JPH064579B2 - N−ベンジル−2−アルキル−2−シアノアセトアミド化合物 - Google Patents

N−ベンジル−2−アルキル−2−シアノアセトアミド化合物

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JPH064579B2
JPH064579B2 JP61215950A JP21595086A JPH064579B2 JP H064579 B2 JPH064579 B2 JP H064579B2 JP 61215950 A JP61215950 A JP 61215950A JP 21595086 A JP21595086 A JP 21595086A JP H064579 B2 JPH064579 B2 JP H064579B2
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Description

【発明の詳細な説明】 (産業上の利用分野) 本発明は新規なN−ベンジル−2−アルキル−2−シア
ノアセトアミド化合物を提供するものである。
(従来の技術及び発明が解決しようとする問題点) 従来、N−ベンジル−2−アルキルアセトアミド化合物
については数多くのものが合成されている。例えば特開
昭55-43014及び特開昭56-26853には下記一般式Z-1,Z-2
で示される化合物が除草活性を有していることが記載さ
れている。
(但しXはハロゲン原子、Rはt−ブチル基またはt
−アミル基、R及びRは同種又は異種の水素原子ま
たはアルキル基、Yは同種または異種のメチル基、ハロ
ゲン原子またはメトキシ基をnは1〜2の整数を表わ
す。) しかしながらこれらの化合物を除草剤として移植水稲に
高薬量で旋用した場合、あるいは湛水直播水稲に施用し
た場合、水稲に対して無視し得ない薬害を生ずる欠点を
有していた。
(問題点を解決するための手段及び効果) 本発明者らは一連の2−アルキル−2−シアノアセトア
ミド化合物について鋭意研究を重ねて来た結果、下記一
般式(1)で表わされる一連のN−ベンジル−2−アルキ
ル−2−シアノアセトアミド化合物が、移植イネのみな
らず湛水直播栽培における水稲に対しても極めて安全性
を有し、かつ水田雑草に対して強い除草効果を有する高
度の選択性を持った除草剤であることを見い出し、本発
明を完成するに至った。
即ち、本発明は一般式 (但し、Rはアルキル基を示し、R,RおよびR
はそれぞれ同種または異種の水素原子、アルキル基を
示し、X,Xおよびそれぞれ同種または異種の水素
原子、アルキル基、ハロゲン原子ハロゲノアルキル基、
アルコキシ基、アルキルチオ基、アルコキシアルキル
基、ニトロ基またはシアノ基を示す。)で表わされるN
−ベンジル−2−アルキル−2−シアノアセトアミド化
合物である。
上記一般式(1)で示される化合物は新規な化合物であ
り、これらの化合物を除草剤として使用するときは50
g/10aあるいはそれ以下の薬量でノビエ、タマガヤ
ツリ、ホタルイ等の水田雑草で枯死させ、かつ1000g/10
aという高濃度で使用しても直播水稲に対して安全であ
る。このように一般式(1)で示される化合物は、除草活
性が高く、選択除草活性に優れるという2つの特性を有
している。
上記一般式(1)中Rで示されるアルキル基は特に限定
されないが一般には炭素数1〜6個好ましくは1〜4個
の直鎖状または分枝状のものが好ましく、最も好ましい
ものを具体的に示せば、メチル基、エチル基、プロピル
基、ブチル基特にメチル基及びエチル基が挙げられる。
また前記一般式(1)中R,R,R,X,X
びXで示されるアルキル基は特に制限されず使用でき
るが、一般には炭素数1〜12個好ましくは1〜6個の
直鎖状または分枝状のものが好適である。該アルキル基
の具体例を示すと、メチル基、エチル基、n−プロピル
基、isoプロピル基、n−ブチル基、iso−ブチル
基、t−ブチル基、n−ペンチル基、n−ヘキシル基等
が挙げられる。
前記一般式(1)中、X,X及びXで示されるハロ
ゲン原子としては塩素、フッ素、臭素、ヨウ素の各原子
が挙げられる。
前記一般式(1)中、X,X及びXで示されるハロ
ゲノアルキル基は特に制限されず使用できるが、一般に
は炭素数1〜12個好ましくは1〜6個の直鎖状または
分枝状アルキル基中の水素の全部あるいは一部が前記ハ
ロゲン原子で置換されたものが好適である。該ハロゲノ
アルキル基の具体例を示すと、クロロメチル基、プロモ
メチル基、フルオロメチル基、ヨードメチル基、ジクロ
ロメチル基、ジブロモメチル基、ジフルオロメチル基、
ジヨードメチル基、トリクロロメチル基、トリブロモメ
チル基、トリフルオロメチル基、クロロエチル基、ブロ
モエチル基、フルオロエチル基、ジクロロエチル基、ジ
ブロモエチル基、ジフルオロエチル基、トリクロロエチ
ル基、トリブロモエチル基、トリフルオロエチル基等が
挙げられる。
前記一般式(1)中、X,X及びXで示されるアル
コキシ基は特に制限されず使用できるが、一般には炭素
数1〜12個好ましくは1〜6個の直鎖状または分枝状
のものが好適である。該アルコキシ基の具体例を示す
と、メトキシ基、エトキシ基、n−プロポキシ基、is
o−プロポキシ基、n−ブトキシ基、t−ブトキシ基、
n−ペントキシ基、n−ヘキソキシ基等が挙げられる。
前記一般式(1)中、X,X及びXで示されるアル
キルチオ基は特に制限されず使用できるが、一般には炭
素数1〜12個好ましくは1〜6個の直鎖状または分枝
状のものが好適である。該アルキルチオ基の具体例を示
すと、メチルチオ基、エチルチオ基、n−プロピルチオ
基、iso−プロピルチオ基、iso−ブチルチオ基等
が挙げられる。
前記一般式(1)中、X,X及びXで示されるアル
コキシアルキル基は特に制限されず使用できるが、一般
には炭素数1〜15個好ましくは1〜6個の直鎖状また
は分枝状のものが好適である。該アルコキシアルキル基
の具体例を示すと、メトキシメチル基、メトキシエチル
基、メトキシプロピル基、エトキシメチル基、エトキシ
エチル基、n−プロポキシメチル基、iso−プロポキ
シメチル基等が挙げられる。
本発明の前記一般式(1)中で示されるN−ベンジル−2
−アルキル−2−シアノアセトアミド化合物は次の手段
によってその構造を確認することができる。
(イ)赤外吸収スペクトル(IR)を測定することにより、170
0〜1620cm-1付近にアミド基のカルボニル結合に基づく
強い特性吸収を観察することができる。また化合物の種
類によって強度が異なるが2200〜2280cm-1付近にC≡N
結合に基づく吸収を観察することができる。代表例とし
てN−α,α−ジメジルベンジル−2−t−ブチル−2
−シアノアセトアミドの赤外吸収スペクトルを第1図に
示した。
(ロ)質量スペクトル(MS)を測定し、観察される各ピーク
(一般にはイオン分子量mをイオンの荷電数eで除した
m/eで表わされる数)に相当する組成式を算出するこ
とにより、測定に供した化合物の分子量ならびに該分子
内に於ける各原子団の結合様式を知ることができる。即
ち、測定に供した試料を一般式 で表わした場合、一般に分子イオンピーク(以下M
略記する)が分子中に含有されるハロゲン原子の個数に
応じて同位体存在比に従った強度比で観察されるため、
測定に供した化合物の分子量を決定することができる。
また前記一般式で示される化合物については、 等に対応する特徴的なピークが観察され、該分子の結合
様式を知ることができる。
(ハ)H−核磁気共鳴スペクトル(1H-NMR)を測定する
ことにより、前記一般式で表われされる本発明の化合物
中に存在する水素原子の結合様式を知ることができる。
前述の一般式(1)で示されるN−ベンジル−2−アルキ
ル2−シアノアセトアミド化合物の特徴は、3.3〜3.7pp
m付近に一重線で2−位のメチン基のプロトンに基づく
吸収が認められることである。
前記一般式で表わされる本発明の化合物の1H-NMR(δpp
m:テトラメチルシラン基準、重クロロホルム溶媒)の
代表例としてN−α,α−ジメチルベンジル−2−t−
ブチル−2−シアノアセトアミドについて1H-NMR図を第
2図に示す。その解析結果を示すと次の通りである。
即ち、1.15ppmに9個分のプロトンに相当する単一線が
認められ、3個のメチル基(a)によるものと帰属でき
る。1.70ppmに6個分のプロトンに相当する単一線が認
められ2個のメチル基(b)によるものと帰属できる。3.0
0ppmに1個分のプロトンに相当する単一線が認められメ
チルプロトン(c)によるものと帰属できる。6.26ppmに1
個分のプロトンに相当する単一線が認められアミノ基
(NH)のプロトン(d)によるものと帰属できる。7.28p
pmに5個分のプロトンに相当する単一線が認められ、ベ
ンゼン環のプロトン(e)によるものと帰属できる。
(ニ)元素分析によって、炭素、水素、窒素、更に、ハロ
ゲン、イオウを含む場合にはハロゲンおよびイオウの各
重量%を求め、さらに認知された各元素の重量%の和を
100から減じることにより、酸素の重量%を算出する
ことができ、従って該化合物の組成式を決定することが
できる。
本発明の化合物は前記一般式中のR,R,R,R
,X,X及びXによってその性状が異なるが、
一般に常温常圧に於いては、無色、淡黄色、淡褐色の固
定又は液体であり、ある一定温度以上になると分解する
傾向にある。
本発明の化合物は、ベンゼン、エーテル、アルコール、
クロロホルム、アセトニトリル、N,N−ジメチルホルム
アミド、ジメチルスルホキシドなどの一般有機溶媒に可
溶であるが、水にはほとんど溶けない。
本発明の前記一般式(1)で示されるN−ベンジル−2−
アルキル−2−シアノアセトアミド化合物の製造方法は
限定されるものではなく、どのような製造方法でも良
い。特に好適な製造方法を示すと次の通りである。
一般式 で表わされる2−アルキル−2−シアノ酢酸エステル
と、 一般式 で表わされるベンジルアミン化合物を反応させることに
よって前記一般式(1)で表わされるN−ベンジル−2−
アルキル−2−シアノアセトアミド化合物が得られる。
但し、式(2)及び(3)中、R,R,R,R
,X及びXは前記に同じで、Rは前記R
示されるアルキル基と同じである。上記反応を以下反応
(i)と呼ぶ。
また一般式 〔但し、Rは前記に同じで、Xはハロゲン原子を示
す。〕 で表わされる2−アルキル−2−シアノ酢酸ハロゲニド
と前記一般式(3)で表わされるベンジルアミンを反応さ
せることによって前記一般式(1)で表わされるN−ベン
ジル−2−アルキル−2−シアノアセトアミド化合物が
得られる。この反応を以下反応(ii)と呼ぶ。
反応(i)に於いて、両化合物の仕込みモル比は必要に応
じて適宜決定すればよいが、通常等モル又はベンジルア
ミン誘導体をやや過剰に用いるのが一般的である。
前記反応(i)に際しては無溶媒で行なうのが好ましいが
有機溶媒を用いてもよい。該溶媒として好適に使用され
るものを例示すれば、ベンゼン、トルエン、キシレン、
ヘキサン、ヘピタン、石油エーテル、クロロホルム、塩
化メチレン、塩化エチレン等の脂肪族または芳香族の炭
化水素類あるいはハロゲン化炭化水素類;ジエチルエー
テル、ジオキサン、テトラヒドロフラン等のエーテル
類;アセトン、メチルエチルケトン等のケトン類;アセ
トニトリルなどのニトリル類;N,N−ジメチルホルムア
ミド、N,N−ジエチルホルムアミド等のN,N−ジアルキル
アミド類;ジメチルスルホキシド等が挙げられる。
前記反応(i)における温度は広い範囲から選択出来る
が、一般には0℃〜250℃好ましくは50℃〜220
℃から選べば十分である。また反応(i)に於ける反応時
間は原料の種類によってもちがうが、通常5分〜10日
間、好ましくは1〜40時間の範囲から選べば十分であ
る。また反応中においては、攪拌を行うのが好ましい。
また反応(ii)に於ける両化合物の仕込モル比は必要に応
じて適宜決定すればよいが、通常等モルもしくはベンジ
ルアミン誘導体をやや過剰モル使用するのが一般的であ
る。また、反応(ii)に於いては一般に有機溶媒を用いる
のが好ましく、該溶媒としては前記反応(i)に使われる
ものと同等のものが挙げられる。
また、反応(ii)においてはハロゲン化水素が副生する。
このハロゲン化水素は生成物の収率を低下させる原因に
なるので、通常は反応系内にハロゲン化水素捕捉剤を共
存させることが好ましい。該ハロゲン化水素捕捉剤は特
に限定されず公知のものを使用することが出来る。一般
に好適に使用される該捕捉剤としてトリメチルアミン、
トリエチルアミン、トリプロピルアミン等のトリアルキ
ルアミン、ピリジン、ナトリウムアルコラート、炭酸ナ
トリウム等が挙げられる。
反応(ii)に於ける反応温度、反応時間は広い範囲から選
択でき、一般には、反応温度は0〜200℃、好ましく
は50〜150℃の範囲から選べば十分である。また反
応時間は原料の種類によっても違うが、通常30分〜5
日間、好ましくは1〜50時間の範囲から選べば十分で
ある。また反応中に於いては、攪拌を行うのが好まし
い。
反応系から目的生成物すなわち前記一般式(1)で示され
るN−ベンジル−2−アルキル−2−シアノアセトアミ
ド化合物を単離生成する方法は特に限定されず公知の方
法を採用できる。例えば反応(i)においては、反応液か
ら反応溶媒及び過剰の反応試薬を留去した後、また反応
(ii)においては反応溶媒、反応試薬及び生成する塩を除
去した後、残渣をクロロホルム、ベンゼン、エーテル等
の有機溶媒で抽出する。該有機層は、芒硝、塩化カルシ
ウム等の乾燥剤で乾燥した後、有機溶媒を留去し、残渣
を真空蒸留することにより、目的物を得ることができ
る。真空蒸留により単離精製する他、クロマトグラフィ
による精製、あるいは生成物が固体である場合には再結
晶することにより精製することもできる。
本発明の前記一般式(1)で示される化合物は種々の用途
に使用出来るが特に除草剤として著しくすぐれた効果を
発揮する。例えば、稲に対しては従来の水田用除草剤に
比較して高濃度で施用しても極めて安全であり、多種類
の水田雑草を枯死させるという選択除草活性を有する優
れた水田除草剤となる。
該N−ベンジル−2−アルキル−2−シアノアセトアミ
ド化合物は、水田雑草にすぐれた除草効果を発揮する
が、特にカヤツリグサ科雑草、広葉雑草及び多年生雑草
の発芽前及び発芽後の湛水土壌処理に著しい除草効果を
示す。例えば水田に於て強害雑草できるホタルイ、キカ
シグサ等に対して、その発芽時だけでなく、生育期にお
いてもすぐれた除草効果を示し、しかも水稲に対して
は、1.5葉基の稚苗移植に於ても高い安全性を有してい
る。
該ピラゾール化合物の水田への施用量としては、一般に
10アール当り、2g〜2000g好ましくは10g〜
500gを有効成分量として使用すれば良い。
前記一般式(1)で示されるN−ベンジル−2−アルキル
−2−シアノアセトアミド化合物は置換基の種類によっ
てその性質は多少異なって来るが高濃度で施用しても移
植水稲はもちろんのこと直播水稲に対して極めて安全で
あるという共通の特徴を有している。特に前記一般式中
及びRが水素原子又はメチル基であり、同時にX
,XおよびXが同種または異種の水素原子、ハロ
ゲン原子、メチル基およびメトキシ基である化合物は10
00〜2000g/10aの薬量においても直播水稲に極めて安
全な性質を有している。さらに前記一般式中Rが水素
原子であり、RおよびRがメチル基である化合物は
水田におけるホタルイ、タマガヤツリ、ミズガヤツリ等
のカヤツリグサ科雑草に特に強い活性を有する特徴があ
る。
前記一般式(1)で示されるN−ベンジル−2−アルキル
−2−シアノアセトアミド化合物が除草効果を発揮する
水田雑草を例示すると次の通りである。
特にホタルイ、タマガヤツリ、ミズガヤツリ等のカヤツ
リグサ科雑草に特に除草効果が高く、広葉雑草特にキカ
シグサ、アゼナ、アゼトウガラシ等にも除草効果が著し
い。これらに次いでイネ科雑草に対して除草効果を有す
るが、有効成分の使用量を増加するとか、公知の除草
剤、例えばアミド系除草剤、カーバメート系除草剤等を
混合して使用すると、さらによい結果が得られる場合が
ある。特に効果的に除草できる雑草は例えば、イヌビ
エ、タイヌビエ、ケイヌビエ、ガズノコグサ、タマガヤ
ツリ、ミズハナビ、ヒナガヤツリ、カワラスガナ、ホタ
ルイ、ハリイ、テンツキ、ヒメテンツキ、ヒデリコ、ミ
ズガヤツリ、ヒメクグ、クログワイ、マツバイ、コウキ
ャガラ、オモダカ、アギナシ、ヘラオモダカ、ウリカ
ワ、ヒルムシロ、デンジソウ、セリ、ヤナギタデ、コナ
ギ、イボクサ、ホシクサ、ミゾハコベ、ヒメミソハギ、
キカシグサ、ミズマツバ、ヒメジン、チョウジタデ、ア
ゼムシロ、タカサブロウ、タウコギ、アメリカセンダン
グサ、アカヌマソウ、サワトウガラシ、アブノメ、アゼ
ナ、アゼトウガラシ等の水田雑草である。
さらに前記一般式(1)で示されるN−ベンジル−2−ア
ルキル−2−シアノアセトアミド化合物は水田雑草と水
稲との間に高度の選択性を有しているため、水稲の発芽
時から生育期の長期間の生育段階での適用が可能であ
る。また湛水直播水稲に対してきわめて安全に適用でき
る利点は、該ピラゾール化合物の大きな特徴である。
さらにまた、畑地の除草剤として利用するときも選択的
除草効果を発揮するので、小麦、大麦、トウモロコシ、
陸稲等のイネ科作物だけでなく、大豆、ワタ、ビート等
の広葉作物にも安全に適用することができる。
また本発明の前記一般式(1)で示されるN−ベンジル−
2−アルキル−2−シアノアセトアミド化合物は植物の
生育に影響を及ぼすので、落葉剤、発芽抑制剤、生育調
節剤としても使用することが出来る。また本発明のN−
ベンジル−2−アルキル−2−シアノアセトアミド化合
物は前記用途の他、殺虫剤及び殺菌剤としても使用する
ことが出来る。
本発明の前記一般式(1)で示されるN−ベンジル−2−
アルキル−2−シアノアセトアミド化合物の使用態様は
特に限定されず公知の除草剤の使用態様をそのまま利用
できる。例えば、不活性固体担体、液体担体、乳化分散
剤等を用いて粒剤、粉剤、乳剤、水和剤、錠剤、油剤、
エアゾール、燻煙剤等任意の剤形にして使用することが
出来る。勿論、製剤上の補助剤例えば、展着剤、希釈
剤、界面活性剤、用材などを適宜配合することも出来
る。
本発明の前記一般式(1)で示されるN−ベンジル−2−
アルキル−2−シアノアセトアミド化合物はまた殺虫
剤、殺菌剤、他の農薬、肥料物質、土壌改良剤等と混合
して用いることが出来る。
本発明を更に具体的に説明するため以下実施例および比
較例を挙げて説明するが本発明はこれらの実施例に限定
されるものではない。
実施例−1 50mlナス型フラスコに2−t−ブチル−2−シアノ酢
酸エチル4.30g、α,α−ジメチルベンジルアミン4.12
gを入れ200℃油浴上3時間加熱攪拌した。反応物を
室温にもどした後、クロロホルム・ヘキサンから再結晶
し無色針状結晶1.52gを得た。このもののIRを測定し
た結果は第1図に示す通りであり3320cm-1にNH結合に基
づく吸収、2960cm-1にCH結合に基づく吸収、2230cm-1
シアノ結合(C≡N)に基づく吸収、1650cm-1にアミド
結合(C=O)に基づく強い吸収を示した。その元素分
析値はC74.33%、H8.55%、N10.71%であって組成式
1622O(258.36)に対する計算値であるC74.3
7%、H8.60%、N10.84%に良く一致した。またMSを測
定したところm/e258にM に対応するピーク、m/e2
43に〔M −CH〕に対応するピーク、m/e119に に対応する各ピークを示した。またH−NMR(δ:pp
m:テトラメチルシラン基準、重クロロホルム溶媒)を
測定した結果を第2図に示した。その解析結果は次の通
りであった。
1.15ppmにプロトン9個分の単一線を示し(a)のプロトン
に相当した。1.70ppmにプロトン6個分の単一線を示し
(b)のメチルプロトンに相当した。3.00ppmにプロトン1
個分の単一線を示し(c)のメチンプロトンに相当した。
6.26ppmにプロトン1個分の幅広い単一線を示し、(d)の
アミノプロトンに相当した。7.28ppmにプロトン5個分
の単一線を示し、(e)のベンゼン環のプロトンに相当し
た。
上記の結果から単離生成物がN−α,α−ジメチルベン
ジル−2,t−ブチル−2−シアノアセトアミドである
ことが明らかとなった。収率は23.2%であった。
実施例−2 200mlナス型フラスコに2−t−ブチル−3−シアノ
酢酸クロリド3.16g、クロロホルム70mlを入れ氷冷下
p−イソプロピル−α−メチルベンジルアミン4.2gと
トリエチルアミン3.0gを10mlのクロロホルムに溶し
た溶液を30分に滴下しさらに室温下一夜攪拌した。翌
日反応液を分液ロートに移し、希塩酸及び水で洗浄した
後硫酸ナトリウムで乾燥し、クロロホルムを除去した
後、ベンゼン−ヘキサンから再結晶し、無色結晶3.0g
を得た。このもののIRを測定した結果、3300cm-1にN
H結合に基づく吸収2960cm-1にCH結合に基づく吸収、
2240cm-1にシアノ結合(C≡N)に基づく吸収、1650cm
-1にアミド結合(C=O)に基づく強い吸収を示した。
その元素分析値はC75.27%、H9.17%、N9.75%であ
って組成式C1826O(286.42)に対する計算値で
あるC75.47%、H9.17%、N9.78%に良く一致した。
またMSを測定したところ、m/e286,285にM ,(M
−1)に対応するピーク、m/e271,270に(M −C
),{(M −1)−CH}に対応するピークm/
e229,228に(M −C),{M −1)−C
}に対応するピーク、m/e162, ピークを示した。また1H−NMR(δ:ppm;テト
ラメチルシラン基準、重クロロホルム溶媒)を測定した
結果を次の通りであった。
1.11ppmにプロトン9個分の単一線を示し(a)のプロント
に相当した。1.21ppmにプロトン6個分の2重線を示し
(b)のメチルプロトンに相当した。1.48ppmにプロトン3
個分の2重線を示し(c)のメチルプロトンに相当した。
2.85ppmにプロトン1個分の多重線を示し(d)のメチルプ
ロトンに相当した。3.07ppmにプロトン1個分の単一線
を示し(e)のメチルプロトンに相当した。6.35ppmにプロ
トン1個分の幅広い2重線を示し(f)のアミノプロトン
に相当した。7.09ppmにプロトン4個分の単一線を示し
(g)のベンゼン環のプロトンに相当した。
上記の結果から単離生成物がN−p−イソプロピル−α
−メチルベンジル−2−t−ブチル−2−シアノアセト
アミドであることが明らかとなった。収率は52.9%であ
った。
実施例−3 50mlナス型フラスコに2−t−アミル−2−シアノ酢
酸エチル3.6g、α,α−ジメチルベンジルアミン3.2g
を入れ200℃油浴上4時間加熱攪拌した。反応物を室
温にもどした後ベンゼン−ヘキサンから再結晶した無色
針状結晶3.26gを得た。このもののIRを測定した結
果、3310cm-1にNH結合に基づく吸収、2970cm-1にCH
結合に基づく吸収、2230cm-1にシアノ結合(C≡N)に
基づく吸収、1650cm-1にアミド結合(C=O)に基づく
強い吸収を示した。その元素分析値はC74.93%、H8.8
5%、N10.27%であって組成C1724O(272.39)
に対する計算値であるC74.96%、H8.88%、N10.28%
に良く一致した。またMSを測定したところm/e257にM
−CHに対応するピーク、202にM−C16
に対応するピーク、m/e119に に対応する各ピークを示した。またH−NMR(δ:
ppm:テトラメチルシラン基準、重クロロホルム溶媒)
を測定した結果は次の通りであった。
0.88ppmにプロトン3個分の3重線を示し(a)のメチルプ
ロトンに相当した。1.10ppmにプロトン6個分の単一線
を示し(b)のメチルプロトンに相当した。1.51ppmにプロ
トン2個分の4重線を示し(c)のメチレンプロトンに相
当した。1.72ppmにプロトン6個分の単一線を示し(d)の
メチルプロトンに相当した。3.09ppmにプロトン1個分
の単一線を示し(e)のメチルプロトンに相当した。6.20p
pmにプロトン1個分の幅広い単一線を示し(f)のアミノ
プロトンに相当した。7.24ppmにプロトン5個分の単一
線を示し(g)のベンゼン環のプロトンに相当した。上記
の結果から単離生成物がN−α,α−ジメチルベンジル
−2−t−アミル−2−シアノアセトアミドであること
が明らかとなった。収率は60.9%であった。
実施例−4 実施例−1及び実施例−2と同様な方法により種々の下
記一般式で示される化合物 (但し、R,R,R,R,X,X及びX
は第1表に記した)を合成した。合成した化合物の収
率、元素分析値を第1表に示した。また第1表における
略記はそれぞれ次に示す通りである。
iPr;イソプロピル基, t−Bu;ターシャリ−ブチル基 製剤例1(粒剤) 実施例1で合成した化合物2重量部、ジオクチルサクシ
ネート1重量部、リグニンスルホン酸ソーダ3重量部、
ベントナイト30重量部、及びタルク64重量部をよく
混合粉砕し、水を加えて混練した後、造粒乾燥し、14
〜32メッシュに整粒して2%粒剤を得た。
製剤例2(水和剤) 実施例1で合成した化合物10重量部、ポリオキシエチ
レンノニルフェニルエーテル2重量部、アルキルアリル
ポリグリコールエーテル1重量部、微粉クレー40重量
部、及びジークライト47重量部をハンマーミルで粉砕
混合して10%水和剤を得た。
製剤例3(乳剤) 実施例2で合成した化合物20重量部、キシレン70重
量部、ポリオキシエチレンアルキルアリルエーテル5重
量部、及びアルキルアリルスルホネート5重量部を混和
溶解して20%乳剤を得た。
実施例5 1/8850アールの砂製ポットに水を加えて攪拌した水田土
壌(沖積壌土)を充填し、水田雑草及びイネ種子5粒
(品種:アキニシキ)を播種した後水を加えて2cmの湛
水状態にした。次いで平均気温25℃の温室内で生育さ
せ10日後に各化合物の水和剤の水希釈液を雑草発芽時
に所定量滴下処理した。3週間後に各供試化合物の除草
効果を調査した結果を第2表に示した。ただし、表中に
示した広葉とはアゼナ、キカシグサ、アゼトウガラシな
どを言う。評価は6段階として、除草効力の評価は下記
のように0〜5の数字で表わした。
0・・・・・・抑草率 0〜9% 1・・・・・・ 〃 10〜29% 2・・・・・・ 〃 30〜49% 3・・・・・・ 〃 50〜69% 4・・・・・・ 〃 70〜89% 5・・・・・・抑草率 90〜100% 移植イネの薬害に関しては草丈、分けつ数、全重(風乾
量)の対無処理区比を示し、3つの要因のもっとも値の
悪いものをとって0〜5で評価した。
0・・・・・・対無処理区比 100% 1・・・・・・ 〃 90〜99% 2・・・・・・ 〃 80〜89% 3・・・・・・ 〃 60〜79% 4・・・・・・ 〃 40〜59% 5・・・・・・ 〃 0〜39% 尚、前記した一般式(Z)で示される公知の化合物とし
て、下記の二種の化合物について、上記と同様に評価
し、比較例としてその結果を第2表に併記した。
【図面の簡単な説明】
第1図、第2図は実施例1で得られた化合物の赤外吸収
スペクトル及びH−核磁気共鳴スペクトルを夫々示
す。

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】一般式 (但し、Rはアルキル基を示し、R,RおよびR
    はそれぞれ同種または異種の、水素原子、アルキル基
    を示し、X,XおよびXはそれぞれ同種または異
    種の水素原子、アルキル基、ハロゲン原子、ハロゲノア
    ルキル基、アルコキシ基、アルキルチオ基、アルコキシ
    アルキル基、ニトロ基またはシアノ基を示す。)で表わ
    されるN−ベンジル−2−アルキル−2−シアノアセト
    アミド化合物。
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