JPH064926Y2

JPH064926Y2 - 塗布装置

Info

Publication number: JPH064926Y2
Application number: JP1986105648U
Authority: JP
Inventors: 昭夫飯塚
Original assignee: Nissan Motor Co Ltd
Current assignee: Nissan Motor Co Ltd
Priority date: 1986-07-11
Filing date: 1986-07-11
Publication date: 1994-02-09
Anticipated expiration: 2001-07-11
Also published as: JPS6313270U

Description

【考案の詳細な説明】（産業上の利用分野）本考案はスプレーガンから吐出される塗料の色が変更さ
れる場合に、先端にスプレーガンが取付けられた塗料吐
出ホース内を洗浄し得るようにした塗布装置に関する。

（従来の技術）例えば自動車車体を被塗物として、これに中塗り塗装や
上塗り塗装を行うためには、溶剤形の塗料や水性塗料を
用いて、主としてスプレー静電塗装が用いられている。
そして、被塗物に塗布されれべき多数の色の塗料を、１
つのスプレーガンによって塗布し得るべく、塗料切替機
から所望の色の塗料をスプレーガンに供給している。ス
プレーガンに供給する塗料を選択する塗料切替機の制御
部は、従来より一般的に用いられているものと同様のも
のであり図示していないが、この制御部により例えば、
特開昭５３−９９２０６号公報や特開昭５８−１０１７
６１号公報の従来技術の説明の部分に開示されている従
来の塗料切替機（カラーチェンジャ）と同様の一般的な
動作をなし得るようになっている。つまり特開昭５８−
１０１７６１号公報の従来技術の説明の部分に開示され
ている装置と同様、制御部からの信号に基づいて選択し
た対応する色の塗料をスプレーガンに供給している。し
たがって、スプレーガンに供給される塗料などの液体の
種類が多数であっても、その中から所望の液体を選択で
きる。このように、従来から用いられている塗料切替機
では、１つのスプレーガンによって多種類の塗料を塗布
するようにしているため、吐出される塗料の色が変更さ
れる場合には、前の色の塗料が付着している塗料吐出ホ
ース内を洗浄する必要がある。

第３図は上述のように１つのスプレーガンによって多数
の種類の色の塗料を吐出するようにした従来の塗布装置
を示す図であり、塗料切替機１には、それぞれ図外の塗
料供給源に接続された多数の塗料供給ホース２と、塗料
噴出用の空気を供給するための空気供給ホース６とが接
続されている。

それぞれの塗料供給ホース２から供給された塗料のうち
特定の色の塗料をスプレーガン３に吐出するために、ス
プレーガン３と塗料切替機１との間には塗料吐出ホース
４が接続されている。そして、ある色の塗料による塗装
が終了した後に、それとは色が相違した別の塗料によっ
て塗装を行う際には、前の塗料の混入を避けるために塗
料吐出ホース４及びスプレーガン３内を洗浄する必要が
あり、その際にこれらの塗料吐出ホース４内等を洗浄す
るために、シンナー等の洗浄液を供給するするための洗
浄液ホース５が塗料切替機１に接続されている。尚、符
号８はシンナーを供給する洗浄液供給源である。

（考案が解決しようとする問題点）このような従来の塗布装置によって被塗物である車体に
塗装を行うには、第４図に示すように、スプレーガン３
を自動塗装機７に取付け、スプレーガン３を被塗物Ｗに
沿って移動せながら行う。そして、ある色の塗料を用い
て塗装を行った後に、別の車体に対してこれとは相違し
た色の塗料を塗布するには、前の色の塗料が吐出ホース
４及びスプレーガン３内に残っており、そのままでは前
の塗料と次の塗料とが混り合ってしまうために、洗浄液
ホース５から洗浄液であるシンナーを塗料吐出ホース４
内に供給している。

しかしながら、このような従来の塗布装置にあっては、
塗料吐出ホース５内を洗浄する際に、シンナーによって
塗料吐出ホース５及びスプレーガン３内の塗料が押出さ
れて捨て去られるために、塗料がその分だけ無駄となっ
ている。

そこで、ある色の塗料による塗装が終了する前に、シー
ケンス制御によってその塗料の供給を停止すると共に、
塗料吐出ホース４内の塗料を塗料切替機１に加圧空気を
供給することによって被塗物に塗布するようにすること
を本出願人は試みた。しかし、空気が圧縮性を有するこ
とから、均一の圧力で塗料吐出ホース４内の塗料を加圧
することができないという問題があった。すなわち、塗
料吐出ホース４内の塗料が減るのにつれて空気が増加す
ることにより塗料の加圧力が増し、被塗物に塗着される
塗料がしだいに厚みをまして塗装ムラが生じてしまうこ
とがある。

本考案は上記問題点に鑑みてなされたものであり、色の
変更時における塗料の無駄を排除し、塗装作業の円滑化
を達成することを目的とする。

（問題点を解決するための手段）上記目的を達成するための本考案は、それぞれ色の異な
る塗料を供給する多数の塗料供給ホースを塗料切替機に
接続し、塗料の種類と塗色に応じて異なる塗布作業開始
から終了までの所定時間の間、前記塗料を吐出して被塗
物に塗装を行うスプレーガンと前記塗料切替機との間を
塗料吐出ホースにより接続してなる塗布装置であって、
前記塗料切替機と低圧洗浄液供給源との間に接続され、
前記スプレーガンから吐出される塗料の色を変更する際
に、前記塗料吐出ホース内の塗料を所定の押出時間で押
出す低圧洗浄液を供給する第１洗浄液ホースと、前記第
１洗浄液ホースから前記塗料吐出ホース内へ前記第１洗
浄液を供給して前記塗料吐出ホース内の塗料を押出し始
めるタイミングを、塗布作業開始後、前記所定時間から
前記押出時間を差引いた時間が経過する時点として設定
する制御手段と、前記塗料切替機と高圧洗浄液供給源と
の間に接続され、前記第１洗浄液により塗料が押出され
た後に前記第１洗浄液よりも高い圧力の第２洗浄液を前
記塗料吐出ホースに供給する第２洗浄液ホースとを有す
る塗布装置である。

（作用）ある被塗物から他の被塗物に対して塗布される塗料の色
を変更するには、前記ある被塗物に対する塗布作業が終
了する前に、制御手段によってその塗料の塗料供給ホー
スからの供給を停止し、同時に第１洗浄液ホースからの
第１洗浄液を塗料吐出ホースに供給する。これにより、
この洗浄液によって塗料吐出ホース内の塗料は押出され
て被塗物に塗布されることとなる。前記した被塗物に対
する塗布作業が終了するとほぼ同時ないしこの直後に、
塗料吐出ホース内の塗料がスプレーガンから吐出を終了
する。これにより、塗料の色を変更する際には、吐出ホ
ース内等に残った塗料をほとんど廃棄する必要がなくな
り、塗料を節約することが可能となる。そして塗料の種
類と塗色によって、第１洗浄液を供給するタイミングが
制御手段により設定されるので、どのような塗料に対し
ても吐出ホース内に塗料が残留することはない。ある色
彩による塗装が完了したならば、第２洗浄液ホースから
供給される高圧の第２洗浄液により迅速に吐出ホース内
が洗浄される。

（実施例）以下、図示する本考案の一実施例について説明する。第
１図は本考案の塗布装置の一実施例を示す図であり、前
記従来例の塗布装置と共通する部材には同一の符号を付
してある。

塗料切替機１にはそれぞれ塗料を供給するための符号２
ａ〜２ｄで示す例えば内径９mm〜１０mm程度の多数の塗
料供給ホース２が接続され、これらの塗料供給ホース２
のいずれかのホースからの塗料をスプレーガン３に案内
するために、スプレーガン３と塗料切替機１の間には、
塗料吐出ホース４が接続されている。このスプレーガン
３は第４図に示す場合と同様、自動塗装機７に取付けら
れており、被塗物Ｗに沿って移動する。

塗料切替機１には、図示するように例えば内径８mm〜９
mm程度の第１と第２の２本の洗浄液ホース１０、１１が
接続されている。一方の第１洗浄液ホース１０は低圧用
の洗浄液ホースとなり、低圧洗浄液供給源１０ａに接続
されており、他方の洗浄液ホース１１は高圧用の洗浄液
ホース１１となり、高圧洗浄液供給源１１ａに接続され
ている。低圧の洗浄液ホース１０から供給された洗浄液
は、スプレーガン３から吐出された塗料の色を変更する
際に、例えば内径８mm〜９mm程度の塗料吐出ホース４内
及びスプレーガン３（この例は口径１．２mmを使用す
る）内の塗料を押出すための洗浄液であって、一方の洗
浄液ホース１０には、供給量を制御するための流量制御
装置１２が設けられ、この流量制御装置１２は、制御盤
１３からの信号によって作動するようになっている。こ
れらの流量制御装置１２と制御盤１３とによって制御手
段１４が構成される。

この制御手段１４は、スプレーガン３から吐出される塗
料の色を変更するタイミングを設定するものである。こ
のタイミングは、たとえば第２図において符号Ａで示さ
れる領域に塗料を塗布するのに要する所用時間から、塗
料吐出ホース４内に残った塗料の塗料に要する時間つま
り符号Ｄで示される領域に塗料を塗布するのに要する押
出時間を差引いて求まる差引時間により設定される。こ
の場合、塗布開始時から差引時間が経過した時点が、ス
プレーガン３がＣ点に到達するタイミング、すなわち塗
料吐出ホース４に供給するものを、塗料から低圧用の洗
浄液ホース１０から供給される洗浄液に切替えるタイミ
ングである。また、このタイミングを変化させることに
より、タイミングが経過した時点から塗装が終了する時
点までに供給する洗浄液の量を、被塗物に塗布される塗
料の種類や塗色によって相違する必要な塗布量の変化に
対応させている。ところで、塗料切替機１は、塗料吐出
ホース４に供給する塗料の種類を選択する手段であるの
で、選択された塗料の種類や塗色の違いは、この塗料切
替機１の動作状態により検知できる。

次に、第２図を参照しつつ本考案の塗布装置の作動状態
について説明する。

多数の塗料供給ホース２のうちある特定の塗料供給ホー
ス２ａからのある色の塗料が第２図に示すように被塗物
Ｗ１に塗布されており、次の被塗物Ｗ２に対してこれと
は色が相違した塗料供給ホース２ｃからの塗料を塗布す
る場合には、第２図において実線で示すようにスプレー
ガン３を移動し塗料供給ホース２ａからの塗料を塗布す
る。そして、スプレーガン３が第２図においてＣ点にま
で移動したときに、仮想線で示す残りの部分を残して、
塗料供給ホース２ａからの塗料の供給を停止させる。こ
れと同時に制御盤１３からの信号によって流量制御装置
１２を作動させて、塗料切替機１を通って塗料吐出ホー
ス４内に低圧用の洗浄液ホース１０からのシンナーを供
給する（このときのシンナーの供給量は毎分６０cc〜３
００cc程度が好ましい）。これにより、塗料吐出ホース
４内に残った前述の塗料は、シンナーによって押出され
ることとなり、その塗料は第２図において仮想線で示す
部分に塗布される。

すでに説明したように、ここでは、洗浄液供給ホース１
０からのシンナーがスプレーガン３から吐出される前
に、被塗物Ｗ１に対する塗布作業が完了するようにタイ
ミングを設定しており、塗布開始時からの経過時間が差
引時間になったＣ点の時点で塗料が低圧の洗浄液に切替
えられる。

次いで、高圧の洗浄液供給ホース１１からのシンナー
（このときのシンナーの供給量は従来一般的に行われて
いる毎分５００cc〜１２００cc程度）が低圧用の洗浄液
供給ホース１０からのシンナーよりも高圧となって塗料
吐出ホース４からスプレーガン３に吐出され、塗料切替
機１、吐出ホース４、及びスプレーガン３に供給され
て、これらの中が高圧のシンナーによって迅速に洗浄さ
れる。なお、この洗浄液の切替動作は、塗料の供給を停
止して洗浄液の供給を開始するという切替動作と同様で
あり、塗料切替機１により行われる。第２図において、
符号Ａで示される領域は被塗物Ｗ１に塗料を塗布する領
域である。符号Ｂで示される領域は塗料供給ホース２ａ
からの塗料が供給され塗布されて塗料切替機１内のホー
ス２ａ用の弁を開いておく領域である。そして、符号Ｄ
で示される領域は塗料切替機１内の塗料ホース２ａの弁
も含め、塗料供給系（２ｂ，２ｃ…）の弁は閉じ、第１
洗浄液ホース１０からの洗浄液により塗料吐出ホース４
内の塗料が押出され、被塗物Ｗ１に塗料供給ホース２ａ
の塗色が塗布される領域であり、符号Ｅで示される領域
は、第２洗浄液ホース１１からの高圧洗浄液により塗料
吐出ホース内が迅速に洗浄される領域である。

このようにして、洗浄作業がなされた後に、次の被塗物
Ｗ２に対して塗料供給ホース２ｃからの塗料が塗布さ
れ、この被塗物Ｗ２に対して塗布される塗料の色と別の
色の塗料を、この被塗物Ｗ２の次の図示しない被塗物に
対して塗布するには、上述した場合と同様にして色の変
更を行う。これにより、色を変更する際に廃棄される塗
料の量が大幅に減少し、塗料を節約することができる。

（考案の効果）以上のように、本考案によれば、従来色の変更を行う場
合に、吐出ホース内等に残っていた塗料を廃棄せざるを
得なかったが、その塗料を被塗物に対して塗布すること
が可能となり、塗料の節約をすることができる。そし
て、第１洗浄液により塗料の押出しを行うタイミングは
塗料の種類や塗色によって相違するが、そのタイミング
が制御手段により制御されるので、いかなる色彩の塗料
であっても、廃棄される塗料を確実に節約することがで
きる。このようにして従来廃棄されていた塗料が被塗物
に対して塗布された後には、第２洗浄液ホースからの高
圧の第２洗浄液により迅速に吐出ホース内等が洗浄され
ることから、塗装作業の高能率化が達成された。

【図面の簡単な説明】

第１図は本考案の一実施例に係る塗布装置を示す概略
図、第２図は本考案の塗布手順を示す側面図、第３図は
従来の塗布装置を示す概略図、第４図は被塗物に対して
塗料の塗布を行っている状態を示す正面図である。１…塗料切替機、２…塗料供給ホース、３…スプレーガン、４…塗料吐出ホース、１０…第１洗浄液ホース、１１…第２洗浄液ホース、１２…流量制御装置、１３…制御盤、１４…制御手段。

Claims

【実用新案登録請求の範囲】

【請求項１】それぞれ色の異なる塗料を供給する多数の
塗料供給ホースを塗料切替機に接続し、塗料の種類と塗
色に応じて異なる塗布作業開始から終了までの所定時間
の間、前記塗料を吐出して被塗物に塗装を行うスプレー
ガンと前記塗料切替機との間を塗料吐出ホースにより接
続してなる塗布装置であって、前記塗料切替機と低圧洗浄液供給源との間に接続され、
前記スプレーガンから吐出される塗料の色を変更する際
に、前記塗料吐出ホース内の塗料を所定の押出時間で押
出す低圧洗浄液を供給する第１洗浄液ホースと、前記第１洗浄液ホースから前記塗料吐出ホース内へ前記
第１洗浄液を供給して前記塗料吐出ホース内の塗料を押
出し始めるタイミングを、塗布作業開始後、前記所定時
間から前記押出時間を差引いた時間が経過する時点とし
て設定する制御手段と、前記塗料切替機と高圧洗浄液供給源との間に接続され、
前記第１洗浄液により塗料が押出された後に前記第１洗
浄液よりも高い圧力の第２洗浄液を前記塗料吐出ホース
に供給する第２洗浄液ホースとを有する塗布装置。