JPH06128517A - インキ及びインキ用着色剤 - Google Patents

インキ及びインキ用着色剤

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JPH06128517A
JPH06128517A JP1530591A JP1530591A JPH06128517A JP H06128517 A JPH06128517 A JP H06128517A JP 1530591 A JP1530591 A JP 1530591A JP 1530591 A JP1530591 A JP 1530591A JP H06128517 A JPH06128517 A JP H06128517A
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勇人 池田
Yasuhiro Yamamoto
泰裕 山本
Yoshikuni Mori
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Abstract

(57)【要約】 【目的】カーボンブラックを着色剤として用いるインキ
において、分散媒に対するカーボンブラックの良好な分
散性とともに使用に適した粘度を得る。 【構成】カーボンブラック100重量部と、一般式
(A) 【化1】 (なお、式中、RはC1 〜C30のアルキル基、アリール
基、アルキルアリール基、またはハロゲン化アリール基
であり、またn=1〜50である。)で表される化合物
5〜200重量部とを50℃〜350℃の温度条件下で
反応させて得られた処理カーボンブラックを、分散媒に
分散してなるインキ。 【効果】筆記具等に使用した場合にペン先からのインキ
出が長期間にわたり安定かつ良好なものとなるためその
筆記性が向上し、またインクジェット用として使用した
場合にはインキ粒子径のコントロールが容易となる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、筆記具用、スタンプ
用、印刷用、インクジェット用、記録計用等として用い
られるインクならびにインキ用着色剤に関するものであ
る。詳しく述べると本発明はカーボンブラックが均一に
分散されているとともに、適当な粘度を有しその筆記性
が良好であるインキ、ならびに分散媒に対する分散性が
良好でありかつ分散媒に分散させた際に適度な粘度を付
与し得るインキ用着色剤に関するものである。
【0002】
【従来の技術】カーボンブラックは、黒色着色剤として
インキや塗料の分野において広く用いられており、この
ようなカーボンブラックを用いたインキは、耐水性、経
時安定性等に良好な特性を示すものである。しかしなが
ら、カーボンブラックは粒子間の凝集力に比べた他の物
質、例えば有機高分子、水および有機溶剤等との親和力
が弱いため、インキや塗料中にカーボンブラックを均一
に微分散するためには、一般にロールミルやボールミル
などの錬合分散機器を使用し、多大のエネルギーを消費
してカーボンブラックのストラクチャーや2次凝集をほ
ぐす必要があった。さらに分散を助けインキや塗料とし
て保存中の沈降や凝集を防ぐために界面活性剤や水溶性
ポリマー等の分散剤を使用するのが普通であるが、この
方法を用いても分散性は充分満足できるものではなく、
しかも用いた分散剤がインキや塗料の性能を低下させる
傾向があった。
【0003】このような欠点を克服するために、例えば
特公昭42−22047号、特公昭44−3826号、
特公昭45−17284号、米国特許第3557040
号などに開示されるように、重合性単量体をカーボンブ
ラック共存中で重合させることにより得られるカーボン
ブラックグラフトポリマーを用いることが提唱されてい
る。このような方法によれば、重合性単量体の種類を適
当に選択することにより得られるカーボンブラックグラ
フトポリマーの親水性および/または親油性を適宜変え
ることができるために水や有機溶剤中での分散性が向上
することが期待できる。しかしながら、上記したような
文献に開示される方法で得られるカーボンブラックグラ
フトポリマーの収率は数%〜10数%と低く、大半はビ
ニル系ホモポリマーの形で存在し、カーボンブラックの
表面処理効率が極めて悪いものであるため他の物質との
親和性は期待した程には改良されず、混合または分散条
件によって分散状態が異なる場合が多々発生するもので
あった。
【0004】さらに特開昭63−265913号、特開
平1−79278号においては、カーボンブラックとこ
のカーボンブラックと反応性を有する重合体とを特定の
条件下で反応させてカーボンブラックグラフトポリマー
を得ることが示されており、このようにして得られるカ
ーボンブラックグラフトポリマーは水や有機溶媒との親
和性に富み、これらの媒体に優れた分散性を示すもので
あった。しかしながら、この分散液はインキ、塗料、プ
ラスチック等の調色用顔料ペーストとして好適に使用で
きるものの、この分散液そのものをインキ、特に水性イ
ンキとして用いた場合、インキ粘度が高くなりすぎ、筆
記具等に使用した場合にペン先からのインキ出が渋くな
ったり、インキボテ、あるいは筆跡の滲みや裏抜けが著
しくなり、またインクジェット用として使用した場合に
インキ粒子径がコントロールできなくなったりするもの
であった。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】従って本発明の目的
は、筆記具用、スタンプ用、印刷用、インクジェット
用、記録計用等として用いられる新規なインクを提供す
ることにある。本発明の別の目的は、カーボンブラック
を着色剤として含有してなるインキであって、このカー
ボンブラックが分散媒中に均一に微分散されているとと
もに、その使用に適当な粘度を有するインキを提供する
ことを目的とするものである。本発明のさらに別の目的
は、カーボンブラックの分散媒に対する分散性を改善し
てなり、かつ良好な粘度特性を有するインキ用着色剤を
提供することを目的とするものである。
【0006】
【課題を解決しようとするための手段】上記諸目的は、
カーボンブラック100重量部と、一般式(A)
【0007】
【化3】
【0008】(なお、式中、RはC1 〜C30のアルキル
基、アリール基、アルキルアリール基、またはハロゲン
化アリール基であり、またn=1〜50である。)で表
される化合物5〜200重量部とを50℃〜350℃の
温度条件下で加熱混合して得られた処理カーボンブラッ
クよりなるインキ用着色剤、ならびにこのインキ用着色
剤を分散媒に分散してなるインキにより達成される。
【0009】本発明において用いられるカーボンブラッ
クは、その表面に官能基としてカルボキシル基および/
またはヒドロキシル基を有するものであればよく、例え
ばファーネスブラック、チャンネルブラック、アセチレ
ンブラック、ランプブラック等のいずれの種類のものを
用いることができ、通常の市販品をそのまま使用できる
が、一般式(A)で表される化合物の末端反応性基であ
るエポキシ基との反応性を考慮すると、カーボンブラッ
クとしてはpHが8以下、好ましくは6以下の範囲のも
のが望ましい。すなわち、カーボンブラックのpHが極
度に高いとエポキシ基との反応性が低くなるためであ
る。なお、カーボンブラックのpHの試験法はJIS
K 6211によるものである。
【0010】一方、このようなカーボンブラックにグラ
フトさせる化合物は一般式(A)で表わされるものであ
る。
【0011】
【化4】
【0012】なお、一般式(A)においてRは、C1
30、アリール基、アルキルアリール基、またはハロゲ
ン化アリール基であるが、このうち好ましくは、例えば
ドデシル、トリデシルなどのC6 〜C20の直鎖または分
岐鎖アルキル基、例えば、フェニル、ナフチルなどのア
リール基、パラドデシルフェニル、パラターシャリブチ
ルフェニルなどのC4 〜C20のアルキルアリール基、ク
ロロフェニル、ジクロロフェニル、ブロモフェニル、ジ
ブロモフェニル、ブロムクロロフェニルなどの1〜4の
ハロゲン置換基を有するハロゲン化アリール基であり、
さらに望ましくはC6 〜C20の直鎖または分岐鎖アルキ
ル基である。またこの一般式(A)において、酸化エチ
レン(−(CH2 CH2 O)−)の繰返し数nは1〜5
0とされるが、より好ましくは5〜30である。さら
に、一般式(A)におけるRの炭素数Cmと酸化エチレ
ン分子の総数nとの比が、0.02<Cm/n<5、よ
り好ましくは0.2<Cm/n<3であることが望まれ
る。すなわち、Cm/nが0.02未満では、本発明に
関わるインキの耐水性が充分なものとならない虞れがあ
り、一方Cm/nが5を越えるものであると得られる処
理カーボンブラックの分散性が低下してしまう虞れが大
きい。さらにこの一般式(A)で表わされる重合体の数
平均分子量としては、150〜2000程度、より好ま
しくは300〜1500程度であることが望まれる。す
なわち、一般式(A)で表わされる重合体の数平均分子
量が150未満であると、このような重合体をグラフト
させても、カーボンブラックの分散性を十分に改善する
ことができず、一方、数平均分子量が2000を越える
ものであると、本発明に関わるインキの粘度が上昇して
しまい、筆記具用、スタンプ用、印刷用、インクジェッ
ト用、記録計用等の用途に適当なものでなくなる虞れが
あるためである。
【0013】一般式(A)で表わされる重合体として具
体的には、例えば、ラウリルアルコール(エチレンオキ
シド)15グリシジルエーテル、フェノール(エチレンオ
キシド)5 グリシジルエーテルなどが好ましく例示され
る。
【0014】本発明のインキ用着色剤は、カーボンブラ
ックに上記のごとき一般式(A)で表される化合物を5
0〜350℃、より好ましくは100〜200℃の温度
条件下に加熱混合して得られる処理カーボンブラックか
らなるものである。この処理温度条件が350℃を越え
るものであると、一般式(A)で表わされる化合物が変
質する虞れが高く、一方50℃未満であると、十分な反
応を生起させることができず、カーボンブラックに対す
る該化合物のグラフト率が低下して、カーボンブラック
の凝集性を改善できないものである。
【0015】さらに本発明のインキ用着色剤において、
カーボンブラックと一般式(A)で表される化合物との
比率は、カーボンブラック100重量部に対し、一般式
(A)で表される化合物5〜200重量部である。すな
わち、一般式(A)で表される化合物がカーボンブラッ
ク100重量部に対して5重量部未満であると、該処理
カーボンブラックを分散媒体に分散させたときの分散性
が不足し、一方、200重量部を越えるものであるとイ
ンキ中のカーボンブラックを最適量とした時に得られる
インキの粘度が高くなり汎用性に劣ったものとなるため
である。
【0016】また、この反応時においては、攪拌混合を
行なうことが望ましく、これにより原料に用いた二次凝
集状態にあるカーボンブラックが攪拌混合して反応する
際に効率よく解砕されて微細かつ均一な粒子径となり、
しかも反応の効率も向上するので、得られた処理カーボ
ンブラックの特性が一段と高められたものとなる。さら
にこの攪拌混合は、カーボンブラックと一般式(A)で
表わされる重合体とをトルク値が0.1〜20kg・
m、より好ましくは0.3〜10kg・mの範囲におい
て行なうことが望ましい。
【0017】本発明のインキ用着色剤となる処理カーボ
ンブラックの製造において、カーボンブラックと一般式
(A)で表される化合物との反応を生起させる加熱混合
は、これら二成分だけを加熱混合する方法であってもよ
く、また一般式(A)で表される化合物以外の重合体、
重合性単量体、有機溶剤、水等の他の物質の混在下で加
熱混合する方法であってもよいが、処理がスムーズにい
くことやインキとした時のインキの粘性を考慮すると、
一般式(A)で表される化合物以外の水溶性高分子の混
在下で加熱混合する方法が好ましい。このような水溶性
高分子としては、例えば、ポリエチレングリコール、ポ
リプロピレングリコール、ポリビニルアルコール、ポリ
オキシアルキルフェノールエーテル、ポリオキシエチレ
ン脂肪酸エステル等のノニオン界面活性剤や、β−ナフ
タレンスルフォン酸ホルムアルデヒド縮合物のナトリウ
ム塩、リグニンスルフォン酸ナトリウム等のアニオン界
面活性剤が挙げられるが、一般式(A)で表される化合
物との併用効果からはポリエチレングリコールが最も好
ましい。また、これらの水溶性高分子の分子量は、イン
キとしたときの粘性を考慮すると150〜10,00
0、より好ましくは150〜1,000であることが望
ましい。本発明のインキ中に含まれる処理カーボンブラ
ックの製造方法の実施態様を具体的に示す一例として
は、例えばカーボンブラック100重量部に対し、一般
式(A)で表される重合体5〜200重量部、好ましく
は10〜100重量部、一般式(A)で表される重合体
以外の水溶性高分子0〜200重量部、好ましくは5〜
200重量部、重合性単量体0〜200重量部、および
有機溶剤または水0〜200重量部を配合してなる混合
物を、50〜350℃の温度条件下に攪拌混合して行な
う。
【0018】このようにして得られる処理カーボンブラ
ックは、カーボンブラックに前記一般式(A)で表され
る化合物が反応してなり、該化合物中の反応性基である
エポキシ基がカーボンブラックの表面官能基と高い反応
性を有するために、該化合物成分が高い効率でカーボン
ブラック表面にグラフト化されたものである。このた
め、得られる処理カーボンブラックは、種々の物質との
親和性が改良されており、例えば有機高分子、水、有機
溶剤等への分散性が優れており、殊に水への分散性が著
しく優れており、さらに良好な潤滑性を有するために、
各種分散媒へ分散させた際に適度な粘度を発揮すること
となり、インキ、特に水溶性インキの着色剤として好適
に使用できるものである。この処理カーボンブラックの
分散媒への分散は極めて容易であり、分散の為に高剪断
力をかける必要はなく、常温あるいは加温下、処理カー
ボンブラックと水および/または有機溶剤を、例えばプ
ロペラ羽根や櫂型羽根の付いた攪拌機で攪拌するだけで
分散媒へと分散させることができる。また、カーボンブ
ラックと一般式(A)で表される化合物との加熱混合を
水および/または有機溶剤の存在下で行った場合、処理
カーボンブラックは分散液として得られるため、これを
そのままインキとして用いることが可能であり、また必
要に応じて分散媒に対する処理カーボンブラックの配合
量の調整を行なうこともできる。
【0019】本発明のインキは、カーボンブラックに上
記一般式(A)で表わされる化合物を上記のごとく反応
させて得られた処理カーボンブラックを分散媒に分散し
てなるものであるが、処理カーボンブラックの分散媒に
対する配合量は、使用される分散媒の種類によっても左
右されるが、処理カーボンブラックがインキ組成の1〜
50重量%、より好ましくは3〜30重量%含まれるも
のであることが、良好な筆記性を得、さらに紙質に滲み
や裏抜けを起すことなく、また長期にわたり良好なイン
キ出を得る上から望ましい。
【0020】本発明のインキにおいて使用される分散媒
としては、水、有機溶剤または水と有機溶剤との混合液
が用いられ得るが、このうち好ましくは、水、エチレン
グリコール、ジエチレングリコール、トリエチレングリ
コール、プロピレングリコールおよび1,8−ブチレン
グリコール等のグリコール系溶剤、エチレングリコール
モノメチルエーテル、エチレングリコールモノエチルエ
ーテルおよびエチレングリコールモノブチルエーテル等
のグリコールエーテル系溶剤、エチレングリコールモノ
メチルエーテルアセテートおよびエチレングリコールモ
ノエチルエーテルアセテート等のグリコールエーテルエ
ステル系溶剤、グリセリン、2−ピロリドンおよびN−
メチル−2−ピロリドン等のピロリドン系溶剤、トリエ
タノールアミン、ジエタノールアミンおよびモノエタノ
ールアミン等のアミノアルコール系溶剤、ならびにスル
フォランなどの水溶性有機溶剤、または水とこれらの水
溶性有機溶剤との混合液であり、特に水、および水と水
溶性有機溶剤との混合液である。分散媒として水に加え
て上記したような水溶性有機溶剤を使用した場合、これ
らの水溶性有機溶剤が蒸発抑制剤として機能するためイ
ンキの経時保存性、非蒸発性の向上が期待できる。な
お、水に対するこれらの水溶性有機溶剤の添加割合は、
水溶性有機溶剤の種類によっても左右されるが、水10
0重量部に対して水溶性有機溶剤70重量部以下、より
好ましくは5〜60重量部である。すなわち、水100
重量部に対して水溶性有機溶剤を100重量部を越えて
配合すると、得られるインキの粘度が過度に上昇してし
まい、インキ出が不良となったり、筆跡の滲みや裏抜け
が著しくなったりする虞れが大きいためである。
【0021】また本発明のインキにおいては、上記した
ような処理カーボンブラックおよび分散媒に加えて、必
要に応じてさらに公知の各種添加剤を添加することがで
きる。添加剤としては、例えば、ポリエチレングリコー
ル、ポリオキシアルキルフェノールエーテル、ポリオキ
シエチレン脂肪酸エステル等のノニオン界面活性剤やβ
−ナフタレンスルフォン酸ホルムアルデヒド縮合物のナ
トリウム塩、リグニンスルフォン酸ナトリウム等のアニ
オン界面活性剤、シリコーン樹脂、リン酸エステル、フ
ッ素系界面活性剤、ジチオリン酸塩、ジチオカルバミン
酸誘導体およびモリブデン酸塩等の潤滑剤、安息香酸ナ
トリウムやジヒドロ酢酸ナトリウム等の防黴剤、ジアル
キルチオ尿素、ベンゾトリアゾールあるいはリン酸エス
テル等の防錆剤、フェノールや1,2−ベンツイソチア
ゾリン3−オンなどの防腐剤、デキストリンやソルビト
ールのような糖質の粘性付与剤、尿素あるいは尿素誘導
体等のペン先乾燥防止剤、炭酸ナトリウムやエタノール
アミン類などのpH調節剤などが挙げられる。
【0022】
【実施例】以下、実施例により本発明をより具体的に説
明するが、本発明は以下の実施例によって何ら限定され
るものではない。なお、以下の例中において、「部」は
重量部を示すものである。
【0023】実施例1 カーボンブラックMA−100(三菱化成工業(株)
製)100部とデナコールEX−171(ナガセ化成工
業(株)製、ラウリルアルコール(エチレンオキシド)
15グリシジルエーテル)25部とPEG200(三洋化
成工業(株)製、ポリエチレングリコール(重合度4〜
5))75部とをラボプラストミル(東洋精機(株)
製)を用いて150℃、100rpmの条件下に15分
間混練し、冷却して処理カーボン(1)を得た。 処理カーボン(1) 10部 プロピレングリコール 10部 エチレングリコール 20部 水 60部 そして、このようにして得られた処理カーボン(1)
を、上記の配合割合で分散媒と混合し、攪拌機にて分散
させて、水性インキを調製した。得られたインキにおけ
るカーボンブラックの粒径を遠心沈降法にて測定したと
ころ約0.03μmであった。これを水性サインペン用
インキとして使用したところ、3000字筆記後も筆跡
のカスレ等の不具合がなく、また耐水性が優れており、
数ヵ月放置後も品質に変化がなく、良好な筆記性を示し
た。
【0024】比較例1 実施例1において、処理カーボン(1)10部の代りに
未処理のカーボンブラックMA−100を5部用いた以
外は同様にして水性インキを調製した。得られたインキ
におけるカーボンブラックの粒径を遠心沈降法にて測定
したところ5.0μmであった。分散液は不安定ですぐ
沈降するカーボンブラックも見られた。またこれを水性
サインペン用インキとして使用する筆記試験では筆跡の
カスレが生じた。
【0025】実施例2 カーボンブラックMA−100R(三菱化成工業(株)
製)100部とデナコールEX−145(ナガセ化成工
業(株)製、フェノール(エチレンオキシド)5 グリシ
ジルエーテル)50部とPEG400(三洋化成工業
(株)製、ポリエチレングリコール(重合度7〜8))
50部とをラボプラストミル(東洋精機(株)製)を用
いて160℃、100rpmの条件下に15分間混練
し、冷却して処理カーボン(2)を得た。 処理カーボン(2) 21部 ジエチレングリコール 20部 PEG200 10部 水 60部 そして、このようにして得られた処理カーボン(1)
を、上記の配合割合で分散媒と混合し、攪拌機にて分散
させて、水性インキを調製した。得られたインキにおけ
るカーボンブラックの粒径を遠心沈降法にて測定したと
ころ約0.02μmであった。これをインクジェット用
インキとして使用したところ、目づまりもなく、印字の
ニジミのない極めて鮮明な印字像が得られた。
【0026】
【発明の効果】以上述べたように本発明のインキは、カ
ーボンブラック100重量部と一般式(A)で表される
化合物5〜200重量部とを50℃〜350℃の温度条
件下で反応させて得られた処理カーボンブラックを分散
媒に分散してなるものであり、前記処理カーボンブラッ
クは一般式(A)で表される重合体がカーボンブラック
表面に効率よく強固に結合しておりカーボンブラックの
表面特性が改質され、使用する各種分散媒、特に水系分
散媒に対する親和性が良好なものであると同時に良好な
潤滑性を付与されたものであるため、本発明のインキに
おいてカーボンブラックは均一にかつミクロ分散してお
り、かつその粘度は適度なものとなる。従って、本発明
に係わるインキ、特に水性インキは、インキボテや筆跡
のカスレ等がなく、また長期にわたりスムーズなインキ
出が得られるゆえにその筆記性が良好であり、筆跡の滲
みや裏抜けもなく、またインクジェットにおいて使用し
た場合においてもインキ粒子径のコントロールが容易で
あり、さらにカーボンブラックを着色剤として用いるこ
とに起因して良好な耐水性、着色性、経時安定性などの
特性を有するものであるために、筆記具用、スタンプ
用、印刷用、インクジェット用、記録計用等として好適
なものである。また前記処理カーボンブラックは、カー
ボンブラックの分散媒に対する低分散性という欠点を著
しく改善したものであり、さらにその粘度特性も良好な
ものであるために、インキ用着色剤として好適に提供さ
れるものである。

Claims (9)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】カーボンブラック100重量部と、一般式
    (A) 【化1】 (なお、式中、RはC1 〜C30のアルキル基、アリール
    基、アルキルアリール基、またはハロゲン化アリール基
    であり、またn=1〜50である。)で表される化合物
    5〜200重量部とを50℃〜350℃の温度条件下で
    加熱混合して得られた処理カーボンブラックを、分散媒
    に分散してなるインキ。
  2. 【請求項2】一般式(A)で表される化合物の数平均分
    子量が150〜2000である請求項1に記載のイン
    キ。
  3. 【請求項3】一般式(A)におけるRの炭素数Cmと酸
    化エチレン単位の総数nとの比が、0.02<Cm/n
    <5を満足するものである請求項1〜2のいずれかに記
    載のインキ。
  4. 【請求項4】処理カーボンブラックがインキ組成の1〜
    50重量%含まれるものである請求項1〜4のいずれか
    に記載のインキ。
  5. 【請求項5】分散媒が水、水溶性有機溶剤、または水と
    水溶性有機溶剤との混合液である請求項1〜4のいずれ
    かに記載のインキ。
  6. 【請求項6】分散媒が水である請求項1〜4のいずれか
    に記載のインキ。
  7. 【請求項7】処理カーボンブラックが、カーボンブラッ
    クおよび一般式(A)で表される化合物に加えて、さら
    に水溶性高分子を存在させて加熱混合して得られるもの
    である請求項1〜5のいずれかに記載のインキ。
  8. 【請求項8】カーボンブラック100重量部と、一般式
    (A) 【化2】 (なお、式中、RはC1 〜C30のアルキル基、アリール
    基、アルキルアリール基、またはハロゲン化アリール基
    であり、またn=1〜50である。)で表される化合物
    5〜200重量部とを50℃〜350℃の温度条件下で
    加熱混合して得られた処理カーボンブラックよりなるイ
    ンキ用着色剤。
  9. 【請求項9】処理カーボンブラックが、カーボンブラッ
    クおよび一般式(A)で表される化合物に加えて、さら
    に水溶性高分子を存在させて加熱混合して得られるもの
    である請求項8に記載のインキ用着色剤。
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