JPH0645930A - 周波数シンセサイザ - Google Patents

周波数シンセサイザ

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JPH0645930A
JPH0645930A JP3019373A JP1937391A JPH0645930A JP H0645930 A JPH0645930 A JP H0645930A JP 3019373 A JP3019373 A JP 3019373A JP 1937391 A JP1937391 A JP 1937391A JP H0645930 A JPH0645930 A JP H0645930A
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Hatsuo Motoyama
初男 本山
Tetsuo Igawa
哲夫 井川
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Anritsu Corp
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 周波数シンセサイザにおいて、周波数切換え
時における出力信号の位相を連続させる。 【構成】 本発明では、第1の基準周波数発生手段4の
第1の基準周波数に基づいて、複数の第2の基準周波数
発生手段71 〜7k の第2の基準周波数信号をある周期
で位相が揃うようにするとともに、周波数設定データが
変化したとき、あるいは周波数切換信号を受けたとき、
複数の第2の基準周波数の位相が揃った時点まで遅延し
て、第2の基準周波数のいずれかに切換えることによっ
て、選択スイッチからの出力信号の位相が連続される。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は連続した位相で周波数を
切換えられるようにした周波数シンセサイザに関する。
【0002】
【従来の技術及び解決すべき課題】周波数合成法の基本
技術として広く知られる直接周波数合成法(Direct Fre
quency Synthesis)は、上限周波数が高いこと、高信号
純度であること及び高速周波数切換えが可能であること
などの多くの長所を持つが、その反面、周波数切換え時
の位相制御が困難という大きな欠点を有している。
【0003】図1はこの直接周波数合成法による従来の
信号発生器の最も簡単な構成例を示している。図中、A
1 、A2 、……、Ak は第1の基準周波数f1 を受けて
それぞれ異なる整数倍の第2の周波数f21、f22、…
…、f2kを出力する複数の第2の基準周波数発生器であ
る。1は選択スイッチで、外部からの周波数設定データ
の変更があると、第2の基準周波数f21、f22、……、
2kのいずれか1つを選択して切換える。選択スイッチ
1で選択されたいずれか1つの第2の基準周波数は第3
の基準周波数f3 とミキサ2で混合され、和(又は差)
の周波数がバンドパスフィルタ3から出力される。
【0004】しかしながら、かかる構成の従来の信号発
生器では、K個の第2の基準周波数f21、f22、……、
2kの位相が揃っていない。
【0005】また周波数設定データの変更は基準周波数
発生器とは全く無関係に発生し、この周波数設定データ
変更を選択スイッチ1へ伝えるディジタル回路は、切換
速度が最大の課題であるがために、最小の遅延時間とな
るように設計されるのが一般的である。このため、選択
スイッチ1が動作する切換えのタイミングは、基準周波
数発生器とは全く無関係であり、選択されるK個の第2
の基準周波数信号の相互の位相とも無関係である。
【0006】従って、周波数切換えにおいて、切換え前
の基準周波数の最後の位相と切換え後の基準周波数の最
初の位相は不連続となる。この切換えによる位相の乱れ
は、バンドパスフィルタ3や後続のローパスフィルタ
(図示せず)などの帯域制限デバイスを通過することに
よって一層、乱れている時間が増大する。この結果、選
択スイッチ1の切換動作のスタートから、切換えによっ
て選択された新たな周波数の出力信号が最終位相に落ち
着くまで長時間を要することになる。
【0007】このように出力信号の位相が長時間にわた
って乱れることは、その間、信号が深い位相変調をかけ
られているのと等価であり、この位相が落ち着くまでの
間、キャリヤのサイドバンドには大きな無数のスプリア
スが生じる。
【0008】このように直接周波数合成法による従来の
信号発生器では、周波数切換え時に位相が不連続となり
大きなスプリアスが長時間生じる。このため、従来のこ
のような信号発生器を頻繁に周波数を切換える用途に用
いる場合、このスプリアスが大きな障害となる。
【0009】従って、例えばスペクトルアナライザやネ
ットワークアナライザなどの周波数選択性をもったシス
テムの信号源又はローカル発生器として用いた場合、ス
プリアスは大きな測定誤差の原因となるため測定不能の
時間帯が生じて、高速測定が不可能であった。また衛星
通信装置にする場合、スプリアスがあると通信不能とな
る。また、素粒子加速装置の励振用原発振器として用い
る場合、周波数を微調整する際に、位相の不連続は、装
置の損傷や加速停止の原因となる。
【0010】このような直接周波数合成法の欠点を解決
して位相が周波数切換えにおいて連続するようにしたも
のとして、直接ディジタルシンセサイザが存在する。
【0011】即ち、直接ディジタルシンセサイザは、位
相情報をROMに記憶させておき、所定のクロック信号
により読出してD/Aコンバータによって電圧に変換す
ることによって所定の周波数の正弦波を得るものであ
る。そして、クロックによる読出しの周期を変えること
によって出力周波数を可変にすることができる。
【0012】しかし、直接ディジタルシンセサイザで
は、ディジタル処理の速度及びビット数がIC技術に依
存するため、前記の直接周波数合成法による信号発生器
に比べて著しく低い上限周波数しか得られず、また高信
号純度も得られない。
【0013】以上のような事情から、高速切換え、高信
号純度、高上限周波数などの長所を備えた直接周波数合
成法による周波数シンセサイザにおいて、周波数切換え
時に位相連続を実現することが、従来から強く要望され
ていた。
【0014】本発明は上記の事情に鑑みてなされたもの
であって、周波数切換えにおいて位相連続の信号が得ら
れるようにした直接周波数合成法による周波数シンセサ
イザを提供することを目的としている。さらにまた、本
発明は位相連続性だけでなく、後述する位相再現性など
をも満足するようにした直接周波数合成法による周波数
シンセサイザを提供することを目的としている。
【0015】
【課題を解決するための手段】この目的のために本発明
では、複数の第2の基準周波数をある周期で位相が揃う
ようにすると共に、周波数設定データが変化すると、切
換えタイミングを制御して、複数の第2の基準周波数の
位相が揃った時点で周波数を切換える。
【0016】
【作用】このため、選択スイッチからの出力信号の位相
が連続する。
【0017】さらにまた、上記の切換えタイミングを適
当に選ぶことによって、位相再現性などをも実現でき
る。
【0018】
【実施例】以下、図面に基づいて本発明の実施例を説明
する。
【0019】図2は切換えによっていずれか1つの周波
数を選択して出力する信号発生器として用いる本発明の
実施例を示すブロック図である。
【0020】同図において、4は第1の基準周波数発生
手段であって、高安定の水晶発振器などによる基準発振
器5と、この発振信号を受けて第2の基準周波数発生手
段71 〜7k へ第1の基準周波数f1 を出力する基準周
波数発生回路6とによって構成されている。この第1の
基準周波数信号は矩形波信号で、K個の第2の基準周波
数発生手段71 、72 、……、7k の各出力信号の位相
を揃えるための基準時刻信号の役割をも果す。
【0021】71 、72 、……、7k は、前記第1の基
準周波数f1 に基づいた所定の周期Tで位相が揃うそれ
ぞれ異なる周波数f21、f22、……、f2kの信号を発生
する第2の基準周波数発生手段である。即ち、第2の基
準周波数発生手段71 、72、……、7k の各出力信号
は、時刻t(t:0、T、2T、3T、……)において
位相が同一位相φとなる信号Asin(ω1 t+φ)、
Asin(ω2 t+φ)、………、Asin(ωk t+
φ)で表すことができる(ただしA:振幅、ω 1
ωk :角周波数、ω1 =2πf21、ω2 =2πf22、…
…、ωk =2πf2k……(1)である)。
【0022】第2の基準周波数発生手段71 〜7k は上
記の信号を得るため、例えば図2に示すサンプリングP
LLによって構成することができる。
【0023】図2において、81 〜8k は第1の基準周
波数f1 の矩形波の立下りのエッジでサンプリングパル
スを出力する微分回路、91 〜9k は電圧制御発振器1
1〜11k からの被サンプリング信号をサンプリング
するサンプルホールド回路、101 〜10k はサンプル
ホールド回路91 〜9k の出力信号から不要部分を除去
しループの特性を決めるループフィルタ、111 〜11
k は第1の基準周波数f1 のそれぞれN1 〜Nk 倍の固
定の周波数f21〜f2k=N1 ・f1 〜Nk ・f1 を出力
する電圧制御発振器である(N1 、N2 、……、Nk
整数)。
【0024】このように構成したので、第1の基準周波
数f1 の矩形波信号の立下りのエッジで、全部の微分回
路81 〜8k から同時にサンプリングパルスが出力さ
れ、各サンプルホールド回路91 〜9k ではそれぞれ異
なる周波数の電圧制御発振器111 〜11k からの被サ
ンプリング信号を同時にサンプリングする。
【0025】サンプルホールド回路91 〜9k の直流電
圧信号はループフィルタ101 〜10k を介して電圧制
御発振器111 〜11k に制御信号として供給される。
この直流電圧信号は被サンプリング信号のサンプルホー
ルド時の電圧に対応するから、ループフィルタ101
10k の出力によって、被サンプリング信号の位相が同
一位相φとなるように制御する。
【0026】このため、電圧制御発振器111 〜11k
の出力信号の周波数f21、f22、……、f2kがそれぞれ
1 1 、N2 1 、……、Nk 1 より低い場合には
高くなるように、高い場合には低くなるように制御す
る。この結果、各電圧制御発振器111 〜11k の出力
周波数f21〜f2kはN1 1 〜Nk 1 となり、サンプ
リング時点でf21〜f2kの位相は全て揃うことになる。
【0027】このようにサンプルホールド回路91 〜9
k は整数倍(N1 、N2 、……、Nk )の比率の2入力
周波数の位相検波器の役割を果して、第2の基準周波数
発生手段71 〜7k からは第1の基準周波数f1 に基づ
いた所定の周期で同一位相φとなる異なる周波数f21
2kの第2の基準周波数が出力される。
【0028】12は、第1の基準周波数f1 を受けて、
複数の第2の基準周波数信号の位相が一致する時刻に、
切換手段13にタイミングパルスを、第1の基準周波数
1に基づいて出力するタイミングパルス発生手段であ
る。
【0029】複数の第2の基準周波数信号の位相が一致
する周期は、各周波数f21、f22、……、f2kについて
の(K−1)組の隣り合う二周波数の差周波数(オフセ
ット周波数を用いることができるため)の最大公約数と
なる周波数の逆数である。
【0030】従ってタイミングパルスは、この逆数(又
はその整数倍)の周期で発生すればよい。
【0031】これを、
【数1】 (ただしT:周期、|fi+1 −fi |gcd :第2の基準
周波数f21、f22、……、f2kについての(K−1)組
の隣り合う二周波数の差周波数の最大公約数、i:1、
2、……、K−1、L:1、2、……)と表すと、
21、f22、……、f2kは前記したようにそれぞれN1
1 、N2 1 、……、Nk 1 であるから、
【数2】 となる(ただし|Ni+1 −Ni |gcd はN1 、N2 、…
…、Nk についての(K−1)組の隣り合う二つの数値
の差の最大公約数)。
【0032】従って、|Ni+1 −Ni |gcd が1の場合
には、 T=L/f1 となる。
【0033】最小の周期はL=1のときであるから、 T=1/f1 の周期、即ち、第1の基準周波数の矩形波の周期に一致
する。従って、この場合は、第1の基準周波数f1 の矩
形波信号の立下りのエッジごとにタイミングパルスを出
力する。
【0034】13は外部からの周波数設定データに応じ
てK個の第2の基準周波数発生手段71 〜7k の出力信
号のいずれか1つを選択して切換えて出力する切換手段
である。切換手段13は、外部からの周波数設定データ
が変化すると、前記タイミングパルス発生手段12から
のタイミングパルスを受けた時点で周波数設定データを
書換えるレジスタ14と、このレジスタ14からの周波
数データに基づいてK個の第2の基準周波数発生手段7
1 〜7k の出力信号のうちの周波数設定データに対応し
た1つを選択切換えして出力する選択スイッチ15とに
よって構成されている。
【0035】次に図2に示した実施例の動作を、図3A
のタイムチャートを用いて説明する。
【0036】第1の基準周波数発生手段4は矩形波の第
1の基準周波数f1 を出力する(図3Aの(a)に示
す)。第2の基準周波数発生手段71 〜7k の全ての微
分回路81 〜8k は、矩形波の立下りのエッジで同時に
サンプリングパルスを出力する(図3Aの(b)に示
す)。
【0037】第2の基準周波数発生手段71 〜7k から
はそれぞれ周波数が異なる正弦波の第2の基準周波数信
号が出力される。図3Aの(c)、(d)、(e)は、
それぞれ第2の基準周波数発生手段71 、72 、7k
第2の基準周波数f21、f22、f2kの出力信号を示して
いる。第2の基準周波数f21〜f2kは前記したように、
サンプリング時において位相が揃っている。
【0038】タイミングパルス発生手段12は、前記し
た如く周期T=1/f1 の場合は、第1の基準周波数f
1 の矩形波信号の立下りのエッジでタイミングパルスを
出力する(図3Aの(g)に示す)。
【0039】タイミングパルスがレジスタ14に入力す
ると、このタイミングパルス入力前に図3Aの(f)に
示すようにPの時点で周波数設定データが変化している
場合には、レジスタ14は周波数データを書換える。即
ち、周波数データがPの時点で変化しても、レジスタ1
4はその後にタイミングパルスが入力するQの時点まで
待機して書換えを行なう。
【0040】選択スイッチ15は、書換えられた後のレ
ジスタ14の周波数データに応じて、K個の第2の基準
周波数発生手段71 〜7k の出力のうち1つに切換えて
出力する。
【0041】このように周波数切換えは、設定データの
変化があっても、次にK個の第2の基準周波数の位相が
すべて揃う時点まで待って行なわれるから、切換え前の
信号と切換え後の信号とは、位相が連続している。図3
Aの(i)は一例としてf21からf2kへ切換えられた場
合の切換手段13の出力信号を示している。
【0042】このように本実施例の信号発生器では、出
力信号は周波数切換えにおいて位相連続性を有している
が、この他に、次のことも言える。
【0043】即ち、図3Bの(a)に示すように、例え
ば時刻t1 においてf→f′、時刻t2 においてf′→
f″に周波数を切換え、次に時刻t3 においてf″→
f′と再びf′に切換えた場合、周波数f′の信号は図
3Bの(b)に示すようにf′が継続して出力された場
合と同じ位相であるのは勿論であるが、周波数切換えに
おける位相連続点Pの位相(切換え時の初期位相)が、
他の位相連続点P′、P″と同一となっている(これを
位相再現性と記す。)。従って本実施例の切換手段13
からの出力信号は、周波数切換えにおいて、位相連続性
の他に位相再現性も具有している。
【0044】以上の動作説明では各出力の遅延時間を無
視したが、極めて高い周波数帯域では、各信号の遅延時
間が考慮されなければならない。次にこのことについて
図4を用いて説明する。
【0045】即ち、第1の基準周波数f1 の矩形波信号
(図4の(a)に示す)の立下りからサンプリングパル
ス(図4の(b)に示す)のサンプルホールド回路への
入力時までの遅延時間をτ1 、電圧制御発振器111
11k の出力時からサンプルホールド回路91 〜9k
入力するまでの時間をτ2 、サンプリングパルスの幅を
s とすると、サンプリングパルスの終了時に被サンプ
リング信号(図4の(c)にその1つである111 から
の被サンプリング信号を示す)の位相が全て同一の位相
φとなる。この位相φは、各電圧制御発振器111 〜1
k に適当なプリセット電圧を与えるか、あるいはルー
プフィルタ101 〜10k としてアクティブフィルタを
用いることにより、零ラジアン又はπラジアンとするこ
とができる。
【0046】即ち、電圧制御発振器111 〜11k の出
力f21〜f2kの位相は、サンプリング終了時より時間τ
2 だけ進んでいる。図4の(d)はその1つであるf21
の出力信号を示している。
【0047】電圧制御発振器111 〜11k からの出力
時から選択スイッチ15に入力するまでの時間をτ3
すると、選択スイッチ15への入力信号(例としてf21
とf2kを示す)は図4の(e)、(f)の如く位相が遅
れる。(e)はf21、(f)はf2kについて示してい
る。
【0048】また、第1の基準周波数f1 の立下りから
タイミングパルス発生手段12のタイミングパルスがレ
ジスタ14に入力するまでの遅延時間をτ4 とする
(図4の(g)に示す)。タイミングパルス入力時から
選択スイッチ15へレジスタ14からの出力するまでの
遅延時間をτ5 とする。
【0049】以上の如き各遅延時間を考慮して、(h)
に示すレジスタ出力の時点を、(e)、(f)に示す選
択スイッチ15への第2の基準周波数入力の位相の揃う
時点にほぼ一致させた場合に最も理想的な位相連続が得
られる。
【0049】即ち、 τ1 +ts −τ2 +τ3 =τ4 +τ5 ……(2) の条件に近づくように各回路素子の遅延時間を調整する
ことが望ましい。
【0050】次に、この(2)式が成立しない場合に生
ずる位相誤差について説明する。
【0051】例として第2の基準周波数f21からf2k
切換える場合を説明する。前記したように、 f21=N1 ×f1 ……(3)、 f2k=Nk ×f1 ……(4) であるから、f21、f2kの位相θ21、θ2kは、(1)式
より θ21=2πf21t+φ……(5) θ2k=2πf2kt+φ……(6) となる。
【0052】f21とf2kの位相差を△θとすると、 △θ=θ2k−θ21=2π(f2k−f21)t……(7) (3)、(4)、(7)式から △θ=2πf1 (Nk −N1 )t……(8) となる。
【0053】従って、t=0の次のサンプリング点、即
ち、時間T(T=1/f1 )後には △θ=2π(Nk −N1 )……(9) となり、f21、f2kの第1の周波数f1 に対するてい倍
数(N1 、Nk )の差の同期だけ、位相差△θは回転す
る。即ち、T=1/f1 のときもf21とf2kは同一位相
φとなる。
【0054】ここで(2)式の左辺と右辺とが一致せ
ず、時間のずれ△tがあると、両信号f21とf2kの位相
差△θは(8)、(9)式から、
【数3】 となる。
【0055】図5は図4の(h)に示すレジスタ出力時
と図4(e)、(f)に示す同一位相時との時間誤差△
tに対するf21とf2kの位相誤差△θの特性、即ち(1
0)式を表している。ここでf1 =1MHz、Nk −N
1 =10とすると、 △θ=2π×107 △t となる。従って例えば△t=1nsの場合は、 △θ=2π×10-2(ラジアン) となる。従って、この程度の位相のずれは無視できる程
度であり、位相の連続性は保証されていると言えるが、
更に厳密な位相の連続性を必要とする場合には、△tを
零に近づけるように例えばτ4 を設定すればよい。
【0056】なお、図2に示した第2の基準周波数発生
手段71 〜7k ではサンプルホールド回路を用いた場合
を説明したが、図6に示すように1/N分周器16、位
相検波器17を用いた1/N位相同期ループを構成して
もよい。
【0057】このように構成すると、微分回路8と1/
N分周器16からの両入力の位相が一致するように位相
検波器17から制御電圧が出力され、第1の基準周波数
をN倍した第2の基準周波数信号が得られる。このよう
に構成したK個の第2の基準周波数発生手段から出力さ
れる異なる周波数の出力信号は、第1の基準周波数f1
に基づいて微分回路81 〜8k の出力で位相比較されて
いるから、図2の場合と同様にK個の第2の基準周波数
は第1の基準周波数f1 に対応する周期で位相が揃って
いる。
【0058】なお、位相検波器17には、位相誤差を少
なくするためチャージポンプの機能を持ったものを用い
るのがよい。なお、微分回路8を省略することもでき
る。
【0059】また、図2に示した第2の基準周波数発生
手段71 〜7k において、図7又は図8に示すように、
PLLループ内又は電圧制御発振器の出力側にミキサ1
8を含んだ構成にした場合にも、所定の周期で位相が揃
った第2の基準周波数を得ることができる。
【0060】即ち、ミキサ18に外部から供給される周
波数をfR とすると、図7の場合、(図7の第2の基準
周波数がf21であるとすると) f21−fR =N1 1 即ち f21=N1 1 +fR である。
【0061】従って二つの第2の基準周波数、例えばf
21、f2kの位相θ21、θ2kは θ21=2π(N1 1 +fR )t+φ θ2k=2π(Nk 1 +fR )t+φ である。従って両者の位相差△θは △θ=2πf1 (Nk −N1 )t……(11)となる。
(11)式は外部からの周波数fR とは無関係で前記し
た(8)式と同一であり、従って図2の場合と同様、K
個の第2の基準周波数f21〜f2kは所定周期で位相が揃
った信号となる。
【0062】図8の場合には、 f21=N1 1 +fR となり、同じく(11)式となるから同様である。
【0063】図9は第2の基準周波数発生手段71 〜7
k に、図2に示したのと同一構成のサンプリングPLL
191 〜19k の他に1/M分周器201 〜20k を含
む場合を示している。
【0064】前記したのと同一のサンプリングPLL1
1 〜19k の出力信号が1/M分周されるから、1/
M分周器201 、202 、……、20k は後述するタイ
ミングパルス発生回路22の出力信号により、その出力
信号がそれぞれ、
【数4】 で表すことができるようにリセットされているので時刻
t(t:0、MT、2MT、3MT、……)で同一位相
φ/Mとなる。
【0065】このように構成した場合には、第2の基準
周波数f31〜f3k(分周器201 〜20k の出力周波
数)は、サンプリングPLL191 〜19k の出力周波
数f21〜f2kの1/Mとなるので、タイミングパルス発
生手段12にも前記1/M分周器201 〜20k と同一
の分周比の1/M分周器21を設けて、タイミングパル
ス発生回路22からのタイミングパルスの周期を図2の
場合のM倍にする。第2の基準周波数発生手段71 〜7
k 内の1/M分周器201 〜20k は一般的な高速ディ
ジタルICで構成され、サンプリングPLL191 〜1
k の位相が揃う時点(図4の(e)、(f)の・点)
からカウント動作を行なうためのものである。
【0066】タイミングパルス発生回路22は、すべて
の1/M分周器201 〜20k の出力信号が所定の周期
で同一位相となるように、リセットパルス(又はロード
パルス)を全ての1/M分周器201 〜20k へ同時に
出力して、1/M分周器201 〜20k を所定の出力デ
ータ(例えば零)にする。
【0067】即ち、1/M分周器201 〜20k のうち
のある任意のものを20u とし、その出力周波数をf3u
とすると、f3uの信号の位相θ3u
【数5】 となる。(v:0、1、2、……、M−1、f2uはサン
プリングPLL191 〜19k の出力周波数f21〜f2k
のうちのf3uに対応したもの)
【0068】従って、t=0なる時刻に1/M分周器2
1 〜20k の出力データが同一となるようにタイミン
グパルス発生回路22からリセットパルス又はロードパ
ルスを加えると、(12)式において全てのuに対して
vは一定値であるため、f31〜f3kkの位相θ31〜θ3k
は全て2π(V/M)と同一となり、t=0で位相差は
全て0ラジアンとなる。このリセットパルスは1/M分
周器201 〜20k をイニシヤライズするためであるか
ら、電源投入時に1回発生すればよい。
【0069】t=0の次にf31〜f3kのK個の1/M分
周器201 〜20k の出力信号が再び同一位相となる時
間t′を求めると以下のようになる。
【0070】(12)式において、全てのuに対して、
vは同一であるから、1/M分周器201 〜20k の周
波数f31〜f3kのうち任意の周波数f3uとf3wの位相差
△θuw
【数6】 となる。 f2u=Nu 1 、f2w=Nw 1 であるから、
【数7】 (13)式において△θuw=2πとおくと、
【数8】 となる。全てのuとwについて(14)式において最大
のものが求めるt′となる。
【0071】一般にNu とNw の差の最大公約数(N1
〜Nk のすべての組合せにおける差の最大公約数)は1
である。従って t′=M/f1 ……(15) となり、第2図の場合のM倍の周期で1/M分周器20
1 〜20k の出力信号の位相は一致することになる。
【0072】上記最大公約数が1以外に存在し、それを
M とすると、
【数9】 となる。
【0073】(15)及び(16)式に示す周期のタイ
ミングは、第1の基準周波数発生手段4からの周波数f
1 によって、タイミングパルス発生手段12で容易につ
くることができる。即ち、M/f1 の場合は1/M分周
器21の出力から得られ、M/(f1 ×NM )の場合
は、1/M分周の代りにNM /M分周をすれば得られ
る。
【0074】このようにして得たタイミングパルス発生
回路22からのタイミングパルスを切換手段13へ入力
すれば、図2の場合と同様に、周波数が位相連続性及び
位相再現性の双方を満足して切換えられる。
【0075】なお、図4を用いて各部の信号の遅延につ
いて説明したが、図9の回路においては、さらに1/M
分周器201 〜20k の出力の遅延時間、1/M分周器
201 〜20k へのタイミングパルス発生回路22から
のリセットパルスあるいはロードパルスのパルス幅など
を考慮して、図4の場合と同様に切換タイミングが第2
の基準周波数信号の同一位相に揃う時点に一致するよう
に、遅延時間の調整を行なえばよい。
【0075】なお、図9の実施例では1/M分周器20
1 〜20k の出力周波数f31〜f3kのみを切換手段13
に入力する場合を説明したが、この切換手段13の他に
サンプリングPLL191 〜19k の出力周波数f21
2kを切換える切換手段(図示せず)を設け、タイミン
グパルス発生手段22からのタイミングパルスで切換え
出力させることもできる。そして、この図示しない切換
手段から出力される周波数も、位相連続性及び位相再現
性の双方を満足している。
【0076】図2の実施例では周波数切換えの必要の有
無とは無関係にタイミングパルス発生手段12からはタ
イミングパルスが発生しているが、図10はタイミング
パルスを、ノイズ発生の防止のため、必要時にのみ発生
させるように構成した場合を示している。
【0077】即ち、図10に示すように、切換手段13
には、レジスタ14へ入力される周波数設定データとレ
ジスタ14の出力側の周波数データとを比較し、両者が
不一致になったときに不一致信号を出力するコンパレー
タ23が付加されている。
【0078】そして、タイミングパルス発生手段12
は、選択信号によって前記コンパレータ23からの不一
致信号又は外部からの周波数切換要求のいずれかを選択
して周波数切換指令信号を生じる選択回路24と、この
周波数切換指令信号を受けた後、第1の基準周波数f1
に同期したパルスを1つ出力する同期回路25と、この
パルスを受けるとレジスタ14へタイミングパルスを出
力してレジスタ14のデータを書換えさせると共に、外
部へ周波数切換タイミングを知らせる信号を出力するタ
イミングパルス発生回路26とを備えている。同期回路
25は例えばパルスシンクロナイザ及びこれを制御する
Dフリップフロップなどで構成されている。
【0079】なお図10に示すように第1の基準周波数
を外部へ同期用に出力している。
【0080】図10の構成では、周波数設定データが変
わると、コンパレータ23からの不一致信号又は周波数
切換要求のいずれかによって、選択回路24から同期回
路25へ出力を生じる。同期回路25は通常は第1の基
準周波数f1 の矩形波信号の通過を阻止しており、選択
回路24からの出力を受けるとこの矩形波信号の1パル
ス分だけを通過させる。
【0081】タイミングパルス発生回路26は、同期回
路25を通過した1パルスの立下りのエッジでタイミン
グパルスをレジスタ14へ出力して、データ書換えを実
行させると共に、外部へ切換タイミングを知らせる周波
数切換信号を出力する。このデータ書換えによって、選
択スイッチ15は第2の基準周波数の切換えを行なう。
【0082】従って図10の構成では、図3Aの(g)
に示したタイミングパルスで言うならば、左から2番目
のパルスのみがタイミングパルス発生回路26から出力
されるのであって、必要時以外は出力されないのであ
る。
【0083】図11は、位相連続の直接周波数シンセサ
イザを実現した本発明の実施例を示している。同図にお
いて、すでに説明した図2と同一部分には同一符号を付
している。
【0084】図11において、31は第1の基準周波数
発生手段4の基準発振器5の出力信号を受けて第3の基
準周波数を周波数合成回路32へ出力する第3の基準周
波数発生手段である。
【0085】周波数合成回路32は、第3の基準周波数
発生手段31から出力された第3の基準周波数と選択ス
イッチ15から出力された第2の基準周波数発生手段7
1 〜7k からの第2の基準周波数f21〜f2kのいずれか
1つの周波数とを混合するミキサ33と、ミキサ33の
出力から和(又は差)の周波数を選択するバンドパスフ
ィルタ34と、バンドパスフィルタ34の出力を1/K
に分周する1/K分周器35と、1/K分周器35の出
力から高調波成分を除去するローパスフィルタ36とを
備えている。この周波数合成回路32と切換手段13と
によって、周波数合成手段37が構成されている。
【0086】図11の直接周波数シンセサイザは次に述
べる周知の動作を行なう。
【0087】即ち、第3の基準周波数発生手段31から
の第3の基準周波数をfC /K、第2の基準周波数発生
手段71 、72 、73 、……、7k からの第2の基準周
波数f21、f22、f23、……、f2k
【数10】 に設定すると、バンドパスフィルタ34からの出力周波
数fは
【数11】 となる。(ただしu:1、2、……、K)この周波数は
1/K分周器35で1/Kに分周されて、ローパスフィ
ルタ36の出力周波数f0
【数12】 となる。
【0088】従って、例えばfC =45MHz、f1
0.1MHz、K=10とすると(18)式は
【数13】 となり、選択スイッチ15の切換えによって0.01M
Hzきざみでローパスフィルタ36の出力周波数は切換
えられる。
【0089】この直接周波数シンセサイザにおいて、第
2の基準周波数発生手段71 〜7k、タイミングパルス
発生手段12及び切換手段13は、図2の場合と同一の
構成であるから、切換手段13による周波数切換えにお
いて位相の連続性及び再現性を満足している。
【0090】ここで、基準周波数発生回路31の出力信
号を
【数14】 選択スイッチ13の出力信号を
【数15】 (ただしA、B:振幅、φ1 、φ2 :位相、u:1、
2、……、K)とすると、バンドパスフィルタ34の出
力信号の位相θt は和成分であるから、 θt =2π{fC +f1 (u−1)}t+φ1 +φ2 ……(21) となる。
【0091】(20)式に示す信号は切換えにおいて位
相連続であり、uの数値は時刻t=0又はt=0から1
/f1 の間隔(切換えの最小間隔)ずつ隔った時刻にお
いてのみ変更され、φ1 は一定である。
【0092】(21)式においてt=L/f1 (ただし
L=0、1、2、……)なる周波数切換え時のバンドパ
スフィルタ34の出力信号の位相θL/f1は、
【数16】 となる。
【0093】ここで、2π(u−1)Lは2πの整数倍
であるから切換え時の位相θL/f1は、
【数17】 と等価になり、uの値の変化と無関係になり、またfC
/f1 は一定であるから、バンドパスフィルタ34の出
力信号は、周波数切換えにおける位相連続性を保存して
いる。
【0094】さらに、(23)式において、fC がf1
の整数倍である場合には、fC /f1 は整数となるか
ら、(23)式において2π(fC /f1 )Lは2πの
整数倍となる。従ってこの場合には、切換え時の位相θ
L/f1は θL/f1=φ1 +φ2 ……(24) と等価になる。即ち、周波数切換え時の前後の二つの周
波数の波形の連続点の位相が常に同一になるため、バン
ドパスフィルタ34の出力信号は、位相連続性の他に位
相再現性をも保存している。
【0095】これに対しfC がf1 の整数倍でない場合
には、(23)式において2π(fC /f1 )Lが2π
の整数倍とならない。このため、周波数切換え時の前後
の二つの周波数の波形の連続点の位相が常に△θL/f1
2π(fC /f1 )Lだけずれることになる。このた
め、バンドパスフィルタ34の出力信号は、位相連続性
のみを有し、位相再現性は有していない。
【0096】図12の(a)は(c)のタイミングで周
波数切換えされた波形で位相連続性と位相再現性の両方
を満足している場合のバンドパスフィルタ34の出力信
号の波形を示している。即ち、切換え時の波形の連続す
る時点S1 、S2 が同一位相となっている。
【0097】図12の(b)は同じく(c)のタイミン
グで周波数切換えされた波形で位相連続性のみ有し、位
相再現性を有しない場合を示している。即ち切換え時の
波形の連続する時点S1 、S2 の位相が異なっている。
【0098】バンドパスフィルタ34の出力は1/K分
周器35で1/K分周されるから、ローパスフィルタ3
6の出力周波数の位相θ′t は、(21)式から
【数18】 となる。従って、t=KL/f1 (ただしL=0、1、
2、……)なる時刻で周波数切換えを行なった場合のみ
【数19】 となり、fC /f1 が整数の場合には
【数20】 と等価になる。
【0099】この二つの式はそれぞれ前記した(2
3)、(24)と同じ意味となる。
【0100】即ち、バンドパスフィルタ34の出力信号
が位相連続性の他に位相再現性も有しているとき、切換
えタイミングがt=KL/f1 の場合には1/K分周器
35の出力信号において位相連続性及び位相再現性の両
方が保存される。この場合タイミングパルス発生手段1
2は1/Kの分周器を備えればよい。
【0101】これに対し、t=L/f1 なるタイミング
で切換えると、(25)式から、
【数21】 で表わされる位相△θ′L/f1だけずれる。このため位相
連続性は保存されても、位相再現性は保存されない。
【0102】図13は、図11に示す周波数合成手段を
複数個、縦続接続して、周波数の複数の桁をそれぞれ切
換えできるようにした直接周波数シンセサイザとして実
現した本発明の実施例を示している。図13において、
図11と同一部分には同一符号を付し、複数の部分には
サフィックス1、2、……をその符号に付する。
【0103】即ち、図11と同一構成のn個の周波数合
成手段371 〜37n が縦続接続されている。ただし最
終段の周波数合成手段37n は、1/K分周器とローパ
スフィルタが省略されていて、その出力は周波数変換回
路39へ出力される。
【0104】周波数変換回路39には、前記第1の基準
周波数発生手段4の基準発振器5の出力信号を受けて、
第4の基準周波数発生手段38が、第4の基準周波数f
C を出力する。
【0105】周波数変換回路39は、最終段の周波数合
成手段37n の出力周波数f0nと基準周波数発生手段3
8の出力周波数fC とを混合するミキサ40と、このミ
キサ40の出力から差の周波数を取り出すローパスフィ
ルタ41とを備えている。
【0106】このように周波数合成手段371 〜37n
を縦続接続した図13のシンセサイザは、第1、2、…
…n−1段目の各出力周波数f01、f02、……f0(n-1)
とすると、それぞれ1/K分周器351 、352 、……
35n-1 を備えているため、n=6、K=10、f1
0.1MHz、fC =45MHzに設定した場合を具体
的数字で示すと、 f01は4.50〜4.59(MHz) f02は4.500〜4.599(MHz) f0(n-1)は4.500000〜4.599999(MH
z) となる。
【0107】最終段の周波数合成手段37n の出力周波
数f0nは1/K分周されないので f0nは45.000000〜45.999999(MH
z) となる。
【0108】周波数変換回路39の出力周波数f0 は、
第4の基準周波数発生手段38からの基準周波数f
C (即ち45MHz)と前記f0nとの差であるからf0
は0.000000〜0.999999(MHz)、即
ち、0〜999999(Hz)となる。
【0109】従って、周波数合成手段371 、372
……、37n の選択スイッチ151、152 、……、1
n は、それぞれ下から1Hz、10Hz、……、10
0KHz桁の0〜9の切換えを果すことができる。
【0110】そして、各切換手段131 〜13n 、タイ
ミングパルス発生手段12、第2の基準周波数発生手段
1 〜7k の動作は図2の場合と同一であるから、各切
換手段131 〜13n の周波数切換えにおいて位相連続
となる。従って、図11の回路について説明したのと同
じ理由でf01の出力信号は、切換手段131 による周波
数切換え時にも位相連続となる。
【0111】同様に、f02、f03、……、f0nも切換え
ても位相連続は保たれる。同様にミキサ40を介した最
終出力f0 も位相連続性が保存されることになる。
【0112】第1段目の周波数合成手段371 の出力周
波数f01の位相再現性は、図11で説明したように、f
C がf1 の整数倍で且つ切換手段131 の切換えの周期
がT=KL/f1 である場合にのみ保存される。従っ
て、fC がf1 の整数倍であっても、最終段の選択スイ
ッチ15n 以外のすべての桁で0を選択した(即ち71
〜7k のうち、71 を選択)場合以外は、最終出力f0
の位相再現性は保存されない。
【0113】図14は、図13の直接周波数シンセサイ
ザに、さらにいくつかの構成を付加した本発明の実施例
を示している。
【0114】図14において、42は、制御回路44か
らの信号に基づいた分周比Sで1/S分周するプログラ
マブル分周器である。
【0115】43は、制御回路44からのモード指定に
応じて最終出力である周波数変換回路39の出力電圧が
特定の値、例えば0ボルトになったとき、あるいは出力
周波数f0 と外部からの基準周波数fS との位相差が特
定の値、例えばπ/2ラジアンになったときのいずれか
を選択して制御回路44へパルスを出力する位相比較器
である。
【0116】44は、周波数切換えにおいて最終出力f
0 の位相再現性が得られるようにプログラマブル分周器
42の分周比Sを後述する内容に従って指定する信号を
プログラマブル分周器42へ出力すると共に、位相比較
器43の動作モードを選択し、位相比較器43からのパ
ルス及びタイミングパルス発生回路26からのタイミン
グパルスを受けて周波数設定データを変更させる制御回
路である。
【0117】ここで、第1の基準周波数f1 を100K
Hz、第2の基準周波数f21、f22、……、f2kをそれ
ぞれ40.5MHz、40.6MHz、……、41.4
MHz、Kを10とし、選択スイッチ151 、152
……、15n による切換えの桁をそれぞれ1Hz、10
Hz、……、100KHzとする。
【0118】周波数変換回路39の出力周波数f0 を例
えば1KHzの整数倍に設定する場合、100Hz、1
0Hz、1Hz桁の周波数設定を全て零にする。
【0119】(イ)従ってf0 は1KHzの整数倍にな
る。このためこの出力周波数f0 は1KHzの周期の1
mS毎に必ず同じ位相となっている。(ロ)また、第2
の基準周波数f21、f22、……、f2kの位相が揃う周期
Tは
【数22】 である。
【0120】従って1KHzの周期1mSはTの整数倍
となっている。
【0121】この(イ)、(ロ)の二つのことから、出
力周波数f0 を最小の単位周波数1KHzで切換える場
合には、1KHzの周期1mSのタイミングで切換えれ
ば出力周波数f0 の信号は位相再現性も保有しているこ
とになる。即ち、この切換周期1mSは10μSの10
0倍であるから、プログラマブル分周器42の分周比S
を100にして1/100分周して、タイミングパルス
発生回路26から1/f1 の100倍の周期でタイミン
グパルスを発生すれば、出力信号f0 は位相連続性の他
に位相再現性も保存できるのである。従って、制御回路
44は、レジスタ141 〜14k に与える周波数設定デ
ータによって周波数切換えの最小の単位周波数を判断
し、この最小の単位周波数に対応した分周比Sを演算し
てプログラマブル分周器42へ出力する。
【0122】一般に、切換える最小の単位周波数をfp
とすると、位相再現性を満足させる切換えの周期Tm は Tm =1/fp ……(27) である。ここで、プログラマブル分周器42の分周比を
Sとすると、 Tm =S/f1 ……(28) で表わすこともできるから、(27)、(28)式から S=f1 /fp ……(29) となる。
【0123】従って制御回路44は、切換える最小の単
位周波数fp に応じて(29)式を演算してプログラマ
ブル分周器42の分周比Sを制御すれば、最終出力f0
は周波数切換えにおいて位相連続性の他に位相再現性も
満たしている。
【0124】即ち、位相連続性のみが要求される場合に
は、図15に短線で示す1/f1 の間隔でタイミングパ
ルスを発生すればよいが、位相再現性も要求される場合
は長線で示すS倍の間隔で行なうのである。
【0125】このように制御回路44とプログラマブル
分周器42との付加によって周波数変換回路39の出力
信号の位相再現性をも実現でき、例えば図3Bの(a)
に示すように周波数切換えにおける連続点はすべて同一
位相になっているが、この位相φは、周波数変換回路3
9のミキサ40への二つの入力信号(第4の基準周波数
発生手段38の出力信号と周波数合成手段37n の出力
信号)の位相差によって定まる。このため、例えば図1
6の(a)に示すように位相連続点Pは零ラジアンから
ずれる。
【0126】このような零ラジアンからずれた位相連続
点Pを例えば零ラジアンにして図16の(b)の如く調
整するには、次の手順で行なう。
【0127】まず、この調整を誤差を少なく行なうため
に周波数切換えの周期を最小にする。即ち、制御回路4
4によってプログラマブル分周器42の分周比Sを1に
し、T=1/f1 の周期で周波数切換えのためのタイミ
ングパルスを発生させる。また制御回路44から選択信
号を送って位相比較器43を周波数変換回路39の出力
電圧の零ボルトを検出するモードにする。
【0128】次に、制御回路44によって周波数設定デ
ータを、例えば1Hzにすると、次のタイミングパルス
で周波数切換えが行なわれて、周波数変換回路39の出
力周波数f0 は1Hzになる。
【0129】この周波数変換回路39の出力電圧を位相
比較器43で監視し、図17の(b)に示すように負電
圧から正電圧へ変換するときの0ボルトとなるときにパ
ルス(図17の(c)に示す)を出力する。制御回路4
4はこの位相比較器43のパルスによって周波数設定デ
ータを0Hzに変更する。この周波数設定データ0Hz
は次のタイミングパルス(図17の(a)に示す)によ
ってレジスタ14は書換えられ、出力周波数f0 は0H
zとなる。
【0130】このようにして調整を行なうが、図17か
ら明らかなように、周波数変換器出力が0ボルトとなっ
た後、次のタイミングパルスが生ずるまで最大1/f1
の遅延があり、またタイミングパルス出力後ローパスフ
ィルタ41の出力が変化するまでの遅延時間td が10
μS程度であるから、この遅延による最大位相誤差θe
【数23】 となる。(ただしfb :切換え前のローパスフィルタ4
1の出力周波数)従って、
【数24】 となり、極めて誤差は小さい。
【0131】次にこの位相を零ラジアンから任意の位相
に変更する場合を説明する。
【0132】t=1/f1 なる時間だけ周波数fb を発
生させると、その位相の変化量θbは、
【数25】 と表わすことができるので、必要な位相の変化量θb
要する周波数fb は(31)式から、
【数26】 となる。ここでf1 =100KHzの場合は、
【数27】 となる。周波数切換えの最小単位を1Hzとすると、 △θb =2π×10-5(ラジアン) の間隔で位相の調整ができる。
【0133】次に外部基準周波数fS に対する位相制御
について説明する。ここでfS は第1の基準周波数発生
手段4の基準発振器5と位相同期の関係にあるとする。
【0134】この外部基準周波数fS を位相比較器43
に加えてfS と周波数変換回路39の出力周波数f0
位相を比較する。
【0135】例えばf0 =fS に設定した場合には、f
0 の絶対位相を合わせる場合の0Hzと同様の操作とな
る。
【0136】fb の周波数を発生させるには、fS +f
b の周波数設定と読み替えればよい。
【0137】なお図14の実施例での周波数切換えにお
いて、切換える最小の単位周波数をfp とし、位相を任
意の量、例えばθm ラジアン単位で変化させたい場合に
は、 θm =2πfp m ……(34) を満足する周期Tm をタイミングパルスの周期とすれば
よい。
【0138】この周期Tm が、前記した位相連続性を満
足する最小の周期T=1/f1 の整数倍であれば、周波
数切換えにおいて位相が連続し且つθm ラジアン変化す
る。
【0139】このθm をπに設定して周波数を切換える
ように図14の実施例を適用すれば最小シフトキーイン
グ(MSK)変調が実現される。
【0140】図18はf1 (7KHz)とf2 (8KH
z)とをMSK変調した例を示すもので、切換え時をt
0 、t1 、t2 、……とすると、t1 でπラジアン位相
が変化し、t3 でもπラジアン変化した場合を示してい
る。この場合、周期Tm は(34)式より500μSで
ある。また(28)式より、プログラマブル分周器42
の分周比Sを求めると S=Tm ×f1 =500×10-6×100×103 =50 となる。
【0141】以上本発明の周波数シンセサイザの実施例
を説明したが、本発明は上記実施例のみの構成に限定さ
れるものではなく、各部の構成において種々の変更が可
能なことは勿論である。
【0142】
【発明の効果】以上説明したように本発明の周波数シン
セサイザでは、複数の第2の基準周波数発生手段から出
力する複数の第2の基準周波数信号を所定の周期で位相
が揃うようにすると共に、周波数設定データの変化があ
ると前記複数の第2の基準周波数信号の位相が次に揃う
時点まで遅延して位相が揃った時点で第2の基準周波数
信号の切換えを行なうようにしたから、周波数切換えに
おいて切換え前の信号と切換え後の信号とを位相連続に
することができる。
【0143】このため、従来の直接周波数合成法による
周波数シンセサイザの周波数切換えにおけるスプリアス
の発生を防ぐことができ、スプリアスによる様々な障害
を一挙に解決できる。従って、例えばこの周波数シンセ
サイザによる出力を測定などに用いた場合、高速切換え
を行なってもスプリアスによる測定不能時間がなくなり
高速測定が可能になり、通信などに用いた場合も通信不
能などの種々の障害をなくすことができる。また例えば
素粒子加速装置の励振用原発振器として用いた場合に装
置に損傷などを防ぐことができる。またFSK変調(Fr
equency shiftKeying) などの2周波数の位相連続の変
調波を簡単につくることができ、さらにMSK(Minimu
m shift Keying) 変調もできる。また医療用核磁気共鳴
装置に用いた場合に、位相の再現性に優れるため大幅な
性能向上を図ることができる。
【0144】このように高速切換え、高信号純度、高上
限周波数という特性を持つ直接周波数合成法による周波
数シンセサイザにおいて、周波数切換え時の位相連続性
を実現でき、さらには位相再現性をも実現できるため本
発明は極めて有益である。
【図面の簡単な説明】
【図1】従来の直接周波数合成法による信号発生器を示
す原理図である。
【図2】本発明の一実施例を示すブロック図である。
【図3A】図2の回路動作を示すタイムチャートであ
る。
【図3B】位相再現性を説明するためのタイムチャート
である。
【図4】遅延時間を考慮した図2の回路動作を示すタイ
ムチャートである。
【図5】時間誤差に対する位相誤差を示す図である。
【図6】第2の基準周波数発生手段の他の構成例を示す
ブロック図である。
【図7】第2の基準周波数発生手段の他の構成例を示す
ブロック図である。
【図8】第2の基準周波数発生手段の他の構成例を示す
ブロック図である。
【図9】本発明の他の実施例を示すブロック図である。
【図10】本発明の他の実施例を示すブロック図であ
る。
【図11】本発明の他の実施例を示すブロック図であ
る。
【図12】図11の回路における位相連続性と位相再現
性を説明するタイムチャートである。
【図13】本発明のさらに他の実施例を示すブロック図
である。
【図14】本発明のさらに他の実施例を示すブロック図
である。
【図15】位相連続性及び位相再現性を満足するための
タイミングパルス発生周期を示す図である。
【図16】周波数切換え時の初期位相の二つの例を示す
出力波形図である。
【図17】前記初期位相の制御方法を示すタイムチャー
トである。
【図18】MSK変調を示す出力波形図である。
【符号の説明】
4 第1の基準周波数発生手段 5 基準発振器 6 基準周波数発生回路 71 〜7k 第2の基準周波数発生手段 12 タイミングパルス発生手段 13 切換手段 14 レジスタ 15 選択スイッチ 191 〜19k サンプリングPLL 201 〜20k 1/M分周器 21 1/M分周器 22 タイミングパルス発生回路 23 コンパレータ 24 選択回路 25 同期回路 26 タイミングパルス発生回路 31 第3の基準周波数発生手段 32 周波数合成回路 321 〜32n 周波数合成回路 33 ミキサ 331 〜33n ミキサ 34 バンドパスフィルタ 341 〜34n バンドパスフィルタ 35 1/K分周器 351 〜35n-1 1/K分周器 36 ローパスフィルタ 361 〜36n-1 ローパスフィルタ 37 周波数合成手段 371 〜37n 周波数合成手段 38 第4の基準周波数発生手段 39 周波数変換回路 40 ミキサ 41 ローパスフィルタ 42 プログラマブル分周器 43 位相比較器 44 制御回路
【手続補正書】
【提出日】平成3年2月18日
【手続補正2】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正内容】
【書類名】 明細書
【発明の名称】 周波数シンセサイザ
【特許請求の範囲】
【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は連続した位相で周波数を
切換えられるようにした周波数シンセサイザに関する。
【0002】
【従来の技術及び解決すべき課題】周波数合成法の基本
技術として広く知られる直接周波数合成法(Direct Fre
quency Synthesis)は、上限周波数が高いこと、高信号
純度であること及び高速周波数切換えが可能であること
などの多くの長所を持つが、その反面、周波数切換え時
の位相制御が困難という大きな欠点を有している。
【0003】図1はこの直接周波数合成法による従来の
信号発生器の最も簡単な構成例を示している。図中、A
1 、A2 、……、Ak は第1の基準周波数f1 を受けて
それぞれ異なる整数倍の第2の周波数f21、f22、…
…、f2kを出力する複数の第2の基準周波数発生器であ
る。1は選択スイッチで、外部からの周波数設定データ
の変更があると、第2の基準周波数f21、f22、……、
2kのいずれか1つを選択して切換える。選択スイッチ
1で選択されたいずれか1つの第2の基準周波数は第3
の基準周波数f3 とミキサ2で混合され、和(又は差)
の周波数がバンドパスフィルタ3から出力される。
【0004】しかしながら、かかる構成の従来の信号発
生器では、K個の第2の基準周波数f21、f22、……、
2kの位相が揃っていない。
【0005】また周波数設定データの変更は基準周波数
発生器とは全く無関係に発生し、この周波数設定データ
変更を選択スイッチ1へ伝えるディジタル回路は、切換
速度が最大の課題であるがために、最小の遅延時間とな
るように設計されるのが一般的である。このため、選択
スイッチ1が動作する切換えのタイミングは、基準周波
数発生器とは全く無関係であり、選択されるK個の第2
の基準周波数信号の相互の位相とも無関係である。
【0006】従って、周波数切換えにおいて、切換え前
の基準周波数の最後の位相と切換え後の基準周波数の最
初の位相は不連続となる。この切換えによる位相の乱れ
は、バンドパスフィルタ3や後続のローパスフィルタ
(図示せず)などの帯域制限デバイスを通過することに
よって一層、乱れている時間が増大する。この結果、選
択スイッチ1の切換動作のスタートから、切換えによっ
て選択された新たな周波数の出力信号が最終位相に落ち
着くまで長時間を要することになる。
【0007】このように出力信号の位相が長時間にわた
って乱れることは、その間、信号が深い位相変調をかけ
られているのと等価であり、この位相が落ち着くまでの
間、キャリヤのサイドバンドには大きな無数のスプリア
スが生じる。
【0008】このように直接周波数合成法による従来の
信号発生器では、周波数切換え時に位相が不連続となり
大きなスプリアスが長時間生じる。このため、従来のこ
のような信号発生器を頻繁に周波数を切換える用途に用
いる場合、このスプリアスが大きな障害となる。
【0009】従って、例えばスペクトルアナライザやネ
ットワークアナライザなどの周波数選択性をもったシス
テムの信号源又はローカル発生器として用いた場合、ス
プリアスは大きな測定誤差の原因となるため測定不能の
時間帯が生じて、高速測定が不可能であった。また衛星
通信装置にする場合、スプリアスがあると通信不能とな
る。また、素粒子加速装置の励振用原発振器として用い
る場合、周波数を微調整する際に、位相の不連続は、装
置の損傷や加速停止の原因となる。
【0010】このような直接周波数合成法の欠点を解決
して位相が周波数切換えにおいて連続するようにしたも
のとして、直接ディジタルシンセサイザが存在する。
【0011】即ち、直接ディジタルシンセサイザは、位
相情報をROMに記憶させておき、所定のクロック信号
により読出してD/Aコンバータによって電圧に変換す
ることによって所定の周波数の正弦波を得るものであ
る。そして、クロックによる読出しの周期を変えること
によって出力周波数を可変にすることができる。
【0012】しかし、直接ディジタルシンセサイザで
は、ディジタル処理の速度及びビット数がIC技術に依
存するため、前記の直接周波数合成法による信号発生器
に比べて著しく低い上限周波数しか得られず、また高信
号純度も得られない。
【0013】以上のような事情から、高速切換え、高信
号純度、高上限周波数などの長所を備えた直接周波数合
成法による周波数シンセサイザにおいて、周波数切換え
時に位相連続を実現することが、従来から強く要望され
ていた。
【0014】本発明は上記の事情に鑑みてなされたもの
であって、周波数切換えにおいて位相連続の信号が得ら
れるようにした直接周波数合成法による周波数シンセサ
イザを提供することを目的としている。さらにまた、本
発明は位相連続性だけでなく、後述する位相再現性など
をも満足するようにした直接周波数合成法による周波数
シンセサイザを提供することを目的としている。
【0015】
【実施例】下、図面に基づいて本発明の実施例を説明
する。
【0016】図2は本発明の実施例を示すブロック図で
ある。
【0017】同図において、4は第1の基準周波数発生
手段であって、高安定の水晶発振器などによる基準発振
器5と、この発振信号を受けて第2の基準周波数発生手
段71 〜7k へ第1の基準周波数f1 を出力する基準周
波数発生回路6とによって構成されている。この第1の
基準周波数信号は矩形波信号で、K個の第2の基準周波
数発生手段71 、72 、……、7k の各出力信号の位相
を揃えるための基準時刻信号の役割をも果す。
【0018】71 、72 、……、7k は、前記第1の基
準周波数f1 に基づいた所定の周期Tで位相が揃うそれ
ぞれ異なる周波数f21、f22、……、f2kの信号を発生
する第2の基準周波数発生手段である。即ち、第2の基
準周波数発生手段71 、72 、……、7k の各出力信号
は、時刻t(t:0、T、2T、3T、……)において
位相が同一位相φとなる信号Asin(ω1 t+φ)、
Asin(ω2 t+φ)、………、Asin(ωk t+
φ)で表すことができる(ただしA:振幅、ω 1
ωk :角周波数、ω1 =2πf21、ω2 =2πf22、…
…、ωk =2πf2k ……(1)である)。
【0019】第2の基準周波数発生手段71 〜7k は上
記の信号を得るため、例えば図に示すサンプリングP
LLによって構成することができる。
【0020】図において、81 〜8k は第1の基準周
波数f1 の矩形波の立下りのエッジでサンプリングパル
スを出力する微分回路、91 〜9k は電圧制御発振器1
1 〜11k からの被サンプリング信号をサンプリング
するサンプルホールド回路、101 〜10k はサンプル
ホールド回路91 〜9k の出力信号から不要部分を除去
しループの特性を決めるループフィルタ、111 〜11
k は第1の基準周波数f1 のそれぞれN1 〜Nk 倍の固
定の周波数f21〜f2k=N1 ・f1 〜Nk ・f1 を出力
する電圧制御発振器である(N1 、N2 、……、Nk
整数)。
【0021】このように構成したので、第1の基準周波
数f1 の矩形波信号の立下りのエッジで、全部の微分回
路81 〜8k から同時にサンプリングパルスが出力さ
れ、各サンプルホールド回路91 〜9k ではそれぞれ異
なる周波数の電圧制御発振器111 〜11k からの被サ
ンプリング信号を同時にサンプリングする。
【0022】サンプルホールド回路91 〜9k の直流電
圧信号はループフィルタ101 〜10k を介して電圧制
御発振器111 〜11k に制御信号として供給される。
この直流電圧信号は被サンプリング信号のサンプルホー
ルド時の電圧に対応するから、ループフィルタ101
10k の出力によって、被サンプリング信号の位相が同
一位相φとなるように制御する。
【0023】このため、電圧制御発振器111 〜11k
の出力信号の周波数f21、f22、……、f2kがそれぞれ
1 1 、N2 1 、……、Nk 1 より低い場合には
高くなるように、高い場合には低くなるように制御す
る。この結果、各電圧制御発振器111 〜11k の出力
周波数f21〜f2kはN1 1 〜Nk 1 となり、サンプ
リング時点でf21〜f2kの位相は全て揃うことになる。
【0024】このようにサンプルホールド回路91 〜9
k は整数倍(N1 、N2 、……、Nk )の比率の2入力
周波数の位相検波器の役割を果して、第2の基準周波数
発生手段71 〜7k からは第1の基準周波数f1 に基づ
いた所定の周期で同一位相φとなる異なる周波数f21
2kの第2の基準周波数が出力される。
【0025】50は、周波数設定データ変化後あるいは
周波数切換信号を受けた後第1の基準周波数f1 に基づ
いて、複数の第2の基準周波数信号の位相が一致する時
刻に、後述するレジスタ14にタイミングパルスを、第
1の基準周波数f1 に基づいて出力するタイミングパル
ス発生手段である。このタイミングパルス発生手段50
は図3に示すように、後述するレジスタ14へ入力され
る周波数設定データとレジスタ14の出力側の周波数デ
ータとを比較し、両者が不一致になったときに不一致信
号を出力するコンパレータ51と、選択信号によって前
記コンパレータ23からの不一致信号又は外部からの周
波数切換要求のいずれかを選択して周波数切換指令信号
を生じる選択回路52と、この周波数切換指令信号を受
けた後、第1の基準周波数f1 に同期したパルスを1つ
出力する同期回路53と、このパルスを受けるとレジス
タ14へタイミングパルス(同期回路53のパルス幅を
さらに細くしたパルス)を出力してレジスタ14のデー
タを書換えさせると共に、外部へ周波数切換タイミング
を知らせる信号を出力するタイミングパルス発生回路5
4と、遅延回路55とを備えている。なお遅延回路55
は第1の基準信号発生手段4からレジスタ14の間のど
こに入っていてもよい。同期回路53は例えばパルスシ
ンクロナイザ及びこれを制御するDフリップフロップな
どで構成されている。
【0026】複数の第2の基準周波数信号の位相が一致
する周期は、各周波数f21、f22、……、f2kについて
の(K−1)組の隣り合う二周波数の差周波数(オフセ
ット周波数を用いることができるため)の最大公約数と
なる周波数の逆数である。
【0027】従ってタイミングパルスは、この逆数(又
はその整数倍)の周期で発生すればよい。
【0028】これを、
【数1】 (ただしT:周期、|fi+1 −fi |gcd :第2の基準
周波数f21、f22、……、f2kについての(K−1)組
の隣り合う二周波数の差周波数の最大公約数、i:1、
2、……、K−1、L:1、2、……)と表すと、
21、f22、……、f2kは前記したようにそれぞれN1
1 、N2 1 、……、Nk 1 であるから、
【数2】 となる(ただし|Ni+1 −Ni |gcd はN1 、N2 、…
…、Nk についての(K−1)組の隣り合う二つの数値
の差の最大公約数)。
【0029】従って、|Ni+1 −Ni |gcd が1の場合
には、 T=L/f1 となる。
【0030】最小の周期はL=1のときであるから、 T=1/f1 の周期、即ち、第1の基準周波数の矩形波の周期に一致
する。従って、この場合は、第1の基準周波数f1 の矩
形波信号の立下りのエッジごとにタイミングパルスを出
力する。
【0031】13は外部からの周波数設定データに応じ
てK個の第2の基準周波数発生手段71 〜7k の出力信
号のいずれか1つを選択して切換えて出力する切換手段
である。切換手段13は、外部からの周波数設定データ
が変化すると、前記タイミングパルス発生手段50から
のタイミングパルスを受けた時点で周波数設定データを
書換えるレジスタ14と、このレジスタ14からの周波
数データに基づいてK個の第2の基準周波数発生手段7
1 〜7k の出力信号のうちの周波数設定データに対応し
た1つを選択切換えして出力する選択スイッチ15とに
よって構成されている。
【0032】図2において、31は第1の基準周波数発
生手段4の基準発振器5の出力信号を受けて第3の基準
周波数を周波数合成回路32へ出力する第3の基準周波
数発生手段である。
【0033】周波数合成回路32は、第3の基準周波数
発生手段31から出力された第3の基準周波数と選択ス
イッチ15から出力された第2の基準周波数発生手段7
1 〜7k からの第2の基準周波数f21〜f2kのいずれか
1つの周波数とを混合するミキサ33と、ミキサ33の
出力から和(又は差)の周波数を選択するバンドパスフ
ィルタ34と、バンドパスフィルタ34の出力を1/K
に分周する1/K分周器35と、1/K分周器35の出
力から高調波成分を除去するローパスフィルタ36とを
備えている。この周波数合成回路32と切換手段13と
によって、周波数合成手段37が構成されている。
【0034】次に図2、3に示した実施例の動作を説
する。
【0035】第1の基準周波数発生手段4は矩形波の第
1の基準周波数f1 を出力する(図Aの(a)に示
す)。第2の基準周波数発生手段71 〜7k の全ての微
分回路81 〜8k は、矩形波の立下りのエッジで同時に
サンプリングパルスを出力する(図Aの(b)に示
す)。
【0036】第2の基準周波数発生手段71 〜7k から
はそれぞれ周波数が異なる正弦波の第2の基準周波数信
号が出力される。図Aの(c)、(d)、(e)は、
それぞれ第2の基準周波数発生手段71 、72 、7k
第2の基準周波数f21、f22 、f2kの出力信号を示して
いる。第2の基準周波数f21〜f2kは前記したように、
サンプリング時において位相が揃っている。
【0037】周波数設定データが変わると、コンパレー
タ51からの不一致信号又は周波数切換要求のいずれか
によって、選択回路52から同期回路53へ出力を生じ
る。同期回路53は通常は第1の基準周波数f1 の矩形
波信号の通過を阻止しており、選択回路52からの出力
を受けるとこの矩形波信号立下りのエッジで1つのパル
スを出力する。タイミングパルス発生回路54は、同期
回路53のパルス幅をさらに細くしたタイミングパルス
を出力する(図4Aの(g)に示す)。
【0038】タイミングパルスがレジスタ14に入力す
ると、このタイミングパルス入力前に図Aの(f)に
示すようにPの時点で周波数設定データが変化している
場合には、レジスタ14は周波数データを書換える。即
ち、周波数データがPの時点で変化しても、レジスタ1
4はその後にタイミングパルスが入力するQの時点まで
待機して書換えを行なう。
【0039】選択スイッチ15は、書換えられた後のレ
ジスタ14の周波数データに応じて、K個の第2の基準
周波数発生手段71 〜7k の出力のうち1つに切換えて
出力する。
【0040】このように周波数切換えは、設定データの
変化があっても、次にK個の第2の基準周波数の位相が
すべて揃う時点まで待って行なわれるから、切換え前の
信号と切換え後の信号とは、位相が連続している。図
Aの(i)は一例としてf21 からf2kへ切換えられた場
合の切換手段13の出力信号を示している。
【0041】このように本実施例では、出力信号は周波
数切換えにおいて位相連続性を有しているが、この他
に、次のことも言える。
【0042】即ち、図Bの(a)に示すように、例え
ば時刻t1 においてf→f′、時刻t2 においてf′→
f″に周波数を切換え、次に時刻t3 においてf″→
f′と再びf′に切換えた場合、周波数f′の信号は図
Bの(b)に示すようにf′が継続して出力された場
合と同じ位相であるのは勿論であるが、周波数切換えに
おける位相連続点Pの位相(切換え時の初期位相)が、
他の位相連続点P′、P″と同一となっている(これを
位相再現性と記す。)。従って本実施例の切換手段13
からの出力信号は、周波数切換えにおいて、位相連続性
の他に位相再現性も具有している。
【0043】なお、以上の動作説明では各出力の遅延時
間を無視したが、極めて高い周波数帯域では、各信号の
遅延時間が考慮されなければならない。次にこのことに
ついて図を用いて説明する。
【0044】即ち、第1の基準周波数f1 の矩形波信号
(図の(a)に示す)の立下りからサンプリングパル
ス(図の(b)に示す)のサンプルホールド回路への
入力時までの遅延時間をτ1 、電圧制御発振器111
11k の出力時からサンプルホールド回路91 〜9k
入力するまでの時間をτ2 、サンプリングパルスの幅を
s とすると、サンプリングパルスの終了時に被サンプ
リング信号(図の(c)にその1つである111 から
の被サンプリング信号を示す)の位相が全て同一の位相
φとなる。この位相φは、各電圧制御発振器111 〜1
k に適当なプリセット電圧を与えるか、あるいはルー
プフィルタ101 〜10k としてアクティブフィルタを
用いることにより、零ラジアン又はπラジアンとするこ
とができる。
【0045】即ち、電圧制御発振器111 〜11k の出
力f21〜f2kの位相は、サンプリング終了時より時間τ
2 だけ進んでいる。図の(d)はその1つであるf21
の出力信号を示している。
【0046】電圧制御発振器111 〜11k からの出力
時から選択スイッチ15に入力するまでの時間をτ3
すると、選択スイッチ15への入力信号(例としてf21
とf2kを示す)は図の(e)、(f)の如く位相が遅
れる。(e)はf21、(f)はf2kについて示してい
る。
【0047】また、第1の基準周波数f1 の立下りから
タイミングパルス発生手段50のタイミングパルスがレ
ジスタ14に入力するまでの遅延時間をτ4 とする(図
の(g)に示す)。タイミングパルス入力時から選択
スイッチ15へレジスタ14からの出力するまでの遅延
時間をτ5 とする。
【0048】以上の如き各遅延時間を考慮して、(h)
に示すレジスタ出力の時点を、(e)、(f)に示す選
択スイッチ15への第2の基準周波数入力の位相の揃う
時点にほぼ一致させた場合に最も理想的な位相連続が得
られる。
【0049】即ち、 τ1 +ts −τ2 +τ3 =τ4 +τ5 ……(2) の条件に近づくように各回路素子の遅延時間を調整する
ことが望ましい。
【0050】次に、この(2)式が成立しない場合に生
ずる位相誤差について説明する。
【0051】例として第2の基準周波数f21からf2k
切換える場合を説明する。前記したように、 f21=N1 ×f1 ……(3)、 f2k=Nk ×f1 ……(4) であるから、f21、f2kの位相θ21、θ2kは、(1)式
より θ21=2πf21t+φ……(5) θ2k=2πf2kt+φ……(6) となる。
【0052】f21とf2kの位相差を△θとすると、 △θ=θ2k−θ21=2π(f2k−f21)t……(7) (3)、(4)、(7)式から △θ=2πf1 (Nk −N1 )t……(8) となる。
【0053】従って、t=0の次のサンプリング点、即
ち、時間T(T=1/f1 )後には △θ=2π(Nk −N1 )……(9) となり、f21、f2kの第1の周波数f1 に対するてい倍
数(N1 、Nk )の差の同期だけ、位相差△θは回転す
る。即ち、T=1/f1 のときもf21とf2kは同一位相
φとなる。
【0054】ここで(2)式の左辺と右辺とが一致せ
ず、時間のずれ△tがあると、両信号f21とf2kの位相
差△θは(8)、(9)式から、
【数3】 となる。
【0055】図は図の(h)に示すレジスタ出力時
と図(e)、(f)に示す同一位相時との時間誤差△
tに対するf21とf2kの位相誤差△θの特性、即ち(1
0)式を表している。ここでf1 =1MHz、Nk −N
1 =10とすると、 △θ=2π×107 △t となる。従って例えば△t=1nsの場合は、 △θ=2π×10-2(ラジアン) となる。従って、この程度の位相のずれは無視できる程
度であり、位相の連続性は保証されていると言えるが、
更に厳密な位相の連続性を必要とするために、遅延回路
55の遅延時間を調整して、△tを零に近づけるよう
τ 4 を設定すればよい。
【0056】なお、図に示した第2の基準周波数発生
手段71 〜7k ではサンプルホールド回路を用いた場合
を説明したが、図に示すように1/N分周器16、位
相検波器17を用いた1/N位相同期ループを構成して
もよい。
【0057】このように構成すると、微分回路8と1/
N分周器16からの両入力の位相が一致するように位相
検波器17から制御電圧が出力され、第1の基準周波数
をN倍した第2の基準周波数信号が得られる。このよう
に構成したK個の第2の基準周波数発生手段から出力さ
れる異なる周波数の出力信号は、第1の基準周波数f1
に基づいて微分回路81 〜8k の出力で位相比較されて
いるから、図の場合と同様にK個の第2の基準周波数
は第1の基準周波数f1 に対応する周期で位相が揃って
いる。
【0058】なお、位相検波器17には、位相誤差を少
なくするためチャージポンプの機能を持ったものを用い
るのがよい。なお、微分回路8を省略することもでき
る。
【0059】また、図に示した第2の基準周波数発生
手段71 〜7k において、図又は図に示すように、
PLLループ内又は電圧制御発振器の出力側にミキサ1
8を含んだ構成にした場合にも、所定の周期で位相が揃
った第2の基準周波数を得ることができる。
【0060】即ち、ミキサ18に外部から供給される周
波数をfR とすると、図の場合、(図の第2の基準
周波数がf21であるとすると) f21−fR =N1 1 即ち f21=N1 1 +fR である。
【0061】従って二つの第2の基準周波数、例えばf
21、f2kの位相θ21、θ2kは θ21=2π(N1 1 +fR )t+φ θ2k=2π(Nk 1 +fR )t+φ である。従って両者の位相差△θは △θ=2πf1 (Nk −N1 )t……(11)となる。
(11)式は外部からの周波数fR とは無関係で前記し
た(8)式と同一であり、従って図の場合と同様、K
個の第2の基準周波数f21〜f2kは所定周期で位相が揃
った信号となる。
【0062】図の場合には、 f21=N1 1 +fR となり、同じく(11)式となるから同様である。
【0063】図10は第2の基準周波数発生手段71
k に、図に示したのと同一構成のサンプリングPL
L191 〜19k の他に1/M分周器201 〜20k
含む場合を示している。
【0064】前記したのと同一のサンプリングPLL1
1 〜19k の出力信号が1/M分周されるから、1/
M分周器201 、202 、……、20k は後述するタイ
ミングパルス発生回路22の出力信号により、その出力
信号がそれぞれ、
【数4】 で表すことができるようにリセットされているので時刻
t(t:0、MT、2MT、3MT、……)で同一位相
φ/Mとなる。
【0065】このように構成した場合には、第2の基準
周波数f31〜f3k(分周器201 〜20k の出力周波
数)は、サンプリングPLL191 〜19k の出力周波
数f21 〜f2kの1/Mとなるので、前記1/M分周器2
1 〜20k と同一の分周比の1/M分周器21を設け
て、タイミングパルス発生手段50へ入力する基準周波
数信号の周期を図の場合のM倍にする。第2の基準周
波数発生手段71 〜7k 内の1/M分周器201 〜20
k は一般的な高速ディジタルICで構成され、サンプリ
ングPLL191 〜19k の位相が揃う時点(図
(e)、(f)の・点)からカウント動作を行なうため
のものである。
【0066】タイミングパルス発生手段50は、すべて
の1/M分周器201 〜20k の出力信号が所定の周期
で同一位相となるように、パスを全ての1/M分周器
201 〜20k へ同時に出力して、1/M分周器201
〜20k を所定の出力データ(例えば零)にする。
【0067】即ち、1/M分周器201 〜20k のうち
のある任意のものを20u とし、その出力周波数をf3u
とすると、f3uの信号の位相θ3u
【数5】 となる。(v:0、1、2、……、M−1、f2uはサン
プリングPLL191 〜19k の出力周波数f21〜f2k
のうちのf3uに対応したもの)
【0068】従って、t=0なる時刻に1/M分周器2
1 〜20k の出力データが同一となるようにタイミン
グパルス発生手段50らパルスを加えると、(12)
式において全てのuに対してvは一定値であるため、f
31〜f3kkの位相θ31〜θ3k は全て2π(V/M)と同
一となり、t=0で位相差は全て0ラジアンとなる。こ
のパルスは1/M分周器201 〜20k をイニシヤライ
ズするためであるから、電源投入時に1回発生すればよ
い。
【0069】t=0の次にf31〜f3kのK個の1/M分
周器201 〜20k の出力信号が再び同一位相となる時
間t′を求めると以下のようになる。
【0070】(12)式において、全てのuに対して、
vは同一であるから、1/M分周器201 〜20k の周
波数f31〜f3kのうち任意の周波数f3uとf3wの位相差
△θuw
【数6】 となる。 f2u=Nu 1 、f2w=Nw 1 であるから、
【数7】 (13)式において△θuw=2πとおくと、
【数8】 となる。全てのuとwについて(14)式において最大
のものが求めるt′となる。
【0071】一般にNu とNw の差の最大公約数(N1
〜Nk のすべての組合せにおける差の最大公約数)は1
である。従って t′=M/f1 ……(15) となり、第図の場合のM倍の周期で1/M分周器20
1 〜20k の出力信号の位相は一致することになる。
【0072】上記最大公約数が1以外に存在し、それを
M とすると、
【数9】 となる。
【0073】(15)及び(16)式に示す周期のタイ
ミングは、第1の基準周波数発生手段4からの周波数f
1 によって、タイミングパルス発生手段50で容易につ
くることができる。即ち、M/f1 の場合は1/M分周
器21の出力から得られ、M/(f1 ×NM )の場合
は、1/M分周の代りにNM /M分周をすれば得られ
る。
【0074】このようにして得たタイミングパルス発生
手段50からのタイミングパルスを切換手段13へ入力
すれば、図の場合と同様に、周波数が位相連続性及び
位相再現性の双方を満足して切換えられる。
【0075】なお、図を用いて各部の信号の遅延につ
いて説明したが、図10の回路においては、さらに1/
M分周器201 〜20k の出力の遅延時間、1/M分周
器201 〜20k へのタイミングパルス発生回路22か
らのリセットパルスあるいはロードパルスのパルス幅な
どを考慮して、図の場合と同様に切換タイミングが第
2の基準周波数信号の同一位相に揃う時点に一致するよ
うに、遅延時間の調整を行なえばよい。
【0076】なお、図10の実施例では1/M分周器2
1 〜20k の出力周波数f31〜f3kのみを切換手段1
3に入力する場合を説明したが、この切換手段13の他
にサンプリングPLL191 〜19k の出力周波数f21
〜f2kを切換える切換手段(図示せず)を設け、タイミ
ングパルス発生手段50からのタイミングパルスで切換
え出力させることもできる。そして、この図示しない切
換手段から出力される周波数も、位相連続性及び位相再
現性の双方を満足している。
【0077】お図に示すように第1の基準周波数を
外部へ同期用に出力している。
【0078】このようにして、図2の選択スイッチから
出力される出力信号はミキサ33へ入力し、第3の基準
周波数発生手段31からの第3の基準周波数と混合され
る。
【0079】3の基準周波数発生手段31からの第3
の基準周波数をfC /K、第2の基準周波数発生手段7
1 、72 、73 、……、7k からの第2の基準周波数f
21、f22、f23、……、f2k
【数10】 に設定すると、バンドパスフィルタ34からの出力周波
数fは
【数11】 となる。(ただしu:1、2、……、K)この周波数は
1/K分周器35で1/Kに分周されて、ローパスフィ
ルタ36の出力周波数f0
【数12】 となる。
【0080】従って、例えばfC =45MHz、f1
0.1MHz、K=10とすると(18)式は
【数13】 となり、選択スイッチ15の切換えによって0.01M
Hzきざみでローパスフィルタ36の出力周波数は切換
えられる。
【0081】こで、基準周波数発生回路31の出力信
号を
【数14】 選択スイッチ13の出力信号を
【数15】 (ただしA、B:振幅、φ1 、φ2 :位相、u:1、
2、……、K)とすると、バンドパスフィルタ34の出
力信号の位相θt は和成分であるから、 θt =2π{fC +f1 (u−1)}t+φ1 +φ2 ……(21) となる。
【0082】(20)式に示す信号は切換えにおいて位
相連続であり、uの数値は時刻t=0又はt=0から1
/f1 の間隔(切換えの最小間隔)ずつ隔った時刻にお
いてのみ変更され、φ1 は一定である。
【0083】(21)式においてt=L/f1 (ただし
L=0、1、2、……)なる周波数切換え時のバンドパ
スフィルタ34の出力信号の位相θL/f1は、
【数16】 となる。
【0084】ここで、2π(u−1)Lは2πの整数倍
であるから切換え時の位相θL/f1は、
【数17】 と等価になり、uの値の変化と無関係になり、またfC
/f1 は一定であるから、バンドパスフィルタ34の出
力信号は、周波数切換えにおける位相連続性を保存して
いる。
【0085】さらに、(23)式において、fC がf1
の整数倍である場合には、fC /f1 は整数となるか
ら、(23)式において2π(fC /f1 )Lは2πの
整数倍となる。従ってこの場合には、切換え時の位相θ
L/f1は θL/f1=φ1 +φ2 ……(24) と等価になる。即ち、周波数切換え時の前後の二つの周
波数の波形の連続点の位相が常に同一になるため、バン
ドパスフィルタ34の出力信号は、位相連続性の他に位
相再現性をも保存している。
【0086】これに対しfC がf1 の整数倍でない場合
には、(23)式において2π(fC /f1 )Lが2π
の整数倍とならない。このため、周波数切換え時の前後
の二つの周波数の波形の連続点の位相が常に△θL/f1
2π(fC /f1 )Lだけずれることになる。このた
め、バンドパスフィルタ34の出力信号は、位相連続性
のみを有し、位相再現性は有していない。
【0087】図1の(a)は(c)のタイミングで周
波数切換えされた波形で位相連続性と位相再現性の両方
を満足している場合のバンドパスフィルタ34の出力信
号の波形を示している。即ち、切換え時の波形の連続す
る時点S1 、S2 が同一位相となっている。
【0088】図1の(b)は同じく(c)のタイミン
グで周波数切換えされた波形で位相連続性のみ有し、位
相再現性を有しない場合を示している。即ち切換え時の
波形の連続する時点S1 、S2 の位相が異なっている。
【0089】バンドパスフィルタ34の出力は1/K分
周器35で1/K分周されるから、ローパスフィルタ3
6の出力周波数の位相θ′t は、(21)式から
【数18】 となる。従って、t=KL/f1 (ただしL=0、1、
2、……)なる時刻で周波数切換えを行なった場合のみ
【数19】 となり、fC /f1 が整数の場合には
【数20】 と等価になる。
【0090】この二つの式はそれぞれ前記した(2
3)、(24)と同じ意味となる。
【0091】即ち、バンドパスフィルタ34の出力信号
が位相連続性の他に位相再現性も有しているとき、切換
えタイミングがt=KL/f1 の場合には1/K分周器
35の出力信号において位相連続性及び位相再現性の両
方が保存される。従って、図2に示すタイミングパルス
発生手段50に1/Kの分周器を設ける
【0092】これに対し、t=L/f1 なるタイミング
で切換えると、(25)式から、
【数21】 で表わされる位相△θ′L/f1だけずれる。このため位相
連続性は保存されても、位相再現性は保存されない。
【0093】図1は、図に示す周波数合成手段を複
数個、縦続接続して、周波数の複数の桁をそれぞれ切換
えできるようにした直接周波数シンセサイザとして実現
した本発明の他の実施例を示している。図1におい
て、図と同一部分には同一符号を付し、複数の部分に
はサフィックス1、2、……をその符号に付する。
【0094】即ち、図と同一構成のn個の周波数合成
手段371 〜37n が縦続接続されている。ただし最終
段の周波数合成手段37n は、1/K分周器とローパス
フィルタが省略されていて、その出力は周波数変換回路
39へ出力される。
【0095】周波数変換回路39には、前記第1の基準
周波数発生手段4の基準発振器5の出力信号を受けて、
第4の基準周波数発生手段38が、第4の基準周波数f
C を出力する。
【0096】周波数変換回路39は、最終段の周波数合
成手段37n の出力周波数f0nと基準周波数発生手段3
8の出力周波数fC とを混合するミキサ40と、このミ
キサ40の出力から差の周波数を取り出すローパスフィ
ルタ41とを備えている。
【0097】このように周波数合成手段371 〜37n
を縦続接続した図1のシンセサイザは、第1、2、…
…n−1段目の各出力周波数f01、f02、……f0(n-1)
とすると、それぞれ1/K分周器351 、352 、……
35n-1 を備えているため、n=6、K=10、f1
0.1MHz、fC =45MHzに設定した場合を具体
的数字で示すと、 f01は4.50〜4.59(MHz) f02は4.500〜4.599(MHz) f0(n-1)は4.500000〜4.599999(MH
z) となる。
【0098】最終段の周波数合成手段37n の出力周波
数f0nは1/K分周されないので f0nは45.000000〜45.999999(MH
z) となる。
【0099】周波数変換回路39の出力周波数f0 は、
第4の基準周波数発生手段38からの基準周波数f
C (即ち45MHz)と前記f0nとの差であるからf0
は0.000000〜0.999999(MHz)、即
ち、0〜999999(Hz)となる。
【0100】従って、周波数合成手段371 、372
……、37n の選択スイッチ151 、152 、……、1
n は、それぞれ下から1Hz、10Hz、……、10
0KHz桁の0〜9の切換えを果すことができる。
【0101】そして、各切換手段131 〜13n 、タイ
ミングパルス発生手段12、第2の基準周波数発生手段
1 〜7k の動作は図2の場合と同一であるから、各切
換手段131 〜13n の周波数切換えにおいて位相連続
となる。従って、図の回路について説明したのと同じ
理由でf01の出力信号は、切換手段131 による周波数
切換え時にも位相連続となる。
【0102】同様に、f02、f03、……、f0nも切換え
ても位相連続は保たれる。同様にミキサ40を介した最
終出力f0 も位相連続性が保存されることになる。
【0103】第1段目の周波数合成手段371 の出力周
波数f01の位相再現性は、図で説明したように、fC
がf1 の整数倍で且つ切換手段131 の切換えの周期が
T=KL/f1 である場合にのみ保存される。従って、
C がf1 の整数倍であっても、最終段の選択スイッチ
15n 以外のすべての桁で0を選択した(即ち71 〜7
k のうち、71 を選択)場合以外は、最終出力f0 の位
相再現性は保存されない。
【0104】図1は、図1の直接周波数シンセサイ
ザに、さらにいくつかの構成を付加した本発明の他の
施例を示している。
【0105】図1において、42は、制御回路44か
らの信号に基づいた分周比Sで1/S分周するプログラ
マブル分周器である。
【0106】43は、制御回路44からのモード指定に
応じて最終出力である周波数変換回路39の出力電圧が
特定の値、例えば0ボルトになったとき、あるいは出力
周波数f0 と外部からの基準周波数fS との位相差が特
定の値、例えばπ/2ラジアンになったときのいずれか
を選択して制御回路44へパルスを出力する位相比較器
である。
【0107】44は、周波数切換えにおいて最終出力f
0 の位相再現性が得られるようにプログラマブル分周器
42の分周比Sを後述する内容に従って指定する信号を
プログラマブル分周器42へ出力すると共に、位相比較
器43の動作モードを選択し、位相比較器43からのパ
ルス及びタイミングパルス発生回路50からのタイミン
グパルスを受けて周波数設定データを変更させる制御回
路である。
【0108】ここで、第1の基準周波数f1 を100K
Hz、第2の基準周波数f21、f22 、……、f2kをそれ
ぞれ40.5MHz、40.6MHz、……、41.4
MHz、Kを10とし、選択スイッチ151 、152
……、15n による切換えの桁をそれぞれ1Hz、10
Hz、……、100KHzとする。
【0109】周波数変換回路39の出力周波数f0 を例
えば1KHzの整数倍に設定する場合、100Hz、1
0Hz、1Hz桁の周波数設定を全て零にする。
【0110】(イ)従ってf0 は1KHzの整数倍にな
る。このためこの出力周波数f0 は1KHzの周期の1
mS毎に必ず同じ位相となっている。
【0111】(ロ)また、第2の基準周波数f21
22、……、f2kの位相が揃う周期Tは
【数22】 である。
【0112】従って1KHzの周期1mSはTの整数倍
となっている。
【0113】この(イ)、(ロ)の二つのことから、出
力周波数f0 を最小の単位周波数1KHzで切換える場
合には、1KHzの周期1mSのタイミングで切換えれ
ば出力周波数f0 の信号は位相再現性も保有しているこ
とになる。
【0114】即ち、この切換周期1mSは10μSの1
00倍であるから、プログラマブル分周器42の分周比
Sを100にして1/100分周して、タイミングパル
ス発生手段50から1/f1 の100倍の周期でタイミ
ングパルスを発生すれば、出力信号f0 は位相連続性の
他に位相再現性も保存できるのである。
【0115】従って、制御回路44は、レジスタ141
〜14k に与える周波数設定データによって周波数切換
えの最小の単位周波数を判断し、この最小の単位周波数
に対応した分周比Sを演算してプログラマブル分周器4
2へ出力する。
【0116】一般に、切換える最小の単位周波数をfp
とすると、位相再現性を満足させる切換えの周期Tm は Tm =1/fp ……(27) である。ここで、プログラマブル分周器42の分周比を
Sとすると、 Tm =S/f1 ……(28) で表わすこともできるから、(27)、(28)式から S=f1 /fp ……(29) となる。
【0117】従って制御回路44は、切換える最小の単
位周波数fp に応じて(29)式を演算してプログラマ
ブル分周器42の分周比Sを制御すれば、最終出力f0
は周波数切換えにおいて位相連続性の他に位相再現性も
満たしている。
【0118】即ち、位相連続性のみが要求される場合に
は、図1に短線で示す1/f1 の間隔でタイミングパ
ルスを発生すればよいが、位相再現性も要求される場合
は長線で示すS倍の間隔で行なうのである。
【0119】このように制御回路44とプログラマブル
分周器42との付加によって周波数変換回路39の出力
信号の位相再現性をも実現でき、例えば図Bの(a)
に示すように周波数切換えにおける連続点はすべて同一
位相になっているが、この位相φは、周波数変換回路3
9のミキサ40への二つの入力信号(第4の基準周波数
発生手段38の出力信号と周波数合成手段37n の出力
信号)の位相差によって定まる。このため、例えば図1
の(a)に示すように位相連続点Pは零ラジアンから
ずれる。
【0120】このような零ラジアンからずれた位相連続
点Pを例えば零ラジアンにして図1の(b)の如く調
整するには、次の手順で行なう。
【0121】まず、この調整を誤差を少なく行なうため
に周波数切換えの周期を最小にする。即ち、制御回路4
4によってプログラマブル分周器42の分周比Sを1に
し、T=1/f1 の周期で周波数切換えのためのタイミ
ングパルスを発生させる。また制御回路44から選択信
号を送って位相比較器43を周波数変換回路39の出力
電圧の零ボルトを検出するモードにする。
【0122】次に、制御回路44によって周波数設定デ
ータを、例えば1Hzにすると、次のタイミングパルス
で周波数切換えが行なわれて、周波数変換回路39の出
力周波数f0 は1Hzになる。
【0123】この周波数変換回路39の出力電圧を位相
比較器43で監視し、図1の(b)に示すように負電
圧から正電圧へ変換するときの0ボルトとなるときにパ
ルス(図1の(c)に示す)を出力する。制御回路4
4はこの位相比較器43のパルスによって周波数設定デ
ータを0Hzに変更する。この周波数設定データ0Hz
は次のタイミングパルス(図1の(a)に示す)によ
ってレジスタ14は書換えられ、出力周波数f0 は0H
zとなる。
【0124】このようにして調整を行なうが、図1
ら明らかなように、周波数変換器出力が0ボルトとなっ
た後、次のタイミングパルスが生ずるまで最大1/f1
の遅延があり、またタイミングパルス出力後ローパスフ
ィルタ41の出力が変化するまでの遅延時間td が10
μS程度であるから、この遅延による最大位相誤差θe
【数23】 となる。(ただしfb :切換え前のローパスフィルタ4
1の出力周波数)従って、
【数24】 となり、極めて誤差は小さい。
【0125】次にこの位相を零ラジアンから任意の位相
に変更する場合を説明する。
【0126】t=1/f1 なる時間だけ周波数fb を発
生させると、その位相の変化量θb は、
【数25】 と表わすことができるので、必要な位相の変化量θb
要する周波数fb は(31)式から、
【数26】 となる。ここでf1 =100KHzの場合は、
【数27】 となる。周波数切換えの最小単位を1Hzとすると、 △θb =2π×10-5(ラジアン) の間隔で位相の調整ができる。
【0127】次に外部基準周波数fS に対する位相制御
について説明する。ここでfS は第1の基準周波数発生
手段4の基準発振器5と位相同期の関係にあるとする。
【0128】この外部基準周波数fS を位相比較器43
に加えてfS と周波数変換回路39の出力周波数f0
位相を比較する。
【0129】例えばf0 =fS に設定した場合には、f
0 の絶対位相を合わせる場合の0Hzと同様の操作とな
る。
【0130】fb の周波数を発生させるには、fS +f
b の周波数設定と読み替えればよい。
【0131】なお図1の実施例での周波数切換えにお
いて、切換える最小の単位周波数をfp とし、位相を任
意の量、例えばθm ラジアン単位で変化させたい場合に
は、 θm =2πfp m ……(34) を満足する周期Tm をタイミングパルスの周期とすれば
よい。
【0132】この周期Tm が、前記した位相連続性を満
足する最小の周期T=1/f1 の整数倍であれば、周波
数切換えにおいて位相が連続し且つθm ラジアン変化す
る。
【0133】このθm をπに設定して周波数を切換える
ように図1の実施例を適用すれば最小シフトキーイン
グ(MSK)変調が実現される。
【0134】図1はf1 (7KHz)とf2 (8KH
z)とをMSK変調した例を示すもので、切換え時をt
0 、t1 、t2 、……とすると、t1 でπラジアン位相
が変化し、t3 でもπラジアン変化した場合を示してい
る。この場合、周期Tm は(34)式より500μSで
ある。また(28)式より、プログラマブル分周器42
の分周比Sを求めると S=Tm ×f1 =500×10-6×100×103 =50 となる。
【0135】以上本発明の周波数シンセサイザの実施例
を説明したが、本発明は上記実施例のみの構成に限定さ
れるものではなく、各部の構成において種々の変更が可
能なことは勿論である。
【0136】
【発明の効果】以上説明したように本発明の周波数シン
セサイザでは、複数の第2の基準周波数発生手段から出
力する複数の第2の基準周波数信号を所定の周期で位相
が揃うようにすると共に、周波数設定データの変化があ
ると前記複数の第2の基準周波数信号の位相が次に揃う
時点まで遅延して位相が揃った時点で第2の基準周波数
信号の切換えを行なうようにしたから、周波数切換えに
おいて切換え前の信号と切換え後の信号とを位相連続に
することができる。
【0137】このため、従来の直接周波数合成法による
周波数シンセサイザの周波数切換えにおけるスプリアス
の発生を防ぐことができ、スプリアスによる様々な障害
を一挙に解決できる。従って、例えばこの周波数シンセ
サイザによる出力を測定などに用いた場合、高速切換え
を行なってもスプリアスによる測定不能時間がなくなり
高速測定が可能になり、通信などに用いた場合も通信不
能などの種々の障害をなくすことができる。また例えば
素粒子加速装置の励振用原発振器として用いた場合に装
置に損傷などを防ぐことができる。またFSK変調(Fr
equency shiftKeying) などの2周波数の位相連続の変
調波を簡単につくることができ、さらにMSK(Minimu
m shift Keying) 変調もできる。また医療用核磁気共鳴
装置に用いた場合に、位相の再現性に優れるため大幅な
性能向上を図ることができる。
【0138】このように高速切換え、高信号純度、高上
限周波数という特性を持つ直接周波数合成法による周波
数シンセサイザにおいて、周波数切換え時の位相連続性
を実現でき、さらには位相再現性をも実現できるため本
発明は極めて有益である。
【図面の簡単な説明】
【図1】従来の直接周波数合成法による信号発生器を示
す原理図である。
【図2】本発明の一実施例を示すブロック図である。
【図3】図2における一部の具体的な構成を示すブロッ
ク図である。
【図4A】図2の回路動作を示すタイムチャートであ
る。
【図4B】位相再現性を説明するためのタイムチャート
である。
【図5】遅延時間を考慮した図2の回路動作を示すタイ
ムチャートである。
【図6】時間誤差に対する位相誤差を示す図である。
【図7】第2の基準周波数発生手段の他の構成例を示す
ブロック図である。
【図8】第2の基準周波数発生手段の他の構成例を示す
ブロック図である。
【図9】第2の基準周波数発生手段の他の構成例を示す
ブロック図である。
【図10】本発明の構成の一部の他の実施例を示すブロ
ック図である。
【図11】図2の回路における位相連続性と位相再現性
を説明するタイムチャートである。
【図12】本発明の他の実施例を示すブロック図であ
る。
【図13】本発明のさらに他の実施例を示すブロック図
である。
【図14】位相連続性及び位相再現性を満足するための
タイミングパルス発生周期を示す図である。
【図15】周波数切換え時の初期位相の二つの例を示す
出力波形図である。
【図16】前記初期位相の制御方法を示すタイムチャー
トである。
【図17】MSK変調を示す出力波形図である。
【符号の説明】 4 第1の基準周波数発生手段 5 基準発振器 6 基準周波数発生回路 71 〜7k 第2の基準周波数発生手 3 切換手段 14 レジスタ 15 選択スイッチ 191 〜19k サンプリングPLL 201 〜20k 1/M分周器 21 1/M分周 1 第3の基準周波数発生手段 32 周波数合成回路 321 〜32n 周波数合成回路 33 ミキサ 331 〜33n ミキサ 34 バンドパスフィルタ 341 〜34n バンドパスフィルタ 35 1/K分周器 351 〜35n-1 1/K分周器 36 ローパスフィルタ 361 〜36n-1 ローパスフィルタ 37 周波数合成手段 371 〜37n 周波数合成手段 38 第4の基準周波数発生手段 39 周波数変換回路 40 ミキサ 41 ローパスフィルタ 42 プログラマブル分周器 43 位相比較器 44 制御回路50 タイミングパルス発生手段 51 コンパレータ 52 選択回路 53 同期回路 54 タイミングパルス発生回路 55 遅延回路
【手続補正3】
【補正対象書類名】図面
【補正対象項目名】全図
【補正方法】変更
【補正内容】
【図1】
【図4A】
【図4B】
【図6】
【図11】
【図14】
【図2】
【図3】
【図5】
【図15】
【図17】
【図7】
【図8】
【図9】
【図16】
【図10】
【図12】
【図13】

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】基準周波数を発生する第1の基準周波数発
    生手段と、 該第1の基準周波数発生手段の出力信号を受けて、所定
    の周期で位相が一致するそれぞれ異なる周波数の正弦波
    信号である第2の基準周波数信号を出力する複数の第2
    の基準周波数発生手段と、 前記第1の基準周波数発生手段の出力信号を受けて、最
    終出力信号で変化する最小の単位周波数に対応した分周
    比で分周し、該分周出力に基づいて、前記複数の第2の
    基準周波数発生手段の出力信号の位相が一致するときに
    タイミングパルスを出力するタイミングパルス発生手段
    と、 周波数設定データが変化した後の1回目の前記タイミン
    グパルスを受けた時、前記複数の第2の基準周波数発生
    手段の出力を切換えて出力する切換手段と、 第3の基準周波数を発生する第3の基準周波数発生手段
    と、 該第3の基準周波数発生手段の出力信号と前記切換手段
    の出力信号とを混合して出力するミキサと、 該ミキサの出力信号を分周して出力する分周器とを備え
    た周波数シンセサイザ。
  2. 【請求項2】基準周波数を発生する第1の基準周波数発
    生手段と、 該第1の基準周波数発生手段の出力信号を受けて、所定
    の周期で位相が一致するそれぞれ異なる周波数の正弦波
    信号である第2の基準周波数信号を出力する複数の第2
    の基準周波数発生手段と、 前記第1の基準周波数発生手段の出力信号を受けて、最
    終出力信号で変化する最小の単位周波数に対応した分周
    比で分周し、該分周出力に基づいて、前記複数の第2の
    基準周波数発生手段の出力信号の位相が一致するときに
    タイミングパルスを出力するタイミングパルス発生手段
    と、 周波数設定データが変化した後の1回目の前記タイミン
    グパルスを受けた時、前記複数の第2の基準周波数発生
    手段の出力を切換えて出力する切換手段と、 第3の基準周波数を発生する第3の基準周波数発生手段
    と、 該第3の基準周波数発生手段の出力信号と前記切換手段
    の出力信号とを混合して出力するミキサと、 該ミキサの出力信号を分周して出力する分周器と、 該分周器から得られる出力信号の位相と前記第1の基準
    周波数発生手段の出力信号の位相との差を検出して出力
    を生じる位相比較器と、 該位相比較器の出力を受けて周波数設定データを変更す
    る制御回路とを備えた周波数シンセサイザ。
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