JPH064802B2 - 着色液 - Google Patents

着色液

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JPH064802B2
JPH064802B2 JP61019240A JP1924086A JPH064802B2 JP H064802 B2 JPH064802 B2 JP H064802B2 JP 61019240 A JP61019240 A JP 61019240A JP 1924086 A JP1924086 A JP 1924086A JP H064802 B2 JPH064802 B2 JP H064802B2
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carbon atoms
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▲けい▼三 川口
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Description

【発明の詳細な説明】 産業上の利用分野 本発明は着色液に関する。更に詳細には、顔料を媒体に
分散させた着色液であって、筆記乃至塗布具、マニキュ
アー等の化粧具を有用な、分散安定性を向上させた着色
液に関する。
従来の技術 従来より二酸化チタン等の白色顔料を媒体に安定的に分
散させる、いくつかの試みが開示されている。例えば、
特公昭55−7871号公報には、二酸化チタンとシラ
ンカップリング剤との反応生成物を配合した筆記具用イ
ンキが記載されている。しかしながら、前記二酸化チタ
ンと着色顔料との併用系において、顔料の分離、沈降を
抑制し、ペン先乃至塗布部材(毛細間隙を備えている)
の目詰まりを抑制して安定的に流出させるための分散安
定性や攪拌等による再分散性を満足させる有効な提案は
ほとんど開示されていない。
発明が解決しょうとする問題点 二酸化チタンと着色顔料を併用する系の比較的低粘度
(25℃で100cps程度以下)の着色液として、二
酸化チタンの分離、沈降を抑制し、経時分散安定性や再
分散性を向上させると共にペン先乃至塗布部材を通過さ
せる際の目詰まりを抑制して長期間安定的に液体を流出
させる、筆記具乃至塗布具、化粧具に有用な着色液を提
供する。
問題点を解決するための手段 本発明の着色液は、シランカップリング剤及び/又はチ
タネートカップリング剤で表面処理された酸化チタン、
着色顔料、燐酸エステル系界面活性剤、樹脂及び前記樹
脂を溶解する有機溶剤を必須成分として含有してなり、
前記成分を分散させた構成を要件とする。
前記構成において、未処理の酸化チタンはルチル型、ア
ナターゼ型のいずれでもよいが、隠蔽力の点からルチル
型の方が望ましい。酸化チタンは、シリカやアルミナで
表面処理したものが一般的であるが、塗膜の光沢を助長
する性質を有する硫酸バリウムで表面処理された酸化チ
タンを用いることも有効である。通常、酸化チタンの表
面は、親水性であるので非水系溶剤のベースに適用する
場合、従来、親油性の樹脂、ポリマー、或いは脂肪酸の
金属塩で前記チタンを表面処理したものが適用されてい
るが、分散安定性の面で不充分であった。
本発明者らは、酸化チタン粒子の表面処理について種々
検討した結果、シランカップリング剤及び/又はチタネ
ートカップリング剤で表面処理された酸化チタンの適用
が本発明の目的とする着色液として有効なことを見出し
た。即ち、シランカップリング剤としては、下記一般式
(1) (R1)4-xSi(OR2)x……(1) (式中、Xは1乃至4の数、Rは炭素数1乃至18の
アルキル基、フェニル基、アルキルフェニル基及びベン
ジル基の中から選ばれるもの、Rは炭素数1乃至8の
アルキル基又はフェニル基をそれぞれ表す。)に示す如
く、アルコキシ基を1乃至4個有するシラン、フェノキ
シ基を1乃至4個有するシラン、もしくはアルコキシ基
とフェノキシ基が組み合わされたもの等から選ばれ、前
述の酸化チタンに対して0.1乃至5.0重量%(以下%で表
す)が用いられるが、更に好ましい範囲は、0.5乃至1.5
%である。
次にチタネートカップリング剤について述べる。該カッ
プリング剤の親水基として、モノアルコキシタイプ、オ
キシ酸残基、グリコール残基等のキレートタイプ、亜リ
ン酸エステルが結合したコーディネートタイプ等から選
ばれ、前述の酸化チタンに対し0.2乃至10%が用いら
れるが、より好ましくは1.0乃至5.0%の範囲である。
尚、該カップリング剤は、酸化チタンの表面処理として
でなく、溶媒中に後添加することによっても所望の性能
を得ることができる。尚、酸化チタンの粒径は、隠蔽性
効果の面から0.05〜0.5μm、より好ましくは、0.15〜
0.4μmの範囲である。
表面処理酸化チタンは、前記の酸化チタンに前記カップ
リング剤を加え擂潰機又はボールミルにて30分以上攪
拌処理するか(乾式法)、酸化チタンと同重量の水と該
カップリング剤を加えディスパーにて15分間高速攪拌
した後、120℃の恒温槽中で完全に乾燥させ、しかる
後粉砕する(湿式法)等の方法により得ることができ
る。前記の表面処理酸化チタンは、インキ組成中0.1〜
50%、より好ましくは0.5〜40%の範囲で配合する
ことができる。
燐酸エステル系界面活性剤としては、下記一般式(2)を
満足する化合物が有効である。
(式中、nは1乃至8の数、xは1乃至3の数、R
炭素数4乃至30のアルキル基、アルケニル基、アルキ
ルアリール基、アリール基、アクリル酸残基またはメタ
アクリル酸残基、Rは水素又はメチル基、Mは水素、
アンモニウム、アルカノールアミン、アルカリ金属又は
アルカリ土類金属をそれぞれ表す。) 前記燐酸エステル系界面活性剤は、着色液組成中全量の
0.1〜10%、より好ましくは0.5〜5%の配合量であ
る。
本発明の着色液に配合される着色剤は、酸化チタンの他
に、群青、紺青、弁柄、カーボンブラック等の無機顔
料、アゾ系顔料、フタロシアニン顔料、チオインジゴ顔
料、スレン顔料、キナクリドン顔料等の有機顔料、螢光
を発する染料の樹脂固溶体タイプの螢光顔料が挙げられ
る。又、必要に応じて、塩基性染料を樹脂酸で処理して
得られる油溶性染料、酸性染料のアミン塩及び酸性染料
と塩基性染料とからなる造塩体等のソルベント染料を使
用することも可能である。これらの着色剤は、着色液中
0.05〜10%、より好ましくは0.1〜5%の範囲で使用
される。
樹脂としては、ケトン樹脂、ポリアクリル酸エステル樹
脂、メタアクリル酸エステル樹脂、マレイン酸樹脂、エ
ステル化ロジン、フェノール樹脂、アミノ樹脂、ポリア
ミド樹脂、脂肪族又は芳香族炭化水素樹脂、テルペン樹
脂、クマロン樹脂、ダンマー、シェラック等の天然樹
脂、セルロース誘導体、塩化ビニール−酢酸ビニル共重
合体、スチレン−マレイン酸共重合体、ポリビニルブチ
ラール、ポリ酢酸ビニル、ポリビニルアルキルエーテル
等のビニル系重合体及び変性アルキッド樹脂等が挙げら
れる。前記の樹脂は一部が着色剤としての有機顔料の表
面処理樹脂として用いられてもよい。着色液中の樹脂量
は1〜50%、より好ましくは3〜30%の範囲の配合
が有効である。
有機溶剤としては、前記樹脂や添加剤を溶解するもので
あればよく、着色液の乾燥性の点から沸点70〜200
℃の範囲の溶剤が好ましい。トルオール、キシロール等
の芳香族炭化水素、酢酸エチル等のエステル類、メチル
エチルケトン、メチルイソブチルケトン等のケトン類、
ソトキシプロパノール、ブトキシエタノール等のグリコ
ールエーテル及びグリコールアセテート類が用いられ
る。その他に希釈溶剤として脂肪族炭化水素、脂環族炭
化水素、脂肪族アルコール等を使用することができる。
作用 酸化チタンの表面にシラン及び/又はチタネートカップ
リング剤を吸着させることにより、無機顔料の、他の着
色剤や溶剤等の有機物に対する親和性を向上させ、低粘
度域での易分散化、分散安定化に寄与する。シランカッ
プリング剤は、該構造中のアルコキシ基が酸化チタンの
表面にアルキル基を外方に配向させて化学吸着すると推
察され、これによって酸化チタン粒子を有機溶剤中で一
層なじみ易くする。チタネートカップリング剤(モノア
ルコキシタイプ、キレートタイプ、コーディネートタイ
プ等)は、いずれのタイプも前記シランカップリング剤
と同様、酸化チタンの表面に吸着されて媒体への親和性
を向上させる。
前記2種類のカップリング剤の単独または併用により、
酸化チタン表面の親油性化を促進して、酸化チタンと有
機顔料との併用系において、良好な分散体を得ることが
できる。しかしながら、本発明が主目的とする、ペン先
や塗布部材(繊維束等の集束体、連続気孔のプラスチッ
クポーラス体、軸線方向に透孔を有するプラスチック成
形体等の毛細間隙を有する液体導出体)中での酸化チタ
ンと着色顔料との分離抑制や再分散性の容易化等の面で
不充分である。
本発明者らは、前記カップリング剤の配合に加えて、着
色液中に燐酸エステル系界面活性剤を配合することによ
り、意図的に分散系を軽度の凝集系に変化させれば、前
記ペン先や塗布部材中での顔料の分離抑制、再分散性の
面で顕著な効果があることを見出し、本発明着色液を完
成するに至った。この点を説明すれば、表面親油性処理
を施した酸化チタン及び着色顔料との混合系分散系に燐
酸エステル系界面活性剤を添加して軽度の凝集を生じさ
せることにより、嵩張り効果、相対的比重の低下、液中
における粒子間の反発性の増大等の相乗効果が得られる
ため、毛細間隙を有する液体導出体中での顔料の分離に
よる隠蔽性低下が防止され、且つ液自体は長時間経時後
でも軽度の攪拌、振動で容易に再分散を可能となす。
実施例 実施例(1〜5)及び比較例(1−5)の着色液を次の
とおり調製した。尚、以下の配合例中の部はすべて重量
部である。
(1)表面処理酸化チタンの調製 所定量の酸化チタンとカップリング剤とを擂潰機により
1時間混合攪拌して、表−1の表面処理酸化チタンを得
た。
(2)白ペーストの調製 溶剤に樹脂及び必要に応じて界面活性剤を溶解させた
後、表面処理酸化チタン(表−1参照)を加え、ペース
トの2倍重量のガラスビーズ(1.0〜2.0mmφ)を用いて
1時間ペイントコンディショナーにて分散調製した。
(表−2参照) 表−3の(注)欄の説明 (注)の組成〔ピクメントレッド♯48(C.I.16
865)8.0部)、ニトロセルロースRS1/2の10.0
部、フタル酸ジブチル2.0部、n−酢酸ブチル80.0
部〕、(注2)の組成〔ピグメントイエロー♯48
(C.I.77160)25.0部、n−ブチルポリアクリ
レート37.0部、非イオン系界面活性剤1.0部、ミネラル
ターペン37.0部〕、前記組成の各ペーストは、各成分の
所定量をバンバリーミキサー又は3本ロールにて分散又
は練合して得られたチップを溶剤と共にディスパーで5
時間攪拌して調製する。
(注3)大豆油アルキッド樹脂の60%トルエン溶液
(荒川化学工業(株)製)、(注4)テルペンフェノー
ル樹脂(安原油脂工業(株)製)、(注5)燐酸エステ
ルポリオキシエチレンラウリルエーテル、(注6)燐酸
エステルポリオキシエチレンラウリルエーテルのモノエ
タノールアミン塩(第一工業(株)製)、(注7)燐酸
エステルポリオキシエチレンドデシルフェニルエーテル
(東邦化学工業(株)製) 前記した表−4筆跡の隠蔽性能比較表にみられる如く、
本発明着色液はカップリング剤で表面処理された酸化チ
タンのみの系(燐酸エステル系界面活性剤を共存させな
い)や燐酸エステル系界面活性剤は配合されているが、
カップリング剤で表面処理された酸化チタンを使用しな
い系に比較して、初期の筆跡が良好な隠蔽性を示すこと
は勿論、ペン体に着色液を含浸させた状態でキャップを
して長期間保存しても、酸化チタン、着色剤及びビヒク
ルの3成分がペン体中で常に所定比率を維持するため、
低粘度着色液を充填した、この種の着色液では従来最も
弱点とされていたペン体乃至塗布部材中での顔料の分
離、沈降現象を抑制することが可能となり、筆記具、塗
布具、化粧具等の着色液として有効である。

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】下記一般式(1)で表されるシランカップ
    リング剤及び/又はチタネートカップリング剤で表面処
    理された酸化チタン、着色顔料、下記一般式(2)で表
    される燐酸エステル系界面活性剤、樹脂及び前記樹脂を
    溶解する有機溶剤を必須成分として含有してなる着色
    液。 (R4−xSi(OR……(1) (式中、Xは1乃至4の数、Rは炭素数1乃至18の
    アルキル基、フェニル基、アルキルフェニル基及びベン
    ジル基の中から選ばれるもの、Rは炭素数1乃至8の
    アルキル基又はフェニル基をそれぞれ表す。) (式中、nは1乃至8の数、xは1乃至3の数、R
    炭素数4乃至30のアルキル基、アルケニル基、アルキ
    ルアリール基、アリール基、アクリル酸残基またはメタ
    アクリル酸残基、Rは水素又はメチル基、Mは水素、
    アンモニウム、アルカノールアミン、アルカリ金属又は
    アルカリ土類金属をそれぞれ表す。)
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