JPH09154356A - 根菜類用収穫機 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【課題】 根菜の直根を容易、確実に切断する根菜収穫
機を提供すること。 【解決手段】 前方搬送部５の挟持ベルト９で斜め上方
に向けて搬送されるニンジンは頭揃えベルト１０でその
塊根の頭部分の動きが規制されて、ニンジンは葉切りベ
ルト１１の間に茎葉が挟持される。頭揃えベルト１０に
よる塊根の頭部分の動きが規制されるニンジンは比較的
サイズの小さいニンジンであり、比較的サイズの大きい
ニンジンは比較的サイズの小さいニンジンが頭揃えベル
ト１０によりその動きが規制される時には、まだ、挟持
ベルト９により斜め上方に向けて搬送される途中であ
る。こうして、葉切りベルト１１間にサイズの小さいニ
ンジンの茎葉がまず挟持されて、後方に搬送される過程
で後段の回転式多孔円筒カッター１５の孔中に直根が入
り込み、切断される。次いで、その直根が切断されたニ
ンジンは下段の排葉ベルト１１で後方に搬送され、茎葉
切断用カッター２３で茎葉と根が切り離される。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【発明の属する技術分野】本発明は、作業性の良いニン
ジンなどの根菜類用収穫機に関するものである。

【０００２】

【従来の技術】従来の根菜類用収穫機は、根菜の土中の
部分あるいは地上に出た茎葉を互いに逆回転する一対の
無端ベルトからなる挟持搬送ベルトで把持した状態で、
掘り取り、その後、前記挟持ベルトで収穫機後方に搬送
する過程で茎葉を切断し、さらに後方に搬送して根菜を
バスケットに収納する機械であった。

【０００３】

【発明が解決しようとする課題】根菜としてニンジンを
例にして以下説明する。上記従来技術の根菜類用収穫機
は、根菜を挟持搬送ベルトで把持して後方に搬送する際
に、挟持搬送ベルトで茎葉を挟み込んだ状態で該ベルト
にぶら下がったニンジンの直根（ひげ根）を切断する
が、ニンジンの大きさに応じて直根切断用に用いる回転
式多孔円板カッターの取り付け角度を変更することで、
ニンジンの大きさに違いがあっても、それぞれの直根を
切断できるようにしていた。

【０００４】しかし、ニンジンの大小に対応して回転式
多孔円板カッターの取り付け角度を変化させる方式の場
合、大きなサイズのニンジンに連なるようにして小さな
サイズのニンジンが直根の切断位置に来る場合、上記円
板カッターが平板なので適切な直根の切断位置に追従で
きない欠点があった。その理由は頭揃えベルトにより、
ニンジンの大小にかかわらず、頭が揃えることはできる
が、サイズの大きいニンジンが通過したあとサイズの小
さいニンジンの直根を処理しなければならないことがあ
り、このときサイズの小さいニンジンがカッターの位置
に来ても、カッターは、サイズの小さいニンジンの直根
の位置に来るまでの時間が遅れる事がある。特にサイズ
の大きいニンジンの後に極端にサイズの小さいニンジン
が来る場合と、挟持搬送ベルトの搬送速度が速い場合に
不具合が生じる。

【０００５】そこで、本発明の課題は根菜の直根を容
易、確実に切断する根菜類用収穫機を提供することであ
る。また、本発明の課題は大きなサイズの根菜に連なる
ようにして小さなサイズの根菜が直根の切断位置に搬送
されて来ても直根を確実に切断することができる根菜類
用収穫機を提供することである。さらに、本発明の課題
は根菜の大小に無関係に直根を確実に切断することがで
きる根菜類用収穫機を提供することである。

【０００６】

【課題を解決するための手段】本発明の上記課題は次の
解決手段により達成される。すなわち、根菜の一部を把
持し、引き抜きながら収穫する根菜類用収穫機におい
て、引き抜き搬送中の塊根の頭部を揃えて茎葉を切断す
るとほぼ同時に直根も切断する根菜類用収穫機である。

【０００７】上記根菜類用収穫機として、根菜の一部を
把持し、引き抜きながら搬送する引き抜き挟持搬送手段
と、引き抜き搬送中の塊根の頭部を揃える頭揃え搬送手
段を備えた根菜類用収穫機において、頭揃え搬送手段の
下方に直根を切断するための直根切断手段を設けた根菜
類用収穫機を用いても良い。

【０００８】本発明において、直根切断手段としては回
転式多孔円筒カッターを円筒カッター回転軸が根菜搬送
方向に直交する方向に、前後２段に配置した構成を採用
しても良い。また、該回転式多孔円筒カッターの上部に
Ｖ字形ガイドを前記二つの円筒カッターに沿うよう階段
状に配してもよい。この場合、搬送されて来る根菜の大
小に無関係に、また、大きなサイズの根菜の直後に小さ
いサイズの根菜が来ても、大きなサイズの根菜と小さな
サイズの根菜の直根の切られる位置が違うので容易に直
根を切れる。この２段に配置した回転式多孔円筒カッタ
ーは装置自体の傾きをスプリング等で変動させるような
複雑で故障しやすい構成を用いなくても良い。

【０００９】また、直根切断手段として多孔円盤カッタ
ーを用い、根菜の頭揃え中に直根切断用の多孔円盤カッ
ターを水平回転させ、これを直根に押し当てて切っても
良い。さらに、回転多孔円盤カッターで直根を切る方式
の根菜類用収穫機で根菜の頭揃え中に、回転多孔円盤カ
ッターの支持フレームを、その頭揃え入口側の支点を中
心として回動させ、かつ支持フレームの他端をスプリン
グで吊り下げた構成にすることもできる。この構成によ
り、根菜の抵抗に応じて回転多孔円盤カッターの傾斜角
度が変えられるので、大きいサイズの根菜が来ると回転
式多孔円盤カッターは支点を中心に下方に下がり、また
小さいサイズの根菜が来ると回転式多孔円盤カッターは
元の位置に戻る。このようにして根菜の大小に無関係に
直根のみを適切に切断することができる。

【００１０】また、回転多孔円盤カッターの円盤の一定
距離上方に微小な間隔を設けてＶ字状に一対の平板から
なるガイドを設けた構成にすることができる。この構成
により、一対のＶ字状ガイドが大きいサイズの根菜の位
置を規制するので、回転式多孔円盤カッターへの根菜の
当り方はきつくなくなり、直根の深切りが起こらなくな
る。また、ゆがんだ状態で挟持搬送されてくる根菜でも
一対のＶ字状ガイドに沿うように誘導されて、根菜は必
ず鉛直方向にぶら下がることになり、直根がガイドの下
に出て、確実に回転多孔円盤カッターにより切ることが
できる。

【００１１】また、直根切断手段として２対の回転体を
設け、前方１対の回転体の周速度は後方の１対の回転体
のそれより速くなるように設定し、これらの２対の回転
体の回転軸は鉛直方向に向けて配置し、その回転軸の周
囲に水平方向に伸びるヒゲをそれぞれ多数設け、さら
に、前方の回転体には水平方向に伸びる直根処理用のヒ
ッターを数段設けておく構成としても良い。これによ
り、根菜搬送途中に２対の回転体の内の前方の回転体に
根菜を当てることで、ヒッターが直根をたたき落して切
断する。

【００１２】また、直根切断手段として根菜を揃えるた
めのＶ溝状の案内プレートと、この案内プレートの終端
に該プレートの長手方向に直交する方向に回転軸を有す
る弾性回転体を設けた構成でも良い。この構成の場合、
根菜搬送中に根部がＶ溝状の案内プレートで進行方向が
揃えられ、Ｖ溝状の案内プレート上で根菜がすべり、根
菜の直根が案内プレートを離れる瞬間、根菜の根部先端
は円弧を描いて下方へ移動するので、その瞬間に弾性回
転体が直根をたたき切ることができる。

【００１３】また、直根切断手段としては下方の長手方
向に切り欠きを設けたＶ溝状の案内プレートと、該案内
プレートの後方終端部に該案内プレートと直交する方向
に回転する回転刃と、前記案内プレートと前記回転刃と
の間に案内プレートの長手方向に直交する方向に搬送方
向を有する一対のベルトからなる根菜送り装置とからな
る構成としても良い。この構成は、搬送中の根菜がＶ溝
状の案内プレート上を根部がすべり、直根は切り欠き部
位から突出する。この切り欠き部位から直根が離れると
き、根菜送り装置により根菜が斜め下方へ送られ、回転
刃と接触した直根が切断されるというものである。

【００１４】直根切断手段としては頭揃えベルトの下方
の根菜の直根切断用の水平方向に回転平面を有する回転
式の多孔円盤カッターと、その上方に逆ハの字形の一対
の搬送ベルトとからなる構成でも良い。この場合は根菜
の茎葉が切断されて、根菜が落下するときに多孔円盤カ
ッターを回転させて、確実に直根を切り取る。直根が切
り取られた根菜は後方視、逆ハの字形で対向回転する搬
送ベルトで挟み、挟んだままの状態で次工程に送る。逆
ハの字形の搬送ベルトを設けることで、直根切り後、す
ぐに根菜を両側から搬送ベルトで挟み込み、収納部に搬
送するので根菜が飛び散ることがなく、また多孔円盤カ
ッター上に滞留することなく、１本づつスムースに収納
できる。

【００１５】また、直根切断手段として茎葉処理（切
断）後に、収穫機の進行方向に回転軸を有する互いに隣
接した複数の回転ブラシを円筒状に構成したものを用い
ても良い。複数の回転ブラシを円筒状に構成した中を根
菜を通し、ヒゲ根、直根、残葉処理と土おとし処理をす
ることができる。

【００１６】

【発明の実施の形態】本発明の一実施例を図面とともに
説明する。しかし、本発明は下記の実施例によって制限
されるものではない。図１に本実施例のニンジン収穫機
の要部側面図、図２に上から見た要部平面図を、図３に
図１のＡ−Ａ線断面方向から見た要部概略図を示す。ニ
ンジン収穫機はクローラ１と該クローラ１の車軸（図示
せず）に支持された車体２と該車体２に支持されるエン
ジン（図示せず）と運転部（図示せず）とソイラー３と
ソイラー３の後方に設けられるニンジンの前方搬送部５
と後方搬送部６と該搬送部６の後ろに設けられる収穫さ
れたニンジンを収納する収納部７とからなる。

【００１７】ニンジンの前方搬送部５は所定の間隔で互
いに逆回転する一対の無端ベルト状の挟持ベルト９を有
しており、掘り起こされたニンジンの茎葉が挟持ベルト
９間に挟持されて後方に搬送されて後方搬送部６の一対
の無端ベルト間に茎葉が移し変えられる。

【００１８】後方搬送部６の無端ベルトは頭揃えベルト
１０と該頭揃えベルト１０の上方に配置される葉切りベ
ルト１１と排葉ベルト１２から構成されている。また、
頭揃えベルト１０の下方にはニンジンの直根切断用の二
段の回転式の多孔円筒カッター１４、１５がリンクコン
ポ１６に取り付けられている。前方の一段目の円筒カッ
ター１４が長い大きなサイズのニンジンの直根切断用で
あり、後方の二段目の円筒カッター１５がサイズの小さ
いニンジンの直根切断用のカッターである。該カッター
１４、１５の上部には図３に示されるように、Ｖ字状に
傾斜させた一対のガイト１８（図１には図示していな
い）でニンジンを誘導する。

【００１９】二段の回転式の多孔円筒カッター１４、１
５はリンクコンポ１６に支持されているが、図３に示す
ように、一対のギア１９、２０を介してエンジンから駆
動力を得る。なお、図３に示すスプロケット２２は多孔
円筒カッター１４、１５用のものである。図１に示すよ
うにリンクコンポ１６内には３つのスプロケット２２
ａ、２２ｂ、２２ｃ間に設けられるチェーン２１ａ、２
１ｂがあり、スプロケット２２ａ、２２ｂと同軸上のギ
アによりカッター１４、１５のギアが回転して、カッタ
ー１４、１５がそれぞれ作動する。

【００２０】また、葉切りベルト１１の下方には茎葉切
断用の円盤状カッター２３が設けられている。

【００２１】前方搬送部５の挟持ベルト９で斜め上方に
向けて搬送されるニンジンは頭揃えベルト１０でその塊
根の頭部分の動きが規制されて、ニンジンは葉切りベル
ト１１の間に茎葉が挟持される。頭揃えベルト１０によ
る塊根の頭部分の動きが規制されるニンジンは比較的サ
イズの小さいニンジンであり、比較的サイズの大きいニ
ンジンは比較的サイズの小さいニンジンが頭揃えベルト
１０によりその動きが規制される時には、まだ、挟持ベ
ルト９により斜め上方に向けて搬送される途中である。

【００２２】こうして、葉切りベルト１１間にサイズの
小さいニンジンの茎葉がまず挟持されて、後方に搬送さ
れる過程で高速回転中の後段の回転式多孔円筒カッター
１５の孔中に直根が入り込もうとする時に孔の端面で直
根が切断される。次いで、その直根が切断されたニンジ
ンは下段の排葉ベルト１１で後方に搬送され、茎葉切断
用カッター２３で茎葉と根が切り離される。

【００２３】次に前方搬送部５の挟持ベルト９で斜め上
方に向けて搬送される比較的サイズの大きなニンジンが
頭揃えベルト１０により、その塊根の頭部分の動きが規
制されると前段の高速回転中の回転式多孔円筒カッター
１４で、カッター１５の場合と同様に切断される。つい
で、頭揃えベルト１０と葉切りベルト１１で茎葉が搬送
され、茎葉切断用カッター２３で茎葉が切断される。

【００２４】前段の円盤カッター１４が長い大きなサイ
ズのニンジンの直根切断用であり、後方の二段目の円筒
カッター１５がサイズの小さいニンジンの直根切断用の
カッターである。該カッター１４、１５の上部には図３
に示されるように、Ｖ字状に傾斜させた一対のガイト１
８でニンジンを誘導する。

【００２５】このように回転式多孔円筒カッター１４、
１５を前後２段に配置し、Ｖ字形ガイド１８も前記二つ
の円筒カッター１４、１５の上部曲面に沿うよう階段状
に配したので、搬送されて来るニンジンの大小に無関係
に、また、大きなサイズのニンジンの直後に小さいサイ
ズのニンジンが来ても、大きなサイズのニンジンと小さ
なサイズのニンジンの直根の切られる位置が違うので容
易に直根を切ることができる。

【００２６】次に本発明のその他の実施例を説明する。
本実施例のニンジン収穫機は図４に要部側面図、図５に
要部平面図、図６にカッター部の斜視図を示す。

【００２７】ニンジン収穫機はクローラ１と該クローラ
１の車軸（図示せず）に支持された車体２と該車体２に
支持されるエンジン（図示せず）と運転部（図示せず）
とソイラー３とソイラー３の後方に設けられるニンジン
の前搬送部５と後方搬送部６と該搬送部６の後ろに設け
られる収穫されたニンジンを収納する収納部７とからな
る。

【００２８】ニンジンの前方搬送部５は所定の間隔で互
いに逆回転する一対の無端ベルトからなる挟持ベルト９
を有しており、掘り起こされたニンジンの茎葉が挟持ベ
ルト９間に挟持されて後方に搬送されて後方搬送部６に
茎葉が移し変えられる。

【００２９】後方搬送部６は頭揃えベルト１０と該頭揃
えベルト１０の上方に葉切りベルト１１と排葉ベルト１
２から構成されている。また、頭揃えベルト１０の下方
には、ニンジンの直根切断用の水平方向に回転平面を有
する回転式の多孔円盤カッター１３が支持フレーム１６
に取り付けられている。

【００３０】多孔円盤カッター１３は図４、図６に示す
ように排葉ベルト１１、１２の回転駆動軸２５からビニ
オンギア２６、２７などを介して回転駆動力を得てい
る。前方搬送部５の挟持ベルト９で斜め上方に向けて搬
送されるニンジンは頭揃えベルト１０でその塊根の頭部
分の動きが規制されて、ニンジンは葉切りベルト１１間
に茎葉が挟持される。頭揃えベルト１０による塊根の頭
部分の動きが規制されるニンジンは次に茎葉切断用の多
孔円盤カッター２３で茎葉が切断される。多孔円盤カッ
ター２３での茎葉切りの準備工程としてのニンジンの頭
揃え中に直根切断用の多孔円盤カッター１３を水平回転
させ、これを直根に押し当てて切る。

【００３１】茎葉切り後のニンジンの落下時に直根を回
転多孔円盤カッター１３で切る方式が知られているが、
この方式の収穫機はニンジンが方々に飛散し、後処理が
難しい。また掘り取り後の挟持搬送中に直根を切る方式
の収穫機は、ニンジンが逃げる（回転多孔円盤カッター
１３を押し当てる反作用で逃げる）ので切りにくい。し
かし、図４〜図６のニンジン収穫機はニンジンの頭揃え
中は、ニンジンは頭揃ベルト１０に引き付けられている
のでニンジンが逃げず、直根を切りやすい。

【００３２】上記図４〜図６の頭揃え中に直根を切る方
式において、ニンジンの長さが大小様々であり、小さい
サイズのニンジンの場合はよいが、大きいサイズのニン
ジンの場合、頭揃え中にニンジンに傾く力が発生するの
で、直根が斜めに切り取られることあるいは茎葉がしっ
かり挟持ベルト９に挟持されているので、茎葉がちぎり
取られるなどの不具合がまま見られる。また、逆に大き
いサイズのニンジンを基準として直根切り装置（回転多
孔円盤カッター１３）を設置すると回転多孔円盤カッタ
ー１３に直根がとどかず、直根が切れないことがある。

【００３３】そこでこれらの不具合を改良するものとし
て、上記回転多孔円盤カッター１３で直根を切る方式の
ニンジン収穫機でニンジンの頭揃え中に、図７（要部側
面図）と図８（要部平面図）、図９（図７の矢印Ａ方向
からの視図）に示すように、回転多孔円盤カッター１３
のフレーム２９自体が、その頭揃え入口側の支点２９ａ
を中心として回動し、かつ他端がスプリング３０で吊り
下げられているような構成にすることもできる。

【００３４】上記構成により、回転多孔円盤カッター１
３をニンジンの抵抗で傾斜角度が変えられるので、大き
いサイズのニンジンが来ると図１０（ａ）のように回転
式多孔円盤カッターが支点を中心に下方に下がり、小さ
いサイズのニンジンが来ると図１０（ｂ）のように回転
式多孔円盤カッターは元の位置に戻る。このようにして
ニンジンの大小に無関係に直根のみを適切に切断するこ
とができる。

【００３５】また、図７と図８に示すスプリング３０に
より回転多孔円盤カッター１３の傾斜角が変動する方式
の収穫機において、大きいサイズのニンジンは回転式多
孔円盤カッター１３の傾斜角をスプリング３０の張力に
抗して変えるが、円盤カッター１３へのニンジンの当り
方がきついので直根の深切りが起ることがある。また、
ニンジンは必ず鉛直方向にぶら下がって円盤カッター１
３部分に送られて来るとは限らない。

【００３６】そこで、図１１（要部側面図）と図１２
（要部平面図）と１３（図１１のＡ−Ａ線視図）に示す
ように回転多孔円盤カッター１３の円盤から一定距離上
方に微小な間隔を設けてＶ字状に一対の平板からなるガ
イド３２を設けた構成にすることができる。この構成に
より、一対のＶ字状ガイド３２が大きいサイズのニンジ
ンの位置を規制するので、回転式多孔円盤カッター１３
へのニンジンの当り方はきつくなくなり、直根の深切り
が起こらなくなる。また、ゆがんだ状態で挟持ベルト９
にぶら下がっているニンジンでも一対のＶ字状ガイドに
沿わされて、ニンジンは必ず鉛直方向にぶら下がること
になり、直根がガイドの下に出て確実に回転多孔円盤カ
ッター１３により切ることができる。

【００３７】本発明のニンジン収穫機の実施例としては
図１４の側面図と図１５の要部平面図に示す構成とする
こともできる。この構成の場合には、挟持ベルト９の下
方に２対の回転体３４、３５を設け、前方１対の回転体
３４の周速度は後方の１対の回転体３５のそれより速く
なるように設定する。これらの２対の回転体３４、３５
の回転軸は鉛直方向に向けて配置し、その回転軸の周囲
に水平方向に伸びるヒゲ３６、３７をそれぞれ多数設け
ておく。さらに、前方の回転体３４には水平方向に伸び
る直根処理用のヒッター３９を数段設けておく。また、
後方の１対の回転体３５の周速度は挟持ベルト９の進行
速度と同じする。

【００３８】挟持ベルト９でニンジン搬送途中に２対の
回転体３４、３５の内の前方の回転体３４にニンジンが
当接すると、ヒッター３９が直根をたたき落とす。この
とき、後方回転体３５でニンジンが逃げるのを防ぐため
完全にヒッター３９で直根処理ができる。

【００３９】本発明のニンジン収穫機の直根切断部を改
良した実施例として図１６の側面図と図１７（図１６の
矢印Ａ方向からの視図）に示す構成とすることもでき
る。この場合挟持ベルト９の下方にニンジンの根部を揃
えるためのＶ溝状の案内プレート４１を設ける。また、
この案内プレート４１の終端には該プレート４１の長手
方向に直交する方向に回転軸を有する弾性回転体４２を
設ける。

【００４０】挟持ベルト９でニンジンを搬送中にニンジ
ンの根部がＶ溝状の案内プレート４１で進行方向が揃え
られる。そして、挟持したままＶ溝状の案内プレート４
１上でニンジンをすべらせ、ニンジンの直根が案内プレ
ート４１を離れる瞬間、ニンジンの根部先端は円弧を描
いて下方へ移動するので、その瞬間に弾性回転体４２が
直根をたたき切ることができる。

【００４１】このＶ溝状の案内プレート４１と弾性回転
体４２を用いると、ニンジンの大きさに無関係に直根を
確実に切断することができ、ニンジンの根部に大きな傷
や割れが発生しなく、ニンジンを高い品質に保持でき
る。

【００４２】本発明のニンジン収穫機の直根切断部を改
良した他の実施例として図１８の側面図と図１９の要部
平面図と図２０の図１８におけるＡ−Ａ線からの要部視
図に示す構成とすることもできる。この場合挟持ベルト
９の下方にニンジンの根部を揃えるためのＶ溝状の案内
プレート４４を設け、該案内プレート４４の後方終端部
には該案内プレート４４と直交する方向に回転する回転
刃４５を設置する。また、案内プレート４４の下方の長
手方向に切り欠き４４ａ（図１９参照）を設ける。ま
た、案内プレート４４の長手方向に直交する方向に搬送
方向を有する一対のベルトからなるニンジン送り装置４
６も設ける。

【００４３】上記構成により、挟持ベルト９でニンジン
が斜め上方へ搬送される途中でＶ溝状の案内プレート４
４上を根部がすべり、直根は切り欠き４４ａの部位から
突出する。この切り欠き４４ａから直根が離れるとき、
ニンジン送り装置４６によりニンジンが斜め下方へ送ら
れ、回転刃４５と接触した直根が切断される。ニンジン
送り装置４６の一対の無端ベルトで茎葉を挟持した状態
で直根を切断することができるので、ニンジンの根部へ
の傷や割れが発生しない。

【００４４】図２１に本発明の他の実施例のニンジン収
穫機の側面図、図２２に上から見た要部平面図を、図２
３に図２１のＡ−Ａ線方向から見た要部概略図を示す。

【００４５】掘り起こされたニンジンの茎葉が挟持ベル
ト９間に挟持されて後方に搬送されて後方搬送部６には
頭揃えベルト１０、葉切りベルト１１、排葉ベルト１２
と茎葉切断用の葉切りカッター２３が設けられている。
頭揃えベルト１０の下方のニンジンの直根切断用の水平
方向に回転平面を有する回転式の多孔円盤カッター１３
が設けられている。多孔円盤カッター１３と葉切りベル
ト１１の間には逆ハの字形の一対の搬送ベルト４８が設
けられている。逆ハの字形の一対の搬送ベルト４８の回
転軸は排葉ベルト１２の回転軸１２ａからビニオンギア
４９を介して回転駆動力を得る。

【００４６】挟持ベルト９で斜め上方に向けて搬送され
るニンジンは頭揃えベルト１０でその塊根の頭部分の動
きが規制されて、葉切りカッター２３で茎葉が切断され
る。

【００４７】葉切りカッター２３での茎葉切り後、ニン
ジンが落下するときに多孔円盤カッター１３を回転させ
て、確実に直根を切り取る。直根が切り取られたニンジ
ンは後方視、逆ハの字形で対向回転する搬送ベルト４８
で挟み、挟んだままの状態で次工程に送る。逆ハの字形
の搬送ベルト４８が無いときは、多孔円盤カッター１３
を回転させて直根を切るときに、直根が確実に切れる反
面、直根切り取り後、ニンジンが方々に飛び散り、また
多孔円盤カッター１３上に滞留したりするので、後から
搬送されて来るニンジンがスムースに流れないで収納用
のコンベア５１の搬送にも影響する。

【００４８】しかし、逆ハの字形の搬送ベルト４８を設
けることで、直根切り後、すぐにニンジンを両側から搬
送ベルト４８で挟み込み、収納用コンベア５１まで搬送
するのでニンジンが飛び散ることがなく、また多孔円盤
カッター１３上に滞留することなく、１本ずつスムース
にコンベアに送られる。

【００４９】本発明の他の実施例のニンジン収穫機を図
２４（側面要部概略図）と図２５（図２４のＡ−Ａ線視
図）を示す。この例は、ニンジン収穫機において茎葉処
理（切断）後に回転ブラシ５２を円筒状に構成した中を
ニンジンを通し、ヒゲ根、直根、残葉処理と土おとし処
理をする構成に特徴がある。

【００５０】この円筒状回転ブラシ５２は収穫機の進行
方向に回転軸を有する互いに隣接した６つの回転ブラシ
５２ａ〜５２ｆからなり、図２５に示す矢印方向に回転
する。該ブラシ５２のひげ５３は螺旋状に巻かれ、各々
の回転ブラシ５２には１つまたは２つの回転式のヒッタ
ー５４が取り付けられている。したがって、茎葉処理
（切断）後のニンジンは円筒状回転ブラシ５２の間を通
過する過程で、茎葉切断後のニンジンの残葉、根切り、
ヒゲ根をそぎ落とし、また表面の土も落とすことがで
き、商品のみばえがよくなる。このように、本発明によ
れば、根菜の直根を容易に切断することができる。

【図面の簡単な説明】

【図１】 本発明の一実施例のニンジン収穫機の要部側
面図である。

【図２】 図１のニンジン収穫機を上から見た要部平面
図である。

【図３】 図２のＡ−Ａ線断面方向から見た要部概略図
である。

【図４】 本発明の一実施例のニンジン収穫機の要部側
面図である。

【図５】 図４のニンジン収穫機の要部平面図である。

【図６】 図４のニンジン収穫機のカッター部の斜視図
である。

【図７】 本発明の一実施例のニンジン収穫機の要部側
面図である。

【図８】 図７の一実施例のニンジン収穫機の要部平面
図である。

【図９】 図７の矢印Ａ方向からの視図である。

【図１０】 図７の一実施例のニンジン収穫機の要部拡
大図である。

【図１１】 本発明の一実施例のニンジン収穫機の要部
側面図である。

【図１２】 図１１のニンジン収穫機を上から見た要部
平面図である。

【図１３】 図１１のＡ−Ａ線断面方向から見た要部概
略図である。

【図１４】 本発明の一実施例のニンジン収穫機の側面
図である。

【図１５】 図１４のニンジン収穫機の要部平面図であ
る。

【図１６】 本発明の一実施例のニンジン収穫機の側面
図である。

【図１７】 図１６の矢印Ａ方向からの視図である。

【図１８】 本発明の一実施例のニンジン収穫機の要部
側面図である。

【図１９】 図１８の要部平面図である。

【図２０】 図１８におけるＡ−Ａ線からの要部視図で
ある。

【図２１】 本発明の一実施例のニンジン収穫機の要部
側面図である。

【図２２】 図２１のニンジン収穫機の上から見た要部
平面図である。

【図２３】 図２１のＡ−Ａ線方向から見た要部概略図
である。

【図２４】 本発明の一実施例のニンジン収穫機の要部
側面図である。

【図２５】 図２４のＡ−Ａ線視図である。

【符号の説明】

１ クローラ ２ 車体 ３ ソイラー ５ 前方搬送部 ６ 後方搬送部 ７ 収納部 ９ 挟持ベルト １０ 頭揃えベル
ト １１ 葉切りベルト １２ 排葉ベルト １４、１５ 多孔円筒カッター １６ リンクコン
ポ １８ Ｖ字状ガイト １９、２０ 一対
のギア ２３ 茎葉切断用カッター ２５ 回転駆動軸 ２６ ビニオンギア ２７ ラック ２９ フレーム ３０ スプリング ３４、３５ ２対の回転体 ３６、３７ ヒゲ ３９ 直根処理用のヒッター ４１ Ｖ溝状の案
内プレート ４２ 弾性回転体 ４４ Ｖ溝状の案
内プレート ４４ａ 案内プレート切り欠き ４５ 回転刃 ４６ ニンジン送り装置 ４８ 逆ハの字形
の一対の搬送ベルト ４９ ビニオンギア ５１ 収納用コン
ベア ５２ 回転ブラシ ５４ 回転式のヒ
ッター

Claims (1)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】 根菜の一部を把持し、引き抜きながら収
   穫する根菜類用収穫機において、引き抜き搬送中の塊根
   の頭部を揃えて茎葉を切断するとほぼ同時に直根も切断
   することを特徴とする根菜類用収穫機。