JPH0648993B2 - インシュリンの製造方法 - Google Patents

インシュリンの製造方法

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JPH0648993B2
JPH0648993B2 JP61060995A JP6099586A JPH0648993B2 JP H0648993 B2 JPH0648993 B2 JP H0648993B2 JP 61060995 A JP61060995 A JP 61060995A JP 6099586 A JP6099586 A JP 6099586A JP H0648993 B2 JPH0648993 B2 JP H0648993B2
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Description

【発明の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 本発明は生合成インシュリン前駆体からのヒトインシュ
リンの調製に関する。
〔従来技術〕
ヒトインシュリンは2つのペプチド鎖、すなわち21個
のアミノ酸残基を含むA鎖と30個のアミノ酸残基を含
むB鎖からなる。A鎖とB鎖は、それぞれA7とB7お
よびA20とB19のシスティニル基を結ぶ2つのジス
ルフィド橋により一緒に結合している。第三のジスルフ
ィド橋がA6とA11のシスティニル基の間に形成され
る。
ヒトインシュリンはプレプロインシュリンの形で膵臓に
おいてインビボ生産される。プレプロインシュリンは、
24個のアミノ酸残基のプレペプチドとこれに続く86
個のアミノ酸残基とからなり、次の構成:プレペプチド
−B−Arg−Arg−C−Lys−Arg−A(Cは
31個のアミノ酸残基のC−ペプチドである)を有する
ものである。
小島細胞からの排出の間、プレペプチドが開裂除去し次
いでプロインシュリンはジスルフィドが折りたたまれて
ジスルフィド橋を形成する構造となる。C−ペプチド
は、次いでタンパク質加水分解で削除され成熟したヒト
インシュリンになる。
幾つかの試みがインシュリン製造、特に組換えDNA技
術を用いたヒトインシュリンの製造についてなされてき
た。ヨーロッパ特許出願公開第0055945A号で
は、大腸菌からのプロインシュリンまたはミニプロイン
シュリンの調製が記載されている。この方法は、キメラ
ポリペプチドの発現、このキメラポリペプチドのインビ
トロ開裂およびA鎖−B鎖間のジスフィド結合のインビ
トロ形成とA鎖−B鎖間の橋かけ鎖の削除によりヒトイ
ンシュリンを得ることからなる。ヨーロッパ特許出願公
開第68701号には、大腸菌の形質転換によりいくら
か短かくしたC−ペプチドで変性されたプロインシュリ
ンの調製が提案されている。
上記方法は、主として、大腸菌を形質転換微生物として
使用するという事実に由来する幾つかの欠点を有する。
発現産物は細胞から分泌されるだけでなく大腸菌宿主微
生物において細胞内に蓄積される。しかしながら、プレ
プロインシュリンまたは変性されたプレプロインシュリ
ン型の発現したポリペプチド産物の蓄積は、発現産物の
酵素分解の危険性を増加する。さらに、プロセッシン
グ、折りたたみおよびジスルフィド橋の確立は明らかに
インビトロで行なわねばならない。
哺乳動物ポリペプチドの発現に対しより都合の良い系は
真核生物細胞であると思われ、真核生物特に酵母におい
て外来遺伝子を発現させる幾つかの試みがなされてき
た。酵母におけるインターフェロンの発現はヨーロッパ
特許出願公開第0060057A号に記載され、酵母と
異種のタンパク質の酵母における発現と分泌はヨーロッ
パ特許出願公開第0088632A号、同第00620
1A号および同第0123544A号に記載されてい
る。
酵母における“プレ”−プロインシュリンの発現方法お
よび発現した“プレ”−プロインシュリンのプロセッシ
ングと分泌方法はヨーロッパ特許出願公開第01218
84A号に記載されている。しかしながら、プロインシ
ュリン型のインシュリン前駆体は酵母において酵素分解
を受けやすく、その結果、もしあるとしても分泌された
プロインシュリンまたは成熟インシュリンが非常に低い
収率で得られるだけであるということが出願人により示
されている。酵母においてはヒトプロインシュリンおよ
びいくらか短かくしたC−ペプチドを有するプロインシ
ュリン類似物がC−ペプチド領域の側方に位置する2つ
の二塩基性配列で酵素分解を特に受けやすいということ
が示されている。明らかにこれらの開裂はS−S橋の確
立前に生じ、その結果、C−ペプチド、A鎖およびB鎖
が形成される。
〔発明の目的および構成〕
本発明の目的は、A部分とB部分の間に正しく位置した
ジスルフィド橋を有しながら酵母において高収率で発生
し、ヒトインシュリンへ容易に転化されうるインシュリ
ン前駆体を提供するものである。
プロインシュリン型の幾つかのインシュリン前駆体(プ
ロインシュリンを含む)が研究されてきている(表1参
照)。当該前駆体をコードするDNA配列を酵母ベクタ
ー系へ挿入し、上記の技術および後述する技術にしたが
って酵母へ形質転換する。インシュリン前駆体をコード
する遺伝子は、前駆体遺伝子の上流側で融合する酵母識
別性分泌シグナルおよびプロセッシングシグナルをコー
ドするDNA配列を有する。この研究において、リーダ
ーの最後の4つの残基(Glu−Ala−Glu−Al
a)をコードする部分を除去した変性MFα1リーダー
配列が用いられる。変性されたMFα1リーダーはプロ
セッシングシグナルとして二塩基性配列Lys−Arg
を含み、これが次に前駆体をコードする遺伝子の5′−
末端と融合する。全ての構築においてリーダー配列が開
裂除去され、すなわち全てのインシュリン前駆体遺伝子
の上流の二塩基性配列Lys−Argで開裂が生じるこ
とが見い出された。しかしながら、C−ペプチドまたは
変性されたC−ペプチドの測方に位置する2つの二塩基
性配列を含むすべてのインシュリン前駆体構築物におい
て、正しくジスルフィド橋が位置する以前に両方の二塩
基性部位でプロセッシングが見られ、発酵液から一本鎖
の非プロセス前駆体分子が単離されなかった。したがっ
て酵母はプロインシュリン型のインシュリン前駆体製造
用発現型系とし使用することができない。
驚くべきことに、ここにおいて、ヒトインシュリンのA
鎖とB鎖を1つの二塩基性配列でのみ結合したとき(表
1の構築物7−10)、酵母において二塩基性配列での
開裂が起こらず、ジスルフィド橋が正しく位置した一本
鎖インシュリン前駆体が当該インシュリン前駆体をコー
ドするDNA配列で形質転換された酵母株から発酵液中
で高収率にて得られるということが見い出された。本発
明は、前駆体をコードする遺伝子の上流に位置するリー
ダー配列でLys−Argでの完全開裂が見られるの
で、より一層驚くべきものであろう。
A鎖とB鎖の間に1つの二塩基性配列を含むこの種のイ
ンシュリン前駆体は後述するようにインビトロ消化によ
りヒトインシュリンへ簡単に転化することができるの
で、本発明はヒトインシュリン製造のための経済的に魅
力のある方法を提供するものである。
第一に、本発明は、次式I: B−X−Y−A (I) (式中、BおよびAはヒトインシュリンにおけるように
架橋結合したヒトインシュリンのB鎖およびA鎖であ
り、XおよびYはそれぞれリシンまたはアルギニン残基
を表わす。)で表わされる新規インシュリン前駆体を提
供するものである。
上記式(I)のインシュリン前駆体は、B−Lys−L
ys−A、B−Lys−Arg−A、B−Arg−Ly
s−AおよびB−Arg−Arg−Aであり、最初の2
つが最も好ましい。
本発明の第二の点によれば、酵母における前記インシュ
リン前駆体の製造方法を提供するものであり、この方法
により、インシュリン前駆体をコードするDNA配列か
らなる発現ビヒクルを適当な培養基で培養し、この培養
基からインシュリン前駆体を回収する。
このように形質転換された酵母株を培養すると、本発明
による4つのインシュリン前駆体の全てが高収率で培養
液から単離され、特にB−Lys−Lys−AとB−L
ys−Arg−Aが高収率で発現する。したがって、発
現レベルの点から、これら2つの前駆体が好ましいもの
であろう。
発現産物を単離し、インシュリン免疫反応性物質(IR
I−ペプチド)を精製し、そして微量配列分析により特
性を決定した。上記式(I)の前駆体が、3つのジスル
フィド橋により次の1/2システイン残基:A6−A1
1、A7−B7、A20−B19が連結された一本鎖分
子であること、すなわち酵母においてヒトインシュリン
と比較してジスルフィド橋を正しい位置に有する前駆体
が発現することが見い出された。新規インシュリン前駆
体の構造を図1に示す。
本発明はさらに、酵母宿主において上記インシュリン前
駆体を効率良く製造するためならびに栄養培地へこの前
駆体を分泌するための新規発現ビヒクルを提供するもの
である。発現ビヒクルは、酵母宿主において安定に維持
される複製系、上記式(I)のインシュリン前駆体をコ
ードするDNA配列およびプロモーターならびにターミ
ネーター配列からなる。
発現ビヒクルは、所望産物をコードするDNA配列の上
流に、発現産物を酵母分泌系へ向けさせそして増殖培地
へ発現産物を分泌するのを確実にする予備領域(preregi
on)を含んでもよい。この予備領域は、分泌をもたらす
天然産生シグナルもしくはリーダーペプチドまたは合成
配列であってよく、一般に、分泌の間所望産物から開裂
し培養液からただちに単離される成熟産物を残す。
酵母に対し、非常に適したリーダー配列は酵母MFα1リ
ーダー配列である〔クルジャン,ジェイ.(Kurjan,J.)
とヘルスコウィッツ,アイ.(Herskowitz,I.)、Cel
l 30、(1982)、933−943〕。
発現ビヒクルは宿主微生物中で複製しうるプラスミドま
たは宿主微生物染色体へ組込まれうるプラスミドでよ
い。使用するビヒクルは、それぞれ選択的開裂部位によ
り分離された所望DNA配列の繰り返し配列の発現をコ
ードする。
所望DNA配列の発現は所望産物をコードするDNA配
列に正しく位置するプロモーター配列の制御下であり、
この結果宿主微生物に所望産物が発現する。酵母宿主固
有の遺伝子からのプロモーターを使用するのが好まし
く、たとえばTPI(トリオース ホスフェート イソ
メラーゼ)遺伝子のプロモーターまたはMFα1−プロモ
ーターである。
所望産物のDNA配列の後には転写終結配列が続く。こ
の転写終結配列は、好ましくは、酵母宿主に固有の遺伝
子からのもの、たとえばTPI−遺伝子またはMFα1遺
伝子のターミネーターである。
本発明はまた上記式(I)のインシュリン前駆体をコー
ドする新規合成DNA配列を提供するものである。新規
DNA配列は化学的に合成された30量体オリゴヌクレ
オチドを用いてヒトプロインシュリン遺伝子をインビト
ロでの突然変異誘発でループアウト(loop out)し、もと
のC−ペプチドコード配列を欠失させることにより構築
される。
この型のインシュリン前駆体は、ケムラー(Kemmler)に
より記載されたプロインシュリンからインシュリンへの
インビトロ転化と同様の方法〔ケムラーら(Kemmler et
al.)、The Journal of Biological Chemistry、246
(1971)、6786−6791〕により、トリプシ
ンおよびカルボキシペプチダーゼBを用いてインビトロ
消化により、XおよびYアミノ酸残基を除去することに
よりヒトインシュリンへ転化されうる。
したがって本発明は、インシュリンを前駆体の水溶液を
トリプシンおよびカルボキシペプチダーゼBで処理し、
その後ヒトインシュリン該溶液から回収することからな
る、上記式(I)で表わされるインシュリン前駆体を成
熟したヒトインシュリンへ酵素的に転化する方法を提供
するものである。
酵素転化は、トリプシンとカルボキシペプチダーゼBが
反応混合物中に同時に存在することによる一段階法で行
なってもよい。一段階反応はほぼ中性pHにて若干高めた
温度で行なわれるのが好ましい。ヒトインシュリンの収
率は約50%である。より優れた収率は、B−X−Ar
g−A型のインシュリン前駆体を二段階で転化すること
により得られる。このような二段階転化において、最初
の工程ではトリプシンを使用し、消化産物を単離し、続
いてカルボキシペプチダーゼBで消化する。トリプシン
消化を高いpHたとえばpH11〜12の範囲でそして低温
(約4℃)で行なうことにより、ヒトインシュリンの総
収率は約80%であった。高いpHでのトリプシン消化に
おける高収率を得るために、B32に位置するアミド酸
残基(第1図参照)はアルギニンでなければならない
(式IにおいてY=Arg)。この基はいまだに主とし
て陽電荷に帯電し、トリプシン開裂を受けやすい。した
がって、酵母において高いレベルで発現し非常に高収率
でヒトインシュリンへ転化されるので前駆体B−Lys
−Arg−Aが最も好ましい前駆体であろう。
最後に、本発明は、前記式Iで表わされるインシュリン
前駆体をコードするDNA配列からなる複製可能な発現
ビヒクルで形質転換された酵母株を適当な栄養培地で培
養し、このインシュリン前駆体を培養基から回収したヒ
トインシュリンへ転化することからなるヒトインシュリ
ンの調製方法を提供するものである。
本発明は説明したトリプシンとカルボキシペプチダーゼ
Bによる転化に限定されるものではない。同様な特異生
を有する他のインビトロ酵素系が見い出される場合には
このような酵素系も同様に使用されうる。
〔本発明の構成および効果〕
1.ヒトプロインシュリンB−C−Aをコードする遺伝
子の調製ヒト膵臓から精製された総RNA〔キルウィ
ン,ジェイ.エム.(Chirgwin,J.M.)、プルジビラ,エ
−.イ−.(Przybyla,A.E.)、マクドナルド,アール.
ジェイ.(McDonald,R.J.)とラッター,ダブリェ.ジェ
イ.(Rutter,W.J.)、Biochemistry 18.(1979)5294-529
9〕を、AMV逆転写酵素と1.ストランドプライマー
としてd(GCTTTATTCCATCTCTC)を用いて逆転写する〔ベ
ール,イー.(Boel,E.)、ブースト,ジェイ.(Vuust,
J.)、ノリス,エフ.(Norris,F.)、ノリス,ケー.(Nor
ris,K.)、ウィンド,エー.(Wind,A.)、リーフェルド,
ジェイ.エフ.(Rehfeld,J.F.)とマーカー,ケー.エ
−.(Marcker,K.A.)、Proc.Matl.Acad.Sci.USA 80
(1983)、2866−2869)。ヒトプロインシ
ュリンcDNAを調製用尿素−ポリアクリルアミドゲル
精製した後、第二のストランドを、DNAポリメラーゼ
大分画と2.ストランドプライマーとしてd(CAGATCACTG
TCC)を用いてこのテンプレート上で合成する。S1ヌク
レアーゼ消化後、ヒトプロインシュリン ds.cDN
Aをポリアクリルアミドゲル電気泳動により精製し、末
端にターミナルトランスフェラーゼを付け、大腸菌にお
いてpBR 327〔ソルベロンら(Sorberon et.a1)、Gene
、(1980)、287−305〕のPstI部位で
クローンする。このプラスミドを有する正しいクローン
を、制限エンドヌクレアーゼ分析により組換え体から同
定し、ヌクレオチド配列決定により同定する〔マキサ
ム,エー.(Maxam,A.)とギルバート,ダブリュ.(Gilbe
rt,W.)、Methods in Enzymology.65(1980)、4
99−560.サンガー,エフ.(Sanger,F.)、ニクレ
ン,エス.(Nicklen,S.)とカウルソン,エー.アール.
(Coulson,A.R.)、Proc.Natl.Acad.Sci.USA、74(19
77)、5463−5467〕。
ヒトプロインシュリンcDNAクローンの単離のために
使用される1.ストランドプライマーと2.ストランド
プライマーは、ポリスチレン支持体上でホホトリエステ
ルアプローチを用いて半自動的カラム合成により合成さ
れる〔エイチ.イトー(H.Ito)、ワイ.イケ(Y.Ike)、
エス.イカタ(S.Ikata)、とケイ.イタクラ(K.Itakur
a)、Nucleic Acids Research 10、(1982)、1
755−769〕。
2.B−X−Y−Aをコードする遺伝子の調製4つのイ
ンシュリン前駆体B−Lys−Lys−A、B−Lys
−Arg−A、B−Arg−Lys−AおよびB−Ar
g−Arg−Aをコードする遺伝子は、線状ヒトプロイ
ンシュリン配列B−C−Aをコードする断片を環状の一
重らせんM−13バクテリオファジベクターに挿入し、
ヒトプロインシュリン配列をそれぞれ化学的に合成され
た30量体欠失プライマーKFN 41、KFN 4、KFN
42およびKFN 18と“万能(universal)”15量体M
13ジデオモシ配列プライマーで部位特異的突然変異
〔ケイ.ノリスら、Nucl.Acids.Pes.、11(198
3)、5103−5112〕することにより作られる。
二重らせん制限分画(Xbal-Ecor1)を部分的二重らせん環
状DNAで切り離し、PUC13またはpT5へ連結する。
大腸菌の形質転換および再形質転換により、所望の遺伝
子を含むプラスミドを有する形質転換体が同定される。
4つの突然変異欠失プライマーKFN 4、KFN 18、KF
N 41およびKFN 42は、自動DNA合成機〔アプラ
イド バイオシステムズ(Applied Biosystems)380A
型〕にて、ホスホロアミダイト化学と市販の試薬を用い
て合成される〔エス.エル.ビューケージ(S.L.Beaucag
e)とエム.エイチ.カルサース(M.H.Caruthers)(19
81)Tetrahedron Letters 22、1859−186
9〕。変性状態下にポリアクリルアミドゲル電気泳動に
よりオリゴヌクレオチドを精製する。4つの切失プライ
マーは次のようである: 3.プラスミド構築 ヒトインシュリン前駆体をコードする遺伝子を、TPI
プロモーター(TPIp)〔ティ.アルバー.(T.Alber)とジ
ィ.カワサキ(G.Kawasaki)Nucleotide Sequence of the
Triose Phosphate Isomerase Gene of Saccharomyces
cerevisiae、J.Mol. Applied Genet.1(1982)41
9−434〕、MFα1リーダー配列〔ジェイ.クルジャ
ン〔J.Kurjan)とアイ.ヘルスコウイッツ(I.Herskowit
z)、structure of a Yeast Pheromone Gene (MFα):A P
utative α-Factor Precursor Contains four Tandem
Copies of Mature α-Factor.Cell 30(1982)
933−943〕および酵母菌(S.cerevisiae)のTPI
からの転写ターミネータ配列TPITをコードする断片と組
合わせる。これらの断片(TPIT)は、インシュリン前駆体
をコードする遺伝子を高い割合で転写することのできる
配列をもたらし、ならびにインシュリン前駆体を分泌経
路へ局在化させおよび増殖培地への実際的排出を行ない
うる予備配列をももたらす。
発現プラスミドはさらに複製の酵母2μオリジン(origi
n)と選択性マーカーLEU2とからなる。
酵母におけるα−ファクターのインビボ成熟化の間、L
ys−Arg−配列を識別するエンドペプチダーゼとG
Iu−Ala残基を除去するアミノジペプチダーゼの逐
次作用により〔ジュリウス.ディ.ら(Julius,D.et a
l.)Cell 32(1983)839−852〕、α−フ
ァクター前駆体からMFαリーダーペプチドの最後(C−
末端)の6つのアミノ酸(Lys-Arg-Glu-Ala-Glu-Ala)を
除去する。酵母アミノジペプチダーゼの必要性を排際す
るために、MFα1リーダーのC−末端Glu−Ala−
Glu−Alaをコードする配列をインビトロ突然変異
を経て除去する。
好ましい構築において、変性された発現単位は安定で高
いコピー数の酵母プラスミドCPOT(ATCC NO.3968
5)へ移される。これは増殖培地中でグルコースの存在
下により簡単に選択することができる。プラスミドCPOT
はベクターC1/1に基づくが、これは最初のpBR322 B
gl1-BamH1断片をpUC13からの同様なBgl1-BamH1断片で
置換し続いてBamH1-Sal1断片としてS.pombe TPI遺伝子
(POT)を挿入してCPOTとする。C1/1はヨーロッパ特許出
願第0103409A号に記載のようにpJDB 248
〔ベッグスら(Beggs et al)、Nature 275、104
−109(1978)〕から誘導される。
4.形質転換 上記のように調製したプラスミドは、グルコース増殖を
選択することによりTPI遺伝子に欠失を有する酵母
(S.cerevsiae)株へ形質転換される。このような株は、
通常、単一の炭素源としてのグルコース増殖に不安定で
ありガラクトース乳酸培地で非常にゆっくり増殖する。
この欠陥はトリオースリン酸イソメラーゼ遺伝子におけ
る突然変異によるもので、この遺伝子の大部分を欠失さ
せ酵母(S.cerevsiae)LEU2遺伝子で再置換させることに
より得られうる。増殖欠失のために、TPIをコードす
る遺伝子を含むプラスミドに対し強い選択性がある。
5.酵母におけるインシュリン前駆体の発現 異なったインシュリン前駆体をコードするプラスミドを
含む酵母株をYDD培地〔シャーマン,エフ.ら(Sherm
an,F.et al)、Methods in Yeast Genetics、コールド
スプリング ハーバー ラボラトリィ(Cold Spring Har
bor Laboratory)1981〕で増殖する。それぞれの株
に対し、2のバッフルフラスコ中のそれぞれ1の2
つの培地を、600nmのODが約15に達する(約4
8時間)まで30℃で振とうする。遠心分離後、上清を
別の分析のために除去する。免疫反応性インシュリン
(IRI)を、構築物1−6に対する標準物として半合
成ヒトインシュリン〔ノボインダストリィ社NOVO Indus
tri A/C)〕を用いてラジオイムノアッセイ〔ヘディン
グ,エル.(Heding,L.) Diabetologia (197
2)、260−266〕により測定する。半合成ヒトイ
ンシュリンまたは当該インシュリン前駆体を構築物7−
10として用いる。インシュリン前駆体、B−Arg−
Arg−C−ペプチド−Lys−Arg−A(ヒトプロ
インシュリン)に対し、免疫反応性C−ペプチド(IR
C)の発現レベルをヒトC−ペプチドラジオイムノアッ
セイ(ヘディング,エル.ジィ.Diabetologia 11
(1975)541−548)を使用することにより測
定する。この分析において、125I−Tyr−ヒト−
C−ペプチドをトレーサーとして用い、ヒトC−ペプチ
ドとヒトプロインシュリンとに全く同じに反応するモル
モットの抗−ヒト−C−ペプチド血清、M1228〔フ
ァーバー,オ−.ケイ.(Faber,O.K.)らHoppe Seyler's
Z.Physiol.Chem.357(1976)751−757〕
を抗体として用いる。ヒトプロインシュリンを標準物と
して用いる〔クルーセ,ブイ.ら(Kruse,V.e
t al.)Diabetolgia27、(1984)414−
415〕。形質転換酵母株の発酵液における免疫反応性
インシュリンと免疫反応性C−ペプチドの発現レベルを
表1にまとめる。
菌株MT 593、MT 616、MT 655およびMT 6
60は、全て1985年1月16日にドイッチェ ザン
ムルング フォン ミクロオルガニスメン(DSM)
(グッチゲン、ドイツ国)にそれぞれ受託番号DSM 3
194、DSM 3195 DSM 3198およびDSM 3
199をもって国際寄託された。
表1から明らかなように、本発明による前駆体の発現レ
ベルとプロインシュリン型前駆体、すなわちC−ペプチ
ドまたは変性C−ペプチドの側方にある一対の二塩基性
アミノ酸を含む前駆体の発現レベルには顕著な差異があ
る。
6.インシュリン前駆体のヒトインシュリンへの転化 インシュリン前駆体のヒトインシュリンへの転化は、二
段階酵素法: により、または反応混合物中にトリプシンとカルボキシ
ペプチダーゼBが同時に存在する組合わせ一段階法のい
ずれかにより行なわれる。
上記式中および以下の明細書中、酵素開裂法のより良き
説明のために、A鎖およびB鎖間のジスルフィド橋は括
により示される。上記式中、 は一本鎖インシュリン前駆体である(図1); は、残基NO.32(LysまたはArg)と残基NO.33
(A1=Gly)の間のペプチド結合が加水分解された
2本鎖インシュリン前駆体中間体である; はヒトインシュリンである。B−X−Y−A型の残りの
式において、A鎖とB鎖は天然インシュリンにおけるよ
うにジスルフィド橋により接続されているものである。
酵素転化はインシュリン前駆体の水溶液中で行なわれ
る。トリプシン型は本発明の実施のための物質ではな
い。トリプシンは、通常ウシおよびブタ膵臓から高純度
で得られる非常に特徴のある酵素である。トリプシン様
特異性を有する酵素、すなわちプラスミン、クロストリ
ペインおよびアクロモバクターリチカス(Achromobacter
lyticus)プロテアーゼもまた使用される。
高い転化率を得るために、カルボキシペプチダーゼA活
性を含まない非常に高純度のカルボキシペプチダーゼB
を使用することが重要である。これは、市販されている
カルボキシペプチダーゼBを、たとえばアフィニティク
ロマトグラフィーまたはイオン交換クロマトグラフィに
より精製することにより達成されうる。これに代わり、
カルボキシペプチダーゼA阻害剤たとえばε−アミノ−
n−カプロン酸またはカルボベンゾキシグリシンを消化
混合物へ加えてもよい。
一段階転化は、若干高めた温度(35〜40℃)で、pH
7〜8にて行なうのが好ましい。トリプシンとカルボキ
シペプチダーゼBの濃度は約5μg/mlであり、基質濃
度は約1mg/mlであるのが好ましい。
二段階転化法において、トリプシン消化は高pHで行なう
のが好ましい。高pH(11〜12の範囲)では、インシ
ュリン前駆体分子におけるリシンアミノ酸残基(たとえ
ば図1中B−Lys−Arg−AにおけるB29−Ly
sとB31−Lys)がほとんど非荷重(リシン残基の
pkaは約9.0)であり、トリプシンでの開裂が起こら
ない。しかしながら、たとえば において、B32−アルギニン残基(pka=12)はま
だ主として陽性に帯電しており、したがってトリプシン
開裂を受けうる。B22−アルギニン残基での開裂は非
常に遅い速度で起こるだけであり、これはたぶん立体障
害に帰因するものであろう。
のトリプシン消化の間安定なpH値は、 の高収率に対し重要である。pHを11.8−11.9に
安定化する目的で幾つかの異なった緩衝液系が試され
た。通常高pH値で使用される緩衝液系HPO −−/P
−−がpH11.8で良好な緩衝能を有する。しかし
ながら、この緩衝系は3つの主な欠点を有する。第一
に、HPO −−/PO −−−溶液のpHは温度変化に
非常に敏感で、たとえば25℃から4℃への変化でpH値
が0.7pH単位減るであろう。第二に、Ca++(これ
はトリプシンの安定化のために存在している場合があ
る)が、Ca(POとCaHPOの溶解度が
比較的低いので沈でんするであろう。第三に、緩衝系H
PO −−/HPO とHPO −−/HPO
の作用のために瞬時に消化混合物を酸性化する(反応
を停止する)ことができない。その結果、この系は、酸
性化の間、一定期間中性pHとなり、この間にトリプシン
がただちに不所望産物des(B30)インシュリンを作
ることになる。これらの欠点の結果として、むしろ一般
的でない緩衝系HO/OHが使用される。この系は
上述の欠点を有さない。
へのトリプシン消化の最適条件は、 約20mg/ml、トリプシン200μg/ml;緩衝液:3
7.5mM NaOH(この結果、25℃で測定された
pHは11.86であった);温度約4℃と培養期間約8
0分である。
の収率は90.5%であった。
トリプシン転化産物 は、幾つかの一般的方法、たとえば調製用HPLC、吸
着クロマトグラフィ、およびイオン交換クロマトグラフ
ィにより精製される。
はほぼ定量的に (ヒトインシュリン)へカルボキシペプチダーゼBの消
化により転化される。この転化の最適条件は、 約5mg/ml、カルボキシペプチダーゼB約5μg/ml;
緩衝液:50mM トリス HCl、pH=9.3、温度
約37℃および培養時間約30分である。収率は の転化率99.5%であった。
インシュリン前駆体 のヒトインシュリンへの転化は、逆相高圧液体クロマト
グラフィ(HPLC)により定量的に追跡され、図8で
示される。
図8に関して、 を50mMトリス−HCl緩衝液pH=9.3に5mg/ml
の濃度に溶かし、37℃にて5μg/mlカルボキシペプ
チダーゼB(ベーリンガーBoehringer)で消化する。ア
リコートを消化混合物からt=0(A)、t=2分
(B)、t5分(C)およびt=30分(D)で除去
し、4NHClでpH=1.5に酸性化し、平衡化した5
μヌクレオシル(Nucleosil) RPC−18カラム(4
×200mm)上でHPLCにより分析し、30℃で流速
1ml/分にて33mM(NHSO、1.5mM
SO含有29.4%(v/v)アセトニトリル
で平均に溶出する。214nmでのUV吸収によりペプ
チドを検出する。30分後に転化が完了し、エタノール
を消化混合物へ加えて60%(v/v)とする。シュリ
ヒトクルール,ジェイ.ら(Schlichtkrull,J. et al.)
(1974)Horm.Metab.Res.Suppl.,Ser-5,p134−
143に記載されているようにQAE−セファデックス
(Sephadex) カラム上で陰イオン交換クロマトグラフィ
により精製する。
B:B鎖,A:A鎖,K:Lys,R:Arg。
図8から、トリプシン消化物 からの産物は、カルボキシペプチダーゼBを用いた消化
によりほとんど定量的に へ転化される。
インシュリン前駆体のヒトインシュリンへの転化は例1
0,11,および20に示され、例13ではヒトインシ
ュリンの特性決定が示される。
(実施例) 例1:B−Lys−Arg−Aの発現のための酵母 プラスミドpMT585の構築 pMT342からの4.3kb EcoRV-Xbalと3.3kb EcoR1
-EcoRV断片をpM215の0.6kb EcoR1-Xba1断片と連
結する。プラスミドpMT342は、挿入されたTPIp-MFα
1リーダーBCA−TPI−配列を有する酵母ベクタ
ーpMT212である。pMT342とpMT212の構築は、
ヨーロッパ特許出願NO.0068701A号に記載され
ている。プラスミドpM215は、プロインシュリンコー
ド配列B−C−Aを含むEcoR1-Xba1断片をp285(ATC
C NO.20681)からpUC13 〔ヴィエイラら(Viei
ra et al.)、Gene 19:259−268(1982)
によりpUC8とpUC9について記載されているように構築さ
れる〕ヘサブクローンし、続いてMFα1リーダーとプロ
インシュリンB−C−Aとの接続位置にあるGlu−A
la−Glu−Alaをコードする12個の塩基をイン
ビトロでループから外すことにより構築される。p28
5は挿入TPIp-MFα1リーダー−B−C−A−TPITを含
み、酵母株Z33(ATCC NO.20681)に付着させ
る。その構築は米国特許出願第547,748号(19
83年11月1日)に記載されている。
pMT342とpM215からの上記断片の連結により、挿
入MFα1リーダー(Glu−Ala−Glu−Alaが
除かれている)−B−C−Aを有するプラスミドpMT4
62が得られる。B−C−Aをコードする断片をB−L
ys−Arg−Aをコードする断片へ転化するために、
変形した部位特異的突然変異法(ケイ.ノリスら,前
出)を用いる。MFα1リーダー−(Glu−Ala−G
lu−Alaが除かれている)−B−C−Aをコードす
るpMT462からの0.6kb EcoR1-Xba1断片を、Xba1-E
coR1で切断したファージM13mp10RF〔メシング,ジェ
イ.(Messing,J.)とヴィエリア,ジェイ.(Vieria,J.)
(1983)未公開の結果〕DNAへ挿入する。上記Ec
oR1-Xba1挿入部を含む一重らせんM13ファージを、3
0量体欠失プライマーKFN4と“万能”15量体M13プ
ライマーd(TCCCAGTCACGACGT)(ニューイングランドバ
イオラボズ New England Biolabs)とともに培養し、9
0℃で5分間加熱し、室温までゆっくり冷却し、アニー
リングさせる。次いで部分的二重らせんDNAをd−N
TP−ミックス,クレノウポリメラーゼとT4リガーゼ
を加えることにより作る。フェノールで抽出し、エタノ
ールで沈でんおよび再懸濁後に、制限酵素Apal,Xbal,
およびEcoR1でDNAを切断する。別にフェノールで抽
出し、エタノールで沈でんおよび再懸濁後に、DNAを
EcoR1-Xba1切断pUC13に連結する。連結混合物を大腸
菌(r)株へ形質転換し、幾つかの形質転換体か
らプラスミドを調製する。プラスミド調製物をEcoR1とX
ba1で切断し、0.5kbと0.6kbの両方でバンドを示
すこれら調製物を大腸菌へ再度形質転換する。再形質転
換体から0.5kb挿入部を有するpUC13のみを有する
形質転換体を選択する。このプラスミドpMT579のEco
R1-Xba1挿入部の配列は、マキサム−ギルバート法によ
りMFα1リーダー−(Glu−Ala−Glu−Ala
が除かれている)−B−Lys−Arg−Aをコードす
ることが確認された。pMT579の構築を図2に示す。p
MT579からのXbal-EcoR1挿入部は、pMT579の0.
5kb Xba1-EcoR1断片をpT5の5.5kb Xba1-EcoR1断片
と連結することによりTPIプロモーターとTPIター
ミネーターを備えている。挿入部PTIp-MFα1リーダー
−B−C−A−TPITを有するpT5の構築を図3に示す。
得られた挿入部TPIp-MFα1リーダー−(GIu−Al
a−Glu−Alaが除かれる)−B−Lys−Arg
−A−TPITを含むプラスミドpMT583を、次いでBamH1
と部分的にSph1で切断し、BamH1とSph1で切断したCPOT
に2.1kb断片を挿入する。得られたプラスミドpMT5
85は酵母の形質転換に用いられる。pMT583とpMT5
85の構築を図3に示す。
例2:B−Arg−Arg−A発現のための酵母プラス
ミドppMT611の構築 pMT462からのB−C−Aコード断片(例1参照)
を、例1に記載した方法と同じ方法により、図5に示す
ように、30量体欠失プライマーKFN18と“万能”1
5量体M13プライマーの混合物を用いた部位特異的突
然変異によりB−Arg−Arg−Aへ転化する。プラ
スミドpMT599のEcoR1-Xba1挿入部の配列は、マクサ
ム−ギルバート法により、MFα1リーダー−(Glu−
Ala−Glu−Alaが除かれる)−B−Arg−A
rg−Aをコードすることが確認された。pMT599か
らのXbal-EcoR1挿入部は、pMT599の0.5kb Xba1-E
coR1断片とpT5の5.5kb Xba1-EcoR1断片を連結する
ことによりTPIプロモーターとTPIターミネーター
を有する。挿入部TPIp-MFα1リーダー−(Glu−A
la−Glu−Alaが除かれる)−B−Arg−Ar
g−A−TPITを含む得られたプラスミドpMT602をBam
H1と部分的にSph1で切断し、2.1kb断片をBamH1とSph
1で切断したCPOTに挿入する。得られたプラスミドpMT6
11が酵母の形質転換のために用いられる。プラスミド
pMT611の構築を図5に示す。
例3:B−Lys−Lys−Aを発現するための酵母プ
ラスミドpMT650の構築 pMT462からのB−C−Aコード断片(例1参照)
を、例1で記載した方法と同じ方法により、図6に示す
ように30量体欠失プライマーKFN 41と“万能”1
5量体M13プライマーの混合物で部位特異的突然変異
によりB−Lys−Lys−Aへ転化する。
クレノウポリメラーゼで充てんしT4リガーゼで連結
後、部分的二重らせんDNAをApal,EcoR1およびXba1
で消化させ、プラスミドpT5からの5.5kb Xba1-EcoR
1断片(例1参照)で連結する。大腸菌へ形質転換およ
び再形質転換後、挿入部MFα1リーダー−(Glu−A
la−Glu−Alaが除かれる)−B−Lys−Ly
s−Aを含むプラスミドpMT652を単離し、挿入部の
配列を上記のように確認する。
プラスミドpMT652をXba1-EcoR1で開裂し、0.5kb
断片をpMT644の7.8kb Xba1-Kpn1と4.3kbとKpn
1-EcoR1断片で連結する。得られたプラスミドpMT650
は挿入部TPIp-MFα1リーダー(Glu−Ala−Gl
u−Alaが除かれる)−B−Lys−ys−A−TPIT
を含み、さらにCPOTからのTPIコード遺伝子(PO
T)を含む。プラスミドpMT650の構築を図6に示
し、pMT644の構築を図4に示す。pMT644の構築に
用いられるプラスミドpUC12とpUC18をpUC13につ
いて記載した(ヴィエイラら、前出)ように構築する。
プラスミドp601(図4参照)は、Bg12とBamH1部
位が側方に接続する挿入部TPIp-MFα1リーダー−B′
A−TPITを含む。B′AはB(1−29)−A(1−2
1)(ここで、B(1−29)はPheB1からLys
B29までの短かくしたヒトインシュリンB鎖であり、
A(1−21)はヒトインシュリンA鎖である)を表わ
す。B′AをコードするDNA配列の構築はヨーロッパ
特許出願第0068701A号に記載されている。酵母
の形質転換にpMT650が用いられる。
例4:B−Arg−Lys−A発現のためのプラスミド
pMT658の構築 例3でpMT650について記載したようにしてただしKFN
41の代わりにKFN42の30量体欠失プライマーを
用いてプラスミドpMT658を構築する。また、さらに
直接的なpMT644の構築が選択される:インビトロ突
然変異、すなわちクレノウポリメラーゼで充てんしT4
リガーゼで連結後、部分的二重らせんDNAをApa1,Ec
oR1およびXba1で消化し、pMT644の7.8kb Xba1-Kp
n1と4.3kb Kpn1-EcoR1断片と連結する。連結混合物
を大腸菌(r)へ形質転換させ、幾つかの形質転
換体からプラスミドを調製する。0.6と0.5kbの両
方にXba1-EcrR1断片を示す1つのプラスミド調製物を大
腸菌へ再度形質転換し、0.6kbではなく0.5kbEcrR
1-Xba1断片を含むプラスミドpMT658を含む株とす
る。pMT658は挿入部TPIp-MFα1リーダー−(Glu
−Ala−Glu−Alaが除かれる)−B−Arg−
Lys−A−TPITを含む。
B−Arg−Lys−Aをコードするセグメントの配列
はマキサム−ギルバートDNA−配列法により変化す
る。pMT658の構築を図7に示す。pMT658は酵母の
形質転換に用いられる。
例5:形質転換 酵母(S.cerevisiae)株 MT501(E2-7B×E11-3C a/
α,Δtpi/tpi,Δpep4-3/pep4-3)を、YPGal(1%バク
ト酵母抽出液、2%バクトペプトン、2%ガラクトー
ス、1%酪酸)中で0D600nm0.6まで増殖する。
培養液100mlを遠心分離により採取し、水10mlで洗
い、再遠心分離し、10mlの1.2Mソルビトール、2
5mM NaEDTA pH=8.0、6.7mg/mlジ
チオトレイトール中に再懸濁する。懸濁液を30℃で1
5分間インキュベートし、遠心分離し、細胞を10mlの
1.2Mソルビトール、10mM NaEDTA、0.1
Mクエン酸ナトリウムpH=5.8、ノボザイム(Novozy
m) 234 2mg中で再懸濁する。懸濁液を30℃で3
0分間インキュベートし、遠心分離により細胞を集め、
10mlの1.2Mソルビトールと10mlのCAS(1.
2Mソルビトール、10mMCaCl2、10mM トリス
(トリス=トリス(ヒドロキシメチル)−アミノメタ
ン)pH=7.5)で洗浄し、2mlのCASに再懸濁す
る。形質転換のために、CAS−再懸濁細胞0.1mlを
ほぼ1μgのプラスミドpMT585と混合し、室温で1
5分間放置する。1mlの20%ポリエチレングリコール
4000、10mMCaCl2、10mMトリスpH=7.5
を加え、混合物をさらに室温で30分間放置する。混合
物を遠心分離し、ペレットを0.1mlのSOS(1.2
Mソルビトール、33%v/v YPGaL、6.7mM C
aCl2、14μg/mlロイシン)に再懸濁し、30℃で2
時間インキュベートする。次いで懸濁液を遠心分離し、
ペレットを0.5mlの1.2Mソルビトールに再懸濁す
る。6mlの寒天上層〔セルマンら(Sherman et al.)のS
C培地(Methods in Yeast Genetics)、コールド スプ
リング ハーバー ラボラトリィ,1981)であっ
て、ロイシンが排除され1.2Mソルビトールと2.5
%寒天を含むもの〕を52℃で加え、この懸濁液を同種
の寒天固化物とソルビトールを含む培地を有するプレー
トの表面に注入する。30℃で3日後形質転換体コロニ
ーを取り出し、再単離し、液体培地を始めるのに用い
る。このような形質転換体MT593(=MT501/pMT
585)の1つを、さらに特性決定のために選択する。
プラスミドpMT611、pMT650およびpMT658を上
記と同じ方法で酵母(S.cerevisiae)株MT501へ形質転
換し、形質転換体MT616(=MT501/pMT61
1)、MT655(=MT501/pMT650)およびMT6
60(=MT501/pMT658)を単離する。
形質転換体微生物MT593、MT616、MT655および
MT660は、出願人により、1985年1月16日に、
ドイチェ ザンムルング フォン ミクロオルガニスメ
ン(DSM)、グリースバッハストラーセ8、D−34
00ゲッチンゲンに寄託され、それぞれ参照番号DSM
3194、DSM 3195、DSM 3198およびDSM
3199を記録する。DSMは1977年のブタペスト
条約下に委任された国際寄託機関であり、前記条約のそ
れぞれ9条および11条により、上記寄託物の永続性と
公衆による入手可能性を提供する。
例6:酵母株MT 593(DSM 3194)からB−L
ys−Arg−Aの精製 酵母株MT 593(DSM 3194)をYPD培地で増
殖する。
2のバッフルフラスコ中の1の培養液をOD600nm
が15になるまで30℃で振とうする。遠心分離後、上
清815mlから発現産物を次のように単離する: リクロプレプ(LiChroprep) RP−18(メルク,商品番
号9303)のカラム(1.5×9cm)を、60%(v
/v)エタノール含有50mM NHHCO 30
mlで洗う。カラムを50mlの50mMNHHCO
平衡化する。95mlの96%エタノールを815mlの酵
母上清へ加え、混合物を一晩カラムへポンプ注入する
(流速45ml/h)。
カラムを15mlの0.1M NaCl、次いで15mlの
Oで洗い、ペプチド物質を60%(v/v)エタノ
ール含有50mM NHHCOで溶出する。溶出液
(4.5ml)を減圧遠心分離〔サバント(Savant)減圧遠
心分離〕により1.1mlまで濃縮してエタノールを除
き、容量をpH7.4にて25mM HEPES緩衝液で10m
lに調整する。サンプルを抗インシュリンセファロース
カラム(2.5×4.5cm)へ施こす。このカラムは予
めNaFAM緩衝液(ヘッディング,エル,Diabetologia
(1972),260−66)20mlと10mlの25m
M HEPES緩衝液pH=7.4で洗浄する。施用後、カラ
ムを室温で30分間放置し、その後40mlの25mM
HEPES緩衝液、pH=7.4で洗う。ペプチド物質を20
%酢酸で溶出し、溶出液のpHをNHOHで7.0に調
整する。
前記工程からの溶出液を減圧回転で250μまで濃縮
し、さらに5μウォーターズ ノバパック(Waters Nova
pak)C−18カラム(3.9×150mm)での逆相HPLC
により精製する。AおよびB緩衝液は、それぞれ、0.
1%TFA水溶液と0.07%TFA−アセトニトリル
液である。カラムを25%Bで流速0.75ml/分にて
平衡化し、ペプチドを直線状勾配物(1%アセトニトリ
ル/分)で溶出し、276nmで検出する。13.15
分の保持時間で主ピークが溶出し、このピークからのペ
プチド物質を溶出液の凍結乾燥により単離する。ペプチ
ド物質は例8で記載したように特性決定が行なわれる。
精製の各工程における収率は前記したラジオイムノアッ
セイにより決定される。表2は精製を要約する。全収率
は39%であった。
例7:それぞれ酵母株MT 655(DSM 3198)、MT
660(DSM 3199)およびMT 616(DSM 3
195)からのB−Lys−Lys−A、B−Arg−
Lys−AおよびB−Arg−Arg−Aの精製 上記記載の酵母株を予め例6で記載したように増殖し、
発現産物を例6で記載したように実質的に異なった上清
から精製する。表3に総収率をまとめる。
例8:酵母株MT 593(DSM 3194)から精製され
たB−Lys−Arg−Aの特性決定 B−Lys−Arg−Aを例6で記載のように精製す
る。ペプチドのアミノ酸組成を次のように決定する:1
39.6μg(19nmol)を110℃で24時間1
00μの6NHCl中で加水分解する。加水分解をベ
ックマン型121Mアミノ酸分析機で分析する。次のア
ミノ酸組成がみられた: 約5nmolのペプチド物質をアミノ酸配列分析する。
配列分析は、ムーディ,エイ.ジェイ.(Moody,A.J.)、
チム,エル.(Thim,L.)およびヴァルベルデ,アイ.(Va
lverde,I.)(FEBS Left.,172 (1984),14
2−148)により記載されているように、ガスフェー
ズセキュエンサー(アプライド バイオシステムモデル
470A)で行なわれる。結果は次のようである: 例9:それぞれ酵母株MT 655(DSM 3198)、MT
660(DSM 3199)およびMT 616(DSM 319
5)から精製されたB−Lys−Lys−A、B−Ar
g−Lys−AおよびB−Arg−Arg−Aの特性決
定 ペプチド物質を例6で記載したように上記の酵母株から
精製する。ペプチドを例8で記載のようにアミノ酸配列
分析へかける。配列結果(示さず)から、B鎖とA鎖を
連結する二塩基性配列は、それぞれLys−Lys(MT
655)、Arg−Lys(MT 660)およびAr
g−Arg(MT 616)であった。精製したペプチド
を例7に記載したようにアミノ酸分析にかける。アミノ
酸組成は理論どうりに見い出された(結果をB−Lys
−Lys−Aについてのみ示す)。
例10:ヒトインシュリンへのB−Lys−Arg−A
の転化(一段階法) 10mgB−Lys−Arg−Aを10mlの0.23Mト
リス−HCl 緩衝液pH=7.5に溶かす。溶液を37
℃まで加熱し、50μgトリプシン(ノボインダストリ
ィ社)と50μgカルボキシペプチダーゼB(ベーリン
ガー)の両方を100μの水に溶かしたものを加える
(0時)。反応混合物のアリコートを時間0分、2分、
10分、40分および80分で取り出す。1M HCl
でサンプルをpH2.5まで酸性化して酵素反応を停止す
る。
B−Lys−Arg−Aのヒトインシュリンへの転化を
ヌクレオシル(マーチェリーナゲル)の5μRPC−1
8カラム(4×200mm)において逆相HPLCにより
追跡する。A緩衝液はHSOでpH=3.5に調整さ
れた25%アセトニトリルからなり、B緩衝液は45%
アセトニトリル、0.15M(NHSO、1.
5mM HSOである。80%A緩衝液/20%B
緩衝液からなる混合物を用いて平均的系で行なわれる。
溶媒とカラムの温度は30℃であり、ペプチドは214
nmで検出される。
上記一段階法における最適収率はインキュベーション1
0分後に得られる。この時点で、反応混合物は、45%
ヒトインシュリン、10%Des−B30−インシュリ
ンおよび45%Arg−Ao−インシュリンからなる。
転化の収率を高めるために、二段階法が案出された(例
11)。
例11:ヒトインシュリンへのB−Lys−Arg−A
の転化(二段階法) HO 26.4mlを 471mgへ加える。混合物を4℃まで急冷し、3.0ml
の0.25M NaOHを加え、これによりインシュリ
ン前駆体を溶かす。水200μ中のトリプシン(ノボ
インダストリィ社)6gを加える。反応を5時間4℃で
行ない、4NHCl 600μを加えて停止する。H
PLC(例10で記載した方法)により測定された収率
91.5%であり、残り8.5%の主な部分は未消化 であった。生成物を、オクタデシルジメチリシリル置換
シリカ(平均粒径:15μ,孔径:100Å)のカラム
(5×25cm)にて調製用HPLCにより精製する。カ
ラムを平衡化し、流速2/hにて37%(v/v)エ
タノールを含む0.185M KCl/0.6mM H
Cl(pH=3.15)で溶出(平均)する。B−Lys
−Arg Aが4.3カラム容量で溶出し、ヒトインシ
ュリンB−30エステルの結晶化について予め記載され
た結晶化方法〔マルクッセン,ジェイ.(Markussen,J.)
(1984)“Diabetes Research Vol I, Laboratory
Methods Part B"p.403−411,レールナーとポ
ール版〕によりアルコール性プールから単離する。
結晶を凍結乾燥し、50mM トリス−HCl緩衝液
(pH=9.3)中に濃度10mg/mlにて溶解する。イン
シュリン前駆体中間体を、37℃で40時間カルボキシ
ペプチダーゼB(40μg/ml)で消化することにより
ヒトインシュリンへ転化する。この消化混合物へエタノ
ールを最終濃度60%(v/v)となるように加え、ヒ
トインシュリンを、シュリッヒトクルールら(Schlicht
Krull et al.)により、Horm.Metab.Res.Suppl.,Ser.5
(1974)134−143に記載されているように、
QAE−セファデックス(ファルマシア)カラムにおいて
陰イオン交換クロマトグラフィにより混合物から精製す
る。
精製を含む転化の異なった工程での収率を表7に示す。
例12:B−Lys−Lys−Aのヒトインシュリンへ
の転化(一段階法) B−Lys−Lys−A 10mgを例10に記載のよう
にヒトインシュリンへ転化する。HPLCから判断され
るようにヒトインシュリンの全収率は48%であった。
他の生成物は、Lys−Ao−インシュリン(42
%)、Des−B30−インシュリン(9%)および少
量の非同定化成分(1%)として同定された。
例13:B−Lys−Arg−Aから調製されたヒトイ
ンシュリンの結晶化 ヒトインシュリンを例11に記載のように調製し、次の
分析により特性決定を行なった: a)ヒトインシュリンは、尿素含有ポリアクリルアミド
ゲルにおいて塩基性ディスク電気泳動で1つのバンドの
みを示す(シュリッヒトクルールら,Horm.Metabol.Re
s.,Suppl.Ser.5(1974)134−143)。バン
ドは膵臓ヒトインシュリンとして移動する。
b)Zn++の存在下でヒトインシュリンを結晶化する
ことにより、一定形状の斜方六面体結晶が得られる(シ
ュリッヒトクルール,Acta Chem.Scand.10(195
6)1459−1464に記載の方法)。
c)ヒトインシュリンの生物学的活性をマウスの血糖消
耗試験で測定する。評価された効力は、インシュリンに
ついての第4回国際標準(the 4th International Stand
ard)を用いると28.1I.U./mg(p0.05信頼
限界:25.7−30.71.U./mg)であった。
d)ヒトインシュリンのアミノ酸組成を、6NHCl中
で24時間、48時間および96時間110℃で加水分
解後に測定し、THr.Ser.ProおよびNHについての値
を直線状回帰線(t=0)により測定する。ValとI
leの値が加水分解の不明確な時間へ外挿される。1/2
Cysの値を4Mメタンスルホン酸中で24時間加水分
解後に測定する。アミノ酸組成を表8に記す。
【図面の簡単な説明】
図1は式Iで表わされるインシュリン前駆体の構成を示
す模式図、 図2はプラスミドpMT 579の調製を示す模式図、 図3はプラスミドpMT 585の調製を示す模式図、 図4はプラスミドpMT 644の調製を示す模式図、 図5はプラスミドpMT 611の調製を示す模式図、 図6はプラスミドpMT 650の調製を示す模式図、 図7はプラスミドpMT 658の調製を示す模式図、 および 図8はB−Lys−Arg−Aのヒトインシュリンへの
インビトロ転化を逆相高圧液体クロマトグラフィーによ
り測定した結果を示すグラフである。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (56)参考文献 特開 昭56−150051(JP,A) 特開 昭57−163352(JP,A) 特開 昭59−196093(JP,A)

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】次式I: B−X−Y−A (I) (式中、BおよびAはヒトインシュリンにおけるように
    架橋結合したヒトインシュリンのB鎖およびA鎖であ
    り、XおよびYはそれぞれリジンまたはアルギニンであ
    る。)で表わされるヒトインシュリン前駆体をコードす
    るDNA配列を含む発現ビヒクルで形質転換された酵母株
    を適当な培地で培養し、インシュリン前駆体を回収し、
    酵素処理によりヒトインシュリンへ転化することを含ん
    でなるヒトインシュリンの製法。
  2. 【請求項2】前記酵素処理が、トリプシン及びカルボキ
    シペプチダーゼBによる、インシュリン前駆体を含有す
    る水溶液の処理である、特許請求の範囲第1項に記載の
    方法。
  3. 【請求項3】トリプシンとカルボキシペプチダーゼBを
    用いた一段階二元酵素処理を含んでなる特許請求の範囲
    第2項記載の方法。
  4. 【請求項4】トリプシンでインシュリン前駆体を処理し
    その後反応生成物をカルボキシペプチダーゼBで処理す
    ることからなる特許請求の範囲第2項記載の方法。
  5. 【請求項5】トリプシン処理をpH11〜12の範囲で行なう
    特許請求の範囲第2項又は第4項記載の方法。
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