JPH062200B2 - アイロン仕上装置 - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】 （イ）産業上の利用分野 この発明は、例えばスカート、ブラウス、カッタシャ
ツ、ズボン等の衣服のシワ延ばし、またはヒダ付け等の
アイロン仕上に使用するようなアイロン仕上装置に関す
る。

（ロ）従来の技術 従来、２組のアイロン台およびプレス板を備えたプレス
装置として特開昭５０−６９３９５号公報に開示の装置
がある。

この従来装置は、２つのプレス板を衣服の付け外し空間
分だけ離間させて配置し、これらプレス板のプレス形状
にそれぞれ合致したアイロン台を設けて、この２つのア
イロン台を１台の移動体に搭載した構造であって、衣服
のプレス作業に際しては、一方のアイロン台が対応する
プレス板でプレス作業をしている間に、付け外し空間に
位置する他方のアイロン台に衣服の付け外しを行なって
待機し、先のプレス板のプレス作業が終了すると移動体
を他方に移動して、付け外し空間に待機していたアイロ
ン台を他方のプレス板に位置させて、これをプレス作業
すると共に、先のプレス作業を終了したアイロン台が付
け外し空間に移動することで、該アイロン台に対する衣
服の付け外しを行なうものである。

この従来装置では、中間部の付け外し空間を共用するの
みで、プレス板とアイロン台とで対をなしたプレス装置
の２台と付け外し空間とで構成しているので、装置が付
け外し空間を含めて３台分の大きさとなって大型化し、
さらに設置スペースも同様に３台分必要となり、さらに
また、作業者も同様に３台分の作業スペースを移動する
ことになって作業能率が悪く、しかも、一方のプレス板
がプレス作業を行なっているときは他方のプレスが休止
して遊んでいる状態であるため、装置の稼動率も悪い等
の諸問題を有する。

一方、実公昭４９−４０４００号公報に記載のように、
装置本体の上面に２台のアイロン台を設け、これら２台
のアイロン台間を移動する一台のプレス板を設けたアイ
ロン仕上装置があるが、この従来のアイロン仕上装置に
おいては装置の背面から上方を介して前面側に架渡した
門形の可動枠体により上述のプレス板が支持されている
関係上、この可動枠体の移動時において同枠体の前面側
支脚部が作業者の存在する作業側の移動するので危険で
あり、加えて上述の門形の可動枠体によりアイロン台上
に広い作業空間を確保することが困難で、さらに上述の
門形の可動枠体が装置本体の前方および後方に張り出す
関係上、装置の小型コンパク化が阻害される問題点があ
った。

（ハ）発明が解決しようとする課題 この発明は、複数のアイロン台を備えることでアイロン
仕上げを効率よく行なうことができるものでありなが
ら、装置の小型化、設置スペースの狭小化、作業者の作
業スペースの狭小化、装置の稼働率の向上を図ることが
でき、しかも、プレス板移動時の危険がなく、アイロン
台上に広い作業空間を確保することができると共に、装
置の大幅な小型コンパクト化を図ることができるアイロ
ン仕上装置の提供を目的とする。

（ニ）課題を解決するための手段 この発明は、装置本体の作業面に並設された複数のアイ
ロン台と、上記アイロン台に対接する単一のプレス板
と、上記プレス板を、上記装置本体の背面側のみから延
びて作業面側を開放した状態に支持する支持アームと、
上記プレス板を上記支持アーム介して複数のアイロン台
に対応して移動する移動手段とを備えたアイロン仕上装
置であることを特徴とする。

（ホ）作用 この発明は、１つのアイロン台がプレス板によってプレ
ス作業を行なっている時、他のアイロン台に次のプレス
作業の準備を行なったり、または、１つのアイロン台で
１行程のプレス作業を行なった後、次のアイロン台で次
行程のプレス作業を行なって、順次アイロン仕上げを行
なう。

（ヘ）発明の効果 この発明によれば、装置本体の作業面に複数台のアイロ
ン台を備えているので、１つのアイロン台のプレス作業
中に他のアイロン台で次の作業の準備、または、次のア
イロン台で次行程のアイロン作業を行なうことで、単一
のアイロン台の装置に対して効率よく仕上げ作業がで
き、しかも、仕上げに適した複数種類のアイロン台を用
いることで、仕上げ作業をより一層効率よく行なうこと
ができる。

また、アイロン台は複数台であっても、プレス板は１つ
であり、しかも該プレス板は複数台のアイロン台間を移
動するのみでダミースペースの移動がないため、装置が
大型化されずコンパクトに構成でき、かつ設置スペース
もアイロン台数に対応するスペースであって、余分なダ
ミースペースがなくスペース狭小化が図れ、同様に作業
者の作業エリアも狭小化でき、作業者の作業性および作
業効率が向上する。

さらに、１つのプレス板を各アイロン台に移動させてフ
ル活動させることで、プレス作業中にプレス板を休止さ
せることなく作業ができ、装置の有効稼動率が向上す
る。

また、プレス板を他のアイロン台へ移動させる際、プレ
ス板のプレス面を作業者側に向けることなく下向きの状
態で移動するので、作業者の顔や手等に向けてプレス板
の熱気が直接当たるのを確実に防止することができ、プ
レス板の熱気により作業者が火傷したり、またプレス板
より顔や身体を反らす必要がなくなり、快適な作業環境
でアイロン仕上が行える。

しかも、上述のプレス板は、装置本体の背面側から延び
て作業面側を開放した状態に支持する支持アームで支持
されているので、プレス板の移動時において、この支持
アームが作業面側を移動することがないので、プレス板
移動時の危険を確実に回避することができる効果があ
り、加えて上述の支持アームは作業面側を開放した構成
であるから、アイロン台上に広い作業空間を確保するこ
とができ、さらには上述の支持アームによる装置本体か
らの突出量は背面側のみであるから、装置の大幅な小型
コンパクト化を図ることができる効果がある。

（ト）実施例 この発明の一実施例を以下図面に基づいて詳述する。

図面は衣服のアイロン仕上に使用するアイロン仕上装置
を示し、第１図乃至第３図において、このアイロン仕上
装置１は、装置本体２の上部作業面２ａに、例えば衣服
の袖部分に対応した形状のアイロン台３と、胴部分に対
応すた形状のアイロン台４とを左右に所定間隔を隔てて
並設し、これら各アイロン台３，４の上部に、衣服押圧
用の一つのプレス板５を左右の各アイロン台３，４へ移
動可能に構成している。

上述の各アイロン台３，４は、第４図乃至第７図に示す
ように、例えばステンレス等の金属に形成した各アイロ
ン台３，４の内部を隔壁３ａ，４ａで上下二層に分割
し、装置本体２の作業面２ａに立設した筒状の各支柱
６，７上部に、各アイロン台３，４の上層中空部を連通
した状態で固定している。

これら各アイロン台３，４は、前述のプレス板５下面の
プレス面５ａと対応するように、その上面を滑らかな円
弧面に形成し、各アイロン台３，４の上面には小径の丸
孔３ｂ，４ｂを等間隔に多数開口して、第１図に示すよ
うに、各アイロン台３，４の上面を、通気性を備えた合
成樹脂繊維製または綿製のカバー８，８で被嵌してい
る。

上述の各支柱６，７の内部には、装置本体２に内設した
エア供給ブロア９と、エア吸引ブロア１０とに切換バル
ブ１１を介して接続されたエアノイズ１２と、スチーム
供給装置（図示省略）にスチーム供給ポート１３を介し
て接続された第１のスチーム供給ノズル１４とを、各ア
イロン台３，４の上層中空部と連通状態に各支柱６，７
内の隔壁６ａ，７ａに固定し、各支柱６，７の上部開口
部には、スチームＳを各上層中空部内へ均等に拡散する
拡散板３ｃ，４ｃを若干離間して対設している。

さらに、スチーム供給ポート１３と接続された第２のス
チーム供給ノズル１５を、各アイロン台３，４の下層空
間部と連通状態に接続して、スチームＳにより各アイロ
ン台３，４を常時一定の温度に加温している。

なお、上述のエア供給ブロア９のエア供給動作と、エア
吸引ブロア１０のエア吸引動作と、スチーム供給ノズル
１４からのスチーム吹出しを、装置本体２の作業側下部
に配設した各フットスイッチ２ｂ…で操作する。

前述のプレス板５は、第８図に示すように、プレス面５
ａを各アイロン台３，４より大きい滑らかな凹曲面に形
成し、この中空に形成したプレス板５内部と連通状態
に、スチーム供給ポート１３と接続された第３のスチー
ム供給ノズル１６を接続した、スチームＳにより常時所
定の温度に加温すると共に、このプレス板５を、装置本
体２の背面側のみから延びて作業面側を開放した状態に
支持するようにＬ字形に屈曲した支持アーム１７の上端
部にボルト等で固定し、この支持アーム１７の下端部
を、装置本体２の背面側に架設したスライド台１８に固
定している。

上述のスライド台１８は、第２図および第３図に示すよ
うに、スライド台１８の横方向に架設した上下のガイド
レール１９，１９に、支持アーム１７の基端部に固定し
た各支持パッド１７ａ，１７ａとを摺動可能に取付け、
スライド台１８の両側部にそれぞれ枢着したプーリ２０
と、駆動モータ２１のプーリ２２とに張架したチェーン
２３の端部に支持アーム１７をボルト等で固定して、駆
動モータ２１の駆動力により横方向に摺動し、各アイロ
ン台３，４と対応した左右位置に、スライド台１８の両
側に固定した各ストッパ２４，２４でプレス板５を位置
規制する。

また、上述のスライド台１８は、装置本体２の横方向に
架設した両側部のガイドレール２５，２５に、このスラ
イド台１８の裏面両側部に固定した各支持パッド１８
ａ，１８ａを摺動可能に取付け、このスライド台１８の
裏面に枢着した油圧シリンダ２６の駆動によりプレス板
５の全体を上下摺動し、下部に固定したストッパ２７で
降下位置を規制する。

なお、上述のプレス板５は、作業面２ａの前部の左右に
取り付けた各押しボタン２ｃ，２ｃにより、左右および
上下方向の摺動を連動して駆動する。

このように構成されたアイロン仕上装置１で衣服をアイ
ロン仕上する場合、 第２図および第３図に示すように、先ず、一方のアイロ
ン台３には衣服の袖部分を被せ、他方のアイロン台４に
は衣服の胴部分を被せて準備した後、フットスイッチ２
ｂを足踏み操作して、エア吸引ブロア１０の吸引作用に
より各アイロン台３，４に衣服を吸着して、例えば衣服
のシワを延ばした状態で保持する。

次に、押しボタン２ｃをＯＮ操作して、一方の袖用のア
イロン台３上にプレス板５を降下させ、アイロン台３に
被せた衣服の袖部分をプレス板５で加圧する。

加圧後、フットスイッチ２ｂを足踏み操作してエア吸引
ブロア１０を停止し、スチーム供給装置（図示省略）よ
り供給されるスチームＳをアイロン台３上面の多数の丸
孔３ｂより均等に吹出し、衣服を押圧した状態で所定時
間蒸らす。

この後、フットスイッチ２ｂを足踏み操作してスチーム
Ｓの吹出しを停止し、押しボタン２ｃをＯＮ操作して、
プレス板５のプレス面５ａをアイロン台３に向けた状態
で上昇させ、同時に、エア供給ブロア９を駆動して、ア
イロン台３上面の多数の丸孔３ｂ…よりエアを均等に吹
出し、このエアで衣服の袖部分を冷却してシワを延ばし
た状態で固化させる。

一方、上昇したプレス板５は、プレス面５ａをアイロン
台３に向けた状態で隣りのアイロン台４上へ水平移動さ
せると共に、上述と同様に、押しボタン２ｃをＯＮ操作
してプレス板５をアイロン台４上に降下させ、衣服の胴
部分のアイロン仕上を行う。

このように一方のアイロン台３にプレス板５を押圧し
て、衣服の袖部分のアイロン仕上を行っているプレス時
間を、次のアイロン台４に衣服の胴部分を被せるアイロ
ン仕上の準備時間に利用するので、一つのプレス板５を
有効に利用して作業性を向上させることができる。

また、上述のプレス板５のプレス面５ａを作業者側に向
けることなく下向きの状態で移動するので、プレス板５
の熱気が作業者の顔や手等に向けて直接当たるのを確実
に防止することができ、プレス板５の熱気により作業者
が火傷したり、またプレス板５より顔や身体を反らす必
要がなくなり、快適な作業環境でアイロン仕上が行え
る。

さらに、上述のプレス板５を水平方向へ移動させるの
で、従来例の仕上装置のように装置背部にスペースを確
保する必要がなく、装置本体２の設置スペースが小さく
て済みレイアウトが容易であり、さらにまた、衣服の各
仕上部分に対応した異種形状のアイロン台３，４を複数
並設することで、一台の仕上装置で、例えば衣服の袖部
や胴部等のアイロン仕上が一挙に行えると共に、小型の
各アイロン台３，４を並設するのでスチームＳの損失量
が少なく、各アイロン台３，４およびプレス板５はスチ
ームＳで常時一定の温度に加温されているので、プレス
時にスチームＳで若干加熱するだけで済み、スチームＳ
の発生に必要とする消費電力を節電することができる。

第９図は、上述の実施例のプレス板５を揺動するように
構成した他の移動機構を示し、この揺動移動機構は、２
本の各支持アーム２８，２８の基端部を装置本体２の背
面側に枢着し、この支持アーム２８の遊端部に４連リン
ク機構２９を介してプレス板５を上下動可能に取付け、
支持アーム２８の基端部に連結した油圧シリンダ３０を
駆動して左右にプレス板５を揺動し、かつ４連リンク機
構２９に連結した油圧シリンダ３１を駆動してプレス板
５を垂直方向へ上下動する構成であるので、上述の実施
例と同様の効果が得られると共に、支持アーム２８全体
を上下動する機構が不要となる為、装置の構成を簡素化
することができ、製作が容易である。

第１０図はアイロン仕上装置のさらに他の実施例を示
し、支持アーム３２の基端部を装置本体２の背面側中央
部に枢着し、遊端部にプレス板５を常時下向きになるよ
う枢着して、この支持アーム３２の基端部に形成した従
動ギヤ３２ａに、モータ（図示省略）で回転される駆動
側の原動ギヤ３３を噛合して、左右の１８０度の回転位
置に支持アーム３２を揺動し、この支持アーム３２の基
端部と同一高さであって、支持アーム３２の左右の回転
位置に配設した各アイロン台３，４に対してプレス板５
を垂直方向に押圧する構成であるので、例えば衣服のシ
ワを延ばした状態のままプレス板５を加圧して、綺麗な
状態に衣服をアイロン仕上することができる。

この発明の構成と、上述の実施例との対応において、 この発明の水平移動機構は、実施例のスライド台１８
と、各ガイドレール１９，２５と各プーリ２０，２２
と、駆動モータ２１と、チェーン２３と、油圧シリンダ
２６との対応し、 以下同様に、 揺動移動機構は、４連リンク機構２９と、各油圧シリン
ダ３０，３１と、ギヤ３２ａ，３３とに対応するも、 この発明は、上述の実施例の構成のみに限定されるもの
ではない。

例えば、衣服の肩部やカフス部、タック部、或いはスカ
ートやズボン等の各仕上部分と対応した形状のアイロン
台に交換するもよい。

【図面の簡単な説明】

図面はこの発明の一実施例を示し、 第１図はアイロン仕上装置の全体斜視図、 第２図はアイロン仕上装置の側面視図、 第３図はアイロン仕上装置の背面図、 第４図は袖用アイロン台の拡大断面図、 第５図は第４図に示すアイロン台の平面図、 第６図は胴用アイロン台の拡大断面図、 第７図は第６図に示すアイロン台の平面図、 第８図はプレス板の拡大断面図、 第９図は移動手段の他の実施例を示す斜視図、 第１０図は移動手段のさらに他の実施例を示す説明図で
ある。 ２…装置本体 ２ａ…作業面 ３，４…アイロン台 ５…プレス板 １７，２８，３２…支持アーム １８…スライド台 １９，２５…ガイドレール ２０，２１…プーリ ２２…駆動モータ ２３…チェーン ２６，３０，３１…油圧シリンダ ２９…４連リンク機構 ３２ａ，３３…ギヤ

Claims (3)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】装置本体（２）の作業面（２ａ）に並設さ
   れた、複数のアイロン台（３，４）と、 上記アイロン台（３，４）に対接する単一のプレス板
   （５）と、 上記プレス板（５）を、上記装置本体（２）の背面側の
   みから延びて作業面側を開放した状態に支持する支持ア
   ーム（１７）と、上記プレス板（５）を上記支持アーム
   （１７）介して複数のアイロン台（３，４）に対応して
   移動する移動手段とを備えたアイロン仕上装置。
2. 【請求項２】前記各アイロン台に対応して、上記プレス
   板を水平方向に移動する水平移動機構を設けた 特許請求の範囲第１項記載の アイロン仕上装置。
3. 【請求項３】前記各アイロン台に対応して、前記プレス
   板を揺動して移動する揺動移動機構を設けた 特許請求の範囲第１項記載の アイロン仕上装置。