JPH0712018Y2 - 熱転写プリンタのリボン巻取り装置 - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 本考案は、サーマルヘッドにより画像情報に応じてイン
クリボンのインクを溶融して用紙に転写する熱転写プリ
ンタに係り、特に、インクリボンの巻取りを行なう熱転
写プリンタのリボン巻取り装置に関する。

〔従来の技術〕

まず、従来のリボン巻取り装置を備えている熱転写プリ
ンタを第２図および第３図により説明する。

水平方向に延在する円柱状のガイドロッド１がその両端
部をそれぞれブラケット2,2に支持されるように配設さ
れており、このガイドロット１には、リボンカセット収
納部４を備えたキャリッジ３が図示しないプラテンに沿
って走行し得るように支持されている。

前記ガイドロッド１の両端のほぼ延長上には、それぞれ
鉛直方向の軸線を有する１対の歯付ベルト車（図示せ
ず）が配設されており、これらの歯付ベルト車には歯付
ベルト５が巻回され、キャリッジ３の前方側の歯付ベル
ト５の中間部5Aは前記キャリッジ３と連結されている。
また、前記一方の歯付ベルト車は逆転可能なキャリッジ
走行用モータ（図示せず）により回転駆動されるように
なっている。

前記キャリッジ２には、前記プラテンに対して接離し得
るように回動自在に支持された断面ほぼＬ字形のヘッド
取付台６が取付けられており、このヘッド取付台６の前
記プラテンに臨む面にはサーマルヘッド７が装着されて
いる。また、前記キャリッジ２には、上端部がリボンカ
セット収納部４上に突出されリボンカセットのボビンに
係合可能とされている巻取り軸8Aおよび引出し軸8Bがそ
れぞれ回転可能に支持されており、前記巻取り軸8Aの下
端部には歯車９が嵌着され、この歯車９には、アイドル
歯車10,11を介してリボン巻取り歯車12が噛合されてい
る。このリボン巻取り歯車12は、前記歯付ベルト５に臨
むように前記キャリッジ３に軸支されており、このリボ
ン巻取り歯車12は後方側の前記歯付ベルト５の中間部5B
に噛合されている。

ところで、前記キャリッジ３には、前記リボン巻取り歯
車12との間で前記歯付ベルト５を挟持するように前記リ
ボン巻取り歯車12の回転軸12Aの直後から左右に同様の
間隔を置いて歯付ベルト５の背面に摺接される１対のピ
ン状のストッパ13,13が配設されている。前記歯付ベル
ト５は、これらの両ストッパ13,13によりリボン巻取り
歯車12の外周に沿って多少弯曲するようにしてこのリボ
ン巻取り歯車12と噛合されている。

前述した構成によれば、キャリッジ走行用モータを駆動
して歯付ベルト５を矢印Ａ方向に走行すると歯付ベルト
５の前方側の中間部5Aに連結されているキャリッジ３は
矢印Ｂ方向に移動される。一方、歯付ベルト５の後方側
の中間部5Bは矢印Ｃ方向に移動され、これに伴なってリ
ボン巻取り歯車12は第３図において時計方向に回転さ
れ、歯車９は反時計方向に回転される。この結果、巻取
り軸8Aが反時計方向に回転されて印字に供したインクリ
ボンの巻取り動作がなされる。

〔考案が解決しようとする課題〕

しかしながら、前述した従来の熱転写プリンタのリボン
巻取り装置においては、リボン巻取り歯車12と歯付ベル
ト５との噛合を確実に行なうため、前述したように１対
のストッパ13,13により歯付ベルト５をその背部から押
圧し、歯付ベルト５をリボン巻取り歯車12の外周に沿っ
て多少弯曲した状態でリボン巻取り歯車12に噛合せしめ
ている。したがって、歯付ベルト５の走行負荷がかなり
増大することとなり、その分キャリッジ走行用モータの
出力トルクを大きくしなければならないという問題点が
あった。

本考案は、このような従来のものにおける問題点を解決
し、歯付ベルトの走行負荷の増大を最小限に抑えつつ歯
付ベルトとリボン巻取り歯車とが確実に噛合できる熱転
写プリンタのリボン巻取り装置を提供することを目的と
する。

〔課題を解決するための手段〕 前述した課題を解決するため本考案は、キャリッジにサ
ーマルヘッドおよびリボンカセットを搭載し、前記リボ
ンカセットのインクリボン巻取り軸に連結された歯車を
モータの駆動により走行する歯付ベルトに噛合してなる
熱転写プリンタのリボン巻取り装置において、前記キャ
リッジに、前記歯車の回転軸のほぼ直後に位置する先端
部が断面円弧状に形成された単一のストッパを前記歯付
ベルトと微小間隔を有するように設けたことを特徴とし
ている。

〔作用〕

前述した構成の本考案によれば、歯付きベルトがリボン
巻取り歯車との噛合から外れようとしたときに歯付ベル
トが、リボン巻取り歯車と、この歯車の回転軸のほぼ直
後に位置する先端部が断面円弧状に形成された単一のス
トッパとの間で実質的に挟持されつつ前記歯車と歯付ベ
ルトとが噛合されているため、歯付ベルトを歯車の外周
に沿うように弯曲することなく歯車に確実に噛合でき、
その結果歯付ベルトの走行負荷の増大を最小限に抑えつ
つ歯付ベルトとリボン巻取り歯車との噛合を確実になす
ことができる。

〔実施例〕

以下、本考案を図面に示す実施例により説明する。な
お、前述した従来のものと同一の構成については、図面
中に同一の符号を付し、その説明は省略する。

第１図は本考案に係るリボン巻取り装置を適用した熱転
写プリンタの要部を示す平面図である。

第１図において、前述した従来のリボン巻取り装置と異
なる点は、前述した１対のストッパ13,13（第３図）の
代わりに、単一でブロック状のストッパ14が、リボン巻
取り歯車12の直後となる前記歯付ベルト５の背部に位置
するように前記キャリッジ３に取付けられている点であ
る。前記歯付ベルト５の背部に対向するストッパ14の前
面15には、前記リボン巻取り歯車12の回転軸12Aの直後
の歯付ベルト５の背部に接触され得る突起16が突設され
ており、この突起16は、前記歯付ベルト５の幅方向に延
在され、かつ歯付ベルト５との摺動抵抗を小さくするた
め先端部を断面円弧状に形成され、歯付ベルト５とほぼ
線接触し得るようになっている。さらに、このストッパ
14の突起16は常時歯付ベルト５と微小間隙を有してお
り、リボン巻取り歯車12が歯付ベルト５との噛合から外
れようとしたときにストッパ14の突起16が歯付ベルト５
の背部に当接してリボン巻取り歯車12との間で歯付ベル
ト５を実質的に挟持するようになっている。

つぎに、前述した構成からなる本実施例の作用について
説明する。

キャリッジ３の走行用モータ（図示せず）を駆動するこ
とにより歯付ベルト５を矢印Ａ方向に回転すると、キャ
リッジ３は矢印Ｂ方向に移動される。一方、歯付ベルト
５の後方側の中間部5Bに噛合されたリボン巻取り歯車12
は時計方向に回転され、これにより歯車９が反時計方向
に回転されて巻取り軸8Aが反時計方向に回転され、印字
に供したインクリボンの巻取り動作がなされる。

ところで、後方側の歯付ベルト５の背部に位置している
ストッパ14の突起16は常時は歯付ベルト５に接触してい
ないためストッパ14により歯付ベルト５の走行負荷は増
大しない。この結果、ベルト走行用モータとして出力ト
ルクの大きいものを用いる必要がない。

一方、歯付ベルト５がリボン巻取り歯車12から浮き上ろ
うとすると、ストッパ14の突起16が歯付ベルト５の背部
に当接して、歯付ベルト５およびリボン巻取り歯車12の
噛合を確実にすることができる。

なお、本考案は前述した実施例に限定されるものではな
く、必要に応じて種々の変更が可能である。

〔考案の効果〕

以上説明したように本考案によれば、歯付ベルトの走行
負荷の増大を最小限に抑えつつ歯付ベルトとリボン巻取
り歯車との噛合の外れを確実に防止することができると
いう効果を奏する。

【図面の簡単な説明】

第１図は本考案に係る熱転写プリンタのリボン巻取り装
置を適用した熱転写プリンタの要部を示す平面図、第２
図および第３図は従来のリボン巻取り歯車を適用した熱
転写プリンタを示すものであり、第２図はキャリッジの
走行部分を示す斜視図、第３図は第１図と同様の平面図
である。 ３……キャリッジ、５……歯付ベルト、７……サーマル
ヘッド、8A……巻取り軸、8B……引出し軸、９……歯
車、12……リボン巻取り歯車、13,14……ストッパ、16
……突起。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】キャリッジにサーマルヘッドおよびリボン
   カセットを搭載し、前記リボンカセットのインクリボン
   巻取り軸に連結された歯車をモータの駆動により走行す
   る歯付ベルトに噛合してなる熱転写プリンタのリボン巻
   取り装置において、前記キャリッジに、前記歯車の回転
   軸のほぼ直後に位置する先端部が断面円弧状に形成され
   た単一のストッパを前記歯付ベルトと微小間隔を有する
   ように設けたことを特徴とする熱転写プリンタのリボン
   巻取り装置。