JP2000169780A - カーボンブラック分散体及びその製造方法並びに水性インク - Google Patents

カーボンブラック分散体及びその製造方法並びに水性インク

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JP2000169780A
JP2000169780A JP34365698A JP34365698A JP2000169780A JP 2000169780 A JP2000169780 A JP 2000169780A JP 34365698 A JP34365698 A JP 34365698A JP 34365698 A JP34365698 A JP 34365698A JP 2000169780 A JP2000169780 A JP 2000169780A
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carbon black
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pigment dispersant
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JP34365698A
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Yoshito Miyamoto
賢人 宮本
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Minolta Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 高い黒色度を有する粒径の小さいカーボンブ
ラックを用いた場合においても、このカーボンブラック
が水系媒体中に安定して分散されるようにし、このよう
なカーボンブラックを用いたカーボンブラック分散体や
水性インクにおける流動性や保存安定性を高めると共
に、黒色度の高い水性インクが得られるようにする。 【解決手段】 カーボンブラックが水系媒体中に分散さ
れてなるカーボンブラック分散体において、上記のカー
ボンブラックとして粒径が10μm以上35μm以下の
ものを用い、このカーボンブラックの表面に前記の化1
に示す一般式(1),(2)で表される少なくとも1種
の修飾基を結合させると共に、未中和のアニオン性基を
具備する顔料分散剤を添加させた。 【化1】

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】この発明は、カーボンブラッ
ク分散体及びその製造方法並びに水性インクに係り、カ
ーボンブラックが水系媒体中に分散されてなるカーボン
ブラック分散体において、高い黒色度を有する粒径の小
さいカーボンブラックを用いた場合においても、このカ
ーボンブラックが水系媒体中に安定して分散され、この
ようなカーボンブラックを用いたカーボンブラック分散
体や水性インクにおける流動性及び保存安定性を高めた
点に特徴を有するものである。
【0002】
【従来の技術】近年、インクや塗料等の分野において
は、取り扱いの容易性や安全性等の観点から、顔料を水
系媒体に分散させたものが用いられるようになった。
【0003】ここで、上記のように顔料を水系媒体に分
散させるにあたり、酸化チタンのように極性の大きい顔
料は極性の大きい水等の水系媒体中に分散されやすい
が、疎水性の強いカーボンブラックは水系媒体中にうま
く分散されず、特に、高い黒色度を有する粒径の小さい
カーボンブラックを使用した場合には、水系媒体中にお
ける分散性が非常に悪くなり、このようなカーボンブラ
ックを水系媒体中に分散させてインクや塗料等に用いた
場合に、その流動性や保存安定性が悪くなり、またこの
インクや塗料等を塗布した場合に、その塗膜の光沢や色
彩が悪くなると共にその耐久性も悪くなるという問題が
あった。
【0004】そこで、近年においては、カーボンブラッ
クを水系媒体中に分散させるために様々な方法が開発さ
れ、例えば、カーボンブラックを水系媒体中に分散させ
るにあたり有機溶剤を添加する方法、カーボンブラック
の表面に極性基を導入する方法、カーボンブラックの表
面をグラフト化して親水性化させる方法等が提案されて
いる。
【0005】しかし、上記の各方法においても、カーボ
ンブラックを水系媒体中に十分に分散させることができ
ず、特に、高い黒色度を有する粒径の小さいカーボンブ
ラックを用いた場合においては、このカーボンブラック
が水系媒体中にうまく分散されず、このようなカーボン
ブラックをインクや塗料等に用いた場合に、依然として
その流動性や保存安定性が悪く、十分な黒色度が得られ
ないという問題があり、また有機溶剤を添加する場合に
は、水系媒体中に有機溶剤が含まれるという問題があ
り、さらに水系媒体中に不純物が存在して、その除去が
必要となる等の問題があった。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】この発明は、水系媒体
中にカーボンブラックを分散させて使用する場合におけ
る上記のような問題を解決することを課題とするもので
あり、特に、高い黒色度を有する粒径の小さいカーボン
ブラックを用いた場合においても、このカーボンブラッ
クが水系媒体中に安定して分散されるようにし、このよ
うなカーボンブラックを用いたカーボンブラック分散体
や水性インクにおける流動性や保存安定性を高めると共
に、黒色度の高い水性インクが得られるようにすること
を課題とするものである。
【0007】
【課題を解決するための手段】この発明の請求項1にお
けるカーボンブラック分散体においては、上記のような
課題を解決するため、カーボンブラックが水系媒体中に
分散されてなるカーボンブラック分散体において、上記
のカーボンブラックとして粒径が10μm以上35μm
以下のものを用い、このカーボンブラックの表面に前記
の化1に示す一般式(1),(2)で表される少なくと
も1種の修飾基を結合させると共に、未中和のアニオン
性基を具備する顔料分散剤を添加させるようにしたので
ある。
【0008】ここで、前記の化1に示す一般式(1),
(2)で表される修飾基をカーボンブラックの表面に結
合させると共に、未中和のアニオン性基を具備する顔料
分散剤を添加させると、上記の修飾基におけるアミンと
顔料分散剤が具備するアニオン性基とが塩を形成するも
のと考えられ、これによって水系媒体中におけるカーボ
ンブラックの分散安定性が高まり、粒径が10μm以上
35μm以下になった黒色度の高いカーボンブラックを
用いた場合においても、このカーボンブラック分散体に
おける流動性や保存安定性が向上する。
【0009】ここで、上記のカーボンブラックとして
は、一般に使用されている公知のものを使用することが
でき、例えば、ファーネスブラック、チャンネルブラッ
ク、アセチレンブラック等を用いることができる。
【0010】また、顔料分散剤は上記のようにアニオン
性基を具備していれば、特にその構造は限定されず、公
知の顔料分散剤を使用することができ、例えば、アニオ
ン性界面活性剤;(メタ)アクリル酸共重合体,スチレ
ン−アクリル酸共重合体,スチレン−マレイン酸共重合
体,スチレン−アクリル酸−マレイン酸共重合体等のア
ルカリ可溶型共重合体等を用いることができ、これらの
顔料分散剤を2種以上組合せて使用することもできる。
【0011】ここで、上記の顔料分散剤が具備する未中
和のアニオン性基が少なすぎると、カーボンブラックの
表面に導入された上記の修飾基におけるアミンと顔料分
散剤が具備するアニオン性基とによる塩の形成が十分に
行われなくなり、カーボンブラックの分散性を十分に向
上させることができなくなるため、請求項2に示したよ
うに、顔料分散剤が具備する全アニオン性基のうち、中
和されているアニオン性基の比率(以下、中和率と略
す。)を95%以下にすることが好ましく、より好まし
くは中和率が90%以下になるようにする。
【0012】さらに、カーボンブラック分散体中におけ
るカーボンブラックの流動性を向上させるためには、カ
ーボンブラック表面に導入された上記の修飾基における
アミンに対して顔料分散剤が具備するアニオン性基の比
率を5%当量以上にすることが好ましい。
【0013】そして、上記の顔料分散剤が具備する未中
和のアニオン性基は、請求項3に示したように、カルボ
キシル基やスルホン酸基であることが好ましい。
【0014】また、上記のようなカーボンブラック分散
体を製造するにあたっては、請求項4に示すように、カ
ーボンブラックの表面をアミンを含むシランカップリン
グ剤で処理すると共に、未中和のアニオン性基を具備す
る顔料分散剤を添加させるようにする。
【0015】そして、上記のようにカーボンブラックの
表面をアミンを含むシランカップリング剤で処理する
と、表面修飾のメカニズムは明確ではないが、カーボン
ブラックの表面に前記の一般式(1),(2)で表され
る修飾基が結合するものと考えられ、上記のようにカー
ボンブラックの表面に結合された修飾基におけるアミン
と顔料分散剤が具備するアニオン性基とが塩を形成し、
これによって水系媒体中におけるカーボンブラックの分
散安定性が高まり、カーボンブラック分散体における流
動性や保存安定性が向上する。
【0016】ここで、上記のアミンを含むシランカップ
リング剤としては、例えば、2−アミノエチルトリメト
キシシラン、2−アミノエチルトリエトキシシラン、3
−アミノプロピルトリメトキシシラン、3−アミノプロ
ピルトリエトキシシラン、2−アミノエチルアミノエチ
ルトリメトキシシラン、2−アミノエチルアミノエチル
トリエトキシシラン、3−アミノプロピルアミノプロピ
ルトリメトキシシラン、3−アミノプロピルアミノプロ
ピルトリエトキシシラン等を用いることができる。
【0017】ここで、カーボンブラックの表面をアミン
を含むシランカップリング剤で処理するにあたっては、
乾式法,湿式法のいずれの方法をも用いることができ
る。そして、乾式法の場合には、ミキサーにカーボンブ
ラックとシランカップリング剤とを加えて混合処理す
る。ここで、シランカップリング剤を加えるにあたって
は、シランカップリング剤を原液のまま、或いは適当な
溶媒に溶解させて加えるようにする。また、上記の混合
処理を行うにあたっては、通常、室温〜130℃の温度
で、30〜90分間処理を行うようにする。一方、湿式
法の場合には、エステルや芳香族炭化水素等の有機溶媒
中でカーボンブラックとシランカップリング剤とを混合
処理させるようにする。
【0018】また、上記のようにしてカーボンブラック
の表面をアミンを含むシランカップリング剤で処理する
にあたり、シランカップリング剤の量が少ないと、カー
ボンブラックに水系媒体中における分散安定性を十分に
付与することができなくなる一方、シランカップリング
剤の量を多くしすぎると、コストが高く付くと共に、不
純物が発生し易くなるため、カーボンブラックに対する
シランカップリング剤の重量比(シランカップリング剤
/カーボンブラック)が、1/1000〜2/10の範
囲にすることが好ましく、より好ましくは1/100〜
1/10の範囲になるようにする。
【0019】そして、上記のように処理したカーボンブ
ラックと未中和のアニオン性基を具備する顔料分散剤と
を水系媒体に添加させて、カーボンブラックを水系媒体
中に分散させるにあたっては、ボールミル、ロールミ
ル、ビーズミル、デゾルバー、ホモジナイザー等を用い
て分散させるようにする。
【0020】また、この発明の請求項5における水性イ
ンクにおいては、上記のカーボンブラック分散体とバイ
ンダーとを含有させるようにしたのである。
【0021】ここで、上記のバインダーとしては、例え
ば、ポリビニルアルコール、ヒドロキシセルロース、カ
ルボキシセルロース、カゼイン等の水溶性樹脂;ロジン
・マレイン酸、(メタ)アクリル共重合体、スチレン・
マレイン酸共重合体、スチレン・(メタ)アクリル酸共
重合体、スチレン・α−メチルスチレン・アクリル酸共
重合体等のアルカリ可溶性樹脂等を用いることができ
る。
【0022】また、上記のアルカリ可溶性樹脂を可溶化
させるアルカリとしては、例えば、アンモニア、トリエ
チルアミン、トリプロピルアミン等のアルキルアミン;
モノエタノールアミン、ジエタノールアミン、トリエタ
ノールアミン等のアルカノールアミン;水酸化ナトリウ
ム、水酸化カリウム等の無機アルカリ等を用いることが
できる。
【0023】また、上記の水性インクにおいては、上記
のカーボンブラック分散体やバインダーの他に、その用
途に応じて、例えば、ブロッキング防止剤、保湿剤、滑
剤、防腐剤、酸化防止剤等を加えることもできる。
【0024】
【実施例】以下、この発明の実施例に係るカーボンブラ
ック分散体について説明すると共に、この実施例におけ
るカーボンブラック分散体及びこのカーボンブラック分
散体を用いた水性インクにおいては、カーボンブラック
が水系媒体中に十分に分散されて、その流動性や保存安
定性が優れると共に水性インクにおける黒色度が高くな
ることを、比較例を挙げて明らかにする。
【0025】(実施例1)この実施例においては、50
0mlのビーカーに、粒径が15μmのカーボンブラッ
クを40重量部、酢酸エチルを200重量部、シランカ
ップリング剤として3−アミノプロピルトリメトキシシ
ランを2重量部の割合で加え、これらをホモジナイザー
により室温で1時間処理した後、上記の酢酸エチルを除
去し、処理されたカーボンブラックを室温で4時間減圧
乾燥させて、下記の化2に示す修飾基が結合されたカー
ボンブラックを得た。
【0026】
【化2】
【0027】そして、上記のカーボンブラックを15重
量部、顔料分散剤としてトリエチルアミンでアニオン性
基を中和させた中和率85%のスチレン−マレイン酸共
重合体の25%水溶液を8重量部、水を77重量部の割
合にし、ホモジナイザーにより上記のカーボンブラック
を分散させて、この実施例のカーボンブラック分散体を
得た。
【0028】(実施例2)この実施例においては、カー
ボンブラックを処理するにあたり、上記の実施例1にお
いて用いたシランカップリング剤を3−アミノプロピル
トリエトキシシランに変更し、粒径15μmのカーボン
ブラックを40重量部、酢酸エチルを200重量部、3
−アミノプロピルトリエトキシシランを2重量部の割合
にし、上記の実施例1の場合と同様にして、表面に下記
の化3に示す修飾基が結合されたカーボンブラックを得
た。
【0029】
【化3】
【0030】そして、上記のカーボンブラックを水系媒
体中に分散させるにあたり、顔料分散剤として、中和率
95%のドデシルベンゼンスルホン酸の25%水溶液を
用い、上記のカーボンブラックを15重量部、中和率9
5%のドデシルベンゼンスルホン酸の25%水溶液を8
重量部、水を77重量部の割合にし、上記の実施例1の
場合と同様にしてカーボンブラック分散体を得た。
【0031】(実施例3)この実施例においては、カー
ボンブラックを処理するにあたり、上記の実施例1にお
いて用いたシランカップリング剤を実施例2の場合と同
じ3−アミノプロピルトリエトキシシランに変更し、粒
径15μmのカーボンブラックを40重量部、酢酸エチ
ルを200重量部、3−アミノプロピルトリエトキシシ
ランを2重量部の割合にし、上記の実施例1の場合と同
様にして、表面に上記の化3に示す修飾基が結合された
カーボンブラックを得た。
【0032】そして、上記のカーボンブラックを水系媒
体中に分散させるにあたっては、上記の実施例1の場合
と同様に、上記のカーボンブラックを15重量部、中和
率85%のスチレン−マレイン酸共重合体の25%水溶
液を8重量部、水を77重量部の割合にしてカーボンブ
ラック分散体を得た。
【0033】(実施例4)この実施例においては、カー
ボンブラックを処理するにあたり、粒径が30μmのカ
ーボンブラックを使用し、このカーボンブラックを40
重量部、酢酸エチルを200重量部、シランカップリン
グ剤として3−アミノプロピルトリメトキシシランを2
重量部の割合で加え、上記の実施例1の場合と同様にし
て、表面に前記の化1に示す修飾基が結合されたカーボ
ンブラックを得た。
【0034】そして、上記のカーボンブラックを水系媒
体中に分散させるにあたっては、上記の実施例1の場合
と同様に、上記のカーボンブラックを15重量部、中和
率85%のスチレン−マレイン酸共重合体の25%水溶
液を8重量部、水を77重量部の割合にしてカーボンブ
ラック分散体を得た。
【0035】(実施例5)この実施例においては、カー
ボンブラックを処理するにあたり、上記の実施例1にお
いて、シランカップリング剤として用いた3−アミノプ
ロピルトリメトキシシランの量を少なくし、粒径15μ
mのカーボンブラックを40重量部、酢酸エチルを20
0重量部、3−アミノプロピルトリメトキシシランを
0.1重量部の割合にして、上記の実施例1の場合と同
様に、表面に前記の化1に示す修飾基が結合されたカー
ボンブラックを得た。
【0036】そして、上記のカーボンブラックを水系媒
体中に分散させるにあたっては、上記の実施例1の場合
と同様に、上記のカーボンブラックを15重量部、中和
率85%のスチレン−マレイン酸共重合体の25%水溶
液を8重量部、水を77重量部の割合にしてカーボンブ
ラック分散体を得た。
【0037】(実施例6)この実施例においては、カー
ボンブラックを処理するにあたり、上記の実施例1にお
いて用いたシランカップリング剤を2−アミノエチルア
ミノエチルトリエトキシシランに変更し、粒径15μm
のカーボンブラックを40重量部、酢酸エチルを200
重量部、2−アミノエチルアミノエチルトリエトキシシ
ランを2重量部の割合にし、上記の実施例1の場合と同
様にして、表面に下記の化4に示す修飾基が結合された
カーボンブラックを得た。
【0038】
【化4】
【0039】そして、上記のカーボンブラックを水系媒
体中に分散させるにあたっては、顔料分散剤として、中
和率85%のドデシルベンゼンスルホン酸の25%水溶
液を用い、上記のカーボンブラックを15重量部、中和
率85%のドデシルベンゼンスルホン酸の25%水溶液
を8重量部、水を77重量部の割合にしてカーボンブラ
ック分散体を得た。
【0040】(実施例7)この実施例においては、カー
ボンブラックを処理するにあたり、上記の実施例1にお
いて、シランカップリング剤に用いた3−アミノプロピ
ルトリメトキシシランの量を少なくし、粒径15μmの
カーボンブラックを40重量部、酢酸エチルを200重
量部、3−アミノプロピルトリメトキシシランを0.0
4重量部の割合にして、上記の実施例1の場合と同様
に、表面に前記の化1に示す修飾基が結合されたカーボ
ンブラックを得た。
【0041】そして、上記のカーボンブラックを水系媒
体中に分散させるにあたっては、上記の実施例1と同様
に、顔料分散剤として用いた中和率85%のスチレン−
マレイン酸共重合体の25%水溶液の量を少なくし、上
記のカーボンブラックを15重量部、中和率85%のス
チレン−マレイン酸共重合体の25%水溶液を0.08
重量部、水を77重量部の割合にしてカーボンブラック
分散体を得た。
【0042】(実施例8)この実施例においては、カー
ボンブラックを処理するにあたり、上記の実施例1の場
合と同様にして、表面に前記の化1に示す修飾基が結合
されたカーボンブラックを得た。
【0043】そして、上記のカーボンブラックを水系媒
体中に分散させるにあたっては、顔料分散剤として、中
和率96%のスチレン−マレイン酸共重合体の25%水
溶液を用い、上記のカーボンブラックを15重量部、中
和率96%のスチレン−マレイン酸共重合体の25%水
溶液を8重量部、水を77重量部の割合にし、上記の実
施例1の場合と同様にしてカーボンブラック分散体を得
た。
【0044】(比較例1)この比較例においては、上記
の実施例1において用いたカーボンブラックの表面をシ
ランカップリング剤で処理しないでそのまま使用し、こ
のカーボンブラックを15重量部、顔料分散剤である中
和率85%のスチレン−マレイン酸共重合体の25%水
溶液を8重量部、水を77重量部の割合にし、ホモジナ
イザーにより上記のカーボンブラックを分散させてカー
ボンブラック分散体を得た。
【0045】(比較例2)この比較例においては、粒径
が40μmのカーボンブラックを使用し、上記の実施例
1の場合と同様にして、表面に前記の化1に示す修飾基
が結合されたカーボンブラックを得た。
【0046】そして、上記のカーボンブラックを水系媒
体中に分散させるにあたっては、上記の実施例1の場合
と同様に、上記のカーボンブラックを15重量部、中和
率85%のスチレン−マレイン酸共重合体の25%水溶
液を8重量部、水を77重量部の割合にしてカーボンブ
ラック分散体を得た。
【0047】(比較例3)この比較例においては、上記
の実施例1の場合と同様にして、表面に前記の化1に示
す修飾基が結合された粒径が15μmのカーボンブラッ
クを得た。
【0048】そして、上記のカーボンブラックを水系媒
体中に分散させるにあたっては、未中和のアニオン性基
を具備する顔料分散剤を加えないようにし、上記のカー
ボンブラックを15重量部、水を85重量部の割合にし
てカーボンブラック分散体を得た。
【0049】次に、上記の実施例1〜8及び比較例1〜
3の各カーボンブラック分散体を60重量部、バインダ
ーとしてスチレン・α−メチルスチレン・アクリル酸共
重合体(酸価220)をアンモニア水で中和した30%
水溶液を30重量部、水を10重量部の割合にしてこれ
らを混合撹拌させ、実施例1〜8及び比較例1〜3の各
カーボンブラック分散体を用いた各水性インクを調製し
た。
【0050】そして、上記のようにして調製した実施例
1〜8及び比較例1〜3の各カーボンブラック分散体及
び水性インクについて保存安定性及び流動性の評価を行
い、その結果を下記の表1に示した。
【0051】ここで、保存安定性については、上記の各
カーボンブラック分散体及び水性インクを調製して24
時間放置した後におけるカーボンブラックの沈降度合い
を目視により評価し、沈降のない場合を◎、沈降が若干
認められる場合を○、沈降が一部認められる場合を△、
完全に沈降した場合を×で示した。
【0052】また、流動性については、BL型粘度計を
用い、上記の各カーボンブラック分散体及び水性インク
についてそれぞれ25℃の環境下で、ローター回転数3
0rpmにおける粘度(ρ1 )とローター回転数60r
pmにおける粘度(ρ2 )とを測定して、これらの粘度
の比(ρ1 /ρ2 )を求め、この比が1.0以上で1.
1未満の場合を○、1.1以上で1.3未満の場合を
△、1.3以上の場合を×で示した。なお、この比(ρ
1 /ρ2 )の値が1に近づくほど、カーボンブラックの
分散性が高くなって流動性が高くなる。
【0053】
【表1】
【0054】この結果から明らかなように、上記の実施
例1〜8に示すように、粒径が10μm以上35μm以
下のカーボンブラックを用い、このカーボンブラックの
表面をアミンを含むシランカップリング剤で処理して、
その表面に前記の一般式(1),(2)で表される修飾
基が結合されたカーボンブラックを用いると共に、未中
和のアニオン性基を具備する顔料分散剤を用いて上記の
カーボンブラックを水系媒体中に分散させると、カーボ
ンブラックの表面をアミンを含むシランカップリング剤
で処理していないカーボンブラックを用いた比較例1の
ものや、未中和のアニオン性基を具備する顔料分散剤を
加えずにカーボンブラックを水系媒体中で分散させた比
較例3のものに比べて、水系媒体中におけるカーボンブ
ラックの分散安定性が向上し、カーボンブラック分散体
や水性インクにおける保存安定性及び流動性が向上する
と共に、粒径が40μmのカーボンブラックを用いた比
較例2のものに比べて水性インクにおける黒色度が向上
していた。
【0055】なお、上記の実施例7のものにおいては、
カーボンブラックの表面を処理するシランカップリング
剤の量及びカーボンブラックを水系媒体中に分散させる
顔料分散剤の量を少なくしたため、また上記の実施例8
のものにおいては、顔料分散剤にアニオン性基の中和率
が96%になった中和率の大きい顔料分散剤を用いたた
め、カーボンブラック分散体や水性インクにおける保存
安定性や流動性が低下すると共に、水性インクにおける
黒色度も他の実施例のものに比べて低くなっていた。
【0056】
【発明の効果】以上詳述したように、この発明において
は、粒径が10μm以上35μm以下の黒色度の高いカ
ーボンブラックを用い、このカーボンブラックの表面に
前記の化1に示した一般式(1),(2)で表される修
飾基を結合させると共に、未中和のアニオン性基を具備
する顔料分散剤を添加させるようにしたため、上記の修
飾基がカーボンブラックの表面に結合され、このように
結合された修飾基におけるアミンの部分と顔料分散剤が
具備するアニオン性基とが塩を形成し、これにより上記
のような粒径の小さなカーボンブラックを用いた場合に
おいても、このカーボンブラックが水系媒体中において
安定して分散されるようになり、カーボンブラック分散
体や水性インクにおける流動性や保存安定性が向上する
と共に、黒色度の高い水性インクが得られるようになっ
た。
フロントページの続き Fターム(参考) 4J037 AA02 CB16 CB21 CB23 CC13 CC16 DD05 DD24 EE02 EE28 EE43 FF05 FF09 FF15 4J039 AB02 AB07 AB08 AD03 AD06 AD09 AD14 BA04 BC19 BC33 BC54 BC57 BE01 BE22 CA06 DA02 DA05 EA19 EA42 EA44 EA48

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 カーボンブラックが水系媒体中に分散さ
    れてなるカーボンブラック分散体において、上記のカー
    ボンブラックとして粒径が10μm以上35μm以下の
    ものを用い、このカーボンブラックの表面に下記の化1
    に示す一般式(1),(2)で表される少なくとも1種
    の修飾基を結合させると共に、未中和のアニオン性基を
    具備する顔料分散剤を添加させたことを特徴とするカー
    ボンブラック分散体。 【化1】 なお、上記の一般式(1),(2)において、R1 ,R
    5 は炭素数が1〜4のアルキレン基であり、R2
    3 ,R4 は水素又は炭素数が1〜3の低級アルキル基
    である。
  2. 【請求項2】 請求項1に記載したカーボンブラック分
    散体において、上記の顔料分散剤が具備する全アニオン
    性基のうち、中和されているアニオン性基の比率が95
    %以下であることを特徴とするカーボンブラック分散
    体。
  3. 【請求項3】 請求項1又は2に記載したカーボンブラ
    ック分散体において、上記の顔料分散剤が具備する未中
    和のアニオン性基が、カルボキシル基及び/又はスルホ
    ン酸基であることを特徴とするカーボンブラック分散
    体。
  4. 【請求項4】 カーボンブラックが水系媒体中に分散さ
    れてなるカーボンブラック分散体を製造するにあたり、
    上記のカーボンブラックの表面をアミンを含むシランカ
    ップリング剤で処理すると共に、未中和のアニオン性基
    を具備する顔料分散剤を添加させたことを特徴とするカ
    ーボンブラック分散体の製造方法。
  5. 【請求項5】 少なくともカーボンブラック分散体とバ
    インダーとを含有する水性インクにおいて、上記のカー
    ボンブラック分散体として、上記の請求項1〜3の何れ
    か1項に記載したカーボンブラック分散体を用いたこと
    を特徴とする水性インク。
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