JP2004210902A - インクジェット用インク - Google Patents

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JP2004210902A JP2002380484A JP2002380484A JP2004210902A JP 2004210902 A JP2004210902 A JP 2004210902A JP 2002380484 A JP2002380484 A JP 2002380484A JP 2002380484 A JP2002380484 A JP 2002380484A JP 2004210902 A JP2004210902 A JP 2004210902A
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Hirobumi Ichinose
博文 一ノ瀬
勝彦 ▲高▼橋
Katsuhiko Takahashi
Isao Kimura
勲 木村
Masakatsu Iwata
正勝 岩田
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Abstract

【課題】インクシ゛ェット記録方法で用いるインクにおいて、被記録媒体のカールを十分に抑制し、高精細な画像特性を得ることができるインクを提供する。
【解決手段】少なくとも水、着色剤、を含むインクであって、更に、以下の化合物Aおよび化合物Bの中から選ばれる2種の化合物を含み、該化合物の総含有量が前記インク全量に対し、質量換算で10%〜30%の範囲であり、且つ、インク中の水の含有量と該化合物の総含有量の比が水の含有量/前記化合物の総含有量の比が2.0以上3.2以下であることを特徴とするインクシ゛ェット用インク。
1)炭素数が4以上であって、OH基を3つ以上有する化合物A、
2)炭素数が7以上であって、OH基を2つ有する化合物B。
【選択図】 なし

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明はインクを吐出させて画像の記録を行うインクジェット記録方法に用いられるインクに関するものである。
【0002】
【従来の技術】
インクジェット方式は、種々の作動原理よりインクの微小液滴を飛翔させて被記録媒体(紙など)に付着させ、画像や文字などの記録を行なう記録方式であり、高速、低騒音、多色化が容易、記録パターンの融通性が高い、現像および定着が不要などの特徴があり、様々な用途において急速に普及しているインクジェット記録方法で記録する際の被記録媒体としては普通紙、コート紙、光沢紙、OHPシート、バックプリントフィルムなど様々なものが市販されているが、一般のオフィスでのビジネス用途では低価格の普通紙を用いることが多い。この際の要求特性としては前述した特性を満足しながら、紙が多くのインクを付与された際に生じるカール(紙が反る、丸まる)現象を緩和、抑制することが挙げられる。ここでは印字中のカールはもとより、印字後、水分が乾燥、蒸発して起こる印字後カールの緩和、抑制が重要になってくる。
【0003】
インクジェットで記録した記録物の使用については多様であり、カールした紙は積み重ねたり、ファイリングした際に丸まったり、平坦性を保てないために様々な不具合を生じる。また、OHPの発表用原稿のためし印刷を価格の安い普通紙を用いて行うこともあり、その際に図や写真、更には背景などを青などの2次色で記録すると紙が反ることにより取扱いに困ることが多い。
【0004】
ここでカールが起きる現象は水分の付与が大きく起因している。すなわち、印字面積が広い場合、更には印字の際のインク付与量が大きい際に著しくカールが起きることが分かっている。
【0005】
このカールを緩和、抑制する方法として従来幾つかの方法が提案されている。例えば、特開平4−332775号公報(特許文献1)において、分子構造中に水酸基を4個以上有し、水または水性有機溶媒に溶解な固体物質を含むインクジェット用インクが提案されている。また、特開平6−157955号公報(特許文献2)には糖類などのカール低減剤を含有するインクが提案されている。また、特開平6−240189号公報(特許文献3)、特開平9−165539号公報(特許文献4)には糖類、糖アルコール類を含有したインクが提案されている。また、特開平9−176538号公報(特許文献5)にはカール低減剤として特定のアミド化合物を含有したインクが提案されている。また、特開平10−130550号公報(特許文献6)には特定の多価アルコールとグリセリンを組み合わせて含有したインクが提案されている。また、特開2000−198267号公報(特許文献7)には溶媒、高分子バインダ、媒染剤、水溶性カール低減化合物、水溶性糊抜き化合物、耐光性化合物、消泡剤などを含むインクが提案されている。
【0006】
また、特開平9−207424号公報(特許文献8)には反応液とインクを別々に記録し、それぞれにカールを低減する化合物を含有するインクが提案され、ある種のポリオールを反応液の多価金属の量よりも多く入れている。
【0007】
また、インクジェット記録においては更に高速化が進んでおり、高速印刷する際の吐出安定性や信頼性が重要になり、そのために、インク自身の安定性、浸透性、粘度などの諸物性を得た上でカールを緩和・抑制することが重要になっている。
【0008】
【特許文献1】
特開平4−332775号公報
【特許文献2】
特開平6−157955号公報
【特許文献3】
特開平6−240189号公報
【特許文献4】
特開平9−165539号公報
【特許文献5】
特開平9−176538号公報
【特許文献6】
特開平10−130550号公報
【特許文献7】
特開2000−198267号公報
【特許文献8】
特開平9−207424号公報
【0009】
【発明が解決しようとする課題】
従って、本発明の目的は、上記した従来技術の問題を解決し、カールを十分に抑制し、特に普通紙の印刷物を扱い易くするものである。また、本発明はインクジェット記録において、インクの長期安定性、記録安定性を同時に得られ、特に高速印字において安定な記録特性が得られる。更には、画像特性の点について良好な特性を得るものである。
【0010】
【課題を解決するための手段】
本願発明は、少なくとも水、着色剤、を含むインクであって、更に、以下の化合物Aおよび化合物Bの中から選ばれる2種の化合物を含み、
該化合物の総含有量が前記インク全量に対し、質量換算で10%〜30%の範囲であり、且つ、インク中の水の含有量と該化合物の総含有量の比が水の含有量/前記化合物の総含有量の比が2.0以上3.2以下であること
を特徴とするインクジェット用インクに関する。
1)炭素数が4以上であって、OH基を3つ以上有する化合物A、
2)炭素数が7以上であって、OH基を2つ有する化合物B。
【0011】
【発明の実施の形態】
以下、好適な実施の形態を挙げて本発明を詳細に説明する。
【0012】
本発明者等は、着色剤を含む水性記録を用いて画像形成を行う際に、特定の化合物を複数インク中に含有させる記録方法であり、化合物の構造とカールとの関係、更にはインクの保存安定性、インクジェット吐出の安定性について十分に鑑みた結果に基づき、良好な画像特性、安定な印字特性、記録物の取扱い性を考慮した印字ができるとの知見を得た。本発明はかかる知見に基づくものである。
【0013】
本発明は下記の1)及び2)に示す化合物(カール低減剤)をインク中に2つ以上含むインクである。
1)化学構造が炭素数が4以上であって、OH基を3つ以上もつ化合物A
2)化学構造が炭素数が7以上であって、OH基を2つもつ化合物B
(カール低減剤)
炭素数が4以上であって、OH基を3つ以上もつ化合物Aとしてはトリメチロールプロパン、トリメチロールエタン、トリス(ヒドロキシメチル)アミノメタン、1,2,6−ヘキサントリオール、ジグリセリン、ジグリセリンのEO付加物等がある。またさらに、糖類が挙げられ、D−型およびL−型のフルクトース、タガトース、ソルポース、リボース、キシロース、アラビノース、リキソース、グルコース、マンノース、アロース、アルトロース、ギュロース、イドース、ガラクトース、タロース、グロース、マルトース、セロビオース、トレハロース、ゲンチオビオース、イソマルトース、ラクトース、ラクトース、スクロース、ショ糖、ラフィノース、ゲンチアノース、スタキオース、キシラン等、オリゴ糖類、環状オリゴ糖類、が挙げられる。更に、糖アルコールとしては、単糖、多糖アルコール類が挙げられ、例えば、テトリトール、D−エリトール、L−エリトール、D−アラビニトール、キシリトール、アドニトール、リビトール、D−ソルビトール、アリトール、D−マンニトール、D−イジトール、D−タリトール、ズルシトール、ヘプチトール、マルチトール等が挙げられる。これらの中でも、炭素数が5以上であるものが好適である。
【0014】
炭素数が7以上であって、OH基を2つ以上もつ化合物Bとしては1,7−ヘプタンジオール、トリプロピレングリコール、テトラエチレングリコール、ポリエチレングリコール、ポリプロピレングリコール等があげられる。
【0015】
これらの化合物がインク及び、水性液体組成物に含有されインクジェット記録方法によってカールの少ない印字物が得られ、更に、印字物を保存後も長期的にカールを抑制できる理由は以下と考えられる。
【0016】
紙に水分が付与される場合、紙のセルロース繊維間に形成されている水素結合が一度切断される。すなわち、水分の付与により、セルロースの膨潤が生じるとともに化学的な現象が生じている。この時、紙は必ず膨潤しているため、水分を付与した面の反対側に反りカール(マイナスカール)を起こす。ところが、一度、吸収したセルロース中の水分は次第に蒸発し、セルロースの収縮が始まるとともに、一旦切れた水素結合の再結合が起こる。その際に切れた位置で再結合せず、別の位置で再結合するために紙は水分を付与した面の方向に次第に反りカール(プラスカール)を起こす。このプラスカールが普通紙などにインクジェット記録をした場合に問題なっている。
【0017】
ここで普通紙とは一般に市販されているコピー用紙、コピー用再生紙、インクジェット用普通紙、カラーインクジェット用普通紙、インクジェット・電子写真共用紙、和紙等が挙げられる。より具体的には紙表面に特別の白色顔料がコートされていないか、コートされていても塗工量が少なく下地の紙(基紙)のパルプ繊維が部分的にでも露出しているものも含む。
【0018】
本発明者はこの水分の付与→膨潤→マイナスカールの現象と蒸発→収縮→プラスカールの現象を十分に解析し、特にインクに添加化合物の構造と組み合わせによっていかにしてプラスカールを抑制すかを鋭意検討の結果、上述した特定の化合物をインク中に複数含有させることにより、上記化合物が効果的に、繊維のセルロース間に入り込み、水素結合の再結合の際に、紙が収縮しやすい結合を引き起こしくいようにしていることを見出した。
【0019】
つまり、上記化合物AおよびBから複数の物質を選択し、化合物AおよびBの総含有量を質量換算で10%〜30%の範囲とし、且つ、インク中の水の含有量と該化合物の総含有量の比が水の含有量/前記化合物の総含有量の比が2.0以上3.2以下となるようにカール低減効果のある物質の含有量と水分量を調整することにより、水分の蒸発時に紙の伸縮がマイナスカールの方向に作用が働く事を見出し、これらの化合物を単独で含有する場合よりカール低減効果に優れるものであった。更に、上記したカール低減効果のある化合物を単独で含むインクを用いて優れたカール低減効果を達成しようとするとインクの粘度上昇等による、信頼性が低下するという問題が生じる場合があったが、複数含有することで信頼性が向上し記録安定性が得られる。特に高速印字における安定性が高くなることを見出した。
【0020】
また、本記録方法においてはフルべた印字して、1200dpi×1200dpi換算で印字密度(デューティ)の高い、すなわち、付与する水分量が多い場合でもカールの抑制効果が十分発揮される。また、記録インクに含まれる水分量としてはそれぞれが100質量%に対して、10〜90%が好適であり、本発明の効果を発揮するためには32〜80%が更に好適である。
【0021】
(着色剤:染料、顔料)
次に、本発明で使用される着色剤について述べる。
【0022】
記録するインクの着色剤は水溶性染料、水分散性顔料、およびそれらの組み合わせによって用いられる。色材としてはブラック、シアン、イエロー、マゼンタの他、従来公知のオレンジ、グリーン、ブルーの染料、顔料も問題なく使用できる。
【0023】
本発明で使用されるインクには、さらにこれに水(水としては種々のイオンを含有する一般の水ではなく、イオン交換水(脱イオン水)を使用するのが好ましい。)、水溶性有機溶媒、及びその他の成分、例えば粘度調整剤、pH調整剤、防かび剤、界面活性剤、酸化防止剤等が必要に応じて含まれる。
【0024】
(染料)
本発明において、色を記録する着色剤の染料としては一般にブラック、シアン、マゼンタ、イエローの他、従来公知のオレンジ、グリーン、ブルーが使用可能であり、アニオン性の水溶性染料が挙げられる。
【0025】
本発明で使用されるアニオン性基を有する水溶性染料としては、カラーインデックス(COLOUR INDEX)に記載されている水溶性の酸性染料、直接染料、反応性染料であれば特に限定はない。また、カラーインデックスに記載のない染料であっても、アニオン性基、例えばスルホン基を有するものであれば特に制限はない。これらの染料はインク中に1〜10質量%、好ましくは1〜5質量%の範囲で用いる。
【0026】
具体的な染料としては、
C.I.ダイレクトイエロー 8、11、12、27、28、33、39、44、50、58、85、86、87、88、98、100、110
C.I.ダイレクトレッド 2、4、9、11、20、23、24、31、39、46、62、75、79、80、83、89、95、197、201、218、220、224、225、226、227、228、230
C.I.ダイレクトブルー 1、15、22、25、41、76、77、80、86、90、98、106、108、120、158、163、168、199、226
C.I.アシッドイエロー 1、3、7、11、17、23、25、29、36、38、40、42、44、76、98、99
C.I.アシッドレッド 6、8、9、13、14、18、26、27、32、35、42、51、52、80、83、87、89、92、94、106、114、115、133、134、145、158、198、249、265、289
C.I.アシッドブルー 1、7、9、15、22、23、25、29、40、43、59、62、74、78、80、90、100、102、104、117、127、138、158、161
C.I.ダイレクトブラック 17、19、22、31、32、51、62、71、74、112、113、154、168
C.I.アシッドブラック 2、48、51、52、110、115、156
C.I.リアクティブブラック 1、8、12、13
C.I.フードブラック 1、2
等が挙げられる。勿論以上に限定されるものではなく、オレンジ、グリーン、ブルーの色調をもつ染料も使用可能である。
【0027】
また、前記以外に本発明に用いる色を記録するインクの色材として可溶化基として、カルボキシル基を持つ染料が挙げられる。ここでは、pHに対して溶解度の依存性を示す染料が挙げられる。これらの染料はインク中に1〜10質量%、好ましくは1〜5質量%の範囲で用いる。
【0028】
(顔料)
次に、本発明において使用される顔料としては、具体的には、黒色のインクに使用されるものとしてカーボンブラックが挙げられる。カーボンブラックとしては、例えば、ファーネス法、チャネル法で製造されたカーボンブラックであって、一次粒子径が15〜40nm、BET法による比表面積が50〜300m/g、DBP吸油量が40〜150ml/100g、揮発分が0.5〜10%、pH値が2〜9等の特性を有するものが好ましく用いられる。この様な特性を有する市販品としては、例えば、No.2300、No.900、MCF88、No.33、No.40、No.45、No.52、MA7、MA8、No.2200B(以上三菱化成製)、RAVEN 1255(以上コロンビア製)、REGAL 400R、REGAL 330R、REGAL 660R、MOGUL L(以上キャボット製)、Color Black FW1、COLOR Black FW 18、Color Black S170、Color Black S150、Printex 35、Printex U(以上デグッサ製)等があり、いずれも好ましく使用することが出来る。
【0029】
又、イエローインクに使用される顔料としては、例えば、C.I.Pigment Yellow 1、C.I.Pigment Yellow 2、C.I.Pigment Yellow 3、C.I.Pigment Yellow 13、C.I.Pigment Yellow 16、C.I.Pigment Yellow 74、C.I.Pigment Yellow 83、C.I.Pigment Yellow 128等が挙げられ、
マゼンタインクに使用される顔料としては、例えば、C.I.Pigment Red 5、C.I.Pigment Red 7、C.I.Pigment Red 12、C.I.Pigment Red 48(Ca)、C.I.Pigment Red 48(Mn)、C.I.Pigment Red 57(Ca)、C.I.Pigment Red 112、C.I.Pigment Red 122等が挙げられ、
シアンインクに使用される顔料としては、例えば、C.I.Pigment Blue 1、C.I.Pigment Blue 2、C.I.Pigment Blue 3、C.I.Pigment Blue15:3、C.I.Pigment Blue 16、C.I.Pigment Blue 22、C.I.Vat Blue 4、C.I.Vat Blue 6等が挙げられるが、これらに限られるものではなく、また、オレンジ、グリーン、ブルーの色調をもつ顔料も使用可能である。又、以上の他、本発明の為に新たに製造された顔料も勿論、使用することが可能である。
【0030】
本発明で使用されるインクの色材として顔料が用いられている場合には、顔料の量は、インク全質量に対して、質量比で1〜20質量%、好ましくは2〜12質量%の範囲で用いる。
【0031】
又、顔料を使用する場合に、顔料をインク中に含有させる分散剤としては、水溶性樹脂であればどの様なものでも使用することが出来るが、重量平均分子量が1,000〜30,000の範囲のものが好ましく、更には、3,000〜15,000の範囲のものが好ましく使用される。この様な分散剤として、具体的には、スチレン、スチレン誘導体、ビニルナフタレン、ビニルナフタレン誘導体、α,β−エチレン性不飽和カルボン酸の脂肪族アルコールエステル等、アクリル酸、アクリル酸誘導体、マレイン酸、マレイン酸誘導体、イタコン酸、イタコン酸誘導体、フマール酸、フマール酸誘導体、酢酸ビニル、ビニルピロリドン、アクリルアミド、及びその誘導体等から選ばれた少なくとも2つ以上の単量体(このうち少なくとも1つは親水性単量体)からなるブロック共重合体、或いはランダム共重合体、グラフト共重合体、又はこれらの塩等が挙げられる。或いは、ロジン、シェラック、デンプン等の天然樹脂も好ましく使用することが出来る。これらの樹脂は、塩基を溶解させた水溶液に可溶であり、アルカリ可溶型樹脂である。尚、これらの顔料分散剤として用いられる水溶性樹脂は、インク全質量に対して0.1〜5質量%の範囲で含有させるのが好ましい。
【0032】
特に、上記した様な顔料が含有されているインクの場合には、インク全体が中性又はアルカリ性に調整されていることが好ましい。この様なものとすれば、顔料分散剤として使用される水溶性樹脂の溶解性を向上させ、長期保存性に一層優れたインクとすることが出来るので好ましい。但し、この場合、インクジェット記録装置に使われている種々の部材の腐食の原因となる場合があるので、好ましくは、7〜10のpH範囲とするのが望ましい。
【0033】
この際に使用されるpH調整剤としては、例えば、ジエタノールアミン、トリエタノールアミン等の各種有機アミン、水酸化ナトリウム、水酸化リチウム、水酸化カリウム等のアルカリ金属の水酸物等の無機アルカリ剤、有機酸や鉱酸等が挙げられる。上記した様な顔料及び分散剤である水溶性樹脂は、水性液媒体中に分散又は溶解される。
【0034】
上記した様な顔料が含有されたインクの作成方法としては、始めに、分散剤としての水溶性樹脂及び水が少なくとも含有された水性媒体に顔料を添加し、撹拌した後、後述の分散手段を用いて分散を行い、必要に応じて遠心分離処理を行って所望の分散液を得る。次に、この分散液にサイズ剤、及び、上記で挙げた様な適宜に選択された添加剤成分を加え、撹拌して本発明で使用するインクとする。
【0035】
尚、分散剤として前記した様なアルカリ可溶型樹脂を使用する場合には、樹脂を溶解させる為に塩基を添加することが必要であるが、この際の塩基類としては、モノエタノールアミン、ジエタノールアミン、トリエタノールアミン、アミンメチルプロパノール、アンモニア等の有機アミン、或いは水酸化カリウム、水酸化ナトリウム等の無機塩基が好ましく使用される。
【0036】
又、顔料が含有されているインクの作成方法においては、顔料を含む水性媒体を撹拌し分散処理する前に、プレミキシングを30分間以上行うのが効果的である。即ち、この様なプレミキシング操作は、顔料表面の濡れ性を改善し、顔料表面への分散剤の吸着を促進することが出来る為、好ましい。
【0037】
上記した顔料の分散処理の際に使用される分散機は、一般に使用される分散機なら、如何なるものでもよいが、例えば、ボールミル、ロールミル及びサンドミル等が挙げられる。その中でも、高速型のサンドミルが好ましく使用され、この様なものとしては、例えば、スーパーミル、サンドグラインダー、ビーズミル、アジテータミル、グレンミル、ダイノーミル、パールミル及びコボルミル(いずれも商品名)等が挙げられる。
【0038】
又、顔料が含有されているインクをインクジェット記録方法に使用する場合には、耐目詰り性等の要請から、最適な粒度分布を有する顔料が用いられるが、所望の粒度分布を有する顔料を得る方法としては、分散機の粉砕メディアのサイズを小さくすること、粉砕メディアの充填率を大きくすること、処理時間を長くすること、吐出速度を遅くすること、粉砕後フィルターや遠心分離機等で分級すること及びこれらの手法の組合せ等の手法が挙げられる。
【0039】
(アニオン性添加剤)
本発明において、顔料を含有するインクを使用する場合には、インク中に上記で説明した各種成分の他に、アニオン性の界面活性剤或いはアニオン性の高分子物質等、アニオン性化合物を添加するのが好ましい。特に、分散剤としてアニオン性化合物が用いられていない場合には、この様なアニオン性物質を添加することが必須である。この際の添加量としては、0.05〜10質量%、好ましくは0.2〜5質量%とする。
【0040】
又、両性界面活性剤をその等電点以下のpHに調整して含有させるのも好ましい態様である。この際に使用されるアニオン性界面活性剤の例としては、カルボン酸塩型、硫酸エステル型、スルホン酸塩型、燐酸エステル型等、一般に使用されているものをいずれも好ましく使用することが出来る。又、アニオン性高分子の例としては、アルカリ可溶型の樹脂、具体的には、ポリアクリル酸ソーダ、或いは高分子の一部にアクリル酸を共重合したもの等を挙げることが出来るが、勿論、これらに限定されない。
【0041】
また、上述した水溶性染料と水分散性顔料を微妙な調色の目的や色濃度の調整などのために組み合わせることも可能である。このとき、水性染料と水分散性顔料は目的に応じて10:1〜1:10の範囲で配合可能である。
【0042】
本発明における記録インクの物性として好適な範囲は25℃付近で、pHは3〜12、好ましくは7〜10、表面張力は10〜60mN/m(=10〜60dyn/cm)、好ましくは10〜40mN/m(=10〜40dyn/cm)であり、粘度は1〜30mPa・s、好ましくは1〜5mPa・sである。
【0043】
(インクの液媒体)
本発明においては着色剤と上述したカール低減剤となる化合物をすなわち、1)化学構造が炭素数が4以上であって、OH基を3つ以上もつ化合物Aおよび2)炭素数が7以上であって、−OH基を2つ持つ化合物Bの中から選ばれる2つ以上の化合物を含有することを必須とし、それ以外に水と混合して使用できる水溶性有機溶剤を適宜配合して用いてもよい。
【0044】
水と混合して使用される水溶性有機溶剤としては、例えば、メチルアルコール、エチルアルコール、n−プロピルアルコール、イソプロピルアルコール、n−ブチルアルコール、sec−ブチルアルコール、tert−ブチルアルコール等の炭素数1〜4のアルキルアルコール類;ジメチルホルムアミド、ジメチルアセトアミド等のアミド類;アセトン、ジアセトンアルコール等のケトン又はケトアルコール類;テトラヒドロフラン、ジオキサン等のエーテル類;等のポリアルキレングリコール類;エチレングリコール、プロピレングリコール、ブチレングリコール、トリエチレングリコール、チオジグリコール、ヘキシレングリコール、ジエチレングリコール等のアルキレン基が2〜6個の炭素原子を含むアルキレングリコール類;グリセリン;エチレングリコールモノメチル(又はエチル)エーテル、ジエチレングリコールメチル(又はエチル)エーテル、トリエチレングリコールモノメチル(又はエチル)エーテル等の多価アルコールの低級アルキルエーテル類;N−メチル−2−ピロリドン、2−ピロリドン、1,3−ジメチル−2−イミダゾリジノン等が挙げられる。これらの多くの水溶性有機溶剤の中でもジエチレングリコール等の多価アルコール、トリエチレングリコールモノメチル(又はエチル)エーテル等の多価アルコールの低級アルキルエーテルが好ましい。
【0045】
上記した様な水溶性有機溶剤のインク中における含有量は、その構造によってカール低減効果を低下させる場合があるため炭素数が少なく、OH基を有するもの例えば、化学構造が炭素数3以下であって、−OH基を3つ以下有する化合物の含有量は10%以下の範囲が好ましく、また、化学構造が炭素数6以下であって、−OH基を2つ以下有する化合物の含有量も10%以下の範囲とすることが好ましい。
【0046】
(記録装置、記録方法について)
本発明のインクは、熱エネルギーの作用により液滴を吐出させて記録を行うインクジェット記録方式にとりわけ好適に用いられるが、他のインクジェット記録方法や一般の筆記用具としても使用できることはいうまでもない。
【0047】
本発明のインクを用いて記録を行うのに好適な記録装置としては、記録ヘッドの室内のインクに記録信号に対応した熱エネルギーを与え、該エネルギーにより液滴を発生させる装置が挙げられる。
【0048】
図1は、本発明に係る吐出時に気泡を大気と連通する吐出方式の液体吐出ヘッドとしての液体吐出ヘッドおよびこのヘッドを用いる液体吐出装置としてのインクジェットプリンタの一例の要部を示す概略斜視図である。図1においては、インクジェットプリンタは、ケーシング 1008 内に長手方向に沿って設けられる記録媒体としての用紙 1028 を図1に示す矢印Pで示す方向に間欠的に搬送する搬送装置 1030 と、搬送装置 1030 による用紙 1028 の搬送方向Pに略直交する方向Sに略平行に往復運動せしめられる記録部 1010 と、記録部 1010 を往復運動させる駆動手段としての移動駆動部 1006 とを含んで構成されている。
【0049】
搬送装置 1030 は、互いに略平行に対向配置される一対のローラユニット 1022a および 1022b と、一対のローラユニット 1024a および 1024b と、これらの各ローラユニットを駆動させる駆動部 1020 とを備えている。これにより、駆動部 1020 が作動状態とされるとき、用紙 1028 が図1に示す矢印P方向にそれぞれのローラユニット 1022a および 1022b と、ローラユニット 1024a および 1024b により狭持されて間欠送りで搬送されることとなる。
【0050】
移動駆動部 1006 は、所定の間隔をもって対向配置される回転軸に配されるプーリ 1026a および 1026b に巻きかけられるベルト 1016 と、ローラユニット 1022a および 1022b に略平行に配置され記録部 1010 のキャリッジ部材 1010aに連結されるベルト 1016 を順方向および逆方向に駆動させるモータ 1018 とを含んで構成されている。
【0051】
モータ 1018 が作動状態とされてベルト 1016 が図7の矢印R方向に回転したとき、記録部 1010 のキャリッジ部材 1010a は図7の矢印S方向に所定の移動量だけ移動される。また、モータ 1018 が作動状態とされてベルト 1016 が図1の矢印R方向とは逆方向に回転したとき、記録部 1010 のキャリッジ部材 1010aは図1の矢印S方向とは反対の方向に所定の移動量だけ移動されることとなる。さらに、移動駆動部 1006 の一端部には、キャリッジ部材 1010a のホームポ ジションとなる位置に、記録部 1010 の吐出回復処理を行うための回復ユニット1026 が記録部 1010 のインク吐出口配列に対向して設けられている。
【0052】
記録部 1010 は、インクジェットカートリッジ(以下、単にカートリッジと記述する場合がある)1012Y、1012M、1012Cおよび 1012Bが各色、例えばイエロー、マゼンタ、シアンおよびブラックごとにそれぞれ、キャリッジ部材 1010aに対して着脱自在に備えられる。
【0053】
【実施例】
次に、実施例及び比較例を挙げて、本発明を具体的に説明する。本発明は、その要旨を超えない限り、下記実施例により限定されるものではない。尚、文中「部」または「%」とあるのは特に断りのない限り質量基準である。
【0054】
[実施例1、及び比較例1]
実施例1に使用する記録インク1、および比較例1に使用する比較インク1を下記の要領で作製した。
【0055】
(記録インク1の作製)
下記成分を混合し、更にポアサイズが0.2ミクロンのメンブレンフィルターにて加圧濾過し、記録インク1を得た。
C.I.ダイレクトブルー199 3部
トリメチロールプロパン 15部
D−ソルビトール 8部
アセチレノールEH(川研ファインケミカル製) 1部
イオン交換水 73部。
【0056】
(比較インク1の作製)
記録インク1と同様の方法により下記成分からなる比較インク1を得た。
C.I.ダイレクトブルー199 3部
トリエチレングリコール 12部
グリセリン 8部
アセチレノールEH(川研ファインケミカル製) 1部
イオン交換水 73部。
【0057】
上記の実施例1および比較例1のインクで印字評価を行った。
【0058】
ここで使用したインクジェット記録装置としては、図1に示したのと同様の記録装置を用いた。用いた記録ヘッドは、1200dpiの記録密度を有し、駆動条件としては、駆動周波数10kHzとした。1200dpiのヘッドを使用したときの1ドット当たりの吐出量は4.5pLのヘッドを使用した。尚、これらの記録条件は、実施例及び比較例を通じて同一である。
【0059】
実施例1および比較例1においてはこの記録ヘッドとヘッドを用A4フルベタ(20.3×27.1cm)のカラー画像を形成した。評価に用いた記録紙はA4サイズのPPC用紙(キヤノン製)である。また、印字は印字領域を1回の走査で行なう1パス印字を行い、実施例1及び比較例1を通じて、記録媒体への付着領域は、インクの画像形成領域にたいして、すなわち印字のデューティは100%である。
【0060】
上記条件で印字した印字物のカール量を以下のようにして評価した。
【0061】
(カールの評価)
記録物を常温/常湿下でそれぞれ3日間放置した後、カール量を測定した。記録物の紙が凹方向にカールした場合を+(プラスカール)、カールした紙の先端から紙の接地面までの距離を定規で測定した。数値は紙の4すみの平均を求めカール量とした。評価結果を表1に示した。カール判定基準は以下の通りである。
A…20mm未満:全く問題ないレベル
B…20mm以上35mm未満:実用上問題ないレベル
C…35mm以上:実用上問題あり
(吐出安定性)
インク安定性にかかわる評価としてノズル詰まりなどの問題が生じないかを上記のインクをヘッドにセッティング後、1ヶ月間放置したのちに印字し画像の乱れ、かすれなどが生じないかを確認した。
【0062】
安定性の基準としては以下の通りである。
A・・・かすれなし
B・・・ややかすれがあるが、実質上問題ないレベル
C・・・不吐出あり、実用にならないレベル
評価結果
【0063】
【表1】
Figure 2004210902
ここで
化合物A:炭素数が4以上であって、OH基を3つ以上有する化合物
化合物B:炭素数が7以上であって、OH基を2つ有する化合物
化合物C:炭素数3以下であって、−OH基を3つ以下有する化合物
化合物D:炭素数6以下であって、−OH基を2つ以下有する化合物
である。
【0064】
上の表の結果の通り、本発明における組成の記録インクである実施例1はカール量が少ないのに対し、比較例1はカール量が大きかった。
【0065】
[比較例2]
記録インク1と同様の方法により下記成分からなる比較インク2を得た。
C.I.ダイレクトブルー199 3部
トリメチロールプロパン 13部
トリエチレングリコール 5部
グリセリン 7部
アセチレノールEH(川研ファインケミカル製) 1部
イオン交換水 71部。
【0066】
[比較例3]
記録インク1と同様の方法により下記成分からなる比較インク3を得た。尚、ポリエチレングリコールは分子量200のものを用いた。
C.I.ダイレクトブルー199 3部
トリメチロールプロパン 3部
ポリエチレングリコール 2部
トリエチレングリコール 5部
グリセリン 7部
アセチレノールEH(川研ファインケミカル製) 1部
イオン交換水 71部。
【0067】
【表2】
Figure 2004210902
[実施例2]
次に着色剤を変更した以外は実施例1と同様にして記録インク2のインクセットを得た。
(イエロー記録インク2)
C.I.アシッドイエロー23 2.5部
トリメチロールプロパン 15部
D−ソルビトール 8部
アセチレノールEH(川研ファインケミカル製) 1部
イオン交換水 73.5部。
【0068】
(マゼンタ記録インク2)
Projet Fast Magenta2(Zeneca社製) 3部
トリメチロールプロパン 15部
D−ソルビトール 8部
アセチレノールEH(川研ファインケミカル製) 1部
イオン交換水 73部。
【0069】
(シアン記録インク2)
C.I.ダイレクトブルー199 3部
トリメチロールプロパン 15部
D−ソルビトール 8部
アセチレノールEH(川研ファインケミカル製) 1部
イオン交換水 73部。
【0070】
(ブラック記録インク2)
C.I.ダイレクトブラック195 4部
トリメチロールプロパン 15部
D−ソルビトール 8部
アセチレノールEH(川研ファインケミカル製) 1部
イオン交換水 72部。
【0071】
以上によりイエロー記録インク2、マゼンタ記録インク2、シアン記録インク7およびブラック記録インク2の4色からなる記録インクセットを得た。
【0072】
これらの記録インク2それぞれで実施例1と同様の評価をしたところ、カール:A、吐出安定性:Aの評価であった。また、これらの4色を組合わせたパターンを印字した際にもカールの評価はAランクであった。
【0073】
[実施例3]
次に着色剤を変更した以外は実施例1と同様にして記録インク3のインクセット得た。
【0074】
(記録インクセット3の作製)
(イエロー記録インク3の作製)
スチレン−アクリル酸共重合体(Joncryl 678、ジョンソンポリマー社製)とこれを中和するのに必要な所定量の水酸化カリウム、及び水を混合して、約60℃に保温した状態でこれらを撹拌混合し、10%のスチレン−アクリル酸共重合体水溶液を作製した。
【0075】
次に下記成分を混合して30分間撹拌後、下記の条件で分散処理を行った。
10%スチレン−アクリル酸共重合体水溶液 30部
ピグメントイエロー74 10部
イオン交換水 60部。
【0076】
(分散処理)
・分散機:サンドグラインダー(五十嵐機械製)
・粉砕メディア:ジルコニウムビーズ、1mm径
・粉砕メディアの充填率:50%(体積比)
・粉砕時間:3時間
更に遠心分離処理(12,000rpm.、20分間)を行い、粗大粒子を除去して分散液とした。
【0077】
上記の顔料分散液を使用した以外は実施例1と同様にして、下記の組成比を有する成分を混合し、顔料を含有するインクを作製し、これをイエロー記録インク3とした。
上記顔料分散液 30部
トリメチロールプロパン 15部
D−ソルビトール 8部
アセチレノールEH(川研ファインケミカル製) 1部
イオン交換水 46部。
【0078】
(マゼンタ記録インク3の作製)
イエロー記録インク3の調製の際に使用したピグメントイエロー74(10部)を、ピグメントレッド122に代えたこと以外はイエロー記録インク3の調製と同様にして、顔料含有マゼンタ記録インク3を調製した。
【0079】
(シアン記録インク3の作製)
イエロー記録インク3の調製の際に使用したピグメントイエロー74(10部)を、ピグメントブルー15:3に代えたこと以外はイエロー記録インク3の調製と同様にして、顔料含有シアン記録インク3を調製した。
【0080】
(ブラック記録インク3の作製)
イエロー記録インク3の調製の際に使用したピグメントイエロー74(10部)を、カーボンブラック(MCF88、三菱化成製)に代えたこと以外はイエロー記録インク3の調製と同様にして、顔料含有ブラック記録インク3を調製した。
【0081】
以上によりイエロー記録インク、マゼンタ記録インク3、シアン記録インク3およびブラック記録インク3の4色からなる記録インクセット3を得た。
【0082】
これらの記録インク3を用いてそれぞれで実施例1と同様の評価をしたところ、カール:A、吐出安定性:Aの評価であった。また、これらの4色を組合わせたパターンを印字した際にもカールの評価はAランクであった。
【0083】
[実施例4]
実施例2で用いた着色剤と実施例3で用いた着色剤を両方含む以外は実施例1と同様にしてブラックインク4を作製した。
【0084】
(ブラック記録インク4の作製)
ブラック顔料分散液 30部
C.I.ダイレクトブラック195 1部
トリメチロールプロパン 15部
D−ソルビトール 8部
アセチレノールEH(川研ファインケミカル製) 1部
イオン交換水 44部。
【0085】
このブラック記録インク4を用いて実施例1と同様の評価をしたところ、カール:A、吐出安定性:Aの評価であった。
【0086】
[実施例5]
実施例1と同様の方法で下記成分からなる記録インク5を得た。
【0087】
(記録インク5)
C.I.ダイレクトブルー199 3部
トリメチロールプロパン 22部
D−ソルビトール 8部
トリエチレングリコール 5部
アセチレノールEH(川研ファインケミカル製) 1部
イオン交換水 61部。
【0088】
記録インク5を用いて実施例1と同様に評価し、その結果を表3に示した。
【0089】
[実施例6および比較例4、5]
実施例5の含有する化合物の比を変更した以外は実施例5と同様に、実施例1と同様の方法で記録インク6及び比較インク4、5を得た。それぞれの組成比と実施例1と同様の評価の結果を表3に示した。
【0090】
【表3】
Figure 2004210902
【0091】
【発明の効果】
以上説明したように、本発明によれば、普通紙へのインクジェット記録方法に関して、カールを十分に抑制し、特に普通紙の印刷物を扱い易くするものできる。また、インクの長期安定性、記録安定性を同時に得られ、特に高速印字において安定な記録特性が得られる。更には、画像特性の点について良好な特性を得ることができるインクジェット記録方法が提供される。
【図面の簡単な説明】
【図1】インクジェット記録装置の一例を示す斜視図である。
【符号の説明】
1008 ケーシング
1010 記録部
1010a キャリッジ部材
1012 カートリッジ
1012Y,M,C,B インクジェットカートリッジ
1016 ベルト
1018 モータ
1020 駆動部
1022a,1022b ローラユニット
1024a,1024b ローラユニット
1026 回復ユニット
1026a,1026b プーリ
1028 用紙
1030 搬送装置

Claims (1)

  1. 少なくとも水、着色剤、を含むインクであって、更に、以下の化合物Aおよび化合物Bの中から選ばれる2種の化合物を含み、
    該化合物の総含有量が前記インク全量に対し、質量換算で10%〜30%の範囲であり、且つ、インク中の水の含有量と該化合物の総含有量の比が水の含有量/前記化合物の総含有量の比が2.0以上3.2以下であること
    を特徴とするインクジェット用インク。
    1)炭素数が4以上であって、OH基を3つ以上有する化合物A、
    2)炭素数が7以上であって、OH基を2つ有する化合物B。
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