)、 I)I)、 69−77は、その花粉管路実験に おいて1種のインディカ品種を含んでいた。しかし、報告された正の形質転換の 結果は再現されておらず、従って確認できない。ダッタ(Datta)等は、B iotechnology、 1990.8. pp、 736−740におい て、インディカ型の原形質体からの植物の再生のためのPEG−媒介形質転換プ ロトコールを確立した。
サザン分析および酵素アッセイは、外来遺伝子が安定に組み込まれ、かつその子 孫に継承されることを明らかにしている。しかし、この方法は1種の特定の商業 的に価値の低いインディカ品種に対して実施されたに過ぎない。これが、形質転 換植物を与えるインディカ稲植物に関してこれまでに実施され報告された唯一の 方法である。一般に、インディカ品種を再生する再現性のある系の開発について 多大な努力がなされてきたが、この様な方法は今のところ報告されていない。
稲は成熟胚のアグロバクテリウム(Agrobacterium)感染を介して 形質転換されている。初期に広範に利用された植物遺伝子工学技術は、土壌に生 息する微生物アグロバクテリウムツメ77シエンス(Agrobacteriu m tumefaciens)の、その正常な病理過程としての、そのDNAの 一部を植物細胞中に導入する能力に基づくものであった。ある方法によりこのバ クテリア中に外来遺伝子を挿入した場合、このアグロバクテリウムを植物に該外 来遺伝子を移入するのに利用できる。ヱχ三バクテリウムの形質転換法は多(の 植物(その殆どは双子葉植物である)に対しを必要とすることから、制限される 。植物ラインはその組織培養の容易性および再生法に依存して変化する。単子葉 植物、例えば稲は、特にアグロバクテリウム−媒介形質転換用には向かないもの である。しかし、ライネリ(Raineri)等は、Biotechnolog y、 1990.8. I)p、 33−38において、稲組織のアグロバクテ リウム−媒介形質転換を報告し、これをDNAハイブリダイゼーション分析によ り確認している。このインキュベートした胚は腫瘍形成性カルス組織を形成した 。これから再生された植物は報告されておらず、これらの組織から植物を再生す ることは不可能であるものと思われる。
新しい形質転換法の1つは、遺伝子物質を担持する加速粒子を植物細胞または組 織に衝突させることにより形質転換植物を生成することを試みている。この方法 の有用性の第一の指標は、DNA構築物がタングステン粒子上に被覆でき、加速 してタマネギ表皮に導入でき、該遺伝子が一時的に発現されたという事実であっ た(米国特許第4.945.050号)。加速粒子形質転換法の開発における1 つの問題は生殖系植物の形質転換体を得ることが困難なことにある。該「生殖系 形質転換(germline transformation) Jとは、親植 物組織に該粒子と共に挿入された該外来核酸構築体を、その子孫が継承するよう に植物の生殖細胞を形質転換することを意味する。植物の遺伝的形質転換はこの 加速粒子法により達成された。米国特許第5.015.580号は大豆植物およ び植物ラインの生殖系形質転換を記載している。
この公開特許出願に記載された一方法は、DNA−被覆粒子を加速して大豆植物 の切開した胚軸中に導入することである。該衝撃を受けた大豆の胚軸を高サイト カイニン培地で処理した場合、苗条が該処理された胚軸から誘発される。該苗条 を培養して完全大豆植物とした場合、該植物の有意な割合が形質転換された生殖 系を有するであろう。粒子衝撃と同様に、エアーガン装置を使用した稲の形質転 換も試みられている。オード(Oard)等は、Plant Physiol、 、 1990.92. pp、 334−339において、稲の胚のカルスを衝 撃した場合の一時的な遺伝子発現を報告している。
しかし、粒子−媒介形質転換の努力に対しては、生殖系形質転換体植物を得るよ りも、カルス中に一時的な活性を得る方がずっと容易である。
植物分子生物学の分野は形質転換されたインディカ型稲植物を製造する効果的な 方法を必要としている。この方法は最適には原形質体の培養および再生に依存せ ず、遺伝子型に独立であるべきであり、かつ形質転換された子孫を生成する生殖 系形質転換体を容易に生成するものであるべきである。同一の手法がジャポニカ 品種にも適用可能であることが最も望ましい。
発明の概要 本発明は形質転換された稲植物および形質転換されたインディカ型稲植物両者の 製法に関する。この方法は核酸構築体の複製物の調製から出発する。これらの複 製物を生物学的に不活性な担体粒子上に被覆する。本発明の一態様においては、 該核酸で被覆した担体粒子を未成熟の稲胚に向けて物理的に加速する。もう一つ の態様において、盤状組織を稲の苗の分裂組織から切り取る。これらの盤状組織 を該核酸で被覆した担体粒子による衝撃に付す。該衝撃を受けた胚および盤状組 織両者を培養して苗条を生成する。これらの苗条を完全な性的に成熟した植物に 育成する。該核酸構築体の存在は該苗条または該性的に成熟した植物の何れかに おいて確認される。
本発明の一つの目的は形質転換されたインディカ型稲植物を製造することにある 。
本発明のもう一つの目的は形質転換された子孫をもつインディカ型稲植物を製造 することにある。
本発明の方法の利点の一つは、全ての稲の変種に対して好結果を与えることにあ る。
本発明の方法のもう一つの利点は、再生プロトコールがより一層遺伝子型依存性 である原形質体培養または胚懸濁培養に依存しないことである。
本発明の他の目的、利点、並びに特徴は明細書の以下の記載を添付図に照らして 考察することにより明らかとなろう。
図の説明 第1図は本発明において有用な粒子加速装置の拡大した模式的な図である。
第2図は第1図に示した装置の平面図である。
第3図は実施例で使用するプラスミドpcMc2114を説明するための図であ る。
好ましい態様の説明 本発明は形質転換された稲植物を得る方法に関する。一般的な方法は、分裂組織 に衝撃を与えて、生殖細胞系の形質転換を達成することであった。分裂組織は該 植物細胞が分裂している組織である。草および関連単子葉類、例えば稲は葉の付 着領域である部近傍の分裂性の組織である。稲の胚も分裂性細胞を含む。
粒子媒介遺伝的形質転換法において、処理した細胞の内の少数のみが形質転換さ れることが分かるであろう。従って、この方法の困難な部分は形質転換体細胞ま たは植物の同定または選別である。この問題のために、要人かの研究者は、あら ゆる再生植物が単一の細胞から生じ、結墨としてキメラ植物の生成を回避すると いう理論に基いて、単一の細胞系、例えば原形質体を使用したあるいは懸濁培養 による研究を行った。しかしながら、このような単一の細胞系の使用は、ある種 の遺伝子型の稲のみがこのような培養により再生できるに過ぎないという重大な 欠点を有する。
もう一つの方法は加速DNA−担持担体粒子を分化した組織中に導入することで あり、これが本発明で使用する方法である。この方法は単一細胞培養に依存せず 、従って遺伝子型に対して独立である。この方法による理論的な欠点はキメラ事 象が支配的となる可能性があることであり、このことは任意の生殖細胞系形質転 換事象の同定またはその探索を困難にする。驚くべきことに、分枝系生殖細胞形 質転換体の苗条が、衝撃を与えた分裂性稲組織から実質的な頻度で回収できるこ とが分かった。
本発明の一態様においては、未成熟稲胚が標的組織である。この胚を核酸被覆粒 子による衝撃に付して胚形成性のまたは器官形成性のカルスの形成を誘発させ、 形質転換植物を該カルスから再生する。胚形成により生成した植物から、分校生 殖系形質転換植物が妥当な頻度で見出された。本発明の第二の態様においては、 盤状組織を種の苗の分裂組織部分から切り取る3、これらの分裂性盤状組織を培 養し、次いで核酸で被覆した粒子による衝撃を与える。これら両態様において、 衝に成熟した植物において確認することができる。
A、 稲胚および分裂性盤状組織の調製■、胚の調製 本発明の第一の態様においては、未成熟の稲胚を単離する必要がある。稲種子を 成熟稲植物の穂から単離し、滅菌処理する。胚盤(子葉)および苗条/根軸から 構成される稲の胚を、胚乳を除去することにより種皮から切り取った。好ましく は、未成熱狂を切り取る。用語「未成熟」により、該胚が長さ約0.5m〜1. 5mを有する、開花から約10−18日のものであることを意味する。成熱狂も 本発明において使用できるが、これら胚を培養することはより困難である。極未 成熟の胚も使用できるが、該胚のサイズはその取扱いを困難にし、胚は噴射によ りより一層容易に損傷を受け、かつこのような小さな胚は、一時的な発現実験に おいて付け(preeonditioning) Jとは、切り取られた組織を 形質転換の直前に胚の培養を容易にする培地上に配置することを意味する。いま のところ明かでない理由のために、この予備的な条件付けはこの形質転換工程の 効率を増大し、この処理なしに得ることのできる以上に多くの形質転換体数を与 えるように思われる。インディカ品種にとって適した培地はボトリカス(Pot rykus)等によりTheor−AI)I)1゜Genet、、 1979.  54. pI)、 209−214に定義され、かつ以下の表1に記載された ようなCC培地である。この培地は塩、糖およびオーキシン、2.4−Dを含む 。我々は、典型的には、追加の2.4−Dおよびカゼイン氷解物をこのCC培地 に補充する。ジャポニカ品種に適した培地は0.5■/lの2.4−Dを含US 培地である。このMS培地はムラシゲおよびスクーグ(Murashige a nd Skoog)によりPhysiol、 Plant、 1962゜15、  Il+)、 473−497において定義されている。
典型的には、この切り取られた胚を暗所において25℃にて24〜48時間該予 備的条件付は用培地中に維持する。該胚軸を該培地に接触させ、該胚盤を露出さ せるべきである。予備的な条件付けの後、胚を上記の如く核酸で被覆した粒子に よる衝撃に付す。この予備的な条件付けは好ましいが、この予備的な条件付けを ある特定の培地上で実施することが、首尾よく形質転換を実施するための必須の 要件ではない。
一般に、粒子噴射の24〜48時間前に、この組織外植片を切り出すことに利点 があるかの如(思われる。特定の培地の使用は臨界的条件ではないように考えら れるが、切り出しかつ熟成した(24〜48時間)胚は、新たに粒子噴射された 比較胚よりも、挿入遺伝子の一時的発現活性の大幅な増加をもたらす。
表1:cc培地 KNo、 1212.0 ■/1 NH4NO3640,0■/I CaCIt −2H2o sss、o mg/lMg5o、・7H,0247, 0■/lKH,P0. 136.0 ■/1 FeSOa ・7Ht0 27.8 mg/INatEDTA 37.3 mg ハ H3BO33,1mgハ 勤S04・4H2011,15■/1 ZnS04・7Ht0 5.76 mg/IKl O,83■ハ NatMoO< −21(200,24mg/lCuSO4・5Hz0 0.0 25 mg/lCo50a 4Hz0 0.028 mg/lニコチン酸 6. 0 ■/l チアミンーMCI 8.5 ■/l ピリドキシンーHC11,0■/l グリシン 2.0 ■/l ローイノシトール 90.0 ■/l ココナツツ水” 100.0 ml/1スクロース 20.0 g/l マニトール 36.43 g/l pH(KOH) 5.8 g/1 2、4−0 2.0 ■/l 濾過滅菌 *:ギブコ(Gibco) No、 570−5180、希釈せず。
含する。ジャポニカまたはインディカ品種の何れかから分裂性盤状組織を調製し かつ再生する我々の方法には何等差異はないが、インディカ品種は僅かに高い応 答性を有するように思われる。分裂性盤状組織を得るために、成熟乾燥種籾をサ ンドペーパー処理して種皮を除去し、滅菌処理する。次いで、これらの種子を処 理して、発芽を誘発させる。苗の成長に必要な要素を与える光の存在下および温 度にて、該種子を培地上に配置する。典型的には、この条件は26℃にて16時 間の光周期である。適当な成長用培地はスクロース、カルベンシリン(Carb enci 11 in)、セホタキシム(Cefotaxim)およびベンレー ト(Benlate)を補充したl/2 MS培地である。約3インチの小さな 苗が5〜7日後に形成される。
根圏および茎頂の接合部に小さな水平の切れ目を入れることにより、これら苗か ら分裂性盤状組織を切り取る。厚み約0.5〜1.5anの盤状組織をこの接合 部から切り取ることができる。この盤状組織を細胞培養を容易にする培地、例え ば2゜4−Dおよびカゼイン氷解物を補充したCC培地上で予備的な条件付けに 付した。典型的には、これを配置した容器に純窒素を吹き込むことにより達成さ れる低酸素る。
B、核酸被覆粒子の調製 多数の核酸構築物の複製物、RNAまたはDNAを公知のクローニング生物学的 技術により調製した。用語「核酸構築体」とは種細胞中で機能できる任意のRN AまたはDNA分子を意味するものとする。適当な核酸構築体は調節シグナルを 有する単離または構築遺伝子であるか、あるいはRNAまたはDNA分子の集団 であり得る。
該核酸は稲起源のものであっても、また任意の他の種由来のものであってもよい 。
粒子−媒介形質転換法において有用であるためには、該核酸構築体は標的植物組 織中の細胞内である有用な機能を果たし得るものでなければならない。この形質 転換する遺伝子構築体は、その遺伝子物質が一種以上の生物由来のものであると いう意味から、通常はキメラ構築体であろう。この遺伝子構築体は該標的組織内 で遺伝子生成物を発現できるものであり得る。このような遺伝子生成物は典型的 には外来タンパクであるが、他の遺伝子生成物、例えば内在性植物系を阻害する ためのアンチセンスRNA構築体であってもよい。
外来遺伝子生成物は、しばしば植物細胞用の発現カセットベクター中に実現され 、その多くは当分野で公知である。典型的には、このような植物発現ベクター系 は所定の外来遺伝子のコード配列および適当な調節配列を含む。この適当な調節 配列は転写を開始し得るプロモータ配列および翻訳ターミネータを含んでいても よい。他の植物において有効であることが分かっている幾つかのプロモータおよ び翻訳ターミネータが稲においても有効である。翻訳および転写エンハンサ−を 、該プロモータと該遺伝子配列のコード領域との間に組み込むことも可能である 。
この形質転換する核酸構築体はマーカー遺伝子を含むことができ、該マーカー遺 伝子は該処理植物組織に選別またはスクリーニング能を付与できる。選別可能な マーカーは植物の形質転換事象にとって一般に好ましいが、全植物種に対して入 手できるわけではない。選別可能なマーカーは該形質転換された植物細胞の特徴 を条件付けし、該細胞は該植物組織を選別剤に暴露することにより選別可能とな る。適当な選別可能なマーカーは抗生物質または除草剤耐性遺伝子であり得、こ れらは培養中の植物の幾つかの細胞中に挿入された場合には、該マーカーはこれ らの特定の細胞に抗生物質または除草剤耐性への暴露に耐える耐性を付与するで あろう。
他の型のマーカー遺伝子は、該遺伝子が選別し得なかったとしても、組織化学的 なまたは生化学的なアッセイによりスクリーニングできるものである。このよう な植物形質転換実験において有用であることが分かっている適当なマーカー遺伝 子はCUS遺伝子である。ジェファーソン(Jefferson)等は、EMB OJ、、 1987.6゜1)p、 3901−3907において、GUSアッ セイの一般的なプロトコールを開示している。
このGUS遺伝子は、開裂の際に青色を呈する基質である5−ブロモ−4−クロ ロ−3−インドリルグルクロニドの開裂を触媒する酵素をコードする。か(して 、CUS遺伝子の使用は、植物組織の組織化学的解析による該植物組織中に導入 されたDNAの発現を検出するための便利なアッセイを与える。典型的な形質転 換法において、該植物中で発現されると思われる遺伝子は無US遺伝子とタンデ ム状に結合できる。このタンデム構築体は植物組織内で形質転換でき、生成する 植物組織は該GUS酵素の発現について分析できる。
我々の実験では、第3図に示されたプラスミドpcMc2114を使用した。こ のプラスミドはGUSをコードする遺伝子およびhr遺伝子を含む。このBar 遺伝子はある種の除草剤、例えばビアラホス(B ia Iaphos )に対 する耐性をコードし、かつ選択剤を与える。というのは、形質転換植物が該除草 剤の存在下で成長できるから必要とする。金はこの担体粒子として使用するのに 適した材料である。この担体粒子は極小さなサイズ、典型的には1〜3μのもの であって、該稲の標的細胞に対して相対的に小さなものである。本発明者および その共同研究者等は全担体粒子に対して2種の物理的形状を使用した。その一つ は公称上のサイズ範囲(μ)を有し、かつ典型的には各バッチにつき±50%で 変動する小さな球状金粒子からなる。他の形状は微結晶質の金または金粉末から なり、該金属は顕微鏡観察した場合不規則な形状のフレーク状または偏平結晶で あり、またそのサイズはかなり大幅に変動する。好ましくは、この微結晶質の金 粒子を担体粒子として使用する。
微結晶質の金粒子の好ましい源はニューシャーシー州、イーストプランスウィッ クのエンゲルハート社(Engelhart Corporation)からの 「金粉;[1570Jである。
不規則な形状の微結晶質担体粒子が球状の金粒子により達成されるよりも高い形 質転換効率を与えることが分かった。
該細胞に挿入すべき該遺伝子物質を該担体粒子に被覆する。これはDNAまたは RNA溶液を該担体粒子自体の上に沈殿させることにより容易に実施できる。適 当核酸構築体を金ビーズ上に被覆するための典型的な方法は以下の通りである。
即ち、10■のアモルファス結晶性金を1.5mlのエッペンドルフ微量遠心管 の底部に計り取る。肢管の側部に金が付着しないように注意すべきである。とい うのは、該付着はこの調製法で使用する小体積内で該金を再懸濁することを困難 にするからである。100μlのバッファーを添加し、肢管を穏やかに攪拌する 。該バッファーは150 dacl、lOm Tris−HCI(pH8,0) である。20.0MgのプラスミドDNAを該微量遠心管に添加し、肢管を5〜 IO秒間穏やかに攪拌する。100μlの0.1Mのスペルミジン溶液(遊離塩 基)をこの微量遠心管に添加し、該遠心管を攪拌する。100 μlの25%  PEG溶液(Mw1300−1600)を添加し、この管を十分に攪拌する。
このDNν担体粒子/PEG混合物を攪拌しつつ、100μlの2.5 M C aCItを肢管に滴下すべきである。攪拌を停止し、肢管を室温にて10分間イ ンキュベートする。この時点で、該核酸は溶液から該金玉に沈殿する。
DNAと担体粒子との混合物を軽く微量遠心機で回転させる。透明化した上澄を 完全に除去する。該DNAと担体粒子とからなる該沈殿を100%エタノール1 0m1中に再懸濁する。この再懸濁したDNAと担体粒子との混合物を水浴を備 えた超音波発信機で各1秒間2〜3回超音波処理する。この処方物はある期間に 渡り保存できる。次いで、得られた懸濁液を18X18anの担体シート当たり 163μlの割合で、あるいは該担体シート1(2)2当たりで計算された0、 05■なる割合で該シート上に塗布する。簡単に言えば、該金粒子は約2μg  DNA/1■粒子なる比率でDNAにより被覆され、該粒子はo、 s−i、  o■粒子/1mlエタノールの濃度で再懸濁される。
C1培養胚および分裂性盤状組織の衝撃本発明で使用する装置は、適当な数の細 胞が形質転換されるように、該核酸−被覆粒子を植物細胞中に放出できるもので なければならない。ある頻度で、該担体粒子は該稲細胞内に含まれ、かつ殆ど解 明されていない方法により、該遺伝子物質は該担体粒子を離れて該宿主種細胞の DNA内に組み込まれる。多くの型の機械的装置により、該担体粒子を加速して これを植物細胞内に挿入できる。可能なメカニズムは粒子の弾道型爆発加速、粒 子の遠心加速、粒子の静電加速、または小粒子に運動量および速度を与えること のできる他の同様な装置を包含する。
実施例で我々が使用するメカニズムは調節可能な電圧火花放電装置による粒子加 速に基づ(ものであり、該装置は標的表面に向けて平坦な担体シートを加速でき るものである。この装置を、第1図および第2図を参照しつつ更に以下に説明す る。
この粒子加速装置は第1図において、一般的に参照番号10で示されている。こ の装置は火花放電チャンバー12を含み、その内部には約1〜2[1の間隔で隔 置された2つの電極が挿入されている。この火花放電チャンバー12は、その上 端部に延びた2つの開口16および18を有する水平に拡がった矩形のものであ る。該開口16はアクセス板20により覆われている。該火花放電チャンバーの 該矩形体の該電極14とは反対側に配置された該開口18は最終的に担体シート 22により覆われることになる。
電極14は適当な調節可能な放電電位源(図示せず)に接続されている。適当な 放電電位源は1〜2μFの範囲のキャパシタを包含する。該キャパシタに導入さ れる電荷の電位は調節可能であるべきである。調節可能な電位は、i、 ooo 〜so、 oo。
Vの範囲内で調節可能な単巻変圧器を使用して、このようなキャパシタ中に容易 に導入できる。好ましくは、高電圧電気スイッチを設けて、作業者に悪影響を及 ぼすことなしに、該電極14により安全に該キャパシタを放電させる。
担体シート22は該火花放電チャンバー12の開口18上に配置される。この担 体シート22は比較的固い材料の平坦なシートであり、該材料はその上の小さな 、不活性の担体粒子を該標的表面に向けて搬送できる。好ましくは、該担体シー ト22はアルミニウム処理した、サラン(Saran)−被覆マイラーの小さな シートである。我々は他の比較的剛性の平坦な材料を該担体シート22用の材料 として使用することを意図する。この担体シート22の機能は、該電極により生 成された外側に作用する力を、均等な力で多数の担体粒子を平行に加速すること のできる広範囲に渡り水平に分布した力に転化することである。放電以外の他の 力も該担体シート22を上方に推進するために利用できる。この力は調節できる ものであって、該担体シート22の運動する力を調節できるものであるべきであ る。
再度第1図および第2図の装置を参照すると、保持スクリーン24が該開口18 および該火花放電チャンバー12の上方的15a++の位置にある。標的表面2 6が5〜25mmの範囲内の距離で該保持スクリーン24の上方に配置されてい る。該標的表面26は任意の適当な培養表面であり、その上に形質転換すべき稲 組織を容易に配置できる。我々は反転させたペトリ皿を植物組織の形質転換のた めに使用できることを見出した。ペトリ皿の底部の固体寒天を主体とする培地を 使用して、該寒天上に稲組織を配置し、そこに保持することが可能である。この ペトリ皿自体が、該寒天上に該稲組織を保持したまま標的表面として機能できる 。
DNA−被覆粒子を該担体シート22の上部に層状に配置する。この層の形成は 、該担体シート22の全上部面に担体粒子を比較的均一なパターンで分配するよ うに実施する。好ましくは、この被覆担体粒子は、該担体シー)1cが当たり該 被覆担体粒子0.025〜o、 oso■なる担持率で該担体シートに適用する 。この担体シート22は開口18上に配置される。上部に該稲組織を有する該標 的表面26を該保持スクリーン24上の所定の位置に配置する。水の小滴、好ま しくは10μmを2つの電極14間のチャンバー橋絡部に配置する。アクセスカ バー20を該火花放電チャンバー12の頂部上の所定の位置に配置する。
この時点において、この全装置を真空チャンバー内に収容し、約500 anH gに真空引きする。この真空引きに伴って、該真空チャンバー内にヘリウムを流 出させる。かくして、この真空チャンバーは大気と比較して真空となり、該真空 チャンバー内の雰囲気はヘリウムを含む。この低密度のヘリウムは、該減圧との 組み合わせで該担体シート22および担体粒子両者に作用する抗力を低下する。
同時に、該放電チャンバー12内の真空引き前に該アクセス板20および該担体 シート22が該放電チャンバー12に配置されるので、未だヘリウムにより置換 されていない純空気の高い圧力が維持されている。
この加速粒子形質転換法はこの時点で開始される。該キャパシタからの電位によ り該電極14は電気的に放電する。本発明の方法で使用する電位は10〜15k Vの範囲内にある。lO〜16kVの範囲内の電位が好ましい。この電位により 、上記した適当な電気スイッチの使用を通して放電を行う。この放電の力は該電 極14間のギャップを飛翔するスパークを発し、該電極間に配置された小さな水 滴を蒸発させる。
この蒸発力は該火花放電チャンバー12内に激しい雰囲気の衝撃波を生ずる。こ の衝撃波は該電極からその外側のあらゆる方向に放射される。該チャンバーの不 動の側部の存在のために、該放電チャンバ−12内部への放射された衝撃波の衝 撃は該担体シート22の方向に収束され、次いで極めて大きな速度で該シートを 上方に推進する。この上方に移動する担体シート22は、これが該保持スクリー ン24と接触するまで大きな力で上方に加速される。ヘリウムを含む該チャンバ ー内の残留雰囲気の移動は該担体シート22の移動を補佐する。というのは、ヘ リウムは該担体シートの飛翔並びに該担体粒子自体にそれ程高い抗力を与えない からである。
該保持スクリーン24の位置において、該担体シート22は該保持スクリーン2 4に衝撃を与え、そこで維持される。該核酸−被覆粒子は、逆に該担体シートか ら飛翔して、該標的稲組織に向かって自由に運動する。次いで、この小さな担体 粒子は該標的表面上の該種細胞に衝突し、該組繊細胞内に侵入する。
D、稲植物の再生 該衝撃を与えた胚および分裂性盤状組織から植物が生成されなければならない。
該細胞または植物の何れかのレベルで、該植物をスクリーニングまたは選別して 、形質転換された組織および植物を形質転換されていない組織並びに植物から分 離する必要がある。なぜならば、多くの粒子−媒介植物形質転換においては、該 再生された植物の大多数が非形質転換植物であるからである。例えば、pcli c2114で衝撃された稲胚および分裂性盤状組織は除草剤ビアラホスの存在下 で成長でき、結果として形質転換植物を非形質転換植物から分離できる。この選 別を実施するためには、該選別剤に連続的に暴露するか、あるいは該薬物のパル スに暴露する方法を利用できる。該植物が形質転換された生殖細胞をもつか否か を決定するために、該植物の子孫を該挿入された外来遺伝子の存在に関してアッ セイする必要がある。この選択プロトコールは多数の非形質転換体の逸出のため に完全に有効であることは立証されていない。しかし、選別の利用は依然として 有用である。
というのは、選別された植物が選択されなかった植物から再生される比率と比較 して高比率で形質転換されているであろうという意味で、この選別された植物は スクリーニングすべき潜在的形質転換植物のプールに富むからである。
1、 インディカ種の胚からの再生 まず、該形質転換細胞からカルスを誘導する必要がある。カルス誘発は植物生物 学の分野で周知である。例えば、ハートヶおよびロルツ(Hartke and  Lorz)、 J。
Genet、 & Breeding、 1989.43. I)p、 205 −214は種々のインディカ遺伝子型からの体細胞胚形成および植物再生を開示 している。2.4−Dを添加したMS培地も使用できるが、それ程最適の結果を 与えないように思われる。衝撃を与えた胚をカルス成長を促進する培地に移す。
適当な培地はIg/lのカゼイン氷解物および2■ハの2.4−Dを補充したC C培地である。適当な成育条件は暗所で25℃である。約4週間後にカルスが形 成される。
この形質転換されたカルスから苗条を誘発する必要がある。適当な苗条誘発培地 は0.05■/lのゼアチンおよび1■/lのIAAを含CC培地であるにの組 み合わせをr CCIZIJと呼ぶ)。適当な成長条件は26℃にて16時間の 光周期である。苗条は、典型的には10〜20日後に現れる。次いで、この苗条 をCCIZI上での継代培養のために分離する。これらの苗条または任意の他の 衝撃を与えたまたは形質転換した組織を該外来遺伝子の存在につきアッセイする ことができる。苗条を適当な培地、例えば20 g/lのスクロースおよび0. 5■ハのIBAを含むl/2 M適地上に植え付け、成熟稲植物に発育させる。
成熟植物を該外来遺伝子の存在につきアッセイすることができる。
2、胚形成によるジャポニカ胚からの再生ジャポニカ胚の再生はインディカ胚の 再生とかなり類似する。しかし、ジャポニカに対してはW培地よりもMSj?W 地が一般に好ましい。衝撃を与えた後、該ジャポニカ胚を0.5■ハの2.4− Dを含US培地上に配置し、カルス成長を誘発する。
約2週間後に、カルスを苗条−促進培地、例えば50gハのスクロース、2mg /lのカイネチン、l■/lのNAA、0.8%の洗浄寒天および300■ハの カゼイン氷解物を含US培地(この組み合わせをrMS” Jと呼ぶ)に移す。
適当な成長条件は26℃にて16時間の光周期である。苗条は7〜14日で発生 し、これを取り出して更に成長を促進する培地、例えば1■/夏のIAAおよび 1■ハのゼアチンを含US培地に移す。個々の苗条を根付は一状態調節(roo t−conditioning)培地、例えば20 g/lのスクロースおよび 0.5■ハのIBAを含む1/2 MS培地上に植付け、成熟植物に発育させる 。インディカ品種と同様に、形質転換組織または成熟植物を外来遺伝子の存在に つきアッセイすることができる。
変種、ジャポニカ、インディカまたはその混系とは無関係に、植物の再生は胚形 成により最も容易に実施できるが、器官形成性苗条を含むこともできる。胚形成 は、体細胞胚が接合型胚形成に類似する発育パターンにより完全な植物に発育す る過程を言う。胚形成による苗条が上記の再生プロトコールにおいて支配的であ る。この胚形成による苗条は、これらがクローンまたは非−キメラであることか ら、単一細胞原基由来のものであるようにみえる。器官形成過程は分化した組織 構造からの器官構造(即ち、苗条または根)の発育を含み、また通常はキメラ植 物を生ずる。驚くべきことに、これらカルス培養においては、胚形成による再生 が支配的であり、カリクローン形質転換胚が比較的高い頻度で再生される。
培地に移すべきである。適当な培地はMSR培地(0,38■/lのBAPおよ び0.4■/lのIOAを含US培地)であり、また適当な成長条件は26℃に て16時間の光周期である。これらの盤状組織が苗条の形成を始めた後、該盤状 組織を上記のMS“培地に移すべきである。典型的には、多数の苗条および根が 形成されるであろう。これらの苗条を、更に板形成のために0.5■/lのIB Aを含む1/2 MS培地等の板形成−促進培地に移して、成熟植物を発育させ るべきである。再生された胚に関連して、該苗条または成熟植物の何れかを該外 来遺伝子の存在につきアッセイすることができる。
温室で育成した、米国で一般的な変種であるガルフモント(GulfI!1On t)稲から種子を収穫した。この実験を実施するにつれて、ガルフモントは純粋 なジャポニカ変種の一つであるものと考えられた。後に詳述する系統情報は、こ れは正しくなく力りガルフモントはインディカおよびジャポニカ遺伝子の両者を 含む可能性があることを示した。未成熟の種子を5分間漂白剤に浸して滅菌し、 次いで5DW(滅菌蒸留水)およびCCB(カルベンシリン400■ハ、セホタ キシム100■/lおよびベノミル(benoa+yl )50■/l)の溶液 内で十分にすすいだ。該種子を包囲するほうを顕微鏡観察しつつ除去し、該種子 を再度SDIとCCBとの混合物中に入れた。これらの未成熟の種子を更に50 %漂白剤中で1分間滅菌し、SDIとCCBとの混合物中で4回洗浄した。
該未成熟胚を該滅菌した種子から切取った。これら胚の寸法は0.5〜1.5o nの範囲内にあった。該切り取った胚を胚盤と共に、2.0■/lの2.4−D およびIg/lのカゼイン氷解物を補充したCC培地上に塗り付け、次いで暗所 で25℃にて24時間保った。
24時間の予備的条件付けの後、該胚にプラスミドpcMc2114 (第3図 )で被覆した担体粒子による衝撃を与えた。本例においては、約100個の胚を 10〜16kVにて衝撃にかけた。この衝撃の2日後に、これらの外植片を、0 .5■/lの2.4−DおよびlO■/lのビアラホスを添加したMS培地上に 塗り付けた。ビアラホス選別をMS”培地上での培養全体を通じて維持した。次 いで、これらの胚をカルス誘発培地上で2週間維持した。
カルスの誘発後、該カルスをMS+培地に移し、26℃にて16時間の光周期で 生存させた。このカルスから苗条が発育した。該苗条が発育したら、1 mg/ lのIAAおよび1■/1のゼアチンを補充したMS培地上での更なる培養のた めに取り出した。
この個々の苗条を20 g/lのスクロースおよび0.5■/lのIBAを含む 1/2 NS培地上に植付けた。
100個の外植片のうち、18個の苗条が再生した。GUS組織化学的アッセイ に付した場合、3個の苗条が少なくとも部分的に正であった。1つの苗条を破壊 アッセイに付したが、−全体的に青色であった。もう一つの苗条はポリメラーゼ 連鎖反応(PcR)アッセイにおいて正の反応を示したが、生殖系形質転換体で はないと思われた。小さな部分について正のPCRアッセイを与えたもう一つの 苗条を温室から取り出し、ライスミックス(砂、ビート、パーライトおよび土の 等量混合物)中に植付けた。この植物は成長し、子孫を与えた。この植物自体( RO)は、その全ての葉においてGUSおよnAR遺伝子両者を発現することが わかった。この植物のDNAのサザンプロット分析はこれら両遺伝子に対するD NAの存在を立証した。
この結果は、この稲植物が形質転換された生殖細胞系をもつことを示す。この植 物の子孫はpCMC2114によりコードされる遺伝子生成物を発現することが 明らかとなった。第一世代(R1)におけるトランス遺伝子植物(transg enes)の分離は3:lの期待値であった。
この植物の数百側のR1子孫が現在成熟状態に達している。サザンプロット分析 はこの挿入DNAの安定な組み込みおよび遺伝を確証している。この植物は、ま たグルタミンシンターゼ阻害性除草剤の適用に対して極めて高い耐性をもつ。葉 面散布による、soo ppmの割合での除草剤パスタ(BASTA :ビアラ ホスの商品名)の適用は、肉眼的には該植物に害を与えず、該植物は成長を続け 、かつ活発性を維持する。破壊的アッセイ(GUSに対する)において、形質転 換された分校系の胚は、選別しもしくは選別なしで、該再生に付された胚の10 %〜50%の範囲で再生できた。
B、 インディカ稲胚の形質転換 本発明で実施するインディカ稲の形質転換法はジャポニカ稲の形質転換法と極め て類似する。衝撃を与えたインディカ胚を、その成長にとって最適の培地上で培 養した。
種子を、インディカ変種である温室栽培したlR54稲の穂から収穫した。これ ら未成熟種子を5分間50%漂白剤に浸して滅菌し、SDIとCCBとの混合物 中で十分にすすいだ。該種子を包囲するほうを顕微鏡観察しつつ除去し、該種子 をSDIとCCBとの混合物中に入れた。この未成熟種子を再度1分間5回の漂 白剤中で滅菌し、SDIとCCBとの混合物中で洗浄した。
0.5〜1.5閣の未成熟胚を種皮から切り出し、Ig/lカゼイン氷解物と2 ■/lの2、4−Dを補充したCIJ地(表1)上で形質転換のための予備的条 件付けした。これらの胚を25℃の暗所に置いた。この培地上で24時間維持し た後、胚に上記の如く核酸被覆担体粒子による衝撃を与えた。本例では、約10 0個の胚に10kVにてプラスミドpcMc1515で被覆した粒子で衝撃を与 えた。プラスミドpCMC1515はプラスミドpcMc2114と類似するが 、BAR遺伝子コード配列の代わりにハイグロマイシン耐性のコード配列を含む 。
衝撃を与えた後、胚を、Ig/Iのカゼイン氷解物と2■/lの2.4−Dとを 含αC培地上に置き、暗所で25℃にて4週間維持した。衝撃を与えた2日後に 、2週間のハイグロマイシン選別に課した。4週間後に、生成したカルスを、0 .05■/lのゼアチンとl■/1のIAAとを含αC培地に移し、26℃にて 16時間の光周期なる条件下においた。苗条が出現したので、ccrzi上での 継代培養のために分離した。分離した苗条は20 g/Iのスクロースと0.5 ■ハのIBAとを含有する1/2 MS培地上に植付けた。
我々は、標準的組織化学的アッセイにより、GUS活性について多数の苗条をア ッセイした。非生殖系形質転換植物が一様に再生された。生殖系形質転換植物も 同定され、これは該トランス遺伝子両者に対して正のPCRを示し、カリ全ての 細胞においてGUSを十分に発現した。
例における盤状組織を採取した稲植物はインディカ種の稲であったが、ジャポニ カ品種の稲も殆ど同一の方法で形質転換できる。乾燥種子を温室栽培した稲植物 から採取し、サンドペーパー処理して種皮を除去した。サンドペーパー処理した 種子を95%エタノールでl解洗浄して滅菌した。次いで、これら種子をカルベ ンシリン(400■/1)、セホタキシム(100■/l)、およびベンレート (0,05g/l)を含むSDI中で洗浄した。
次に、これら滅菌した種子を、1%の「アンチライフ(Antilife)Jを 添加したSDWとCCBとの混合物(上記のもの)を吸収させた。アンチライフ は、ブラポ(Bravo)(WP 50%) 10.0 g/l、ベノミル(D F 50%:) IO,Og/l、およびカプタン(CaptanXWP50% ) lo、Og/lを含有する。種子の膨化は暗所にて28℃で24時間実施し た。この膨化の後、種子を10分間50xの漂白剤中に浸した。この滅菌した種 子を5回に渡り、SDWとCCBとの混合物中で洗浄した。
この滅菌種子を、20[ハのスクロース、400■/lのカルベンシリン、10 0■/lのセホタキシムおよび0.05gハベンレートを含むl/2 MS培地 上に、胚側を上にして植え付けた。この間、小さな稲の苗が出現した。約5〜7 日後に、盤状組織を根圏および茎頂の接合部の苗領域から切り取った。これが該 苗の分裂性領域である。これらの盤状組織を、この接合部に2つの水平な切り込 みを入れることにより切り取った。厚み0.5〜1.5m+oの盤状組織が得ら れた。
これらの分裂性盤状組織を、2■ハの2.4−Dを補充したCC培地上で暗所に て24時間低酸素条件下で予備的な条件付けに付した。この24時間の予備的な 条件付けの後、該分裂性盤状組織を衝撃に付した。本例では、50個の分裂性盤 状組織をプラスミドpcMc2114 (第3図)で被覆した粒子で12〜18 kVにて衝撃した。衝撃条件は上記の通りであった。
衝撃後、該盤状組織を即座にMSR培地に移した。該衝撃した盤状組織を、26 ℃にて16時間の光周期なる条件下r−MSR培地上に基底部を下にして植付け た。約2週間後に、該盤状組織は苗条の形成を開始した。該苗条が、約3〜5日 後に5〜10anに達した時点で、全盤状組織/苗条複合体をMS”培地に移し て、1〜2週間培養した。この時点で、多数の苗条および根が形成された。次い で、この全複合体を、20 g/lのスクロースと0.5■ハのIBAとを含む 50%濃度のMS培地に移し、分離前に1週間培養した。この複合体を個々の苗 条に分離し、0.5■/lのIBAを含む1/2 MS培地に移して、更に根を 形成させた。
現在までのところ、生殖系の形質転換された植物はこの方法では得られていない 。しかし、生殖系形質転換体は、我々がこれまでに見てきた多数のキメラ植物に 基づ(ものであると予想される。衝撃処理した50個の盤状組織の内、9種の苗 条がPCRアッセイにおいて正であることが分かった。正のPCRアッセイの結 果を与える苗条を更に育成するために温室に移した。他の種および系において、 この効率でのキメラ植物の回収率は、生殖系形質転換事象の低効率での復元をも たらす。
D、形質転換体の選別 上記のジャポニカおよびインディカに対する胚復元系において、除草剤または抗 生物質のストレスによる推定形質転換体の選別および/または富化は機能的であ ると思われる。幾つかのカルス培養物を、ビアラホスを10[/l添加した胚誘 発性培地に移した。(GUSに対する)末端アッセイにより終端させた繰り返し 実験において、該カルスは多数の苗条を形成し、その多くがアッセイによれば、 クローン形質転換されていた。かくして、該選別は完全ではないかも知れないが 、復元された苗条密度の富化はこのような選別を正当化しているように考えられ る。
CaMV35S フロントページの続き (72)発明者 コツロン マット アメリカ合衆国 ライスコンシン州 53711 マディソン シー、ティー、エイチ、エムエム 2722

Claims (22)

    【特許請求の範囲】
  1. 1.(a)核酸構築体の複製物を調製する工程、(b)該核酸構築体複製物を生 物学的に不活注な担体粒子上に被覆する工程、(c)未成熟の稲胚を単離する工 程、 (d)培養した鼓胚を標的表面上に配置する工程、(e)該培養した胚に該核酸 で被覆した担体粒子による衝撃を与える工程、ここで該粒子を該標的表面に向け て物理的に加速して、該粒子の幾つかを該胚細胞の少なくとも幾つかの内部に包 含させる、(f)該衝撃を与えた胚を栽培して、該脛から苗条を発生させる工程 、(g)工程(f)で形成した該苗条を性的に成熟した完全な植物に育成する工 程、および (h)工程(f)で形成した該苗条または工程(g)で形成した該植物中におけ る該遺伝子構築体の存在を明らかにする工程、を含む形質転換された稲植物の製 法。
  2. 2.更に、(i)該核酸構築体の遺伝性を確認する工程をも含む請求の範囲第1 項に記載の方法。
  3. 3.該胚が上記工程(e)の前に、予備的条件付けされる請求の範囲第1項に記 載の方法。
  4. 4.該予備的条件付けが、オーキシンの存在下で該胚を培養することを含む請求 の範囲第1項に記載の方法。
  5. 5.切り取られる該胚の長さが約0.5〜1.5mmである請求の範囲第1項に 記載の方法。
  6. 6.該切り取られる胚がインディカ変種の胚である請求の範囲第1項に記載の方 法。
  7. 7.該切り取られる胚かジャポニカ変種の胚である請求の範囲第1項に記載の方 法。
  8. 8.該工程(f)が、各胚から胚形成カルス培養物を誘発し、かつ該胚形成カル スからの該胚を培養して苗条とすることを含む請求の範囲第1項に記載の方法。
  9. 9.該工程(f)が、選別剤に暴露することにより形質転換される再生苗条の割 合を富化する工程を更に含む請求の範囲第1項に記載の方法。
  10. 10.該選別剤か除草剤ビアラホスである請求の範囲第9項に記載の方法。
  11. 11.請求の範囲第1項に記載の方法により生成される形質転換された稻植物。
  12. 12.請求の範囲第1項に記載の方法により、稲植物の親に挿入した外来遺伝子 構築体を含むトランスジェニック稲植物。
  13. 13.(a)核酸構築体の複製物を調製する工程、(b)該核酸構築体複製物を 生物学的に不活性な担体粒子上に被覆する工程、(c)稲苗から分裂性盤状組織 を単離する工程、(d)該分裂性盤状組織を標的表面上に配置する工程、(e) 該分裂性盤状組織に該核酸で被覆した担体粒子による衝撃を与える工程、ここで 該粒子を該標的表面に向けて物理的に加速して、該粒子の幾つかを該分裂性細胞 の少なくとも幾つかの内部に包含させる、(f)該衝撃を与えた分裂性盤状組織 を栽培して、少なくとも幾つかの該衝撃を与えた分裂性盤状組織から苗条を発生 させる工程、(g)工程(f)で形成した該苗条を性的に成熟した完全な植物に 育成する工程、および (h)工程(f)で形成した該苗条または工程(g)で形成した該植物中におけ る該遺伝子構築体の存在を明らかにする工程、を含む形質転換された稲植物の製 法。
  14. 14.更に、(i)該核酸構築体の遺伝性を確認する工程をも含む請求の範囲第 13項に記載の方法。
  15. 15.該分裂性盤状組織が上記工程(e)の前に、予備的条件付けされる請求の 範囲第13項に記載の方法。
  16. 16.該予備的条件付けが、オーキシンによる処理を含む請求の範囲第13項に 記載の方法。
  17. 17.切り取られる該分裂性盤状組織の長さか約0.5〜1.5mmである請求 の範囲第13項に記載の方法。
  18. 18.該切り取られる胚がインディカ変種の胚である請求の範囲第13項に記載 の方法。
  19. 19.該切り取られる胚がジャポニカ変種の胚である請求の範囲第13項に記載 の方法。
  20. 20.請求の範囲第13項に記載の方法により生成される形質転換された稲植物 。
  21. 21.請求の範囲第13項に記載の方法により、稲植物の親に形質転換された遺 伝性の外来遺伝子構築体をゲノム中に含むトランスジェニック稲植物。
  22. 22.ゲノム中に、稲植物にグルタミンシンターゼ阻害性除草剤耐性を付与する タンパクを発現する遺伝性外来遺伝子構築体を含むトランスジェニック稲植物。
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