JPH0645779B2 - 熱硬化性粘着テ−プの製造方法 - Google Patents

熱硬化性粘着テ−プの製造方法

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JPH0645779B2
JPH0645779B2 JP61225152A JP22515286A JPH0645779B2 JP H0645779 B2 JPH0645779 B2 JP H0645779B2 JP 61225152 A JP61225152 A JP 61225152A JP 22515286 A JP22515286 A JP 22515286A JP H0645779 B2 JPH0645779 B2 JP H0645779B2
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Description

【発明の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 本発明は、新規な熱硬化性粘着テープの製造方法に関す
る。
〔従来の技術〕
熱硬化性粘着テープは、常温では感圧接着性を呈し、加
熱によりさらに硬化して強い接着力を発現する性質を有
する粘着テープである。このような粘着テープは通常の
粘着テープより強い接着力を要するばあいに用いられ
る。熱硬化性粘着テープとしては、従来ゴム成分として
天然ゴムを用い、フェノール樹脂を添加したものが提案
されている。
〔発明が解決しようとする問題点〕
しかしながら、フェノール樹脂と天然ゴムとの相溶性が
わるいので、フェノール樹脂を多量に配合できない欠点
があった。このため、あらかじめフェノール樹脂をマグ
ネシア錯化合物のかたちにして相溶性をもたせる方法の
提案がなされているものの、この方法でもフェノール樹
脂の使用量に制限があるうえ硬化後の接着特性が充分で
ないという欠点があった。
またゴム成分として天然ゴムを用いる熱硬化性粘着テー
プを製造するばあい、天然ゴムにフェノール樹脂などを
添加してからテープなどの基材に塗工するが、天然ゴム
が通常固体であるため樹脂の添加時や塗工時に温度をあ
げたり、多量の溶剤を用いたりする必要がある。
本発明は、前記のごとき実情に鑑み、常温で感圧接着性
を有し、加熱によりさらに硬化して良好に接着性を発現
する熱硬化性粘着テープの製造方法を提供することを目
的になされたものである。
また本発明は、フェノール樹脂などの添加時や基材への
塗工時に温度を上げたり多量の溶剤を用いたりする必要
のない、熱硬化性粘着テープの製造方法を提供すること
を目的になされたものである。
〔問題点を解決するための手段〕
本発明は、分子中に少なくとも1つの反応性ケイ素基を
含有するポリエーテル系有機重合体および熱硬化性のフ
ェノール樹脂を有効成分として含有する混合物を基材に
塗布し、前記フェノール樹脂の硬化温度以下で前記ポリ
エーテル系有機重合体を硬化させることを特徴とする熱
硬化性粘着テープの製造方法に関する。
〔作用〕
本発明の製造方法によってえられた粘着テープは常温で
は感圧接着性を呈し、加熱によりさらに硬化して強い接
着力を示すので、いわゆる粘着テープとして用いられ
る。
〔実施例〕
本発明に用いられる分子中に少なくとも1つの反応性ケ
イ素基を含有するポリエーテル有機重合体としては、主
鎖が本質的に-R-O-(式中、Rは炭素数2〜4の2価の
アルキレン基を表わす)で示される化学的に結合してい
る繰返し単位を有するポリエーテル、たとえばプロピレ
ンオキシド、エチレンオキシド、テトラヒドロフランな
どの環状エーテルの重合によりえられるポリエーテル系
重合体;前記ポリエーテル系重合体で炭素数1〜12のア
ルコールとアクリル酸やメタクリル酸とのエステル、酢
酸ビニル、アクリロニトリル、スチレンなどのビニルモ
ノマーを重合させてえられるビニルポリマー変性ポリエ
ーテル系重合体などがあげられるが、これらのなかでも
液状物として取扱いやすいという点から、とくに重合体
分子中に少なくとも1つの反応性ケイ素基を有するポリ
プロピレンオキシドが好ましい。前記ポリエーテル系有
機重合体の主鎖のアルキレン基の炭素数が1のばあい、
熱的に不安定となり、また炭素数が4よりも大きいばあ
い、コスト的に不利となる。
前記ポリエーテル系有機重合体中に含有されている反応
性ケイ素基としては、たとえば加水分解性ケイ素基また
はシラノール基があげられる。
本明細書にいう加水分解性ケイ素基とは、シラノール縮
合触媒の存在下または非存在下で、水分により加水分解
をうける加水分解性基がケイ素原子に結合している基を
意味する。
反応性ケイ素基の例としては、一般式(I): (式中、Xは水酸基または加水分解性基;R1は炭素数
1〜20の1価の炭化水素基または (RSi−O−基(Rは炭素数1〜20の1価の炭
化水素基を示す)などのシロキシ基;aは0、1、2ま
たは3;bは0、1または2で1≦a+bを満足する
数;mは0または1〜18の整数を示す)で表わされる基
があげられる。
前記ポリエーテル系有機重合体の反応性ケイ素基と重合
体鎖はケイ素−炭素結合を介して結合されていることが
好ましい。好ましい反応性ケイ素基として一般式(II): (式中、Xは水酸基または加水分解性基;R2は炭素数
1〜18の1価の炭化水素基、nは1、2または3)で表
わされる基があげられるがこれらのなかでもメチルジメ
トキシシリル基、メチルジエトキシシリル基、ジメチル
メトキシシリル基などのアルコキシシリル基はとくに硬
化性および硬化後の接着特性に優れているので好適に使
用しうる。
前記加水分解性基の具体例としては、たとえば水素原
子、ハロゲン原子、アルコキシ基、アシルオキシ基、ケ
トキシメート基、アミノ基、アミド基、アミノオキシ
基、メルカプト基、アルケニルオキシ基などの一般に知
られている基があげられる。これらのなかでもアルコキ
シ基は加水分解性がマイルドであり、取扱いやすいとい
う点からとくに好ましい。該加水分解性基は、1個のケ
イ素原子に対して1〜3個の範囲で結合しうる。
前記シラノール基は加水分解性ケイ素基を加水分解する
ことによってもうることができる。
前記反応性ケイ素基を形成するケイ素原子は1個でもよ
く、2個以上であってもよいが、シロキサン結合などに
より連結されたケイ素原子のばあいには、20個のものま
でであれば自由に使用しうる。
本発明に用いられる分子中に少なくとも1個、好ましく
は1.2〜6個の反応性ケイ素基を有するポリエーテル系
有機重合体の分子量は500〜50000程度、とくに分子量10
00〜20000程度の液状物が取扱いやすさの点から好まし
い。分子中に含まれる反応性ケイ素基の数が1個未満で
あれば、ポリエーテル系有機重合体の硬化が不充分にな
りやすく、したがって凝集力(保持力)不足になる。ま
た、反応性ケイ素基は分子末端に存在することが感圧接
着特性および熱硬化後の接着特性の点から好ましい。分
子末端に反応性ケイ素基が存在するばあいには、形成さ
れる硬化物に含まれるポリエーテル系有機重合体の有効
網目鎖量が多くなるため、ゴム弾性があらわれやすく、
したがって高強度物がえられやすくなるからである。
前記のごときポリエーテル系有機重合体の具体例として
は、特公昭49-15951号、特開昭57-179210号、同58-1917
03号、同59-78220号、同59-78221号、同59-78222号、同
59-168014号、同60-23405号、同60-32871号、同59-7822
3号、同60-4575号、同60-4576号、特願昭59-84848号、
同59-84849号、同59-156673号、同59-156674号各公報な
どに開示されているものなどがあげられ、本発明におい
てはこれらのみに限定されるものではない。
本発明に用いられる熱硬化性のフェノール樹脂として
は、熱硬化性を有するフェノール樹脂であればとくに限
定されるものではなく、通常使用されるフェノール樹脂
を使用しうる。かかるフェノール樹脂の具体例として
は、フェノール、クレゾール、キシレノール、レゾルシ
ノール、アルキルフェノール、変性フェノール(たとえ
ば、カシューオイル変性フェノール、トールオイル変性
フェノールなど)などのフェノール系化合物とホルマリ
ン、パラホルムアルデヒドなどのアルデヒド系化合物と
の縮合反応によりえられるレゾール型またはノボラック
型のフェノール樹脂、または前記フェノール系化合物と
アルデヒド系化合物との反応の際に、アンモニアやアミ
ン系化合物を触媒として用いて縮合させえられるチッ素
原子を含むフェノール樹脂などがあげられ、これらを単
独で用いてもよく、2種以上混合して用いてもよい。
なお、ノボラック型のフェノール樹脂を使用するばあい
には、硬化に際してアルデヒドやヘキサメチレンテトラ
ミンなどのごときフェノール樹脂用硬化剤として一般に
知られている硬化剤を併用する。
前記ポリエーテル系有機重合体は湿分により硬化する
が、前記熱硬化性のフェノール樹脂も最終的には硬化反
応をおこし前記ポリエーテル系有機重合体と共存する。
本発明の製造方法によってえられる熱硬化性粘着テープ
が、常温で粘着性を示すのはフェノール樹脂が未硬化の
ままで存在している状態ではフェノール樹脂が粘着付与
樹脂としての働きをしているためであり、一方接着力は
フェノール樹脂自体の硬化を、フェノール樹脂の硬化温
度に上げることにより進行させることによってえられ
る。
前記ポリエーテル系有機重合体に対する熱硬化性のフェ
ノール樹脂の混合割合は、熱硬化性のフェノール樹脂が
非常に大きい相溶性を呈するため、任意の割合での混合
が可能である。しかしながら、熱硬化性フェノール樹脂
の割合が大きすぎると、粘着テープの常温におけるタッ
クが減少し、常温における感圧接着性が失なわれるの
で、常温での粘着性とのかねあいで混合割合は設定され
る。したがって通常は前記ポリエーテル系有機重合体10
0重量部に対して前記熱硬化性のフェノール樹脂を20〜1
20重量部用いるのが好ましく、20重量部未満では熱硬化
後の接着特性が不足するようになる。
本発明において、有効成分である前記ポリエーテル系有
機重合体および前記熱可塑性のフェノール樹脂の他に、
各種成分を加えることができる。たとえば前記ポリエー
テル系有機重合体を硬化させるために通常用いられるシ
ラノール縮合触媒、老化防止剤、紫外線吸収剤、滑剤、
アミノシラン、メルカプトシラン、エポキシシランなど
のような通常使用されるシランカップリング剤、顔料、
発泡剤、充填剤、可塑剤などを必要に応じて添加するの
がよい。硬化を促進するシラノール縮合触媒の具体例と
しては、テトラブチルチタネート、テトラプロピルチタ
ネートなどチタン酸エステル類;ジブチルスズジラウレ
ート、ジブチルスズマレエート、ジブチルスズジアセテ
ート、オクチル酸スズ、ナフテン酸スズなどのスズカル
ボン酸塩類;ジブチルスズオキサイドとフタル酸エステ
ルとの反応物;ジブチルスズアセチルアセトナート;ア
ルミニウムトリスアセチルアセトナート、アルミニウム
トリスエチルアセトアセテート、ジイソプロポキシアル
ミニウムエチルアセトアセテートなどの有機アルミニウ
ム化合物、ジルコニウムテトラアセチルアセトナート、
チタンテトラアセチルアセトナートなどのキレート化合
物;オクチル酸鉛;ブチルアミン、モノエタノールアミ
ン、トリエチレントリアミン、グアニジン、2−エチル
-4-メチルイミダゾール、1,3-ジアザビシクロ(5,4,6)ウ
ンデセン-7(DBU)などのアミン化合物またはこれらのカ
ルボン酸などの塩;および他の酸性触媒、塩基性触媒な
ど公知のシラノール触媒があげられる。また粘着特性や
接着特性の調節のために各種粘着付与樹脂を併用しても
よい。
前記ポリエーテル系有機重合体および前記熱硬化性のフ
ェノール樹脂を有効成分とする混合物の調整法は、とく
に限定はなく、たとえば前記熱硬化性のフェノール樹脂
をメチルエチルケトンやトルエンなどの有機溶剤に溶解
し、その溶液に前記ポリエーテル系有機重合体を混合溶
解したり、または前記ポリエーテル系有機重合体および
前記熱硬化性のフェノール樹脂を配合し、ロールやニー
ダーなどを用いて加熱下で混練したり、適した溶剤を少
量使用して両成分を溶解し、粘度調整して混合するなど
の方法を使用することができる。
前記のようにして調整された混合物の塗工方法は、塗布
されるフィルムまたはシート基材などにより限定される
ものではなく、ポリエステルフィルム、セロファンフィ
ルム、アセテートフィルム、紙、ガラスクロス、シリコ
ーン剥離紙などのフィルムまたはシート基材の片面また
は両面にコーターを用いて均一に塗布し、100〜120℃で
1〜5分間乾燥してポリエーテル系有機重合体を硬化さ
せることにより、目的とする熱硬化性粘着テープをうる
ことができる。粘着テープの基材にシリコン剥離紙を用
いたばあいは、そのまま巻き取って転写テープとして用
いてもよいが、フィルムや紙などに転写した後、粘着テ
ープとして用いてもよい。また、フィルム、紙、不織
布、発泡シートなどを芯材として用い、その両面に直接
または転写により塗工すれば、両面粘着テープとして用
いることもできる。
該粘着テープ作製時の乾燥温度は、粘着テープ作製時
に、前記熱硬化性フェノール樹脂の硬化が進行すると常
温における感圧接着性が低下するため、前記熱硬化性フ
ェノール樹脂が硬化しない温度であることが必要であ
り、かかる温度は通常120℃以下であるのが好ましい。
本発明の製造方法によりえられる熱硬化性粘着テープ
は、常温では分子中に少なくとも1つの反応性ケイ素基
を含有するポリエーテル系有機重合体の硬化物の網目鎖
のなかに熱硬化性フェノール樹脂が熱可塑の状態、すな
わち未硬化のまま相溶して相存し、いわゆる粘着付与樹
脂として働くため、常温で優れた感圧接着性を呈し、被
着体に貼付すると同時に容易に加熱により熱可塑性フェ
ノール樹脂が硬化するので、粘着性は失われるが強固な
接着力を発現するのである。さらに、本発明の製造方法
によってえられた熱硬化性粘着テープは、従来のジエン
系エラストマーを用いたものとは異なり、前記ポリエー
テル系有機重合体の主鎖が飽和型のポリエーテル系有機
重合体であり、架橋がシロキサン構造でもあるので、熱
的にも安定しているのである。
したがって、フェノール樹脂の硬化時にすでに硬化して
いるポリエーテル系有機重合体が分解しない高温の環境
下で用いることができるという利点がある。
つぎに、本発明を実施例に基づき説明するが、本発明は
かかる実施例のみに限定されるものではない。
製造例1 アリルエーテル基を全末端の97%に導入した平均分子量
8000のポリプロピレンオキシド800gを攪拌機付耐圧反
応容器に入れ、メチルジメトキシシラン19gを加えた。
ついで塩化白金酸触媒溶液(H2PtCl6・6H2Oの8.9gをイ
ソプロピルアルコール18mlおよびテトラヒドロフラン16
0mlに溶解させた溶液)0.34mlを加えたのち、80℃で6
時間反応させた。
反応溶液中の残存水素化ケイ素基の量をIRスペクトル分
析法により定量したところ、ほとんど残存していなかっ
た。またNMR法によりケイ素基の定量をしたところ、分
子末端に を1分子あたり約1.7個有するポリプロピレンオキシド
がえられた。
実施例1〜4 スミライトレジンPR-12687(住友ベークライト(株)製
のヘキサメチレンテトラミン含有カシュー変性ノボラッ
ク型フェノール樹脂)の25%メチルエチルケトン溶液お
よびスミライトレジンPR-50775(住友ベークライト
(株)製のヘキサメチレンテトラミン含有アルキルフェ
ノール変性ノボラック型フェノール樹脂)の25%溶液
(トルエン:メチルエチルケトン=2:1混合溶液を作
製し、これを製造例1でえられた反応性ケイ素基を有す
るポリマー100重量部に対して、第1表に示す割合(固
形分比)で混合した後、2,2′−メチレンビス(4−メ
チル−6-t-ブチルフェノール)1重量部およびアルミニ
ウムトリスエチルアセテートの50%トルエン溶液を10重
量部加え、充分に混合して溶液を調製した。この溶液を
厚さ50μmのポリエステルフィルムに塗工し、120℃で
5分間乾燥して、糊厚が約80μmの粘着テープをえた。
えられた粘着テープの物性としてタックおよび180℃剥
離接着強度を調べた。その結果を第1表に併記する。
(タック) ジェイ・ダウ(J.Dow)式の傾斜式ボールタック法に準
じて傾斜角30°、雰囲気温度23℃にて測定した。数値は
スチールボールの大きさを表わし、該数値は大きい方が
好ましい。
(180°剥離接着強度) えられた粘着テープをステンレス板に貼り、室温(約23
℃)で60分間放置後、165℃で3分間放置後、165℃で20
分間放置後または165℃で60分間放置後に180°剥離接着
強度を引張速度(300mm/分)で測定した。
比較例1 比較例として製造例1のポリマー100重量部に非熱硬化
性のフェノール樹脂を75重量部加え、実施例1と同様に
して2,2′−メチレンビス(4−メチル−6-t-ブチルフ
ェノール)1重量部およびアルミニウムトリスエチルア
セテートの50%トルエン溶液を10重量部加えて粘着剤溶
液をえた。この溶液を実施例1と同様にして粘着テープ
を作製し、その性能を評価した。結果を第1表に併せて
示した。
比較例2 比較例として実施例3と全く同じ組成の溶液を用い、乾
燥後の糊厚が80μmになるように厚さ50μmのポリエス
テルフィルムに塗工後、いきなり165℃で20分間乾燥さ
せた。えられた粘着テープの性能を実施例1と同様にし
て評価した。このテープのボールタックは1以下であ
り、接触タックもなく180°剥離接着強度の評価が不可
能であった。
実施例5〜7 スミライトレジンPR-50775(住友ベークライト(株)製
のヘキサメチレンテトラミン含有アルキルフェノール変
性ノボラック型フェノール樹脂)の25%溶液(メチルエ
チルケトン:トルエン==2:1混合溶液)に製造例1
でえられた反応性ケイ素基を有するポリマー100重量部
を固形分で第2表に示す割合で混合した後、2,2′−メ
チレンビス(4−メチル−6-t-ブチルフェノール)1重
量部およびアルミニウムトリスエチルアセトアセテート
の50%トルエン溶液を10重量部加えて充分に混合して溶
液を調製した。この溶液をシリコン剥離紙上に塗工し、
120℃で5分間乾燥して、糊厚約80μmの転写テープを
えた。この転写テープの一部を厚さ25μmのポリフィル
ム上に転写し、タック、粘着力および保持力を測定し
た。残りは、Al板に転写し、引張せん断接着強度およ
びT形剥離接着強度を測定した。
なお、タックについては実施例1〜4と同様にして測定
し、また粘着力、保持力、引張せん断接着強度およびT
形剥離接着強度については、下記の方法にしたがって調
べた。その結果を第2表に示す。
(粘着力) JIS Z-0237に準じて被着体としてステンレス板を用い、
剥離速度300mm/分で雰囲気温度23℃にて180°剥離を行
なった。
(保持力) 粘着テープを25mm×25mm切断してステンレス板被着体に
貼り、雰囲気温度100℃にて、1kgの荷重をかけて60分
間経過後の移動距離を測定した。移動距離が少ないもの
が好ましい。
(引張せん断接着強度) アルミニウム板(JIS H 4000に規定されている100mm×2
5mm×2mmのA-1050Pのアルミニウム板)の表面をアセ
トンで軽くふいたのち、この上に上記転写テープを約25
mm×12.5mmの広さの面積に貼り(転写し)、その上にも
う1枚同じアルミニウム板を貼合わせ、手で圧着した。
このサンプルを、JIS K 6850に準じて165℃で20分間ま
たは60分加熱して、フェノール樹脂を硬化させた後、試
験片の接着剤の部分が破壊されるまでの最大荷重を引張
速度5mm/minで測定し、えられた値をせん断面積で割
ることにより引張せん断接着強度を求めた。
(T形剥離接着強度) アルミニウム板(JIS H 4000に規定されている200mm×2
5mm×0.1mmのA-1050Pのアルミニウム板)の表面をアセ
トンで軽くふいたのち、この上に上記転写テープをスパ
チュラで約100mm×25mmの広さの面積に貼り(転写
し)、その上にもう1枚同じアルミニウム板を貼合わ
せ、5kgのハンドローラーで長さ方向に往復しないよう
に5回繰返して圧着した。このサンプルを、165℃で20
分間または60分加熱して、フェノール樹脂を硬化させた
後、引張試験機械にT形に取付け、糊部分の破壊される
ときの強度をT形剥離接着強度として引張速度200mm
/minで求めた。
実施例8 実施例7でえられた混合物に、γ−(2−アミノエチ
ル)アミノプロピルトリメトキシシランを製造例1の反
応性ケイ素基を有するポリマー100重量部に対して1.0重
量部加えたほかは実施例7と同様にして粘着テープを作
製し、タック、粘着力、保持力、引張せん断接着強度お
よびT形剥離接着強度を調べた。その結果を第2表に示
す。
比較例3 比較例としてPR-50775、20重量部に代えて製造例1のポ
リマー100重量部に対して熱可塑性の芳香族系石油樹脂
(FTR6100、三井石油化学工業(株)製)75重量部を配
合したほかは全て実施例5と同様にして粘着テープを作
製し、その性質を評価した。結果を第2表に併せて記
す。
第1表および第2表から明らかように本発明の製造方法
によってえられる熱硬化性粘着テープは、常温で粘着性
を有し、加熱処理することにより強い接着力を発現する
という好ましい性質を有していることがわかる。
[発明の効果] 本発明の製造方法によれば、常温で感圧接着性を有し、
加熱によってさらに硬化して強い接着力を発現し、熱的
にも安定な性質を有する熱硬化性粘着テープをうること
ができ、たとえば電気絶縁用、制振鋼板用などをはじ
め、種々の用途に好適に使用することができるという硬
化を奏する。

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】分子中に少なくとも1つの反応性ケイ素基
    を含有するポリエーテル系有機重合体および熱硬化性の
    フェノール樹脂を有効成分として含有する混合物を基材
    に塗布し、前記フェノール樹脂の硬化温度以下で前記ポ
    リエーテル系有機重合体を硬化させることを特徴とする
    熱硬化性粘着テープの製造方法。
  2. 【請求項2】前記ポリエーテル系有機重合体中の反応性
    ケイ素基がアルコキシシリル基である特許請求の範囲第
    1項記載の熱硬化性粘着テープの製造方法。
  3. 【請求項3】前記ポリエーテル系有機重合体の主鎖が本
    質的に-R-O-(式中、Rは炭素数2〜4の2価のアルキ
    レン基を表わす)で示される化学的に結合している繰返
    し単位を有するポリエーテルである特許請求の範囲第1
    項記載の熱硬化性粘着テープの製造方法。
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