JPH0646479Y2 - アイロン仕上げ装置 - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 （イ）産業上の利用分野 この考案は、例えば、オーダーメードされたパジャマや
ユニフォーム等の衣服のアイロン仕上げに用いられるア
イロン仕上げ装置に関する。

（ロ）従来の技術 従来、上述の衣服のアイロン仕上げに用いられる装置と
しては、例えば、装置本体の上面中央部に設置した一つ
のアイロン台に衣服の上衣または下衣を被覆した後、装
置本体の上方または後方に待機する一つのプレス板を昇
降または旋回移動して、アイロン台に被覆された衣服を
プレスするアイロン仕上げ装置がある。

（ハ）考案が解決しようとする問題点 しかし、上述のアイロン仕上げ装置を用いて、オーダメ
ードされたパジャマやユニフォーム等の衣服をアイロン
仕上げする場合、衣服の上衣と下衣とを別々にプレスす
るので、処理後の整理状態が悪いと、サイズの異なる衣
服の上衣または下衣が混入することがあり、処理後に衣
服の上衣と下衣とのサイズを組合わせるとき混乱が生じ
るだけでなく、混乱を防止するために、衣服の上衣およ
び下衣のサイズを確認しながら作業しなければならず、
衣服のアイロン仕上げに手間と時間がかかり、作業能率
が悪いという問題点を有している。

この考案は上記問題に鑑み、同一サイズの衣服の上衣お
よび下衣を１行程でアイロン仕上げする特異な構成とす
ることにより、サイズの異なる衣服の混入を防止するこ
とができ、作業の能率アップを図ることができ、しか
も、装置本体の固定上面一側に大型のアイロン台を、固
定上面他側に中型および小型のアイロン台を前後方向に
並設させてそれぞれ固定配置することにより、一側およ
び他側の各アイロン台に対応する単一のプレス板の可及
的小型化を図って、蒸気等のプレス熱源消費量の低減を
図ることができるアイロン仕上げ装置の提供を目的とす
る。

（ニ）問題点を解決するための手段 この考案は、装置本体の固定上面における一側に、衣服
の上衣の形状に対応した大型の上衣用アイロン台を固定
配置し、上記装置本体の固定上面における他側に、衣服
の下衣の脚部に対応した中型の下衣脚部用アイロン台
と、下衣の腰部に対応した小型の下衣腰部用アイロン台
とを前後方向に並設する一方、一側の１つのアイロン台
の上面に対応すると共に、他側の２つのアイロン台の上
面に対応するプレス面形状に形成された単一のプレス板
を設け、上記プレス板を一側および他側の各アイロン台
に対して対接可動する移動手段を設けたアイロン仕上げ
装置であることを特徴とする。

（ホ）作用 この考案のアイロン仕上げ装置は、衣服の上衣を上衣用
アイロン台に被覆した後、移動手段を駆動して、上衣用
アイロン台に被覆した上衣をプレス板によりプレスし、
同時に、下衣のアイロン仕上げに要する時間を利用し
て、次にプレスする上衣を上衣用アイロン台に被覆し、
下衣のアイロン仕上げが終了した後、下衣用アイロン台
と対向する位置にプレス板を移動して、下衣用アイロン
台に被覆した下衣をプレス板によりプレスし、衣服の上
衣および下衣を１行程でアイロン仕上げする。

（ヘ）考案の効果 この考案によれば、同一サイズの衣服の上衣および下衣
を１行程でアイロン仕上げするので、サイズの異なる衣
服の混入が確実に防止され、処理後において、衣服の上
衣と下衣とのサイズの組合わせが容易に行えると共に、
オーダメードされたパジャマやユニフォーム等の衣服の
アイロン仕上げに最適である。

また、衣服の上衣または下衣のアイロン仕上げに要する
時間を利用して、次にプレスする衣服の準備作業を行う
ので、プレス時間と被覆準備に要する作業時間を短縮し
て、作業の能率アップと処理枚数の増加とを図ることが
できる。

しかも、装置本体の固定上面一側に大型の上衣用アイロ
ン台を固定配置し、固定上面他側に中型の下衣脚部用ア
イロン台と小型の下衣腰部用アイロン台とを前後方向に
並設させて固定配置したので、一側のアイロン台と他側
のアイロン台とに共に対応する単一のプレス板を可及的
小型化することができ、この結果、蒸気等のプレス熱源
消費量の低減を図ることができる効果がある。

（ト）実施例 この考案の一実施例を以下図面に基づいて詳述する。

図面はオーダメードされたユニフォームのアイロン仕上
げに用いられるアイロン仕上げ装置を示し、第１図およ
び第４図において、このアイロン仕上げ装置１は、作業
側を前部とする装置本体２の固定上面2a左側に、ユニフ
ォームＡの上衣Aaと対応する大きさに形成した大型のア
イロン台３を配設し、装置本体２の固定上面2a右側に、
下衣Abの脚部Acと対応する大きさに形成した中型のアイ
ロン台４と、下衣Abの腰部Adと対応する大きさに形成し
た小型のアイロン台５とを前後方向に並設すると共に、
１つのアイロン台３または２つのアイロン台4,5それぞ
れ対応する大きさに形成したプレス板６と、このプレス
板６をアイロン台３またはアイロン台4,5と対接する位
置に移動する移動機構７とから構成している。

上述のアイロン台４の幅広側端部には、下衣Abの腰部Ad
を載置するための補助台８を所定間隔に近接して配設し
ている。

前述の各アイロン台3,4,5の基本構造は同一であるの
で、小型のアイロン台５についてその構造を詳述する。

上述のアイロン台５は、第２図に示すように、ステンレ
ス等の金属材料により中空に形成され、滑らかな凸曲面
形状に形成した上面側に多数の各丸孔5d…を所定等間隔
を隔てて穿設し、上面全体を通気性の保護カバー９によ
り被覆し、下面側に蒸気供給管10を連通接続すると共
に、この蒸気供給管10を装置本体２の背面側下部に設け
た蒸気供給ポート11に接続している。

なお、他のアイロン台3,4の上面側にも保護カバー９を
それぞれ被覆し、下面側には蒸気供給管10をそれぞれ接
続している。

前述の各アイロン台3,4,5は、装置内部に配設した吸引
または送風に切換えるための切換えボックス12と連通し
て固定している。

上述の切換えボックス12の側面部には吸排気口12aを開
口し、下面部には吸気口12bと送気口12cとを開口し、吸
排気口12aはエアフィルタ（図示省略）を介して大気側
に開放し、吸気口12bは吸気ダクト13を介してブロア14
の吸気口14aに連通接続し、送気口12cは送気ダクト15お
よびヒータ（図示省略）を介してブロア14の送気口14b
に連通接続している。

前述のプレス板６は、ステンレス等の金属材料により中
空に形成され、アイロン台３またはアイロン台4,5と対
応して下面側を滑らかな凹曲面形状に形成し、背面部に
蒸気供給管16を連通接続すると共に、この蒸気供給管16
を可動アーム17の下端部に設けた蒸気供給ポート18に接
続してている。

前述の移動機構７は、第３図にも示すように、上述のプ
レス板６を逆Ｌ字形に形成した可動アーム17の上端部下
面に固定し、この可動アーム17の下端部を可動台19の背
面側中央部に固定している。

上述の可動台19は、昇降台20の背面側上下部に架設した
ガイドレール21,21上に水平摺動可能に係合し、これら
ガイドレール21,21の中間部左右方向に架設したスクリ
ュ22上に可動アーム17の下端部を水平摺動可能に螺合
し、昇降台20の右側端部に固定した減速機内蔵型の駆動
モータ23をスクリュ22の端部に直結して、この駆動モー
タ23の駆動力によりスクリュ22を正逆回転して、可動ア
ーム17に固定したプレス板６をアイロン台３またはアイ
ロン台4,5と対向する位置に水平移動する。

上述の昇降台20は、装置本体２の背面側両端部に架設し
たガイドレール24,24に上下摺動可能に係合し、装置内
部に立設したエアシリンダ25のピストンロッド端部を昇
降台20に連結して、このエアシリンダ25の駆動により昇
降台20を昇降させ、可動アーム17に固定したプレス板６
をアイロン台３またはアイロン台4,5と対接する位置で
垂直昇降すると共に、昇降台20に突設した係止ピン26
と、装置内部に突設した係止ピン27との間にコイルスプ
リング28を張架して、昇降動作時に生じる負荷を軽減し
ている。

なお、上述のエアシリンダ25には昇降運動を制御するた
めのハイドロチェッカ（図示省略）を接続している。

前述の装置本体２の前面側下部にはフットスイッチ29,3
0を左右に配設し、これらフットスイッチ29,30には、バ
キュームスイッチ31と、熱風吹出しスイッチ32と、スチ
ームスイッチ33とをそれぞれ配設している。

一方、前面側中央部のパネル34には各要素を駆動可能な
待機状態にするメインスイッチ35と、自動または手動切
換用の切換えスイッチ36と、動作パターン切換え用の選
択スイッチ37と、プレス時間設定用のプレスタイマ38
と、蒸らし時間設定用のスチームタイマ39と、ブロー時
間設定用のブロータイマ40と、バキューム時間設定用の
バキュームタイマ41とを配設している。

さらに、前面側上部には作動スイッチ42,42を左右に配
設し、中央部には停止スイッチ43を配設している。

図示実施例は上記の如く構成するものにして、以下、ユ
ニフォームＡの上衣Aaおよび下衣Abをプレスするアイロ
ン仕上げ装置１の処理動作を説明する。

先ず、メインスイッチ35をONして、各要素を駆動可能な
待機状態にセットした後、切換えスイッチ36を操作して
自動動作に設定し、選択スイッチ37を操作してユニフォ
ームＡの生地に対応した動作パターンに設定し、各タイ
マ38,39,40,41を回動操作して時間設定する。

次に、第４図に示すように、下衣Abの腰部Ad（図中仮想
線で示す）をアイロン台５に被覆した後、作動スイッチ
42をONして、上方に待機するプレス板６を降下して下衣
Abの腰部Adをプレスし、後述する動作パターンに従って
アイロン仕上げする。

次に、プレス板６を上昇してアイロン台５から下衣Abを
剥離し、この下衣Abの脚部Acをアイロン台４に被覆する
と共に、次にプレスする下衣Abの腰部Adをアイロン台５
に被覆準備した後、上方に待機するプレス板６を降下し
て下衣Abの脚部Acおよび腰部Adを同時にプレスする。

一方、下衣Abのアイロン仕上げに要する時間を利用し
て、次にプレスする上衣Aaをアイロン台３に被覆準備
し、下衣Abのアイロン仕上げが終了した後、アイロン台
３の上方にプレス板６を移動させ、このプレス板６を降
下して上衣Aaをプレスして、ユニフォームＡの上衣Aaお
よび下衣Abを１行程でアイロン仕上げする。

上述の動作パターンには次の３通りのパターンがある。

例えば、ウールやニット類の衣服は第１のパターンで処
理し、加圧→スチーム噴出→上ゴテ微昇→熱風→バキュ
ーム→上昇の順序で装置全体を動作する。

綿や麻等の衣服は第２のパターンで処理し、加圧→スチ
ーム噴出→熱風→バキューム→上昇の順序で装置全体を
動作する。

カシミヤやアンゴラ等の高級衣服は第３のパターンで処
理し、プレス板６を中間位置に停止→スチーム噴出→熱
風→バキューム→上昇の順序で装置全体を動作する。加
圧は、アイロン台３またはアイロン台4,5に被覆したユ
ニフォームＡをプレス板６により加圧してシワ延ばし処
理を行なう。

スチーム噴出は、アイロン台3,4,5の上面より高温のス
チームを吹出してユニフォームＡに付いた光沢やシワを
除去するための蒸らし処理を行なう。

熱風は、アイロン台3,4,5の上面より熱風を吹出してユ
ニフォームＡに付いたアタリを消すための熱風乾燥処理
を行なう。

バキュームは、ブロア14の吸引作用によりアイロン台3,
4,5の上面にユニフォームＡを吸着保持する。

上ゴテ微昇は、アイロン台3,4,5の上面より若干離間し
た中間位置にプレス板６を一旦停止する。

以上のように同一サイズのユニフォームＡの上衣Aaおよ
び下衣Abを１行程でアイロン仕上げするので、サイズの
異なるユニフォームＡの混入が確実に防止され、処理後
において、ユニフォームＡの上衣Aaと下衣Abとのサイズ
の組合わせが容易に行えると共に、オーダメードされた
衣服のアイロン仕上げに最適である。

また、ユニフォームＡの上衣Aaまたは下衣Abのアイロン
仕上げに要する時間を利用して、次にプレスするユニフ
ォームＡの準備作業を行うので、プレス時間と被覆準備
に要する作業時間を短縮して、作業の能率アップと処理
枚数の増加とを図ることができる。

しかも、装置本体２の固定上面2a一側に大型の上衣用ア
イロン台３を固定配置し、固定上面2a他側に中型の下衣
脚部用アイロン台４と小型の下衣腰部用アイロン台５と
を前後方向に並設させて固定配置したので、一側のアイ
ロン台３と他側のアイロン台4,5とに共に対応する単一
のプレス板６を可及的小型化することができ、この結
果、蒸気等のプレス熱源消費量の低減を図ることができ
る効果がある。

この考案の構成と、上述の実施例との対応において、 この考案の衣服は、実施例のユニフォームＡと対応し、 以下同様に、 大型の上衣用アイロン台は、アイロン台３に対応し、 中型の下衣脚部用アイロン台は、アイロン台４に対応
し、 小型の下衣腰部用アイロン台は、アイロン台５に対応
し、 移動手段は、移動機構７と対応するも、 この考案は、上述の実施例の構成のみに限定されるもの
ではない。

例えば、上述の切換えスイッチ36を手動に切換え、左右
に配設した各フットスイッチ29,30の各スイッチ31,32,3
3を足踏み操作して、ユニフォームＡの上衣Aaおよび下
衣Abをアイロン仕上げするもよい。

【図面の簡単な説明】

図面はこの考案の一実施例を示し、 第１図はアイロン仕上げ装置の正面側斜視図、 第２図はアイロン仕上げ装置の縦断側面図、 第３図はアイロン仕上げ装置の背面図、 第４図はアイロン台の配置状態を示す平面図である。 Ａ……ユニフォーム、Aa……上衣 Ab……下衣、Ac……脚部 Ad……腰部、２……装置本体 2a……固定上面、3,4,5……アイロン台 ６……プレス板、７……移動機構

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】装置本体（２）の固定上面（2a）における
   一側に、衣服（Ａ）の上衣（Aa）の形状に対応した大型
   の上衣用アイロン台（３）を固定配置し、上記装置本体
   （２）の固定上面（2a）における他側に、衣服（Ａ）の
   下衣（Ab）の脚部（Ac）に対応した中型の下衣脚部用ア
   イロン台（４）と、下衣（Ab）の腰部（Ad）に対応した
   小型の下衣腰部用アイロン台（５）とを前後方向に並設
   する一方、 一側の１つのアイロン台（３）の上面に対応すると共
   に、他側の２つのアイロン台（４）（５）の上面に対応
   するプレス面形状に形成された単一のプレス板（６）を
   設け、 上記プレス板（６）を一側および他側の各アイロン台
   （３）（４）（５）に対して対接可動する移動手段
   （７）を設けた アイロン仕上げ装置。