JPH0646953U - 複数負荷の共通駆動機構 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【目的】 小型化、低コスト化および信頼性の向上を図
ることができる複数負荷の共通駆動機構を提供する。 【構成】 正逆転可能なモータ１と、第１のループ状伝
動手段３を介してモータ１の駆動力が伝達される第１の
駆動プーリ２と、第２のループ状伝動手段５を介して第
１の駆動プーリ２の駆動力が伝達される第２の駆動プー
リ４とを有し、第１の駆動プーリ２には、モータ１の正
転時の駆動力を第１の負荷に伝達するための第１の一方
向クラッチ７を設け、一方、第２の駆動プーリ４には、
モータ１の逆転時の駆動力を第２の負荷に伝達するため
の第２の一方向クラッチ９を設けた。

Description

【考案の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】

本考案は、複数の負荷を単一のモータで駆動する複数負荷の共通駆動機構に関 する。

【０００２】

【従来の技術】

複数の負荷をそれぞれ独立して駆動する場合は、従来は、それぞれの負荷に専 用の駆動用モータを用いていた。 例えば、サーマル印字装置においては、リボン供給用モータとサーマルヘッド 移動用モータはそれぞれ独立して設けられていた。

【０００３】

【考案が解決しようとする課題】

従って、従来装置においては、複数のモータおよび各モータの駆動回路により 、機構部の設置スペースが大きくなり、コスト高になる欠点があった。また、ハ ーネスのはい回しに手間が掛かり組立性が悪く、さらに、複数のモータを設ける ことで信頼性の点でも問題があった。

【０００４】 本考案は、上記従来装置の欠点を解決し、小型化、低コスト化および信頼性の 向上を図ることができる複数負荷の共通駆動機構を提供することを目的とする。

【０００５】

【課題を解決するための手段】

この目的を達成するために、本考案は、正逆転可能なモータと、第１のループ 状伝動手段を介して前記モータの駆動力が伝達される第１の駆動プーリと、第２ のループ状伝動手段を介して前記第１の駆動プーリの駆動力が伝達される第２の 駆動プーリとを有し、前記第１の駆動プーリには、前記モータの正転時の駆動力 を第１の負荷に伝達するための第１の一方向クラッチを設け、一方、前記第２の 駆動プーリには、前記モータの逆転時の駆動力を第２の負荷に伝達するための第 ２の一方向クラッチを設けたことを特徴としている。

【０００６】

【作用】

本考案では、正逆転可能なモータを正転させた時に、第１の駆動プーリと第１ の負荷を第１の一方向クラッチで駆動連結し、一方、モータを逆転させた時に、 第２の駆動プーリと第２の負荷を第２の一方向クラッチで駆動連結する。

【０００７】 なお、この場合、第１の負荷は、例えばサーマル印字装置のリボン供給部（巻 き取り側コア、巻き取られ側コア、両コア間のリボンを含む）であり、また第２ の負荷は、同じくサーマルヘッド移動部（印字ヘッドおよびヘッドリトラクト用 カムシャフトを含む）とすることができ、モータを正転させたときはリボン送り がされ、モータを逆転させたときは、リボン送りが停止されるとともに、所定逆 転角度においては、印字ヘッドがプラテンから後退され、他の所定逆転角度にお いては、印字ヘッドがプラテンに接近される。

【０００８】

【実施例】

以下、本考案の実施例を図面に基づいて説明する。 図１は実施例に係るサーマル印字装置のリボン供給部とサーマルヘッド移動部 の駆動機構を示す正面図、図２は同、要部を断面で示す側面図である。

【０００９】 図において、１は、リボン巻き取り方向Ａ（ここでは、便宜的これを正回転と する）とヘッドリトラクト方向Ｂ（同じくこれを逆回転とする）とに回転する（ 図１参照）正逆回転可能なモータ、２は、第１の無端ベルト（第１のループ状伝 動手段）３によってモータ１の駆動力が伝達される第１の駆動プーリ（図２参照 ）、４は、第２の無端ベルト（第２のループ状伝動手段）５によって第１の駆動 プーリ２の駆動力が伝達される第２の駆動プーリ（図２参照）である。

【００１０】 第１の駆動プーリ２は、第１の駆動軸（巻き取り軸）６に第１の一方向クラッ チ７（図２参照）を介して取り付けられており、一方、第２の駆動プーリ４は、 第２の駆動軸８（ヘッドリトラクト用カムシャフト）に第２の一方向クラッチ９ （図２参照）を介して取り付けられている。 なお、第１の一方向クラッチ７は、モータ１の正回転時に、第１の駆動プーリ ２を第１の駆動軸６に駆動連結するように設けられており、また、第２の一方向 クラッチ９は、モータ１の逆回転時に、第１の駆動プーリ２及び第２の無端ベル ト５を介して回転される第２の駆動プーリ４を第２の駆動軸８に駆動連結するよ うに設けられている。

【００１１】 第１の駆動軸６の先端にはリボン巻き取り用の巻き取り側ハブ１０が取り付け られており、また、第２の駆動軸８の２個所には、サーマルヘッド組立体１１の 上部に設けた一対のベアリング１２，１２に下方から当接する偏心カム１３，１ ３が設けてある。第２の駆動軸８はサーマルヘッド組立体１１の両端の長穴１４ ，１４を貫通して設けてあり、サーマルヘッド組立体１１は長穴１４，１４によ り偏心カム１３の作用を受けて上下するようになっている。

【００１２】 なお、１５はサーマルヘッド、１６はプラテン、１７は印字フレーム、１８は リボンカセット、１９は巻き取られ側ハブ、２０はその支軸（図１参照）、２１ は第２の無端ベルト５にテンションを付与するテンションローラ（図１参照）で ある。第１、第２の無端ベルト３，５は、スプロケットとかみ合うチェーンで代 替することもできる。

【００１３】 このような構成において、モータ１が正回転すると、第１の駆動プーリ２に伝 達される駆動力は、第１の一方向クラッチ７を介して第１の駆動軸６に伝達され 、さらに巻き取り側ハブ１０に伝達される。従って、図示しないリボンが巻き取 られ側から繰り出され、巻き取り側に巻き取られる。この時、第２の一方向クラ ッチ９は、第２の駆動プーリ４の回転方向に対してはフリーとなっており、第２ の駆動軸８には駆動力が伝達されない。

【００１４】 次に、モータ１が逆回転すると、第２の駆動プーリ４の回転方向は逆となり、 この駆動力は第２の一方向クラッチ９を介して第２の駆動軸８に伝達される。 ここで、第２の駆動軸８が回転すると、これと一体的に設けてある偏心カム１ ４も回転し、この偏心カム１４に当接しているベアリング１３を介して、サーマ ルヘッド組立体１１を上下させる。従って、モータ１の逆転量を制御することに より、必要に応じてプラテン１６に対してサーマルヘッド１５をリトラクトさせ ることができる。この時、第１の一方向クラッチ７は、第１の駆動プーリ２の回 転方向に対してはフリーとなっており、第１の駆動軸６には駆動力が伝達されな い。

【００１５】

【考案の効果】

以上説明したように、本考案によれば、正逆転可能なモータを設け、このモー タを正転させた時に、第１の駆動プーリと第１の負荷を第１の一方向クラッチで 駆動連結し、一方、モータを逆転させた時に、第２の駆動プーリと第２の負荷を 第２の一方向クラッチで駆動連結するようにしたので、複数の負荷、例えば、リ ボン供給部、サーマルヘッド移動部を単一のモータで駆動することができ、その 結果、機構部の小型化と低コスト化、組立性の向上、信頼性の向上などを図るこ とが可能となる。

【図面の簡単な説明】

【図１】本考案の実施例に係るサーマル印字装置のリボ
ン巻き取り部とサーマルヘッドリトラクト部の駆動機構
を示す正面図である。

【図２】本考案の実施例に係るサーマル印字装置のリボ
ン巻き取り部とサーマルヘッドリトラクト部の駆動機構
を示す側面図である。

【符号の説明】

１ モータ ２ 第１の駆動プーリ ３ 第１の無端ベルト（第１のループ状伝動手段） ４ 第２の駆動プーリ ５ 第２の無端ベルト（第２のループ状伝動手段） ７ 第１の一方向クラッチ ９ 第２の一方向クラッチ １０ 巻き取り側ハブ １１ サーマルヘッド組立体 １４ 偏心カム １５ サーマルヘッド １６ プラテン

Claims (2)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】 正逆転可能なモータと、第１のループ状
   伝動手段を介して前記モータの駆動力が伝達される第１
   の駆動プーリと、第２のループ状伝動手段を介して前記
   第１の駆動プーリの駆動力が伝達される第２の駆動プー
   リとを有し、 前記第１の駆動プーリには、前記モータの正転時の駆動
   力を第１の負荷に伝達するための第１の一方向クラッチ
   を設け、一方、前記第２の駆動プーリには、前記モータ
   の逆転時の駆動力を第２の負荷に伝達するための第２の
   一方向クラッチを設けたことを特徴とする複数負荷の共
   通駆動機構。
2. 【請求項２】 第１の負荷はサーマル印字装置のリボン
   供給部であり、第２の負荷はサーマルヘッド移動部であ
   ることを特徴とする請求項１記載の複数負荷の共通駆動
   機構。