JPH11315220A - 記録液 - Google Patents
記録液Info
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- JPH11315220A JPH11315220A JP12499698A JP12499698A JPH11315220A JP H11315220 A JPH11315220 A JP H11315220A JP 12499698 A JP12499698 A JP 12499698A JP 12499698 A JP12499698 A JP 12499698A JP H11315220 A JPH11315220 A JP H11315220A
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Abstract
と共に、印字品質、画像濃度、吐出安定性等の特性にお
いても良好な顔料系記録液を提供する。 【解決手段】 カーボンブラック表面に、次の一般式
(a)〜(c)で示される化合物の少なくとも1つを環
付加反応させてなるものを色材として配合する。 (R1、R2はメチル基等。) (R3、R4はメチル基等、R5はフェニル基等。) (R6、R7はカルボキシル基等。)
Description
のである。詳しく述べると、本発明は、例えばインクジ
ェット方式の印刷法において用いられ得る、耐水性、耐
候性の良好な顔料系記録液において、分散安定性、保存
安定性、印字品質、画像濃度、吐出安定性等の特性の改
良に関する。
クと称される記録液を液滴流として飛翔させ、記録紙等
に付着させて記録を行なうものである。
用いるインクすなわち記録液としては、従来、染料を色
材としこれを溶媒に溶解してなる染料系タイプのものが
実用化されている。しかしながら、染料系の記録液は、
特にフェザリング(紙の繊維に沿ってインクがひげ状に
滲む現象)やブリーディング(いわゆるインクの滲み現
象)と呼ばれるにじみの問題を一般に持っており、ま
た、耐水性、耐候性に劣るという問題を有している。
ボンブラック等の顔料を色材として使用した顔料系の記
録液をインクジェット記録法に適用する試みもなされて
いる。顔料系記録液は、画像の耐水性、耐候性が、染料
系記録液を用いた場合と比較して極めて良好であるとい
う利点がある。
散媒に不溶性であるため、分散媒中に顔料を微分散さ
せ、かつその分散安定性を確保することは顔料系記録液
に特有の課題である。
り、分散剤と呼ばれる添加剤が分散媒に加えられて、色
材を分散させ、その状態を維持することが広く行われて
いる。この分散剤としては、トリエチレングリコールモ
ノメチルエーテルメタノール等の多価アルコールのアル
キルエーテル誘導体類、グリセリルモノアセテート等の
多価アルコールのエステル誘導体類などが従来用いられ
ているが、これらの分散剤の添加により、インクジェッ
トプリンターのノズルに記録液が目詰まりし易くなり、
記録液の吐出安定性が劣化してしまうという課題が生じ
ている。また分散媒中の色材濃度が相対的に低下するの
で、実際の紙等の被記録材への出力でも印字濃度が低下
するという課題もある。
散性を改善するために、カーボンブラック表面をプラズ
マ処理したり、湿式で酸化処理することは従来より行わ
れているが、このような処理による表面改質は経時的安
定性が十分なものではなかった。
グラフト重合させることも提唱されている。例えば、特
開平5−230410号公報には、アクリルアミド誘導
体をグラフト重合させたカーボンブラックを用いたイン
クジェット用インクが、また特開平5−339516号
公報には、カーボンブラックを紫外線またはオゾンにて
処理後、ビニル基を有するモノマーを熱重合にてグラフ
ト重合させてなるグラフトカーボンを用いてなるインク
ジェット用インクが、特開平6−25572号公報に
は、カーボンブラックを放電処理後、ビニル基を有する
モノマーを光重合にてグラフト重合させてなるグラフト
カーボンを用いてなるインクジェット用インクが開示さ
れている。また特開平8−302227号公報には、有
機顔料表面に導入したラジカル種にビニルモノマーをラ
ジカル重合あるいは有機顔料にリビングポリマーを反応
させグラフト化することが開示されている。
重合させてなる改質顔料を分散媒の展開した場合、その
分散性および分散安定性は、かなり改善されるものであ
るが、このようなポリマーをグラフト重合させてなる改
質顔料を用いた記録液は、インクジェットプリンターの
ノズルにおいて目詰まりし易いものであった。その詳細
な理由は明らかではないが、おそらくはカーボンブラッ
ク等の顔料表面に結合ないし付着したポリマー鎖が、顔
料粒子間で絡まりあったりし、二次的な粒子系が大きく
なっているためではないかと思われる。
従来の問題に鑑みてなされたものであり、インクジェッ
ト方式の印刷法において用いられ得る、耐水性、耐候性
の良好な顔料系記録液であって、高い分散安定性ないし
保存安定性を有すると共に、印字品質、画像濃度、吐出
安定性等の特性においても優れた記録液を提供すること
を課題とする。
の本発明は、以下に示すような特徴を有する。
般式(a)〜(c)で示される化合物の少なくとも1つ
を環付加反応させてなることを特徴とする色材。
5は、それぞれ独立に、水素、OR、COR、COO
R、OCOR、COONa、COOK、COO−NR4
+、ハロゲン、CN、NR2、SH、SO3H、SO3
Na、SO3K、SO3 −NR4 +、NR(COR)、
CONR2、NO2、PO3H2、PO3HNa、PO
3Na2、N=NR、N2 +X−、NR3 +X−もしく
はPR3 +X−、(但し、Rは、それぞれ独立に、ハロ
ゲン、炭素数1〜20のアルキルまたはアリル基であ
り、Xはハロゲン化物、または無機ないし有機酸残基で
ある。)、または炭素数1〜20の直鎖状、分岐状もし
くは環状の炭化水素基(1ないしそれ以上の上記したい
ずれかの官能基で置換されていても良い。)である。)
いずれかは、COOH、COONa、COOK、 SO
3H、SO3Na、SO3K、NO2、PO3H2、P
O3HNa、PO3Na2、またはN2 +X−(但し、
Xはハロゲン化物、または無機ないし有機酸残基であ
る。)であり、他方は、炭素数1〜20の直鎖状、分岐
状もしくは環状の炭化水素基(1ないしそれ以上の上記
したいずれかの官能基で置換されていても良い。)であ
っても良い。) (2) 上記(1)に記載の色材を配合してなることを
特徴とする記録液。
式(a)で表される化合物を環付加反応させてなるもの
である上記(2)に記載の記録液。
式(b)で表される化合物を環付加反応させてなるもの
である上記(2)に記載の記録液。
式(c)で表される化合物を環付加反応させてなるもの
である上記(2)に記載の記録液。
とするものである上記(2)〜(6)のいずれかに記載
の記録液。
招く分散剤の添加という手段を極力用いることなく、カ
ーボンブラックを分散媒中に安定に分散させることを課
題として種々検討を行った結果、カーボンブラック表面
に直接に分散安定性を向上させる基を化学結合させるこ
とに着目し、さらに鋭意研究を行った結果、上記したよ
うな一般式(a)で示されるようなエキソメチレンシク
ロプロパノン環状ケタール骨格を有する化合物、ないし
は、一般式(b)で示されるシクロプロペノン環状ケタ
ール骨格を有する化合物をカルベン発生種として、ある
いは一般式(c)で示されるジアザビシクロヘプテン骨
格を有する化合物をビラジカル発生種として用い、この
カルベンないしビラジカルをカーボンブラック表面の芳
香環に直接化学反応させ、結合(環付加)させる(図1
(a)〜(c)参照)ことで、前記カルベン発生種由来
の官能基あるいはビラジカル発生種由来の官能基で修飾
すると、カーボンブラックの分散媒中における分散安定
性を向上させることを見出したものである。なお、この
ようにカーボンブラックの分散安定性が向上する正確な
理由は明らかではないが、表面に結合した官能基が本来
持つ水親和性の作用や、カーボンブラック表面に前記し
たような化合物残基が結合したことによる、カーボンブ
ラック粒子同士の二次凝集が抑制されることなどが考え
られる。
の改質されたカーボンブラックを色材として用いたもの
であるため、従来所定の分散安定性を得るために配合し
ていた多価アルコールのアルキルエーテル誘導体類、多
価アルコールのエステル誘導体類などの分散剤を実質的
に添加する必要がない。またカーボンブラック表面の修
飾は、上記したように芳香環に前記カルベンないしビラ
ジカルを直接結合させることによりなされたものであっ
て導入された修飾基の安定性は高く、高分子量体である
ポリマー鎖をグラフトさせたグラフトカーボンブラック
におけるような二次的な粒子径の増大と言った問題も生
じる虞れもない。従って、本発明に係る改質されたカー
ボンブラックを色材として用いた記録液は、十分な分散
安定性ないし保存安定性を有すると共に、印字品質、画
像濃度、吐出安定性等の特性においても良好なものとな
る。
細に説明する。
カーボンブラックとしては特に限定されるものではな
く、例えばファーネスブラック、チャンネルブラック、
アセチレンブラック、ランプブラック等のいずれの種類
のものを用いることができ、通常の市販品をそのまま使
用できる。なお、カーボンブラックとして、その表面に
カルボキシル基、ヒドロキシ基等の官能基を有するもの
も使用可能であるが、後述するように本発明においては
カーボンブラック表面の芳香環に修飾剤を直接結合させ
るものであるため、このような官能基は特段必要ではな
く、また、カーボンブラックとしてはほぼ中性のもの、
特にpH7〜8程度のものが好ましい。
0〜200nm、特に20〜50nmの範囲内であるこ
とが好ましい。平均粒子径が20nm未満のカーボンブ
ラックは容易に得られないため、産業上意義が小さい。
また、平均粒子径が200nmを越える場合、得られた
色材に分散媒に対する十分な分散性が付与できない虞れ
があるためである。
クの具体例としては、例えば、ファーネスブラックとし
ては、Reagal 250R、415R、330R(以上、キャボット社
(Cabot)製)、#45L(三菱化学製)、Printex-35(デグ
サ社(Degussa)製)などが、またアセチレンブラックと
しては、Denkablack(電気化学工業(株)製)などが、
またチャンネルブラックとしてはNeospectra II(コロ
ンビアカーボン社(Columbian Carbon)製)などを挙げる
ことができる。参考までに、これらのカーボンブラック
の物性を表1に示す。
行うために本発明においては、次の一般式(a)〜
(c)で示される化合物の少なくとも1つから発生す
る、カルベンないしビラジカルをカーボンブラック表面
に環付加反応させる。
5は、それぞれ独立に、水素、OR、COR、COO
R、OCOR、COONa、COOK、COO−NR4
+、ハロゲン、CN、NR2、SH、SO3H、SO3
Na、SO3K、SO3 −NR4 +、NR(COR)、
CONR2、NO2、PO3H2、PO3HNa、PO
3Na2、N=NR、N2 +X−、NR3 +X−もしく
はPR3 +X−、(但し、Rは、それぞれ独立に、ハロ
ゲン、炭素数1〜20のアルキルまたはアリル基であ
り、Xはハロゲン化物、または無機ないし有機酸残基で
ある。)、または炭素数1〜20の直鎖状、分岐状もし
くは環状の炭化水素基(1ないしそれ以上の上記したい
ずれかの官能基で置換されていても良い。)である。)
いずれかは、COOH、COONa、COOK、 SO
3H、SO3Na、SO3K、NO2、PO3H2、P
O3HNa、PO3Na2、またはN2 +X−(但し、
Xはハロゲン化物、または無機ないし有機酸残基であ
る。)であり、他方は、炭素数1〜20の直鎖状、分岐
状もしくは環状の炭化水素基(1ないしそれ以上の上記
したいずれかの官能基で置換されていても良い。)であ
っても良い。) なお一般式(a)〜(b)で表される化合物において、
R1〜R5は、好ましくは極性基(親水基)であること
が望ましく、特に、CH2CH2COOH、CN、CH
2OH、CHO、OCOCH3、COOCH3、COO
NaおよびCOOKが望ましい。
て、 R6およびR7は、好ましくは、 COOH、CO
ONa、COOK、 SO3H、SO3Na、SO3K
である。
〜(c)で示される化合物を、単独ないしは複数種組み
合わせて、カーボンブラックに反応させることができ
る。
発生種とカーボンブラックとの反応条件としては、特に
限定されるものではなく、また用いられる化合物の種類
等によっても左右されるが、例えば、ジクロロベンゼ
ン、トルエン等の適当な溶媒中で、これらの化合物とカ
ーボンブラックの混合物を、適当な温度、例えば80〜
100℃程度に加熱することによって容易に行うことが
できる。このような条件下においては、これらの化合物
が温和に熱分解してカルベンないしビラジカルが生成
し、生成したカルベンないしが微ラジカルがカーボンブ
ラック表面の芳香環に環付加反応して、カーボンブラッ
ク表面が修飾される。
ラックと一般式(a)〜(c)で示される化合物との配
合割合は、特に限定されるものではないが、カーボンブ
ラック1mol当たり、化合物0.001〜10mol
程度が適当である。
般式(a)〜(c)で示される化合物残基が表面芳香環
に環付加反応してなるカーボンブラックを色材として配
合してなるものであれば、分散媒ないし他の成分につい
ては特に限定されるものではなく、当該記録液を用いる
インクジェット記録装置の方式、例えば、圧電素子、静
電アクチュエーターあるいはヒーター加熱などによる加
圧方式、さらにその吐出条件、例えば、圧電素子方式に
おいては、圧電素子の駆動電圧、駆動周波数、吐出オリ
フィスの形状と材質、吐出オリフィス径等、静電アクチ
ュエーター方式においては、印加電圧、吐出オリフィス
の形状と材質、吐出オリフィス径等、またヒーター加熱
方式においては、単位時間当りに作用する熱エネルギー
量、熱交換エネルギーの種類、吐出オリフィスの形状、
吐出オリフィス径等、さらに紙、OHPフィルム、布な
どの被記録材の種類等に適合した粘度、表面張力、電導
度、沸点、熱伝導率、水溶性ないし非水溶性等の液物性
を有するように、適宜その組成を選択すれば良い。
に限定されるものではないが、例えば、水;例えば、メ
チルアルコール、エチルアルコール、n−プロピルアル
コール、イソプロピルアルコール、n−ブチルアルコー
ル、sec −ブチルアルコール、tert−ブチルアルコー
ル、イソブチルアルコール等のモノアルコール類;例え
ば、エチレングリコール、ジエチレングリコール、トリ
エチレングリコール、プロピレングリコール、テトラエ
チレングリコール、ポリエチレングリコール、グリセリ
ン等の多価アルコール類; 例えば、エチレングリコー
ルモノメチルエーテル、エチレングリコールモノエチル
エーテル、ジエチレングリコールモノメチルエーテル、
ジエチレングリコールモノエチルエーテル、プロピレン
グリコールモノメチルエーテル、プロピレングリコール
モノエチルエーテル、トリエチレングリコールモノメチ
ルエーテル、トリエチレングリコールモノエチルエーテ
ル、ジエチレングリコールジメチルエーテル、ジエチレ
ングリコールジエチルエーテル等の多価アルコールのア
ルキルエーテル類;例えば、エチレングリコールモノエ
チルエーテルアセテート、グリセリルモノアセテート等
の多価アルコールのエステル類;例えば、ピロリドン、
N−メチル−2−ピロリドン、1,3−ジメチル−2−
イミダゾリジノン等の含窒素環状化合物類; 例えばア
セトン、メチルエチルケトン、メチルプロピルケトン、
メチルアミルケトン、ジクロヘキサノン、ジアセトンア
ルコール等のケトンまたはケトアルコール類;エチルエ
ーテル、ブチルエーテル、テトラヒドロフラン、ジオキ
サンなどのその他のエーテル類;例えば、蟻酸エチル、
酢酸メチル、酢酸エチル、酢酸フェニル、乳酸エチル、
エチレンカーボネート、プロピレンカーボネート等のそ
の他のエステル類;例えば、モノエタノールアミン、ジ
エタノールアミン、トリエタノールアミン等のアミン系
溶剤;例えば、ジメチルホルムアミド、ジメチルアセト
アミド等のアミド系溶剤; 例えば、ヘキサン、オクタ
ン、シクロペンタン、ベンゼン、トルエン、キシロール
等の炭化水素系溶剤;四塩化炭素、トリクロロエチレ
ン、テトラクロロエタン、ジクロロベンゼン等のハロゲ
ン化炭化水素系溶剤などの各種のものを単独あるいは複
数種組合せて用いることができる。
機溶媒を用いることが望ましく、特に水を主成分、特に
分散媒の85容量%以上を水とすることが望ましい。
る上記色材の配合量は、特に限定されるものではない
が、例えば、カーボンブラック濃度が1〜30重量%の
範囲内となるように前記色材量を調整すればよい。
うな分散媒と本発明に係る上記色材とを基本構成成分と
してなるものであるが、必要に応じて、例えば、粘度調
整剤、表面張力調整剤、pH調整剤、保湿剤、キレート
剤、防かび剤、定着剤、安定剤どといった各種の添加剤
などを添加しても良い。
液の粘度ないし表面張力を調整し、より良好な飛翔性
(吐出応答性)を得るため、また被記録体への浸透性を
調整するといった目的から添加され得る。
よび色材に悪影響を及さないものである限りにおいて、
公知のいずれのものを用いてもよく、例えば、ポリアル
キレングリコール類などが例示できるが、好ましくはポ
リエチレングリコール(PEG)で、より好ましくはP
EG#400である。その添加量としては特に限定され
るものではないが、分散媒総量に対し0〜10重量%、
より好ましくは0.1〜8重量%、さらに好ましくは1
〜5重量%である。
体および色材に悪影響を及さないものである限りにおい
て、公知のいずれのものを用いてもよく、ノニオン系界
面活性剤の他に、シリコーン系やフッ素系、アセチレン
系などの各種界面活性剤を挙げることができる。また、
アニオン系、カチオン系の界面活性剤を用いることも可
能である。その添加量としては特に限定されるものでは
ないが、分散媒総量に対し0.1〜5重量%、より好ま
しくは0.1〜3重量%、さらに好ましくは0.2〜
0.5重量%である。
面張力調整剤のみに依存するものではなく、浸透剤や保
湿剤なども表面張力調整剤としての機能を果たすもので
ある。
保ち、pHの変化による色材の分散安定性などへの影響
を防止する目的で添加され得る。pH調整剤としては例
えば、NaHCO3、Na2B4O7、Na2CO3、
KHCO3、K2CO3、NaOH、CH3COON
a、N(CH2CH2OH)3等が例示でき、NaHC
O3が好ましい。その添加量としては特に限定されるも
のではないが、分散媒総量に対し0.1〜1重量%、よ
り好ましくは0.1〜0.5重量%、さらに好ましくは
0.2〜0.5重量%である。
の蒸発による、インクの濃度変化と吐出安定性の変化を
防止する目的から添加され得る。保湿剤としては、例え
ば、アルキレン基が2〜6個の炭素原子を含むアルキレ
ングリコール類などが例示でき、好ましくは、ジエチレ
ングリコール、トリエチレングリコール、グリセリン等
である。その添加量としては特に限定されるものではな
いが、分散媒総量に対し1〜10重量%、より好ましく
は3〜10重量%、さらに好ましくは5〜8重量%であ
る。
れ、記録液中に存在する金属イオンを捕捉し、金属イオ
ンと色材との相互作用により分散安定性が失われること
を未然に防止する目的から添加され得る。具体例として
は、例えば、エチレンジアミントリエチルアミン4ナト
リウム塩(EDTA4Na)が例示できる。その添加量
としては特に限定されるものではないが、分散媒総量に
対し0.1〜1重量%、より好ましくは0.1〜0.5
重量%、さらに好ましくは0.2〜0.5重量%であ
る。
を高める目的から添加され得、具体例としては例えば、
ジエチレングリコールモノブチルエーテルやトリエチレ
ングリコールモノブチルエーテルなどの多価アルコール
の低級アルキルエーテル類が例示できる。その添加量と
しては特に限定されるものではないが、分散媒総量に対
し1〜10重量%、より好ましくは3〜10重量%、さ
らに好ましくは4〜8重量%である。
系としてチアベンゾール(メルク社製)、メルガール
(ヘキスト社製)などが挙げられ、イソチアゾリン系と
して、フロキセル(ゼネカ社製)、アモルデン(大和化
学工業社製)などが挙げられる。また、プレベントール
シリーズ(バイエル社製)や、ソヂウムオマジン、ジオ
キシン、ジヒドロ酢酸ナトリウム、無機系では水ガラス
を挙げることができる。その添加量としては特に限定さ
れるものではないが、分散媒総量に対し0.01〜1重
量%、より好ましくは0.05〜0.5重量%、さらに
好ましくは0.1〜0.5重量%である。
記録液が速やかに乾いたり浸透したりすることで、別の
被記録体への汚れを防止する目的で添加され得るもので
あり、例えば、メタノール、エタノール、プロパノー
ル、イソプロパノール、ブタノール、sec−ブタノール
などの低級アルコール類が具体例として例示できる。そ
の添加量としては特に限定されるものではないが、分散
媒総量に対し1〜5重量%、より好ましくは1〜4重量
%、さらに好ましくは2〜3重量%である。
ル混合系分散媒中における色材の分散安定性が低下する
のを防止する目的から添加され得、各種両親媒剤を用い
ることができるが、好ましくはトリエタノールアミンで
ある。その添加量としては特に限定されるものではない
が、分散媒総量に対し0.01〜1重量%、より好まし
くは0.05〜0.5重量%、さらに好ましくは0.1
〜0.5重量%である。
る場合などの、色材の被記録体への定着性を特に上げる
必要がある場合において、色材の被記録体への定着性を
向上させる目的から添加され得、具体的には例えば、全
て水溶性の、ポリエステル類、ポリウレタン類、ポリア
ミド類、ポリイミド類、ポリ(メタ)アクリル類、ポリ
ビニルアルコール類などが挙げられ、より好ましくはポ
リ(メタ)アクリル酸エステル類である。その添加量と
しては特に限定されるものではないが、分散媒総量に対
し0.1〜15重量%、より好ましくは1〜10重量
%、さらに好ましくは4〜8重量%である。
用されるインクジェット記録方式に応じて、比抵抗調整
剤。赤外線吸収発熱剤などといった各種の配合剤を必要
に応じて含有することができる。
説明する。
(1)の合成
ロプロパノンケタールを、文献(J.Am. Chem. Soc., 11
1, 7285 (1989))に従い合成し、カルベン発生種とし
た。
R)3g、上記カルベン発生種(0.462g/0.0
03mol)、および溶剤としてのo−ジクロロベンゼ
ン50mlを還流冷却管を付けた200ml容の三つ口
フラスコに投入し、徐々に液温を上げながら撹拌し、8
0〜90℃まで温度を上げ、37時間反応させた。
た残渣から、アセトンを溶媒に用いたソックスレー抽出
により、未反応物および副反応物を除去し、表面修飾カ
ーボンブラック(1)を得た。
(2)の合成
タールを、文献(Org. Synth, 65,32 (1987))に従い合
成し、カルベン発生種とした。
クロプロパノンケタールに替えて、このシクロプロペノ
ンケタールを用い、合成例1と同様の反応を行い、表面
修飾カーボンブラック(2)を得た。
(3)の合成
デン−2,3−ジアザビシクロヘプテンを、文献(J. A
m. Chem. Soc., 93, 4948 (1971))に従い合成し、ビラ
ジカル発生種とした。
R)3g、上記ビラジカル発生種(0.408g/0.
003mol)、および溶剤としてのトルエン50ml
を還流冷却管を付けた200ml容の三つ口フラスコに
投入し、窒素雰囲気下、徐々に液温を上げて還流撹拌
し、37時間反応させた。
た残渣から、アセトンを溶媒に用いたソックスレー抽出
により、未反応物および副反応物を除去し、表面修飾カ
ーボンブラック(3)を得た。
(4)の合成 合成例1と全く同様のカーボンブラック、カルベン発生
種および溶剤としてのo−ジクロロベンゼンを用いて、
合成例1と同様の反応を行い、ソックスレー抽出を終え
た後に得られた表面修飾カーボンブラックに対し、合成
例2で用いたものと同様のカルベン発生種および溶剤と
してのo−ジクロロベンゼンを配合し、再度、合成例1
と同様の反応を行った。その後、再度ソックスレー抽出
を行い、表面修飾カーボンブラック(4)を得た。
使用し、以下の組成でインクジェット用インク(1)を
調製した。
後、ホモジナイザーで粒径を整え、10ミクロンのメン
ブランフィルターで瀘過を行うことにより、インクを調
製した。
インク(1)に関し、以下に示すような基準により、分
散安定性、保存安定性、サーマルショック安定性、印字
品質、画像濃度およびノズルの目詰りに関して評価を行
った。得られた結果を表2に示す。
(1)に替えて、合成例2〜4でそれぞれ得られた表面
修飾カーボンブラック(2)〜(4)を用いた以外は、
実施例1と同様にして、インクジェット用インク(2)
〜(4)を調製し、実施例1と同様に性能評価を行っ
た。得られた結果を表2に示す。
(1)に替えて、表面非修飾カーボンブラック、すなわ
ちカーボンブラック(Cabot社製、Reagal250R)をその
まま用いた以外は、実施例1と同様にして、インクジェ
ット用インク(5)を調製し、実施例1と同様に性能評
価を行った。得られた結果を表2に示す。
を、高圧水銀ランプ(400W)下で30分間紫外線照
射処理した。
ブラックに以下のものを混合し、窒素ガスを溶液中に吹
き込みながら65℃で撹拌し、1時間重合させる。
ーを十分除去し、熱水で洗浄後乾燥して、グラフトカー
ボンブラックを得、これを用いて以下の組成でインクジ
ェット用インク(6)を調製した。
後、ホモジナイザーで粒径を整え、10ミクロンのメン
ブランフィルターで瀘過を行うことにより、インクを調
製した。
関し実施例1と同様に性能評価を行った。得られた結果
を表2に示す。
製EPペーパー)を使用し、また印字はエプソン製イン
クジェットプリンターMJ−510Cにて実施した。な
お、分散安定性、保存安定性およびサーマルショック安
定性に関する評価は、実施例1〜4および比較例1〜2
において調製したインクを直接用いず、それぞれの例に
おいて用いられた表面修飾カーボンブラック、表面非修
飾カーボンブラックあるいはグラフトカーボンブラック
を蒸留水中に10重量%濃度となるように配合し、各例
におけると同様の撹拌、整粒および瀘過処理を行うこと
により調製されたカーボンブラック分散水溶液を用い
て、実施した。
水溶液10mlを、遠心沈降管に入れ、12000rp
mで1時間遠心分離を行った(遠心分離器:BECKMAN社
製、Avanti J25)。遠心分離後、上澄液の600nmに
おける吸光度を測定視、検量線より上澄液の濃度を求
め、その濃度により、以下の基準に基づき分散安定性を
3段階評価した。なお、検量線は種々の濃度の分散液の
吸光度を予め測定することにより得た。
lを、遠心沈降管に入れ、40℃の温度下に3カ月間放
置し、上記分散安定性の評価と同様の遠心沈降法にて評
価を行った。
lをサンプル管に入れ、−10℃の温度下に1時間置い
た後、すぐに50℃の温度下に1時間置くというサイク
ル(サーマルショック)を1日に5回行い、これを3日
間続ける。サーマルショック前後での剪断率を比較する
ことにより、インクの、チキソ性の有無や物性の安定性
(変化の有無)を評価した。
具合をTEP(Tangential Edge Profile)を測定する
ことにより評価した。TEPは、直線のガタツキを本来
あるべき直線からの変位量として求めその標準偏差を値
として用いるモノである。なお評価装置としては、ドッ
トアナライザーDA−5000S(王子計測機器社製)
を使用した。評価は次の2段階によった。
値)を、サクラ濃度計PDA65(コニカ社製)にて測
定した。評価は次の2段階によった。
り、14時間放置する」というサイクルを5回繰り返し
た後、線幅150ミクロンの直線を出力し、マイクロデ
ンシトメーター(コニカ社製PDM5)でその直線上の
印字濃度を測定する。濃度が0.3未満となる点をイン
ク吐出の欠落部位とし、その部位の距離で評価した。評
価は次の2段階によった。
ボンブラック表面の芳香環に直接化学反応させ結合させ
たカルベン発生種由来の官能基あるいはビラジカル発生
種由来の官能基による表面修飾によって、分散安定性の
改質されたを色材が得られるものである。また、このよ
うな色材を配合してなる記録液は、十分な分散安定性な
いし保存安定性を有すると共に、印字品質、画像濃度、
吐出安定性等の特性においても良好なものとなる。
材の一実施形態におけるカーボンブラック(CB)の表
面修飾前後の表面状態を模式的に示す図面である。
Claims (6)
- 【請求項1】 カーボンブラック表面に、次の一般式
(a)〜(c)で示される化合物の少なくとも1つを環
付加反応させてなることを特徴とする色材。 【化1】 【化2】 (但し、これらの式中において、R1〜R5は、それぞ
れ独立に、水素、OR、COR、COOR、OCOR、
COONa、COOK、COO−NR4 +、ハロゲン、
CN、NR2、SH、SO3H、SO3Na、SO
3K、SO3 −NR4 +、NR(COR)、CON
R2、NO2、PO3H2、PO3HNa、PO3Na
2、N=NR、N2 +X−、NR3 +X−もしくはPR
3 +X−、(但し、Rは、それぞれ独立に、ハロゲン、
炭素数1〜20のアルキルまたはアリル基であり、Xは
ハロゲン化物、または無機ないし有機酸残基であ
る。)、または炭素数1〜20の直鎖状、分岐状もしく
は環状の炭化水素基(1ないしそれ以上の上記したいず
れかの官能基で置換されていても良い。)である。) 【化3】 (但し式中、R6およびR7の少なくともいずれかは、
COOH、COONa、COOK、 SO3H、SO3
Na、SO3K、NO2、PO3H2、PO3HNa、
PO3Na2、またはN2 +X−(但し、Xはハロゲン
化物、または無機ないし有機酸残基である。)であり、
他方は、炭素数1〜20の直鎖状、分岐状もしくは環状
の炭化水素基(1ないしそれ以上の上記したいずれかの
官能基で置換されていても良い。)であっても良い。) - 【請求項2】 請求項1に記載の色材を配合してなるこ
とを特徴とする記録液。 - 【請求項3】 前記色材が、少なくとも上記一般式
(a)で表される化合物を環付加反応させてなるもので
ある請求項2に記載の記録液。 - 【請求項4】 前記色材が、少なくとも上記一般式
(b)で表される化合物を環付加反応させてなるもので
ある請求項2に記載の記録液。 - 【請求項5】 前記色材が、少なくとも上記一般式
(c)で表される化合物を環付加反応させてなるもので
ある請求項2に記載の記録液。 - 【請求項6】 前記記録液の分散媒が水を主成分とする
ものである請求項2〜5のいずれかに記載の記録液。
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- 1998-05-07 JP JP12499698A patent/JP3864554B2/ja not_active Expired - Fee Related
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