JPH0645722Y2 - トルク変動吸収装置 - Google Patents
トルク変動吸収装置Info
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- JPH0645722Y2 JPH0645722Y2 JP2197587U JP2197587U JPH0645722Y2 JP H0645722 Y2 JPH0645722 Y2 JP H0645722Y2 JP 2197587 U JP2197587 U JP 2197587U JP 2197587 U JP2197587 U JP 2197587U JP H0645722 Y2 JPH0645722 Y2 JP H0645722Y2
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- torque
- flywheel
- drive plate
- spring
- driven
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Description
【考案の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 本考案は、エンジンのトルク変動吸収装置に関し、特に
その減衰・トルクリミット機構の確実な作動を図ったト
ルク変動吸収装置に関する。
その減衰・トルクリミット機構の確実な作動を図ったト
ルク変動吸収装置に関する。
自動車や船舶等のエンジンの動力伝達装置には、エンジ
ンからの入力側に生じるねじり振動やトルク変動がその
ままあるいは増幅されて出力側に伝えられると出力側機
器の損傷を招くので、トルク変動吸収装置が介装されて
いる。
ンからの入力側に生じるねじり振動やトルク変動がその
ままあるいは増幅されて出力側に伝えられると出力側機
器の損傷を招くので、トルク変動吸収装置が介装されて
いる。
従来トルク変動吸収装置としては、例えば実開昭61-235
47号公報に示されたものがある。
47号公報に示されたものがある。
つまり、第5,6図に示すように、駆動軸としてのエンジ
ンクランクシャフト1には、ドライブプレート2が同シ
ャフト1と一体回転するようにボルトにより連結されて
いる。このドライブプレート2は、リング状のドライブ
プレート本体2a,2bを鋼板の側板2c,2dで両側から挟みこ
れらをリベット3,ねじ4で一体に結合したものである。
ンクランクシャフト1には、ドライブプレート2が同シ
ャフト1と一体回転するようにボルトにより連結されて
いる。このドライブプレート2は、リング状のドライブ
プレート本体2a,2bを鋼板の側板2c,2dで両側から挟みこ
れらをリベット3,ねじ4で一体に結合したものである。
ドライブプレート2の一部を構成する側板2c,2dのうち
フライホイール6側の側板2dは、その外周部をフライホ
イール6の外周を覆うようにほぼL字状断面となるよう
に折り曲げられた折り曲げ部2d′が形成され、同折り曲
げ部2d′がドライブプレート2とフライホイール6との
間に半径方向に延びるよう形成された隙間11の外周開口
を覆っている。なお、ドライブプレート本体2aの外周に
は、スタータ用のリングギヤ5が圧入,焼ばめ等により
装着されている。
フライホイール6側の側板2dは、その外周部をフライホ
イール6の外周を覆うようにほぼL字状断面となるよう
に折り曲げられた折り曲げ部2d′が形成され、同折り曲
げ部2d′がドライブプレート2とフライホイール6との
間に半径方向に延びるよう形成された隙間11の外周開口
を覆っている。なお、ドライブプレート本体2aの外周に
は、スタータ用のリングギヤ5が圧入,焼ばめ等により
装着されている。
フライホイール6は、ドライブプレート2に対向してか
つドライブプレート2と同軸上の位置において、ドライ
ブプレート2と相対回動可能となるようにベアリング7
を介してドライブプレート2に支持されている。
つドライブプレート2と同軸上の位置において、ドライ
ブプレート2と相対回動可能となるようにベアリング7
を介してドライブプレート2に支持されている。
なお、符号8は図示しないクラッチを位置合わせするた
めのピン、9は図示しないクラッチカバーを取り付ける
ためのねじ穴である。
めのピン、9は図示しないクラッチカバーを取り付ける
ためのねじ穴である。
フライホイール6は後述する減衰・トルクリミット機構
15を収納するための環状凹所6aを形成すべく、フライホ
イール本体6aとドリブンプレート6bとの2分割の構成と
なっており、フライホイール本体6aとドリブンプレート
6bとはボルト10によって互いに一体的に結合されてい
る。
15を収納するための環状凹所6aを形成すべく、フライホ
イール本体6aとドリブンプレート6bとの2分割の構成と
なっており、フライホイール本体6aとドリブンプレート
6bとはボルト10によって互いに一体的に結合されてい
る。
これらのドライブプレート2とフライホイール6との間
には、ばね機構12が設けられている。このばね機構12
は、コイルスプリング13と同コイルスプリング13の両端
に設けられスプリングシート14,14と、同スプリングシ
ート14,14の各内端に固着されスプリング13より大きな
ばね定数をもって変形し得る弾性体14a,14aとから構成
される。このスプリングシート14,14は、互いに同型状
のものとして、コイルスプリング13の両端に設けられ
て、弾性体14a,14aは互いに面接触しうるようになって
いる。
には、ばね機構12が設けられている。このばね機構12
は、コイルスプリング13と同コイルスプリング13の両端
に設けられスプリングシート14,14と、同スプリングシ
ート14,14の各内端に固着されスプリング13より大きな
ばね定数をもって変形し得る弾性体14a,14aとから構成
される。このスプリングシート14,14は、互いに同型状
のものとして、コイルスプリング13の両端に設けられ
て、弾性体14a,14aは互いに面接触しうるようになって
いる。
このうち、一方のスプリングシート14はドライブプレー
ト2のリング状の本体2aの半径方向突出部の一側に当接
し、他方のスプリングシート14は後述する減衰・トルク
リミット機構15の各ドリブンディスク16′の半径方向外
方延設部16bに当接しうるような構造となっている。こ
れらのスプリングシート14は、駆動軸1にトルクがかか
らない状態においては、同スプリングシート14の当接し
うる部材との間には間隙が存在するようになっている。
ト2のリング状の本体2aの半径方向突出部の一側に当接
し、他方のスプリングシート14は後述する減衰・トルク
リミット機構15の各ドリブンディスク16′の半径方向外
方延設部16bに当接しうるような構造となっている。こ
れらのスプリングシート14は、駆動軸1にトルクがかか
らない状態においては、同スプリングシート14の当接し
うる部材との間には間隙が存在するようになっている。
減衰・トルクリミット機構15は、フライホイール6の環
状凹所6cを形成するフライホイール本体6aの内壁面6dと
ドライブプレート6bの内壁面6eとの間に保持されてお
り、第7図に示すように、一対のドリブンディスク16′
と、両ドリブンディスク16′,16′間に介装され各ドリ
ブンディスク16′をフライホイール本体6aの内壁面6dあ
るいはドライブプレート6bの内壁面6eに付勢するコース
スプリング17と、各ドリブンディスク16′における内壁
面6dあるいは6eに接する側の表面にそなえられた摩擦材
からなるライニング16′aとから構成されている。
状凹所6cを形成するフライホイール本体6aの内壁面6dと
ドライブプレート6bの内壁面6eとの間に保持されてお
り、第7図に示すように、一対のドリブンディスク16′
と、両ドリブンディスク16′,16′間に介装され各ドリ
ブンディスク16′をフライホイール本体6aの内壁面6dあ
るいはドライブプレート6bの内壁面6eに付勢するコース
スプリング17と、各ドリブンディスク16′における内壁
面6dあるいは6eに接する側の表面にそなえられた摩擦材
からなるライニング16′aとから構成されている。
ライニング16′aは、フライホイール本体6aあるいはド
リブンプレート6bとの摺動摩擦損失によりトルク変動の
振動に減衰作用を与えうるようになっている。なお、コ
ーンスプリング17によってドリブンディスク16′のフラ
イホイール本体6a,ドリブンプレート6bへの押しつけ力
がきまるが、コーンスプリング17はこの押しつけ力が適
当な大きさになるようなばね定数を有している。
リブンプレート6bとの摺動摩擦損失によりトルク変動の
振動に減衰作用を与えうるようになっている。なお、コ
ーンスプリング17によってドリブンディスク16′のフラ
イホイール本体6a,ドリブンプレート6bへの押しつけ力
がきまるが、コーンスプリング17はこの押しつけ力が適
当な大きさになるようなばね定数を有している。
ヒステリシス機構18は、ドライブプレート2とフライホ
イール6との間に介装されており、第8図に示すよう
に、ドライブプレート2と一体回転しうるプレート19
と、同プレート19に張り付けられフライホイール6に係
合する摩擦材19aと、ドライブプレート2とプレート19
との間に介装され摩擦材19aをフライホイール6へ付勢
する皿ばね20とから構成されている。
イール6との間に介装されており、第8図に示すよう
に、ドライブプレート2と一体回転しうるプレート19
と、同プレート19に張り付けられフライホイール6に係
合する摩擦材19aと、ドライブプレート2とプレート19
との間に介装され摩擦材19aをフライホイール6へ付勢
する皿ばね20とから構成されている。
なお、プレート19の一部には屈曲部が形成されていて、
この屈曲部をドライブプレート2の側板2cに形成された
穴22に係合させることにより、プレート19はドライブプ
レート2に周方向へ固定される。また、摩擦材19aはポ
リイミド樹脂を主成分とする材料からなる。
この屈曲部をドライブプレート2の側板2cに形成された
穴22に係合させることにより、プレート19はドライブプ
レート2に周方向へ固定される。また、摩擦材19aはポ
リイミド樹脂を主成分とする材料からなる。
上述の構成により、エンジンのクランクシャフト1の回
転トルクは、クランクシャフト1と一体回転するドライ
ブプレート2に伝えられ、ばね機構12,減衰・トルクリ
ミット機構15,ヒステリシス機構18を介してフライホイ
ール6に伝達される。
転トルクは、クランクシャフト1と一体回転するドライ
ブプレート2に伝えられ、ばね機構12,減衰・トルクリ
ミット機構15,ヒステリシス機構18を介してフライホイ
ール6に伝達される。
このときクランクシャフト1の回転トルクの微少変動や
エンジン振動は、ばね機構12のばね系および減衰・トル
クリミット機構15やヒステリシス機構18の減衰系によっ
て吸収される。
エンジン振動は、ばね機構12のばね系および減衰・トル
クリミット機構15やヒステリシス機構18の減衰系によっ
て吸収される。
第9図は、これらのばね系・減衰系を介したトルク伝達
特性図であるが、特性Aは、スプリングシート14と同ス
プリングシート14の当接しうる部材との間に存在する間
隙による遊びを示している。
特性図であるが、特性Aは、スプリングシート14と同ス
プリングシート14の当接しうる部材との間に存在する間
隙による遊びを示している。
そして、特性Bは、スプリングシート14がその当接しう
る部材(例えばドリブンディスク16′の半径方向外方延
設部16b)に当接してスプリング13がたわむこと(圧縮
変形)によって生じるもので、特性Cは、スプリング13
の圧縮によってスプリングシート14,14の弾性体14a,14a
が互いに当接して、同スプリングシート14,14が弾性変
形することによって生じるものである。
る部材(例えばドリブンディスク16′の半径方向外方延
設部16b)に当接してスプリング13がたわむこと(圧縮
変形)によって生じるもので、特性Cは、スプリング13
の圧縮によってスプリングシート14,14の弾性体14a,14a
が互いに当接して、同スプリングシート14,14が弾性変
形することによって生じるものである。
また、特性Dは、クランクシャフト1からの捩れトルク
がリミットトルクに達した時に、減衰・トルクリミット
機構15のフライホイール6とドリブンディスク16′との
間に発生する滑りによって生じるものである。
がリミットトルクに達した時に、減衰・トルクリミット
機構15のフライホイール6とドリブンディスク16′との
間に発生する滑りによって生じるものである。
なお、これらの特性A,B,Cは、ヒステリシス機構18の作
用によって、ヒステリシスループを描く。
用によって、ヒステリシスループを描く。
したがって、クランクシャフト1からのトルクが低トル
クのときは、まずスプリングシート14とドリブンディス
ク16′との間の遊びと、ヒステリシス機構18の低摩擦力
とが有効に働いて特性Aを得て、それ以上のトルクが作
用すると、スプリングシート14とドリブンディスク16′
とが接触して、スプリング13が撓んで特性Bを得て、さ
らに、トルクが大になってスプリング13の撓みが増加し
スプリングシート14,14の弾性体14a,14aが互いに当接し
て、それ以上のトルクが加わるとスプリングシート14の
弾性体14a自体が撓んで特性Cを得る。そして、さらに
トルクが増加して必要以上のトルクとなると、減衰・ト
ルクリミット機構15において、ドリブンディスク16′側
のライニング16′aとフライホイール6との間で滑りを
生じ続ける摩擦状態となって、必要以上のトルクがカッ
トされる特性Dを得る。
クのときは、まずスプリングシート14とドリブンディス
ク16′との間の遊びと、ヒステリシス機構18の低摩擦力
とが有効に働いて特性Aを得て、それ以上のトルクが作
用すると、スプリングシート14とドリブンディスク16′
とが接触して、スプリング13が撓んで特性Bを得て、さ
らに、トルクが大になってスプリング13の撓みが増加し
スプリングシート14,14の弾性体14a,14aが互いに当接し
て、それ以上のトルクが加わるとスプリングシート14の
弾性体14a自体が撓んで特性Cを得る。そして、さらに
トルクが増加して必要以上のトルクとなると、減衰・ト
ルクリミット機構15において、ドリブンディスク16′側
のライニング16′aとフライホイール6との間で滑りを
生じ続ける摩擦状態となって、必要以上のトルクがカッ
トされる特性Dを得る。
このようにして効果的にトルク変動が吸収され、パワー
トレインへと伝達される。
トレインへと伝達される。
しかしながら、上述の従来のトルク変動吸収装置では、
減衰・トルクリミット機構15を構成するドリブンディス
ク16′,16′がコーンスプリング17によって内壁面6d,6e
に向けて付勢されるが、ドリブンディスク16′は、第10
図(第5図のX部拡大図)に示すように、コーンスプリ
ング17との係合部近傍から半径方向に離れるにしたがっ
て対向する内壁面6d,6eから隔離する方向へ弾性的に面
変形する。
減衰・トルクリミット機構15を構成するドリブンディス
ク16′,16′がコーンスプリング17によって内壁面6d,6e
に向けて付勢されるが、ドリブンディスク16′は、第10
図(第5図のX部拡大図)に示すように、コーンスプリ
ング17との係合部近傍から半径方向に離れるにしたがっ
て対向する内壁面6d,6eから隔離する方向へ弾性的に面
変形する。
したがって、コーンスプリング17との係合部近傍では、
ライニング16′aが内壁面6d,6eと片当たりを生じて、
所望の静摩擦力を得られなくなり、クランクシャフト1
からのトルク変動がリミットトルクまで達する前に減衰
・トルクリミット機構15にすべりが生じてしまい、リミ
ットトルクの大きさまでトルク伝達を確実に行なえない
という問題点がある。
ライニング16′aが内壁面6d,6eと片当たりを生じて、
所望の静摩擦力を得られなくなり、クランクシャフト1
からのトルク変動がリミットトルクまで達する前に減衰
・トルクリミット機構15にすべりが生じてしまい、リミ
ットトルクの大きさまでトルク伝達を確実に行なえない
という問題点がある。
本考案は、上述の問題点の解決をはかろうとするもの
で、環状凹部の各内壁面とドリブンディスクとの摩擦係
合部分の片当たりを防止して、所望の摩擦力を得られる
ようにすることにより、リミットトルクに達したところ
で確実に減衰・トルクリミット機構が作動できるように
した、トルク変動吸収装置を提供することを目的とす
る。
で、環状凹部の各内壁面とドリブンディスクとの摩擦係
合部分の片当たりを防止して、所望の摩擦力を得られる
ようにすることにより、リミットトルクに達したところ
で確実に減衰・トルクリミット機構が作動できるように
した、トルク変動吸収装置を提供することを目的とす
る。
このため、本考案のトルク変動吸収装置は、駆動軸に連
結されるドライブプレートと、同ドライブプレートと同
軸上に同ドライブプレートに対して相対回転可能にそな
えられたフライホイールとで慣性体が構成され、上記の
ドライブプレートとフライホイールとの間に、減衰・ト
ルクリミット機構が介装されて、上記駆動軸の回転を上
記ドライブプレートと上記減衰・トルクリミット機構と
を介して上記フライホイールに伝達させるトルク変動吸
収装置において、上記減衰・トルクリミット機構が、上
記フライホイールに形成された環状凹部の対向する2つ
の内壁面と、各内壁面にそれぞれ摩擦接合するように互
いにほぼ平行に配設されると共に上記ドライブプレート
とフライホイール間に所定角度以上の相対回転が生じた
ときに上記ドライブプレートに係合するように構成され
た一対のドリブンディスクと、同ドリブンディスク相互
間に介装され各ドリブンディスクを接合する内壁面側へ
付勢するコーンスプリングとから構成されて、上記一対
のドリブンディスクがそれぞれ上記コーンスプリングの
付勢力により生じる弾性的面変形と逆向きの面変形を予
め与えられていることを特徴としている。
結されるドライブプレートと、同ドライブプレートと同
軸上に同ドライブプレートに対して相対回転可能にそな
えられたフライホイールとで慣性体が構成され、上記の
ドライブプレートとフライホイールとの間に、減衰・ト
ルクリミット機構が介装されて、上記駆動軸の回転を上
記ドライブプレートと上記減衰・トルクリミット機構と
を介して上記フライホイールに伝達させるトルク変動吸
収装置において、上記減衰・トルクリミット機構が、上
記フライホイールに形成された環状凹部の対向する2つ
の内壁面と、各内壁面にそれぞれ摩擦接合するように互
いにほぼ平行に配設されると共に上記ドライブプレート
とフライホイール間に所定角度以上の相対回転が生じた
ときに上記ドライブプレートに係合するように構成され
た一対のドリブンディスクと、同ドリブンディスク相互
間に介装され各ドリブンディスクを接合する内壁面側へ
付勢するコーンスプリングとから構成されて、上記一対
のドリブンディスクがそれぞれ上記コーンスプリングの
付勢力により生じる弾性的面変形と逆向きの面変形を予
め与えられていることを特徴としている。
上述の本考案のトルク変動吸収装置では、駆動軸からの
トルクが、ドライブプレート側から減衰・トルクリミッ
ト機構に伝達され、同減衰・トルクリミット機構によ
り、変動を吸収されてフライホイール側に伝達される。
このとき、上記減衰・トルクリミット機構を構成する一
対のドリブンディスクがそれぞれ上記コーンスプリング
の付勢力により生じる弾性的面変形と逆向きの面変形を
予め与えられていて、上記ドリブンディスクの装着時に
は、上記コーンスプリングをはじめとした外力によって
上記逆向きの変形がほぼ平面状に矯正された状態になっ
ているため、両ドリブンディスクはフライホイールに形
成された内壁面と片当たりすることなく全面的に均等な
力で摩擦接触する。
トルクが、ドライブプレート側から減衰・トルクリミッ
ト機構に伝達され、同減衰・トルクリミット機構によ
り、変動を吸収されてフライホイール側に伝達される。
このとき、上記減衰・トルクリミット機構を構成する一
対のドリブンディスクがそれぞれ上記コーンスプリング
の付勢力により生じる弾性的面変形と逆向きの面変形を
予め与えられていて、上記ドリブンディスクの装着時に
は、上記コーンスプリングをはじめとした外力によって
上記逆向きの変形がほぼ平面状に矯正された状態になっ
ているため、両ドリブンディスクはフライホイールに形
成された内壁面と片当たりすることなく全面的に均等な
力で摩擦接触する。
以下、図面により本考案の一実施例としてのトルク変動
吸収装置について説明すると、第1図はその減衰・トル
クリミット機構を示す縦断面図(第5図のX部相当箇所
拡大図)、第2図は同減衰・トルクリミット機構を組立
てる前の状態を示す分解断面図である。
吸収装置について説明すると、第1図はその減衰・トル
クリミット機構を示す縦断面図(第5図のX部相当箇所
拡大図)、第2図は同減衰・トルクリミット機構を組立
てる前の状態を示す分解断面図である。
本実施例のトルク変動吸収装置も、第3,4図に示す従来
例のものとほぼ同様に構成される。
例のものとほぼ同様に構成される。
つまり、第3,4図に示すように、駆動軸としてのエンジ
ンクランクシャフト1には、ドライブプレート2が同シ
ャフト1と一体回転するようにボルトにより連結されて
いる。このドライブプレート2は、リング状のドライブ
プレート本体2a,2bを鋼板の側板2c,2dで両側から挟みこ
れらをリベット3,ねじ4で一体に結合したものである。
ンクランクシャフト1には、ドライブプレート2が同シ
ャフト1と一体回転するようにボルトにより連結されて
いる。このドライブプレート2は、リング状のドライブ
プレート本体2a,2bを鋼板の側板2c,2dで両側から挟みこ
れらをリベット3,ねじ4で一体に結合したものである。
ドライブプレート2の一部を構成する側板2c,2dのうち
フライホイール6側の側板2dは、その外周部をフライホ
イール6の外周を覆うようにほぼL字状断面となるよう
に折り曲げられた折り曲げ部2d′が形成され、同折り曲
げ部2d′がドライブプレート2とフライホイール6との
間に半径方向に延びるよう形成された隙間11の外周開口
を覆っている。なお、ドライブプレート本体2aの外周に
は、スタータ用のリングギヤ5が圧入,焼ばめ等により
装着されている。
フライホイール6側の側板2dは、その外周部をフライホ
イール6の外周を覆うようにほぼL字状断面となるよう
に折り曲げられた折り曲げ部2d′が形成され、同折り曲
げ部2d′がドライブプレート2とフライホイール6との
間に半径方向に延びるよう形成された隙間11の外周開口
を覆っている。なお、ドライブプレート本体2aの外周に
は、スタータ用のリングギヤ5が圧入,焼ばめ等により
装着されている。
フライホイール6は、ドライブプレート2に対向してか
つドライブプレート2と同軸上の位置において、ドライ
ブプレート2と相対回動可能となるようにベアリング7
を介してドライブプレート2に支持されている。
つドライブプレート2と同軸上の位置において、ドライ
ブプレート2と相対回動可能となるようにベアリング7
を介してドライブプレート2に支持されている。
なお、符号8は図示しないクラッチを位置合わせするた
めのピン、9は図示しないクラッチカバーを取り付ける
ためのねじ穴である。
めのピン、9は図示しないクラッチカバーを取り付ける
ためのねじ穴である。
フライホイール6は後述する減衰・トルクリミット機構
15を収納するための環状凹所6cを形成すべく、フライホ
イール本体6aとドリブンプレート6bとの2分割の構成と
なっており、フライホイール本体6aとドリブンプレート
6bとはボルト10によって互いに一体的に結合されてい
る。
15を収納するための環状凹所6cを形成すべく、フライホ
イール本体6aとドリブンプレート6bとの2分割の構成と
なっており、フライホイール本体6aとドリブンプレート
6bとはボルト10によって互いに一体的に結合されてい
る。
これらのドライブプレート2とフライホイール6との間
には、ばね機構12が設けられている。このばね機構12
は、コイルスプリング13と、同コイルスプリング13の両
端に設けられスプリングシート14,14と、同スプリング
シート14,14の各内端に固着されスプリング13より大き
なばね定数をもって変形し得る弾性体14a,14aとから構
成される。このスプリングシート14,14は、互いに同型
状のものとして、コイルスプリング13の両端に設けられ
て、弾性体14a,14aは互いに面接触しうるようになって
いる。
には、ばね機構12が設けられている。このばね機構12
は、コイルスプリング13と、同コイルスプリング13の両
端に設けられスプリングシート14,14と、同スプリング
シート14,14の各内端に固着されスプリング13より大き
なばね定数をもって変形し得る弾性体14a,14aとから構
成される。このスプリングシート14,14は、互いに同型
状のものとして、コイルスプリング13の両端に設けられ
て、弾性体14a,14aは互いに面接触しうるようになって
いる。
このうち、一方のスプリングシート14はドライブプレー
ト2のリング状の本体2aの半径方向突出部の一側に当接
し、他方のスプリングシート14は後述する減衰・トルク
リミット機構15のドリブンディスク16の半径方向外方延
設部16bに当接しうるような構造となっている。これら
の各スプリングシート14は、駆動軸1にトルクがかから
ない状態においては、同スプリングシート14の当接しう
る部材との間には隙間が存在するようになっている。
ト2のリング状の本体2aの半径方向突出部の一側に当接
し、他方のスプリングシート14は後述する減衰・トルク
リミット機構15のドリブンディスク16の半径方向外方延
設部16bに当接しうるような構造となっている。これら
の各スプリングシート14は、駆動軸1にトルクがかから
ない状態においては、同スプリングシート14の当接しう
る部材との間には隙間が存在するようになっている。
減衰・トルクリミット機構15は、フライホイール6の環
状凹所6cを形成するフライホイール本体6aの内壁面6dと
ドリブンプレート6bの内壁面6eとの間に保持されてお
り、第7図に示すように、一対のドリブンディスク16
と、両ドリブンディスク16,16間に介装され各ドリブン
ディスク16をフライホイール本体6aの内壁面6dあるいは
ドリブンプレート6bの内壁面6eに付勢するコーンスプリ
ング17と、各ドリブンディスク16における内壁面6dある
いは6eに接する側の表面にそなえられた摩擦材からなる
ライニング16aとから構成されている。
状凹所6cを形成するフライホイール本体6aの内壁面6dと
ドリブンプレート6bの内壁面6eとの間に保持されてお
り、第7図に示すように、一対のドリブンディスク16
と、両ドリブンディスク16,16間に介装され各ドリブン
ディスク16をフライホイール本体6aの内壁面6dあるいは
ドリブンプレート6bの内壁面6eに付勢するコーンスプリ
ング17と、各ドリブンディスク16における内壁面6dある
いは6eに接する側の表面にそなえられた摩擦材からなる
ライニング16aとから構成されている。
ライニング16aは、フライホイール本体6aあるいはドリ
ブンプレート6bとの摺動摩擦損失によりトルク変動の振
動に減衰作用を与えうるようになっている。なお、コー
ンスプリング17によってドリブンディスク16のフライホ
イール本体6a,ドリブンプレート6bへの押しつけ力がき
まるが、コーンスプリング17はこの押しつけ力が適当な
大きさになるようなばね定数を有している。
ブンプレート6bとの摺動摩擦損失によりトルク変動の振
動に減衰作用を与えうるようになっている。なお、コー
ンスプリング17によってドリブンディスク16のフライホ
イール本体6a,ドリブンプレート6bへの押しつけ力がき
まるが、コーンスプリング17はこの押しつけ力が適当な
大きさになるようなばね定数を有している。
そして、本実施例では、減衰・トルクリミット機構15を
構成するドリブンディスク16が、コーンスプリング17の
付勢力により生じる弾性的面変形と逆向きの面変形を予
め与えられている。つまり、第2図に示すように、各ド
リブンディスク16は、外力の加わらない自然の状態で
は、平面ではなく、内周縁をドリブンプレート6b方向へ
向けて屈曲させた凸曲面状(ホーン状)に形成されてい
る。
構成するドリブンディスク16が、コーンスプリング17の
付勢力により生じる弾性的面変形と逆向きの面変形を予
め与えられている。つまり、第2図に示すように、各ド
リブンディスク16は、外力の加わらない自然の状態で
は、平面ではなく、内周縁をドリブンプレート6b方向へ
向けて屈曲させた凸曲面状(ホーン状)に形成されてい
る。
そして、ドリブンディスク16がライニング16aを張り付
けられて、ドリブンディスク16,16間にコーンスプリン
グ17を介装されて環状凹所6c内に装着されると、各ドリ
ブンディスク16,16は、コーンスプリング17の各当接部
による付勢力および内壁面6d,6eの接合部による反力と
によって、第1図に示すように、ほぼ平面状に矯正され
る。
けられて、ドリブンディスク16,16間にコーンスプリン
グ17を介装されて環状凹所6c内に装着されると、各ドリ
ブンディスク16,16は、コーンスプリング17の各当接部
による付勢力および内壁面6d,6eの接合部による反力と
によって、第1図に示すように、ほぼ平面状に矯正され
る。
このとき、各ドリブンディスク16,16には、第1図中に
鎖線で示すような形状に復元しようとする力が発生し、
これらの復元力とコーンスプリング17による付勢力とが
均り合うようになっている。つまり、各ドリブンディス
ク16,16の内壁面6d,6eとの接触面は、片当たりすること
なく、全面がほぼ均一な押圧力で接触している。
鎖線で示すような形状に復元しようとする力が発生し、
これらの復元力とコーンスプリング17による付勢力とが
均り合うようになっている。つまり、各ドリブンディス
ク16,16の内壁面6d,6eとの接触面は、片当たりすること
なく、全面がほぼ均一な押圧力で接触している。
ヒステリシス機構18は、ドライブプレート2とフライホ
イール6との間に介装されており、第8図に示すよう
に、ドライブプレート2と一体回転しうるプレート19
と、同プレート19に張り付けられフライホイール6に係
合する摩擦材19aと、ドライブプレート2とプレート19
との間に介装され摩擦材19aをフライホイール6へ付勢
する皿ばね20とから構成されている。
イール6との間に介装されており、第8図に示すよう
に、ドライブプレート2と一体回転しうるプレート19
と、同プレート19に張り付けられフライホイール6に係
合する摩擦材19aと、ドライブプレート2とプレート19
との間に介装され摩擦材19aをフライホイール6へ付勢
する皿ばね20とから構成されている。
なお、プレート19の一部には屈曲部が形成されていて、
この屈曲部をドライブプレート2の側板2cに形成された
穴22に係合させることにより、プレート19はドライブプ
レート2に周方向へ固定される。また、摩擦材19aはポ
リイミド樹脂を主成分とする材料からなる。
この屈曲部をドライブプレート2の側板2cに形成された
穴22に係合させることにより、プレート19はドライブプ
レート2に周方向へ固定される。また、摩擦材19aはポ
リイミド樹脂を主成分とする材料からなる。
本考案の一実施例としてのトルク変動吸収装置は上述の
ごとく構成されるので、従来と同様に、エンジンのクラ
ンクシャフト1の回転トルクは、クランクシャフト1と
一体回転するドライブプレート2に伝えられ、ばね機構
12,減衰・トルクリミット機構15,ヒステリシス機構18を
介してフライホイール6に伝達される。
ごとく構成されるので、従来と同様に、エンジンのクラ
ンクシャフト1の回転トルクは、クランクシャフト1と
一体回転するドライブプレート2に伝えられ、ばね機構
12,減衰・トルクリミット機構15,ヒステリシス機構18を
介してフライホイール6に伝達される。
このときクランクシャフト1の回転トルクの微少変動や
エンジン振動は、ばね機構12のばね系および減衰・トル
クリミット機構15やヒステリシス機構18の減衰系によっ
て吸収される。
エンジン振動は、ばね機構12のばね系および減衰・トル
クリミット機構15やヒステリシス機構18の減衰系によっ
て吸収される。
なお、これらのばね系・減衰系を介したトルク伝達特性
も、第9図に示す特性A,B,C,Dのようになる。
も、第9図に示す特性A,B,C,Dのようになる。
したがって、クランクシャフト1からのトルクが低トル
クのときは、まずスプリングシート14とドリブンディス
ク16との間の遊びと、ヒステリシス機構18の低摩擦力と
が有効に働いて特性Aを得て、それ以上のトルクが作用
すると、スプリングシート14とドリブンディスク16とが
接触して、スプリング13が撓んで特性Bを得て、さら
に、トルクが大になってスプリング13の撓みが増加しス
プリングシート14,14の弾性体14a,14aが互いに当接し
て、それ以上のトルクが加わるとスプリングシート14の
弾性体14a自体が撓んで特性Cを得る。そして、さらに
トルクが増加して必要以上のトルクとなると、減衰・ト
ルクリミット機構15において、ドリブンディスク16側の
ライニング16aとフライホイール6との間で滑りを生じ
続ける動摩擦状態となって、必要以上のトルクがカット
される特性Dを得る。
クのときは、まずスプリングシート14とドリブンディス
ク16との間の遊びと、ヒステリシス機構18の低摩擦力と
が有効に働いて特性Aを得て、それ以上のトルクが作用
すると、スプリングシート14とドリブンディスク16とが
接触して、スプリング13が撓んで特性Bを得て、さら
に、トルクが大になってスプリング13の撓みが増加しス
プリングシート14,14の弾性体14a,14aが互いに当接し
て、それ以上のトルクが加わるとスプリングシート14の
弾性体14a自体が撓んで特性Cを得る。そして、さらに
トルクが増加して必要以上のトルクとなると、減衰・ト
ルクリミット機構15において、ドリブンディスク16側の
ライニング16aとフライホイール6との間で滑りを生じ
続ける動摩擦状態となって、必要以上のトルクがカット
される特性Dを得る。
このようにして効果的にトルク変動が吸収され、パワー
トレインへと伝達される。
トレインへと伝達される。
ところで、本実施例では、減衰・トルクリミット機構15
を構成するドリブンディスク16,16が予め変形を与えら
れた上で環状凹所6c内に装着され、装着によって各ドリ
ブンディスク16の復元力が発生し、この復元力とコーン
スプリング17の付勢力とにより、各ライニング16aと内
壁面6d,6eとの接触面が、片当たりすることなく、全面
がほぼ均一な力で押圧されて接触している。
を構成するドリブンディスク16,16が予め変形を与えら
れた上で環状凹所6c内に装着され、装着によって各ドリ
ブンディスク16の復元力が発生し、この復元力とコーン
スプリング17の付勢力とにより、各ライニング16aと内
壁面6d,6eとの接触面が、片当たりすることなく、全面
がほぼ均一な力で押圧されて接触している。
したがって、各ライニング16a,内壁面6d,6eとの接触面
が所定の静摩擦状態を維持することができ、ドライブシ
ャフト1からのトルクが設定されたリミットトルク近傍
に達する前に各内壁面6d,6eと各ライニング16aとが滑り
を始めるようなことがなくなり、所望どうりのトルク伝
達特性を得ることができる。
が所定の静摩擦状態を維持することができ、ドライブシ
ャフト1からのトルクが設定されたリミットトルク近傍
に達する前に各内壁面6d,6eと各ライニング16aとが滑り
を始めるようなことがなくなり、所望どうりのトルク伝
達特性を得ることができる。
このため、トルク伝達系の各機構を確実に保護しなが
ら、ロスの小さなトルク伝達を実現できる。
ら、ロスの小さなトルク伝達を実現できる。
なお、ドリブンディスク16の形状としては、第2図に示
す例の他、第3図に示すように、ほぼ摩擦材26aをそな
える部分のみをコーン状としてその外周部はほぼ平面状
としたドリブンディスク26や、第4図に示すように、全
体を円錐面で形成されたホーン型のドリブンディスク36
および同ドリブンディスク36に整合する摩擦材36aも考
えられる。
す例の他、第3図に示すように、ほぼ摩擦材26aをそな
える部分のみをコーン状としてその外周部はほぼ平面状
としたドリブンディスク26や、第4図に示すように、全
体を円錐面で形成されたホーン型のドリブンディスク36
および同ドリブンディスク36に整合する摩擦材36aも考
えられる。
すなわち、装着時にコーンスプリング17や内壁面6d,6e
から受ける力によって、各摩擦材16a,26a,36aが内壁面6
d,6eと全面で均一な力で接触すればよいのである。
から受ける力によって、各摩擦材16a,26a,36aが内壁面6
d,6eと全面で均一な力で接触すればよいのである。
したがって、ドリブンディスク16,26,36の自然状態での
変形量は、その材質や厚みさらにコーンスプリング17の
強度を考慮した上で最適なものに設定する。
変形量は、その材質や厚みさらにコーンスプリング17の
強度を考慮した上で最適なものに設定する。
なお、各ドリブンディスク16,26,36は図中では大きな変
形が与えられているが、実際には極めて微小な変形が与
えられる。
形が与えられているが、実際には極めて微小な変形が与
えられる。
なお、摩擦材からなるライニング16aは、ドリブンディ
スク16の方でなく、内壁面6d,6eに固着するようにそな
えてライニング16aとドリブンディスク16との間に摩擦
面を形成するようにしてもよい。
スク16の方でなく、内壁面6d,6eに固着するようにそな
えてライニング16aとドリブンディスク16との間に摩擦
面を形成するようにしてもよい。
以上詳述したように、本考案のトルク変動吸収装置によ
れば、一対のドリブンディスクがそれぞれ上記コーンス
プリングの付勢力により生じる弾性的面変形と逆向きの
面変形を予め与えられているという簡素な構成により、
上記ドリブンディスクの装着時には、各ドリブンディス
クとフライホイールの内壁面との接触面に、全面的にほ
ぼ均等な力がはたらき片当たりしないため、これらの接
触面に生じる摩擦力が所定の大きさに維持され、減衰・
トルクリミット機構が設定どうりに作用する。このた
め、トルク変動を吸収しながらのトルク伝達をリミット
トルクまでの範囲で確実に実現でき、リミットトルクに
達した際には減衰・トルクリミット機構が速やかに作動
して、過大なトルク変動の伝達を防止し、トルク伝達系
を保護する。したがって、トルク伝達系の保護にかかる
トルクの伝達ロスの発生を大幅に抑制することができ、
動力系の性能向上に寄与しうる。
れば、一対のドリブンディスクがそれぞれ上記コーンス
プリングの付勢力により生じる弾性的面変形と逆向きの
面変形を予め与えられているという簡素な構成により、
上記ドリブンディスクの装着時には、各ドリブンディス
クとフライホイールの内壁面との接触面に、全面的にほ
ぼ均等な力がはたらき片当たりしないため、これらの接
触面に生じる摩擦力が所定の大きさに維持され、減衰・
トルクリミット機構が設定どうりに作用する。このた
め、トルク変動を吸収しながらのトルク伝達をリミット
トルクまでの範囲で確実に実現でき、リミットトルクに
達した際には減衰・トルクリミット機構が速やかに作動
して、過大なトルク変動の伝達を防止し、トルク伝達系
を保護する。したがって、トルク伝達系の保護にかかる
トルクの伝達ロスの発生を大幅に抑制することができ、
動力系の性能向上に寄与しうる。
第1,2図は本考案の一実施例としてのトルク変動吸収装
置を示すもので、第1図はその減衰・トルクリミット機
構を示す縦断面図(第5図のX部相当箇所拡大図)、第
2図は同減衰・トルクリミット機構を組立てる前の状態
を示す分解断面図であり、第3,4図はそれぞれそのドリ
ブンディスクの変形例を第2図に対応させて示す分解断
面図であり、第5〜10図は従来のトルク変動吸収装置を
示すもので、第5図はその縦断面図(第6図のV−V矢
視断面図)、第6図は第5図のVI矢視図、第7図は第5
図のVII部拡大図、第8図は第5図のVIII部拡大図、第
9図はそのトルク伝達特性を示すグラフ、第10図は第5
図のX部拡大図である。 1……駆動軸としてのクランクシャフト、2……ドライ
ブプレート、2a,2b……ドライブプレート本体、2c,2d…
…側板、2d′……折り曲げ部、3……リベット、4……
ねじ、5……スタータ用リングギヤ、6……フライホイ
ール、6a……フライホイール本体、6b……ドリブンプレ
ート、6c……環状凹所、6d,6e……内壁面、7……ベア
リング、8……ピン、9……ねじ穴、10……ボルト、11
……隙間、12……ばね機構、13……スプリング、14……
スプリングシート、14a……弾性体、15……減衰・トル
クリミット機構、16……ドリブンディスク、16a……摩
擦材からなるライニング、16b……半径方向外方延設
部、17……コーンスプリング、18……ヒステリシス機
構、19……プレート、19a……摩擦材、20……皿ばね、2
6……ドリブンディスク、26a……摩擦材からなるライニ
ング、36……ドリブンディスク、36a……摩擦材からな
るライニング。
置を示すもので、第1図はその減衰・トルクリミット機
構を示す縦断面図(第5図のX部相当箇所拡大図)、第
2図は同減衰・トルクリミット機構を組立てる前の状態
を示す分解断面図であり、第3,4図はそれぞれそのドリ
ブンディスクの変形例を第2図に対応させて示す分解断
面図であり、第5〜10図は従来のトルク変動吸収装置を
示すもので、第5図はその縦断面図(第6図のV−V矢
視断面図)、第6図は第5図のVI矢視図、第7図は第5
図のVII部拡大図、第8図は第5図のVIII部拡大図、第
9図はそのトルク伝達特性を示すグラフ、第10図は第5
図のX部拡大図である。 1……駆動軸としてのクランクシャフト、2……ドライ
ブプレート、2a,2b……ドライブプレート本体、2c,2d…
…側板、2d′……折り曲げ部、3……リベット、4……
ねじ、5……スタータ用リングギヤ、6……フライホイ
ール、6a……フライホイール本体、6b……ドリブンプレ
ート、6c……環状凹所、6d,6e……内壁面、7……ベア
リング、8……ピン、9……ねじ穴、10……ボルト、11
……隙間、12……ばね機構、13……スプリング、14……
スプリングシート、14a……弾性体、15……減衰・トル
クリミット機構、16……ドリブンディスク、16a……摩
擦材からなるライニング、16b……半径方向外方延設
部、17……コーンスプリング、18……ヒステリシス機
構、19……プレート、19a……摩擦材、20……皿ばね、2
6……ドリブンディスク、26a……摩擦材からなるライニ
ング、36……ドリブンディスク、36a……摩擦材からな
るライニング。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)考案者 村松 正史 東京都港区芝5丁目33番8号 三菱自動車 工業株式会社内 (72)考案者 小林 隆志 東京都港区芝5丁目33番8号 三菱自動車 工業株式会社内
Claims (1)
- 【請求項1】駆動軸に連結されるドライブプレートと、
同ドライブプレートと同軸上に同ドライブプレートに対
して相対回転可能にそなえられたフライホイールとで慣
性体が構成され、上記のドライブプレートとフライホイ
ールとの間に、減衰・トルクリミット機構が介装され
て、上記駆動軸の回転を上記ドライブプレートと上記減
衰・トルクリミット機構とを介して上記フライホイール
に伝達させるトルク変動吸収装置において、上記減衰・
トルクリミット機構が、上記フライホイールに形成され
た環状凹部の対向する2つの内壁面と、各内壁面にそれ
ぞれ摩擦接合するように互いにほぼ平行に配設されると
共に上記ドライブプレートとフライホイール間に所定角
度以上の相対回転が生じたときに上記ドライブプレート
に係合するように構成された一対のドリブンディスク
と、同ドリブンディスク相互間に介装され各ドリブンデ
ィスクを接合する内壁面側へ付勢するコーンスプリング
とから構成されて、上記一対のドリブンディスクがそれ
ぞれ上記コーンスプリングの付勢力により生じる弾性的
面変形と逆向きの面変形を予め与えられていることを特
徴とする、トルク変動吸収装置。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2197587U JPH0645722Y2 (ja) | 1987-02-17 | 1987-02-17 | トルク変動吸収装置 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2197587U JPH0645722Y2 (ja) | 1987-02-17 | 1987-02-17 | トルク変動吸収装置 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPS63129747U JPS63129747U (ja) | 1988-08-24 |
JPH0645722Y2 true JPH0645722Y2 (ja) | 1994-11-24 |
Family
ID=30818915
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP2197587U Expired - Lifetime JPH0645722Y2 (ja) | 1987-02-17 | 1987-02-17 | トルク変動吸収装置 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JPH0645722Y2 (ja) |
-
1987
- 1987-02-17 JP JP2197587U patent/JPH0645722Y2/ja not_active Expired - Lifetime
Also Published As
Publication number | Publication date |
---|---|
JPS63129747U (ja) | 1988-08-24 |
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