JPH0624698U - アイロン仕上げ装置のプレス用マット - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【目的】衣服の立体縫合部を形崩れさせること無くアイ
ロン仕上げすることのできるアイロン仕上げ装置のプレ
ス用マットを提供する。 【構成】アイロン台に装着されたプレス用マットの被覆
面上にポロシャツを被覆して、立体的に縫合されたポロ
シャツの両脇部をプレス用マットの各生地退避部に退避
させた状態に被覆セットする。この後、プレス用マット
上に被覆セットされたポロシャツの胴部及び両袖部をプ
レス板で平面的に加圧プレスしてアイロン仕上げするの
で、平面的に縫合されたポロシャツの胴部及び両袖部に
不必要な皺が付くのを確実に防止することがでる。

Description

【考案の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】

この考案は、例えば、トレーニングウェアやスポーツシャツ、ポロシャツ等の 衣服をアイロン仕上げするときに用いられるアイロン仕上げ装置のプレス用マッ トに関する。

【０００２】

【従来の技術】

従来、上述例のような衣服のアイロン仕上げに用いられる装置としては、例え ば、平面形状に形成されたアイロン台の被覆面上にポロシャツを被覆セットした 後、適宜温度に加温されたプレス板でポロシャツ全体を平面的に加圧プレスして アイロン仕上げする装置がある。

【０００３】

【考案が解決しようとする課題】

しかし、上述のようにポロシャツ全体をプレス板で平面的に加圧プレスした場 合、プレス時に於いて、立体的に縫合されたポロシャツの両脇部と、平面的に縫 合された胸部又は両袖部とが重なり合った状態のまま加圧プレスされるので、ポ ロシャツの両脇部が形崩れしたり、胸部や両袖部に不必要な皺が付いてしまい、 ポロシャツの形態及び商品価値が損なわれるという問題点を有している。特に、 高級品のポロシャツをアイロン仕上げする場合、ポロシャツの各部分を手作業で アイロン仕上げしなければならず、仕上げ作業に手間及び時間が掛かるという問 題点も有している。

【０００４】 この考案は上記問題に鑑み、アイロン台に装着したプレス用マットの生地退避 部に衣服の立体縫合部を退避させた状態で加圧プレスすることにより、衣服の立 体縫合部が形崩れするのを確実に防止でき、衣服の縫合形態及び商品価値を損な うこと無くアイロン仕上げすることができるアイロン仕上げ装置のプレス用マッ トの提供を目的とする。

【０００５】

【課題を解決するための手段】

この考案は、上記アイロン台上に衣服と対応する大きさに形成したマットを装 着すると共に、該マットに衣服の立体縫合部を形態保持位置に退避するための生 地退避部を形成したアイロン仕上げ装置のプレス用マットであることを特徴とす る。

【０００６】

【作用】

この考案は、アイロン台に装着したプレス用マットの被覆面上に衣服を被覆し て、同衣服の立体縫合部をプレス用マットの生地退避部に退避させた状態に被覆 セットする。この後、プレス用マット上に被覆セットされた衣服の平面縫合部を プレス板で平面的に加圧プレスしてアイロン仕上げする。

【０００７】

【考案の効果】

この考案によれば、アイロン台に装着したプレス用マットの生地退避部に衣服 の立体縫合部を退避させた状態で加圧プレスするため、プレス時に於いて、衣服 の立体縫合部が形崩れするのを確実に防止でき、衣服の縫合形態及び商品価値が 損なわれず、高級品の衣服をアイロン仕上げするのに最適である。しかも、衣服 の平面縫合部に不必要な皺を付けること無く一回のプレス動作でアイロン仕上げ でき、仕上げ作業の能率アップ及び処理機能の向上を図ることができる。

【０００８】

【実施例】

この考案の一実施例を以下図面に基づいて詳述する。 図面はポロシャツの胴部及び両袖部をアイロン仕上げするときに用いられるア イロン仕上げ装置のプレス用マットを示し、図１及び図２に於いて、このアイロ ン仕上げ装置１は、作業側を前部とする装置本体２の上部パネル２ａに、ポロシ ャツＰ全体を被覆する大きさに形成した長方形のアイロン台３，３を所定間隔に 隔てて左右位置に配設し、一方又は両方のアイロン台３，３にポロシャツＰと対 応する大きさ及び形態に形成したプレス用マット４を夫々装着して、同各プレス 用マット４，４の被覆面上にポロシャツＰを被覆セットした後、プレス機構５を 駆動して、一つのアイロン台３と対応する大きさに形成したプレス板６を左右位 置に水平移動させ、一方のアイロン台３側に被覆セットされたプレス用マット４ 上のポロシャツＰをプレス板６で平面的に加圧プレスする装置である。

【０００９】 上述のアイロン台３は、図３に示すように、ステンレス等の金属部材で中空に 形成したアイロン台３の被覆面３ａを、後述するプレス板６の加圧面６ａと対応 して滑らかな凸面形状に形成し、同アイロン台３の被覆面３ａ全体に多数の各丸 孔３ｂ…を所定等間隔に隔てて形成し、ウレタン等で形成した通気性の中敷部材 ７をアイロン台３の被覆面３ａ上に敷設して、同被覆面３ａ全体をポリエステル やテトロン等の繊維素材により編成した通気性の保護カバー８で被覆すると共に 、同保護カバー８の被覆側周縁部に張架したスプリング９の緊縮力により被覆状 態を保持している。

【００１０】 且つ、アイロン台３の上層側中空部に蒸気供給管１０を下方から連通接続して 、蒸気発生装置（図示省略）から供給される高温のスチームをアイロン台３の各 丸孔３ｂ…から噴出してポロシャツＰを蒸らし処理する。同アイロン台３の下層 側中空部に蒸気供給管１１を下方から連通接続して、蒸気発生装置（図示省略） から供給される高温のスチームでアイロン台３を常時一定の温度に加温する。装 置本体２のパネル２ａ上に垂直固定した送吸気筒１２をアイロン台３の上層側中 空部に下方から連通接続して、後述するブロア１７の送吸気作用により送吸気ダ クト１３を介してアイロン台３の各丸孔３ｂ…から熱風を吹出又は外気を吸引す る。

【００１１】 上述の送吸気ダクト１３は、図２に示すように、装置内部に配設した切換えボ ックス１４の送吸気口１４ａに連通接続し、同切換えボックス１４の吸排気口１ ４ｂはエアフィルター（図示省略）を介して大気側に接続し、同切換えボックス １４の吸気口１４ｃは吸気ダクト１５を介してブロア１７の吸気口１７ａに連通 接続し、同切換えボックス１４の送気口１４ｄは送気ダクト１６を介してブロア １７の送気口１７ｂに連通接続している。なお、送気経路途中にはエアを所定温 度に加熱するためのヒータ（図示省略）を介設している。

【００１２】 前述のプレス用マット４は、図３及び図４に示すように、例えば、発泡素材、 繊維素材、金属素材等で適宜厚みに形成された通気性の中敷部材４ａを、ポリエ ステルやテトロン等の繊維素材により編成した通気性の保護カバー４ｂで被覆す ると共に、立体的に縫合されたポロシャツＰの両脇部Ｐａ，Ｐａと対応する被覆 部分にＵ字形の各脇退避部４ｃ，４ｃを形成している。且つ、アイロン台３にプ レス用マット４を装着する場合、同プレス用マット４の裾側端部に縫合した２本 の各固定紐４ｄ，４ｄをアイロン台３の下面側後端部に突設した各固定ピン３ｃ ，３ｃに結び止め、同プレス用マット４の襟側端部に張架したバネ４ｅをアイロ ン台３の下面側前端部に突設した固定ピン３ｄに係止して位置固定する。

【００１３】 前述のプレス板６は、ステンレス等の金属部材で中空に形成したプレス板６の 加圧面６ａを、先述するアイロン台３の被覆面３ａと対応して滑らかな凹面形状 に形成し、同プレス板６の前端側中央部にポロシャツＰの襟部Ｐｅを形態保持位 置に退避するための襟退避部６ｂを形成して、同プレス板６の加圧面６ａ全体を ポリエステルやテトロン等の繊維素材により編成した通気性の保護カバー１８で 被覆すると共に、同保護カバー１８の被覆側周縁部に張架したスプリング１８ａ の緊縮力により被覆状態を保持している。且つ、同プレス板６の中空部に蒸気供 給管１９を後方から連通接続して、蒸気発生装置（図示省略）から供給される高 温のスチームでプレス板６を常時一定の温度に加温する。

【００１４】 前述のプレス機構５は、Ｌ字形に形成した可動アーム２０の上端側水平部をプ レス板６に対して水平固定し、同可動アーム２０の下端側垂直部を可動台２１に 対して垂直固定すると共に、昇降台２２の後面側に架設した上下位置のガイドレ ール２３，２３上に可動台２１を水平摺動可能に取付け、同昇降台２２の一側端 部に配設した減速機付き送りモータ２４の駆動力によりネジ軸２５を正逆回転し て、左右に配設したアイロン台３，３と対向する位置にプレス板６を水平移動す る。

【００１５】 且つ、装置本体２の後面側に架設した左右位置のガイドレール２６，２６上に 昇降台２２を上下摺動可能に取付け、同装置内部に配設した昇降用シリンダ２７ のピストンロッドを昇降台２２に連結固定して、同昇降用シリンダ２７の作動に より、左右に配設したアイロン台３，３と対接する位置でプレス板６を垂直昇降 する。

【００１６】 前述の装置本体２には、図１に示すように、左右位置に配設したアイロン台３ ，３と対応して装置本体２の上部前面に起動スイッチ２８を夫々配設し、その中 間部前面に停止スイッチ２９を配設している。且つ、各アイロン台３，３と対応 して装置本体２の下部前面にバキューム用のフットスイッチ３０と、熱風吹出し 用のフットスイッチ３１と、スチーム用のフットスイッチ３２とを夫々配設して いる。

【００１７】 且つ、装置本体２の中央部前面に各要素を駆動可能な待機状態にするメインス イッチ３３と、自動又は手動に切換えるための切換えスイッチ３４と、動作パタ ーンを切換えるための選択スイッチ３５と、プレス時間を設定するプレスタイマ ３６と、蒸らし時間を設定するスチームタイマ３７と、ブロー時間を設定するブ ロータイマ３８と、バキューム時間を設定するバキュームタイマ３９とを配設し ている。

【００１８】 図示実施例は上記の如く構成するものとして、以下、アイロン仕上げ装置１に よりポロシャツＰをアイロン仕上げするときの動作を説明する。

【００１９】 先ず、アイロン仕上げ時の動作パターンを自動に設定する場合、メインスイッ チ３３をＯＮ操作して各要素を駆動可能な待機状態にセットした後、切換えスイ ッチ３４を自動に設定し、選択スイッチ３５をポロシャツＰと対応した動作パタ ーンに設定し、各タイマ３６，３７，３８，３９を回動操作して時間設定する。

【００２０】 次に、図４に示すように、左右位置に配設したアイロン台３，３上にプレス用 マット４，４を夫々装着し、一方のアイロン台３側に装着されたプレス用マット ４の被覆面上にポロシャツＰを１枚被覆して、立体的に縫合されたポロシャツＰ の両脇部Ｐａ，Ｐａをプレス用マット４の各脇退避部４ｃ，４ｃに退避させると 共に、平面的に縫合されたポロシャツＰの胴部Ｐｂと、裾部Ｐｃと、両袖部Ｐｄ ，Ｐｄを生地方向に伸張して、不必要な皺を延ばした状態に被覆セットする。

【００２１】 この後、同側に配設した起動スイッチ２８のＯＮ操作によりプレス機構５を駆 動して、セット側に配設したアイロン台３と対向する位置にプレス板６を移動さ せ、同アイロン台３に装着されたプレス用マット４上のポロシャツＰをプレス板 ６により平面的に加圧プレスし、立体的に縫合されたポロシャツＰの両脇部Ｐａ ，Ｐａ及び襟部Ｐｅを除いて、平面的に縫合されたポロシャツＰの胴部Ｐｂと、 裾部Ｐｃと、両袖部Ｐｄ，Ｐｄとを自動設定された動作パターンに従ってアイロ ン仕上げする。

【００２２】 次に、アイロン仕上げ終了後、同アイロン台３に装着されたプレス用マット４ と対向する上方位置にプレス板６を上昇停止し、仕上げ済みのポロシャツＰをア イロン台３に装着されたプレス用マット４から取外して、未仕上げのポロシャツ Ｐを被覆セットする。上述と同様にして、他方のアイロン台３側に装着されたプ レス用マット４の被覆面上にポロシャツＰを被覆セットし、同側に配設した起動 スイッチ２８のＯＮ操作によりプレス機構５を駆動して、同アイロン台３に装着 されたプレス用マット４上のポロシャツＰをプレス板６により平面的に加圧プレ スしてアイロン仕上げする。すなわち、一方のアイロン台３側で行われるプレス 時間を利用して、他方のアイロン台３側に未仕上げのポロシャツＰを被覆セット するので、左右位置に配設したアイロン台３，３を交互に利用して、多数枚のポ ロシャツＰを連続的にアイロン仕上げすることができる。

【００２３】 なお、手動操作でアイロン仕上げする場合、切換えスイッチ３４を手動に設定 し、下部前面に配設した各フットスイッチ３０，３１，３２を足踏み操作してポ ロシャツＰをアイロン仕上げするもよい。

【００２４】 以上のように、アイロン台３に装着したプレス用マット４の各脇退避部４ｃ， ４ｃにポロシャツＰの両脇部Ｐａ，Ｐａを退避させた状態で加圧プレスするため 、プレス時に於いて、立体的に縫合されたポロシャツＰの両脇部Ｐａ，Ｐａが形 崩れするのを確実に防止でき、ポロシャツＰの縫合形態及び商品価値が損なわれ ず、高級品のポロシャツＰをアイロン仕上げするのに最適である。しかも、ポロ シャツＰの胴部Ｐｂ及び両袖部Ｐｄ，Ｐｄに不必要な皺を付けること無く一回の プレス動作でアイロン仕上げでき、仕上げ作業の能率アップ及び処理機能の向上 を図ることができる。

【００２５】 図５はトレーナＴをアイロン仕上げするときに用いられるプレス用マット４を 示し、このプレス用マット４は、立体的に縫合されたトレーナＴの両脇部Ｔａ， Ｔａと対応する被覆部分にＵ字形の各脇退避部４ｃ，４ｃを形成すると共に、ゴ ム縫合又はギャザー縫合されたトレーナＴの裾部Ｔｂよりも裾側端部を短尺寸法 に形成して、同トレーナＴの裾部Ｔｃを形態保持位置に退避させるための裾退避 部４ｆを形成している。すなわち、上述と同様に、一方のアイロン台３側に装着 されたプレス用マット４の被覆面上にトレーナＴを被覆して、立体的に縫合され たトレーナＴの両脇部Ｔａ，Ｔａをプレス用マット４の各脇退避部４ｃ，４ｃに 退避させ、同トレーナＴの裾部Ｔｃをプレス用マット４の裾退避部４ｆに退避さ せて被覆セットする。この後、プレス機構５を駆動して、アイロン台３に装着さ れたプレス用マット４上のトレーナＴをプレス板６により平面的に加圧プレスす るので、立体的に縫合されたトレーナＴの両脇部Ｔａ，Ｔａと、裾部Ｔｃと、襟 部Ｔｅとを除いて、平面的に縫合されたトレーナＴの胴部Ｔｂ及び両袖部Ｔｄ， Ｔｄのみをアイロン仕上げすることができ、上述の実施例と同様に、立体的に縫 合されたトレーナＴの両脇部Ｔａ，Ｔａ及び裾部Ｔｃを形崩れさせること無くア イロン仕上げすることができる。

【００２６】 この考案の構成と、上述の実施例との対応において、 この考案の衣服は、実施例のポロシャツＰ及びトレーナＴに対応し、 以下同様に、 立体縫合部は、ポロシャツＰを構成する脇部Ｐａ、襟部Ｐｅと、トレーナＴを 構成する脇部Ｔａ、裾部Ｔｃ、襟部Ｔｅとに対応し、 生地退避部は、プレス用マット４を構成する袖退避部４ｃ及び裾退避部４ｆに 対応するも、 この考案は、上述の実施例の構成のみに限定されるものではない。

【００２７】 上述の実施例では、プレス用マット４に切欠き形成した各脇退避部４ｃ，４ｃ にポロシャツＰの両脇部Ｐａ，Ｐａを退避させた状態で加圧プレスするが、例え ば、プレス時に於いて、プレス用マット４の各脇退避部４ｃ，４ｃを弾性変形さ せてポロシャツＰの両脇部Ｐａ，Ｐａを形態保持位置に退避するもよい。

【００２８】 また、アイロン台３に対してプレス用マット４を着脱自在に取付けているため 、例えば、トレーニングウェアやスポーツウェア等の各種衣服と対応する大きさ 及び形態に形成したプレス用マット４に着脱交換するだけで、衣服の立体縫合部 を形崩れさせること無くアイロン仕上げすることができる。

【００２９】 さらに、アイロン台３とプレス用マット４との適宜対向面に面ファスナー（図 示省略）を縫合して、アイロン台３に対してプレス用マット４を着脱自在に装着 するもよく、プレス時に於いて、プレス用マット４が位置ズレするのを確実に防 できる。

【図面の簡単な説明】

【図１】アイロン仕上げ装置の正面図。

【図２】アイロン仕上げ装置の縦断側面図。

【図３】アイロン台及びプレス用マットの縦断正面図。

【図４】ポロシャツの被覆状態を示すプレス用マット及
びアイロン台の平面図。

【図５】トレーナの被覆状態を示すプレス用マット及び
アイロン台の平面図。

【符号の説明】

Ｐ…ポロシャツ Ｐａ…脇部 Ｐｂ…胴部 Ｐｃ…裾部 Ｐｄ…袖部 Ｐｅ…襟部 Ｔ…トレーナ Ｔａ…脇部 Ｔｂ…胴部 Ｔｃ…裾部 Ｔｄ…袖部 Ｔｅ…襟部 １…アイロン仕上げ装置 ２…装置本体 ３…アイロン台 ４…プレス用マット ４ｃ…脇退避部 ４ｆ…裾退避部 ５…プレス機構 ６…プレス板

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】アイロン台上に被覆セットされた衣服をプ
   レス板で平面的に加圧プレスするアイロン仕上げ装置で
   あって、 上記アイロン台上に衣服と対応する大きさに形成したマ
   ットを装着すると共に、該マットに衣服の立体縫合部を
   形態保持位置に退避するための生地退避部を形成したア
   イロン仕上げ装置のプレス用マット。