JPH0611698U - アイロン仕上げ装置 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【目的】衣服の被覆作業及び交換作業が容易に行え、衣
服に付いた不必要な皺の発見及び修正することのできる
アイロン仕上げ装置を提供する。 【構成】装置前部に待機した作業者と対向する前向き姿
勢にアイロン台を回動停止して、作業者の手で未仕上げ
のブレザーをアイロン台の被覆面上に被覆セットする。
この後、装置上部に垂設したプレス板と対接する後向き
姿勢にアイロン台を回動復帰して、アイロン台に被覆セ
ットされたブレザーをプレス板で加圧プレスするので、
衣服被覆時に於いてプレス板が邪魔にならず、被覆作業
及び交換作業が容易に行える。且つ、後向き姿勢にアイ
ロン台を回動して衣服の生地面を作業者の目で水平方向
に視認するので、衣服に付いた不必要な皺を確実に発見
でき、衣服プレス時に於いて所定の被覆状態に修正する
ことができる。

Description

【考案の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】

この考案は、例えば、ブレザー、カッタシャツ、ブラウス、スカート等の衣服 をアイロン仕上げするために用いられるアイロン仕上げ装置に関する。

【０００２】

【従来の技術】

従来、上述例のようなブレザーのアイロン仕上げに用いられる装置としては、 例えば、図５に示すように、装置本体４１の上面中央部に立設したアイロン台４ ２にブレザーＢを被覆セットした後、所定温度に加温されたプレス板４３をアイ ロン台４２と対接する方向に垂直降下して、同アイロン台４２に被覆セットされ たブレザーＢをプレス板４３で加圧プレスするアイロン仕上げ装置４４がある。

【０００３】

【考案が解決しようとする課題】

しかし、上述のアイロン仕上げ装置４４は、アイロン台４２と対接する直上位 置にプレス板４３を垂設しているので、プレス板４３の上昇位置が作業者Ａの視 線よりも低い位置に設定されている場合、斜め上方から視認する作業者Ａの視線 がプレス板４３により妨げられ、ブレザーＢの被覆状態を視認することができな い為、作業者Ａは腰を屈めたり、頭を下げた無理な姿勢で視認しなければならず 、ブレザーＢに付いた不必要な皺の発見が非常に困難である。

【０００４】 また、アイロン台４２に被覆したブレザーＢの被覆状態を修正する場合、アイ ロン台４２の直上位置に垂設したプレス板４３が作業の邪魔になるため、アイロ ン台４２に被覆されたブレザーＢの被覆状態を作業者Ａの手で修正することが困 難である。且つ、プレス板４３から放出される高熱が作業者Ａの手や顔等に直接 当たるため、ブレザーＢの被覆状態を修正する作業時間に限度があり、ブレザー Ｂの被覆状態を視認及び修正することが困難であるという問題点を有している。

【０００５】 この考案は上記問題に鑑み、作業者と対向する前向き姿勢と、プレス板と対接 する後向き姿勢とにアイロン台を回動することにより、衣服の被覆作業及び交換 作業が容易に行えると共に、衣服に付いた不必要な皺の発見及び修正ができるア イロン仕上げ装置の提供を目的とする。

【０００６】

【課題を解決するための手段】

この考案は、上記作業者側を前部として装置本体の上面中央部に対して前方側 に傾けた前向き姿勢と、後方側に傾けた後向き姿勢とにアイロン台を回動自在に 軸支し、前記装置本体の後方側に回動したアイロン台と対接する方向に傾けてプ レス板を昇降自在に垂設したアイロン仕上げ装置であることを特徴とする。

【０００７】

【作用】

この考案は、装置本体の上面中央部に対して前方側に傾けた前向き姿勢にアイ ロン台を回動させ、装置前部に待機する作業者と対向してアイロン台を回動停止 した後、作業者の手で未仕上げの衣服をアイロン台の被覆面上に被覆セットする 。この後、装置本体の上面中央部に対して後方側に傾けた後向き姿勢にアイロン 台を回動復帰させ、装置上部に垂設したプレス板と対向してアイロン台を回動停 止した後、同アイロン台の被覆面と対接する方向にプレス板を昇降動作して、同 アイロン台に被覆セットされた衣服をプレス板で加圧プレスしてアイロン仕上げ する。

【０００８】

【考案の効果】

この考案によれば、後向き姿勢に回動停止したアイロン台と対接する方向に傾 けてプレス板を垂設しているので、同アイロン台を作業者側に向けて回動停止す ることにより、アイロン台の被覆面全体が作業者側に開放され、アイロン台の被 覆面上からプレス板が取り除かれるため、プレス板が邪魔にならず、衣服の被覆 作業及び交換作業が容易に行える。

【０００９】 しかも、後向き姿勢に傾けてアイロン台を回動停止することで、同アイロン台 に被覆された衣服の生地面を作業者の目で水平方向に視認することができ、衣服 の生地面に付いた皺の凹凸が明確となり、不必要な皺を確実に発見することがで きる。且つ、同姿勢のアイロン台と対接する方向に傾けてプレス板を垂設してい るので、プレス板により衣服の視認及び修正が妨げられず、衣服の生地面に付い た不必要な皺を取り除くための修正作業が容易に行えると共に、プレス板から放 出される高熱が上方に拡散されるため、熱による影響が少なく、作業環境の改善 を図ることができる。

【００１０】

【実施例】

この考案の一実施例を以下図面に基づいて詳述する。 図面は衣服の一例としてブレザーのアイロン仕上げに用いられるアイロン仕上 げ装置を示し、図１及び図２に於いて、このアイロン仕上げ装置１は、作業者Ａ 側を前部として装置本体２の上面中央部にブレザーＢを被覆する大きさに形成し たアイロン台３を回動自在に軸支し、同装置本体２の後端側中央部にＬ字形の取 付け枠４を後方側に１５度傾けて固定し、同取付け枠４の上端部にアイロン台３ と対応する大きさに形成したプレス板５を昇降自在に垂設している。

【００１１】 上述のアイロン台３は、装置本体２の前端側中央部に軸架した支軸６上に可動 板７の前端部を連結固定し、同可動板７の上面中央部に立設した支持パイプ８の 上端部に、ステンレス等の金属部材で中空形状に形成したアイロン台３の下面側 中央部を連通固定し、装置内部に配設した回動用シリンダ９のピストンロッド端 部を可動板７の後端部に連結すると共に、後述する起動スイッチ２８のＯＮ・Ｏ ＦＦ操作により回動用シリンダ９の作動を制御して、装置本体２の上面中央部に 対して鉛直方向に起立した姿勢を０度として、装置前部に待機した作業者Ａと対 向する姿勢に１０度傾けた前方位置と、装置上部に垂設したプレス板５と対接す る姿勢に１５度傾けた後方位置とにアイロン台３を前後回動する。且つ、同アイ ロン台３の被覆面全体に多数の各丸孔３ａ…を所定等間隔に隔てて形成すると共 に、同被覆面全体をポリエステルやテトロン等の通気性を有する保護カバー１０ で被覆している。

【００１２】 一方、上述の支持パイプ８の下端部に接続した一方の電磁切換弁１１側に、送 気通路１２及び加熱用ヒータ１３を介して装置内部に配設した送気用ブロワ１４ を連通接続し、同支持パイプ８の下端部に接続した他方の電磁切換弁１５側に、 吸気通路１６を介して装置内部に配設した吸気用ブロワ１７を連通接続している 。且つ、アイロン台３の上層側中空部に連通接続した蒸気供給管１８を、蒸気供 給路１９及び電磁切換弁２０を介して装置内部に配設した蒸気発生機２１に接続 すると共に、同アイロン台３の下層側中空部に連通接続した蒸気供給管２２と、 プレス板５の中空部に連通接続した蒸気供給管２３とを、蒸気供給路２４，２５ を介して装置内部に配設した蒸気発生機２１に接続している。

【００１３】 前述のプレス板５は、装置本体２の後端側中央部にＬ字形の取付け枠４を後方 側に１５度傾けて固定し、同取付け枠４の上端部に架設した固定板２６の上面中 央部に昇降用シリンダ２７を垂直固定し、同昇降用シリンダ２７のピストンロッ ド端部に、ステンレス等の金属部材で中空形状に形成したプレス板５の上面中央 部を連結固定して、同昇降用シリンダ２７の作動により、後方位置に回動停止し たアイロン台３に対して、同アイロン台３に被覆されたブレザーＢを加圧プレス する降下位置と、所定間隔に離間した上昇位置とにプレス板５を昇降する。

【００１４】 前述の装置本体２には、図１に示すように、同装置本体２の前面側上端部に起 動スイッチ２８と、停止スイッチ２９とを配設し、同装置本体２の前面側下端部 部にバキューム用のフットスイッチ３０と、熱風吹出し用のフットスイッチ３１ と、蒸気吹出し用のフットスイッチ３２と、プレス用のフットスイッチ３３とを 配設している。且つ、同装置本体２の前面側中央部に各要素を駆動可能な待機状 態にする電源スイッチ３４と、自動又は手動に切換えるための切換えスイッチ３ ５と、所定の動作パターンに設定するための選択スイッチ３６と、プレス時間を 設定するためのプレスタイマ３７と、蒸らし時間を設定するためのスチームタイ マ３８と、ブロー時間を設定するブロータイマ３９と、バキューム時間を設定す るためのバキュームタイマ４０とを配設している。

【００１５】 図示実施例は上記の如く構成するものとして、以下、アイロン仕上げ装置１に よる仕上げ動作を説明する。 先ず、アイロン仕上げ時の動作パターンを自動に設定して実行する場合、電源 スイッチ３４をＯＮ操作して各要素を駆動可能な待機状態にセットした後、切換 えスイッチ３５を自動に設定し、選択スイッチ３６をブレザーＢの生地と対応し た動作パターンに設定し、各タイマ３７，３８，３９，４０の動作時間を夫々設 定する。

【００１６】 次に、作業開始前又は作業終了後に於いて、図３に示すように、装置前部に待 機した作業者Ａと対向する前向き姿勢にアイロン台３を回動停止しておき、予め 準備された未仕上げのブレザーＢをアイロン台３の被覆面上に被覆セットして、 吸気用ブロワ１７の吸気作用によりアイロン台３の被覆面上にブレザーＢを吸着 保持した後、起動スイッチ２８をＯＮ操作して、回動用シリンダ９を復帰作動さ せ、装置上部に垂設したプレス板５と対接する後向き姿勢にアイロン台３を回動 停止する。この時、アイロン台３に被覆セットされたブレザーＢの生地面を作業 者の目で水平方向から視認し、ブレザーＢに不必要な皺が有るか否かを確認し、 不必要な皺が付いている場合、ブレザーＢに付いた皺を取り除くための修正作業 を行う。

【００１７】 同時に、昇降用シリンダ２７を降下作動して、図４に示すように、アイロン台 ３の被覆面に対して直交する方向にプレス板５を降下動作させ、同アイロン台３ に被覆セットされたブレザーＢをプレス板５で加圧プレスして、自動設定された 動作パターンに従ってブレザーＢをアイロン仕上げする。例えば、アイロン台３ から吹出される高温の蒸気によりブレザーＢを蒸らし処理又は熱風によりブロー 処理した後、同アイロン台３から吹出される除湿熱風でブレザーＢを乾燥処理す る。

【００１８】 次に、昇降用シリンダ２７を上昇作動して、アイロン台３の被覆面に対して所 定間隔に離間した待機位置にプレス板５を上昇停止した後、吸気用ブロワ１７の 吸気作用によりアイロン台３の被覆面上に形成した各丸孔３ａ…から外気を吸引 し、同アイロン台３上に被覆されたブレザーＢを冷却処理して形固定する。この 後、回動用シリンダ９を作動して、装置前部に待機する作業者Ａ側に向けてアイ ロン台３を回動停止した後、電磁切換弁１５を閉鎖又は吸気用ブロワ１７を停止 して、同吸気用ブロワ１７の吸気作用によるブレザーＢの吸着保持を解除し、同 アイロン台３の被覆面上から仕上げ済みのブレザーＢを取り外して、次に準備さ れた未仕上げのブレザーＢをアイロン台３の被覆面上に被覆セットする。以下同 様にして、装置上部に垂設したプレス板５と対接する姿勢にアイロン台３を回動 停止した後、同アイロン台３に被覆されたブレザーＢをプレス板５で加圧プレス してアイロン仕上げする。

【００１９】 以上のように、後向き姿勢に回動停止してアイロン台３と対接する方向に傾け てプレス板５を垂設しているので、同アイロン台３を作業者Ａ側に向けて回動停 止することにより、アイロン台３の被覆面全体が作業者Ａ側に開放され、アイロ ン台３の被覆面上からプレス板５が取り除かれるため、プレス板５が邪魔になら ず、ブレザーＢの被覆作業及び交換作業が容易に行える。

【００２０】 しかも、後向き姿勢に傾けてアイロン台３を回動停止することで、同アイロン 台３に被覆されたブレザーＢの生地面を作業者Ａの目で水平方向に視認すること ができ、ブレザーＢの生地面に付いた皺の凹凸が明確となり、不必要な皺を確実 に発見することができる。且つ、同姿勢のアイロン台３と対接する方向に傾けて プレス板５を垂設しているので、プレス板５によりブレザーＢの視認及び修正が 妨げられず、ブレザーＢの生地面に付いた不必要な皺を取り除くための修正作業 が容易に行えると共に、プレス板５から放出される高熱が上方に拡散されるため 、熱による影響が少なく、作業環境の改善を図ることができる。

【００２１】 なお、手動操作でブレザーＢをアイロン仕上げする場合、切換えスイッチ３５ を手動に設定し、装置本体２の下部前面に配設した各フットスイッチ３０，３１ ，３２，３３を足踏み操作してブレザーＢをアイロン仕上げするもよい。

【００２２】 この考案を構成する衣服は、上述の実施例のブレザーＢに対応するも、 この考案は、上述の実施例の構成のみに限定されるものではない。

【００２３】 上述の実施例では回動用シリンダ９によりアイロン台３を前後位置に回動する が、例えば、減速機付きモータ（図示省略）の駆動力又は作業者Ａの手動操作に よりアイロン台３を前後位置に回動するもよく、 また、ズボン、スカート等の衣服と対応する形態のアイロン台３及びプレス板 ５に交換することで、形態の異なる複数種類の衣服をアイロン仕上げするのにも 適用することができる。

【図面の簡単な説明】

【図１】アイロン仕上げ装置の正面図。

【図２】アイロン台及びプレス板の配管系統図。

【図３】ブレザーの被覆状態を示す装置本体の上部側面
図。

【図４】ブレザーのプレス状態を示す装置本体の上部側
面図。

【図５】従来型のアイロン仕上げ装置を示す装置本体の
上部側面図。

【符号の説明】

Ａ…作業者 Ｂ…ブレザー １…アイロン仕上げ装置 ２…装置本体 ３…アイロン台 ４…取付け枠 ５…プレス板 ６…支軸 ７…可動板 ８…支持パイプ ９…回動用シリンダ

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】装置本体の上面に配設したアイロン台に衣
   服を被覆セットした後、該アイロン台に被覆セットした
   衣服をプレス板で加圧プレスするアイロン仕上げ装置で
   あって、 上記作業者側を前部として装置本体の上面中央部に対し
   て前方側に傾けた前向き姿勢と、後方側に傾けた後向き
   姿勢とにアイロン台を回動自在に軸支し、 前記装置本体の後方側に回動したアイロン台と対接する
   方向に傾けてプレス板を昇降自在に垂設したアイロン仕
   上げ装置。