JPH11228897A - インクジェット記録用インク - Google Patents

インクジェット記録用インク

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JPH11228897A
JPH11228897A JP3710398A JP3710398A JPH11228897A JP H11228897 A JPH11228897 A JP H11228897A JP 3710398 A JP3710398 A JP 3710398A JP 3710398 A JP3710398 A JP 3710398A JP H11228897 A JPH11228897 A JP H11228897A
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達郎 石飛
Hiroki Tokunaga
弘樹 徳永
Atsushi Wada
惇 和田
Takashi Yamauchi
隆司 山内
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 インクジェットプリンターのノズルオリフィ
スの目詰まりを解消し、吐出安定性に優れ、堅牢な印字
を実現し得るインクジェット記録用インクを提案する。 【解決手段】 (A)有機顔料が0.5〜15wt%、
(B)シクロペンタノヒドロフェナントレン環誘導体が
0.1〜10wt%、(C)HLB4〜11の範囲であ
るポリオキシエチレンアルキルエーテルリン酸エステ
ル、又はスチレンとマレイン酸のモル比1:1,分子量
15000〜25000,部分エステル15〜25%で
あって、遊離カルボキシル基をアンモニアで中和された
アンモニウム塩であるスチレン−マレイン酸共重合体が
0.1〜10wt%、(D)エチレンオキサイド付加モ
ル数2〜12のアセチレングリコールエチレンオキサイ
ド付加体が0.01〜2wt%含有されてなり、pHが
7.5〜10.0に調整された水性有機顔料分散体であ
る。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、インクジェットプ
リンターのノズルオリフィスの目詰まりを解消し、吐出
安定性に優れ、堅牢な印字を実現し得るインクジェット
記録用インクに関する。
【0002】
【従来の技術】周知のようにインクジェットプリンター
は、微細なノズルオリフィスよりインクを均一な微小液
滴として被記録体に噴射して記録するものである。この
インクジェット記録用インクとしては、ノズルの目詰ま
り防止等による吐出安定性、インクの物性が変化しない
保存安定性等が求められ、水溶性染料を水性媒体に溶解
した染料インクが主に用いられてきた。しかし、この染
料インクでは、記録後の印字物の耐水性、耐光性に問題
があり、染料の脱色、色変化等も生じていた。
【0003】このような染料インクの問題点を解決する
ために耐水性、耐光性に優れる顔料を用いて水性媒体に
分散させた顔料インクが種々提案されている。このよう
な顔料インクの例として、特公昭62−1426号公
報、特開平2−255875号公報、特開平4−184
62号公報などでは、インクの構成成分として、水と顔
料と、樹脂エマルジョンをを含有することで耐水性、耐
光性の問題を解決すると共に従来の染料インクの問題点
である印字の滲み等を解決するインクが報告されてい
る。また、水溶性樹脂を使用している例もある。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、前記従
来の顔料インクは、以下に示す問題点を有していた。即
ち、顔料インクは顔料を水性媒体に分散させる分散剤と
して樹脂エマルジョンや水溶性樹脂等が配合されている
のであるが、保存中にインクの物性変化等によりインク
の保存安定性の低下を生じ、具体的には顔料インク中の
顔料が凝集等により増粘化し、印字の乱れ、ヌケが発生
し、又顔料インクがノズル先端で乾燥により高粘度化、
さらに皮膜化するためにノズルを目詰まりさせる等吐出
安定性に実用上問題があった。
【0005】本発明は、従来のインクジェット記録用イ
ンクの前述の課題に鑑み、これらを解決するものであ
り、その目的の第一は、印字記録後の速乾性、耐擦過
性、耐水性、耐光性を満足するインクジェット記録用イ
ンクを提供することである。また、その第二の目的は、
インクが顔料の凝集による増粘化や乾燥による固形化等
に起因するノズルの目詰まりを解消し、吐出安定性及び
保存安定性に優れたインクジェット記録用インクを提供
することである。
【0006】
【課題を解決するために手段】本発明者らは鋭意研究の
結果、インクジェット記録用インクにおいて、分散剤と
して3種の特定の化合物を併用し、特定範囲の有機顔料
粒子の均一な粒径分散体を得ることにより、前記目的を
達成し、本発明に至った。即ち、本発明のインクジェッ
ト記録用インクは、(A)有機顔料が0.5〜15wt
%、(B)シクロペンタノヒドロフェナントレン環誘導
体が0.1〜10wt%、(C)HLB4〜11の範囲
であるポリオキシエチレンアルキルエーテルリン酸エス
テル、又はスチレンとマレイン酸のモル比1:1,分子
量15000〜25000,部分エステル15〜25%
であって、遊離カルボキシル基をアンモニアで中和され
たアンモニウム塩であるスチレン−マレイン酸共重合体
が0.1〜10wt%、(D)エチレンオキサイド(以
下、EOという)付加モル数2〜12のアセチレングリ
コールEO付加体が0.01〜2wt%含有されてな
り、pH7.5〜10.0に調整した水性有機顔料分散
体であることを特徴とする。
【0007】
【発明の実施の形態】本発明の(A)成分である有機顔
料は、一次粒子径が1〜80nmであれば使用可能であ
る。例えば、 C.I Pigment Yellow #6,#1
0,#12,#17,24,#55,#65,#74,
#108,#110,#120,#123,#138, C.I Pigment Red #1,#3,#5,
#7,#12,#15,#23,#31,#58,#6
3,#64,#81,#87,#112,#122,#
123,#146,#175,#185,#189,#
216,#238,#243, C.I Pigment Blue #1,#2,#
7,#15,#16,#22,#25,#27,#2
9,#56,#63, C.I Pigment Black #1,#7,#
11, 等を例示することができる。
【0008】また、前記のように一次粒子径が1〜80
nmの有機顔料の使用は、印字品質の光学濃度と色調が
染料よりも劣る欠点を解消するため、特定範囲の粒子径
により高い光学濃度と鮮やかな色調が得られ、また分散
安定性にも望ましい。この有機顔料のインク中の含有量
は、0.5〜15wt%である。含有量が0.5wt%
より少ない場合、印字、色相が不鮮明になり、15wt
%より多い場合にはインクの物性が調整できない。即
ち、粘性が高粘化して吐出安定性に問題を生じる。
【0009】次に、本発明の(B)成分であるシクロペ
ンタノヒドロフェナントレン環誘導体は、
【化1】 で表される所謂ステロイド骨格を有するもので、4環結
合縮合環構造を有しており、多環化合物に対する極めて
高い相溶性を有する化合物である。このようなシクロペ
ンタノヒドロフェナントレン環誘導体としては、コール
酸またはその塩、
【化2】 デヒドロコール酸またはその塩、
【化3】 デオキシコール酸またはその塩、
【化4】 等がある。
【0010】これらシクロペンタノヒドロフェナントレ
ン環誘導体は水溶性であり、界面活性作用が強く、臨界
ミセル濃度が低く、形成ミセルが小さいので、種々の物
質の乳化、分散に適している。特にコール酸、デヒドロ
コール酸、デオキシコール酸またはそれらの塩は、分子
構造中に多環構造を有する有機顔料の分散剤として適し
ている。即ち、ステロイド骨格と多環構造との間で安定
な吸着層を生じるため微細な状態にして水中に安定分散
させるのである。また、前記のようにこのシクロペンタ
ノヒドロフェナントレン環誘導体のインク中の含有量は
0.1〜10wt%である。含有量が0.1wt%より
少ない場合、(A)成分である有機顔料の分散安定性が
低下し、10wt%より多い場合、インクの粘性が上昇
して吐出安定性に問題を生じる。
【0011】また、本発明の(C)成分は、HLB4〜
11のポリオキシエチレンアルキルエーテルリン酸エス
テル、
【化5】 又はスチレンとマレイン酸のモル比1:1,分子量15
000〜25000,部分エステル15〜25%であっ
て、遊離カルボキシル基がアンモニア塩であるスチレン
−マレイン酸共重合体
【化6】 である。
【0012】これらポリオキシエチレンアルキルエーテ
ルリン酸エステルまたはスチレン−マレイン酸共重合体
は、水性有機顔料分散体において以下のように作用す
る。即ち、前記(B)成分であるシクロペンタノヒドロ
フェナントレン環誘導体が前記(A)成分である一次粒
子径1〜80nmの有機顔料に強い吸着層を形成し、部
分的に一種の可溶化現象を生じる主分散剤として作用
し、このHLB4〜11のポリオキシエチレンアルキル
エーテルリン酸エステルは、疎水性で有機顔料間を結合
作用で特定範囲(平均粒径10〜200nm)の分散粒
径として安定に分散させる。また、スチレン−マレイン
酸共重合体も有機顔料間を架橋作用によって同様の作用
を果たす。言い換えれば、(A)成分の一次粒子径1〜
80nmの有機顔料と(B)成分のシクロペンタノヒド
ロフェナントレン環誘導体が吸着層を形成し、この
(C)成分のHLB4〜11のポリオキシエチレンアル
キルエーテルリン酸エステルまたはスチレン−マレイン
酸共重合体により前記吸着層間を会合させ、平均粒径1
0〜200nmの有機顔料の会合体で安定に分散させる
のである。即ちこの(C)成分は、(B)成分のシクロ
ペンタノヒドロフェナントレン環誘導体が主分散剤とし
て作用するのに対し、分散助剤として作用する。尚、H
LB4〜11のポリオキシエチレンアルキルエーテルリ
ン酸エステルは、ベンゼン核を有している多環式構造の
有機顔料の分散助剤として適し、スチレン−マレイン酸
共重合体は、直鎖構造の有機顔料の分散助剤として適し
ている。また、前記のようにこの(C)成分のHLB4
〜11のポリオキシエチレンアルキルエーテルリン酸エ
ステルまたはスチレン−マレイン酸共重合体のインク中
の含有量は0.1〜10%である。含有量が0.1%よ
り少ない場合、保存安定性が低下し、10%より多い場
合、インクの粘性が上昇する。
【0013】次に、本発明の(D)成分であるEO付加
モル数2〜12のアセチレングリコールEO付加体
【化7】 は、前記(A)成分である有機顔料粉体の脱泡及び有機
顔料表面のヌレ性の向上により、有機顔料を水中にて微
細な状態にする作用を果たす。即ち、有機顔料を分散す
る前処理剤として分散効果に寄与するのである。
【0014】また、前記のようにこの(D)成分のアセ
チレングリコールEO付加体のインク中の含有量は、
0.01〜2wt%である。含有量が0.01wt%よ
り少ない場合、有機顔料のヌレ性、浸透性を向上する効
果が充分でなく、分散効果に寄与することができない。
2wt%より多い場合、むしろ有機顔料の分散安定性を
阻害する。
【0015】本発明のインクジェット記録用インクは、
前記(A)〜(D)の含有成分にアルカノールアミンま
たはトリス(ヒドロキシアミノ)メタンを添加すること
により、pH7.5〜10.0に調整する。このような
pH調整剤は、アルカノールアミンとして、モノエタノ
ールアミン、ジエタノールアミン、トリエタノールアミ
ンを用いることができ、特にトリエタノールアミンとト
リス(ヒドロキシアミノ)メタンを用いることが好まし
い。このpH調整剤の分散粒径の凝集の抑制効果によ
り、長期の分散安定化が果たされる。即ち、このpH調
整によって、長期保存しても粘性変化が少なく、優れた
分散安定性を有する水性有機顔料分散体が得られる。
【0016】また、本発明のインクジェット記録用イン
クは、前記(A)〜(D)の含有成分及びpH調整剤
に、水を加えてなり、その他にも親水性の有機溶剤や有
機化合物を含む水性液体を添加するようにしても良い。
この親水性の有機溶剤及び有機化合物は、インクがノズ
ル部における乾燥、固化及びインク中のカビ発生等を防
止し、吐出安定性を向上させる目的で、インクジェット
記録用インクの特性を損なわない程度で添加することが
できる。
【0017】この親水性の有機溶剤、有機化合物として
は、(1)多価アルコール、例えばエチレングリコー
ル、プロピレングリコール、ジエチレングリコール、ジ
プロピレングリコール、トリエチレングリコール、ポリ
エチレングリコール、グリセリン、ジグリセリン、ポリ
グリセリン、トリメチレングリコール、(2)多価アル
コール誘導体、例えばエチレングリコールモノエチルエ
ーテル、エチレングリコールモノエチルエーテルアセテ
ート、エチレングリコールイソプロピルエーテル、エチ
レングリコールモノブチルエーテル、ジエチレングリコ
ールモノエチルエーテル、ジエチレングリコールモノブ
チルエーテル、トリエチレングリコールモノメチルエー
テル、トリエチレングリコールモノエチルエーテル、ジ
エチレングリコールモノブチルエーテルアセテート、プ
ロピレングリコールモノエチルエーテル、ジプロピレン
グリコールモノエチレンエーテル、トリプロピレングリ
コールモノメチルエーテル、(3)窒素化合物、例えば
2−ピロリドン、N−メチルピロリドン、尿素、チオ尿
素、ジメチル尿素、グリシン、プロリン、チロシン等が
あり、乾燥、固化防止として添加することができる。ま
た、カビの発生防止として、ソルビン酸ナトリウム、安
息香酸ナトリウム、デヒドロ酢酸ナトリウム、2,4−
ジメチル−6−アセトキシジオキサン、2−ピリジンチ
オール−1−オキサイドナトリウム、1,2−ベンズイ
ソチアゾリン−3−オン等が挙げられる。
【0018】
【実施例】以下、本発明の実施例を示すが、本発明は勿
論これらに限定されるものではない。本発明のインクジ
ェット記録用インクは、前記した各成分を混合分散して
調整するのであるが、第1段階の混合分散は、濃縮液を
ボールミル、ビーズミル、超高圧ミル、超音波分散機等
で濃縮分散体を作成し、第2段階で濃縮分散体をインク
配合に希釈し、高速撹拌機、ホモジナイザー等で混合作
成後、インクを加圧ろ過器で0.5μmのフィルターを
用いるろ過処理を行うことによって0.5μm以上の粒
子を除去し、インクジェット記録用インクを得る。
【0019】 〔実施例1〕 (顔料濃縮分散体組成) C.I.Pigment Black #7 :25.0wt% デオキシコール酸ナトリウム : 8.5wt% アセチレングリコールEO付加体(EO:10モル) : 3.6wt% {川研ファインケミカル(株)製『アセチノールEH』} ジエタノールアミン : 0.6wt% 水 :62.3wt% 上記のC.I.Pigment Black #7に水
60wt%を加えて混合機で撹拌しながらジエタノール
アミンを添加し、pH8.6に調整した後、残りの水
2.3wt%及びアセチノールEHを加えて混合し、顔
料表面のヌレ性、脱泡等により粘度低下後、デオキシコ
ール酸ナトリウムを加え、ビーズミルによって分散し
た。得られた分散液を6000〜12000r.p.
m.の遠心分離で粗大粒子を取り除き、顔料濃縮分散体
を作成した。
【0020】 (インク組成) 上記の顔料濃縮分散体 :20wt% ポリエチレングリコール#200 : 8wt% ジエチレングリコールモノエチルエーテル : 2wt% 1,2−ベンズイソチアゾリン−3−オン : 0.1wt% ポリオキシエチレンアルキルエーテルリン酸エステル(HLB:6.5) {日光ケミカル(株)製『DDP−2』} : 2.4wt% 水 :67.5wt% 上記の顔料濃縮分散体、DDP−2、水を加え、高速撹
拌機、ホモジナイザー等で混合分散し、その他の有機溶
剤及び有機化合物を加え、混合した後、0.5μmのフ
ィルターを用いてろ過し、インク組成物を調整した。
【0021】 〔実施例2〕 (顔料濃縮分散体組成) C.I.Pigment Blue #15 :30wt% コール酸カリウム :11.8wt% アセチレングリコールEO付加体(EO:10モル)〕: 2.2wt% {川研ファインケミカル(株)製『アセチノールEH』} トリス(ヒドロキシアミノ)メタン : 0.7wt% 水 :55.3wt% 上記の各成分にて前記実施例1(顔料濃縮分散体組成)
と同様の作成方法でトリス(ヒドロキシアミノ)メタン
を用いてpH7.8に調整し、超音波分散機で分散し
た。
【0022】 (インク組成) 上記の顔料濃縮分散体 :10wt% ジグリセリン : 6.5wt% エチレングリコールイソプロピルエーテル : 1.5wt% ポリオキシエチレンアルキルエーテルリン酸エステル(HLB:9.4) {第一工業製薬(株)製『プライサーフA212C』}: 1.2wt% デヒドロ酢酸ナトリウム : 0.1wt% 水 :80.7wt% 上記の各成分にて前記実施例1(インク組成)と同様に
混合した後、0.5ミクロンのフィルターを用いてろ過
し、インク組成物を調整した。
【0023】 〔実施例3〕 (顔料濃縮分散体組成) C.I.Pigment Yellow #12 :33wt% デヒドロコール酸カリウム :16wt% アセチレングリコールEO付加体(EO:3.5モル): 0.8wt% {川研ファインケミカル(株)製『アセチノールEL』} トリス(ヒドロキシアミノ)メタン : 0.9wt% 水 :49.3wt% 上記の各成分にて前記実施例1(顔料濃縮分散体組成)
と同様の作成方法でトリス(ヒドロキシアミノ)メタン
を用いてpH8.2に調整し、ビーズミルで分散した。
【0024】 (インク組成) 上記の顔料濃縮分散体 : 10wt% トリエチレングリコール : 11.5wt% ジプロピレングリコールモノエチルエーテル : 2.4wt% スチレン−マレイン酸共重合体(M.W.:18000): 3.5wt% {サンノプコ(株)製『SNディスパーサント5027』} 2−ピリジンチオール−1−オキサイドナトリウム : 0.1wt% 水 : 73wt% 上記の各成分にて前記実施例1(インク組成)と同様に
混合した後、0.5ミクロンのフィルターを用いてろ過
し、インク組成物を調整した。
【0025】 〔実施例4〕 (顔料濃縮分散体組成) C.I.Pigment Red #122 :25wt% コール酸ナトリウム : 6.8wt% アセチレングリコールEO付加体(EO:10モル) : 1.9wt% {川研ファインケミカル(株)製『アセチノールEH』} トリエタノールアミン : 0.8wt% 水 :65.5wt% 上記の各成分にて前記実施例1(顔料濃縮分散体組成)
と同様の作成方法でトリエタノールアミンを用いてpH
8.0に調整し、超音波分散機で分散した。
【0026】 (インク組成) 上記の顔料濃縮分散体 :15wt% グリセリン : 5wt% チオ尿素 : 0.5wt% ポリオキシエチレンアルキルエーテルリン酸エステル(HLB:7.0) {日光ケミカル(株)製『TDP−2』} : 6wt% 1,2ベンズイソチアゾリン−3−オン : 0.1wt% 水 :73.4wt% 上記の各成分にて前記実施例1(インク組成)と同様に
混合した後、0.5ミクロンのフィルターを用いてろ過
し、インク組成物を調整した。
【0027】 〔実施例5〕 (顔料濃縮分散体組成) C.I.Pigment Black #7 :15wt% コール酸ナトリウム : 4.5wt% アセチレングリコールEO付加体(EO:3.5モル): 1.2wt% {川研ファインケミカル(株)製『アセチノールEL』} ジエタノールアミン : 0.9wt% 水 :78.4wt% 上記の各成分にて前記実施例1(顔料濃縮分散体組成)
と同様の作成方法でジエタノールアミンを用いてpH
9.4に調整し、ビーズミルで分散した。
【0028】 (インク組成) 上記の顔料濃縮分散体 :40wt% ジエチレングリコール :12wt% グリシン : 0.5wt% ポリオキシエチレンアルキルエーテルリン酸エステル(HLB:10.3) {第一工業製薬(株)製『プライサーフA212E』}: 4.5wt% 安息香酸ナトリウム : 0.1wt% 水 :42.9wt% 上記の各成分にて前記実施例1(インク組成)と同様に
混合した後、0.5ミクロンのフィルターを用いてろ過
し、インク組成物を調整した。
【0029】 〔比較例1〕 (顔料濃縮分散体組成) C.I.Pigment Black #7 :25wt% アセチレングリコールEO付加体(EO:10モル) : 6wt% {川研ファインケミカル(株)製『アセチノールEH』} トリス(ヒドロキシアミノ)メタン : 0.5wt% 水 :68.5wt% 上記の各成分にて前記実施例1(顔料濃縮分散体組成)
と同様の作成方法でトリス(ヒドロキシアミノ)メタン
を用いてpH7.0に調整し、ビーズミルで分散した。
【0030】 (インク組成) 上記の顔料濃縮分散体 :20wt% ポリエチレングリコール#200 : 8wt% ジエチレングリコールモノエチルエーテル : 2wt% ポリオキシエチレンアルキルエーテルリン酸エステル(HLB:12.5) {日光ケミカル(株)製『DOP−8N』} : 2.4wt% 1,2ベンズイソチアゾリン−3−オン : 0.1wt% 水 :67.5wt% 上記の各成分にて前記実施例1(インク組成)と同様に
混合した後、5ミクロンのフィルターを用いてろ過し、
インク組成物を調整した。
【0031】 〔比較例2〕 (顔料濃縮分散体組成) C.I.Pigment Yellow #12 :33wt% アセチレングリコールEO付加体(EO:10モル) :12wt% {川研ファインケミカル(株)製『アセチノールEH』} モノエタノールアミン : 0.9wt% 水 :54.1wt% 上記の各成分にて前記実施例1(顔料濃縮分散体組成)
と同様の作成方法でモノエタノールアミンを用いてpH
10.5に調整し、超音波分散機で分散した。
【0032】 (インク組成) 上記の顔料濃縮分散体 :10wt% トリエチレングリコール : 3wt% スチレン−マレイン酸共重合体(M.W.:18000):10.5wt% {サンノプコ(株)製『SNディスパーサント5027』} デヒドロ酢酸ナトリウム : 0.1wt% 水 :76.4wt% 上記の各成分にて前記実施例1(インク組成)と同様に
混合した後、5ミクロンのフィルターを用いてろ過し、
インク組成物を調整した。
【0033】平均粒径測定試験 前記実施例1〜5及び比較例1,2のインク組成物につ
いて光散乱法による粒度分布計で有機顔料分散体の粒度
分布を測定し、平均粒径を求めた。測定結果は表1に示
した。
【0034】保存安定性試験 前記実施例1〜5及び比較例1,2のインク組成物につ
いて、60℃恒温槽中に6ケ月間放置した後、以下の検
討を行った。 2−1.分散安定性試験 沈澱物や液分離を目視にて確認した。 液分離や沈澱物は確認されないものを ◎、 僅かに液分離が見られるが、弱い振とうにより元に戻るものを○、 僅かに沈澱が確認されるものを △、 液分離及び沈澱が激しく、振とうしても元に戻らないものを ×、 と判定し、表1に示した。
【0035】2−2.物性変化試験 放置前と後で粘度を測定し、その変化を観察した。 粘度変化が見られないものを ◎、 粘度上昇が初期に対して10%以内であるものを ○、 粘度上昇が初期の10〜50%であるものを △、 ゲル或いは堅い沈澱を形成しているものを ×、 と判定し、表1に示した。
【0036】プリンター印字性試験 前記実施例1〜5及び比較例1,2のインク組成物をピ
エゾ式インクジェットプリンターに用いて、以下の検討
を行った。 3−1.連続印字(インク吐出安定性)試験 ピエゾ式インクジェットプリンターにて100枚連続印
字し、印字性を目視にて観察した。 滲みもなく印字性も良好なものを ◎、 僅かに滲みと印字の乱れが生じるものを ○、 滲みはあるが文字の識別は可能であるものを △、 滲みで文字の識別及び連続印字が不能であるものを ×、 と判定し、表1に示した。
【0037】3−2.再起動(インク目詰まり性)試験 ピエゾ式インクジェットプリンターにて印字した後に、
40℃で2時間インクキャップを開放状態で放置して再
度印字を行ない、目詰まり等を印字物の比較で確認し
た。 目詰まりもなく印字性も良好なものを ◎、 僅かに抜けが観察できるものを ○、 目詰まりがあるが簡単な復帰操作で印字可能なものを △、 印字が不能であるものを ×、 と判定し、表1に示した。
【0038】印字品質試験 前記実施例1〜5及び比較例1,2のインク組成物をピ
エゾ式インクジェットプリンターに用いて、以下の検討
を行った。 4−1.乾燥、摩擦性試験 ピエゾ式インクジェットプリンターにて、普通紙(Xe
rox M紙)に印字し、印字物を時間経過毎に指で触
った後、擦り、印字の汚れ等の有無を目視で観察した。 印刷直後、触り、擦りでも汚れがなく、 24時間後も汚れがないものを ◎、 印刷直後、触りで汚れがないが、擦りで汚れが発生し、 24時間後は汚れがないものを ○、 印字直後、汚れあり、 24時間後、触りで汚れがないが、擦りで汚れが発生するものを △、 印字直後、汚れあり、 24時間後、触り、擦りでも汚れが発生するものを ×、 と判定し、表1に示した。
【0039】4−2、耐水性試験 ピエゾ式インクジェットプリンターにて、普通紙(Xe
rox M紙)に印字し、印字物を乾燥後、水に1分間
浸漬し、印字の滲み等を目視で観察した。 印字の滲み及び汚れがないものを ◎、 印字の滲みが僅かにあるもの ○、 印字の滲み及び汚れがあるが、印字は判読できるものを △、 印字の滲み及び汚れがあり、印字は判読できないものを ×、 と判定し、表1に示した。
【0040】[結果]
【表1】
【0041】
【発明の効果】以上説明したように本発明の顔料インク
は、印字物の耐擦性、耐水性が満足できるものであり、
さらにインクの保存安定性が高く、インクの凝集、沈
澱、変質等を生ずることがないので、インクジェットプ
リンターにて吐出安定性が高く、しかもインク吐出ノズ
ルの目詰まりを起こさずに堅牢な印字を実現することが
できる。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 和田 惇 兵庫県飾磨郡夢前町寺152−84 (72)発明者 山内 隆司 兵庫県相生市山手2丁目316−3

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 (A)有機顔料が0.5〜15wt%、 (B)シクロペンタノヒドロフェナントレン環誘導体が
    0.1〜10wt%、 (C)HLB4〜11の範囲であるポリオキシエチレン
    アルキルエーテルリン酸エステル、又はスチレンとマレ
    イン酸のモル比1:1,分子量15000〜2500
    0,部分エステル15〜25%であって、遊離カルボキ
    シル基をアンモニアで中和されたアンモニウム塩である
    スチレン−マレイン酸共重合体が0.1〜10wt%、 (D)エチレンオキサイド付加モル数2〜12のアセチ
    レングリコールエチレンオキサイド付加体が0.01〜
    2wt%含有されてなり、pHが7.5〜10.0に調
    整された水性有機顔料分散体であることを特徴とするイ
    ンクジェット記録用インク。
  2. 【請求項2】 有機顔料の一次粒子径が1〜80nmの
    範囲で、インク中に分散した上記範囲の有機顔料の平均
    粒径が10〜200nmであることを特徴とする請求項
    1に記載のインクジェット記録用インク。
  3. 【請求項3】 シクロペンタノヒドロフェナントレン環
    誘導体が、コール酸、デオキシコール酸、デヒドロコー
    ル酸、又はそれらの塩であることを特徴とする請求項1
    又は2に記載のインクジェット記録用インク。
  4. 【請求項4】 pH7.5〜10.0の調整は、アルカ
    ノールアミン又はトリス(ヒドロキシアミノ)メタンを
    添加することにより行うことを特徴とする請求項1〜3
    の何れか一項に記載のインクジェット記録用インク。
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