JPH0646630A - 根菜収穫機の収穫部構造 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【目的】 土が付着したままで根菜を収穫すると、その
後の移動途中に土をばら蒔くとか根菜の洗浄が面倒にな
る等の不利があるため、取出しから葉切りまでの一連の
収穫作業工程に根菜に付着した土を除去する工程を加え
る。 【構成】 葉部を挟持して地中の根菜を引抜く引抜き装
置１と、引抜かれた根菜を葉部を挟持した吊下げ姿勢で
後方上方に搬送する挟持搬送装置２と、搬送されてくる
根菜の葉部を根元で切断する葉切り装置３とを備え、挟
持搬送装置２の下方に配置されるガイド機構１４の直前
位置に、根菜に作用して付着土を取除く土落とし装置Ｃ
を設ける。挟持搬送装置２の根菜搬送経路Ｗと相対上下
傾斜する前後軸心Ｚで回転する左右一対の起毛ローラ２
６で土落とし装置Ｃを構成する。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】本発明は、人参や大根といった根
菜類の収穫作業を機械化させる技術に関するものであ
る。

【０００２】

【従来の技術】圃場に埋まっている人参や大根といった
根菜を１本ずつ手で引き抜き、それから包丁で葉を切り
落とす人為収穫作業を連続して行うことは相当な労力を
要するため、先に本出願人が出願した実願平３−１０６
４２２号において、これら一連の収穫作業を機械化させ
た根菜収穫機が提案されている。

【０００３】

【発明が解決しようとする課題】根菜を地中から取出し
た状態では土が付着していることが多いが、上記提案技
術では、根菜の取出しから葉切りまでの一連の収穫作業
工程を機械化できることを開示しているに止まり、根菜
に付着した土や砂の処理については触れられていなかっ
た。土が付着したままで根菜を収穫すると、その後の移
動途中に土をばら蒔くとか根菜の洗浄が面倒になる等の
不利があるため、本発明では、前述した一連の収穫作業
工程に土を除去する工程を加えることを目的とするもの
である。

【０００４】

【課題を解決するための手段】上記目的の達成のために
本発明は、地中にある根菜を地上に取出す取出し装置
と、この取出し装置で取出された根菜をその葉部を挟持
しての吊下げ姿勢で後方上方に搬送する挟持搬送装置
と、この挟持搬送装置で搬送されてくる根菜の葉部をそ
の根元部位で切断する葉切り装置とを備えるとともに、
挟持搬送装置で搬送される根菜に作用して搬送根菜に付
着している土を取除く土落とし装置を備えてあることを
特徴とするものである。又、土落とし装置を、前後方向
の回転軸心周りで駆動回転される前後に長い起毛ローラ
で構成するとともに、挟持搬送装置による根菜の搬送経
路と回転軸心とを、上下方向に相対傾斜させて配置して
あると好都合である。

【０００５】

【作用】請求項１の構成では、根菜に付着した土等を取
除く土落とし装置を備えたので、根菜収穫機によって根
菜の取出しから葉切り、及び付着土の除去も含めた一連
の収穫作業工程が機械化され、根菜の収穫作業に要する
労力をさらに軽減させることができるようになる。挟持
搬送装置は、地表面付近から機体上まで根菜を吊設状態
で後方搬送するものであってその前後長さの長いもので
あるから、この挟持搬送装置部分に土落とし装置を設け
ることにより、挟持搬送装置の前後長さ、つまりは取出
し前処理部としての前後長さを増大させることなく根菜
の土を除去できる工程を追加設定することができる。請
求項２の構成では、土落とし装置としての前後に長い起
毛ローラを前後方向で傾けて配設してあるので、根菜と
起毛ローラとの接触箇所が根菜の搬送に伴って上下方向
に移動することになり、起毛ローラの径自体を根菜に比
べて小に設定しても根菜本体の全長に亘って土落とし作
用が加えられるようになる。これは、相対傾斜させない
で起毛ローラの径を根菜本体全長よりも大きくして土を
落とすようにする手段に比べて、前後に長いことは挟持
搬送装置の構造上から許容されている土落とし装置の全
幅、及び全高のコンパクト化が、すなわち土落とし装置
としてのコンパクト化が図れるようになる。

【０００６】

【発明の効果】従って、請求項１記載の収穫部構造で
は、根菜の取出しから葉切り、及び根菜への付着土の取
除きまで機械化され、より楽に操作できるようになっ
た。請求項機２記載の収穫部構造では、コンパクトに土
落とし装置を構成できる利点がある。

【０００７】

【実施例】以下に、本発明の実施例を図面に基づいて説
明する。図１に、走行機体Ｂの前部に取出し前処理部Ａ
を連設した根菜収穫機の全体側面図が示され、０は引き
上げ装置、１は引抜き装置（取出し装置に相当）、２は
挟持搬送装置、３は葉切り装置、４は回収箱、５はクロ
ーラ走行装置、６は操縦部、７は分草具である。引き上
げ装置０は、係止突起付きの無端回動帯８で構成され、
下側の輪体軸９には横倒し状態の葉部を予め切断可能な
荒切りカッター１０が取付けてある。引抜き装置１は、
左右一対の搬送ベルト１１，１１を対向配置して成る後
上り傾斜姿勢のコンベヤ機構１２の前半部分１２ａによ
って構成されており、地中にある根菜の葉部を一対のベ
ルト１１，１１で挟持支持して駆動させることにより、
根菜を地中から強制的に引き抜くように作用する。挟持
搬送装置２は、コンベヤ機構１２の後半部分１２ｂとこ
れの下方に配置されるガイド機構１４とで成る首揃え搬
送手段Ｋによって構成され、ガイド機構１４はコンベヤ
機構１２よりも緩い傾斜角に設定されている。

【０００８】図４に示すように、コンベヤ機構１２に
は、搬送ベルト１１，１１を互いの存在方向に押圧して
葉部の挟持力を発生させるための多数の転輪１５が設け
られ、前半部分１２ａでは、地中の根菜を確実に引き抜
けるべく強い挟持力が作用するように転輪１５付勢用の
強スプリング１６の強さを設定し、かつ、後半部分１２
ｂでは強スプリング８よりも細い弱スプリング１７を備
えてある。ガイド機構１４は、図５、図６に示すよう
に、アウタチェンリンクプレート１８毎にブラケット１
９を一体に設け、それに対してバネ２０で突出付勢され
る横軸心Ｙ周りに回動自在な３個のローラ２１が装備さ
れた構造のチェン２２で構成されている。ローラ２１
は、バネ２０によって外方に向けての付勢力が発生可能
な状態でリンクプレート１８に取付けられ、根菜の葉部
は対向する左右のローラ２１，２１で挟持されての後方
移送力を受ける。そして、ガイド機構１４の後方位置に
は、根菜の葉部を切り落とす回転カッター２３を設けて
成る葉切り装置３が配設されるとともに、ガイド機構１
４と葉切り装置３との間に、根菜の吊下げ姿勢を葉切り
装置３での切断作動に適した状態に矯正できるように、
ガイド機構１４から送られてくる根菜の葉部を持ち直し
て葉切り装置３へ移送する姿勢矯正搬送機構２４を配備
してある。図３に示すように、姿勢矯正搬送機構２４
は、挟持面にスポンジ帯２５ａが装着された左右一対の
搬送ベルト２５，２５で構成されており、ガイド機構１
４による葉部の挟持箇所よりも回転カッター２３の刃厚
分以上、上方にずれた位置を挟持するものである。

【０００９】図１、図２に示すように、挟持搬送装置２
で搬送される根菜に作用して搬送根菜に付着している土
を取除く土落とし装置Ｃを備えてある。すなわち、前後
方向の回転軸心Ｚ周りで駆動回転される前後に長い一対
の起毛ローラ２６，２６を、挟持搬送装置２による根菜
の搬送経路Ｗの左右に振分けて配置するとともに、搬送
経路Ｗと回転軸心Ｚとに上下角度αを付けてあり、これ
らの上下間隔が後方程拡がるように相対傾斜させて配置
してある。そして、動力が入力される左右向きの駆動軸
２７に連動する上下軸２８に対してベベルギヤ連動させ
ることで起毛ローラ２６を人参を下方に扱く方向に回転
駆動させる伝動構造である。また、上下軸２８の上部と
挟持搬送装置２の後部輪体軸２ｒとにチェン連動機構１
３を配備して挟持搬送装置２を駆動するようにしてあ
る。

【００１０】収穫作業の主要作用を述べると、コンベヤ
機構１２の前半部分による強い挟持力でもって葉部を挟
持して後方上方に持ち上げることにより、地中にある根
菜を引き抜き、引続きコンベヤ機構１２の後半部分１２
ｂでもって後方上方に搬送するとともに土落とし装置Ｃ
によって付着した土を取除き、それから首揃え搬送手段
Ｋに引き継ぐ。首揃え搬送手段Ｋでは、コンベヤ機構１
２の後半部分１２ｂによる搬送力で根菜を後方上方に移
送するのであるが、この後半部分１２ｂガイド機構１４
との相対角度により、次第に根菜本体の上面がガイド機
構１４に、すなわちローラ２１に接近し、首揃え搬送手
段Ｋの後部ではローラ２１に根菜本体上面が接当した接
触搬送状態になるとともに、それ以後では湖畔部分１２
ｂと根菜の葉部とがスリップしての扱き搬送状態にな
り、接触搬送状態が維持される。そして、接触搬送状態
の根菜は姿勢矯正搬送機構２４で持ち直されて葉切り装
置３に向かい、回転カッター２３での良好な切断作用が
行われるようになる。

【００１１】〔別実施例〕土落とし装置Ｃとしては起毛
ローラ２６の他、空気や水を吹きつける手段や振動を与
えて土を剥離させる手段等種々の構造が考えられる。
又、左右の送装ベルト１１，１１の駆動速度を異ならし
て搬送根菜が縦軸回りで回転しながら後方搬送されるよ
うに構成すれば、土の取除き作用をより強化することが
できる。又、根菜本体の位置が安定し易いガイド機構１
４部位に起毛ローラ２６を設けるようにすれば、起毛ロ
ーラ２６の小型化が可能であり、ガイド機構１４やコン
ベヤ機構１２による搬送経路Ｗに対して起毛ローラ２６
の回転軸心Ｚを相対上下傾斜させるのである。

【００１２】尚、特許請求の範囲の項に図面との対照を
便利にするために符号を記すが、該記入により本発明は
添付図面の構成に限定されるものではない。

【図面の簡単な説明】

【図１】根菜収穫機の側面図

【図２】土落とし装置部位の断面図

【図３】姿勢矯正搬送機構部位の断面図

【図４】コンベヤ機構の構造を示す平面図

【図５】首揃え搬送手段の断面図

【図６】ローラ付きチェンの構造を示す部分断面図

【符号の説明】

１ 取出し装置 ２ 挟持搬送装置 ３ 葉切り装置 ２６ 起毛ローラ Ｃ 土落とし装置 Ｗ 搬送経路 Ｚ 回転軸心

Claims (2)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】 地中にある根菜を地上に取出す取出し装
   置（１）と、この取出し装置（１）で取出された根菜を
   その葉部を挟持しての吊下げ姿勢で後方上方に搬送する
   挟持搬送装置（２）と、この挟持搬送装置（２）で搬送
   されてくる根菜の葉部をその根元部位で切断する葉切り
   装置（３）とを備えるとともに、前記挟持搬送装置
   （２）で搬送される根菜に作用して該搬送根菜に付着し
   ている土を取除く土落とし装置（Ｃ）を備えてある根菜
   収穫機の収穫部構造。
2. 【請求項２】 前記土落とし装置（Ｃ）を、前後方向の
   回転軸心（Ｚ）周りで駆動回転される前後に長い起毛ロ
   ーラ（２６）で構成するとともに、前記挟持搬送装置
   （２）による根菜の搬送経路（Ｗ）と前記回転軸心
   （Ｚ）とを、上下方向に相対傾斜させて配置してある請
   求項１記載の根菜収穫機の収穫部構造。