JPH0448831B2 - - Google Patents

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JPH0448831B2
JPH0448831B2 JP20245382A JP20245382A JPH0448831B2 JP H0448831 B2 JPH0448831 B2 JP H0448831B2 JP 20245382 A JP20245382 A JP 20245382A JP 20245382 A JP20245382 A JP 20245382A JP H0448831 B2 JPH0448831 B2 JP H0448831B2
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JP
Japan
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pigment
ink
water
silicon dioxide
parts
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JP20245382A
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JPS5998173A (ja
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Hitoshi Watabe
Katsuhiko Kawabata
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Pentel Co Ltd
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Pentel Co Ltd
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Publication date
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Publication of JPH0448831B2 publication Critical patent/JPH0448831B2/ja
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Description

【発明の詳細な説明】
本発明は、筆記具用水性顔料インキ組成物に関
し、特に製図用パイプ式筆記具に好適な水性顔料
インキ組成物に関するものであり、更に詳細に
は、目詰りが少なく経時的に分散安定で、ペン先
部分でのインキ乾燥後の復元性に優れ、筆跡の光
沢が少ない水性顔料インキ組成物に係わるもので
ある。 従来、筆記具に使用する水性顔料インキは経時
的に不安定であり、顔料が沈降し易く、顔料の再
分散性が悪いためカスレを生じたり、インキ切れ
が発生し、又、ペン先部分でインキが乾燥してし
まつた場合、筆記具を上下に振るだけでは復元せ
ず、筆記具を分解して洗浄しなければならないと
いう不具合があつた。その原因としては、ペン先
部分、空気調節溝などの毛細管中に顔料の粗大粒
子が沈着したり、乾燥した固型物が詰まり所謂、
目詰り現象を起こすと考えられている。 その防止方法として顔料の粗大粒子を除く方法
及び沈降防止方法が種々検討されてきたが未だ満
足できる水性顔料インキは得られていない。 更には、水性顔料インキは、製図用、版下用等
の用途に広く使用されており、筆跡の光沢を少な
くすることが要求されている。 本発明は、上述の点に鑑みなされたものであ
り、目詰りが少なく顔料の沈降を防止し、特に製
図用パイプ式筆記具に使用した場合、カスレ、イ
ンキ切れを防ぎ、ペン先部分でインキが乾燥した
場合の復元性を向上させ、更には筆跡の光沢を少
なくした水性顔料インキ組成物を提供することに
ある。 即ち、本発明は特許請求の範囲に記載したよう
に、顔料と、水と、界面活性剤とから少なくとも
なる筆記具用水性顔料インキ組成物において、疎
水処理した微粉末二酸化ケイ素を含有することを
特徴とする筆記具用水性顔料インキ組成物を要旨
とするものである。 本発明で特に重要な点は疎水処理を施した微粉
末二酸化ケイ素を筆記具用水性顔料インキに使用
することにある。従来知られている塗料等顔料分
散体においては、表面にシラノール基(→Si−
OHで示される)を持つた親水性の微粉末二酸化
ケイ素を添加して次の2点の効果を狙つている。 塗料中の顔料と微粉末二酸化ケイ素の屈折率
の差を利用して乱反射させ艶消しを行う。 親水性の微粉末二酸化ケイ素の表面基である
シラノール基の水素架橋結合力即ち非極性溶媒
中では次式の様に微粉末二酸化ケイ素同志で
三次元網目構造をつくり増粘させ分散を安定化
し、力を加えることによりこの構造がこわれる
という所謂チクソトロピー性を付与する。 又、極性溶媒、例えば水中では次式の様に微
粉末二酸化ケイ素と水とが水素結合力により結合
し、同様に分散系を増粘させ安定化させる。 本発明者等は、このことに着目し、製図用パイ
プ式筆記具用インキに塗料等と同じ親水性の微粉
末二酸化ケイ素の応用を種々検討したところ、添
加により顔料の分散の安定化及び艶消し効果は得
られた。しかしながら、塗料の場合は利点である
が、本発明の筆記具用インキとしては欠点となる
インキの増粘が矢張り起り市販の製図用パイプ式
筆記具にインキを充填して筆記してみたがインキ
の吐出が悪く筆跡がカスレたり、インキが切れた
りする不具合が発生した。この親水性の微粉末二
酸化ケイ素の添加量を少くすると顔料の分散が悪
くなり、又、艶消し効果も少くなり実用に供さな
かつた。 そこで本発明者等は、種々検討解析を行ない鋭
意研究を行つた結果、添加剤が水と水素結合をも
しくは、添加剤自身が水素架橋結合を起こさなけ
れば顔料分散系である水性インキの増粘も起らな
いのではないかという結論に達し、更に種々添加
剤を検討した結果次式で示す表面を有機ケイ素
化ハロゲン化物例えば、 式
【式】で示されるジメチルジクロ ロシランで処理して疎水性にした微粉末二酸化ケ
イ素を初めとして、種々の疎水化処理方法によつ
て疎水処理を施した徴粉末二酸化ケイ素の添加を
見い出すに至つたものである。 前述したように本発明は、疎水処理を施した微
粉末二酸化ケイ素を含有することを特徴とした筆
記具用水性顔料インキ組成物を要旨とするもの
で、本発明で特に重要な点は前述の様に疎水表面
をもつ微粉末二酸化ケイ素を顔料と共に水中に分
散させ、顔料の分散安定な、沈降の少い、乾燥し
た時の再分散性の良い、更には艶の少い、低粘度
のインキを得ることにある。 本発明において、疎水表面を持つ微粉末二酸化
ケイ素が親水性のシラノール基を表面にもつ微粉
末二酸化ケイ素の様に水素架橋結合によつて三次
元網目構造を作らないのに何故、顔料の分散安定
化が促進されるかは、定かではないが以下の通り
推察される。疎水表面をもつ微粉末二酸化ケイ素
の例として式で表わされる疎水処理微粉末二酸
化ケイ素を例に、又一般に製図用パイプ式筆記具
用インキに用いられる顔料がカーボンブラツク
(C.I.ピグメントブラツク7)であることより、
顔料としてカーボンブラツクを例に、推測する。
カーボンブラツクは、その表面が親水性であるこ
とを利用して通常分散剤として水溶性の非イオン
系界面活性剤を配位吸着させて、カーボンブラツ
ク粒子の相互の接近を防止することにより凝集沈
降を防ぐこと、及び/又は、カーボンブラツクの
表面の電荷が負に帯電していることを利用して水
中でイオン化し得る電解質型陰イオン系界面活性
剤でカーボンブラツク粒子の周囲をより強い負電
荷にして所謂電荷の雲をつくり粒子相互間に反発
を生じさせることにより、凝集沈降を防いでい
る。又、微粉末二酸化ケイ素の表面が式の様に
疎水化されていることにより、例えば水溶性の非
イオン系界面活性剤を分散剤として用いた場合
は、疎水化された二酸化ケイ素の表面は、非イオ
ン系界面活性剤の親油基部分を非常に吸着し易
く、非イオン系界面活性剤がループ型に吸着する
ことにより、非イオン系界面活性剤が配位吸着し
たカーボンブラツク粒子の接近、凝集、沈降をよ
り防止しているものと考えられ、又陰イオン界面
活性剤の場合も同様に疎水化された微粉末二酸化
ケイ素の周囲も負の電荷の雲が覆い、お互いの粒
子の反発力がより強くなり、凝集、沈降をより防
止しているものと考えられる。又、微粉末二酸化
ケイ素を添加してカーボンブラツクを分散させる
ことにおいて、通常、分散機による機械的な力の
みでカーボンブラツク凝集粒子を1次粒子迄ほぐ
しているが、微粉末二酸化ケイ素粒子の添加即
ち、粉体を粉体の中に入れることにより、よりカ
ーボンブラツクの1次粒子迄のほぐし効果を高
め、カーボンブラツクの分散も向上されているも
のと考えられる。以上顔料の例としてカーボンブ
ラツクで説明したが、顔料の種類、表面状態等に
よつて分散剤の働き方は異なり、その種類添加量
等は顔料の種類、表面状態等によつて適宜選ばれ
るものである。 本発明の効果として、カーボンブラツクを顔料
として用いた黒色の水性顔料インキを例として見
てみる。本発明のインキを市販の製図用パイプ式
筆記具に充填して、市販の黒色製図用パイプ式筆
記具用水性顔料インキと比較した所、筆跡の艶の
抑制、インキ低粘化による安定したインキの吐出
が得られ、経時的な沈降目詰りによる筆記カス
レ、インキ切れはなかつた。更に、本発明のイン
キと市販のインキとを、製図用パイプ式筆記具の
キヤツプをはずして放置してペン先を乾燥させ、
筆記具を上下に振つて筆記可能になるかどうかの
復元性で比較した所、市販のインキを用いた製図
用パイプ式筆記具は、何回振つても筆記不能で空
気調節溝よりインキが洩れて、結局分解して洗浄
しないと、筆記可能状態に復元させることはでき
なかつたが、本発明のインキを用いた製図用パイ
プ式筆記具は、数回振つただけで筆記可能にな
り、ペン先においてインキが乾燥した場合の復元
性も改良されていることが判明した。このこと
は、分散安定化における作用効果と同じ様に、イ
ンキが乾燥、凝集して行く過程において、カーボ
ンブラツク粒子と表面疎水化された微粉末二酸化
ケイ素との間に分散剤である界面活性剤が介在
し、お互いに強い反発力を保ちながら乾燥、凝集
して行くので、水分の蒸発した乾燥固型物におい
ても互いの粒子の凝集力は弱く、本発明のインキ
のごとく主として製図用パイプ式筆記具に用いる
場合においては、特にその筆記具の機構上、錘に
接合された針の摺動によつてペン先部分乾燥時の
インキの乾燥固型物が針による力学的破壊作用に
よつてより破壊され易くなり、数回の振盪によつ
てインキがペン先に誘導され筆記可能になるもの
と推定される。 次に、本発明の筆記具用水性顔料インキ組成物
の構成について詳しく説明する。 本発明のインキ組成物において最も重要な、疎
水処理を施した微粉末二酸化ケイ素については前
述の様に、式で示される表面をジメチルジクロ
ロシランで処理した微粉末二酸化ケイ素が最も好
ましいが、疎水処理を施す物質としては、微粉末
二酸化ケイ素の表面基である水酸基と容易に反応
して疎水表面にし得る物質なら何でも良く、主と
して各種のシランカツプリング剤、チタンカツプ
リング剤等が挙げられこれらの疎水処理剤で表面
を疎水化された微粉末二酸化ケイ素の1種又は2
種以上の混合物として使用することでき、又使用
するこれらの疎水処理を施した微粉末二酸化ケイ
素の粒子の大きさは1次粒子の平均径で約7mμ
〜約50mμの物が好ましく、使用する種類又はイ
ンキ組成物の顔料の種類等により適宜選ばれる。
更にその使用量も特に限定するものではないが、
インキの分散安定化への効果、インキの低粘化へ
の効果、及び筆跡の艶消しへの効果等より、イン
キ全量に対して0.1〜5重量パーセントが好まし
い。 顔料は、有機顔料、無機顔料の区別なく使用可
能であるが、その具体例を挙げれば、C.I.ピグメ
ントエロー1、C.I.ピグメントエロー2、C.I.ピ
グメントエロー3、C.I.ピグメントエロー5、C.
I.ピグメントエロー12、C.I.ピグメントエロー13、
C.I.ピグメントエロー14、C.I.ピグメントエロー
15、C.I.ピグメントエロー17、C.I.ピグメントエ
ロー83、C.I.ピグメントエロー1、C.I.ピグメン
トオレンジ1、C.I.ピグメントオレンジ5、C.I.
ピグメントオレンジ13、C.I.ピグメントオレンジ
16、C.I.ピグメントオレンジ17、C.I.ピグメント
オレンジ24、C.I.バツトオレンジ3、C.I.ピグメ
ントレツド1、C.I.ピグメントレツド2、C.I.ピ
グメントレツド3、C.I.ピグメントレツド4、C.
I.ピグメントレツド5、C.I.ピグメントレツド7、
C.I.ピグメントレツド9、C.I.ピグメントレツド
12、C.I.ピグメントレツド22、C.I.ピグメントレ
ツド23、C.I.ピグメントレツド37、C.I.ピグメン
トレツド38、C.I.ピグメントレツド48カルシウム
レーキ、C.I.ピグメントレツド48バリウムレー
キ、C.I.ピグメントレツド48マンガンレーキ、C.
I.ピグメントレツド49バリウムレーキ、C.I.ピグ
メントレツド50、C.I.ピグメントレツド51、C.I.
ピグメントレツド53バリウムレーキ、C.I.ピグメ
ントレツド57カルシウムレーキ、C.I.ピグメント
レツド58マンガンレーキ、C.I.ピグメントレツド
60バリウムレーキ、C.I.ピグメントレツド63カル
シウムレーキ、C.I.ピグメントレツド63マンガン
レーキ、C.I.ピグメントレツド81、C.I.ピグメン
トレツド83、アルミニウムレーキ、C.I.ピグメン
トレツド88、C.I.ピグメントレツド112、C.I.ピグ
メントレツド214、C.I.ピグメントバイオレツト
1、C.I.ピグメントバイオレツト3、C.I.ピグメ
ントバイオレツト19、C.I.ピグメントバイオレツ
ト23、C.I.バツトバイオレツト2、C.I.ピグメン
トブルー1、C.I.ピグメントブルー2、C.I.ピグ
メントブルー15、C.I.ピグメントブルー16、C.I.
ピグメントブルー17、C.I.バツトブルー4、C.I.
ピグメントグリーン2、C.I.ピグメントグリーン
7、C.I.ピグメントグリーン8、C.I.ピグメント
グリーン10、C.I.ピグメントブラウン1、C.I.ピ
グメントブラウン2、C.I.ピグメントブラウン
5、C.I.バツトブラウン3、C.I.ピグメントブラ
ツク1、C.I.ピグメントブラツク6、C.I.ピグメ
ントブラツク7、などのC.I.(カラーインデツク
ス)で示される顔料や、それらの顔料を非イオン
性界面活性剤及び/又は陰イオン性界面活性剤等
で処理練合したペースト状加工顔料や、前記顔料
と非イオン性界面活性剤及び/又は陰イオン性界
面活性剤及び/又は水溶性樹脂等で処理乾燥させ
た粉末加工顔料があり、これらを単独又は2種以
上の混合物として使用することが出来る。その使
用量はインキ全量に対して3〜30重量%が好まし
い。 尚、上記のペースト状加工顔料の種類、他の成
分によつては、界面活性剤を別に添加しなくても
よいものである。 又、本発明のインキ組成物に用いる分散剤とし
ては、前述の様に非イオン性界面活性剤及び/又
は陰イオン性界面活性剤を用いることができ;基
本的には水に溶解するものであれば良いが、これ
は用いる顔料の種類、組合せにより種々選択され
る。非イオン性界面活性剤としては、ポリオキシ
エチレン(以下POEと略す)ソルビタンモノラ
ウレート、POEソルビタンモノステアレート等
のPOEソルビタン脂肪酸エステル、POEモノオ
レエート、POEオレイルエーテル、POEセチル
エーテル、POEトリデシルエーテル、POEアビ
エチルエーテル等のPOEアルキルエーテル、
POE−ポリオキシプロピレンセチルエーテル等
のPOE−ポリオキシプロピレンブロツクポリマ
ーアルキルエーテル、POEノニルフエニルエー
テル、POEドデシルフエニルエーテル、POEジ
ノニルフエニルエーテル等のPOEアルキルフエ
ニルエーテル、POEノニルフエニルホルムアル
デヒド縮合物、スチレンマレイン酸共重合物誘導
体等の高分子界面活性剤、POEグリセロールボ
レイトラウレート等及びそれらの配合品が挙げら
れ、又陰イオン性界面活性剤としては、POEノ
ニルフエニルエーテル硫酸ナトリウム、ジ2−エ
チルヘキシルスルホコハク酸ナトリウム、α−オ
レフインスルホン酸ナトリウム、パラフインスル
ホン酸ナトリウム、アルキルベンゼンスルホン酸
ナトリウム、ナフタレンスルホン酸ナトリウムホ
ルマリン縮合物、アルキルナフタレンスルホン酸
ナトリウム、特殊カルボン酸型高分子活性剤等が
挙げられ、これらを単独又は2種以上の混合物と
して使用することができる。その使用量は、分散
剤の種類、顔料の種類、使用量によつて決まる
が、顔料の使用量に対して5〜50重量パーセント
が好ましい。 その他本発明の筆記具用水性顔料インキ組成物
に用いることのできる添加剤として特に限定され
るものではないが、沈降防止剤として働き、更に
は筆跡における顔料の定着性付与及び耐水性付与
効果等を得るための添加剤として各種の水溶性高
分子物質及び又は水分散性高分子物質を用いるこ
とができ、その具体例を挙げると、水溶性高分子
物質としてポリビニルアルコール、ポリアクリル
酸、ポリビニルピロリドン、ポリエチレンオキサ
イド、メチルセルロース、エチルセルロース、カ
ルボキシメチルセルロース、ヒドロキシプロピル
セルロース、澱粉、アラビアガム、膠、ゼラチン
等及びこれらの変性物質等が挙げられ、水分散性
高分子物質としてアクリル樹脂エマルジヨン、酢
酸ビニル樹脂エマルジヨン等があり、これらの単
独もしくは2種以上の混合物として用いることが
でき、その添加量は、その目的及びその使用する
水溶性高分子物質又は水分散性高分子物質の種類
等によつて異なるがインキ全量に対して0.1〜50
重量パーセント添加することができる。 更には、ペン先の乾燥防止剤として、エチレン
グリコール、ジエチレングリコール、トリエチレ
ングリコール、プロピレングリコール、トリエチ
レングリコール、テトラメチレングリコール、グ
リセリン、モノエタノールアミン、ジエタノール
アミン、トリエタノールアミン、等の吸湿性水溶
性有機溶剤、尿素、エチレン尿素等の尿素類、塩
化カルシウム、塩化リチウム、塩化マグネシウム
等の吸湿性無機化合物等の添加、又、筆跡の乾燥
調節剤としてメタノール、エタノール、イソプロ
パノール等の低沸点水溶性有機溶剤の添加、その
他防腐防カビ剤、インキ浸透剤としての界面活性
剤類、抑泡剤、金属部品使用の場合の防錆剤等の
添加は自由に出来るものである。 本発明はインキ組成物に関するものであるがそ
の製造法もインキの性能に影響するので、その一
例を次に示すが、製造法は勿論これに限られるも
のではない。製造法の例としてカーボンブラツク
(C.I.ピグメントブラツク7)を顔料として用い
る黒インキを挙げる。先ずカーボンブラツクに対
し、20重量パーセント量の非イオン性分散剤を水
に撹拌溶解させ、これにカーボンブラツクをホモ
ミキサーで500rpmで撹拌しながら添加し約20分
間撹拌をつづけた後、PHを8.5に調整し、更に本
発明の必須成分である疎水処理をほどこした微粉
末二酸化ケイ素をカーボンブラツク量に対し10重
量パーセント量を撹拌をつづけながら添加する。
添加し終つた所でホモミキサーの回転数を
1500rpmに上げ30分間撹拌を行う。以上がプレミ
キシング工程で高速で撹拌するため分散剤の種類
によつては、泡が発生する場合があるが、この場
合1晩放置すれば泡は完全に消えるが、特に泡を
消す必要はない。次の工程であるロールミル練合
工程において泡は完全に消えてしまう。このロー
ルミル練合工程であるが、この場合通常回転比が
9:3:1である3本ロールミルを使用するのが
好ましい。ロールミルを通す回数は使用する顔料
の種類によつて種々異なるが顔料は1次粒子状態
までつぶす必要がある。本発明の筆記具用水性顔
料インキ組成物の場合、対象とする殆んどの筆記
具が毛細管現象を利用してインキを吐出させる構
造になつているのでインキ粘度が高い場合、イン
キ吐出が不安定になるので通常1.5〜50センチポ
イズの低粘度に設計される。この様にインキ粘度
が低い場合、顔料粒子が1次粒子迄つぶされてい
ない、即ち、凝集状態にあると沈降し易くなり、
毛細管で凝集顔料粒子による目詰りが起り、カス
レが発生したり、筆記不能になつたりする不具合
が発生する。本製造法例におけるカーボンブラツ
クを顔料として使用した場合、ロールミル練合工
程における通し回数は3回以上、好ましくは5回
以上必要である。一方、水溶性高分子物質又は水
分散性高分子物質、ペン先乾燥防止剤、筆跡乾燥
調節剤、防腐防カビ剤、インキ浸透剤、抑泡剤及
び防錆剤等は必要に応じて、又用途目的に応じて
あらかじめ選んだものを水に溶解又は分散させた
水基材のその他添加物の混合溶液もしくは混合分
散液を調製しておく。この水基材の混合溶液もし
くは混合分散液にホモミキサー等の高剪断力を有
する高速撹拌機で1500rpmで撹拌させながら、前
述のロールミル練合工程を終えたカーボンブラツ
クペーストを添加し、30分間撹拌を行う。以上で
基本的にはインキは出来上がるが、プレミキシン
グ工程と同様分散剤の種類によつては泡が発生す
ることもあり、又、ロールミル練合工程において
5回以上通しても、つぶし切れないで凝集状態で
カーボンブラツクが残つている場合もあるので、
前者の場合更に一晩放置すれば泡は完全に抜ける
し、後者の場合は、更に自然放置熟成工程として
約1週間静置するか、もしくは遠心分離機にかけ
るかして凝集カーボンブラツク粒子を取り除く
と、筆記具インキとして更に好ましいものにな
る。 以上がカーボンブラツクを顔料として使用した
場合のインキ製造法の一例であるが、筆記具用水
性顔料インキとしての品質が確保出来る方法であ
れば限定されるものでなく自由に選ぶことが出来
る。 以下、実施例により本発明を詳細に説明するが
実施例、比較例中単に「部」とあるのは「重量
部」を示すものである。 <実施例 1> RAVEN1255(コロンビヤン・カーボン日本社
製カーボンブラツク:C.I.ピグメントブラツ
ク) 10部 エマルゲン950(花王アトラス社製、非イオン性
分散剤) 1.8部 アエロジルR−972(日本アエロジル社製、疎水
処理微粉末二酸化ケイ素) 1.0部 水 15部 水にエマルゲン950を添加し、ホモミキサーで
低速撹拌し溶解させた後RAVEN1255を加え均一
になる迄撹拌し、水酸化ナトリウム水溶液でPHを
9に調整した後、アエロジルR−972を添加して
回転数を1500rpmにあげ30分間プレミキシングし
た。これを3本ロールミルで7回通して黒色のカ
ーボンブラツクペーストを得た。このペースト25
部を、あらかじめ下記組成によつて各成分を溶解
させた水溶液に加え、10分間500rpmの回転数で
ホモミキサーによつて撹拌混合した後、水酸化ナ
トリウム水溶液でPHを再度9.0に調整し、回転数
を1500rpmにあげ、更に1時間高速撹拌を行つ
た。 水 61.3部 エチレングリコール(ペン先乾燥防止及び凍結
防止剤) 4.0部 尿素(ペン先乾燥防止剤) 5.0部 ペンタクロロフエノールナトリウム塩10%水溶
液(防腐防カビ剤) 0.2部 ノイゲンP(第一工業製薬社製、インキ浸透
剤:非イオン性界面活性剤) 0.1部 グルーHG−132(ニツピ社製JIS3種膠) 0.4部 ゼラトンBCA−30D(サン・オリエント化学製
膠分解物) 4.0部 以上で得られた黒色インキをガラス瓶に入れ換
え密栓をして1週間静置後、下に沈降した沈澱物
を取り除き目的とする筆記具用水性顔料黒色イン
キを得た。 <実施例 2> MA−100(三菱化成工業社製カーボンブラツ
ク:C.I.ピグメントブラツク7) 11.0部 オロタン731SD(ローム・アンド・ハース・ジ
ヤパン社製陰イオン性界面活性剤) 2.5部 アエロジルR−972 1.1部 水 17.0部 上記組成で実施例1のエマルゲン950の代りに
オロタン731SDを、RAVEN1255の代りにMA−
100を用いて実施例1と同様にして、黒色のカー
ボンブラツクペーストを得た。更に次の組成によ
る水溶液を調製後、前記カーボンブラツクペース
ト25部を加え実施例1と同様にして高速撹拌する
ことによつて黒インキを得た。この場合泡は殆ん
ど発生しなかつたが、つぶし切れなかつたカーボ
ンブラツク凝集物を除去するためにこの黒インキ
を回転数2500rpm、回転半径10cm(遠心加速度で
表わすと約700g)の遠心分離機に入れ20分間遠
心処理を行つて目的の黒色インキを得た。 水 64.1部 エチレングリコール 7.0部 デヒドロ酢酸ナトリウム(防カビ剤) 0.5部 ノイゲンP 0.1部 クラレポバールPVA107(クラレ社製ポリビニ
ルアルコール) 1.8部 エタノール(筆跡乾燥調節剤) 1.5部 <実施例 3> コラニールレツドF4RH−30(ヘキスト社製水
性ペースト状加工顔料) 35.0部 ニツコールBT−9(日光ケミカルズ社製非イ
オン性界面活性剤) 0.3部 アエロジルR−972 1.1部 水 7.0部 水にニツコールBT−9を溶解させホモミキサ
ーで低速で撹拌しながらアエロジルR−972を加
え均一になつた所で、コラニールレツドF4RH−
30を加え700rpmに回転数を上げ撹拌を30分間行
つた。これを3本ロールミルに3回通して、疎水
処理微粉末二酸化ケイ素を練り込んだ赤色の顔料
ペーストを得た。このペーースト30部をあらかじ
め下記組成によつて溶解させた水溶液に加えホモ
ミキサーで10分間低速で撹拌混合した後、水酸化
ナトリウム水溶液でPHを9.0に調整しホモミキサ
ーの回転数を、1000rpmにあげ、更に1時間撹拌
を続けた。 水 58.8部 エチレングリコール 5.0部 塩化カルシウム(ペン先乾燥防止剤) 2.0部 ペンタクロロフエノールナトリウム10%水溶液
0.2部 グルーHG−132 0.5部 ゼラトンBCA−30D 3.5部 以上で得られた赤色インキを回転数3000rpm回
転半径10cmの条件で15分間遠心処理を行つて、目
的とする赤色インキを得た。 <比較例 1> 実施例1のアエロジルR−972の代りに親水性
微粉末二酸化ケイ素であるアエロジル200(日本ア
エロジル社製)を1.0部用い、実施例1と同様の
方法で黒色カーボンブラツクペーストを作り、こ
のペースト25部を用い実施例1と同様に調製して
目的とする黒色インキを得た。 <比較例 2> 実施例1のアエロジルR−972の代りに水を1.0
部増やして、実施例同様の方法で黒色カーボンブ
ラツクペーストを作り、このペースト25部を用い
実施例1と同様に調製して目的とする黒色インキ
を得た。 以上実施例、比較例及び市中品の製図用パイプ
式筆記具用黒色インキをそれぞれ市中品の製図用
パイプ式筆記具に充填して数回上下に振つて筆記
可能状態にして、製図用の筆記用紙であるトレー
シングペーパーを用いて、筆記試験、筆跡の光
沢、経時目詰りカスレ、ペン先乾燥復元性等の試
験評価を行つた。この結果を次に示す。
【表】
【表】 以上で説明したように本発明の筆記具用水性顔
料インキ組成物は、経時的に分散安定で、沈降が
少く、乾燥時における再分散性にすぐれ、又、こ
のインキを特に製図用等に用いられるパイプ式筆
記具に用いた場合、インキ吐出が安定で、カスレ
たりすることなく筆記出来、顔料の沈降による目
詰りもなく、又、ペン先でインキが乾燥した場
合、復元性が良好であり更には、筆跡の光沢が少
く、写真製版の版下用に用いた時も良好な筆跡が
得られるものである。本発明は主として製図用パ
イプ式筆記具に用いた場合を中心に説明したが、
従来サインペン、水性ボールペン等に用いられる
良好な水性顔料インキはなかつたが、これらに用
いても良好な品質の得られるインキ組成物である
ことが確認出来た。

Claims (1)

  1. 【特許請求の範囲】 1 顔料と、水と、界面活性剤とから少なくとも
    なる筆記具用水性顔料インキにおいて、疎水処理
    した微粉末二酸化ケイ素を含有することを特徴と
    する筆記具用水性顔料インキ。 2 前記界面活性剤が非イオン界面活性剤である
    ことを特徴とする特許請求の範囲第1項記載の筆
    記具用水性顔料インキ。 3 前記界面活性剤が陰イオン界面活性剤である
    ことを特徴とする特許請求の範囲第1項記載の筆
    記具用水性顔料インキ。
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